JP2016209331A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体の噴射による洗濯物に作用する圧力を大きくして、洗浄効果を高める。【解決手段】実施形態の洗濯機は、外箱内に配設され洗濯水が溜められる水槽と、この水槽内に連通状態で配設され洗濯物が収容される回転槽と、前記回転槽内の洗濯物に対して流体を噴射する流体噴射装置とを備え、前記流体噴射装置は、噴射口が前記水槽内の洗濯水中に浸漬した状態で流体を噴射可能に構成されている。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
例えばドラム式の洗濯機においては、洗い行程において、ドラムを回転させながら、水槽内の洗濯水(水や洗剤が溶けた水)を循環させてドラム内に噴射(散水)するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、水槽の後部底部の取水口から、ドラムの前面開口部の上部に設けられたノズルまで延びる循環水路を設け、循環ポンプによって洗濯水を循環させて、前記ノズルからドラム内に向けて放水を行う構成となっている。これにより、洗濯物に対する洗濯水の浸透性の向上を図るようにしている。
上記したように洗濯物に対して洗濯水を噴射する場合、噴射圧力を十分に大きくすることにより、汚れを落とすための物理的な力を大きくして洗浄効果を高めることができる。しかし、上記特許文献1のような、気中から洗浄液を噴射するものでは、洗濯物が洗濯水に沈んでいるような場合に、液体の表面における反射により噴射圧力の減衰が発生してしまう等、洗浄効果を高める上で、さほど効果的とは言えなかった。
そこで、流体の噴射による洗濯物に作用する圧力を大きくして、洗浄効果を高めることができる洗濯機を提供する。
実施形態の洗濯機は、外箱内に配設され洗濯水が溜められる水槽と、この水槽内に連通状態で配設され洗濯物が収容される回転槽と、前記回転槽内の洗濯物に対して流体を噴射する流体噴射装置とを備え、前記流体噴射装置は、噴射口が前記水槽内の洗濯水中に浸漬した状態で流体を噴射可能に構成されているところに特徴を有する。
(1)第1の実施形態
以下、縦軸形の洗濯機に適用した第1の実施形態について、図1から図3を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施形態に係る洗濯機1の構成を概略的に示している。ここで、洗濯機1は、例えば鋼板からなり全体として矩形状をなす外箱2を備えている。この外箱2の底部には、4個の脚部3を有する台板4が設けられている。また、外箱2の背面板は、矩形枠状に構成され、その内側に点検用の開口部2aが形成されている。この開口部2aは、蓋板5により塞がれるようになっている。
以下、縦軸形の洗濯機に適用した第1の実施形態について、図1から図3を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施形態に係る洗濯機1の構成を概略的に示している。ここで、洗濯機1は、例えば鋼板からなり全体として矩形状をなす外箱2を備えている。この外箱2の底部には、4個の脚部3を有する台板4が設けられている。また、外箱2の背面板は、矩形枠状に構成され、その内側に点検用の開口部2aが形成されている。この開口部2aは、蓋板5により塞がれるようになっている。
前記外箱2内には、洗濯水を溜める水槽6が、弾性吊持機構7により弾性的に支持(吊り下げ支持)されて設けられている。図1に一部のみ示すように、前記弾性吊持機構7は、例えば前記外箱2の四隅部に設けられた4本の吊り棒7a、各吊り棒7aの下端部に配置されたスプリング7b等を有した周知構成を備えている。前記水槽6の底部には、排水口8が形成されており、この排水口8には、電子制御式の排水弁9を備えた排水路10が接続されている。
前記水槽6内には、有底円筒状をなす縦軸型の回転槽11が回転可能に設けられている。回転槽11内には、図示しない洗濯物が収容され、その洗濯物の洗い、すすぎ、脱水、乾燥が行われるようになっている。この回転槽11の上端部には、例えば液体封入形の回転バランサ12が取付けられている。この回転槽11の周壁部には、多数個の脱水孔11aが形成されており、水槽6内と連通している。そして、回転槽11の内底部には、流体噴射装置としてのポンプ部13が設けられている。このポンプ部13の詳細については後述する。また、水槽6の外底部には、駆動機構部17が配設されている。この駆動機構部17についても後述する。
前記水槽6の上部には、水槽カバー14が装着されている。この水槽カバー14には、ほぼ中央部に洗濯物出し入れ用の開口部14aが設けられていると共に、その開口部14aを開閉する内蓋15が取付けられている。水槽カバー14の上面における後部には、給水用の給水口16が設けられていると共に、図示はしないが、温風供給装置から供給される温風を水槽6内に供給する温風吹出口等が設けられている。
前記外箱2の上部には薄形の中空箱状をなす合成樹脂製のトップカバー20が装着されている。このトップカバー20の上面中央には、前記回転槽11の上方に位置して、ほぼ円形の洗濯物出入口20aが形成され、その洗濯物出入口20aを開閉するための二つ折りタイプの蓋21が設けられている。このトップカバー10の前部上面部には、ユーザが洗濯運転のコースの選択や、運転開始を指示するための操作パネル22が設けられている。更に、操作パネル22の裏面側には、コンピュータを含んで構成され操作パネル22の操作信号の処理や表示制御などを行う操作ユニット23が設けられている。
