JP2016205111A - 既製杭埋込み工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘削孔と埋設した既製杭を強固に一体化して、既製杭の先端支持力や周面摩擦力の増大及び引抜抵抗力の向上を図った既製杭埋込み杭工法を提供すること。
【解決手段】
セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、掘削孔中の既製杭の基部周辺に形成したソイルセメントを膨張させる既製杭埋込み工法。
【選択図】図1

Description

本発明は、既製杭を用いた既製杭埋込み工法に関するものである。
従来より、建造物等の基礎杭を形成する方法としては、既製杭埋込み工法が知られており、この既製杭埋込み工法には、既製杭を地中に押し込む前に地盤を緩めて築造するプレボーリング杭工法と杭の中空部を利用して杭の先端部の地盤を掘削しつつ排土しながら埋め込む中堀杭工法が知られている。
まず、プレボーリング杭工法は、掘削機の掘削ビットの先端部から掘削用の水を吐出しながら所定の深度まで掘削孔を築造し、次に掘削孔の先端部分に根固め液を注入しながら掘削ビットを上下反復作動して泥土と根固め液とを攪拌・混合してソイルセメントを形成する。次に掘削ビットを掘削孔から引き抜いた後に、ソイルセメントが硬化する前に既製杭を掘削孔に建込み、根固め用のソイルセメントに既製杭の先端を定着して施工する工法である。
他方の中堀杭工法は、掘削機の地盤の掘削作業と杭の沈設とを同時に行うものであり、掘削孔に根固め液を注入して築造する根固め部の築造方法はプレボーリング杭工法とほとんど変わらない。
このような2種類の工法を用いながら杭先端には、通常、セメントと水とを混合したセメントミルクを根固め液として掘削孔に充填して、硬化させて根固め部が形成され、支持地盤を硬化する構造となる。一般的に使用される支持杭のセメントミルクの水セメント比は、一般的に55%から65%であり、28日材齢強度が11から20N/mm程度で管理されている。
プレボーリング杭工法では、掘削孔に建込んだ既製杭の周囲と掘削孔周壁面との一体化を図る目的で、水セメント比が根固め液の同等以上のセメントミルクを掘削土と攪拌したソイルセメントとなし、28日材齢強度が0.5N/mm以上で管理された杭周固定液が充填される。
また、根固め液や杭周固定液としての杭固定液は、注入するセメントミルクに膨張材を添加したものやセメントミルクに高炉スラグ混入セメントを使用したものや或いはセメントミルクに高炉セメントB種を主材としたものや石膏等を使用することで杭先端支持力を増大する工法が次の特許文献により開示されている。
特許文献1には、セメントペーストに4.5から11%のカルシウムサルホアアルミネート系の膨張材を添加して、セメント及び膨張材の合計に対する水セメント比を65%以下とした根固め液を、球根硬化過程で膨張させて球根を地盤に圧着させる技術が開示されている。特許文献1の技術では、一軸拘束膨張率が45×10−4(4500×10−6)を最大としているので、最大の膨張率は0.45%程度である。
また、特許文献2には、高炉スラグ微粉末混入セメントと水と細骨材と無水石膏と増粘剤と減水剤とから成る杭周固定液を掘削孔の杭周囲に充填して、杭と地盤との密着性を向上させる技術が開示されている。特許文献2の技術では、膨張の長さの変化が6000×10−6まで有効としているので最大の膨張率は0.6%である。
さらに、特許文献3には、高炉セメントB種を主体とし、無水石膏を含有する結合材と水とからなる杭周充填液が開示されている。特許文献3の技術では、膨張量が1200μm(1200×10−6)以上で2500μm(2500×10−6)程度としているので、最大の膨張率は0.25%である。
特許開2000−080647号公報 特許開2003−277738号公報 特許開2006−283521号公報
通常のセメントミルク等を掘削孔内に注入する場合に、そのセメントミルクが硬化すると土壌と混合したソイルセメントが収縮し、既製杭の根固め部のソイルセメントの外周面と掘削孔の内壁面との間に緩みや隙間が生じていた。
この緩みや隙間は、既製杭の先端側での先端支持力の低下、既製杭の根固め部のソイルセメントの外周面での周面摩擦力の低下及び引抜抵抗力の低下にも繋がっていた。
このように、従来の既製杭埋込み工法においては、既製杭全体の機能低下を招いていた。
かかる欠点を解決するために上記各特許文献では、セメントミルク又はモルタル中に膨張材や石膏を混入して、既製杭の外周面と掘削孔の内側面との間隙を膨張材で充填しているが、膨張率が0.25%から0.6%のように小さいために地盤との密着力が低く、充分に地盤と一体化することができないという欠点を有している。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、大きな膨張作用の発泡剤を添加したセメントミルクやモルタルを掘削孔中に注入して、従来工法より大きな膨張性によりソイルセメントと周面地盤及び既製杭とを強固に一体化させ、既製杭の先端支持力や周面摩擦力及び引抜き抵抗力の増大を図った既製杭埋込み工法を提供する。
請求項1に記載の発明は、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、掘削孔中の既製杭の基部周辺に形成したソイルセメントを膨張させ、ソイルセメントを逆テーパー形状に形成する或いは逆テーパー形状の膨張圧力を生起する。
請求項2に記載の発明は、膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくともアルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上である。
請求項3に記載の発明は、セメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように前記発泡剤を添加した。
請求項4に記載の発明は、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.02%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.04%とする。
請求項5に記載の発明は、掘削孔の掘削深度が深い場合には、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.4%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.8%とする。
請求項6に記載の発明は、膨張するソイルセメントには繊維物質を含有する。
請求項1に記載の発明によれば、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、掘削孔中の既製杭の基部周辺に形成したソイルセメントを膨張させることにより、従来技術であれば膨張の長さの変化は6000×10−6未満、すなわち、0.6%未満の膨張率でしかなかった膨張材や石膏等を混入したソイルセメントと比べて、発泡剤は大きな膨張率であるため、強固な既製杭の埋め込みを行うことができる。
すなわち、本発明では、発泡剤を添加して膨張することによりソイルセメントの体積が増大し、掘削孔の内壁面にはソイルセメントの膨張圧力が加わり、その反力として掘削孔の内壁面(孔壁地盤)から圧力がソイルセメントにかかる。また、既製杭の外周面にはソイルセメントの膨張圧力が加わり、既製杭からの反力がソイルセメントにかかることになる。
これにより、掘削孔の内壁面とソイルセメントとの境の緩みや隙間が膨張するソイルセメントで密に埋められ、既製杭の外周面とソイルセメントとの境の緩みや隙間が膨張するソイルセメントで密に埋められソイルセメントと既製杭との付着力が高まる。且つ、掘削孔の孔壁地盤に、膨張圧力をかけたままこれらを一体化することができ、既製杭の先端支持力等を高めた強固な既製杭埋込みを構築できる効果を有する。また、掘削孔内でソイルセメントが大きく発泡膨張するため、従来技術の杭固定液を注入した場合に比べて先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大する効果を有する。
また、ソイルセメントは、打設高さの範囲において、逆テーパー形状に形成されるので、この逆テーパー形状の杭が地盤を押し広げる効果を発現し、杭先端支持力や周面摩擦力を向上させる効果がある。或いは、掘削孔の内壁面の地盤が固い場合に、ソイルセメントは逆テーパー形状の膨張圧力を生起したまま硬化することにより杭先端支持力や周面摩擦力及び引抜き抵抗力を向上させる効果がある。
請求項2に記載の発明によれば、膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくともアルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上を添加する。このように添加したセメント組成物は、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する際にガスの浮遊力を利用してセメントの拡散を促し、ソイルセメントに充分な発泡機能を生起して、ソイルセメントの組成物全般にわたるち密で均一な膨張硬化を発揮することができる。
これにより、掘削孔の内壁面とソイルセメントとの境の緩みや隙間が膨張するソイルセメントで密に埋められ、既製杭の外周面とソイルセメントとの境の隙間が膨張するソイルセメントで密に埋められる。また、ソイルセメントと既製杭のとの付着力が高まる。且つ、掘削孔の孔壁地盤に膨張圧力をかけたままこれらを一体化することができ、既製杭の先端支持力等を高めた強固な既製杭の埋込みを構築できる効果を有する。また、掘削孔内でソイルセメントが大きく発泡膨張し硬化するため、従来技術の杭固定液を注入した場合に比べて先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大する効果を有する。
請求項3に記載の発明によれば、セメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように前記発泡剤を添加したので、膨張率1%から8%のソイルセメントを生成することができる。
このソイルセメントの最小設定の膨張率1%は、特許文献1,2,3で開示された最大膨張率0.6%未満の1.66倍以上である。また、本発明の生成するソイルセメントの膨張率は1%から8%であるので、掘削孔の孔壁地盤にソイルセメントの膨張は拘束されて膨張が抑えられた分、膨張する圧力はより増大し、ソイルセメントは膨張圧力をかけたまま、掘削孔の孔壁地盤と強固に一体化する。本発明は、従来技術と比べて先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大する効果を有する。
発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%未満の場合には、掘削孔内のソイルセメントと周面地盤や既製杭との密着力が弱くなる。
発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルの膨張率が16%より大きい場合には、掘削孔内のソイルセメントと周面地盤や既製杭との密着力が良いものの圧縮強度が低下してしまう。
請求項4に記載の発明によれば、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.02%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.04%としている。
セメントミルク又はモルタルの膨張率はセメント質量に対して、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加する相関関係があるので、セメントミルク又はモルタルの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
よって、セメントミルク又はモルタルに大きな膨張率が必要であれば、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加量を予測的に多くすることで、所定の膨張率を生成するができる。
このようにして、セメントミルク又はモルタルの膨張率を大きく設定することで、掘削土壌と攪拌混合による生成するソイルセメントの膨張率を高めることで、掘削孔の孔壁地盤にソイルセメントの膨張する圧力がより増大するので、膨張するソイルセメントは膨張圧力をかけたまま掘削孔の孔壁地盤と強固に一体化する効果を有する。
アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加量が0.002%未満の場合では、セメントミルクの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加率が0.02%を越える場合では、セメントミルクの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
セメント質量に対してアルミニウム粉末を添加したモルタルの膨張率が、0.007%未満ではモルタルの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加率が0.04%を越える場合では、モルタルの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
請求項5に記載の発明によれば、掘削孔の掘削深度が深い場合には、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.4%とする、また、掘削孔の掘削深度が深い場合には、モルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.8%とする。
このようにして、掘削深度が深く、且つ高水圧下の掘削孔内のセメントミルク又はモルタルの膨張率を3%から16%で設定することで、掘削土壌と攪拌混合による膨張するソイルセメントの膨張率を1%から8%で生起することができるので、根固め部の膨張するソイルセメントは掘削孔の孔壁地盤にソイルセメントの膨張する圧力をかけつつ逆に孔壁地盤からは反力を受けるので、膨張するソイルセメントは膨張圧力をかけたまま掘削孔の孔壁地盤と強固に一体化する効果を有する。
アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加量が0.002%未満の場合では、セメントミルクの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加率が0.4%を越える場合では、セメントミルクの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
セメント質量に対してアルミニウム粉末を添加したモルタルの膨張率が、0.007%未満ではモルタルの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加率が0.8%を越える場合では、モルタルの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
請求項6に記載の発明によれば、膨張するソイルセメントには繊維物質を含有するので、膨張するソイルセメントはひび割れ抵抗性や靱性及び強度が向上する効果がある。
