JP6899996B2 - タイヤ加硫方法およびタイヤ加硫装置 - Google Patents

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本発明は、タイヤ加硫方法およびタイヤ加硫装置に関し、詳しくは、タイヤを連続的に加硫する際のタイヤ交換時における加硫金型の温度低下を抑制するタイヤ加硫方法、および前記タイヤ加硫方法に使用されるタイヤ加硫装置に関する。
近年、タイヤの加硫成形において、加硫金型(以下、単に「金型」とも言う)として、
周方向に多分割されたトレッドセグメントと上下のサイドモールドを備えた割りモールドが使用されることが多くなっている。
しかしながら、このような金型を使用してタイヤの連続加硫を行う場合、金型を開状態にして加硫が完了したタイヤを金型から取り出し、次の生タイヤを金型へ装着して金型を閉状態にするまでの間(ドライサイクル)、金型表面からの放熱により金型温度が低下する。この結果、金型へ装着された生タイヤの表面温度を所定の加硫温度まで昇温させるために時間が掛かり、加硫時間を長くせざるを得なくなり、タイヤの製造工程において加硫工程が律速となってしまい、生産性を悪化させる。また、加硫時間が長くなると、スピューが伸びるなどの不具合が発生する恐れがある。
このように加硫時間が長時間化することを防ぐ手段として、生タイヤを予め温めておいて加硫温度までの昇温を短縮させることが考えられるが、生タイヤの予熱を行おうとすれば、加硫建屋の温度を年間通じて一定に保つための温調設備や、生タイヤの温度を常に一定にするための予熱設備などが必要となるため、大きな設備投資が必要になるという問題がある。
このような生タイヤの予熱に替えて、加硫温度を高く設定して生タイヤへの熱の供給量を増加させることなども考えられるが、この場合には、加硫中におけるタイヤの最高到達温度が高くなって、ゴム焼けなどが発生して、タイヤの性能に悪影響を与えるという問題がある。
そこで、生タイヤの予熱を行わずに加硫時間を短縮させ、ゴム焼け等の発生を招かない加硫技術として、温度を2段階で変化させて加硫を行う2段階制御加硫方式(特許文献1)や、ドライサイクルとその前後の時間、トレッドセグメントを温度上昇させることにより金型温度の低下を抑制して、装着される次のタイヤの表面温度を上昇させる加硫方式(特許文献2)などが提案されている。
特開2010−260212号公報 特開2011−20273号公報
しかしながら、これらの技術によっても未だ十分に改善されているとは言えなかった。また、特許文献2のように、トレッドセグメントだけを温度上昇させた場合、トレッドセグメントとサイドモールドとの間で温度バランスが乱れて、適正な加硫量にコントロールすることが難しいという問題もあった。
そして、これらの問題は、乗用車用タイヤ、小型トラック用タイヤ、二輪車用タイヤなどの小型タイヤの製造においても発生していたが、より長時間の加硫を必要とするトラック・バス用タイヤや産業車両用タイヤなどの大型タイヤにおいて、特に問題となっていた。
そこで、本発明は、ドライサイクル中における金型温度の低下を十分に抑制して生産性の悪化を抑制すると共に、トレッドセグメントとサイドモールドとの間の温度バランスを適切にして、適正な加硫量にコントロールすることにより、高品質のタイヤ製品を安定して製造することができるタイヤ加硫技術を提供することを課題とする。
請求項に記載の発明は、
複数のトレッドセグメントと上下のサイドモールドを備えた割りモールドを加硫金型として用い、前記加硫金型に生タイヤを装着して、所定の加硫温度で加硫するタイヤ加硫方法であって、
先のタイヤの加硫終了前の所定時刻から次のタイヤの加硫開始後の所定時刻までの間において、
前記トレッドセグメントに熱を供給するコンテナジャケットの温度と、前記サイドモールドに熱を供給するプラテンジャケットの温度を、互いに独立して、段階的に上昇・下降させ、
前記コンテナジャケットの温度設定を、前記加硫温度を基準として、前記加硫温度、前記加硫温度よりも2〜5℃高い第1コンテナ温度、前記第1コンテナ温度よりもさらに2〜5℃高い第2コンテナ温度の3段階で行い、
前記プラテンジャケットの温度設定を、前記加硫温度を基準として、前記加硫温度、前記加硫温度よりも2〜5℃高い第1プラテン温度の2段階で行うことを特徴とするタイヤ加硫方法である。
請求項に記載の発明は、
前記第1コンテナ温度と前記第1プラテン温度が、同じ温度であることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫方法である。
