JP2016210136A - タイヤ加硫方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加硫ブラダーにスチームを供給してタイヤの内部温度を加硫温度まで加熱する加熱工程と、タイヤを加圧してタイヤの加硫を進行させる加圧工程と、加硫ブラダーの内部のスチームおよびガスを排気する排気工程とを備えたタイヤ加硫方法であって、加熱工程が、少なくとも、加硫ブラダーの内部の圧力がタイヤに対して最適な圧力になるように加硫ブラダーにスチームを供給した後、ゴムの流れが収まるまでの間、最適な圧力に保持してタイヤを加熱する第一の加熱工程と、スチームを供給して加熱最高圧まで昇圧させた後、タイヤが加硫温度に加熱されるまで加硫ブラダーの内部の圧力を加熱最高圧に保持してタイヤを加熱する第二の加熱工程とを備えているタイヤ加硫方法。
【選択図】図1
Description
加硫金型内のタイヤの内部に装着された加硫ブラダーにスチームを供給して前記タイヤの内部温度を加硫温度まで加熱する加熱工程と、前記加熱工程の後に前記加硫ブラダーの内部にガスを供給して前記タイヤを加圧して前記タイヤの加硫を進行させる加圧工程と、加硫完了後前記加硫ブラダーの内部のスチームおよびガスを排気する排気工程とを備えたタイヤ加硫方法であって、
前記加熱工程が、少なくとも、
前記加硫ブラダーの内部の圧力が前記タイヤに対して最適な圧力になるように前記加硫ブラダーに前記スチームを供給した後、ゴムの流れが収まるまでの間、前記最適な圧力に保持して前記タイヤを加熱する第一の加熱工程と、
さらに前記スチームを供給して加熱最高圧まで昇圧させた後、前記タイヤが加硫温度に加熱されるまで、前記加硫ブラダーの内部の圧力を前記加熱最高圧に保持して前記タイヤを加熱する第二の加熱工程とを備えていることを特徴とするタイヤ加硫方法である。
前記加熱工程が、前記第一の加熱工程と前記第二の加熱工程とを含む2段階以上の昇圧工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法である。
前記第一の加熱工程における前記最適な圧力が、前記第二の加熱工程における前記加熱最高圧の40〜60%の圧力であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ加硫方法である。
前記第一の加熱工程と前記第二の加熱工程の切り替えを、内圧コントロール弁を用いて行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
(1)概要
図1は本実施の形態に係るタイヤ加硫方法におけるタイヤ加硫圧力チャート図であり、縦軸は加硫ブラダー内部の圧力、横軸は加硫開始時点(加硫金型を閉にして加硫ブラダー内にスチームの供給を開始した時点)からの経過時間である。また、縦軸に付記したP1は当初圧力、P2は加熱最高圧、P3は加圧最高圧である。また、P4は第一の加熱工程における圧力(以下、「第一加熱圧力」という)である。
以下、Inf.S工程における2段階の加熱工程について説明する。
上記したように、本実施の形態においては、加熱最高圧P2まで一気に昇圧させる図2に示す方法や、設定圧力P5まで徐々に昇圧させた後に加熱最高圧P2まで一気に昇圧させる図3に示す方法とは異なり、第一の加熱工程において加熱最高圧P2よりも低い圧力の第一加熱圧力P4まで一気に昇圧させる。
本実施の形態においては、上記した第一の加熱工程による加熱に引き続いて、第二の加熱工程による加熱が行われる。第二の加熱工程においては、スチーム供給装置からスチームをさらに供給して、加硫ブラダー内部の圧力を第一加熱圧力P4から従来と同様に加熱最高圧P2まで一気に上昇させ、その後、内部空間の圧力を加熱最高圧P2に保持した状態でタイヤの内部温度が加硫温度に上昇するまで所定の経過時間(t1)まで保持する。
そして、本実施の形態に係るタイヤ加硫方法では、上記した2段階の加熱工程を有するInf.S工程に次いで、従来と同様の手順でN2ガス工程を行う。N2ガス工程では、内部空間にN2ガスを供給し、内部空間の圧力を加熱最高圧P2から加圧最高圧P3にまで一気に上昇させた後、加圧最高圧P3で所定の経過時間(t2)まで保持することにより、加硫を進行させる。
そして、従来と同様に、加圧工程終了後、排気工程で内部空間内のスチームとN2との混合ガスを排気した後、加硫金型を開にして加硫済タイヤを取り出す。
本実施の形態では、上記したように、加熱工程(Inf.S工程)を第一の加熱工程および第二の加熱工程の2段階に分けて加熱を行っている。これにより、以下に記載するように、従来のタイヤ加硫方法において生じていた種々の不具合の発生をそれぞれ適切に抑制することができる。
本実施の形態においては、加熱工程において、未加硫タイヤの加硫金型面側での加硫の進行を未加硫タイヤ内側よりも速くしている。これにより、未加硫タイヤの加硫金型面側では未加硫タイヤ内側からの押圧が弱い内に加硫が進行することになり、ゴムが加硫金型の成形面のベントホールに流れ込みにくくなるため、トレッド部のスピューの長さ(TRDスピュー長さ)を従来よりも短くすることができる。
本実施の形態においては、加熱工程において、加硫初期の未加硫タイヤ内側からの押圧力を適正な圧力に設定しているため、OV/SP・OCRの発生が抑制される。特に、プラテン183℃以下などの低温加硫サイズの加硫金型に本実施の形態に係るタイヤ加硫方法を適用した場合には、未加硫タイヤの加硫金型面側での加硫を進行させた後に未加硫タイヤ内側からの押圧が高くなるため、OV/SP・OCRの発生量を半分以下にすることができる。
