JP3602808B2 - エラストマー物品のガス加硫方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エラストマー物品、特に車両用のゴムタイヤの加硫成形に好適に採用でき、ベアの発生を抑制し製品品質を向上しうるエラストマー物品のガス加硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エラストマー物品、例えば車両用ゴムタイヤの加硫成形は、従来、スチームである高熱容量の高温気体からなる加熱媒体と、窒素ガス等の不活性ガスである低熱容量の高圧気体からなる加圧媒体とを併用したガス加硫方法が広く採用されている。この方法は、図7(A)、(B)に示すように、金型a内に装填したタイヤbの内部空間cに、所定の温度と圧力を有する前記加熱媒体を供給してタイヤを加熱する加熱工程s1と、その後、この加熱媒体よりも高圧の前記加圧媒体を前記タイヤbの内部空間cに供給して加圧し、タイヤbを金型aに押付けて成形する加圧工程s2とから構成されている。なお図中の符号fはブラダーである。
【0003】
このとき、前記加熱工程s1では、従来、加熱初期圧p1d(0kPa)から加熱最高圧p1u(約1500kPa程度)まで一気に昇圧し、タイヤが加硫温度(約140゜C以上)に到達するまで、この加熱最高圧p1u(一定)の下で加熱が行われる。なお加熱工程s1におけるトータル時間t1は5〜10分程度、昇圧時間t1aは15〜30秒程度である。
【0004】
又前記加圧工程s2では、前記加熱最高圧p1uを加圧初期圧p2dとして加圧最高圧p2u(約2100kPa程度)まで一気に昇圧し、前記加硫温度を保ちながら加硫成形が完了するまで、この加圧最高圧p2u(一定)の下で加圧が行われる。なお加圧工程s2におけるトータル時間t2は10〜15分程度、昇圧時間t2aは7〜15秒程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
他方、タイヤbの加硫成形では、ゴム流れ不足が原因して、図8(A)に示すように、金型面a1の凹部d内にゴムgが完全に流れ込まず、タイヤ表面にベアが発生して製品品質を損ねるという問題がある。
【0006】
そのために、従来、図8(B)に示すように、凹部d内の余分な空気を排気するベントホールeを金型aに多数形成し、ゴム流れを改善することが行われている。しかしながらベントホールeは、排気後にゴムgまでも流出させるため、この流出ゴムが加硫後においてタイヤ表面に多数のスピューとなって残存する。その結果、タイヤ仕上げ工程においてこのスピューを切除するための多大の労力が必要となる。
【0007】
そこで、本発明者は、前記ガス加硫方法に着目し研究を行った。その結果、従来のガス加硫方法では、前記加熱工程s1および加圧工程s2における加圧が、一定圧力(最高圧力)の下で静的に行われるため、凹部d内へのゴムgの押込み効果に劣り、ベアが発生しやすくなることを究明した。そしてまた、昇圧と降圧とを交互に繰り返し、加圧を動的に行う場合には、ゴムgを金型aに衝突させるバンピング(衝突)作用が発生し、凹部d内への押込み効果を飛躍的に向上させうることも見出し得た。
【0008】
すなわち本発明は、加熱工程または加圧工程において、昇圧ステップと降圧ステップとを交互に繰り返えすことを基本として、ゴムの凹部内への押込み効果を向上でき、ベントホールの削減を図りながらベアの発生を抑制しうるエラストマー物品のガス加硫方法の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、高熱容量かつ高温の気体からなる加熱媒体を、金型内に装填されたエラストマー物品内部に供給して該エラストマー物品を加熱する加熱工程と、加熱工程の後にエラストマー物品を加圧媒体により加圧し金型に押しつける加圧工程とを有するエラストマー物品のガス加硫方法であって、
前記加熱工程、又は加圧工程の間に、加熱工程における加熱媒体、又は加圧工程の加圧媒体を昇圧する昇圧ステップと、降圧する降圧ステップとを、交互に繰り返すことを特徴とするエラストマー物品のガス加硫方法である。
【0010】
請求項2の発明は、前記加圧工程が、加熱工程での加熱媒体の供給の後に、低熱容量かつ高圧の気体からなる加圧媒体を前記エラストマー物品内部に供給されることにより行われることを特徴としている。
【0011】