請求項に記載の発明は、
前記コンテナジャケットの温度を、
加硫終了前15分以内の所定の時刻までは、前記加硫温度に維持し、
その後、加硫終了前10分以内の所定の時刻までは、前記第1コンテナ温度に上昇させて維持し、
その後、次のタイヤの加硫開始後6分以内の所定の時刻までは、前記第2コンテナ温度に上昇させて維持し、
その後、次のタイヤの加硫開始後10分以内の所定の時刻までは、前記第1コンテナ温度に下降させて維持し、
その後は、前記加硫温度に下降させて維持することを特徴とする請求項または請求項に記載のタイヤ加硫方法である。
請求項に記載の発明は、
前記プラテンジャケットの温度を、
加硫終了前15分以内の所定の時刻までは、前記加硫温度に維持し、
その後、次のタイヤの加硫開始後10分以内の所定の時刻までは、前記第1プラテン温度に上昇させて維持し、
その後は、前記加硫温度に下降させて維持することを特徴とする請求項ないし請求項のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
請求項に記載の発明は、
前記コンテナジャケットの温度を、前記加硫温度から前記第1コンテナ温度に上昇させる時刻、および、前記第1コンテナ温度から前記加硫温度に下降させる時刻と、
前記プラテンジャケットの温度を、前記加硫温度から前記第1プラテン温度に上昇させる時刻、および、前記第1プラテン温度から前記加硫温度に下降させる時刻を、互いに同期させることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫方法である。
請求項に記載の発明は、
タイヤが大型タイヤであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法である。
請求項に記載の発明は、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法に用いられるタイヤ加硫装置であって、
前記コンテナジャケットの温度設定と、前記プラテンジャケットの温度設定を、互いに独立して行い、
前記コンテナジャケットの温度設定を、前記加硫温度を基準として、前記加硫温度、前記加硫温度よりも2〜5℃高い第1コンテナ温度、前記第1コンテナ温度よりもさらに2〜5℃高い第2コンテナ温度の3段階で行い、
前記プラテンジャケットの温度設定を、前記加硫温度を基準として、前記加硫温度、前記加硫温度よりも2〜5℃高い第1プラテン温度の2段階で行うことができる温度制御手段を備えていることを特徴とするタイヤ加硫装置である。
請求項に記載の発明は、
大型タイヤ用の加硫装置であることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫装置である。
本発明によれば、ドライサイクル中における金型温度の低下を十分に抑制して生産性の悪化を抑制すると共に、トレッドセグメントとサイドモールドとの間の温度バランスを適切にして、適正な加硫量にコントロールすることにより、高品質のタイヤ製品を安定して製造することができるタイヤ加硫技術を提供することができる。
タイヤ加硫装置を構成する割りモールド(金型)の内部構造を模式的に示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係るタイヤの加硫方法におけるジャケット温度の変化と圧力変化を示す図である。 タイヤの連続加硫工程における金型温度とタイヤ温度の変化を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
1.タイヤ加硫装置
図1は、周方向に等分割されたトレッドセグメントが複数配置されて加硫装置を構成する割りモールド(金型)の内部構造をコンテナを含めて模式的に示す概略断面図である。なお、本実施の形態に係る加硫装置は、コンテナジャケットの温度設定とプラテンジャケットの温度設定を、互いに独立して行うことができる温度制御手段(図示せず)を備えていることを除いて、基本的な構成は従来の加硫装置と同様である。
図1に示すように、金型Aは、加硫装置が有する上下のプラテン盤4、5により挟まれており、タイヤのサイドウォール部を形成する上下一対のサイドモールド1、2と、タイヤのトレッド部(及びショルダー部)を形成するトレッドセグメント3とを有している。トレッドセグメント3は、周方向に複数分割された割りモールド部であり、その外側にはトレッドセグメント3を外面側から保持するコンテナBの一部であるセクターシュー6が備えられている。そして、セクターシュー6の外周側には上プラテン盤4に固定されたコンテナBの一部であるアクチュエータ7が配置されている。なお、上下のプラテン盤4、5の内部にはプラテンジャケット9が設けられ、アクチュエータ7の内部にはコンテナジャケット8が設けられている。