既製杭埋込み工法を示す工程図である。 既製杭埋込み工法で構築した杭の他の例を示す断面図である。 既製杭埋込み工法で構築した拡大杭を示す断面図である。 既製杭埋込み工法で構築した拡大杭の他の例を示す断面図である。 既製杭埋込み工法で構築した拡大杭の変形例を示す断面図である。 既製杭埋込み工法(中堀工法)を示す断面図である。 発泡剤とセメントミルクとの関係を表わすグラフである。 発泡剤とモルタルとの関係を表わすグラフである。 膨張量の推移を示すグラフである。 拘束なしの場合と拘束下の場合におけるアルミニウム添加量と強度との関係を示すグラフである。 配合例1に使用する材料を表わした一覧である。 配合例1の使用材料の配合量を表わす表である。 配合例1におけるAL(アルミニウム粉末)添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧である。 配合例1の膨張率と経過時間との関係を示すグラフである。 配合例1におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである 配合例2に使用する材料を表わした一覧である。 配合例2の使用材料の配合量を表わす表である。 配合例2におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧である。 配合例2におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである 配合例3に使用する材料を表わした一覧である。 配合例3の使用材料の配合量を表わす表である。 コンクリートのフレッシュ試験の結果を表わした一覧である。 配合例3におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧である。 AL添加量と膨張率測定結果を表わした一覧である。 配合例3の膨張率と経過時間との関係を示すグラフである。 配合例3におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである 配合例4および5に使用する材料を表わした一覧である。 (a)配合条件・試験、(b)使用ミキサ・練り混ぜ方法を表わした一覧である。 配合例4の使用材料の配合量を表わす表である。 配合例4におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧である。 配合例4の膨張率と経過時間との関係を示すグラフである。 配合例4におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである 配合例5の使用材料の配合量を表わした一覧である。 配合例5におけるAL添加量を変化させた時のコンクリート試験結果を表わした一覧である。 配合例5の膨張率と経過時間との関係を示すグラフである。 配合例5におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。 配合例4および配合例5の使用材料の配合量(ALなし)を表わした一覧である。 配合例4および配合例5においてのコンクリート試験結果を表わした一覧である。 配合例4および配合例5においての経過時間あたりのブリーディング量(cm3)を表わすグラフである。 配合例A,B,C,1から5におけるアルミニウム粉末の添加率と膨張率との関係を表わしたグラフである。 配合例C,3,4,5におけるアルミニウム粉末の添加率とコンクリート圧縮強度との関係を表わしたグラフである。 配合例C,1から5におけるアルミニウム粉末の添加率0%の初期膨張率と水セメント比との関係を表わしたグラフである。 流動化土とセメントミルク又はモルタルとを攪拌混合したイメージ図である。
本既製杭埋込み工法は、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、掘削孔中の既製杭の基部周辺に形成したソイルセメントを膨張させ、ソイルセメントを逆テーパー形状に形成する或いは逆テーパー形状の膨張圧力を生起する。
膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくともアルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上である。
セメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように前記発泡剤を添加している。
セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.02%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.04%とする。
掘削孔の掘削深度が深い場合には、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.4%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.8%とする。
膨張するソイルセメントには繊維物質を含有する。
[既製杭埋込み工法]
この発明の実施例を図面に基づき詳説する。掘削の工法としては、プレボーリング工法を一例としながら説明する。なお、既製杭には、既製コンクリート杭を用いて説明する。下記工程ではモルタルの場合の説明を行うが、セメントミルクの場合の説明については同様な工法であるので重複説明を省略する。また、下記工法においては、発泡剤をアルミニウム粉末とした場合について説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、掘削機が埋込み杭を構築する地上面に設置され、掘削機の掘削ビット12より水等の掘削液を噴射しながら地中Aを掘り下げて掘削孔11が掘削される。掘削孔11内には、水等の掘削液で掘削し、すなわち、噴出攪拌され泥土化及び流動化した掘削土Bが残ったままとなっている。
図1(c)に示すように、掘削孔11を所定の深度まで掘削したのち、掘削孔11の先端部に膨張作用を有する発泡剤としての所定のアルミニウム粉末を添加したモルタル13(セメントに細骨材の砂と水等を練り合わせたもの)を注入(注入とは加圧注入や加圧噴出及び加圧噴射等である)充填しつつ、掘削ビット12を上下方向に反復回転しながら移動して、掘削土壌と攪拌混合させてソイルセメント14とする。さらに、掘削孔11内に杭周固定液Cを攪拌混合しながら掘削ビット12を引き上げる。なお、掘削孔11内において杭周固定液Cを注入充填したが、杭周固定液Cの注入部分にアルミニウム粉末を添加したモルタル13を注入充填して、攪拌混合してソイルセメントを形成して硬化させるようにしてもよい。
図1(d)に示すように、掘削孔11より掘削機の掘削ビット12を引き抜いて、既製コンクリート杭15を掘削孔11に挿入して、既製コンクリート杭15の先端部を掘削孔11の先端部(基部)付近まで挿入し、施工を終了する。なお、既製コンクリート杭15の先端部は、掘削孔11の先端部に着底してもよいし、離間するようにしてもよい。
掘削孔11内においては、掘削ビット12による掘削攪拌して泥土化及び流動化した土壌と発泡剤のアルミニウム粉末を添加したモルタル13とは攪拌混合してソイルセメント14となり、このソイルセメント中に混和した反応開始時間を適宜調整した発泡剤のアルミニウム粉末とモルタル13とが反応し、水素ガスを発泡してソイルセメントの体積が発泡膨張して増大する。さらに、水素ガスの浮遊力を利用してセメントの拡散を促し、ソイルセメントに充分な発泡機能を生起して、ソイルセメントの組成物全般にわたるち密で均一な膨張硬化を発揮することができる。
更に、硬化前のソイルセメント14は、セメントのブリージング作用によるセメント素材の沈下収縮作用を緩和させると共に、ソイルセメント体の砂・礫の骨材下面に隙間が生じるのを防ぎ、膨張圧によって砂・礫と注入モルタルとの付着力を高める。且つセメントの自己収縮による掘削孔内壁面の近傍に形成されがちな緩みや隙間を防ぎ、膨張圧力によって既製杭15とソイルセメント14との付着力を高め、さらに、ソイルセメントが膨張圧力をかけたまま周辺地盤と強固に一体化する効果がある。なお、モルタルに変えてセメントミルクの場合についても同様の作用効果が生じる。
また、図1(e)に示すように、発泡剤の水素ガス発泡によりソイルセメントの体積が発泡剤の働きで膨張して増大することで、掘削孔11の内壁面にはソイルセメント14の膨張圧力P1が加わり、掘削孔11の内壁面すなわち孔壁地盤から反力P2がソイルセメント14にかかり、且つ、既製杭15にはソイルセメント14の膨張圧力P1が加わり、既製杭15からの反力P3がソイルセメント14にかかる。符号P4は、杭周固定液Cで混合攪拌された杭周固定のソイルセメントの反力である。
これにより、掘削孔11の内壁面とソイルセメント14との境の隙間が膨張するソイルセメント14で密に埋められ、既製杭15の外周面とソイルセメント14との境の緩みや隙間が膨張するソイルセメント14で密に埋められソイルセメント14と既製杭15との付着力が高まる。且つ、掘削孔の孔壁地盤に膨張圧力をかけたままこれらを一体化することができ、既製杭の先端支持力等を高めた強固な既製杭埋込みを構築できる効果を有する。
掘削孔内のソイルセメント体中で発泡剤の水素ガスが大きく発泡膨張するため、既製杭15と一体の根固め部16は、特許文献1から3に開示された杭固定液を注入した場合に比べて先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大することができる。
発泡剤のアルミニウム粉末の添加量を多量とすると膨張率は大きくなるものの、水素ガスの発生量が多くなりソイルセメント中に微空隙を多数気孔状に散在されることになって強度低下を生起する。そのために、所要の膨張率を得られるように発泡剤のアルミニウム粉末の使用量を規定することとし、発泡剤はその膨張率が3%から16%となるようにアルミニウム粉末を添加するようにしている。
また、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.02%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.04%とする。
上記の通りセメント質量に対してアルミニウム粉末の添加量を規定することで、掘削土壌と攪拌混合による生成するソイルセメントは膨張率を1%から8%で生起することができるので、掘削孔の孔壁地盤にソイルセメントの膨張する圧力をかけたまま掘削孔の孔壁地盤と強固に一体化することができる。
上述した通り既製杭の埋込み工法は、掘削ビット12より水等の掘削液を噴射しながら、地中を掘削して掘削孔が形成される。掘削孔内は水等の掘削液で満たされ、掘削孔内は泥土化された流動化土と掘削液で飽和状態であり、掘削孔内の掘削深度の所定位置は水深に合わせた水圧の加圧下となる。
掘削深度が浅い場合には、この水圧の加圧力が小さくなり、膨張するソイルセメントの生成に影響は少ない。しかし、掘削深度が深い場合には、水圧の加圧力が深度に応じて大きくなる。掘削深度の水圧は水深10mにつき約1kg/cmの圧力がかかる。
例えば、水深10m下では2気圧、水深20m下では3気圧、水深50m下では6気圧、水深100下では11気圧となる。
また、ボイルの法則により、温度が一定のとき、気体の体積は圧力の大きさに反比例するので、気体に圧力がかかるほど、気体自体の体積は小さくなる。
ここで、ソイルセメント内のアルミニウム粉末がセメントと反応して水素ガスを発生させるが、しかしながら掘削孔中の高水圧下においては掘削深度が深くなるほど水圧が大きくかかり、水素ガスの体積が小さくなり、ソイルセメントの膨張率も小さくなってしまう。
また、掘削孔内には、水等の掘削液で満たされ掘削ビットで掘削攪拌され、泥土化された流動化土と掘削液で飽和状態となっているので、流動化土の比重を1.8とすると、掘削深度にかかる圧力は水圧力の1.8倍となる。
よって、掘削深度が深くなる高水圧下においても、セメントミルク又はモルタルの膨張率が常圧と同じようになるように、セメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように発泡剤のアルミニウム粉末の添加量を定めた。
すなわち、掘削深度が深く、且つ高水圧下のアルミニウム粉末の添加量は、掘削孔の掘削深度10mの水圧下で常圧の2倍、掘削深度50mの水圧下で常圧の6倍、掘削深度100mの水圧下で常圧の約11倍とすればよい。さらに、掘削孔内の泥土化された流動化土の比重を1.8とした場合には、それぞれ1.8倍して、掘削深度10mで常圧の2倍×1.8(流動化土の比重)=3.6倍、掘削深度50mで常圧の6倍×1.8=10.8倍、掘削深度100mで常圧の11倍×1.8=19.8倍となる。また、アルミニウム粉末の添加量が増加しても掘削孔内の拘束圧力が比例して高くなるので、一軸圧縮強度は低下しないと考えられる。
既製杭埋込み工法の掘削深度が最大GL−80m程度とされているので、最大掘削深度100m程度として、アルミニウム粉末の添加量の最大値を決定した。
したがって、アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が深い深度においても3%から16%生起できるように、最大掘削深度を100mとするセメント質量に対して、0.0396%(=0.002%×19.8)から0.396%(=0.02%×19.8)となるので、アルミニウム粉末の添加量の上限値をセメント質量に対して0.4%の添加率とする。
よって、掘削孔の掘削深度が100mまでと深い場合には、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.4%とする。
また、アルミニウム粉末を添加したモルタルの膨張率が深い深度においても3%から16%生起できるように、最大掘削深度を100mとするセメント質量に対して0.1386%(=0.007×19.8)から0.792%(=0.04×19.8)となるので、アルミニウム粉末の添加量をセメント質量に対する上限値を0.8%の添加率とする。
よって、掘削孔の掘削深度が100mまでと深い場合には、モルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.8%とする。
このようにして、掘削深度が深く、且つ高水圧下の掘削孔内のセメントミルク又はモルタルの膨張率を3%から16%で設定することで、生成するソイルセメントの膨張率を1%から8%で生起することができるので、根固め部の膨張するソイルセメントは孔壁地盤に膨張圧力をかけつつ逆に孔壁地盤からは反力を受けるので、膨張するソイルセメントは膨張圧力をかけたまま掘削孔の孔壁地盤と強固に一体化する効果を有する。
アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加量が0.002%未満の場合では、セメントミルクの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加率が0.4%を越える場合では、セメントミルクの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
アルミニウム粉末を添加したモルタルの膨張率が、セメント質量に対してアルミニウム粉末を添加量が0.007%未満ではモルタルの膨張率が3%未満となり、膨張するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、生成するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加率が0.8%を越える場合では、モルタルの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなるり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
なお、掘削深度が深く高水圧下の掘削孔であれば、上述した所定のアルミニウム粉末を添加したセメントミルク又はモルタルを以下に説明する工法や各種根固め部にも適用することができる。
[根固め部の他の例]
図2に示す杭は、掘削孔11の先端部と掘削孔11の中途部とに発泡剤のアルミニウム粉末を添加したモルタルを注入充填して掘削土壌と攪拌混合してソイルセメントを形成し、既製杭15を掘削孔11に挿入し、先端根固め部16と中途根固め部17を構築した構造である。図示しないが先端根固め部と中途根固め部とを1つにしてこの領域にソイルセメントを形成するようにしてもよい。図2に示す杭と図1(e)に示す杭との違いは、中途根固め部17を構築する工程が追加された以外、上述した図1の工程と同様であるため重複説明を省略する。
このような工法を行うことで、さらに、掘削孔の中途部にも体積が増大したソイルセメントが硬化した中途根固め部が構築されるため、図1(e)の工法の効果よりさらに埋込み杭の支持力と周面摩擦力と引抜抵抗力を高める効果がある。
[拡幅根固め部の例1]
図3から図5に基づき、掘削孔11の先端部又は掘削孔11の中途部に形成した拡幅部に、モルタルに発泡剤のアルミニウム粉末を添加して既製杭と一体の根固め部を構築する工法を説明する。