このトップカバー20の後部には、水槽6内への給水を行うための給水機構24が設けられている。給水機構24は、給水弁25、注水ケース26、可撓性を有する給水ホース27を備えており、給水ホース27の先端部が前記給水口16に接続されている。給水弁25は給水受け口25aを備えていて、その給水受け口25aには、図示しない水道の蛇口に接続された接続ホースの先端部が接続される。給水弁25が開放されると、水道から供給される水が、注水ケース26及び給水ホース27を介して給水口16から回転槽11内及び水槽6内に供給される。尚、トップカバー20の後部には、水槽6の異常な振動(揺動)を検知する安全レバースイッチ装置28も設けられている。
さて、前記ポンプ部13及び駆動機構部17について述べる。前記ポンプ部13は、前記回転槽11の底部に設けられた円形の凹所と、その上面を塞ぐように配置された蓋板部29とから構成された円形(渦巻き形)のポンプ室30内に、遠心式のポンプ羽根(羽根車)31を配置して構成されている。このとき、回転槽11の底部の中央寄り部分には、水槽6内の流体である洗濯水(水、或いは洗剤等が溶けた水)を吸込む吸込口32が設けられ、図2、図3にも示すように、前記蓋板部29の外周端部の1個所には小孔状の噴射口33が設けられている。
前記ポンプ羽根31は、前記駆動機構部17から上方への突出状態に設けられるポンプ軸19の先端に連結されている。これにて、次に述べる駆動機構部17によってポンプ羽根31が回転されることにより、水槽6内底部に溜められている洗濯水が吸込口32からポンプ室30内に吸込まれ、噴射口33から回転槽11内の洗濯物に向けて噴射されるといった、循環がなされるようになっている。このとき、噴射口33からの噴射圧力は、十分に高圧とされ、例えば水道水圧の5〜10倍以上の圧力(5MPa〜20MPa)とされる。
またこの場合、噴射口33から流体としての洗濯水が噴射される噴射方向としては、図1〜図3に矢印Aで示すように、平面的にはいわゆる接線方向であり、上下方向にはほぼ水平方向とされている。これにより、回転槽11の底部(蓋板部29の上部)では、図3に矢印Bで示すような、上から見て左回り方向の回転水流が生ずるようになる。尚、噴射方向のうち上下方向に関しては、図2に示すように、回転槽11の壁面の導水壁部34により調整が可能となる。
前記駆動機構部17は、詳しく図示はしないが、例えばアウタロータ形のDC三相ブラシレスモータからなる洗濯機モータ、中空の槽軸18、該槽軸18を貫通するポンプ軸19、前記洗濯機モータの回転駆動力をそれら軸18,19に選択的に伝達するクラッチ機構等を備えて構成されている。前記槽軸18の上端には、前記回転槽11が連結されており、前記ポンプ軸19の上端には、ポンプ羽根31が連結されている。
前記クラッチ機構は、例えば前記排水弁9に連動して動作し、洗い時及びすすぎ時(洗い行程)には、回転槽11の水槽6に対する固定(停止)状態で、洗濯機モータの駆動力をポンプ軸19を介してポンプ羽根31に伝達し、ポンプ羽根31を一方向に高速で回転駆動する。また、脱水時(脱水行程)には、槽軸18とポンプ軸19との連結状態で、洗濯機モータの駆動力を槽軸18を介して回転槽11に伝達し、回転槽11(及びポンプ羽根31)を一方向に高速で直接回転駆動するようになっている。尚、図示は省略するが、洗濯機1の各機構は、操作パネル22からの操作信号等に基づいて、コンピュータを主体として構成された制御装置により制御され、洗い、すすぎ、脱水等の各行程が自動で順に実行されるようになっている。
次に、上記構成の洗濯機1の動作について述べる。本実施形態の洗濯機1においては、洗いの行程が次のようにして行われる。即ち、水槽6(回転槽11)内に、所定水位の洗濯水(水、或いは洗剤が溶けた水)が溜められ、洗濯物がその洗濯水中に浸漬した状態とされる。洗い行程が開始されると、クラッチ機構により洗濯機モータをポンプ軸19に連結した状態で、洗濯機モータが回転駆動される。これにより、ポンプ部13のポンプ羽根31が高速で回転駆動され、水槽6内の洗濯水が吸込口32からポンプ室30内に吸込まれ、噴射口33から矢印A方向に噴射されるといった循環が連続してなされる。
この噴射口33から噴射される洗濯水により、回転槽11内で矢印B方向の回転水流が生成されると共に、洗濯物に向けて洗濯水が噴射され、圧力が作用して洗濯物の布に洗濯水が浸透するようになる。このとき、ポンプ部13の噴射口31が洗濯水中に浸漬した状態で洗濯水を噴射する構成とすることにより、気中から噴射する場合と異なり、洗濯水の噴射による圧力を反射なく洗濯物に作用させることができ、物理的な圧力を大きくすることができる。
これと共に、噴射口33からの噴射圧力を十分に高圧したことにより、噴射口31から噴射された洗濯水の流れの中にキャビテーションを発生させることができ、このキャビテーションによる、洗濯物から汚れを引き剥す効果も期待できる。それらの相乗効果により、洗濯物に対する十分な洗浄効果が得られる。この場合、従来の一般的な縦軸型の洗濯機が備えている水流生成用のパルセータ(撹拌体)を省略しても、十分な洗浄効果を得ることができたのである。
尚、洗い行程が終了すると、水槽6からの洗濯水の排水が行われ、次にためすすぎの行程が実行される。ためすすぎの行程では、水槽6(回転槽11)内に、洗濯水(水道からの水)が溜められ、洗い行程と同様に、クラッチ機構により洗濯機モータをポンプ軸19に連結した状態で、洗濯機モータが回転駆動される。これにより洗い行程と同様にして、噴射口31から洗濯水が噴射されることに基づく洗濯物のすすぎが行われる。
このように本実施形態の洗濯機1においては、回転槽11内にポンプ部13を設け、噴射口31が水槽6内の洗濯水中に浸漬した状態で洗濯水を噴射するように構成したので、洗濯水の噴射による洗濯物に作用する圧力を大きくすると共に、キャビテーションを発生させることができる。この結果、本実施形態によれば、回転槽11内に流体を噴射するポンプ部13を設けたものにあって、洗浄効果を高めることができるという優れた効果を得ることができる。
