JP2016203414A - 導電性積層体及びそれを用いたタッチパネル - Google Patents

導電性積層体及びそれを用いたタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】高温高湿下での導電性積層体の導電層の電気抵抗値の経時変化が小さく、リワーク性に優れた導電性積層体及びそれを用いたタッチパネルを提供する。【解決手段】本発明の導電性積層体10は、基材11と、基材11の少なくとも一方の主面に配置された導電層12と、導電層12の上に配置された粘着層13とを備え、導電層12は導電性高分子とバインダとを含み、粘着層13は酸フリー架橋樹脂を含んでいる。また、導電層12は、パターニングされてもよく、上記導電性高分子は、ポリチオフェン系化合物とポリスチレンスルホン酸とを含むことが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性積層体及びそれを用いたタッチパネルに関する。
近年、チオフェン系やアニリン系の高分子は優れた安定性及び導電性を有することから、有機導電性材料としてその活用が期待されている。その活用の一つとして、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル等の各種デバイスに用いられる透明電極の形成に、上記高分子にドーパントを付加した導電性高分子を溶媒に分散させたコーティング組成物が用いられている。
しかし、上記導電性高分子をコーティング組成物として使用し、このコーティング組成物を用いて基材上に導電性膜を形成した場合、高温高湿下(例えば、温度85℃、相対湿度80%)においても導電性膜の電気抵抗値の経時変化を抑制する必要がある。
また、タッチパネルに用いられる導電性フィルムは、X軸方向にパターン化された導電性フィルムと、Y軸方向にパターン化された導電性フィルムとを粘着層で貼り合わせて用いることもあるため、貼りあわせ時に導電性フィルムに位置ずれが生じると、導電性フィルムを剥がして再度貼り合わせる必要があり、導電性フィルムに所謂リワーク性が要求される。
このような問題に対して、例えば、特許文献1では、ポリチオフェン系導電剤を含む導電層に、酸性成分を含む粘着層を接触させた導電性積層体が提案されている。
一方、特許文献2では、伝導性高分子と有機酸化合物とを含む帯電防止コーティング組成物を、偏光フィルムと粘着層との間に塗布した帯電防止偏光フィルムが提案されている。
国際公開番号:WO2011/099474 特表2009−530657号公報
特許文献1では、高温高湿下での導電性積層体の導電層の電気抵抗値の経時変化を抑制することができることが記載されている。しかし、得られた導電性積層体のリワーク性については考慮されておらず、未だ改良の余地がある。
一方、特許文献2では、帯電防止偏光フィルムのリワーク性については記載されているが、高温高湿下での帯電防止層(導電層)の電気抵抗値の経時変化を抑制することは考慮されてない。また、特許文献2では、帯電防止コーティング組成物にはバインダが含まれていないため、当該組成物を基材に塗布する場合、塗膜の厚みを均一にすることが困難で、塗膜の厚みの変化により均一な電気抵抗値を有する導電層を形成することができない。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、高温高湿下での導電性積層体の導電層の電気抵抗値の経時変化が小さく、リワーク性にも優れた導電性積層体及びそれを用いたタッチパネルを提供する。
本発明の導電性積層体は、基材と、前記基材の少なくとも一方の主面に配置された導電層と、前記導電層の上に配置された粘着層とを含む導電性積層体であって、前記導電層は、導電性高分子と、バインダとを含み、前記粘着層は、酸フリー架橋樹脂を含むことを特徴とする。
また、本発明のタッチバネルは、上記本発明の導電性積層体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高温高湿下での導電性積層体の導電層の電気抵抗値の経時変化が小さく、リワーク性に優れた導電性積層体を提供できる。
図1は、本発明の導電性積層体の一例を示す模式断面図である。 図2は、本発明の導電性積層体の他の例を示す模式断面図である。
(本発明の導電性積層体)
本発明の透明導電性積層体は、基材と、上記基材の少なくとも一方の主面に配置された導電層と、上記導電層の上に配置された粘着層とを備え、上記導電層は、導電性高分子と、バインダとを含み、上記粘着層は、酸フリー架橋樹脂を含むことを特徴とする。
<導電層>
本発明の導電性積層体の導電層がバインダを含むことにより、導電性高分子のみからなる導電層に比べて、硬度が高く基材への密着性が高い導電層を形成できる。また、上記導電層がバインダを含むことにより、基材上に厚みのばらつきが小さい導電層を形成できるため、導電層全体の電気抵抗値を均一にできる。更に、上記導電層は、パターニングしてもよく、これによりタッチパネル用途に適した導電層を形成できる。
[導電性高分子]
上記導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子及びポリアニリン系導電性高分子が好ましい。
上記ポリピロール系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)等が挙げられる。
上記ポリチオフェン系導電性高分子の具体例としては、ポリ(チオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)等が挙げられる。
上記ポリアニリン系導電性高分子の具体例としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上記中でも、透明性及び導電性がより高くなることから、ポリピロール、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)から選ばれる1種又は2種からなる重合体が好ましい。
本発明においては導電性高分子の電気伝導度を高めるために、ドーパントを併用することができる。上記ドーパントとしては、ヨウ素、塩素等のハロゲン類、BF3、PF5等のルイス酸類、硝酸、硫酸等のプロトン酸類や、遷移金属、アルカリ金属、アミノ酸、核酸、界面活性剤、色素、クロラニル、テトラシアノエチレン、TCNQ等が使用できる。
