JP2016210161A - 水濡れに強い情報通信体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は強靭な被膜と前記被膜による弾力性を利用して、仮に水濡れにより剥離の端緒部分が破断しやすい状況でも確実に剥離ができ、最後まで展開することが可能な水濡れに強い情報通信体を提供するものである。【解決手段】面積が異なる複数の葉片を折り畳み或いは切重ねて剥離可能に一体化した情報通信体における面積の相違により生じる段差部分を剥離の端緒とした情報通信体の開封手段であって、開封縁辺に沿って形成された段差における面積の狭い葉片の2か所の角部を切り欠くと共に前記面積の狭い葉片の両面を被覆するフィルムシートが前記角部の切り欠きからはみ出した水濡れに強い情報通信体により解決される。【選択図】図1
Description
本発明は、複数の葉片を折り畳み、剥離可能に一体化した情報通信体に関する。詳しくはハガキ2倍或いは3倍サイズの用紙を折り畳み剥離可能に圧着した圧着ハガキに代表される情報通信体であり、取り分け雨などにより水濡れを起こしていても紙材の破れ等を起こして開封不能になる事故に強い情報通信体に関する。
最近前記圧着ハガキに代表される情報通信体が多用されている。このものは従来のハガキ料金で倍以上の情報を受取人に隠蔽状態で郵送できる優れた性能を持つ。然るに情報通信体の本体に紙材を使用するため、例えば雨等による水濡状態の際に開封しようとすると本体を形成する紙材が破れて剥離開封することが出来なくなる欠点があった。このようにせっかくの情報を受取人に伝達できないのでは情報通信体の意味がない。
そこで前記水濡れ時の剥離開封対策として、例えば特開2010−12764号公報に開示される水濡れに強い情報通信体がある。このものは例えば情報通信体用用紙の剥離開始部分の両面に印刷インキ等によるベタ印刷を施し水の浸入を防ぐことにより、剥離の端緒となる紙基材の破損を防ぎ、剥離開始後はフィルムにより最後まで展開することが可能になるものである。
前記引用文献の発明では印刷インキにより生成される被膜或いは撥水性により剥離の端緒部分を保護するものと考えられる。然るに印刷インキ等(UV系のインクやトナー系を推奨している)では強靭な被膜は期待できず、印刷部分は紙繊維の破断と共に容易に破壊されてしまう。また撥水性に関しても保護部分の水濡れに強くても用紙端面や印刷が施されていない部分から侵入する水分により、剥離の端緒部分に水が回れば剥離に際して内部から容易に破断されてしまう。
またスポット的に一個所の剥離開始部分を保護しても開封縁辺全体が水分の影響を受けると、保護されていない部分で用紙が捲りあがる等の変形を起こし支障を来す。
なお前記引用文献の発明では、疑似接着フィルムは紙基材より一回り小さく設計されており、当初開封の端緒となるコーナー部分の紙基材を摘まんで剥離を開始する必要がある。そして前記紙基材の開封を切っ掛けに次に内方に控える疑似接着フィルムの剥離へ移行する機構になっている。従って、開封の端緒となるコーナー部分の紙基材が水濡れを起こしている場合、既述の理由により前記良好に密着している疑似接着フィルムの開封を開始する前に破断、破壊されてしまう。その結果、疑似接着フィルムは剥離されることなく残され情報通信体を開封することができなくなる。
本発明は、前記問題に鑑み、強靭な被膜と前記被膜による弾力性を利用して、仮に水濡れにより剥離の端緒部分が破断しやすい状況でも確実に剥離ができ、また開封縁辺全体を保護すると共に最後まで展開することが可能な水濡れに強い情報通信体を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の水濡れに強い情報通信体は、面積が異なる複数の葉片を折り畳み或いは切重ねて剥離可能に一体化した情報通信体における面積の相違により生じる段差部分を剥離の端緒とした情報通信体であって、開封縁辺に沿って形成された段差における面積の狭い葉片の2か所の角部を切り欠くと共に前記面積の狭い葉片の両面を被覆するフィルムシートが前記角部の切り欠きからはみ出していることを特徴としている。
本発明の情報通信体に使用される用紙は通常の上質紙、マット紙、コート紙を使用することができる。そして前記用紙の表裏面に被覆される疑似接着フィルムシートは、図11(A)に示すように、例えばポリエチレンテレフタレートや二軸延伸ポリプロピレンを基材41として、一方の面にEVAやポリエチレン等からなる公知の感熱接着剤層42を形成すると共に残るもう一方の面に疑似接着層43を形成したものを好適に使用することができる。またフィルムシートは図11(B)に示すように、前記疑似接着フィルムシートの疑似接着層43を省略した公知のプリントラミネート用(艶出し、艶消し、ホログラムフィルム等)のものを好適に使用することができる。