また、特に本実施形態では、ポンプ部13を、水槽6内の洗濯水を循環させながら流体として噴射させる循環ポンプとして構成したので、洗濯水を循環させながら有効に利用することができ、水の使用量が多くなることを抑えることができるといったメリットも得ることができる。
(2)第2の実施形態
次に、図4及び図5を参照して、第2の実施形態について述べる。尚、この第2の実施形態も、上記第1の実施形態と同様に縦軸型の洗濯機に適用したものであり、上記第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
次に、図4及び図5を参照して、第2の実施形態について述べる。尚、この第2の実施形態も、上記第1の実施形態と同様に縦軸型の洗濯機に適用したものであり、上記第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
図4は、本実施形態に係る洗濯機41の全体構成を概略的に示している。この実施形態では、水槽6内には、有底円筒状をなし、図示しない洗濯物が収容される回転槽42が設けられている。回転槽42の上端部には、回転バランサ12が取付けられている。回転槽42のの周壁部には、多数個の脱水孔42aが形成され、水槽6内と連通している。回転槽42の内底部には、円形凹部が設けられ、この円形凹部内にパルセータ(撹拌体)43が設けられている。
周知のように、前記パルセータ43は、上面に回転水流生成用の凸部43aを有する円板状をなすと共に、下面側に複数枚のポンプ羽根43bが一体に設けられている。これにて、回転槽42の内底部(円形凹部)とパルセータ43の間にポンプ室44が形成されるようになっている。詳しく図示はしないが、ポンプ室44の外周部には、流出口が設けられ、回転槽42の周壁部には、前記流出口から上方に延びるようにして、洗濯水を前記ポンプ室44から揚水するための通水路が設けられている。この通水路は、回転槽42の上部(回転バランサ12よりやや下方)に吐出口を有している。
前記水槽6の外底部に設けられた駆動機構部17は、やはり、洗濯機モータ、中空の槽軸18、槽軸18を貫通する撹拌軸45、洗濯機モータの回転駆動力をそれら軸18,45に選択的に伝達するクラッチ機構等を備えている。前記槽軸18の上端には、前記回転槽42連結されており、前記撹拌軸45の上端には、前記パルセータ43が連結されている。
前記クラッチ機構は、洗い時及びすすぎ時(洗い行程)には回転槽42の固定(停止)状態で、洗濯機モータの駆動力を撹拌軸45を介してパルセータ43に伝達してパルセータ43を低速で正逆回転駆動する。これにて、回転槽42内に回転水流が生成されると共に、洗濯水がポンプ室44の流出口から吐出され、通水路を上昇(揚水)し、吐出口から回転槽42内に吐出(散水)されるようになっている。また、脱水時(脱水行程)には、槽軸18と撹拌軸45との連結状態で、洗濯機モータの駆動力を槽軸18を介して回転槽42に伝達し、回転槽42(及びパルセータ43)を一方向に高速で回転駆動する。
そして、本実施形態では、前記水槽6の上部の水槽カバー14部分に、前記回転槽42内の洗濯物に対して洗濯水を噴射する流体噴射装置としての高圧ポンプユニット46が設けられている。詳しく図示はしないが、この高圧ポンプユニット46は、ケース46a内に、容積型ポンプ及びそれを駆動するモータを備えている。本実施形態では、前記モータ(容積型ポンプ)は一定速度で駆動される。前記ケース46aには、注水ケース26から洗濯水(水)を吸込むための吸込み管47が接続されている。また、ケース46aには、洗濯水を噴射する噴射ノズル48が取付けられている。
このとき、噴射ノズル48は、図5にも示すように、回転槽42の内周壁寄り部分を、回転槽42の上面開口部から下方に向けて延び、洗濯物に指向するように設けられている。この噴射ノズル48の先端(下端部)には、噴射口48aが設けられている。この場合、図4に示すように、回転槽42内の水位(水面の位置)Lは、回転バランサ12の下部の線の位置と同等となり、噴射口48aは回転槽42内の洗濯水中に浸る位置に設けられている。これにて、高圧ポンプユニット46(モータ)が駆動されると、注水ケース26内の洗濯水が吸込まれ、噴射ノズル48の洗濯水中に位置する噴射口48aから、回転槽42内の洗濯物に向けて直接的に噴射される。このときの噴射口48aからの噴射圧力も、十分に高圧(例えば5MPa〜20MPa)とされる。
また、本実施形態では、噴射ノズル48は、左右に揺動(回動)可能に構成され、図示はしないが、モータ等を含む駆動機構により揺動(左右に首振り)されるようになっている。この場合、噴射口48aの位置、即ち回転槽42内における洗濯水の噴射方向が、図5で矢印C方向と矢印D方向との間で変更されるようになっている。尚、図4には、噴射ノズル48が左右に振れた位置を二点鎖線で示している。この噴射ノズル48が左右に振れた位置では、噴射口48aが水面Lより上方に出ることがあるが、噴射口48aが水面上に出た状態では、周りの空気を巻き込みながら水中に向けて洗濯水が噴射されるようになる。
上記構成の洗濯機41においては、洗い行程においては、回転槽42内に洗濯水が溜められ洗濯物が浸漬した状態で、パルセータ43が正逆方向に回転され、回転槽42内に洗濯水流が生成されると共に、ポンプ室44から揚水された洗濯水が吐出口から回転槽42内に吐出(散水)される。これと共に、高圧ポンプユニット46が駆動され、噴射ノズル48の噴射口48aから洗濯水(水)が洗濯物に向けて噴射される。また、噴射ノズル48の揺動によって、洗濯水が広い範囲に向けて噴射されるようになる。