また、セグメント間へのゴムの進入が抑制されることにより、スピューの長さが半減されて加硫金型の穴に残ることが抑制されるため、スピューレスモールドサイズ・スプリングベントサイズなどの加硫金型を用いた場合でも、トレッド部にベアーが発生することがない。
また、スチームの圧力を低圧に保持することによりタイヤ部材間の材料を密着させることができるため、図2に示すようなタイヤ加硫方法を採用した場合に生じていたBL/R等のディフェクトの発生数を低減させることができる。
また、本実施の形態に係るタイヤ加硫方法の場合、スチーム圧力とその保持時間を適正にして熱源のスチーム送量を従来と同じにしているため、加熱工程を上記のように2段階に分けても、トータルの加硫時間を特別延長する必要がなく、製造効率が低下することもない。
上記したスチーム供給装置は、加熱工程における第一の加熱工程と第二の加熱工程の切り替えを行う内圧コントロール機構として内圧コントロール弁を備えていることが好ましい。
図1に示すタイヤ加硫圧力チャート図に基づいて、タイヤサイズ195/65R15のタイヤを加硫した。なお、この加硫に際しては、当初圧力P1を常圧、加熱最高圧P2を1500kpa、加圧最高圧P3を2200kpa、第一加熱圧力P4を700kpaとし、t1を3.25分、t2を9.00分、t3を1.50分と設定して、Inf.S工程において内圧コントロール設備を使用して2段階の内圧コントロールを行った。
従来の標準加硫条件である図2に示すタイヤ加硫圧力チャート図に基づいて、同サイズのタイヤを加硫した。なお、この加硫に際しては、当初圧力P1を常圧、加熱最高圧P2を1500kpa、加圧最高圧P3を2200kpaとし、t1を3.00分、t2を9.00分と設定して、Inf.S工程において内圧コントロールを行わなかった。
図3に示す加硫圧力チャート図に基づいて、同サイズのタイヤを加硫した。なお、この加硫に際しては、当初圧力P1を常圧、加熱最高圧P2を1500kpa、加圧最高圧P3を2200kpa、設定圧力P5を500kpaとし、t1を3.50分、t2を9.00分、t4を1.00分と設定して、Inf.S工程において内圧コントロール設備を使用して設定圧力P5まで徐々に昇圧するようにスチーム供給における内圧コントロールを行った。
(1)スピュー長さ
加硫タイヤのトレッド部(TRD部)およびショルダー部(Sh部)に形成されたスピュー長さを測定した。結果を表1に示す。
加硫の進行が最も遅くなる部位(加硫律速部位)と思われる「下Sh BRK‘E(下側のショルダーとブレーカーとのエッジ部分)」にて、加硫開始から10分間、温度(℃)および供給熱量(ECU)を測定した。結果を図4に示す。なお、図4において、上の曲線は温度(℃)、下の曲線は供給熱量(ECU)を示す。
P2 加熱最高圧
P3 加圧最高圧
P4 第一加熱圧力
P5 設定圧力
t1 加硫開始からタイヤが加硫温度に加熱されるまでの経過時間
t2 加硫完了までの経過時間
t3 第二の加熱工程までの経過時間
t4 設定圧力に昇圧されるまでの経過時間
Claims (4)
- 加硫金型内のタイヤの内部に装着された加硫ブラダーにスチームを供給して前記タイヤの内部温度を加硫温度まで加熱する加熱工程と、前記加熱工程の後に前記加硫ブラダーの内部にガスを供給して前記タイヤを加圧して前記タイヤの加硫を進行させる加圧工程と、加硫完了後前記加硫ブラダーの内部のスチームおよびガスを排気する排気工程とを備えたタイヤ加硫方法であって、
前記加熱工程が、少なくとも、
前記加硫ブラダーの内部の圧力が前記タイヤに対して最適な圧力になるように前記加硫ブラダーに前記スチームを供給した後、ゴムの流れが収まるまでの間、前記最適な圧力に保持して前記タイヤを加熱する第一の加熱工程と、
さらに前記スチームを供給して加熱最高圧まで昇圧させた後、前記タイヤが加硫温度に加熱されるまで、前記加硫ブラダーの内部の圧力を前記加熱最高圧に保持して前記タイヤを加熱する第二の加熱工程とを備えていることを特徴とするタイヤ加硫方法。 - 前記加熱工程が、前記第一の加熱工程と前記第二の加熱工程とを含む2段階以上の昇圧工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記第一の加熱工程における前記最適な圧力が、前記第二の加熱工程における前記加熱最高圧の40〜60%の圧力であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記第一の加熱工程と前記第二の加熱工程の切り替えを、内圧コントロール弁を用いて行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107244025A (zh) * | 2017-08-04 | 2017-10-13 | 徐州徐轮橡胶有限公司 | 一种轮胎硫化方法 |
CN109263096A (zh) * | 2017-07-18 | 2019-01-25 | 东洋橡胶工业株式会社 | 轮胎硫化成型方法 |
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JPS6184211A (ja) * | 1984-10-01 | 1986-04-28 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | エラストマ−物品の加硫方法 |
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