図3に示すように、掘削孔11の先端部に形成した拡幅部に発泡剤のアルミニウム粉末を添加したモルタルを注入充填して、さらに掘削土壌と攪拌混合してソイルセメントを形成し、既製杭15を掘削孔11の先端部に挿入し、拡幅した根固め部21を構築している。
すなわち、拡幅した根固め部の工法について説明する。
掘削孔11の先端部が拡幅した拡幅部(先端拡幅部)を形成する掘削方法として、掘削拡大ビットを備えた掘削機(図示せず)を使用する。
すなわち、プレボーリング工法における拡大ビットが拡大翼を拡翼させて、掘削孔内に拡幅部を形成する。
掘削機により、掘削孔11の先端部に軸部よりも拡大させた先端拡幅部が形成される。そして、掘削孔11の先端拡幅部に発泡剤の所定のアルミニウム粉末を添加したモルタルを注入充填し、掘削土壌と攪拌混合させてソイルセメントとする。
掘削機の拡大翼を閉翼して、掘削孔11中に杭固定液を注入充填しながら引き上げて、既製杭15の先端部を掘削孔11の先端部付近まで挿入する。
このように、先端拡幅部に所定量の発泡剤のアルミニウム粉末を添加したモルタルを注入充填し、これらが膨張して増大することで、掘削孔11の内壁面にはソイルセメントの膨張圧力P1が加わり、掘削孔11の孔壁地盤からの反力P2がソイルセメントにかかり、且つ、既製杭15にはソイルセメントの膨張圧力P1が加わり、既製杭15からの反力P3がソイルセメントにかかる。
これにより、既製杭15の外周面とソイルセメント14との境の緩みや隙間が膨張するソイルセメント14で密に埋められ、ソイルセメント14と既製杭15との付着力が高まり、且つ、掘削孔11の内壁面とソイルセメント14との境の緩みや隙間が膨張するソイルセメント14で密に埋められ、膨張圧力をかけたままこれらが一体となって、既製杭15の先端支持力等が増大することになる。
従って、ソイルセメント14は掘削孔11内で気泡を拡散しながら、そのソイルセメント自体を掘削孔11の内壁面の隅々にまで移動させて、ソイルセメント14の膨張圧力が掘削孔11の孔壁地盤を加圧して、その反力がソイルセメント14に圧力をかけることとなり、この状態のままソイルセメント14が硬化することで拡幅根固め部21を構成し、すなわち、体積が増大したソイルセメント14が掘削孔11の孔壁地盤と既製杭の先端部分に大きな膨張圧力を加えたまま硬化して強固に一体化し、埋込み杭の先端支持力と周面摩擦力と引抜抵抗力を高めることができる。
[拡幅根固め部の例2]
なお、図3に示す埋込み杭では、掘削孔11の先端に拡幅部を形成したが図4に示すように拡幅部の上端からさらに掘削孔11の開口方向にかけて発泡剤を添加したソイルセメントを形成して、拡幅根固め部22aと中間根固め部22bとを構築するようにしてもよい。
このような工法を行うことで、さらに、掘削孔の中間部にも体積が増大したソイルセメントが硬化した中間根固め部が構築されるため、図3の工法の効果よりさらに埋込み杭の支持力と周面摩擦力と引抜抵抗力を高める効果がある。
[拡幅根固め部の例3]
図5に示すように、掘削孔11の中途部においても拡大ビットにより掘削することで、掘削孔11径より径の大きい中途拡幅部を形成する。中途拡幅部は、掘削孔11内に複数設けることができる。
そして、図5に示すように、掘削孔11内の先端部と中間部と中途部に所定量の発泡剤のアルミニウム粉末を添加したモルタル13を注入充填し、掘削土壌と攪拌混合させてソイルセメント14を形成し、既製杭15を掘削孔11に挿入し、拡幅根固め部23aと中間根固め部23cと中途拡幅根固め部23bを構築している。
このように、先端拡幅部及び中途拡幅部に所定量の発泡剤のアルミニウム粉末を添加したモルタルを注入充填し、これらが膨張して増大することで、掘削孔11の先端部及び中途拡幅部にはソイルセメントの膨張圧力P1が加わり、掘削孔11の先端部及び中途拡幅部孔壁地盤からの反力P2がソイルセメントにかかり、且つ、既製杭15の外周面にはソイルセメントの膨張圧力P1が加わり、既製杭15からの反力P3がソイルセメントにかかる。
これにより、既製杭15の外周面とソイルセメント14との境の緩みや隙間が膨張するソイルセメント14で密に埋められ、ソイルセメント14と既製杭15との付着力が高まり、且つ、掘削孔11の先端部及び中途部とソイルセメント14との境の緩みや隙間が膨張するソイルセメント14で密に埋められ、膨張圧力をかけたままこれらが一体となって、既製杭15の先端支持力等が増大することになる。
従って、ソイルセメント14は掘削孔内で気泡を拡散しながら、そのソイルセメント自体を掘削孔11の内壁面の隅々にまで移動させて、ソイルセメント14の膨張圧力が掘削孔11の孔壁地盤を加圧して、その反力がソイルセメント14に圧力をかけることとなり、この状態のままソイルセメント14が硬化することで拡幅根固め部23a、中間根固め部22c、中途根固め部23bを構成し、すなわち、体積が増大したソイルセメント14が掘削孔11の孔壁地盤と既製杭の先端部分、中間部、中途部に大きな膨張圧力を加えたまま硬化して強固に一体化し、埋込み杭の先端支持力と周面摩擦力と引抜抵抗力を高めることができる。なお、拡幅根固め部23aや中間根固め部23cや中途根固め部23bの各層において、膨張率を異なるように発泡剤を添加することも可能である。
[中堀工法]
上述した掘削の工法としては、プレボーリング工法を一例としながら説明をしたが、中堀工法についても本既製杭埋込み工法と同様の工法を適用することができる。
中堀工法においては、図6(a)に示すように、掘削機が埋込み杭を構築する地上面に設置され、掘削機の断面筒状の既製杭15と掘削ビット12とを水等の掘削液を噴射しながら地中Aを掘り下げて掘削孔11が掘削される。
図6(b)に示すように、掘削孔11内においては、掘削ビット12による掘削土壌と発泡剤のアルミニウム粉末を添加したモルタル13とは攪拌混合してソイルセメント14となり、このソイルセメント中に混和した発泡剤のアルミニウム粉末とモルタル13とが反応し、水素ガスを発生してソイルセメントの体積が発泡膨張して増大する。
図6(c)に示すように、ソイルセメント14の体積が増大して、掘削孔11の内壁面にはソイルセメント14の膨張圧力P1が加わり、掘削孔11の孔壁地盤からの反力P2がソイルセメント14にかかり、且つ、既製杭15の内周面にはソイルセメント14の膨張圧力P1が加わり、既製杭15の外壁地盤からの反力P2がソイルセメント14にかかる。
これにより、既製杭15の内周面とソイルセメント14との境の緩みや隙間が膨張するソイルセメント14で密に埋められ、ソイルセメント14と既製杭15との付着力が高まり、且つ、掘削孔11の内壁面とソイルセメント14との境の緩みや隙間が膨張するソイルセメント14で密に埋められ、膨張圧力をかけたままこれらが一体となって、既製杭15の先端支持力等が増大することになる。このように中堀工法においてもプレボーリング工法と同様の効果を得ることができる。
なお、中堀工法においても掘削孔の先端部を拡大ビットにより拡幅掘削し、拡幅部を形成したのち、アルミニウム粉末を添加したモルタルを注入して、攪拌混合してソイルセメントを形成し、硬化させて、拡幅部を形成する工法であってもよい。
また、上述した実施例においてモルタルを一例として説明したが、モルタルに変えてセメントミルクにアルミニウム粉末を添加したものであってもよい。
なお、上述した工法において既製杭は、鋼杭や既製コンクリート杭であり、鋼杭は鋼管杭、H型鋼杭、構真柱杭等であり、或いは、既製コンクリ―ト杭はPHC杭(Pretensioned Spun High Strength concrete Piles)、ST杭(Step Tapered Piles)、節杭(Nodular Piles)、SC杭(Steel Composite Concrete Piles)、PRC杭(Pretensioned & Reniforced Spun Hig Strength Concrete Piles)、SL杭(Slip Layer Compund Piles)等であり、既製コンクリート杭以外の上記既製杭であっても所定の根固め部を構築することができる。
上述した通り発泡剤のアルミニウム粉末の添加量を多量とすると膨張率は大きくなるものの、ガスの発生量が多くなりソイルセメント中に微空隙を多数気孔状に散在されることになって強度低下を生起する。そのために、所要の膨張率を得られるように発泡剤のアルミニウム粉末の使用量を規定することとした。
よって、発泡剤はそのセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるようにアルミニウム粉末を添加するようにしている。上記実施例では発泡剤としてアルミニウム粉末のみを用いたが、その他、膨張作用を有する発泡剤として、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくとも、アルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上であってもよい。
以下の実証試験の結果では、膨張作用を有する発泡剤のアルミニウム粉末(フローリック社製 セルメックP)において、セメントミルクの膨張率が3%から16%を生成するには、アルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.02%の範囲の添加率とする。セメントミルクの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量が増加するにつれて相関関係が略直線的に増加することから、アルミニウム粉末の所定の添加量で予定のセメントミルクの膨張率を得ることができる。
また、モルタルの膨張率が3%から16%を生成するには、アルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.04%の範囲の添加率とする。モルタル膨張率は、アルミニウム粉末の添加量が増加するにつれて、相関関係が略直線的に増加することから、アルミニウム粉末の所定の添加量で予定のモルタルの膨張率を得ることができる。
また、発泡剤のアルミニウム粉末を添加したセメントミルクやモルタルの強度は、発泡剤のアルミニウム粉末の使用量の増加によって圧縮強度が低下する、一方、膨張率と圧縮強度の相関関係は、膨張率の増加により圧縮強度は略直線的に低下するので、強度低下は予測可能である。また、発泡剤のアルミニウム粉末を添加したセメントミルクやモルタルと掘削土壌(砂層、砂礫層、礫層等)と攪拌混合したソイルセメントを発泡膨張して硬化したソイルセメントの強度は、一般のコンクリートと同様に結合材水比(セメント/水)によって強度予測が可能である。
発泡剤のアルミニウム粉末は、うろこ状で純度99%以上、粉末度180メッシュ以上でステアリン酸により被覆されたものが好ましく、通常JISK5906(塗料用アルミニウム粉末)第2種標準ふるい88μ残分2%以下に適合するもので、セメントとの化学反応時間を適宜調整したものが好ましい。
注入するセメントミルクは、セメントと水と発泡剤のアルミニウム粉末から構成される。さらに、必要に応じて、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカ微粉末、ベントナイト、膨張材、混和剤、炭素繊維、金属製の針金等を混入するようにしてもよい。
注入するモルタルは、セメントと水と発泡剤のアルミニウム粉末と細骨材としての砂から構成される。フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカ微粉末、ベントナイト、膨張材、混和剤、繊維物質、金属製の針金等を混入するようにしてもよい。
なお、繊維物質としては、例えば、スチールファイバー、ビニオンファイバー、炭素繊維、ワラストナイト繊維等であり、繊維物質を使用するとソイルセメントのひび割れ抵抗性や靱性及び強度を向上させることができる。
細骨材として砂を用いたが例えば、砂の代わりにアルミニウムを含有する溶融スラグや金属製造起源スラグ(鉄鋼スラグ、非鉄金属スラグ)等を使用してもよい。
セメントは、普通ポルトランドセメントや高炉セメント等であり、特に限定されるものではない。
フライアッシュは、シリカやアルミナを主成分で構成され、火力発電所で石炭を燃焼する際に生成される副産物の灰である。また、フライアッシュは混和材やフライアッシュセメントとして用いられる。良質なフライアッシュを使用した場合には、単位水量の低減、ワーカビリティーの改善、水和発熱量の低下、長期強度及び耐久性の増進、水密性の改善、化学抵抗性の改善、化学抵抗性の向上などの効果が得られる。
混和剤は、減水剤、高性能減水剤、凝結遅延剤、膨張剤、保水剤、増粘剤等である。混和剤をモルタル又はセメントミルクに添加することで、次のような効果を得ることができる。
(1)流動性が良好となり、経時に伴う流動性の低下が少ない。
(2)材料分離が少ない。
(3)適度の凝結遅延性を得ることができる。
(4)適度の膨張性をもち、粗骨材との良好な付着性を得ることができる。
(5)拘束内(掘削孔内)での硬化後、所要の強度、耐久性、水密性を得ることができ、掘削孔中の周面地盤と既製杭とを一体化することができる。
発泡剤のアルミニウム粉末は、膨張材とともに使用することもできる。膨張材は、硬化後のセメント組成物(ソイルセメント)の水和や乾燥による収縮を補償する(収縮をゼロとする)作用を有するため、すなわち、アルミニウム粉末によってセメント組成物が硬化するまでの初期収縮を補償する以上の体積増大を図り、膨張材によって硬化後のセメント組成物の収縮を補償することにより、セメント組成物の収縮を使用期間全体にわたって保障することが可能となる。
膨張材としては、特に限定されないが、セメント、水とともに水和し、エトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)を生成して膨張するカルシウム・サルフォ・アルミネート鉱物を含むもの、及び水酸化カルシウム(Ca(OH))を生成して膨張する石灰を含むものを使用する。
上述した本工法において、発泡剤としてアルミニウム粉末を一例として説明したが、その他に発泡剤としてセメント組成物中における化学反応により窒素ガスを発泡する化合物として、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体等を例示でき、具体的にはp−トルエンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド等である。
また、セメント組成物中における化学反応によりガス発泡物質としては、過炭酸塩、過硫酸塩、過ホウ酸塩、過マンガン酸塩、過酸化水素等の過酸化物質や炭素物質等である。
これらの膨張作用を有する発泡剤を用いることで、セメント組成物中における化学反応により窒素ガス或いは酸素ガス等を発泡する際にガスの浮遊力を利用してセメントの拡散を促し、ソイルセメントに充分な発泡機能を生起して、ソイルセメントの組成物全般にわたるち密な膨張硬化を発揮することができる。
また、発泡剤は単独の材料で十分な発泡・膨張効果を有するが、複数の発泡剤を併用して使用してもよい。
以下、配合の一例を示しながら、膨張率と発泡剤のアルミニウム粉末の添加量について説明する。
[配合例A]
図7は、セメントミルクとしてのセメントペースト(水、普通ポルトランドセメント、高性能AE減水剤標準形)にアルミニウム粉末の量を変えて添加した場合の膨張率を示すグラフである。セメントペーストとアルミニウム粉末の配合例は表1の通りとなる。
[表1]
Figure 2016205111
J14ロート流下時間 25秒
・アルミニウム粉末(セルメックP)の添加量は表2に示す。
[表2]
Figure 2016205111
膨張率試験は、土木学会規準(JSCE−F 522)プレバックドコンクリートの注入モルタルの膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)によって測定した。
すなわち、図7に示すグラフは、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量とセメントミルクの膨張率との関係を示すものである。発泡剤のアルミニウム粉末の添加量0g/m、50g/m、100g/m、150g/m、200g/mによるセメントミルクの膨張率を示した。アルミニウム粉末の添加量100g/mから200g/mの範囲における膨張率は、点線で示す予測的な近似直線から得ることができる。