又請求項3の発明では、前記加熱工程における降圧ステップが、昇圧ステップでの最高圧P1Uから、この最高圧P1Uの1/2倍以下の下限圧P1Dまで圧力低下することを特徴とするとともに、請求項4の発明では、前記加熱工程における降圧ステップは、昇圧ステップでの最高圧P1Uから、この最高圧P1Uの1/2倍よりも大の下限圧P1Dまで圧力低下することを特徴とし、さらに請求項5の発明では、前記加圧工程における降圧ステップは、昇圧ステップでの最高圧P2Uから、{P1U+0.5(P2U−P1U)}の値以下の下限圧P2Dまで圧力低下することを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明では、前記昇圧ステップの1回の時間Tuは60秒以下、及び降圧ステップの1回の時間Tdは60秒以下であることを特徴とし、かつ請求項7の発明では、前記昇圧ステップの1回の時間Tuは0.5〜10秒、及び降圧ステップの1回の時間Tdは0.5〜10秒以下であることを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明においては、前記昇圧ステップの回数Nu及び降圧ステップの回数Ndは、夫々50以下であることを特徴とする
【0014】
又請求項9の発明においては、前記昇圧ステップの回数Nu及び降圧ステップの回数Ndは、夫々2〜10であることを特徴としている
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態が、エラストマー物品である例えば車両用のタイヤJを加硫成形する場合を、図示例とともに説明する。
【0016】
図1、2,3に示すように、本発明のガス加硫方法は、加熱媒体2Aを、金型3(図4に示す)に装填されるタイヤJの内部に供給して該タイヤJを加硫温度まで加熱する加熱工程S1と、この加熱工程S1の後に、加圧媒体2Bを前記タイヤJの内部に供給してタイヤJを加圧し金型3に押しつける加圧工程S2とを具える。
【0017】
そして、ガス加硫方法では、前記加熱媒体2Aを供給している間(即ち加熱工程S1の間)、又は加圧媒体2Bによる加圧の間(即ち加圧工程S2の間に)、昇圧ステップUと降圧ステップDとを交互に繰り返すことに大きな特徴を有している。
【0018】
ここで前記加熱媒体2Aとは、飽和蒸気状のスチームである高熱容量の高温気体からなり、従来と同様、加硫温度(約140゜C)より高い例えば200゜C程度の高温かつ1500kPa程度の供給圧力PAの下で加熱媒体供給源4(図4、5に示す)から供給される。又前記加圧媒体2Bとは、不活性ガス、通常窒素ガス等である低熱容量の高圧気体からなり、通常、前記加熱媒体2Aの供給圧力PAよりも高い例えば2100kPa程度の供給圧力PBの下で加圧媒体供給源5から供給される。
【0019】
なお加圧媒体2Bは、通常は40゜C程度の低温で供給される。しかしながら、図3に示すように、この加圧工程において前記昇圧、降圧の圧力変動を行うときには、前記加硫温度と同程度或いはそれよりやや高い例えば160゜C程度の高温で供給することが、前記昇圧、降圧の圧力変動による加硫への悪影響をなくす上で好ましい。なお前記加熱媒体2Aと加圧媒体2Bとを総称して加硫媒体2とよぶ場合がある。
【0020】
又前記金型3は、図4に示すごとく、タイヤ軸と同芯な中心機構6の周囲に、例えば上下に分離可能な上型3Uと下型3Lとを具え、この上型3U、下型3Lの割り面が当接することによって、仕上がりタイヤJの輪郭形状をなすタイヤ装填用の加硫室7を形成している。又前記中心機構6には、前記加硫室7への加硫媒体2の吸入、排出を行なう吸入口9、排出口10が夫々開口するとともに、本例では、この加硫媒体2とタイヤJとの直接の接触を防ぐゴム製袋状のブラダー11が装着される。なお場合によりブラダー11を取り除きうる。
【0021】
又前記吸入口9には、前記加熱媒体供給源4からのび加熱媒体2Aを加硫室7に供給することにより前記加熱工程S1を行う加熱配管12A、及び前記加圧媒体供給源5からのび加圧媒体2Bを加硫室7に供給することにより前記加圧工程S2を行う加圧配管12Bとが接続される。
【0022】
なお図4中、符号30A、30Bは前記排出口10に接続される排気管であり、一方の排気管30Aには、加硫後のタイヤを金型3から取出す際に負圧して前記ブラダー11を折畳むバキュウム31が接続されている。また符号32は、開閉弁を示している。
【0023】
そして図1、2には、本発明のガス加硫方法が、前記加熱工程S1の間において、昇圧ステップU1と降圧ステップD1とを繰り返す加熱/変圧の場合の「時間−圧力」の関係が例示されている。
