JP6191340B2 - ランフラットタイヤの加硫方法および加硫システム - Google Patents

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本発明は、ランフラットタイヤの加硫方法および加硫システムに関し、さらに詳しくは、スチームと窒素ガスを加硫ブラダに注入して加硫する際に、複雑な装置を用いることなく、加硫ブラダの上下温度差を効果的に低減して加硫具合のばらつきを小さくしつつ加硫時間を短縮するとともに、エネルギー消費を抑制できるランフラットタイヤの加硫方法および加硫システムに関するものである。
モールド内部に設置されたグリーンタイヤに加硫ブラダを挿入し、この加硫ブラダにスチーム(加熱媒体)および窒素ガス(加圧媒体)を注入してグリーンタイヤを加硫する方法が知られている。このようにスチームと窒素ガスとを用いる加硫方法では、加硫ブラダ内部に注入したスチームの一部が凝縮して、ドレーンとなって加硫ブラダ内部の下側に流れ落ちる。このドレーンによって加硫ブラダの下側の温度が低下する。
また、スチームに比して窒素ガスの比重が大きいため、膨張した加硫ブラダの中では、上方にスチームが圧縮された状態で存在し、その下方に窒素ガスが存在した状態になる。そのため、加硫中の加硫ブラダでは、上側の温度が下側に比して高くなって上下温度差が生じる。これらに起因して、加硫したタイヤでは、加硫した際の上下方向で加硫程度のばらつきが大きくなるという問題がある。
サイド部分の肉厚が通常タイヤよりも厚く設定されているランフラットタイヤの場合は、加硫時間の律速部がサイド部分になることが多いため、加硫ブラダの上下温度差によって、互いのサイド部分の加硫程度のばらつきが特に大きくなり易い。ランフラットタイヤの加硫時間は、加硫時に下側になるサイド部分の加硫不足を回避するために、下側になるサイド部分の加硫程度に注目して決定される。それ故、加硫時間が過剰に長くなって生産性が低下するという更なる問題がある。また、加硫時に上側になるサイド部分が相対的に過加硫になり、タイヤ品質に悪影響が生じるという問題も生じる。
加硫ブラダの上下温度差を低減させるため、種々の加硫方法、加硫装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、加硫ブラダ内部にドレーン排出管を設置した加硫機が提案されている。この加硫機では、加硫ブラダ内部に発生したドレーンをドレーン排出管を通じて外部に排出することにより、加硫ブラダの上下温度差を小さくする。しかしながら、この提案では、加硫ブラダ内部にドレーン排出管を新設しなければならない。これに伴なって加硫設備が複雑になるという問題がある。加硫設備が複雑になると設備故障が発生し易くなるため、簡素な設備にすることが好ましい。
他方、加硫ブラダの上下温度差を低減させるため、加硫ブラダにスチームを注入する工程において、加硫ブラダにスチームを注入しつつ加硫ブラダからスチームを排出する、いわゆる、スチームスルー操作を行なうことがある。このスチームスルー操作により、新たに注入したスチームが、加硫ブラダ内部で凝縮して生じたドレーンの温度を上昇させて、加硫ブラダの上下温度差を低減することができる。しかし、スチームスルー操作による上下温度差低減効果は一瞬であり持続性がない。また、多量のスチームの注入および排出を伴なうため、多大なエネルギーを消費するという問題がある。
特開平2−229010号公報
本発明の目的は、スチームと窒素ガスを加硫ブラダに注入して加硫する際に、複雑な装置を用いることなく、加硫ブラダの上下温度差を効果的に低減して加硫具合のばらつきを小さくしつつ加硫時間を短縮するとともに、エネルギー消費を抑制できるランフラットタイヤの加硫方法および加硫システムを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のランフラットタイヤの加硫方法は、スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインが接続された加硫ブラダを、モールド内部に配置されたグリーンタイヤに挿入し、この加硫ブラダを、前記スチーム注入ラインを通じて注入したスチームと、前記窒素ガス注入ラインを通じて注入した窒素ガスとにより膨張させてグリーンタイヤを加硫するランフラットタイヤの加硫方法において、前記スチーム注入ラインのみを開いた状態にして前記加硫ブラダにスチームを注入することにより前記加硫ブラダの内圧を第1内圧に上げる第1ステップと、前記スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインを閉じた状態にして前記加硫ブラダの内圧を第2内圧に低下させる第2ステップとを順に繰り返し行なうことにより、前記加硫ブラダの内圧を0.9MPa以上1.5MPa以下に維持し、次いで、前記窒素ガス注入ラインのみを開いた状態にして前記加硫ブラダに窒素ガスを注入することにより前記加硫ブラダの内圧を所定の第3内圧に上げる第3ステップを行なうことを特徴とする。