セメントミルクの膨張率は、セメント質量に対してアルミニウム粉末添加量の増加に応じて略直線的に増加する相関関係があることから、表2のアルミニウム粉末添加量が0g/m、50g/m、100g/mの場合のそれぞれの膨張率は、0%、5%、8%である。アルミニウム粉末添加量150g/mの膨張率は予測的な近似直線から12%となる。アルミニウム粉末添加量200g/mの膨張率は予測的な近似直線から16%となる。
注入するセメントミルクの膨張率の範囲を3%から16%に設定すると、膨張率3%の場合は、表2及び図7よりアルミニウム粉末の添加量30g/m、(0.465g)と推定でき、膨張率16%の場合は、図7及び表2からアルミニウム粉末の添加量200g/m、(3.1g)と推定することができる。
アルミニウム粉末の添加量0.465gは、セメント質量25kgに対して0.00186%の添加率となる。また、アルミニウム粉末の添加量3.1gは、セメント質量25kgに対して0.0124%の添加率となる。
従って、発泡剤を添加したセメントミルクの膨張率3%から16%が生起できるアルミニウム粉末の添加率は、セメント質量に対して0.00186%から0.0124%の範囲の添加率となる。セメントミルクのアルミニウム粉末の添加率は、同じ添加率でも温度が低くなるほど反応速度が遅くなり、膨張率が小さくなる特性があるのでセメント質量に対して0.002%から0.02%の範囲で管理する。
発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%であれば、膨張率による圧縮強度は略直線的に低下するので予測可能である。生成されるソイルセメントの膨張率は1%から8%の膨張を生成するので、掘削孔の孔壁地盤にソイルセメントの膨張は拘束され、膨張は抑えられた分、膨張圧力はより増大し、ソイルセメントは掘削孔の孔壁地盤と既製杭に膨張圧力をかけたまま、掘削孔内の孔壁地盤と強固に一体化するので、従来技術と比べて先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力を増大することができる。
セメントミルクのアルミニウム粉末添加率が0.002%未満の場合では、アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が3%未満となる。このような3%未満の膨張率のセメントミルクを掘削孔内に注入し、掘削土壌と攪拌混合して生成したソイルセメントは膨張率が1%未満となってしまい、ソイルセメントが掘削孔壁面に膨張圧力を充分に与えることができなくなる。すなわち、既製杭とソイルセメントと地盤との密着力が弱くなる。
セメントミルクのアルミニウム粉末添加率が0.02%を超える場合では、アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が16%より大きくなる。このような16%より大きい膨張率のセメントミルクを掘削孔内に注入し、掘削土壌と攪拌混合して生成したソイルセメントは膨張率が8%より大きくなってしまい、ソイルセメントが掘削孔壁面に大きな膨張圧力を与える反面で、ソイルセメントの圧縮強度が大きく低下してしまうことがある。すなわち、既製杭とソイルセメントと地盤との密着力が良いものの圧縮強度が低下してしまう。
[配合例B]
配合例Bは、発泡剤のアルミニウム粉末とモルタル(セメント+細骨材:砂 等)と配合した例である。表3は配合材料を示すものである。表4は配合材料の配合量を示したものである。表5は表4のとおり発泡剤のアルミニウム粉末入りモルタルを配合してその膨張率を示すものである。
[表3]
Figure 2016205111
[表4]
Figure 2016205111
[表5]
Figure 2016205111
膨張率試験は、土木学会規準(JSCE−F 522)プレバックドコンクリートの注入モルタルブリーディング率および膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)によって測定した。
すなわち、図8に示すグラフは、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量とモルタルの膨張率との関係を示すものである。
モルタルの膨張率は、セメント質量に対してアルミニウム粉末添加量の増加に応じて略直線的に増加する相関関係がある。
表4より、アルミニウム粉末添加量が0g/m、20g/m、40g/mの場合のそれぞれの膨張率は、0%、1.09%、2.53%であり、予測的な近似直線を描くことで、アルミニウム粉末添加量が230g/mの場合は、膨張率16.3%を示す。予測的な近似直線から膨張率3%の場合のセメント質量681kg/mに対するアルミニウム粉末添加量は47g/mとなり、添加率は0.0069%となる。
予測的な近似直線から膨張率16%の場合のセメント質量681kg/mに対するアルミニウム粉末添加量は226g/mとなり、添加率は0.0332%となる。
注入するモルタルの膨張率の範囲を3%から16%に設定すると、膨張率3%ではセメント質量に対してアルミニウム粉末添加率0.0069%であり、膨張率16%ではセメント質量に対してアルミニウム粉末添加率0.0332%と予測できる。
したがって、発泡剤を添加したモルタルの膨張率3%から16%を得るために必要なアルミニウム粉末の添加率は、セメント質量に対して0.0069%から0.0332%となる。よって、モルタルのアルミニウム粉末の添加率は、上述したセメントミルクと同様に同じ添加率でも温度が低くなるほど反応速度が遅くなり、膨張率が小さくなる特性があるのでセメント質量に対して0.007%から0.04%の範囲として管理する。
ここでモルタルのアルミニウム粉末の添加率が0.007%未満の場合は、アルミニウム粉末を添加したモルタルの膨張率が3%未満となりうるので、膨張率3%未満のモルタルを掘削孔内に注入し、掘削土壌と攪拌混合すると、生成したソイルセメントの膨張率が1%未満と小さくなり、掘削孔壁面に膨張圧力を充分に与えることができなくなる。
モルタルのアルミニウム粉末の添加率が0.04%より大きい場合は、アルミニウム粉末を添加したモルタルの膨張率が16%より大きくなるので、膨張率16%より大きいモルタルを掘削孔内に注入し、掘削土壌と攪拌混合すると、生成したソイルセメントの膨張率が8%より大きくなり、掘削孔壁面に大きな膨張圧力を与えるが、ソイルセメントの圧縮強度が大きく低下してしまうことがある。
上記配合例A又は配合例Bによって、本発明の実施例の既製杭埋込み工法を実施する。すなわち、膨張率3%から16%の範囲のセメントミルク又はモルタルを掘削孔中に注入して、または注入しながら掘削ビットで掘削孔中の根固め部となる砂層や砂礫層或いは礫層等の支持層となる掘削土壌と攪拌混合して、生成するソイルセメントの膨張率1%以上8%の範囲のソイルセメント根固め部を形成するので、膨張するソイルセメントは膨張率を1%以上の所定の膨張率に生起させて、膨張したままソイルセメントを硬化させることになる。
この膨張率1%から8%からなるソイルセメント硬化体は、ソイルセメントが周面地盤と既製杭の基部周面に膨張圧力をかけて、ソイルセメントと掘削孔壁面や既製杭の基部面との間の緩みや隙間を膨張圧力で生起させたソイルセメントで埋め、余力の膨張圧力をかけたまま硬化するので、既製杭の周面摩擦力を向上させて、杭の先端支持力や引抜き抵抗力を増大させる効果がある。
注入するセメントミルク又はモルタルと根固め部となる掘削土壌の攪拌混合を説明する。図43は、流動化土とセメントミルク又はモルタルとを攪拌混合したイメージ図である。セメントミルク又はモルタル注入による根固め部の攪拌混合によるソイルセメントのイメージであり、先端部土質が砂・砂礫の場合である(図中において、実際には混合攪拌されているが、注入比率を表示する)。
例えば、図43(b)に示すように、膨張作用を有する発泡剤のアルミニウム粉末を添加した注入(注入とは加圧注入や加圧噴出及び加圧噴射等である)するセメントミルク又はモルタルの注入量は、掘削ビットで攪拌流動化した根固め部の流動化土の容積1.0の根固め部の高さ1.0に、同じ容積のセメントミルク又はモルタル容積1.0を注入率100%で注入する。次に、根固め部の高さ1.0の範囲で混合攪拌して生成したソイルセメントは、掘削孔壁面に拘束され掘削された掘削孔の上方へ盛り上がり、ソイルセメントは容積2.0、高さ2.0を形成する。根固め部の容積2.0、高さ2.0のソイルセメント中のセメントミルク又はモルタルの含有率は50%となる。
また、図43(c)に示すように、セメントミルク又はモルタルの注入率150%の場合には、先ず、根固め部の容積1.0とした根固め部の高さ1.0の範囲の流動化土に対して、セメントミルク又はモルタルの注入率100%の高さ1.0を注入する。次に、根固め部の高さ1.0の範囲で混合攪拌すれば、ソイルセメントは容積2.0、高さ2.0を形成する。根固め部となる容積1.0、高さ1.0のソイルセメント中のセメントミルク又はモルタルの含有率は50%なる。
続いて残りの50%の0.5の容積のセメントミルク又はモルタルを、先に生成したソイルセメントの容積2.0、高さ2.0の根固め部となる杭先端部の容積1.0、高さ1.0の範囲で、注入し混合攪拌してソイルセメントを生成する。150%注入したソイルセメントが生成され、ソイルセメントの容積1.5、高さ1.5でソイルセメントの含有率は67%が生成形成される。
このようにして、生成するソイルセメントの容積2.5、高さ2.5が形成され、杭先端部の根固め部となる容積1.0、高さ1.0のソイルセメントの範囲は容積1.5、高さ1.5で形成され、セメントミルク又はモルタルの含有率は67%になる。
また、図43(d)に示すように、セメントミルク又はモルタルの注入率200%の場合には、注入率150%の場合と同様に、先ず、根固め部の容積1.0とした根固め部の高さ1.0の範囲で、セメントミルク又はモルタルの注入率100%の高さ1.0を注入する。次に、混合攪拌してソイルセメントの容積2.0、高さ2.0を生成する。根固め部となる容積1.0、高さ1.0のソイルセメント中のセメントミルク又はモルタルの含有率は50%になる。
続いて残りの100%の1.0の容積のセメントミルク又はモルタルを、先に生成したソイルセメントの容積2.0、高さ2.0の根固め部となる杭先端部の容積1.0、高さ1.0の範囲で、注入し混合攪拌してソイルセメント生成形成する。200%注入したソイルセメントが生成され、ソイルセメントの容積2.0、高さ2.0でソイルセメントの含有率は75%になる。
このようにして、生成するソイルセメントの容積3.0、高さ3.0が形成され、杭先端部の根固め部となる容積1.0、高さ1.0のソイルセメントの範囲は容積2.0、高さ2.0で形成され、セメントミルク又はモルタルの含有率は75%になる。
発泡剤のアルミニウム粉末を添加するセメントミルク又はモルタルの膨張率は、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加することから、膨張率は予測可能であるので、発泡剤のアルミニウム粉末を添加したセメントミルク又はモルタルを掘削土壌と混合攪拌すると、生成するソイルセメントの膨張率も同じように略直線的に増加することになる。
このことから、注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%の場合には、注入するセメントミルク又はモルタルの注入率が100%でセメントミルク又はモルタルの含有率及びアルミニウム粉末の含有率が50%になることから、根固め部となるソイルセメントの膨張率は前記含有率50%から算出して、3×0.5=1.5%となる。
また、注入するセメントミルク又はモルタルの注入率が150%でセメントミルク又はモルタルの含有率及びアルミニウム粉末の含有率が67%になることから、根固め部となるソイルセメントの膨張率は前記含有率67%から算出して、3×0.67=2.01%となる。
また、注入するセメントミルク又はモルタルの注入率が200%でセメントミルク又はモルタルの含有率及びアルミニウム粉末の含有率が75%になることから、根固め部となるソイルセメントの膨張率は前記含有率75%から算出して、3×0.75=2.25%となる。
同様に、注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率が16%の場合には、注入するセメントミルク又はモルタルの注入率が100%でセメントミルク又はモルタルの含有率及びアルミニウム粉末の含有率が50%になることから、根固め部となるソイルセメントの膨張率は前記含有率50%から算出して、16×0.5=8%となる。
また、注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率16%で注入率が150%で根固め部となるソイルセメントの膨張率は含有率67%から算出して、16×0.67=10.72%となる。
また、注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率16%で注入率が200%で根固め部となるソイルセメントの膨張率は含有率75%から算出して、16×0.75=12%となる。
さらに、現場施工を考えた場合、生成するソイルセメントの膨張率の安全率を「1.5」とする。
注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率を3%から16%の範囲に設定しているので、最小の3%の膨張率で注入すると、注入率100%で生成するソイルセメントの膨張率は1.5%になることから、1.5%(膨張率)÷1.5(安全率)=1%となる。
注入率が150%で生成するソイルセメントの膨張率は2.01%になることから、2.01%÷1.5=1.34%となる。
注入率200%で生成するソイルセメントの膨張率は2.25%になることから、2.25%÷1.5=1.5%となる。
よって、注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率が最小の3%で、注入率100%から200%で生成するソイルセメントの膨張率が1%から1.5%となることから、生成するソイルセメントの最小膨張率を1%とする。
注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率を最大16%で注入すると、注入率100%で生成するソイルセメントの膨張率は8%になることから、8%÷1.5=5.33%となる。
注入率150%で生成するソイルセメントの膨張率は10.72%になることから、10.72%÷1.5=7.15%となる。
注入率200%で生成するソイルセメントの膨張率は12%になることから、12%÷1.5=8%となる。
よって、注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率が最大の16%で、注入率100%から200%で生成するソイルセメントの膨張率が5.33%から8%となることから、生成するソイルセメントの最大膨張率を8%とする。
従って、注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%の範囲で、生成するソイルセメントの膨張率が1%から8%の範囲で膨張形成するようにしている。
発泡剤のアルミニウム粉末を添加したセメントミルク又はモルタルの膨張率は、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加することから、膨張率の予測や制御が可能であり、一方で膨張率が大きくなると硬化したセメント組成物(ソイルセメント)の圧縮強度が低下することとなるが、拘束下(掘削孔の壁)であれば、圧縮強度は大きく低下することはない。したがって、その強度低下についても予測や制御自体可能となる。
[配合例C]
ここで、普通ポルトランドセメントを用いた膨張性コンクリート(スランプ配合)において、表6(使用材料表)、表7(コンクリート配合表)、表8(コンクリート試験結果)の基づき、コンクリートの膨張性と拘束なしの場合と拘束下の場合において圧縮強度の実証試験を行った。図9は、アルミニウム粉末添加率と膨張量の推移を示すグラフであり、図10は、拘束なしの場合と拘束下の場合における横軸にアルミニウム添加量と縦軸に強度との関係を示すグラフである。