前記疑似接着フィルムシートは、情報通信体になる以前の平面に展開された状態の情報通信体の疑似接着予定面を含む側の面に被覆される。そして折り畳み後に加圧或いは加熱・加圧処理を施すと対向面同士が剥離可能に一体化し、郵送中は良好に密着しているが受取人が剥離する際には対向する疑似接着層の間から容易に剥離できる。
前記疑似接着フィルムシートの厚さは10〜50μmのものを使用できるが、好ましくは15〜35μmのものを好適に使用することができる。前記厚みは疑似接着フィルムシートにおいては基材41と感熱接着剤層42及び疑似接着層43の合計厚さであり、フィルムシート(艶出し、艶消し、ホログラムフィルム等)においては基材41と感熱接着剤層42の合計である。この程度の厚みがあれば段差部における剥離の端緒部分をスポット的に折り曲げれば、前記各種フィルムシートにより被覆され腰が強くなった対向葉片同志が反発して自然開封が自動的に始まる。
本発明の水濡れに強い情報通信体は、両面に被覆された疑似接着フィルムシート或いはフィルムシートの反発力により、2か所の切り欠き部分に形成された段差部分における剥離の端緒部分をスポット的に折り曲げれば何れの切り欠き部分でも対向葉片同志が反発して自然開封が自動的にはじまり、その部分を指で摘み平面に展開することができる。
また、情報通信体の表裏面が疑似接着フィルムシート或いはフィルムシートにより全面的に保護されているため、水濡れしていても紙材の破壊を起こすことなく最後まで確実に展開することができる。
さらに、開封縁辺の角部2か所の剥離の端緒を強靭なフィルムシートにより保護しているため、仮に剥離縁辺の中央部分で紙材に破れ等が発生しても、前記2か所の角部分で確実に紙材破れの拡大を食い止めることができる。そして紙材の破れに関係なくフィルムシートを連続的に剥離することにより内部の情報を確認することができるのである。
また、情報通信体の表裏面が疑似接着フィルムシート或いはフィルムシートにより全面的に保護されているため、水濡れしていても紙材の破壊を起こすことなく最後まで確実に展開することができる。
さらに、開封縁辺の角部2か所の剥離の端緒を強靭なフィルムシートにより保護しているため、仮に剥離縁辺の中央部分で紙材に破れ等が発生しても、前記2か所の角部分で確実に紙材破れの拡大を食い止めることができる。そして紙材の破れに関係なくフィルムシートを連続的に剥離することにより内部の情報を確認することができるのである。
以下本発明を、図面に沿って分かりやすく説明する。
[実施例1:二つ折りハガキJ1]
まず、本発明の水濡れに強い情報通信体の中でも基本的な二つ折りハガキについて説明する。
図1(A)及び(B)は二つ折りハガキJ1の表面図及び裏面図である。本実施例の二つ折りハガキJ1はその断面図の図2(A)及び(B)に示すように、第一葉片1及び第二葉片2が折り線3(折りミシンが形成されている)から二つ折りに折り畳まれている。そして図1(A)に示すように、第一葉片1の表出面には郵便料金及び郵便番号欄が記載されると共に図示は省略されているが受取人の住所氏名等が記載されている。また図1(B)に示すように、第二葉片2の表出面には図示は省略されているが広告宣伝等の一般情報が記載されている。なお第一葉片1及び第二葉片2が折り畳まれて内側になる対向面には例えば個人情報及び/又は一般情報が記載されており外部からは視認不可能な隠蔽状態になっている。
[実施例1:二つ折りハガキJ1]
まず、本発明の水濡れに強い情報通信体の中でも基本的な二つ折りハガキについて説明する。
図1(A)及び(B)は二つ折りハガキJ1の表面図及び裏面図である。本実施例の二つ折りハガキJ1はその断面図の図2(A)及び(B)に示すように、第一葉片1及び第二葉片2が折り線3(折りミシンが形成されている)から二つ折りに折り畳まれている。そして図1(A)に示すように、第一葉片1の表出面には郵便料金及び郵便番号欄が記載されると共に図示は省略されているが受取人の住所氏名等が記載されている。また図1(B)に示すように、第二葉片2の表出面には図示は省略されているが広告宣伝等の一般情報が記載されている。なお第一葉片1及び第二葉片2が折り畳まれて内側になる対向面には例えば個人情報及び/又は一般情報が記載されており外部からは視認不可能な隠蔽状態になっている。