【0024】
これらの実施形態では、まず0kPaである加熱初期圧から加熱最高圧P1Uまで昇圧する第1の昇圧ステップU0が行われる。しかる後、この加熱最高圧P1Uから下限圧P1Dまで圧力低下する降圧ステップD(D1)と、前記下限圧P1Dから加熱最高圧P1Uまで圧力上昇する昇圧ステップU(U1)とが交互に、順次繰り返される。
【0025】
ここで、図1の実施形態では、前記加熱最高圧P1Uは、加熱媒体2Aの供給圧力PAと一致する例えば1000〜1900kPa、好ましくは1200〜1700kPa、本例では1500kPa程度としている。又前記下限圧P1Dは、前記最高圧P1Uの1/2倍以上、好ましくは0.6〜0.8倍程度、本例では1000kPa程度としている。
【0026】
又前記昇圧ステップU1の1回の時間Tu、及び降圧ステップD1の1回の時間Tdは夫々60秒以下が好ましい。この時間Tu、Tdが短すぎると、圧力変動に伴うバンピングに対してゴムの流動が追従し得ず、金型3の凹部d内へのゴムの押込み効果が低下する。又長すぎる場合には、バンピング作用自体が充分に発揮されなくなり、同様にゴムの押込み効果の低下を招く。従って前記時間Tu、Tdは、好ましくは10〜40秒程度、より好ましくは0.5〜10秒の範囲、又1〜5秒程度にも設定しうる。
【0027】
又前記下限圧P1Dを、最高圧P1Uの1/2倍以上、乃至1/2倍より大とすることにより、圧力変動が小範囲となるとはいえ、繰り返しによってバンビング作用によるゴム押し込み性も発揮でき、かつ作業性に優れ、実用的であることが判明した。
【0028】
又前記昇圧ステップU1の回数Nu、及び降圧ステップD1の回数Ndは、夫々50以下が好ましく、50回を越えると加熱工程S1のトータル時間T1が過大となり、時間や労力やコスト等のむだとなるほか、過加硫の恐れを招く。さらには加圧工程S2のトータル時間T2が相対的に減じるため、成形精度の悪化傾向ともなる。従って、30回以下が好ましく、さらに好ましくは2〜10回程度とする。なお前記回数Nu、Ndの下限値は、タイヤJのトレッドパターンの形状、深さ、複雑さ等の凹部dの状態によっても異なるが、通常のトレッドパターンであれば5回以下の回数程度で、ベアを防止できる。
【0029】
なお前記トータル時間T1、T2は、特に規制されないが、第1の昇圧ステップU1の昇圧時間Tuを含む加熱工程S1のトータル時間T1は一般に2〜10分、通常3〜4分程度、最終の排気時間Teを含む加圧工程S2のトータル時間T2は一般に4〜15分、通常6〜9分程度である。なおこの加熱工程S1には圧力を一定とする一定圧工程Fを含ませることができ、この一定圧工程Fは、前記トータル時間T1の1/4倍以下が好ましい。
【0030】
図1,2の形態における前記加圧工程S2では、従来と同様、前記加熱最高圧P1Uを加圧初期圧として加圧最高圧P2Uまで一気に昇圧し、しかる後、加硫温度を保ちながら加硫成形が完了するまで、一定圧(加圧最高圧P2U)の下で静的に加圧が行われる。なお前記加圧最高圧P2Uは、本例では、前記加圧媒体2Bの供給圧力PBと一致する例えば1800〜2500kPa、本例では2100kPaの場合を例示している。なお、加熱工程S1よりも通常高圧とする。
【0031】
次に図2に示す方法においては、前記加熱最高圧P1Uは、本例では加熱媒体2Aの供給圧力PAと一致する例えば1500kPaの場合を例示する。又前記下限圧P1Dは、前記最高圧P1Uの1/2倍以下、さらには1/3倍以下、本例では500kPa程度とする。なお、圧力範囲として図1について記載した程度を選択しうる。又前記昇圧ステップU1の1回の時間Tu、及び降圧ステップD1の1回の時間Td、前記昇圧ステップU1の回数Nu、及び降圧ステップD1の回数Ndも前記トータル時間T1、T2も同様である。
【0032】
又前記下限圧P1Dを、最高圧P1Uの1/2倍以下、乃至より小とすることにより、圧力変動が大となり、バンピング作用を高めて効率よくゴムの押込みを可能とし、エラストマー物品の精度を向上しうる。しかしながら、装置に作用する負荷を増加させやすく、又装置精度を高めることが必要となり、設備コストが増加しがちであり、場合に応じて下限圧P1Dを選択する。
【0033】
次に、本発明のガス加硫方法が、図3に示すごとく、前記加圧工程S2の間において、昇圧ステップU2と降圧ステップD2とを繰り返す加圧/変圧の場合を説明する。
【0034】