セメント質量344kgに対して、アルミニウム粉末の添加量0g、20g、40gの場合のセメント比は0%、0.0058%、0.0116%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた各膨張率は、−0.38%、0.26%、1.58%となる。なお、水セメント比は45%である。
図40中の配合例Cに示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合には、予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。
従って、アルミニウム粉末を添加率0.025%で添加した場合には、コンクリートの膨張率が予測的な近似直線から約4.5%と予測できる。添加率0.030%で膨張率5.6%である。よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量で適宜調整することができる。
図10のグラフについて考察すると、拘束なしにおいては、アルミニウム粉末の添加率が多くなると強度低下は略直線的に低下し、発泡剤のアルミニウム粉末の添加率が0.0058%の場合は低減強度率89.76%となり、アルミニウム粉末の添加率が0.0116%の場合は低減強度率74.9%となり、予測的に添加率0.025%の場合は低減強度率45.36%と添加率0.030%で低減強度率33.78%と予測することができる。
拘束下においては、アルミニウム粉末の添加率が0.0058%の場合は低減強度率94%となり、アルミニウム粉末の添加率が0.0116%の場合は低減強度率94.98%となり、予測的に添加率0.025%の場合は低減強度率89.18%と添加率0.030%で低減強度率86.87%と予測することができる。
このグラフから拘束下においては圧縮強度が大きく低下しないことが明らかである。
[表6]
Figure 2016205111
[表7]
Figure 2016205111
[表8]
Figure 2016205111
圧縮供試体は15kgの重石で翌日脱型まで拘束
・膨張は2時間程度で開始し、4から5時間程度で終了した(図9参照)。
・供試体の拘束がない場合の強度低下は、膨張率1.5%程度で25%低下した。
・供試体を拘束することで強度低下を抑えることが出来る。
また、より精査を高めるために、アルミニウム粉末の添加量による膨張性コンクリートの膨張率と強度の推移についても実証試験を行った。
根固め部のソイルセメントでは、発泡剤のアルミニウム粉末を添加したセメントミルク又はモルタルを掘削孔内に注入して、或いは注入しながら、砂層、砂礫層、礫層を掘削ビットで攪拌混合しながら上下方向に反復作動して、生成した均一に膨張するソイルセメントであるので、このソイルセメントはモルタル及びコンクリートに近いセメント組成物となり、その後、硬化して根固め部となる。
したがって、発泡剤のアルミニウム粉末添加のソイルセメント強度はセメント水比C/Wに依存している。当然ながら強度はセメント含有率や単位セメント量が多くなると、生成するソイルセメントの強度は上昇するが、逆にソイルセメントの膨張率が大きくなると強度低下が起こる。よって、本工法では注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように発泡剤のアルミニウム粉末を予測して添加することで生成するソイルセメントの膨張率と圧縮強度を適宜調整することができる。
[膨張するコンクリートの実証試験]
以下において膨張性コンクリートの各種実証試験を行い、発泡剤のアルミニウム粉末を添加した膨張性コンクリートの実証試験について詳説する。実証試験を行うにあたり、5種類の配合例を作製し、各配合例を順次説明したのち考察している。
[配合例1]
図11は配合例1に使用する材料を表わした一覧であり、図12は配合例1の使用材料の配合量を表わし、図13は配合例1におけるAL(アルミニウム粉末)添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図14は配合例1の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図15は配合例1におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
配合例1では、普通ポルトランドセメントを用いた膨張性高流動コンクリートである。図13に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量500kgに対してアルミニウム粉末を15g、30g、45gはセメント比、それぞれ0.003%、0.006%、0.009%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、0.2%、1.0%、2.5%となる。なお、水セメント比は35%である。
図15に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式 y=0.078X−1.0733又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。
従って、図40に示すようにアルミニウム粉末を添加率0.012%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約3.6%となり、アルミニウム粉末を添加率0.015%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約4.77%となり、アルミニウム粉末を添加率0.020%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約6.72%となり、アルミニウム粉末の添加率0.025%で添加した場合、そのコンクリートの膨張率が約8.67%となることを回帰式より予測することができる。添加率0.030%で添加した場合、膨張率10.62%である。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
[配合例2]
図16は配合例2に使用する材料を表わした一覧であり、図17は配合例2の使用材料の配合量を表わし、図18は配合例2におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図19は配合例2におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
配合例2では、高炉セメントB種を用いた膨張性高流動コンクリートである。図18に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量407kgに対してアルミニウム粉末を0g、25g、37.5g、50gはセメント比、それぞれ0%、0.006%、0.009%、0.012%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、−0.3%、0.5%、1.35%、1.98%となる。なお、水セメント比は43%である。
図19に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式 y=0.0592X−0.9433又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。
従って、図40に示すようにアルミニウム粉末を添加率0.015%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約2.67%となり、アルミニウム粉末を添加率0.020%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約3.87%となり、アルミニウム粉末の添加率0.025%で添加した場合、そのコンクリートの膨張率が約5.08%となることを回帰式より予測することができる。添加率0.030%で添加した場合、膨張率6.28%である。
この膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率−0.3%であるので、実質膨張率は(0.3+6.28=)6.58%である。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
[配合例3]
図20は配合例3に使用する材料を表わした一覧であり、図21は配合例3の使用材料の配合量を表わし、図22はコンクリートのフレッシュ試験の結果を表わした一覧であり、図23は配合例3におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図24はAL添加量と膨張率測定結果を表わした一覧であり、図25は配合例3の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図26は配合例3におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
配合例3では、低熱ポルトランドセメントを用いた膨張性高流動コンクリートである。図23に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量500kgに対してアルミニウム粉末を20g、40g、60gはセメント比、それぞれ0.004%、0.008%、0.012%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、0.94%、3.28%、4.67%となる。なお、水セメント比は34%である。
図26に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式 y=0.0935X−0.78又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。
従って、図40に示すようにアルミニウム粉末を添加率0.015%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約6.23%となり、アルミニウム粉末を添加率0.020%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約8.57%となり、アルミニウム粉末の添加率0.025%で添加した場合、そのコンクリートの膨張率が約10.9%となることを回帰式より予測することができる。添加率0.030%で添加した場合、膨張率13.24%である。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
[配合例4]
図27は配合例4および5に使用する材料を表わした一覧であり、図28は(a)配合条件・試験、(b)使用ミキサ・練り混ぜ方法を表わした一覧であり、図29は配合例4の使用材料の配合量を表わした一覧であり、図30は配合例4におけるAL添加量を変化させた時のコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図31は配合例4の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図32は配合例4におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
配合例4では、普通ポルトランドセメントを用いた膨張性コンクリート(スランプ配合18cm)である。図30に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量370kgに対してアルミニウム粉末を0g、30g、37g、44gはセメント比、それぞれ0%、0.008%、0.010%、0.012%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、−0.89%、−0.52%、−0.26%、−0.02%となる。なお、水セメント比は50%である。
図32に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式 y=0.0357X−1.5881又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。
従って、図40に示すようにアルミニウム粉末を添加率0.015%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約0.39%となり、アルミニウム粉末を添加率0.020%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約1.05%となり、アルミニウム粉末の添加率0.025%で添加した場合、そのコンクリートの膨張率が約1.71%となることを回帰式より予測することができる。添加率0.030%で添加した場合、膨張率2.37%である。
この膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率−0.89%であるので、実質膨張率は(0.89+2.37=)3.26%である。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
[配合例5]
図33は配合例5の使用材料の配合量を表わした一覧であり、図34は配合例5におけるAL添加量を変化させた時のコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図35は配合例5の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図36は配合例5におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
配合例5では、普通ポルトランドセメントを用いた膨張性コンクリート(スランプ配合18cm)である。図34に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量370kgに対してアルミニウム粉末を0g、30g、37g、44gはセメント比、それぞれ0%、0.008%、0.010%、0.012%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、−0.55%、0.47%、0.90%、1.25%となる。なお、水セメント比は45.9%である。
図36に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式 y=0.0557X−1.1881又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。
従って、図40に示すようにアルミニウム粉末を添加率0.015%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約1.9%となり、アルミニウム粉末を添加率0.020%で添加した場合には、そのコンクリートの膨張率が約2.93%となり、アルミニウム粉末の添加率0.025%で添加した場合、そのコンクリートの膨張率が約3.96%となることを回帰式より予測することができる。添加率0.030%で添加した場合、膨張率4.99%である。
この膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率−0.55%であるので、実質膨張率は(0.55+4.99=)5.54%である。
よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末添加量で適宜調整することが可能である。
[配合例C、1から5のまとめ]
上述した配合例1から5の実証試験から、発泡剤のアルミニウム粉末の添加率に基づいた膨張するコンクリートの膨張率は事前に予測することが可能となり、当然にコンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量で適宜調整することができる。