面積の異なる第一葉片1及び第二葉片2は図1(A)及び図2(A)に示すように、開封側縁辺に沿って段差を形成している。そして図1(A)に示す第二葉片の左上及び左下の角部に設けられている切り欠き4では、疑似接着フィルムシートG及びフィルムシートFが前記切り欠き4から段差部分にはみ出した状態で、図2(B)に示すように第一葉片1の端面を覆い、第二葉片2側の疑似接着フィルムシートGと剥離可能に接着され剥離の端緒部分を形成している。
既述の通り構成された二つ折りハガキJ1は、開封に際して例えば図1(A)の左下角の切り欠き4から図3に示すように、第二葉片2の前記切り欠き4の外側をスポット的に図中矢印の方向へ折り曲げると、腰の強いフィルム同士が反発して自然に剥離を開始する。そして前記剥離により両葉片に指で摘める広さが確保されれば、仮に各葉片が水濡れを起こして脆弱な状態であったとしてもフィルムシートを摘まみ最後まで葉片を破断することなく剥離が持続して、本二つ折りハガキJ1は問題なく剥離され平面に開封されるのである。
なお図2(A)の断面図に示すように、端面がフィルムシートにより覆われていない部分は図4に示すように、水分が端面から侵入し自然に紙材破壊を起こして表面が捲り上ってしまう。本発明では仮にそのような事故が起きても、開封側両端角部の上下の切り欠き4で前記捲り上りが防止され、従って端面全面に捲れが生じることを防止できるため確実に上下何れかの切り欠き4から剥離して開封することができるのである。
切り欠き4から剥離された二つ折りハガキJ1は、最終的に図5(A)及び(B)に示すように平面に展開される。そして図5(B)に示す隠蔽されていた図示されない内部の個人情報及び/又は一般情報は、表面を覆う透明或いは半透明の疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。
本実施例の二つ折りハガキJ1は、幅の狭い第一葉片1表面に郵便料金、郵便番号欄あるいは受取人の住所氏名等が記載され、第二葉片2との段差部分に「POST CARD」等の郵便葉書本体を示す文言が記載されている形態であるが、例えば図6に示す二つ折りハガキJ1′のように、住所面の裏面側に段差が形成されると共に切り欠きが形成される形態でも構わない。
[実施例2:三つ折りハガキJ2]
次に本発明の水濡れに強い情報通信体の中で次に基本的な三つ折りハガキについて説明する。
図7(A)、(B)及び図8(A)、(B)は三つ折りハガキJ2の各種図面である。本実施例の三つ折りハガキJ2はその断面図である図8(A)及び(B)に示すように、第一葉片21、第二葉片22及び第三葉辺23が折り線24及び25(折りミシンが形成されている)から三つ折り(Z折り)に折り畳まれている。そして図7(A)に示すように、第一葉片21の表出面には郵便料金及び郵便番号欄が記載されると共に図示は省略されているが受取人の住所氏名等が記載されている。また図7(B)に示すように、第三葉片23の表出面には図示は省略されているが例えば広告宣伝等の一般情報が記載されている。なお第一葉片21と第二葉片22の対向面及び第二葉片22と第三葉片23の対向面には、個人情報及び/又は一般情報が記載されており外部からは視認不可能な隠蔽状態になっている。
次に本発明の水濡れに強い情報通信体の中で次に基本的な三つ折りハガキについて説明する。
図7(A)、(B)及び図8(A)、(B)は三つ折りハガキJ2の各種図面である。本実施例の三つ折りハガキJ2はその断面図である図8(A)及び(B)に示すように、第一葉片21、第二葉片22及び第三葉辺23が折り線24及び25(折りミシンが形成されている)から三つ折り(Z折り)に折り畳まれている。そして図7(A)に示すように、第一葉片21の表出面には郵便料金及び郵便番号欄が記載されると共に図示は省略されているが受取人の住所氏名等が記載されている。また図7(B)に示すように、第三葉片23の表出面には図示は省略されているが例えば広告宣伝等の一般情報が記載されている。なお第一葉片21と第二葉片22の対向面及び第二葉片22と第三葉片23の対向面には、個人情報及び/又は一般情報が記載されており外部からは視認不可能な隠蔽状態になっている。
また図7(A)及び(B)に示すように、第一葉片21及び第三葉片23の段差側縁辺の上下部には切り欠き26が設けられており、その部分は図8(B)に示すように、第一葉片21の表裏面に被覆された疑似接着フィルムシートG同士が剥離不能に接着されると共に、第二葉片22側の疑似接着フィルムシートGと剥離可能に接着され剥離の端緒を形成している。