2.加硫方法における基本的動作
次に、上記加硫装置を用いたタイヤ加硫方法(以下、単に「加硫方法」ともいう)について説明する。なお、本実施の形態に係る加硫方法における基本的な動作は、ドライサイクルとその前後の時間、コンテナジャケットとプラテンジャケットを多段階で温度上昇させることを除いては、従来の加硫方法と同様である。
最初に、コンテナジャケット8およびプラテンジャケット9にスチーム等の加熱媒体を導入し、金型Aを加硫温度まで加熱する。
次に、アクチュエータ7を駆動手段(図示せず)により、上プラテン盤4の上昇に伴って上昇させる。これに合わせて、セクターシュー6がトレッドセグメント3と共に、径方向外方に移動し、金型Aが開状態になる。
次に、開状態となった金型Aに未加硫の生タイヤを装着し、アクチュエータ7を駆動手段により、上プラテン盤4の下降に伴って下降させる。これに合わせて、セクターシュー6がトレッドセグメント3と共に、径方向内方に移動し、金型Aが閉状態になる。金型Aに装着された生タイヤは、その後、金型Aおよび図示しないブラダーにより熱と圧力を受け、加硫される。
所定の時間、加圧加熱することにより加硫が完了したタイヤは、金型Aを開状態にした後、金型Aより取り外される。そして、金型Aには次の生タイヤが装着されて、同様の加硫工程が繰り返される。この、金型Aを開状態にしてから加硫が完了したタイヤを金型Aから取り出した後、次の生タイヤを金型Aへ装着して金型Aを閉状態にするまでの間が、ドライサイクルである。
3.ドライサイクルにおける問題とその解決
(1)従来技術における問題
上記の連続加硫において、ドライサイクル中、放熱により金型温度が低下することを抑制しないと、加硫時間の増加を招き、スピューが伸びるなどの不具合の発生を招く恐れがある。
そこで、従来は、ドライサイクルとその前後の所定の時間、コンテナジャケットの温度を加硫温度から上昇させてトレッドセグメントの温度を上昇させることにより金型温度の低下を抑制して、装着される次のタイヤの表面温度を上昇させるようにしていた(特許文献2)が、サイドモールドについては、トレッドセグメントと同じように温度を上昇させた場合、タイヤサイド部分の温度が高くなり、ゴム物性が低下するという問題が発生すると考えられていたため、ドライサイクルの前後でこのような温度制御はなされていなかった。このため、ドライサイクル中の放熱による金型温度の低下は、トレッドセグメントでは抑制されているもののサイドモールドでは抑制されておらず、金型温度の低下を十分に抑制できているとは言えなかった。また、サイドモールドとトレッドセグメントとの間の温度バランスが乱れて、適正な加硫量にコントロールすることが難しかった。
(2)解決手段
そこで、本発明者は、ドライサイクル中の放熱による金型温度の低下を防止しながら、サイドモールドとトレッドセグメントとの間の温度バランスを適切にするには、従来行われていなかったプラテンジャケットについてもドライサイクル中に温度上昇させて、コンテナジャケットとサイドモールドの双方を温度上昇させる必要があると考えた。そして、図1に示す加硫装置において、図示しない温度制御手段を設けて、コンテナジャケットの温度設定と、プラテンジャケットの温度設定を互いに独立して行い、ドライサイクルを挟んで所定の時間、各々の温度を加硫温度から段階的に上昇・下降させた場合には、サイドモールドに上記した問題が発生せず、ドライサイクル中の放熱による金型温度の低下を防止しつつ、サイドモールドとトレッドセグメントとの間で温度バランスの最適化が図れることが分かった。
そして、この段階的な温度設定は、細分化して温度設定してもよいが、温度の切換を頻繁に行うことは効率的とは言えず、通常は、コンテナジャケットにおいては、基準となる加硫温度、加硫温度よりも2〜5℃高い第1コンテナ温度、第1設定温度よりもさらに2〜5℃高い第2コンテナ温度の3段階で行えばよく、プラテンジャケットにおいては、加硫温度、加硫温度よりも2〜5℃高い第1プラテン温度の2段階で行えば十分であることが分かった。さらに、第1コンテナ温度と第1プラテン温度を同じ温度に設定しても問題ないことが分かった。