図3のガス加硫方法では、加熱工程S1は、従来と同様に一定の下での加圧が行われる。詳しくは、0kPaである加熱初期圧から加熱最高圧P1Uまで一気に昇圧し、しかる後タイヤが加硫温度に到達するまでの間、一定圧(加熱最高圧P1U)の下で静的に加圧が行われる。前記加熱最高圧P1Uは、加熱媒体2Aの供給圧力PAと一致する例えば1000〜1900kPa、好ましくは1200〜1700kPa、本例では1500kPa程度としている。又前記下限圧P1Dは、前記最高圧P1Uの1/2倍以上、好ましくは0.6〜0.8倍程度、本例では1000kPa程度としている。
【0035】
又加圧工程S2では、まず前記加熱最高圧P1Uを加圧初期圧として加圧最高圧P2Uまで昇圧する第1の昇圧ステップU(U2)が行われる。しかる後、この加圧最高圧P2Uから下限圧P2Dまで圧力低下する降圧ステップD(D3)と、前記下限圧P2Dから加圧最高圧P2Uまで圧力上昇する昇圧ステップU(U3)とが交互に、順次繰り返される。
【0036】
ここで、前記下限圧P2Dは、{P1U+0.5(P2U−P1U)}の値以下とするのがバンピング効果を高める上で好ましく、本例では加熱最高圧P1Uと等しい1500kPaの場合を例示している。
【0037】
又前記昇圧ステップU3の1回の時間Tu、及び降圧ステップD3の1回の時間Td、前記昇圧ステップU3の回数Nu、及び降圧ステップD3の回数Ndも前記トータル時間T1、T2などは図1と同様に設定しうるが、加熱工程S1により加硫がある程度進行していることを考慮して、図1,2の場合に比してバンピング効果を高めておくのがよい。
【0038】
なお前記トータル時間T1、T2は、特に規制されないが、図1,2の場合と同様に第1の昇圧ステップU2の昇圧時間Tuを含む加熱工程S1のトータル時間T1は一般に2〜10分、通常3〜4分程度、最終の排気時間Teを含む加圧工程S2のトータル時間T2は一般に4〜15分、通常6〜9分程度である。
【0039】
又前記下限圧P2Dが、{P1U+0.5(P2U−P1U)}より大のとき、圧力変動が小であって、バンピング作用が低下しゴムの押込み効果に劣るとはいえ、装置を簡易化でき、大きいパンピング効果が必要でない場合にはかかる選択しうる。
【0040】
このように、本発明のガス加硫方法では、加熱工程S1の間、又は加圧工程S2の間に、昇圧ステップUと降圧ステップDとを交互に繰り返す圧力変動を行っている。
【0041】
この圧力変動は、ゴムを金型3に衝突させるバンピング(衝突)作用を生じさせるため、図6(A)に示すように、金型3の凹部d内にゴムgを効果的に押込むことができ、ベアの発生を抑制しうる。又前記バンピング作用は、図6(B)に示すように、生タイヤ形成時にインナーライナとカーカスプライとの間などの部材20、21間に閉じ込められた空気22を分散する、或いは外部に押出す効果もあり、この残留空気による部材間の接着不良などの抑制にも大きく貢献しうる。
【0042】
なお、加硫熱は主に金型3から伝わるため、ゴムは、タイヤ外表面側から軟化する。従って、前記加熱/変圧の場合にも、押込み効果は充分に機能し、ベアの発生を抑制できる。
【0043】
次に、前記昇圧ステップUと降圧ステップDとを交互に繰り返す圧力変動手段14の一例を図5に示す。この圧力変動手段14は、本例では、前記加硫室7内の圧力を検出する圧力センサ15、加熱配管12A(加熱/変圧の場合)或いは加圧配管12B(加圧/変圧の場合)に介在する電磁切替弁16、及び前記圧力センサ15からの信号を受けて前記電磁切替弁16を切替える制御手段17とから構成される。
【0044】
前記圧力センサ15は、加熱/変圧の場合には、加硫室7の圧力が、前記加熱最高圧P1U及び下限圧P1Dになったときを夫々検出し、加圧/変圧の場合には、加硫室7の圧力が、前記加圧最高圧P2U及び下限圧P2Dになったときを夫々検出する。又前記制御手段17は前記圧力センサ15からの検出信号を受け、前記電磁切替弁16のスプール弁16Aを交互に切替える。
【0045】
又電磁切替弁16は、前記吸入口9の接続相手を、加熱媒体供給源4(加熱/変圧の場合)或いは加圧媒体供給源5(加圧/変圧の場合)と、排気管19との間で切り替える。従って吸入口9と供給源4、5との接続によって昇圧ステップUが行われ、また切り替えによる吸入口9と排気管19との接続によって降圧ステップDが行われる。
【0046】
なお前記圧力変動手段14は単なる一例に過ぎず、公知の種々な構成のものが採用できる。
【0047】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0048】