このとき、上記第1の実施形態と同様に、噴射ノズル48の噴射口48aが洗濯水中に浸漬した状態で洗濯水を噴射することにより、気中から噴射する場合と異なり、洗濯物に向けて噴射される洗濯水の圧力を大きくして、洗濯水を十分に浸透させることができる。これと共に、噴射口48aから噴射された洗濯水の流れの中に発生するキャビテーションにより、洗濯物の汚れを落とす効果が得られる。また、上記したように、噴射ノズル48が左右に振れた位置では、水面L上に位置した噴射口48aから、洗濯水が周りの空気を巻き込みながら水中に向けて噴射されるようになり、気泡の力が付加された洗浄効果が得られる。この場合、パルセータ43により発生する洗濯水流も加えて、それらの相乗効果により、洗濯物に対する十分な洗浄効果が得られるようになる。
このように第2の実施形態によれば、高圧ポンプユニット46を設けて、噴射ノズル48の噴射口48aが回転槽42内の洗濯水中に浸漬した状態及び噴射口48aが水面L上に出た状態で洗濯水を噴射するように噴射ノズル48の位置を制御することで使い分けるように構成したので、上記第1の実施形態と同様に、洗濯水の噴射による洗濯物に作用する圧力を大きくすると共に、キャビテーションを発生させることができ、洗浄効果を高めることができるという優れた効果を得ることができる。噴射ノズル48の位置の制御としては、図示した3か所それぞれで適宜停止させて噴射する方式、連続的に揺動させて噴射する方式などを想定することができる。
また、特に本実施形態では、高圧ポンプユニット46は、回転槽42内の洗濯物に指向するように配置され先端に噴射口48aを有する噴射ノズル48を備える構成としたので、噴射口48aから噴射した流体を、洗濯物に直接的に当てることができ、より高い洗浄力を得ることができる。更に、本実施形態では、噴射ノズル48の噴射口48aの位置(向き)を変更可能に構成したので、噴射口48aの位置や向きを変更することにより、広い範囲に向けて噴射することができ、或いは水の噴射の向きを左右方向に変更することが可能となるため発生する水流の方向を反転させて洗浄効果のムラや洗濯物の絡みの発生を抑えることができる等、より効果的である。
尚、この第2の実施形態では、注水ケース26に溜められた洗濯水(水)を、高圧ポンプユニット46で吸込んで噴射ノズル48から噴射する構成としたが、吸込み管47を、水槽6の下部に接続し、水槽6(回転槽42)内の洗濯水を循環させながら、噴射するように構成しても良い。また、噴射ノズル48の噴射口48aが洗濯水中に浸漬しているため、洗濯物Wが噴射ノズル48に当たる虞があるが、噴射ノズル48の水没量は少なく、また、噴射ノズル48が可動する構成であるため、噴射ノズル48に洗濯物Wが引っ掛かることが防止される。
(3)第3の実施形態
図6は、第3の実施形態に係る洗濯機51を示すものである。この洗濯機51が上記第2の実施形態の洗濯機41と異なる点は、流体噴射装置としての高圧ポンプユニット52の構成にある。即ち、詳しく図示はしないが、高圧ポンプユニット52は、ケース52a内に、やはり、容積型ポンプ及びそれを駆動するモータを備えている。また、ケース52aには、洗濯水を吸込むための吸込み管47が接続されると共に、洗濯水を噴射口48aから噴射する可動式の噴射ノズル48が取付けられている。
図6は、第3の実施形態に係る洗濯機51を示すものである。この洗濯機51が上記第2の実施形態の洗濯機41と異なる点は、流体噴射装置としての高圧ポンプユニット52の構成にある。即ち、詳しく図示はしないが、高圧ポンプユニット52は、ケース52a内に、やはり、容積型ポンプ及びそれを駆動するモータを備えている。また、ケース52aには、洗濯水を吸込むための吸込み管47が接続されると共に、洗濯水を噴射口48aから噴射する可動式の噴射ノズル48が取付けられている。
このとき、前記高圧ポンプユニット52のモータは、インバータにより可変速で駆動されるようになっている。これにより、噴射口48aから噴射される洗濯水の噴射圧力が可変に構成されている。この場合、例えばユーザの操作パネル22の選択操作により、洗濯物の布質に応じて噴射圧力を調整することができる。或いは、ユーザのコース選択に基づき、噴射圧力が自動で設定される。例えば、洗濯物が一般的な衣類の場合には、噴射圧力を十分に大きくして洗浄効果を高めることができ、また、デリケートな衣類の場合には、噴射圧力を小さくして洗濯物の布傷みを抑えることができる。このように第3の実施形態によれば、上記第2の実施形態と同様の効果が得られることに加え、よりバラエティに富んだ洗浄が可能になる。
尚、上記第1の実施形態では、駆動機構部17のモータにより、ポンプ部13(ポンプ羽根31)を駆動する際に、モータを一定速度で回転させるように構成したが、回転槽11の底部に流体噴射装置としてのポンプ部13を設ける構成にあっても、上記第3の実施形態と同様に、インバータによりモータを可変速で駆動し、噴射口33から噴射される洗濯水の噴射圧力を可変に構成することができる。これにより、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(4)第4の実施形態
次に、循環ポンプを備えたドラム式の洗濯機に適用した第4の実施形態について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係るドラム式の洗濯機61の全体構成を概略的に示している。ここで、洗濯機61は、ほぼ矩形箱状をなす外箱62を有している。この外箱62の前面の中央部には、洗濯物出入口63が設けられていると共に、その洗濯物出入口63を開閉する扉64が配設されている。また、外箱62の前面上部には、操作パネル65が設けられ、その裏側(外箱62内)には、洗濯機61の全体を制御する制御手段としての制御装置66が設けられている。
次に、循環ポンプを備えたドラム式の洗濯機に適用した第4の実施形態について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係るドラム式の洗濯機61の全体構成を概略的に示している。ここで、洗濯機61は、ほぼ矩形箱状をなす外箱62を有している。この外箱62の前面の中央部には、洗濯物出入口63が設けられていると共に、その洗濯物出入口63を開閉する扉64が配設されている。また、外箱62の前面上部には、操作パネル65が設けられ、その裏側(外箱62内)には、洗濯機61の全体を制御する制御手段としての制御装置66が設けられている。