本発明では、上記導電性高分子として、ポリチオフェン系化合物とドーパントとを含むものを用いることが好ましく、上記ポリチオフェン系化合物としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を用い、上記ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸とを用いた混合物(PEDOT/PSSともいう。)を用いることが最も好ましい。
上記導電性高分子と上記ドーパントとの配合割合は、質量比で導電性高分子:ドーパント=1:2〜1:4が好ましい。
[バインダ]
上記バインダとしては、アルコキシシランモノマー、アルコキシシランオリゴマー等を架橋して形成したシリコーン系無機バインダ;ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、フッ化ビニリデン−アクリル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂を含む有機バインダ;ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等を含む有機バインダ等が使用できる。上記シリコーン系無機バインダを用いた場合、高硬度の導電層を作製でき、上記フッ素系樹脂を含む有機バインダを用いると、導電層の耐水性と透明性を向上できる。
[導電層の特性]
上記導電層の表面電気抵抗値は、50Ω/sq以上10000Ω/sq以下であることが好ましい。更に、上記導電層をタッチパネル用電極として用いる場合には、上記導電層の表面電気抵抗値は、50Ω/sq以上500Ω/sq以下が好ましく、50Ω/sq以上400Ω/sq以下がより好ましい。表面電気抵抗値が小さいほど良好な電気特性を示す。
上記導電層の厚みは、用途に応じて適宜設定されるものであるが、通常、0.01〜10μm程度である。上記導電層の厚みが薄すぎても厚すぎても、均一な導電層を形成することが困難となる。上記導電性高分子の割合にもよるが、上記導電層の厚みが0.01μmより薄いと、表面電気抵抗値が上昇したり、表面電気抵抗値の場所によるばらつきが大きくなる傾向にあり、上記導電層の厚みが10μmより厚くなると、導電性積層体の厚みが大きくなりすぎて、全光線透過率が低下する傾向にある。
上記導電層の表面電気抵抗値の場所によるばらつきは、±10%以内が好ましく、±5%以内がより好ましい。上記導電層の表面電気抵抗値のばらつきが、±10%を超えると、上記導電層をタッチパネル用電極として用いることが困難となる。
上記導電層の表面電気抵抗値の場所P1おけるばらつきSP1は、全測定箇所の表面電気抵抗値の平均値をRA、場所P1の表面電気抵抗値をRP1とすると、下記式(1)により計算する。
P1(%)=(|RA−RP1|/RA)×100 (1)
また、上記導電性高分子と上記バインダとの体積比は、1:99〜70:30とすることができる。上記導電性高分子と上記バインダとの体積比が上記範囲内であれば、上記導電層の電気特性、光学特性、物理特性及び耐湿熱性を向上できる。特に、上記導電層をタッチパネル用電極として用いる場合には、上記導電性高分子と上記バインダとのより好ましい体積比は5:95〜45:55である。
<粘着層>
本発明の導電性積層体の粘着層は、粘着剤として酸フリー架橋樹脂を含んでいる。これにより、高温高湿下での導電層の電気抵抗値の経時変化を抑制でき、更にリワーク性に優れた導電性積層体を形成できる。
[酸フリー架橋樹脂]
本発明において酸フリー架橋樹脂とは、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の酸性基を含まないモノマーを重合して形成した酸フリーポリマーを、更に架橋剤により架橋した架橋ポリマーをいう。上記酸性基を含まないモノマーは、架橋剤との架橋反応を行うため、水酸基、アミノ基等の官能基を含んでいる。但し、上記酸フリー架橋樹脂は酸性基を意識的に有さないものを意味し、酸性基が全く検出されないことを意味するものではなく、また本発明の導電性積層体の製造過程で不可避的に混入する微量の酸は許容する意味である。
上記酸フリー架橋樹脂では、水酸基、アミノ基等の極性基を含む酸フリーポリマーが架橋剤と反応して形成されるため、最終的に上記酸フリー架橋樹脂は、極性基の数が減少して粘着層が疎水性となる。そのため、粘着層を通して導電層へ水が浸入することを抑制でき、導電層中の耐水性が低い導電性高分子への水の影響を小さくできるため、高温高湿下での導電層の電気抵抗値の経時変化を抑制できる。また、粘着層中の上記酸フリー架橋樹脂の極性基の数が減少するため、粘着層の被着体に対する粘着力が適度となり、導電性積層体のリワーク性を向上させることができ、導電性積層体を剥がした際の所謂糊残りを少なくすることができる。
また、粘着剤として単に酸フリーポリマーのみを用いると、架橋しない極性基を多く含む樹脂により粘着層が形成されるため、粘着層が親水性となる。そのため、粘着層を通して導電層へ水が浸入することを抑制できなくなり、導電層中の耐水性が低い導電性高分子への水の影響が大きくなるため、高温高湿下での導電層の電気抵抗値の経時変化が大きくなる。また、粘着層中の樹脂の極性基の数が多いため、粘着層の被着体に対する粘着力が大きくなり、導電性積層体のリワーク性が低下し、導電性積層体を剥がした際の所謂糊残りが多くなる。
更に、粘着剤として、酸性基を含む架橋樹脂を用いると、架橋反応により粘着剤中の樹脂の酸性基の数は減少しているが、カルボキシル基等の酸性基は、水酸基等の他の極性基より親水性が高いため、残存する酸性基により粘着層が親水性の傾向となり、また粘着層の粘着力が比較的大きくなる。そのため、上記と同様の理由で、高温高湿下での導電層の電気抵抗値の経時変化が大きくなり、導電性積層体のリワーク性が低下し、導電性積層体を剥がした際の所謂糊残りが多くなる。
上記酸フリー架橋樹脂の形成に用いる酸性基以外の官能基を有する酸フリーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂等の少なくとも1種を用いることができる。
