JP4826492B2 - 昇華転写受像シート - Google Patents
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Description
および下記式(3):
すなわち、上記のクマリン系、スチルベン系、チオフェン系等の蛍光増白剤の吸収波長は、一般的に375nm付近に極大吸収を有しており、吸収したエネルギーを波長420nm付近の蛍光に変換する機能を有している。しかしながら、上述したベンゾトリアゾール系等の従来の紫外線吸収剤を添加した場合には、これら蛍光増白剤と吸収波長が重なって蛍光増白剤の増白効果を阻害してしまう傾向があった。
一方、本発明に用いる各紫外線吸収化合物は375nm付近に吸収ピークを有さないため、従来の蛍光増白剤の増白効果を阻害することなく紫外線吸収効果を充分に発揮することができる。
すなわち、ベンゾトリアゾール系等の従来の紫外線吸収剤を添加した場合には、チタンイオン等の金属イオンの存在下で著しい黄変を生じるが、本発明に用いる各紫外線吸収化合物においては、チタンイオン等の金属イオンの存在下であっても黄変を生じることがない。また、かかる効果は受容層に限らず、受容層と接する中間層に酸化チタン等を添加した態様においても同様に得ることができる。
受容層の厚さには特に制限はないが、一般的には1μm〜10μmである。
添加量が上記100質量部に対し0.1質量部未満であると、異音や貼り付きの発生の防止に寄与せず、また紫外線吸収剤添加の本来の目的である耐光性の改善が見られない傾向がある。また、添加量が上記100質量部に対し30質量部を超えると、異音や貼り付きの発生の防止、染着性/耐光性の向上等の効果が発揮されないばかりか、紫外線吸収剤がブリードして印画物の画像の滲みの原因になる傾向がある。
(受像シートの作製)
基材としての市販のA−2コート紙(三菱製紙(株)製;厚さ:165μm)上に、無延伸ポリプロピレンフィルム(パイレンフィルム−CT P1128(商品名);厚さ:30μm;東洋紡績(株)製)を、ウレタン系接着剤を塗布量5g/m2で使用してドライラミネーションすることにより積層させて基材(支持体)を得た。
さらに、上記無延伸ポリプロピレンフィルム上に、表1に示す各組成を有する受容層形成用塗布液をそれぞれ塗布量5.0g/m2となるようにメイヤーバーを用いて塗工し、次いで乾操して受容層を形成することで各受像シートを作製した。
(転写性(印画品質))
実施例1〜21および比較例1〜3で得られた各受像シートを、100×140mmのサイズに切断した。昇華型熱転写プリンター(Digital Photo Printer SPP−2020(商品名);サムソン社製)に同プリンター用昇華転写リボンをセットし、上記各受像シートに32階調のグラデーションで印画を行い、得られた画像の画質ムラを目視観察し、以下の評価基準に従って転写性(印画品質)を評価した。評価結果を表2に併せて示す。尚、グラデーションは、第1階調から第32階調へ移るに従い、次第に濃度が濃くなるものとした。
また、各階調での光学反射濃度をマクベスRD−918(商品名;グレタグマクベス社製)反射濃度計を用いて測定し、以下の評価基準に従って評価した。
<転写性(印画品質)の評価基準>
○:全ての階調において画質ムラは認められなかった(良好な転写性(印画品質))。
△:第1階調〜第2階調において若干の画質ムラが認められたものの、他の階調に
おいて画質ムラは認められなかった(実用上許容し得る転写性(印画品質))。
×:第1階調〜第2階調のみならず第3階調以降においても画質ムラが認められた
(実用上許容し得ない転写性(印画品質))。
<光学反射濃度の評価基準>
○:2.0以上(良好な高い印画濃度)
△:1.7以上2.0未満(実用上許容し得る印画濃度)
×:1.7未満(実用上許容し得ない低い印画濃度)
実施例1〜21および比較例1〜3で得られた各受像シートに対し、上記のプリンターと昇華転写リボンとを使用し、サーマルヘッドの最大エネルギー値でイエロー、マゼンダおよびシアンを重ねた黒ベタ画像を印画(印画環境:温度23℃、湿度53%)し、その際の転写シートと受像シートとの剥離音をパネル人数10人のパネルテストで確認し、以下の評価基準に従って印画時静粛性を評価した。評価結果を表2に併せて示す。
<評価基準>
○:パネル全員が剥離音は気にならないと感じた(高い静粛性)。
△:パネルの8〜9割が剥離音は気にならないと感じた(実用上許容し得る静粛性)。
×:パネルの8割以上が剥離音が気になると感じた(実用上許容し得ない大きい
剥離音)。
××:受像シートと転写シートとの貼り付きが生じた。
温度60℃、湿度85%の高温/高湿環境下で実施したこと以外は上述した印画時静粛性の評価手順と同一の手順を繰り返し、高温/高湿環境下での印画時静粛性を上記と同一の評価基準に従って評価した。評価結果を表2に併せて示す。