前記外箱62内には、横軸円筒状の水槽67が後下がりにやや傾斜した状態で、複数(例えば左右一対)のサスペンション68(一部のみ図示)を介して支持されている。この水槽67の後端側中心部には、例えばブラシレスDCモータからなるアウタロータ形のモータ69が配設されている。前記水槽67内には、洗濯物(衣類)が収容される回転槽としての円筒状のドラム70が回転可能に支持されている。このドラム70は、前後方向に延び且つ後下がりにやや傾斜した傾斜軸を中心に回転するように構成されている。前記モータ69の回転軸69aが、水槽67の背面を貫通して、ドラム70の後端側中央部に連結されている。これにて、ドラム70はモータ69により直接的に回転駆動される。
前記ドラム70の周壁部には通水(通気)用の多数個の孔70aが形成され、前記水槽67内と連通している。また、ドラム70の内周面部には、洗濯物掻き上げ用(撹拌用)の例えば3個のバッフル71が設けられている。このドラム70の前面部には、衣類が出し入れされる開口部72が設けられている。前記水槽67の前面部には、前記開口部72に連なる投入口73が形成されており、この投入口73と前記洗濯物出入口63とがベローズ74を介して連通している。尚、ドラム70内には、下部の奥部に位置して洗濯物Wが収容される。また、洗濯運転時(洗い、すすぎの行程)には、水槽67(ドラム70)内には、例えば水位Lまで洗濯水(水や洗剤が溶けた水)が溜められる。
前記水槽67の背面側の底部には、排水口75が形成されている。この排水口75には、機内排水ホース76の基端部が接続されている。前記外箱62の底部を構成する底板62aには、前側部に位置してフィルタユニット77が設けられている。詳しく図示はしないが、このフィルタユニット77は、円筒状のケース内にリントフィルタを収容して構成され、その前面開口部にキャップ78が開閉可能に装着されている。前記リントフィルタは、洗濯水中の比較的大きなリント(糸くず)を捕獲する機能を有する。前記外箱62には、キャップ78の前方に位置して出し入れ用の開口部が設けられ、その開口部がカバー62bにより開閉可能に塞がれている。
このフィルタユニット77の上部には、ホース接続口77aが設けられ、このホース接続口67aに、前記機内排水ホース76の先端部が接続されている。また、フィルタユニット77の下部には、排水弁79が接続され、この排水弁79の出口側に排水パイプ80が接続されている。この排水パイプ80の先端部は、底板62aを通って機外に臨み、図示しない機外排水ホースに接続される。これにて、排水弁79が開放されると、水槽67内の洗濯水が、フィルタユニット77を通った後、排水パイプ80から排出される。
前記フィルタユニット77の後端部には、循環ポンプ81が設けられている。この循環ポンプ81は、前記フィルタユニット77に臨んで吸入口を有しており、前記水槽67及びドラム70内の水を排水口75、機内排水ホース76及びフィルタユニット77を介して吸引する。この循環ポンプ81の上部には、吐出口81aが設けられ、この吐出口81aに、流体の経路となる送水管82の基端部が接続されている。この送水管82は、ドラム70の前面側下部を上方へ延びており、その先端部に、噴射ノズル83の下端部が接続されている。
前記噴射ノズル83は、投入口73の下部を貫通するように上下に延びて取付けられている。この噴射ノズル83の上端部の後面側に、噴出口83aが設けられている。この噴射口83aは、ドラム70の開口部の下部に臨み、洗濯水の水位Lよりも低い位置にあって、ドラム70内の奥方底部(洗濯物W)に向けて矢印E方向に洗濯水を噴射するように設けられている。このときの噴出口83aからの噴射圧力も、十分に高圧(例えば5MPa〜20MPa)とされる。
また、本実施形態では、図8に示すように、前記送水管82の途中部位(噴射ノズル83よりも下流)に位置して気泡発生手段としての絞り部84が設けられている。これにより、絞り部84によって微細な無数の気泡(サブミクロンオーダーのマイクロバブル或いはウルトラファインバブル)が発生し、気泡を含んだ状態で噴射口83aから洗濯水が噴射される。この場合、微細気泡は、短時間では消滅することなく洗濯物Wまで届くようになる。
更に、本実施形態では、図7に示すように、前記送水管82の途中から上部送水管85が、分岐して設けられている。この上部送水管85は、投入口73(ベローズ74)の外周側を通るように上方に延びて設けられ、前記水槽67の投入口73の上部に形成された上部噴射ノズル86に接続されている。上部噴射ノズル86の先端には噴射口86aが設けられ、洗濯水を前記ドラム70の奥方底部に向けて、気中から、矢印F方向に噴射するように構成されている。
これにより、循環ポンプ81が駆動されると、前記水槽67内の洗濯水が、排水口75から機内排水ホース76、フィルタユニット77を順に通り、送水管82を通って噴射ノズル83の噴射口83aから噴射されると共に、上部送水管85を通って上部噴射ノズル86の噴射口86aから噴射される。これにて、循環ポンプ81、送水管82、噴射ノズル83、上部送水管85、上部噴射ノズル86等から、流体噴射装置87が構成されているのである。本実施形態では、流体噴射装置87は、複数の噴射口83a、86aを備え、それらから同時に洗濯水を噴射するように構成されている。尚、洗濯水が前記フィルタユニット77を通る際には、リントフィルタによりリントが捕獲される。
前記フィルタユニット77の前方上部には、エアトラップ88が設けられている。一方、外箱62内の最上部には水槽67内の水位を検出する水位センサ89が配設されている。これらエアトラップ88と水位センサ89とが、エアチューブ90によって接続されている。一方、前記外箱62内の上部には、前記水槽67内への給水を行う給水機構91が、次のように設けられる。