また、配合例1および配合例3においては発泡剤のアルミニウム粉末の添加率0%の場合に図14および図25に示すように初期膨張率0%である。図12に示すように配合例1の水セメント比は35%であり、図21に示すように配合例3の水セメント比は34%である。
従って、配合例1から5より、初期膨張率0%にする水セメント比は、コンクリート初期膨張率(アルミニウム粉末の添加率0%のとき)と水セメント比との関係から推測することができる。
ここで、アルミニウム粉末添加率0%の初期膨張率と水セメント比との関係を図47のグラフとして示した。図42中のNO1は配合例1の膨張率0%と水セメント比35%との関係を示しており、NO2は配合例2の膨張率−0.3%と水セメント比43%との関係を示しており、NO3は配合例3の膨張率0%と水セメント比34%との関係を示しており、NO4は配合例4の膨張率−0.89%と水セメント比50%との関係を示しており、NO5は配合例5の膨張率−0.55%と水セメント比45.9%との関係を示している。
図42に示すように、配合例C,2,4,5の水セメント比の初期膨張率の各プロットを直線で結び、さらに点線で描いた近似直線を膨張率0%まで結ぶことで、コンクリート初期膨張率(アルミニウム粉末の添加率0%のとき)が水セメント比39.5%程度であると予測的に読み取ることができる。
これにより、配合例C、1から5については水セメント比を39.5%以下となる配合としたのちに、発泡剤のアルミニウム粉末を添加することにより、初期膨張率0%を基準としたコンクリートの設定膨張率を確実に生成することができる。
また、配合例4および5についてブリーディング試験を実施した。
図37は配合例4および配合例5の使用材料の配合量(ALなし)を表わした一覧であり、図38は、配合例4および配合例5においてのコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図39は配合例4および配合例5においての経過時間あたりのブリーディング量(cm3)を表わすグラフである。
図37中のNO1は混和剤SV10Lを用いた配合例4であり、NO2は混和剤SF500Sを用いた配合例5である。すなわち、図38に示すように、NO1の配合例4は、混和剤SV10L(AE減水剤標準形)C×1.0%のときブリーディング率3.57%となり、NO2の配合例5は、混和剤SF500S(高性能AE減水剤)C×0.8%のときブリーディング率1.24%となる。
一方、混和剤のAE減水剤を用いたコンクリート配合に発泡剤のアルミニウム粉末(セルメックP)を添加した場合には元の沈降量が大きいために膨張によってその沈降量をキャンセルするが、最終的にコンクリートが膨張した量は小さくなる。
他方、混和剤の高性能AE減水剤を用いたコンクリート配合に発泡剤のアルミニウム粉末(セルメックP)を添加した場合には単位水量を低減することができるので、沈降量が小さくなり、最終的にコンクリートを所定の量だけ膨張させることができる。
図38および図39に示すように、コンクリートのブリーディング量が多くなるとコンクリートの沈降量が大きくなる。したがって、コンクリートの沈降量が大きくなると発泡剤のアルミニウム粉末(セルメックP)による膨張量は小さくなる。
かかることからコンクリートのブリーディング率が0%になるように、混和剤の高性能AE減水剤等の添加量を適宜決定して使用することで初期膨張率0からの膨張率を生成することが可能となる。
従って、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量によるコンクリートの膨張は、コンクリート配合を水セメント比からとブリーディングを抑える初期膨張率を0%配合して、設定膨張率に必要なアルミニウム粉末の量を適宜決定することが好ましい。
また、コンクリートの膨張率を上げるには、単位セメント量を多くして、かつ、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量を多くすることで、大きな膨張率を得ることが出来る。
[ALの添加量に応じたコンクリート圧縮強度実証試験]
図41は、配合例C、3,4,5におけるアルミニウム粉末の添加率とコンクリート圧縮強度との関係を表わしたグラフである。
図41に示すように、配合例3,5,4は発泡剤のアルミニウム粉末の添加率が増加するにつれて、圧縮強度の低減が略直線的に推移する。アルミニウム粉末添加率が0.008%の場合において、配合例3の低減強度率は92.02%となり、配合例5の低減強度率は93.29%となり、配合例4の低減強度率は93.60%となる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.008%の場合では、低減強度率を最大約92%程度と予測することができる。
また、アルミニウム粉末添加率が0.012%の場合において、配合例3の低減強度率は80.67%となり、配合例5の低減強度率は84.91%となり、配合例4の低減強度率は88.24%となる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.012%の場合では、低減強度率を最大約80%程度と予測して、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量の配合計画を事前に行うことができる。
また、圧縮強度の低減が略直線的に推移することから予測的にアルミニウム粉末添加率が0.015%の場合において、配合例3の低減強度率は79.36%と、配合例5の低減強度率は81.19%と、配合例4の低減強度率は85.15%と推定できる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.015%の場合では、低減強度率を最大約79%程度と予測することができる。
また、予測的にアルミニウム粉末添加率が0.020%の場合において、配合例3の低減強度率は68.40%と、配合例5の低減強度率は75.04%と、配合例4の低減強度率は80.41%と推定できる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.020%の場合では、低減強度率を最大約68%程度と予測することができる。
また、図41の配合例3,4,5に示すように、アルミニウム粉末の添加率が0.025%の場合においては、配合例3の低減強度率は60.58%と、配合例5の低減強度率は68.9%と、配合例4の低減強度率は75.25%と推定できる。
また、予測的にアルミニウム粉末添加量が0.030%の場合において、配合例3,5,4のコンクリート圧縮強度と低減強度率は、次のように推定できる。
すなわち、配合例3の強度は、34.8N/mmとなり、配合例3の低減強度率は、53.37%となる。また、配合例5の強度は、34.0N/mmとなり、配合例5の低減強度率は、63.31%となる。配合例4の強度は、33.8N/mmとなり、配合例4の低減強度率は、69.69%となる。
従って、アルミニウム粉末の添加率が0.025%の場合では、低減強度率を最大約60%程度と近似直線から予測できる。
また、アルミニウム粉末の添加率が0.030%の場合では、低減強度率を最大約53%程度と近似直線から予測できる。
このことから、アルミニウム粉末添加率が0.008%の場合で低減強度率が最大92%程度、0.012%の場合で低減強度率が最大80%程度、0.015%の場合で低減強度率が最大79%程度、0.020%の場合で低減強度率が最大68%程度、0.025%の場合で低減強度率が最大60%程度、0.030%の場合で低減強度率が最大値53%程度となり、アルミニウム粉末の添加率が0.005%ずつ増加すると、コンクリート強度は逆に約7%から11%の範囲で略直線的に低下することが推定できる。
よって、アルミニウム粉末添加量とセメント量とは、相関関係にあることから、アルミニウム粉末添加量によるコンクリート圧縮強度は、予測できるので、セメント組成物のソイルセメントの圧縮強度も同様に予測できる。
配合例Cの拘束ありと拘束なし(自由膨張)の実証試験について説明する。
先ず、配合例Cの拘束ありの場合において、アルミニウム粉末添加率が0%の場合では、コンクリート強度51.8N/mmとなる。アルミニウム粉末添加率が0.0058%の場合では、コンクリート強度48.7N/mmで強度低減率94.01%となる。アルミニウム粉末添加率が0.0116%の場合では、コンクリート強度49.2N/mmで強度低減率94.98%となる。
予測的にアルミニウム粉末の添加率が、0.025%の場合では、コンクリート強度46.2N/mmで強度低減率89.18%と推定でき、予測的にアルミニウム粉末の添加率が、0.030%の場合では、コンクリート強度45.0N/mmで強度低減率86.87%と推定できる。
この強度関係から、アルミニウム粉末添加率が0.0058%より、添加量の多い0.0116%のコンクリート強度が僅かであるが増加していることから、ガス発生によるコンクリートの膨張が型枠の存在によって抑制される結果、骨材とセメントとの付着が改善されて、それに伴って強度も僅かながら増加するものと考えられる。
しかし、予測的にアルミニウム粉末添加率0.025%の場合では強度低減率89.18%と推定でき、アルミニウム粉末添加率0.030%で強度低減率86.87%と推定できる。この強度の低減が、横ばいとなっている結果からも他の配合例3、4、5より拘束ありの状態が非常によく拘束状態を形成できているものと考えられる。
このことは、本発明の既製杭埋込み工法では、膨張するソイルセメントを拘束下の状態(掘削孔内)におくことで、ソイルセメントの強度低下は少なくとも横ばい状態とすることができ、すなわち、根固め部のソイルセメントは、膨張による強度低下を少なくすることができる。
逆に、配合例Cの拘束なしの場合においては、アルミニウム粉末の添加量が増加するとコンクリート強度は大きく低下してしまう。
配合例Cの拘束なしの強度低下は略直線的な関係を示しており、アルミニウム粉末の添加率が0.0058%の場合では強度低減率が89.76%となる。アルミニウム粉末の添加率が0.0116%の場合では強度低減率が74.9%となる。予測的にアルミニウム粉末の添加率が0.025%の場合では強度低減率が45.36%と推定できる。予測的にアルミニウム粉末の添加率が0.030%の場合では強度低減率が33.78%と推定でき、強度は17.5N/mmと大きく低下すると推定できる。
さらに、アルミニウム粉末の添加率が0.030%の場合において、配合例Cの拘束なしを配合例Cの拘束ありと比較する。この配合例Cの拘束なしの強度低減率33.78%は配合例Cの拘束ありの強度低減率86.87%の(33.78÷86.87×100=)約1/2.5であり、配合例4の強度低減率69.69%の(33.78÷69.69×100=)約1/2となる。よって、拘束なしと拘束ありとは大きな圧縮強度差が出るが、根固め部のソイルセメントは掘削孔壁面により確実に拘束されるため、配合例Cの拘束ありと同じように良好な拘束状態を形成できるので、膨張による強度低下が少なくソイルセメントを生成することができる。
結果的に、発泡剤のアルミニウム粉末添加率とセメントミルク又はモルタルの膨張率とコンクリートの膨張率及びコンクリート圧縮強度との関係から、セメントミルクにおいては発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.02%の範囲であり、モルタルにおいては発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.04%の範囲であることが好ましい。
アルミニウム粉末の添加率をこれらの範囲とすることにより、セメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%の範囲で生成することができる。
膨張率3%から16%の範囲のセメントミルク又はモルタルを掘削孔内に注入して、掘削ビットを回転して掘削土壌と攪拌混合することにより、生成するソイルセメントの膨張率を1%から8%の範囲で生起することができ、その後、ソイルセメントが掘削孔内で膨張圧力を生起して掘削孔壁に圧力をかけた状態となり、掘削孔壁地盤からは反作用の反力が生起する状態となる。この状態のまま、掘削孔内で既製杭とソイルセメントが硬化することで、根固め部となるソイルセメントと周辺地中地盤と既製杭とは強固に一体化する。
本工法によれば、既製杭の杭先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力を大きく向上できる効果がある。
アルミニウム粉末の添加率がセメントミルクの場合で0.002%未満、又はモルタルの場合で0.007%未満では、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となるので、ソイルセメントの圧縮強度の低下は抑えられる反面、膨張率が低いため掘削孔の壁面に与える膨張圧力を充分に与えることができない。
アルミニウム粉末の添加率がセメントミルクの場合で0.02%より大きく、又はモルタルの場合で0.04%より大きい際では、生成するソイルセメントの膨張率が8%より大きくなるり、周面地盤との密着力が高まるものの、ソイルセメントの圧縮強度の低下が大きくなり、強度を上げるためにセメント量を多くする必要があって、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
[既製杭の例1]
既製杭の根固め部のソイルセメントを膨張させ、すなわち、その根固め部となるソイルセメントの体積を拡大させる。
例えば、根固め部径φ1000mmを10mm膨張してφ1010mmにする膨張率は、2.01%になる。根固め部径φ1200mmを10mm膨張してφ1210mmにする膨張率は、1.67%になる。根固め部径φ1500mmを10mm膨張してφ1510mmにする膨張率は、1.33%になる。根固め部径φ2600mmを10mm膨張してφ2610mmにする膨張率は、0.77%になる。
例えば、根固め部径φ1000mmを20mm膨張してφ1020mmにする膨張率は、4.04%になる。根固め部径φ1200mmを20mm膨張してφ1220mmにする膨張率は、3.36%になる。根固め部径φ1500mmを20mm膨張してφ1520mmにする膨張率は、2.63%になる。根固め部径φ2600mmを20mm膨張してφ2620mmにする膨張率は、1.54%になる。
例えば、根固め部径φ1000mmを30mm膨張してφ1030mmにする膨張率は、6.09%になる。根固め部径φ1200mmを30mm膨張してφ1230mmにする膨張率は、5.06%になる。根固め部径φ1500mmを30mm膨張してφ1530mmにする膨張率は、4.04%になる。根固め部径φ2600mmを30mm膨張してφ2630mmにする膨張率は、2.32%になる。
このように杭体の根固め部径を10mmから30mm膨張することができる膨張率0.77%から6.09%は、注入するセメントミルク又はモルタルの膨張率を3%から16%の範囲としている。
例えば、膨張率12%のセメントミルクを掘削孔に注入して掘削ビットで掘削土壌と攪拌混合した場合において、注入率100%でセメントミルクを注入して生成したソイルセメントの膨張率は6%となる。安全率「1.5」とするとソイルセメントの膨張率は4%となる。
また、注入率150%でセメントミルクを注入して生成したソイルセメントの膨張率は8.04%となる。安全率「1.5」とするとソイルセメントの膨張率は5.36%となる。
また、注入率200%でセメントミルクを注入して生成したソイルセメントの膨張率は9%となる。安全率「1.5」とするとソイルセメントの膨張率は6%となる。
したがって、根固め部径を10mmから20mm大きく膨張したソイルセメントは、このようにして実施可能である。杭径を30mm大きく膨張したソイルセメントの膨張率6.09%の場合は、セメントミルク又はモルタルの膨張率を13%で実施可能である。
また、根固め部のソイルセメントの圧縮強度は、注入するセメントミルク又はモルタルの強度で決まるので、セメント量を適宜調整することで所定の強度設定を行うことが可能である。
