JP6869483B2 - タイヤ加硫方法 - Google Patents
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Description
加硫金型内に装填されたタイヤを加熱加圧して加硫するタイヤ加硫方法であって、
加硫金型内に装填された前記タイヤの内部空間にスチームを供給して一定の圧力に維持することにより前記タイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させる昇温工程と、
昇温した前記タイヤの内部空間にガスを供給して加圧最高圧まで昇圧した後、前記加圧最高圧を維持することにより前記タイヤを加硫する加硫工程と、
加硫された前記タイヤの内部空間のスチームおよびガスを排気する排気工程とを備えており、
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間へのガスの供給を、
前記加圧最高圧よりも低い第1中間圧力でガスの供給を一旦止めて、所定の時間、前記第1中間圧力を維持する第1ステップと、
ガスの供給を再開して前記第1中間圧力より高く前記加圧最高圧よりも低い第2中間圧力まで昇圧させる第2ステップと、
ガスの供給を止めて前記タイヤ内のガスを排気することにより、前記第2中間圧力より低い第3中間圧力まで降圧させる第3ステップと、
ガスの供給を再開して前記加圧最高圧まで昇圧させる第4ステップ
の各ステップにより行うことを特徴とするタイヤ加硫方法である。
前記第1ステップにおける前記第1中間圧力が、前記加圧最高圧より50〜200kPa低いことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法である。
前記第1ステップにおいて、前記第1中間圧力で維持する時間が5〜60秒であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ加硫方法である。
前記第2ステップにおける前記第2中間圧力が、前記加圧最高圧より10〜100kPa低く、第1中間圧力より100kPa以上高いことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のタイヤ加硫方法である。
前記第3ステップにおける前記第3中間圧力が、前記加圧最高圧より100〜200kPa低く、第2中間圧力より100kPa以上低いことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
前記第1ステップの開始から前記第4ステップの終了までの時間が、1〜5分であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
前記第3ステップにおいて、ガスの供給を停止してガス洩れチェックを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
前記第1ステップから前記第4ステップまでの圧力変化を、内圧コントロールバルブを作動させてガス流量を制御することにより行うことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
本発明においては、昇温工程後の加硫工程において、ガス供給に際して、まず、加圧最高圧よりも低い圧力で一旦ガスの供給を止めてそのまま維持する(第1ステップ)。次に、ガスの供給を再開して内圧を少し上げる(第2ステップ)。次に、ガスの供給を止めて排気して内圧を少し下げる(第3ステップ)。次に、ガスの供給を再開して加圧最高圧まで昇圧させる(第4ステップ)。
以下、本実施の形態に係るタイヤ加硫方法を、図面を用いて具体的に説明する。
図1に示すように、最初に、従来と同様にタイヤの内部にスチームを供給して所定の圧力に維持しながらタイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させる。具体的には、当初圧力P1(0kPa)から加熱最高圧P2(1300〜1700kPa)まで昇圧するようにスチームを供給し、タイヤが加硫温度に加熱されるまで加熱最高圧P2を維持する。そして、タイヤ内部温度が加流温度に達した後は、ガスの供給を開始し加硫工程へと進む。
従来の加硫方法においては、昇温工程後、加圧最高圧P3まで一気にガスを供給して、直線的に昇圧させていた(図7参照)。しかし、本実施の形態においては、図1に示すように、4段階のステップを経て段階的に加圧最高圧に到達させている。
本ステップにおいては、昇温されたタイヤの内部空間にガスを供給するが、加圧最高圧P3よりも低い第1中間圧力P4に達したところで、一旦ガスの供給を止めて、所定の時間、第1中間圧力を維持する。
本ステップにおいては、ガスの供給を再開して、第1中間圧力P4より高く加圧最高圧P3より低い第2中間圧力P5まで昇圧させる。
本ステップおいては、ガスの供給を止めてタイヤ内のガスを排気することにより第2中間圧力P5より低い第3中間圧力P6まで降圧させる。加圧最高圧で加硫を開始する立ち上がり時、本ステップによってガス洩れチェックを行う。