図2は、本実施の形態に係るタイヤ加硫方法および従来のタイヤ加硫方法における工程の推移(上から3段目の図)、ジャケット温度(上から1段目、および2段目の図)と、加硫圧力(ブラダー内圧)の時間的変化(上から4段目の図)を示す図であり、3本のタイヤを連続加硫している。なお、図2においては、ジャケット温度(コンテナジャケットおよびプラテンジャケットの温度)の時間的変化については、1段目の図が比較例としての従来例(特許文献2)であり、2段目の図が本実施の形態における実施例である。
本実施の形態に係るタイヤ加硫方法は、生タイヤの内部に装着されたブラダー内に加熱媒体であるスチームを供給して加硫温度まで昇温させる加熱工程(Inf.S工程)と、加熱工程後の加硫ブラダーの内部にNガスを供給した後に一定の圧力に維持することによりタイヤを加圧してタイヤの加硫を進行させる加圧工程(Nガス工程)と、加硫ブラダー内のスチームおよびNガスを排気する排気工程とを備えている点で、従来のタイヤ加硫方法と同様である。
図2の4段目に示すように、加硫工程は、まず、Inf.S工程において、ブラダー内にスチームを供給して加熱最高圧まで昇圧させて加硫温度まで昇温させる。次いで、Nガス工程において、ブラダー内にNガスを供給して加熱最高圧から加圧最高圧まで昇圧させ、加圧最高圧で所定の経過時間保持することにより、加硫を進行させる。そして、Nガス工程の終了(加硫の完了)後は、排気工程において、ブラダー内のスチームとNとの混合ガスを排気する。
その後、金型を開状態にして加硫済のタイヤを取り出し、次の生タイヤを金型に装着した後、金型を閉状態にし(ドライサイクル)、上記の工程を繰り返す。これにより、生タイヤの連続加硫が行われる。
なお、上記において、Inf.S工程、Nガス工程、排気工程、ドライサイクルの時間は、タイヤサイズによって、適宜設定される。具体的には、小型タイヤの場合、Inf.S工程は30〜300秒、Nガス工程はサイズごとに定められた時間、排気工程は15〜40秒、ドライサイクルは50〜180秒に設定されることが好ましい。一方、大型タイヤの場合では、Inf.S工程は180〜360秒、Nガス工程はサイズごとに定められた時間、排気工程は30〜60秒、ドライサイクルは180〜360秒に設定されることが好ましい。
そして、本実施の形態においては、ドライサイクルを挟んで所定の時間、トレッドセグメントに熱を供給するコンテナジャケットの温度と、サイドモールドに熱を供給するプラテンジャケットの温度を、互いに独立して、段階的に上昇・下降(図2の2段目では、実線で示すコンテナジャケットで3段階、破線で示すプラテンジャケットで2段階)させている。
これにより、図2の1段目に示すコンテナジャケットのみが2段階で温度設定されている比較例と異なり、ドライサイクル中の放熱による金型温度の低下をより防止することができ、生タイヤの表面温度を迅速に加硫温度まで上昇させて、効率的に生タイヤに熱を供給することができる。その結果、加硫時間を短縮させることができ、生産性の悪化を抑制することができる。そして、サイドモールドとトレッドセグメントとの間における温度バランスの最適化を図ることができるため、加硫状態を適正な加硫量にコントロールすることができる。
この段階的な温度設定は、上記したように、通常は、コンテナジャケットにおいては、加硫温度、加硫温度よりも2〜5℃高い第1コンテナ温度、第1コンテナ温度よりもさらに2〜5℃高い第2コンテナ温度の3段階で行えばよく、プラテンジャケットにおいては、加硫温度、加硫温度よりも2〜5℃高い第1プラテン温度の2段階で行えばよい。
また、このような段階的な温度設定は、タイヤのサイズによって適宜設定されるが、通常は、以下のように、設定することが好ましい。
即ち、加硫終了前15分以内の所定の時刻までは、コンテナジャケットおよびプラテンジャケットの各温度を加硫温度に維持し、その後、加硫終了前10分以内の所定の時刻までは、第1コンテナ温度、第1プラテン温度に上昇させて維持する。
次いで、プラテンジャケットの温度を第1プラテン温度に維持したまま、コンテナジャケットの温度を第2コンテナ温度に上昇させて、次のタイヤの加硫開始後6分以内の所定の時刻まで維持する。
その後、コンテナジャケットの温度を、再び、第1コンテナ温度に下降させて、プラテンジャケットの第1プラテン温度と共に、次のタイヤの加硫開始後10分以内の所定の時刻まで維持する。
その後は、コンテナジャケットの温度、プラテンジャケットの温度を、加硫温度に下降させて維持する。
なお、上記において、コンテナジャケットの温度を、加硫温度から第1コンテナ温度に上昇させる時刻、および、第1コンテナ温度から加硫温度に下降させる時刻と、プラテンジャケットの温度を、加硫温度から第1プラテン温度に上昇させる時刻、および、第1プラテン温度から加硫温度に下降させる時刻は、互いに同期させてもよい。