このように根固め部径を10mmから30mm大きく膨張させることは可能であり、より大きな膨張率とすることも可能である。大きな膨張率は、掘削中に緩んだ地盤をソイルセメントの膨張圧力で解消し、膨張圧力を掘削孔壁にかけたままとすることができ、掘削孔壁地盤より反作用の反力を生起する状態となり、この状態のまま、ソイルセメントが硬化するので、ソイルセメントと周辺地盤と既製杭とは強固に一体化する。本工法によれば、既製杭の先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力を大きく向上することができる。
上述した根固め部のソイルセメント体の膨張量は、10mmから30mmであるが、好適には外周に10mm以上の膨張部分をもつ根固め部径を20mm以上膨張させるとが好ましい。
アルミニウム粉末を添加したセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%の範囲であれば、掘削ビットで掘削流動化した土壌と、適宜調整した発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルとを攪拌混合して、膨張するソイルセメントを生成し、ソイルセメントの膨張率が1%から8%の範囲となるソイルセメントを生成して、その後、硬化させ、掘削地盤と一体化した根固め部を形成することができ、既製杭の先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力の性能を大きく向上させることができる。
さらに、ソイルセメントに膨張材を混入すれば、ソイルセメントの硬化後のソイルセメントの収縮補償(収縮ゼロ)以上とすれば、発泡剤のアルミニウム粉末の作用によってソイルセメントが硬化するまでの初期収縮を補償する以上の体積増大を図り、膨張材によって硬化後のソイルセメントの収縮を補償することにより、ソイルセメントの収縮を使用期間全体にわたって、補償することがさらに可能となる。
また、ソイルセメントに繊維物質を混入することで、ひび割れ抵抗性や靱性及び強度を向上させることが可能である。
[既成杭の例2]
配合例Bにおいての膨張性モルタルの予測膨張率5.4%(セメント量681kg/m×アルミニウム粉末添加率0.0116%≒79g/mとなり、図8より膨張率5.4%を拾い出す)の数値を用いて、既製杭埋め込み工法のプレボーリング根固め工法を実施する。
例えば、軸部掘削径φ1000mm、既製杭径φ800mm、根固め部径φ1000mm、根固め部の長さ10m、掘削孔の掘削深さGL−20m、杭の長さ20mで実施する。
先ず、掘削ビットφ1000mmで掘削深さGL−20mの掘削孔を掘削し、掘削孔の掘削先端部GL−15mからGL−20mの深さの5mの範囲に、セメントとの化学反応時間を適宜調整したアルミニウム粉末を添加した膨張性モルタルを注入しながら、掘削ビットで掘削土壌と攪拌混合して根固め部となるソイルセメントを生成する。
すなわち、注入率200%で膨張性モルタルを掘削深さGL−15mからGL−20mの深さの5mの範囲に注入し、モルタルと掘削土壌を攪拌混合し、モルタル含有率が75%となる根固め部となるソイルセメントの長さ(高さ)10mを生成する(図43(d)参照)。
よって、生成する根固め部となるソイルセメント高さ10mの範囲のモルタル含有率75%となり、その膨張率は75%の生起となる。
アルミニウム粉末の添加量は、掘削深さと根固め部となるソイルセメントの高さから掘削深さGL−10m(生成する根固め部となるソイルセメントの長さ10m)の深さをもとに定める。
掘削孔内は泥土化された流動化土と掘削液の水等で飽和状態となっているので、掘削深さ10mの根固め部となるソイルセメントの膨張率が5.4%となるようにアルミニウム粉末の添加量を定める。
アルミニウム粉末の添加量は、掘削深さ10mの水圧下において、常圧と同じ膨張率を得るには常圧の2倍(2気圧=深さ10m)のアルミニウム粉末の添加量と掘削孔内の泥土の圧力を加味する必要がある。
常圧下において5.4%の膨張率のアルミニウム粉末の添加率はセメント質量に対して0.0116%であるから、0.0116%×2倍(2気圧)=0.0232%となり、さらに、泥土の比重を1.8とする1.8を乗じて、0.0232%×1.8≒0.04176%となる添加量を添加する。
よって、GL−10mの深さの根固め部となるソイルセメントの膨張率は、5.4%(常圧の膨張率)×75%(モルタル含有率)÷1.5(安全率)=2.7%となる。
この2.7%の膨張率の大きさは、掘削深さ10mで根固め部となるソイルセメントの径はφ1000mmを約φ1013mmの大きさに膨らます膨張圧力となる。
また、注入する膨張性モルタルで生成する根固め部となるソイルセメントの膨張は、掘削深さ10m(2気圧)で2.7%の膨張率を生起するようにしているので、杭先端部のGL−20mで生成する根固め部となるソイルセメントの膨張率は、ボイルの法則(温度が一定であるとき、気体の圧力と体積は反比例する)から、2.7%×2(2気圧)=5.4%となり、5.4%÷3(3気圧)=1.8%である。
この1.8%の膨張率の大きさは、掘削深さ20mで根固め部となるソイルセメント径はφ1000mmを約φ1008mmの大きさに膨らます膨張圧力となる。
よって、φ1000mmの径がGL−10mの深さでφ1013mm、GL−20mの深さの杭先端でφ1008mmの膨張を生起し、高さ10mの上部がφ1013mmで下部(杭先端部)がφ1008mmの逆テーパー5mmの膨張した根固め部となるソイルセメントを形成する。
あるいは、上記の形状の膨張圧力を生起する根固め部となるソイルセメントを形成する。
逆テーパーは押し広げる効果により杭の沈下に対する抵抗力を得ると共に、周面摩擦力及び先端支持力を向上させることができる。また、根固め部となるソイルセメントの逆テーパーはくさび形状となるので杭の引抜き抵抗力を大きく向上させる効果がある。
また、根固め部となるソイルセメント径はφ1000mmmを約φ1013mmからφ1008mmの逆テーパー形状の大きさに膨らます膨張圧力で、周面地盤と根固め部となるソイルセメントとを強固に一体化を図り、杭の性能を大きく向上させることができる。
根固め部となるソイルセメントはセメント組成物であるから、一般コンクリートの強度同様に根固め部となるソイルセメントの強度はセメント水比(C/W)で決まると考えられる。
配合例Bの膨張性モルタル(単位セメント量681kg/m、W/C=45%)を200%注入すれば、生成する根固め部となるソイルセメントのセメント含有率は、681kg/m(単位セメント量)×75%(セメント含有率)÷1.5(安全率)=340.5kg/mとなる。
よって、生成する根固め部となるソイルセメントは、セメント量340.5kg/mで膨張率5.4%の膨張するソイルセメントを形成するので、このソイルセメントの強度は配合例Cの膨張性コンクリートのセメント量344kg/mに近い配合であるから配合例Cの膨張性コンクリートの強度の関係に近いものと推測する。
また、注入するモルタルの水セメント比は45%であるので、泥土化された掘削土壌と攪拌混合して根固め部となるソイルセメントを生成するので、このソイルセメントの水セメント比は高くなり強度低下が起きる。モルタル含有率と同じように推測すると、根固め部となるソイルセメントの強度は配合例Cの膨張性コンクリート強度の50%と推測する。
よって、配合例Cのアルミニウム粉末の添加率0.0116%での膨張性コンクリート強度は、拘束有りで49.2N/mmであるから、49.2N/mm×50%=24.6N/mmと予測できる。根固め部となるソイルセメントの強度は良好である。
次に、注入する膨張性モルタルの膨張率を12%で実施する。
配合例Bの膨張性モルタルの予測膨張率12%(セメント量681kg/m×アルミニウム粉末の添加率0.025%≒170g/mとなり、図8より膨張率12%を拾い出す)を200%で注入する。
軸部掘削径φ1000mm、既製杭径φ800mm、根固め部径φ1000mm、根固め部の長さ10m、掘削孔の掘削深さGL−20m、杭の長さ20mで実施する。
掘削先端部GL−15mからGL−20mの深さの5mの範囲に、膨張性モルタルを200%で注入すると、根固め部となるセメント含有率75%のソイルセメントの高さは10mの高さを生成する。また、根固め部となるソイルセメントの膨張率は75%となる。
アルミニウム粉末の添加量は根固め部となるソイルセメントの高さが10mとなるGL−10mの深さの水圧下において、アルミニウム粉末の添加量を定める。掘削深さ10mにおいて、常圧と同じ膨張率を得るには常圧の2倍(2気圧=深さ10m)の添加量に掘削孔内の泥土の圧力を加味する。
常圧下において12%の膨張率のアルミニウム粉末の添加率はセメント質量に対して0.025%であるから、0.025%×2倍(2気圧)=0.05%となり、0.05%×1.8(泥土比重)=0.09%となる添加量を添加する。
GL−10mの深さでの根固め部となるソイルセメントの膨張率は、12%(常圧の膨張率)×75%(モルタル含有率)÷1.5(安全率)=6%となる。
この6%の膨張率の大きさは、掘削深さ10mで根固め部となるソイルセメントの径はφ1000mmを約1029mmの大きさに膨らます膨張圧力となる。
また、注入する膨張性モルタルで生成する根固め部となるソイルセメントの膨張は、掘削深さ10m(2気圧)で6%の膨張率を生起するようにしているので、杭先端部GL−20mで生成する根固め部となるソイルセメントの膨張率は、ボイルの法則から6%×2(2気圧)=12%となり、12%÷3(3気圧=深さ20m)=4%である。
この4%の膨張率は掘削深さ20mにおいて、根固め部となるソイルセメントの径はφ1000mmをφ1019mmの大きさに膨らます膨張圧力となる。
よって、φ1000mmの径がGL−10mの深さでφ1029mm、GL−20mの深さの杭先端でφ1019mmの膨張を生起し、高さ10mの上部がφ1029mmで下部(杭先端部)がφ1019mmの逆テーパー10mmの膨張した根固め部となるソイルセメントを形成する。
あるいは、上記の形状の膨張圧力を生起する根固め部となるソイルセメントを形成する。
また、根固め部となるソイルセメントの強度は、前記と同様に配合例Cの膨張性コンクリートの拘束ありのコンクリート強度から、アルミニウム粉末の添加率0.025%の予測値46.2N/mmであるから、46.2N/mm×50%=23.1N/mmと予測できる。
根固め部となるソイルセメントの強度は良好である。
また、根固め部となるソイルセメント径はφ1000mmを約φ1029mmからφ1019mmの逆テーパー形状の大きさに膨らます膨張圧力で、周面地盤と根固め部となるソイルセメントとが強固に一体化を図り、杭の性能を大きく向上させることができる。
従って、注入する膨張性モルタルの膨張率を5.4%から12%と大きくして、生成する根固め部となるソイルセメントの膨張率を2.7%から6%に生起するようにすれば、根固め部となるソイルセメント長さ(高さ)10mで逆テーパーを5mmから10mmに大きくすることで、逆テーパーは杭の沈下に対する抵抗力をより大きく向上させ、杭の沈下を抑える効果がある。
このように、生成する根固め部となるソイルセメントの膨張率を大きくすることで、杭先端支持力や周面摩擦力及び引抜き抵抗力を向上させることができる。また、根固め部の膨張率を大きくすることで逆テーパーが大きくなり、逆テーパー形状の高さを長くすることで押し広げる効果を高めることができ、杭の先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力を向上させる効果がある。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本発明の膨張作用を有する発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルを注入し、生成するセメント組成物のソイルセメント、又はセメントミルク又はモルタルを地中地盤の拘束下で膨張させる次のような工法でも実施することが可能である。例えば、回転杭工法、鋼管ソイルセメント杭工法、マイクロパイル工法、アンカー工法、地山補強土工法、地中連続壁工法、地すべり抑止杭工法、水・セメントミルクジェット併用バイブロハンマ工法等において、根固め部に、発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルを注入し、生成するソイルセメント、又はセメントミルク又はモルタルを地中内で膨張硬化させ、膨張する圧力による周面地盤からの反力を受けることで強固に一体化することができ、先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力を向上することができる。
また、地盤改良工法において、構造物の基礎として、基礎杭や壁杭及び地中連続壁等と同じように支持力や摩擦力の機能を持つ地盤改良工法が多く開発されている地盤改良杭(例えば、円柱形状、矩形状、格子形状等)工法や地盤改良壁杭及び地盤改良地中連続壁において、機械攪拌工法や噴射攪拌工法及び複合攪拌工法(機械と噴射を併用)で、本工法で実施することができる。すなわち、発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルを注入することで、地中内で生成するソイルセメントを膨張させ、周面地盤から反力を受け、膨張したソイルセメントと周面地盤を強固に一体化させることができ、周面摩擦力の向上と地耐力を強化することができる。また、この膨張するソイルセメント体中に鋼材等を入れることでより水平抵抗力が発揮できる。
また、薬液注入工法(ここでの薬液とは、発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルを主とした非薬液系や、セメントミルク又はモルタルを混入した水ガラスなどの溶液型グラウトの薬液系を言う)で削孔機により削孔した後、孔内に注入材(発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタル等)を注入し、膨張圧力により地盤の止水や地盤の強化を図る工法にも実施することが可能である。
また、発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタル及びコンクリートを注入又は打設し膨張させる場所打ち杭工法で実施することができる。
また、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
A 地中
B 掘削土
C 杭周固定液
11 掘削孔
12 掘削ビット
13 モルタル
14 ソイルセメント
15 既製杭
16 先端根固め部
請求項1に記載の発明は、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、掘削孔中の加圧下における既製杭の基部周辺に生成したソイルセメントを逆テーパー形状に膨張させ膨張して硬化するソイルセメント逆テーパー形状の膨張圧力を生起する。
請求項2に記載の発明は、掘削機の掘削ビット先端より掘削液を噴射しつつ地中を所定の深度まで略垂直方向へ掘削し、掘削孔内に泥土化した掘削土を残存させる工程と、
膨張作用を有する発泡剤が添加されたセメンミルク又はモルタルを前記掘削孔の下部にて掘削ビットの先端より注入して前記掘削土と攪拌混合しつつソイルセメントを生成し、掘削孔内に下層部であるソイルセメント層と、同ソイルセメント層上に重積された上層部である掘削土層との2層を形成する工程と、ソイルセメント層に至る位置まで掘削孔内に既製杭を挿入する工程と、前記掘削土層により前記ソイルセメント層を加圧した状態で同ソイルセメント層の浅部近傍の気泡の径を深部近傍の気泡の径よりも大径化させつつ硬化反応させることによりソイルセメント層を地中において逆テーパー形状に膨張させつつ硬化する工程と、を有する。
請求項に記載の発明は、膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくともアルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上である。
請求項に記載の発明は、セメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように前記発泡剤を添加した。