(低温/低湿環境での印画時静粛性)
温度0℃、湿度5%の低音/低湿環境下で実施したこと以外は上述した印画時静粛性の評価手順と同一の手順を繰り返し、低音/低湿環境下での印画時静粛性を上記と同一の評価基準に従って評価した。評価結果を表2に併せて示す。
上述した転写性評価において作製した実施例1〜21および比較例1〜3の各受像シートサンプルについて、シアン色のうち光学反射濃度が1.0近傍である諧調について、キセノンフェードメータCi−35A(商品名;アトラス社製)を用いて、96時間キセノンランプ照射後のシアン色の光学濃度残存率を測定し、以下の評価基準に従って耐光性を評価した。
○:光学濃度残存率が85%以上(良好な高い耐光性)
△:光学濃度残存率が70%以上85%未満(実用上許容し得る耐光性)
×:光学濃度残存率が70%未満(実用上許容し得ない低い耐光性)
受容層塗工液として下記組成を有する各塗工液を使用した以外は実施例1と同様の手順に従って昇華転写受像シートを得た。
<実施例22の塗工液>
ポリエステル樹脂(バイロン290) 8部
蛍光増白剤(ユビテックスOB(商品名);チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
0.03部
式(1)の化合物(ホスタビン PR−25 Gran.) 1.97部
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 100部
<実施例23の塗工液>
ポリエステル樹脂(バイロン290) 6部
蛍光増白剤(ユビテックスOB(商品名);チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
0.03部
式(2)の化合物(ホスタビン B−CAP) 1.97部
酸化チタン 2部
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 100部
<比較例4の塗工液>
ポリエステル樹脂(バイロン290) 6部
蛍光増白剤(ユビテックスOB(商品名);チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
0.03部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン328) 1.97部
酸化チタン 2部
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 100部
基材上に、下記組成を有する中間層塗工液を、バーコーターを用いて乾燥後塗布量が5g/m2となるように塗工し、乾燥させて中間層を形成し、その中間層上に受容層を形成した以外は実施例1、8および15とそれぞれ同様にして各昇華転写受像シートを得た。
<中間層塗工液>
ポリエステル樹脂(バイロン600(商品名);東洋紡(株)製) 7.97部
蛍光増白剤(ユビテックスOB(商品名);チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
0.03部
酸化チタン 2部
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 100部
尚、実施例24の受容層は実施例1と、実施例25の受容層は実施例8と、さらに実施例26の受容層は実施例15とそれぞれ同様の組成の塗工液を用いて形成した。
基材上に、下記組成を有する中間層塗工液を、バーコーターを用いて乾燥後塗布量が5g/m2となるように塗工し、乾燥させて中間層を形成し、その中間層上に受容層を形成した以外は実施例1、8および15とそれぞれ同様にして各昇華転写受像シートを得た。
<中間層塗工液>
ポリエステル樹脂(バイロン600(商品名);東洋紡(株)製) 6.47部
式(1)の化合物(ホスタビン PR−25 Gran.) 1.50部
蛍光増白剤(ユビテックスBAC(商品名);チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 0.03部
酸化チタン 2部
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 100部
尚、実施例27の受容層は実施例1と、実施例28の受容層は実施例8と、さらに実施例29の受容層は実施例15とそれぞれ同様の組成の塗工液を用いて形成した。
Claims (3)
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2007
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