即ち、前記外箱62の後端上面部には、水道に接続される給水口92が設けられている。この給水口92は、給水弁93に接続され、この給水弁93は、接続パイプ94を介して注水ケース95の入口部に接続されている。前記注水ケース95の出口部が、給水ホース96を介して前記水槽67に接続されている。図示はしないが、前記注水ケース95の内部には、洗剤貯留部等が設けられている。これにて、給水弁93の開放動作により、水道水が、給水口92から給水弁93、接続パイプ94、注水ケース95、給水ホース96を介して水槽67に供給される。
尚、図示はしないが、前記外箱62内には、ドラム70内に温風を循環供給して洗濯物を乾燥させるための周知の乾燥ユニットが設けられている。この乾燥ユニットは、水槽7に設けられた給気口と排気口とを該水槽7の外側でつなぐように設けられた循環ダクト、この循環ダクト内に設けられた送風ファン及びヒータ等から構成されている。前記循環ダクト内に、除湿手段(例えばヒートポンプ)を設けても良い。
前記制御装置66は、コンピュータ(CPU)を主体として構成され、乾燥機61全体を制御して洗濯運転を実行する。詳しい説明は省略するが、制御装置66は、ユーザによる操作パネル65の操作信号や、水位センサ89等の各種センサの検出信号に基づき、運転制御プログラムに従って、給水弁93、排水弁79、モータ69、循環ポンプ81等の各機構を制御し、洗い、すすぎ、脱水などの各行程からなる洗濯運転を実行する。
このとき、前記洗濯運転のうち、洗い行程及びすすぎ行程では、水槽67内の所定水位Lまでの給水状態で、ドラム70を比較的低速で正方向及び逆方向に所定時間間隔で交互に回転させる制御が行われる。また、これら洗い行程及びすすぎ行程では、前記循環ポンプ81が適宜駆動される。脱水の行程では、ドラム70を一方向(正方向)に連続して高速回転する制御が行われる。尚、制御装置66は、更に乾燥ユニットを制御して洗濯運転後の乾燥運転を実行する。
次に、上記構成の作用・効果について述べる。上記構成のドラム式洗濯機1において、洗濯運転が実行されると、洗い及びすすぎの行程では、水槽67(ドラム70)内に、洗濯物の量に応じた所定水位Lまでの給水が行われ、その状態で、ドラム70の正、逆方向の回転が繰返される。このドラム70の回転により、ドラム70内では、バッフル71が洗濯物を掻き上げ、その後落下させるいわゆる叩き洗いが行われる。
これと同時に、洗い及びすすぎの行程では、流体噴射装置87(循環ポンプ81)が駆動される。循環ポンプ81の駆動により、上記のように、排水口75から吸込まれた水槽67内の洗濯水が、送水管82を通って噴射ノズル83の噴射口83aから矢印E方向に噴射される。これにて洗濯物Wに向けて直接的に洗濯水が噴射され、圧力が作用して洗濯物Wの布に洗濯水が浸透するようになる。
このとき、噴射口83aが洗濯水中に浸漬した状態で洗濯水を噴射する構成としたことにより、洗濯水の噴射による圧力を反射なく洗濯物Wに作用させることができ、物理的な圧力を大きくすることができる。しかも、送水管82の途中部に、微細気泡を発生させる絞り部84を設けたことにより、噴射口83aから噴射される洗濯水には、多数の微細気泡が含まれるようになる。これにより、気泡によって洗濯物Wの油汚れ等を電気的に吸着して引き剥す効果も期待できる。
これと共に、洗濯水が上部送水管85を通って上部噴射ノズル86の噴射口86aから矢印F方向に噴射される。この場合、噴射口86aは気中に位置するので、噴射口83aからの噴射に比べて洗濯物Wに対してさほど大きな圧力を作用させることがないものの、噴射口83aからの洗濯水の噴射とは、洗濯物Wに対して当る角度や位置が異なるようになるので、洗濯効果の向上に寄与するようになる。以上のように、ドラム70の回転に加えて、噴射口83a及び噴射口86aから洗濯水が高圧で噴射され、それらの相乗効果により、洗濯物Wに対する十分な洗浄効果が得られる。
尚、噴射ノズル83の噴射口83aが洗濯水中に浸漬しているため、運転中に噴射ノズル83に洗濯物Wが当たる虞がある。しかし、噴射ノズル83の水没量は少ないため、洗濯物Wが当たっても噴射ノズル83を迂回するように容易に回り込み、噴射ノズル83に洗濯物Wが引っ掛かることが未然に防止される。
このように第4の実施形態によれば、横軸型のドラム70を備えたドラム式の洗濯機61にあっても、噴射口83aを洗濯水中に浸漬した状態で洗濯物Wに向けて洗濯水を噴射する流体噴射装置87を設けた。この結果、第1〜第3の実施形態と同様に、洗濯水の噴射による洗濯物Wに作用する圧力を大きくして洗浄効果を高めることができるという優れた効果を得ることができる。流体噴射装置87は、循環ポンプ81を含むので、洗濯水を循環させながら有効に利用することができ、水の使用量が無駄に多くなることが抑えられる。
また特に本実施形態では、流体噴射装置87に、マイクロバブルを発生させる気泡発生手段としての絞り部84を送水管82の途中に位置して設けたので、気泡により、洗濯物Wの油汚れ等を浮き上がらせて除去することができ、より一層洗浄効果を高めることができる。更に本実施形態では、複数個の噴射口83a、86aを設けて、それら噴射口83a、86aから同時に流体を噴射する構成としたので、よりバラエティに富んだ洗浄が可能になり、洗浄性能の向上を図ることができる。尚、上部噴射ノズル86及び上部送水管85を省略した構成としても良いことは勿論である。
(5)第5の実施形態
図9は、第5の実施形態に係るドラム式の洗濯機101を示すものである。この第5の実施形態も、上記第4の実施形態と同様にドラム式の洗濯機に適用したものであり、上記第4の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、第4の実施形態と異なる点について説明する。この第5の実施形態の洗濯機101においては、流体噴射装置102の構成が、上記第4の実施形態の流体噴射装置87と異なっている。