本発明のランフラットタイヤの加硫システムは、モールド内部に配置されたグリーンタイヤに挿入される加硫ブラダと、この加硫ブラダに接続されるスチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインとを備えて、前記スチーム注入ラインを通じて注入したスチームと、前記窒素ガス注入ラインを通じて注入した窒素ガスとにより前記加硫ブラダを膨張させてグリーンタイヤを加硫する空気入りタイヤの加硫システムにおいて、前記スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインにそれぞれのラインを開閉する開閉弁とこれら開閉弁の開閉を制御する制御装置とを設け、前記スチーム注入ラインに設けた開閉弁のみを開弁して前記加硫ブラダにこのスチーム注入ラインを通じてスチームを注入して第1内圧にする第1ステップを行ない、次いで前記スチーム注入ラインに設けた開閉弁を閉弁して前記スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインを閉じた状態にして前記加硫ブラダの内圧を第2内圧に下げる第2ステップを行ない、順に第1ステップと第2ステップとを繰り返し行なって、前記加硫ブラダの内圧を0.9MPa以上1.5MPa以下に維持し、次いで、前記窒素ガス注入ラインに設けた開閉弁のみを開弁してこの窒素ガス注入ラインを通じて前記加硫ブラダに窒素ガスを注入することにより前記加硫ブラダの内圧を所定の第3内圧に上げる第3ステップを行なう構成にしたことを特徴とする。
本発明によれば、スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインの開閉操作(開閉弁の弁操作)によって、加硫中の膨張している加硫ブラダの内圧をコントロールするだけなので、複雑な装置が不要になる。そして、スチームが凝縮して生じた加硫ブラダ内部のドレーンの温度を上昇させる目的で、従来のようにスチームスルー操作を行なうことがないので、多量のスチームの注入および排出がなくなり、エネルギー消費を大幅に抑制できる。一方、スチーム注入ラインのみを開いた状態にして加硫ブラダにスチームを注入することにより加硫ブラダの内圧を第1内圧に上げる第1ステップと、スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインを閉じた状態にして加硫ブラダの内圧を第2内圧に低下させる第2ステップとを順に繰り返し行なって、加硫ブラダの内圧を0.9MPa以上1.5MPa以下にコントロールすることで、ドレーンが発生する初期段階から加硫ブラダ内部のドレーンを高温に維持して加硫ブラダの上下温度差を効果的に低減させることが可能になる。
また、従来に比して加硫ブラダ内部のドレーンを高温に維持できるので、サイド部分の肉厚が通常タイヤよりも厚く設定されているランフラットタイヤであっても、加硫時に下側になるサイド部の加硫不足を回避する目的で、加硫時間を過剰に長く設定する必要がなくなり、生産性を向上させることができる。また、上側になるサイド部分が相対的に過加硫になる不具合も回避できるので、タイヤ品質の向上にも寄与する。
本発明のランフラットタイヤの加硫システムの全体概要を例示する説明図である。 本発明のランフラットタイヤの加硫方法の工程を例示するフロー図である。 加硫ブラダの内圧Pと加硫経過時間Tとの関係を模式的に例示するグラフ図である。
以下、本発明のランフラットタイヤの加硫方法および加硫システムを図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1に例示する本発明のランフラットタイヤの加硫システム1は、サイド部分の肉厚が通常タイヤよりも厚く設定されているランフラットタイヤのグリーンタイヤGを加硫する際に使用する。ランフラットタイヤ(グリーンタイヤG)は、例えば、サイド部分におけるカーカス層のタイヤ内側に、断面三日月状の内側補強ゴム層が配置されて、通常タイヤよりも厚くなっている。