より具体的には、1段階目の温度上昇は加硫終了の5〜15分前から行い、次のタイヤの加硫開始から3〜10分の間に終了させることが好ましく、2段階目の温度上昇は加硫終了の5〜10分前から行い、次のタイヤの加硫開始から1〜6分の間に終了させることが好ましい。なお、この2段階目の温度上昇は、1段階目の温度上昇を開始してから0〜5分後に開始することが好ましい。
そして、小型タイヤにおいて、1段階目の温度上昇の時間は180〜300秒、2段階目の温度上昇の時間は60〜180秒であることが好ましい。一方、大型タイヤにおいて、1段階目の温度上昇の時間は600〜1200秒、2段階目の温度上昇の時間は300〜600秒であることが好ましい。
このように、本実施の形態によれば、ドライサイクルにおいて、従来にない高温設定を設けることにより、金型温度の低下を十分に抑制して、加硫初期における生タイヤ表面温度の迅速な昇温を可能とすることができる。そして、加硫中は従来と同じ加硫温度としているため、加硫中におけるタイヤの最高到達温度を従来と同様に維持することができ、ゴム焼けなどの発生を防止して、高品質のタイヤを安定して生産性高く供給することができる。
また、コンテナジャケットだけでなく、プラテンジャケットにおいても温度制御しているため、サイドモールドとトレッドセグメントとの間における温度バランスの最適化を図って、加硫状態を適正な加硫量にコントロールすることができ、加硫時間の短縮を図ることができる。
そして、これらの効果は、小型タイヤの加硫に際しても十分に発揮されるが、より長時間の加硫を必要とする大型タイヤの加硫に際して、特に、顕著な効果を発揮する。
また、本実施の形態に係る加硫装置は、既存の加硫装置に温度制御手段を設けるだけでよいため、大きな改造を必要とせず、小型タイヤから大型タイヤまで全てのサイズの加硫に適用して、増産効果を図ることができる。
次に、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。
1.実施例
図2の4段目に示す加硫圧力(ブラダー内圧)の時間的変化に基づいて、サイズ11R22.5のタイヤを加硫した。なお、この加硫に際して、コンテナジャケットおよびプラテンジャケットの温度設定は図2の2段目に示すように、コンテナジャケットでは3段階、プラテンジャケットでは2段階で設定した。具体的には、加硫温度を150℃、第1コンテナ温度および第1プラテン温度を加硫温度よりも5℃高い155℃、第2コンテナ温度を第1コンテナ温度よりも5℃高い160℃に設定した。
なお、コンテナジャケットの温度は、加硫終了の15分前までは加硫温度(150℃)に維持し、その後、加硫終了の40秒前(排気工程中)まで第1コンテナ温度(155℃)に上昇させて維持し、その後、次のタイヤの加硫開始後3分(Inf.S工程中)まで第2コンテナ温度(160℃)に上昇させて維持し、その後、次のタイヤの加硫開始後5分(Inf.S工程中)までは、第1コンテナ温度(155℃)に下降させて維持し、その後は加硫温度(150℃)に下降させて維持した。
一方、プラテンジャケットの温度は、加硫終了の15分前までは加硫温度(150℃)に維持し、その後、次のタイヤの加硫開始後5分まで第1プラテン温度(155℃)に上昇させて維持し、その後は加硫温度(150℃)に下降させて維持した。
また、図2の4段目に示したInf.S工程(5分)における加熱最高圧は1470kPa、Nガス工程(32分)における加圧最高圧は2450kPaとし、排気工程時間を40秒とした。
2.比較例
コンテナジャケットの温度設定を図2の1段目に示すように2段階で設定し、プラテンジャケットについては加硫温度のままとしたこと以外は、実施例と同様にして、タイヤを加硫した。
3.評価
加硫中におけるトレッドの表面温度(℃)および供給熱量(ECU)を測定した。また、加硫時間への影響を確認するために、加硫律速部位(下型ブレーカーエッジ部位)における表面温度(℃)および供給熱量(ECU)を測定した。結果を図3に示す。なお、図3において、上の曲線は温度(℃)、下の曲線は供給熱量(ECU)であり、実線が比較例、破線が実施例である。
図3より、トレッド部においては、表面温度が殆ど同じ(実施例:150.0℃、比較例149.7℃)であり、最終供給熱量も殆ど同じ(実施例:43.4ECU、比較例:42.7ECU)であることが分かる。