図9は、第5の実施形態に係るドラム式の洗濯機101を示すものである。この第5の実施形態も、上記第4の実施形態と同様にドラム式の洗濯機に適用したものであり、上記第4の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、第4の実施形態と異なる点について説明する。この第5の実施形態の洗濯機101においては、流体噴射装置102の構成が、上記第4の実施形態の流体噴射装置87と異なっている。
即ち、循環ポンプ81の吐出口81aには、送水管103の基端部が接続されている。この送水管103は、投入口73(ベローズ74)の外周側を上方に延びて折返し状態とされ、その先端部に、噴射ノズル104の基端部が接続されている。噴射ノズル104は、例えば水槽67の投入口73の左側部のやや下部部分に、ドラム70内の奥方底部(洗濯物W)を志向するように、取付けられている。この噴射ノズル104は、洗濯水の
噴射方向(矢印G方向)に沿って延びる直管形状をなし、先端に噴射口104aを有しているのであるが、その先端側が伸縮可能な構成とされている。
噴射方向(矢印G方向)に沿って延びる直管形状をなし、先端に噴射口104aを有しているのであるが、その先端側が伸縮可能な構成とされている。
噴射ノズル104の先端側は、管内に一回り径小な管をスライド可能に差込んだいわゆるテレスコープ式とされ、詳しく図示はしないが、通常時(洗濯水を噴射しないとき)には、図9に実線で示すように、図示しないばねのばね力によって短縮状態となっている。これに対し、洗濯水の噴射時(循環ポンプ81の駆動時)には、図9に想像線で示すように、その水圧によって先端側が矢印G方向に延びる伸長状態となる。このとき、噴射ノズル104の短縮状態では、噴射口104aが気中に位置され、伸長状態では、噴射口104aが洗濯水中に浸漬する(水位Lよりも下方に位置する)ようになっている。
また、本実施形態でも、前記送水管103の途中から、上部送水管105が分岐して設けられている。この上部送水管105が上部噴射ノズル86に接続されている。上部噴射ノズル86は、気中に位置する噴射口86aから、洗濯水をドラム70の奥方底部に向けて、矢印F方向に噴射するように構成されている。
これにより、流体噴射装置102においては、循環ポンプ81が駆動されると、噴射ノズル104が伸長状態となって噴射口104aが洗濯液中に浸漬し、洗濯水が送水管103を通って噴射ノズル104の噴射口104aから矢印G方向に噴射されると共に、上部送水管105を通って上部噴射ノズル86の気中の噴射口86aから矢印F方向に噴射される。循環ポンプ81が停止されると、噴射ノズル104が短縮状態となる。
このような第5の実施形態によれば、上記第4の実施形態と同様に、横軸型のドラム70を備えたドラム式の洗濯機101にあっても、噴射口104aを洗濯水中に浸漬した状態で洗濯物Wに向けて洗濯水を噴射する流体噴射装置102を設けたものである。この結果、洗濯水の噴射による洗濯物Wに作用する圧力を大きくして洗浄効果を高めることができるという優れた効果を得ることができる。また、複数個の噴射口104a、86aを設けたことにより、バラエティに富んだ洗浄が可能になり、洗浄性能の向上を図ることができる。
特に本実施形態では、噴射ノズル104を伸縮可能に構成したので、流体を噴射しないときには、噴射ノズル104を短縮して、例えば洗濯物Wの出し入れに邪魔にならないに位置に配置しておくことができる。洗濯水の噴射時には、噴射ノズル104が伸長状態となるので、噴射口104aを液中の洗濯物Wにより近付けた状態で、洗濯水を洗濯物Wに直接的に高圧で当てることができ、より洗浄効果を高めることができる。また伸長した状態の噴射ノズル104に洗濯物Wが衝突することがあっても、押された噴射ノズル104は短縮化することにより破損・変形を未然に回避可能である。
尚、噴射ノズル104の短縮状態、つまり噴射口104aが気中に位置した状態で洗濯水を噴射することが可能に構成しても良い。これにより、気中からの洗濯水の噴射も可能となり、洗濯物Wが例えばデリケートな衣類の場合には弱い圧力で流体を噴射する等、バラエティに富んだ洗浄形態が可能となる。上部噴射ノズル86及び上部送水管105を省略した構成としても良いことは勿論である。また、噴射ノズル104を伸縮させる際のいずれか一方(伸長)を、モータ等のアクチュエータにより駆動する(他方はばねにより戻す)方式としても良い。伸縮の双方をモータ等により行うように構成しても良い。
(6)第6、第7の実施形態、その他の実施形態
図10は、第6の実施形態を示すもので、液体噴射装置の噴射ノズル111の先端部の構造を示している。噴射ノズル111の先端部、つまり噴射口111aの直前部分に、絞り部112を設けるようにしている。この絞り部112も気泡発生手段として機能し、絞り部112によって微細な無数の気泡(サブミクロンオーダーのマイクロバブル或いはウルトラファインバブル)を発生させながら、噴射口111aから洗濯水を噴射することができる。この噴射ノズル111によれば、噴射口111aから微細気泡を含んだ洗濯水を洗濯物Wに向けて噴射することができ、洗濯物Wの油汚れを浮き上がらせて除去することができ、より一層洗浄効果を高めることができる。
図10は、第6の実施形態を示すもので、液体噴射装置の噴射ノズル111の先端部の構造を示している。噴射ノズル111の先端部、つまり噴射口111aの直前部分に、絞り部112を設けるようにしている。この絞り部112も気泡発生手段として機能し、絞り部112によって微細な無数の気泡(サブミクロンオーダーのマイクロバブル或いはウルトラファインバブル)を発生させながら、噴射口111aから洗濯水を噴射することができる。この噴射ノズル111によれば、噴射口111aから微細気泡を含んだ洗濯水を洗濯物Wに向けて噴射することができ、洗濯物Wの油汚れを浮き上がらせて除去することができ、より一層洗浄効果を高めることができる。