この加硫システム1は、ゴム製の筒状の加硫ブラダ2を有している。加硫ブラダ2の上側クランプ部3a、下側クランプ部3bはそれぞれ、中心機構4に取り付けられた円盤状の上側クランプ保持部5a、下側クランプ保持部5bにより保持される。中心機構4のセンターポストには、加硫ブラダ2の内部に加熱媒体となるスチームSおよび加圧媒体となる窒素ガスNを注入する注入口6と、加硫ブラダ2の内部のスチームSおよび窒素ガスNを加硫ブラダ2の外部に排出する排出口7とが設けられている。
この加硫システム1は、さらに、注入口6とスチーム供給源11とを接続して加硫ブラダ2に連通可能に接続されるスチーム注入ライン6a、注入口6と窒素ガス供給源12とを接続して加硫ブラダ2に連通可能に接続される窒素ガス注入ライン6bおよび排出口7につながって加硫ブラダ2に連通可能に接続される排出ライン7aを有している。スチーム注入ライン6a、窒素ガス注入ライン6b、排出ライン7aにはそれぞれ、開閉弁8a、8b、8cが設けられている。さらに、それぞれの開閉弁8a、8b、8cを開閉する弁操作を制御する制御装置10が備わっている。
この加硫システム1を用いてランフラットタイヤを加硫するには、グリーンタイヤGをモールド9の内部に横置き状態で配置する。この実施形態のモールド9は、周方向に複数に分割された環状のセクタ9aと、上側に配置される環状のサイドプレート9b、下側に配置される環状のサイドプレート9cで構成されている。加硫ブラダ2はグリーンタイヤGの内側に挿入され、モールド9を閉型した状態にする。
この状態で図2に例示するように順次工程を行なって、加硫中の加硫ブラダ2の内圧Pを図3の実線Eで示すようにコントロールする。
まず、開閉弁8aのみを開弁して、スチーム注入ライン6aを通じてスチーム供給源11から供給されたスチームSを加硫ブラダ2に注入する。注入するスチームSの温度は例えば150℃〜250℃程度である。注入したスチームSにより加硫ブラダ2を所定の第1内圧P1(0.9MPa超1.5MPa以下)にして、グリーンタイヤGの内壁面に沿ってドーナツ状に膨張させる(第1ステップ)。
次いで、開閉弁8aを閉弁して、すべての開閉弁8a、8b、8cを閉弁状態にして、スチーム注入ライン6a、窒素ガス注入ライン6bおよび排出ライン7aを閉じた状態にする。ここで、加硫ブラダ2に注入したスチームSの一部は、加硫ブラダ2の内部で凝縮して下方に流れ落ちてドレーンDになる。これにより、加硫ブラダ2の内圧Pを第2内圧P2(0.9MPa以上)に低下させる(第2ステップ)。
次いで、第1ステップと第2ステップとを順に繰り返し行なうことにより、加硫ブラダ2の内圧Pを0.9MPa以上1.5MPa以下の範囲に維持する。スチームSを加硫ブラダ2の内部に注入する際にはドレーンDに向かって噴射するとよい。第1ステップおよび第2ステップを行なう回数は2回以上である。予め設定した時間内で第1ステップおよび第2ステップを順に繰り返し行なう。
加硫ブラダ2の内部でスチームSが凝縮してドレーンDが生じる初期段階から、このように第1ステップおよび第2ステップを順に繰り返し行なうことで、新たに注入されたスチームSによってドレーンDの温度が上昇し、これに伴なって新たなドレーンDの発生も抑制できる。そのため、ドレーンDの温度が高温に維持されて、加硫ブラダ2の上下温度差を小さくすることが可能になる。第1内圧P1と第2内圧P2との差は例えば0.2MPa〜0.4MPaに設定する。
次いで、開閉弁8bのみを開弁して、窒素ガス注入ライン6bのみを開いた状態にして窒素ガス注入ライン6bを通じて、窒素ガス供給源12から供給された窒素ガスNを加硫ブラダ2に注入する。注入した窒素ガスNにより、加硫ブラダ2の内圧Pを予め設定された所定の第3内圧P3に上げる(第3ステップ)。注入する窒素ガスNの温度は常温である。
以後、予め設定された加硫時間Teが経過するまで、例えば、窒素ガスNを加硫ブラダ2に注入し続けて、加硫ブラダ2の内圧Pを所定範囲内に維持して加硫を行なう(ステップ4)。即ち、最初の第1ステップで加硫ブラダ2を膨張させてから加硫時間Teが経過してステップ4が終了するまでは、膨張している加硫ブラダ2によって、グリーンタイヤGの内周面を押圧してグリーンタイヤGをモールド9に押圧しつつ加熱する。
予め設定された加硫時間Teが経過した後は、上側のサイドプレート9bを上方移動させ、それぞれのセクタ9aを拡径方向に移動させてモールド9を開型する。次いで、加硫されたランフラットタイヤを上方移動させて加硫ブラダ2から抜き出す。
本発明では上記のとおり、スチーム注入ライン6a、窒素ガス注入ライン6bおよび排出ライン7aの開閉操作(開閉弁8a、8b、8cの弁操作)により、加硫中の膨張している加硫ブラダ2の内圧Pをコントロールするだけである。それ故、複雑な装置が不要であり簡便な装置にすることができる。これにより、既存の加硫設備であっても大掛かりな改造をすることなく容易に本発明を適用することが可能である。