【実施例】
図1、2、3に示すガス加硫方法を用い、タイヤサイズ225/40ZR18の未加硫タイヤを表1の仕様に基づき加硫成形した。そして、加硫成形後、加硫不良の発生率を従来方法のものと比較した。
【0049】
<加硫不良>
夫々加硫タイヤの1000本に対し、タイヤ外面におけるベアの発生、及び残留空気に起因する部材間の接着不良の発生を外観目視、及びタイヤ解体によって確認した。
【0050】
【表1】
Figure 0003602808
【0051】
表1の如く、実施例の加硫方法では、加硫不良が大巾に低減されているのが確認できる。
【0052】
【発明の効果】
叙上の如く本発明のエラストマー物品のガス加硫方法は、加熱工程または加圧工程において、昇圧ステップと降圧ステップとを交互に繰り返えしているため、ゴムの押込み効果を向上でき、ベアの発生並びにタイヤ部材間の接着不良の発生を抑制しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス加硫方法の一実施例における「圧力−時間」の関係を示す線図である。
【図2】本発明のガス加硫方法の他の実施例における「圧力−時間」の関係を示す線図である。
【図3】本発明のガス加硫方法のさらに他の実施例における「圧力−時間」の関係を示す線図である。
【図4】金型を概念的に説明する線図である。
【図5】圧力変動手段の一例を示す線図である。
【図6】(A)、(B)は本願の効果を説明する断面図である。
【図7】(A)、(B)は従来のガス加硫方法を説明する線図である。
【図8】(A)、(B)は従来の問題点を説明する線図である。
【符号の説明】
2A 加熱媒体
2B 加圧媒体
3 金型
U、U1、U2、U3 昇圧ステップ
D、D1、D2、D3 降圧ステップ

Claims (9)

  1. 高熱容量かつ高温の気体からなる加熱媒体を、金型内に装填されたエラストマー物品内部に供給して該エラストマー物品を加熱する加熱工程と、加熱工程の後にエラストマー物品を加圧媒体により加圧し金型に押しつける加圧工程とを有するエラストマー物品のガス加硫方法であって、
    前記加熱工程、又は加圧工程の間に、加熱工程における加熱媒体、又は加圧工程の加圧媒体を昇圧する昇圧ステップと、降圧する降圧ステップとを、交互に繰り返すことを特徴とするエラストマー物品のガス加硫方法。
  2. 前記加圧工程は、加熱工程での加熱媒体の供給の後に、低熱容量かつ高圧の気体からなる加圧媒体を前記エラストマー物品内部に供給されることにより行われることを特徴とする請求項1記載のエラストマー物品のガス加硫方法。
  3. 前記加熱工程における降圧ステップは、昇圧ステップでの最高圧P1Uから、この最高圧P1Uの1/2倍以下の下限圧P1Dまで圧力低下することを特徴とする請求項1記載のエラストマー物品のガス加硫方法。
  4. 前記加熱工程における降圧ステップは、昇圧ステップでの最高圧P1Uから、この最高圧P1Uの1/2倍よりも大の下限圧P1Dまで圧力低下することを特徴とする請求項1記載のエラストマー物品のガス加硫方法。
  5. 前記加圧工程における降圧ステップは、昇圧ステップでの最高圧P2Uから、{P1U+0.5(P2U−P1U)}の値以下の下限圧P2Dまで圧力低下することを特徴とする請求項1、2又は3記載のエラストマー物品のガス加硫方法。
  6. 前記昇圧ステップの1回の時間Tuは60秒以下、及び降圧ステップの1回の時間Tdは60秒以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエラストマー物品のガス加硫方法。
  7. 前記昇圧ステップの1回の時間Tuは0.5〜10秒、及び降圧ステップの1回の時間Tdは0.5〜10秒以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエラストマー物品のガス加硫方法。
  8. 前記昇圧ステップの回数Nu及び降圧ステップの回数Ndは、夫々50以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエラストマー物品のガス加硫方法。
  9. 前記昇圧ステップの回数Nu及び降圧ステップの回数Ndは、夫々2〜10であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のエラストマー物品のガス加硫方法。
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