図11は、第7の実施形態を示している。この第7の実施形態では、流体噴射装置の流体の経路121(噴射ノズルの手前)に、ベンチュリ管122を設けるようにしている。周知のように、ベンチュリ管122は、管の途中を絞ると共に、その絞り部分に細管123を接続して構成され、細管123を通して外部から別の流体(気体や液体)を吸込むことができるようになっている。この構成によれば、ベンチュリ管122を利用して、噴射口から噴射する流体に(洗濯水)、他の液体や気体を混合させることが可能となる、例えば、水に洗剤や他の薬剤を混ぜて噴射したり、流体に空気(気泡)を混入させながら噴射したりすることができる。
尚、上記第4、第5の実施形態では、流体噴射装置に2個の噴射口を設けるようにしたが、3個以上の噴射口を設ける構成としても良い。この場合、少なくとも1個の噴射口は、洗濯水中に浸漬した状態で流体を噴射する構成とする。また、複数個の噴射口を設ける場合に、流体を噴射する噴射口を選択的に切替える構成としても良い。上記第3の実施形態では、ポンプのモータをインバータにより可変速で駆動することにより、流体の噴射圧力を可変とするように構成したが、可変の絞り弁などを用いて、噴射圧力を変更(調整)するような構成としても良い。
更には、上記第1〜第3の実施形態のような、縦軸型の洗濯機においても、複数の噴射口を設ける構成としたり、また、第4、第5の実施形態のようなドラム式の洗濯機において、噴射ノズル(噴射口の位置や向き)を可動に構成したりしても良いなど、上記した複数の実施形態を部分的に組合せた形態で実施することも可能である。その他、洗濯機の全体構成としても、種々の変更が可能であり、例えば乾燥機能や循環ポンプを有していないものにも適用することができる等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
図面中、1、41、51は洗濯機、2は外箱、6は水槽、11、42は回転槽、13はポンプ部(流体噴射装置)、30はポンプ室、31はポンプ羽根、33は噴射口、46、52は高圧ポンプユニット(流体噴射装置)、48は噴射ノズル、48aは噴射口、61、101は洗濯機、62は外箱、67は水槽、70はドラム(回転槽)、81は循環ポンプ、83、104、111は噴射ノズル、83a、104a、111aは噴射口、84は絞り部(気泡発生手段)、86は上部噴射ノズル、86aは噴射口、87、102は流体噴射装置、112は絞り部(気泡発生手段)、121は径路、122はベンチュリ管、Wは洗濯物を示す。
Claims (11)
- 外箱内に配設され洗濯水が溜められる水槽と、
この水槽内に連通状態で配設され洗濯物が収容される回転槽と、
前記回転槽内の洗濯物に対して流体を噴射する流体噴射装置とを備え、
前記流体噴射装置は、噴射口が前記水槽内の洗濯水中に浸漬した状態で流体を噴射可能に構成されていることを特徴とする洗濯機。 - 前記流体噴射装置は、前記回転槽内の洗濯物に指向するように配置され先端に噴射口を有する噴射ノズルを備えることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
- 前記噴射ノズルは、伸縮可能に構成されていることを特徴とする請求項2記載の洗濯機。
- 前記噴射ノズルの短縮状態では、噴射口が気中に位置することを特徴とする請求項3記載の洗濯機。
- 前記流体噴射装置は、マイクロバブルを発生させる気泡発生手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯機。
- 前記流体噴射装置は、前記水槽内の洗濯水を循環させながら流体として噴射させる循環ポンプを含んで構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の洗濯機。
- 前記流体噴射装置の噴射口は、位置又は向きの変更が可能に構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の洗濯機。
- 前記流体噴射装置は、流体の噴射圧力が可変に構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の洗濯機。
- 前記流体噴射装置は、複数個の噴射口を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の洗濯機。
- 前記流体噴射装置の流体の経路に、ベンチュリ管を設けたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の洗濯機。
- 前記回転槽は、前記水槽内に横軸状態に配設されたドラムからなり、
前記流体噴射装置は、前記ドラムの前面開口部側に噴射口を有し、該ドラムの奥方底部に向けて流体を噴射するように構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の洗濯機。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20190014443A (ko) | 2017-08-02 | 2019-02-12 | 후지게이키 가부시끼가이샤 | 미세 기포수 생성기 |
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2015
- 2015-05-11 JP JP2015096448A patent/JP2016209331A/ja active Pending
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