スチームSと窒素ガスNを用いた従来の加硫方法では、図3の破線Cで例示するように、最初にスチームSを加硫ブラダ2に注入して初期内圧Pf(例えば、1.7MPa程度)にする。その後、加硫ブラダ2の内部でスチームSの一部が凝縮してドレーンDが発生し、このドレーンDの温度が低下する。そこで、ドレーンDの温度を上昇させるためにスチームスルー操作を行なう。このスチームスルー操作によって、加硫ブラダ2の上下温度差は一時的に小さくなるがその効果は持続しない。スチームスルー操作によって加硫ブラダ2の内圧Pは一時的に低下し、この際に多量のスチームSの注入および排出を伴なうので多大なエネルギーを消費することになる。
一方、本発明では、第1ステップと第2ステップとを順に必要な所定回数(或いは所定時間)繰り返し行なって、加硫ブラダ2の内圧Pを0.9MPa以上1.5MPa以下にコントロールすることで、加硫ブラダ2の内部でスチームSの凝縮が生じる初期段階から加硫ブラダ2の内部のドレーンDを高温に維持することができる。これにより、加硫ブラダ2の上下温度差を効果的に低減させることが可能になる。また、スチームスルー操作を行わないので、エネルギー消費を大幅に抑制できる。
その後、窒素ガスNを加硫ブラダ2に注入して、加硫中の加硫ブラダ2の内圧Pを所定範囲内にコントロールして所定時間の加硫を完了させる。第1ステップと第2ステップとの繰り返しにより、ドレーンDが従来に比して高温に維持されているので、第3ステップ以降においても加硫中の加硫ブラダ2の上下温度差が抑制され易くなる。それ故、グリーンタイヤGを加硫した際の上下方向における加硫程度のばらつきが小さくなり、タイヤ品質が向上する。
即ち、ランフラットタイヤであっても、加硫時に上側になるタイヤサイド部の過加硫を防止しつつ、加硫時に下側になるタイヤサイド部の加硫不足を回避できる。また、加硫時間が長期化することも回避できる。
ドレーンDが従来に比して高温に維持されるので、さらなる効果として、第1ステップおよび第2ステップにおいて維持する加硫ブラダ2の内圧Pを低く設定することが可能になる。これにより、エネルギー消費を抑制するには益々有利になる。
加硫ブラダ2の第1内圧P1、第2内圧P2、第3内圧P3のそれぞれの値やその値を維持する時間は、加硫するグリーンタイヤGの仕様(サイズ、形状、ゴム種など)によって異なる。そのため、予め、加硫するグリーンタイヤGと同じ仕様のグリーンタイヤGを用いてテスト加硫を行ない、これらの最適値を把握して制御装置10に入力しておく。そして、制御装置10に入力されたこれらの最適値に基づいて、スチーム注入ライン6a、窒素ガス注入ライン6bおよび排出ライン7aの開閉操作(開閉弁8a、8b、8cの弁操作)を行なう。
ランフラット仕様の空気入りタイヤ(235/50RF18)のグリーンタイヤのサンプルを横置き状態で、図1に例示した加硫装置を用いてスチームおよび窒素ガスを用いて加硫する際に、スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインの開閉操作(開閉弁の弁操作)によって、加硫ブラダの内圧Pのみをコントロールして表1に示す加硫を行なった(従来例、実施例、比較例の合計3種類)。実施例は図3の実線E、従来例は図3の破線Cで例示した内圧Pのコントロールを行なった。比較例は、従来例に対してスチーム注入工程での加硫ブラダの内圧上限値を小さくしたものである。表1の内圧上限値および下限値は、スチーム注入工程での値である。加硫ブラダに注入するスチームの温度は200℃程度、注入する窒素ガスの温度は常温にし、窒素ガス注入工程の諸条件は共通(同じ)にした。
従来例および比較例ではスチームスルー操作を行なった。このスチームスルー操作の時間は20秒程度であった。実施例だけは、スチーム注入工程において、上述した第1ステップおよび第2ステップを順に繰り返し行なって、加硫ブラダの内圧を表1の内圧上限値と内圧下限値の範囲内に維持した。尚、従来例および比較例では、スチームスルー操作をした際に加硫ブラダの内圧が一時的に低下したが、この瞬間を除いては概ね、表1に示す内圧上限値程度であった。
3種類の加硫方法それぞれについて、下記項目の測定を行なってその結果を表1に示す。
Figure 0006191340
[加硫時間]
従来例における加硫時間(ブローポイントタイム)を基準の100として指数で示した。数値が大きい程、加硫時間が長いことを示す。
[スチーム使用量]
加硫工程での従来例におけるスチームの使用量を基準の100として指数で示した。数値が大きい程、スチーム使用量が多いことを示す。