請求項5に記載の発明は、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を水深100mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.4%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を水深100mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.8%とする
請求項6に記載の発明は、アルミニウム粉末の添加量は、掘削孔中の所定の深度での水深圧と比重に応じて算出する。
請求項に記載の発明は、膨張するソイルセメントには繊維物質を含有する。
請求項1、2に記載の発明によれば、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、掘削孔中の加圧下における既製杭の基部周辺に生成したソイルセメントを膨張させることにより、従来技術であれば膨張の長さの変化は6000×10−6未満、すなわち、0.6%未満の膨張率でしかなかった膨張材や石膏等を混入したソイルセメントと比べて、発泡剤は大きな膨張率であるため、強固な既製杭の埋め込みを行うことができる。
請求項に記載の発明によれば、膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくともアルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上を添加する。このように添加したセメント組成物は、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する際にガスの浮遊力を利用してセメントの拡散を促し、ソイルセメントに充分な発泡機能を生起して、ソイルセメントの組成物全般にわたるち密で均一な膨張硬化を発揮することができる。
これにより、掘削孔の内壁面とソイルセメントとの境の緩みや隙間が膨張するソイルセメントで密に埋められ、既製杭の外周面とソイルセメントとの境の隙間が膨張するソイルセメントで密に埋められる。また、ソイルセメントと既製杭のとの付着力が高まる。且つ、掘削孔の孔壁地盤に膨張圧力をかけたままこれらを一体化することができ、既製杭の先端支持力等を高めた強固な既製杭の埋込みを構築できる効果を有する。また、掘削孔内でソイルセメントが大きく発泡膨張し硬化するため、従来技術の杭固定液を注入した場合に比べて先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大する効果を有する。
請求項に記載の発明によれば、セメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように前記発泡剤を添加したので、膨張率1%から8%のソイルセメントを生成することができる。
このソイルセメントの最小設定の膨張率1%は、特許文献1,2,3で開示された最大膨張率0.6%未満の1.66倍以上である。また、本発明の生成するソイルセメントの膨張率は1%から8%であるので、掘削孔の孔壁地盤にソイルセメントの膨張は拘束されて膨張が抑えられた分、膨張する圧力はより増大し、ソイルセメントは膨張圧力をかけたまま、掘削孔の孔壁地盤と強固に一体化する。本発明は、従来技術と比べて先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大する効果を有する。
発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%未満の場合には、掘削孔内のソイルセメントと周面地盤や既製杭との密着力が弱くなる。
発泡剤を添加したセメントミルク又はモルタルの膨張率が16%より大きい場合には、掘削孔内のソイルセメントと周面地盤や既製杭との密着力が良いものの圧縮強度が低下してしまう。
請求項5、6に記載の発明によれば、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を水深100mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.4%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を水深100mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.8%とするまた、アルミニウム粉末の添加量は、掘削孔中の所定の深度での水深圧と比重に応じて算出する。
このようにして、掘削深度が深く、且つ高水圧下の掘削孔内のセメントミルク又はモルタルの膨張率を3%から16%で設定することで、掘削土壌と攪拌混合による膨張するソイルセメントの膨張率を1%から8%で生起することができるので、根固め部の膨張するソイルセメントは掘削孔の孔壁地盤にソイルセメントの膨張する圧力をかけつつ逆に孔壁地盤からは反力を受けるので、膨張するソイルセメントは膨張圧力をかけたまま掘削孔の孔壁地盤と強固に一体化する効果を有する。
アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加量が0.002%未満の場合では、セメントミルクの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加率が0.4%を越える場合では、セメントミルクの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
セメント質量に対してアルミニウム粉末を添加したモルタルの膨張率が、0.007%未満ではモルタルの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加率が0.8%を越える場合では、モルタルの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
請求項に記載の発明によれば、膨張するソイルセメントには繊維物質を含有するので、膨張するソイルセメントはひび割れ抵抗性や靱性及び強度が向上する効果がある。
本既製杭埋込み工法は、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、掘削孔中の加圧下における既製杭の基部周辺に生成したソイルセメントを逆テーパー形状に膨張させ膨張して硬化するソイルセメント逆テーパー形状の膨張圧力を生起する。
また、本既製杭埋込み工法は、掘削機の掘削ビット先端より掘削液を噴射しつつ地中を所定の深度まで略垂直方向へ掘削し、掘削孔内に泥土化した掘削土を残存させる工程と、
膨張作用を有する発泡剤が添加されたセメンミルク又はモルタルを前記掘削孔の下部にて掘削ビットの先端より注入して前記掘削土と攪拌混合しつつソイルセメントを生成し、掘削孔内に下層部であるソイルセメント層と、同ソイルセメント層上に重積された上層部である掘削土層との2層を形成する工程と、ソイルセメント層に至る位置まで掘削孔内に既製杭を挿入する工程と、前記掘削土層により前記ソイルセメント層を加圧した状態で同ソイルセメント層の浅部近傍の気泡の径を深部近傍の気泡の径よりも大径化させつつ硬化反応させることによりソイルセメント層を地中において逆テーパー形状に膨張させつつ硬化する工程と、を有する。
セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を水深100mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.4%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を水深100mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.8%とする
また、アルミニウム粉末の添加量は、掘削孔中の所定の深度での水深圧と比重に応じて算出する。
請求項1に記載の発明は、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、セメントミルク又はモルタルと発泡剤の混合された発泡剤付きのソイルセメントを、加圧下の掘削孔中の中途部から先端部にかけて既製杭の周辺に生成することにより、掘削孔の中途部から先端部に発泡剤による発砲膨張の膨張圧力分布を上方から下方にかけて逆テーパー状となるようにし、発泡剤付きのソイルセメントを充填した掘削孔の中途部と発泡剤を含まないソイルセメントとの境に膨張圧力分布の段差を形成した
請求項に記載の発明は、膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくともアルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上である。
請求項に記載の発明は、掘削深度を100mまでとするセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して、セメントミルクの場合は0.002%から0.4%とする、又はモルタルの場合は0.007%から0.8%とする。
請求項に記載の発明によれば、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、セメントミルク又はモルタルと発泡剤の混合された発泡剤付きのソイルセメントを、加圧下の掘削孔中の中途部から先端部にかけて既製杭の周辺に生成することにより、掘削孔の中途部から先端部に発泡剤による発砲膨張の膨張圧力分布を上方から下方にかけて逆テーパー状となるようにし、発泡剤付きのソイルセメントを充填した掘削孔の中途部と発泡剤を含まないソイルセメントとの境に膨張圧力分布の段差を形成したことにより、従来技術であれば膨張の長さの変化は6000×10−6未満、すなわち、0.6%未満の膨張率でしかなかった膨張材や石膏等を混入したソイルセメントと比べて、発泡剤は大きな膨張率であるため、強固な既製杭の埋め込みを行うことができる。
請求項に記載の発明によれば、膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくともアルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上を添加する。このように添加したセメント組成物は、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する際にガスの浮遊力を利用してセメントの拡散を促し、ソイルセメントに充分な発泡機能を生起して、ソイルセメントの組成物全般にわたるち密で均一な膨張硬化を発揮することができる。
これにより、掘削孔の内壁面とソイルセメントとの境の緩みや隙間が膨張するソイルセメントで密に埋められ、既製杭の外周面とソイルセメントとの境の隙間が膨張するソイルセメントで密に埋められる。また、ソイルセメントと既製杭のとの付着力が高まる。且つ、掘削孔の孔壁地盤に膨張圧力をかけたままこれらを一体化することができ、既製杭の先端支持力等を高めた強固な既製杭の埋込みを構築できる効果を有する。また、掘削孔内でソイルセメントが大きく発泡膨張し硬化するため、従来技術の杭固定液を注入した場合に比べて先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大する効果を有する。
請求項に記載の発明によれば、掘削深度を100mまでとするセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して、セメントミルクの場合は0.002%から0.4%とする、又はモルタルの場合は0.007%から0.8%とする。
このようにして、掘削深度が深く、且つ高水圧下の掘削孔内のセメントミルク又はモルタルの膨張率を3%から16%で設定することで、掘削土壌と攪拌混合による膨張するソイルセメントの膨張率を1%から8%で生起することができるので、根固め部の膨張するソイルセメントは掘削孔の孔壁地盤にソイルセメントの膨張する圧力をかけつつ逆に孔壁地盤からは反力を受けるので、膨張するソイルセメントは膨張圧力をかけたまま掘削孔の孔壁地盤と強固に一体化する効果を有する。
アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加量が0.002%未満の場合では、セメントミルクの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対しアルミニウム粉末の添加率が0.4%を越える場合では、セメントミルクの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
セメント質量に対してアルミニウム粉末を添加したモルタルの膨張率が、0.007%未満ではモルタルの膨張率が3%未満となり、生成するソイルセメントの膨張率が1%未満となり、膨張するソイルセメントが掘削孔の壁面に膨張圧力を充分に与えることができない。
また、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加率が0.8%を越える場合では、モルタルの膨張率が16%より大きくなり、生成するソイルセメントの膨張率は8%より大きくなり、周面地盤との密着力が高まるものの、一方で強度低下が大きくなってしまう、そこで強度を上げるためにはセメント量を多くする必要があり、材料コストが上昇して経済性が悪くなる。
本既製杭埋込み工法は、地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、セメントミルク又はモルタルと発泡剤の混合された発泡剤付きのソイルセメントを、加圧下の掘削孔中の中途部から先端部にかけて既製杭の周辺に生成することにより、掘削孔の中途部から先端部に発泡剤による発砲膨張の膨張圧力分布を上方から下方にかけて逆テーパー状となるようにし、発泡剤付きのソイルセメントを充填した掘削孔の中途部と発泡剤を含まないソイルセメントとの境に膨張圧力分布の段差を形成した
掘削深度を100mまでとするセメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して、セメントミルクの場合は0.002%から0.4%とする、又はモルタルの場合は0.007%から0.8%とする。

Claims (6)

  1. 地中内に掘削した掘削孔にセメントミルク又はモルタルを注入して掘削土壌と攪拌混合することによりソイルセメントを生成し、掘削孔中のソイルセメント中に既製杭を挿入する既製杭埋込み工法であって、
    セメントミルク又はモルタルには予め膨張作用を有する発泡剤を添加しておくことにより、掘削孔中の既製杭の基部周辺に形成したソイルセメントを膨張させ、ソイルセメントを逆テーパー形状に形成する或いは逆テーパー形状の膨張圧力を生起する
    既製杭埋込み工法。
  2. 膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくともアルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種又は2種以上である
    請求項1に記載の既製杭埋込み工法。
  3. セメントミルク又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように前記発泡剤を添加した
    請求項2に記載の既製杭埋込み工法。
  4. セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.02%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.04%とする
    請求項3に記載の既製杭埋込み工法。
  5. 掘削孔の掘削深度が深い場合には、セメントミルクの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.002%から0.4%とする、又はモルタルの膨張率が3%から16%となるように、前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量がセメント質量に対して0.007%から0.8%とする
    請求項3に記載の既製杭埋込み工法。
  6. 膨張するソイルセメントには繊維物質を含有する
    請求項1から5の何れか1項に記載の既製杭埋込み工法。
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