本ステップにおいては、ガスの供給を再開して、第3中間圧力P6から加圧最高圧P3まで昇圧させる。
上記した(a)〜(d)のステップを経て加圧最高圧まで昇圧した後は、従来と同様に、加圧最高圧を維持して加硫を行う。
加硫工程終了後は、加硫ブラダー内のスチームおよびガスを全て排気して、内圧を加圧最高圧P3から常圧まで減圧する。これにより、タイヤの加硫成形が終了し、加硫金型から取り出された加硫後のタイヤは次工程に搬送される。
(1)実施例
上記した本実施の形態に係る加硫方法に基づいて、タイヤサイズが315/80R22.5 54M SP350Aのタイヤの加硫成形を行った。なお、加圧最高圧P3を2450kPa、第1中間圧力P4を加圧最高圧P3よりも150kPa低い2300kPa、第2中間圧力P5を加圧最高圧P3よりも50kPa低く、第1中間圧力P4よりも100kPa高い2400kPa、第3中間圧力P6を加圧最高圧よりも150kPa低く、第2中間圧力100kPa低い2300kPaに設定した。
加硫工程開始後、加圧最高圧P3まで途中で減圧することなく短時間(35秒)で昇圧したこと以外は実施例と同様にタイヤの加硫成形を行った。従来例におけるタイヤの内部圧力と時間の関係を示すグラフを図3に示す。
加硫工程開始後、1分45秒と、従来例よりも時間を掛けて加圧最高圧P3まで途中で減圧することなく昇圧したこと以外は実施例と同様にタイヤの加硫成形を行った。比較例におけるタイヤの内部圧力と時間の関係を示すグラフを図4に示す。
タイヤ内部の温度を測定し、実施例、従来例、比較例について、時間経過に伴うタイヤ内部温度の経緯を評価するサーモテストを行った。温度の測定は、加硫中タイヤ内で最高到達温度到達部位であった上サイドインナー部と、従来加硫律速部位であった下ショルダー部の2か所に温度計を配置して行った。上サイドインナー部における結果を図5に、下ショルダー部における結果を図6に示す。なお、図5、6中の縦軸は温度(℃)およびECU(加硫量)であり、横軸は時間(分)である。図中、実施例の結果は実線で、従来例の結果は一点鎖線で、比較例の結果は二点鎖線で示されている。また、図中、上側の線が温度変化を示し、下側の線がECUを示している。
P2 加熱最高圧
P3 加圧最高圧
P4 第1中間圧力
P5 第2中間圧力
P6 第3中間圧力
Claims (8)
- 加硫金型内に装填されたタイヤを加熱加圧して加硫するタイヤ加硫方法であって、
加硫金型内に装填された前記タイヤの内部空間にスチームを供給して一定の圧力に維持することにより前記タイヤの内部温度を加硫温度まで昇温させる昇温工程と、
昇温した前記タイヤの内部空間にガスを供給して加圧最高圧まで昇圧した後、前記加圧最高圧を維持することにより前記タイヤを加硫する加硫工程と、
加硫された前記タイヤの内部空間のスチームおよびガスを排気する排気工程とを備えており、
前記加硫工程における前記タイヤの内部空間へのガスの供給を、
前記加圧最高圧よりも低い第1中間圧力でガスの供給を一旦止めて、所定の時間、前記第1中間圧力を維持する第1ステップと、
ガスの供給を再開して前記第1中間圧力より高く前記加圧最高圧よりも低い第2中間圧力まで昇圧させる第2ステップと、
ガスの供給を止めて前記タイヤ内のガスを排気することにより、前記第2中間圧力より低い第3中間圧力まで降圧させる第3ステップと、
ガスの供給を再開して前記加圧最高圧まで昇圧させる第4ステップ
の各ステップにより行うことを特徴とするタイヤ加硫方法。 - 前記第1ステップにおける前記第1中間圧力が、前記加圧最高圧より50〜200kPa低いことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記第1ステップにおいて、前記第1中間圧力で維持する時間が5〜60秒であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記第2ステップにおける前記第2中間圧力が、前記加圧最高圧より10〜100kPa低く、第1中間圧力より100kPa以上高いことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記第3ステップにおける前記第3中間圧力が、前記加圧最高圧より100〜200kPa低く、第2中間圧力より100kPa以上低いことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記第1ステップの開始から前記第4ステップの終了までの時間が、1〜5分であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記第3ステップにおいて、ガスの供給を停止してガス洩れチェックを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。
- 前記第1ステップから前記第4ステップまでの圧力変化を、内圧コントロールバルブを作動させてガス流量を制御することにより行うことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。
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