[加硫ブラダの上下温度差]
加硫工程での従来例における加硫ブラダの上下温度差(最大温度差)を基準の100として指数で示した。数値が大きい程、加硫ブラダの上側と下側との最大温度差が大きいことを示す。
表1の結果より、実施例は、従来例に比してスチーム使用量を60%程度削減できることが分かる。また、実施例は、スチーム注入工程において加硫ブラダの内圧の上限値を従来例に比して小さくしているにも関わらず、加硫時間を従来例と同等にできることが分かる。スチーム注入工程における加硫ブラダの内圧上限値を従来例に比して単純に小さくしている比較例は、加硫時間が従来例よりも長くなることが分かる。加硫ブラダの上下温度差については、実施例は従来例と同等であり、比較例よりも上下温度差を小さくできることが分かる。
尚、この実施例における内圧上限値を1.5MPa程度、内圧下限値を0.9MPa程度にした場合でも、この実施例と概ね同等の加硫時間、スチーム使用量、加硫ブラダの上下温度差が得られることも確認された。
1 加硫システム
2 加硫ブラダ
3a 上側クランプ部
3b 下側クランプ部
4 中心機構
5a 上側クランプ保持部
5b 下側クランプ保持部
6 注入口
6a スチーム注入ライン
6b 窒素ガス注入ライン
7 排出口
7a 排出ライン
8a、8b、8c 開閉弁
9(9a、9b、9c) モールド
10 制御装置
11 スチーム供給源
12 窒素ガス供給源
G グリーンタイヤ

Claims (4)

  1. スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインが接続された加硫ブラダを、モールド内部に配置されたグリーンタイヤに挿入し、この加硫ブラダを、前記スチーム注入ラインを通じて注入したスチームと、前記窒素ガス注入ラインを通じて注入した窒素ガスとにより膨張させてグリーンタイヤを加硫するランフラットタイヤの加硫方法において、
    前記スチーム注入ラインのみを開いた状態にして前記加硫ブラダにスチームを注入することにより前記加硫ブラダの内圧を第1内圧に上げる第1ステップと、前記スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインを閉じた状態にして前記加硫ブラダの内圧を第2内圧に低下させる第2ステップとを順に繰り返し行なうことにより、前記加硫ブラダの内圧を0.9MPa以上1.5MPa以下に維持し、次いで、前記窒素ガス注入ラインのみを開いた状態にして前記加硫ブラダに窒素ガスを注入することにより前記加硫ブラダの内圧を所定の第3内圧に上げる第3ステップを行なうことを特徴とするランフラットタイヤの加硫方法。
  2. 前記第1内圧と前記第2内圧との差が0.2MPa〜0.4MPaである請求項1に記載のランフラットタイヤの加硫方法。
  3. モールド内部に配置されたグリーンタイヤに挿入される加硫ブラダと、この加硫ブラダに接続されるスチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインとを備えて、前記スチーム注入ラインを通じて注入したスチームと、前記窒素ガス注入ラインを通じて注入した窒素ガスとにより前記加硫ブラダを膨張させてグリーンタイヤを加硫するランフラットタイヤの加硫システムにおいて、
    前記スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインにそれぞれのラインを開閉する開閉弁とこれら開閉弁の開閉を制御する制御装置とを設け、前記スチーム注入ラインに設けた開閉弁のみを開弁して前記加硫ブラダにこのスチーム注入ラインを通じてスチームを注入して第1内圧にする第1ステップを行ない、次いで前記スチーム注入ラインに設けた開閉弁を閉弁して前記スチーム注入ライン、窒素ガス注入ラインおよび排出ラインを閉じた状態にして前記加硫ブラダの内圧を第2内圧に下げる第2ステップを行ない、順に第1ステップと第2ステップとを繰り返し行なって、前記加硫ブラダの内圧を0.9MPa以上1.5MPa以下に維持し、次いで、前記窒素ガス注入ラインに設けた開閉弁のみを開弁してこの窒素ガス注入ラインを通じて前記加硫ブラダに窒素ガスを注入することにより前記加硫ブラダの内圧を所定の第3内圧に上げる第3ステップを行なう構成にしたことを特徴とするランフラットタイヤの加硫システム。
  4. 前記第1内圧と前記第2内圧との差が0.2MPa〜0.4MPaに設定された請求項3に記載のランフラットタイヤの加硫システム。
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