既述の通り構成された三つ折りハガキJ2は、例えば図7(A)において切り欠き26の外側の第二葉片22の左下隅にスポット的に指を掛けて折り曲げると、切り欠き26を被覆する腰の強い疑似接着フィルムGが反発して、実施例1の場合と同様で図3に示すように自然に剥離を開始する。そして前記剥離により両葉片に指で摘める広さが確保されれば、仮に各葉片が水濡れを起こして脆弱な状態であったとしても疑似接着フィルムシートGを摘まみ最後まで破断することなく剥離が持続して、三つ折りハガキJ2の剥離開封が可能になるのである。なお、本実施例の三つ折りハガキJ2は、第一葉片21及び第三葉片23の各切り欠き26を利用して、図9(A)及び(B)に示すように最終的に三葉片が平面に展開される。
本実施例2の三つ折りハガキJ2は、断面形状がZ字状のため業界でZ折りと称される形態であるが、例えば図10(A)及び(B)に示すように、第三葉片33を巻き込んだ状態の三つ折りハガキJ2′のように業界で巻き折りと称される形態でも構わない。この場合切り欠き36は第一葉片31のみになる。
J1、J1′ 二つ折りハガキ
J2、J2′ 三つ折りハガキ
G 疑似接着フィルムシート
F フィルムシート
1、2、11、12、21、22、23、31、32 葉片
3、13、24、25、34、35 折り線
4、14、26、36 切り欠き
41 基材
42 感熱接着剤層
43 疑似接着層
J2、J2′ 三つ折りハガキ
G 疑似接着フィルムシート
F フィルムシート
1、2、11、12、21、22、23、31、32 葉片
3、13、24、25、34、35 折り線
4、14、26、36 切り欠き
41 基材
42 感熱接着剤層
43 疑似接着層
Claims (1)
- 面積が異なる複数の葉片を折り畳み或いは切重ねて剥離可能に一体化した情報通信体における面積の相違により生じる段差部分を剥離の端緒とした情報通信体の開封手段であって、開封縁辺に沿って形成された段差における面積の狭い葉片の2か所の角部を切り欠くと共に前記面積の狭い葉片の両面を被覆するフィルムシートが前記角部の切り欠きからはみ出していることを特徴とした水濡れに強い情報通信体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015105874A JP2016210161A (ja) | 2015-05-07 | 2015-05-07 | 水濡れに強い情報通信体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015105874A JP2016210161A (ja) | 2015-05-07 | 2015-05-07 | 水濡れに強い情報通信体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016210161A true JP2016210161A (ja) | 2016-12-15 |
Family
ID=57552269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015105874A Pending JP2016210161A (ja) | 2015-05-07 | 2015-05-07 | 水濡れに強い情報通信体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016210161A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021123099A (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-30 | ケイディケイ株式会社 | 防水折り畳み情報通信体 |
-
2015
- 2015-05-07 JP JP2015105874A patent/JP2016210161A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021123099A (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-30 | ケイディケイ株式会社 | 防水折り畳み情報通信体 |
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