そして、加硫律速部位においては、表面温度が実施例で114.3℃、比較例で142.0℃であり)、最終供給熱量が実施例で11.8ECU、比較例で10.5ECUであることが分かる。この1.3ECUの上昇は、加硫時間0.5分に相当するため、加硫時間の短縮が可能となることが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
A 金型
B コンテナ
1 上サイドモールド
2 下サイドモールド
3 トレッドセグメント
4 上プラテン盤
5 下プラテン盤
6 セクターシュー
7 アクチュエータ
8 コンテナジャケット
9 プラテンジャケット

Claims (8)

  1. 複数のトレッドセグメントと上下のサイドモールドを備えた割りモールドを加硫金型として用い、前記加硫金型に生タイヤを装着して、所定の加硫温度で加硫するタイヤ加硫方法であって、
    先のタイヤの加硫終了前の所定時刻から次のタイヤの加硫開始後の所定時刻までの間において、
    前記トレッドセグメントに熱を供給するコンテナジャケットの温度と、前記サイドモールドに熱を供給するプラテンジャケットの温度を、互いに独立して、段階的に上昇・下降させ、
    前記コンテナジャケットの温度設定を、前記加硫温度を基準として、前記加硫温度、前記加硫温度よりも2〜5℃高い第1コンテナ温度、前記第1コンテナ温度よりもさらに2〜5℃高い第2コンテナ温度の3段階で行い、
    前記プラテンジャケットの温度設定を、前記加硫温度を基準として、前記加硫温度、前記加硫温度よりも2〜5℃高い第1プラテン温度の2段階で行うことを特徴とするタイヤ加硫方法。
  2. 前記第1コンテナ温度と前記第1プラテン温度が、同じ温度であることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫方法。
  3. 前記コンテナジャケットの温度を、
    加硫終了前15分以内の所定の時刻までは、前記加硫温度に維持し、
    その後、加硫終了前10分以内の所定の時刻までは、前記第1コンテナ温度に上昇させて維持し、
    その後、次のタイヤの加硫開始後6分以内の所定の時刻までは、前記第2コンテナ温度に上昇させて維持し、
    その後、次のタイヤの加硫開始後10分以内の所定の時刻までは、前記第1コンテナ温度に下降させて維持し、
    その後は、前記加硫温度に下降させて維持することを特徴とする請求項または請求項に記載のタイヤ加硫方法。
  4. 前記プラテンジャケットの温度を、
    加硫終了前15分以内の所定の時刻までは、前記加硫温度に維持し、
    その後、次のタイヤの加硫開始後10分以内の所定の時刻までは、前記第1プラテン温度に上昇させて維持し、
    その後は、前記加硫温度に下降させて維持することを特徴とする請求項ないし請求項のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。
  5. 前記コンテナジャケットの温度を、前記加硫温度から前記第1コンテナ温度に上昇させる時刻、および、前記第1コンテナ温度から前記加硫温度に下降させる時刻と、
    前記プラテンジャケットの温度を、前記加硫温度から前記第1プラテン温度に上昇させる時刻、および、前記第1プラテン温度から前記加硫温度に下降させる時刻を、互いに同期させることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫方法。
  6. タイヤが大型タイヤであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法。
  7. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のタイヤ加硫方法に用いられるタイヤ加硫装置であって、
    前記コンテナジャケットの温度設定と、前記プラテンジャケットの温度設定を、互いに独立して行い、
    前記コンテナジャケットの温度設定を、前記加硫温度を基準として、前記加硫温度、前記加硫温度よりも2〜5℃高い第1コンテナ温度、前記第1コンテナ温度よりもさらに2〜5℃高い第2コンテナ温度の3段階で行い、
    前記プラテンジャケットの温度設定を、前記加硫温度を基準として、前記加硫温度、前記加硫温度よりも2〜5℃高い第1プラテン温度の2段階で行うことができる温度制御手段を備えていることを特徴とするタイヤ加硫装置。
  8. 大型タイヤ用の加硫装置であることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫装置。
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