上記アクリル系樹脂は、酸性基以外の官能基を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にある(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、官能基含有モノマーと、必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを、共重合させることにより得られる官能基含有(メタ)アクリル酸系ポリマー等を使用できる。これらの中でも、アルキル基の炭素数が6以上の官能基含有(メタ)アクリル酸系ポリマーが好ましい。本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の両者を意味している。
上記ウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエーテル系ウレタン樹脂、芳香族イソシアネート・エーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエステル系ウレタン樹脂、芳香族イソシアネート・エステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記ゴム系樹脂としては、例えば、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
上記シリコーン樹脂としては、例えば、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、及びエポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂等で変性された有機樹脂変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
上記酸フリーポリマーとしては、水酸基を含む樹脂が好ましい。例えば、上記酸フリーポリマーとしてアミノ基を有する樹脂を用いると、導電性高分子が酸性である場合、粘着剤のアミノ基と導電性高分子とが反応する可能性があり、導電性高分子の導電性が低下する場合があるからである。
また、上記酸フリーポリマーのモノマー成分としては、水酸基を含む(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。上記水酸基を含む(メタ)アクリル酸エステルを上記酸フリーポリマーのモノマー成分として用いることにより、粘着層の透明性を維持できると共に、上記(メタ)アクリル酸エステルの水酸基が架橋剤と反応するため、粘着層の粘着力を適切な範囲に設定できる。
上記酸フリー架橋樹脂を形成するための架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、メラミン系架橋剤等を用いることができる。これらの中でも、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤及び金属キレート系架橋剤を用いることが好ましい。エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤を用いることで、室温等の比較的低温な条件であっても、酸性基以外の官能基を有する酸フリーポリマーの架橋が進行するからである。
上記エポキシ系架橋剤としては、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等を用いることができる。
上記イソシアネート系架橋剤としては、公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等を用いることができる。
上記金属キレート系架橋剤として、Alを中心金属とするアルミニウムキレート化合物、Zrを中心金属とするジルコニウムキレート化合物を用いることができる。
上記酸フリーポリマーに対する架橋剤の添加量としては、酸フリーポリマーの種類等によっても異なるが、酸フリーポリマー100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上10質量部以下の範囲、好ましくは、0.1質量部以上1質量部以下の範囲とすることができる。
上記架橋剤の添加量が過度に少ない場合、粘着層の粘着力が上昇すると共に粘着層の凝集力の向上を図ることができず、導電性積層体を剥がした際の所謂糊残りが多くなる。また、上記架橋剤の添加量が過度に多い場合、未反応の架橋剤による物性の経時変化や、被着体の汚染等の不具合が生じる場合がある。
[その他の成分]
上記粘着層には、粘着力を制御するため、必要に応じて粘着付与剤を添加してもよい。上記粘着付与剤としては、酸性基を含まなければ特に限定されないが、例えば、酸性基を含まないテルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、合成石油系樹脂、及びこれらの水添系樹脂等が挙げられる。
[粘着層の特性]
上記粘着層のガラス板に対する粘着力は1.5N/10mm以上が好ましく、4.0N/10mm以上がより好ましい。ここで、本実施の形態において、ガラス板に対する粘着力とは、JIS Z0237(2009)に規定される粘着力試験と同様の方法で測定したガラス板に対する180°引き剥がし粘着力をいう。
上記粘着層のガラス板に対する粘着力が、1.5N/10mmよりも小さい場合、本発明の導電性積層体、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置の透明パネル等に貼り付けた場合に、本発明の導電性積層体が剥がれたりずれたりするおそれがある。また、上記粘着層のガラス板に対する粘着力は、8N/10mm以下であることが好ましい。上記粘着層のガラス板に対する粘着力が過度に大きい場合、本発明の導電性積層体のリワーク性が低下するおそれがある。この場合、透明パネルを再利用する場合等において本発明の導電性積層体を剥離するときに糊残りが生じる場合がある。
上記粘着層の厚みは、5μm以上200μm以下であることが好ましく、8μm以上100μm以下であることがより好ましい。上記粘着層の厚みが5μm未満である場合、必要な粘着力を得ることができない場合があり、上記粘着層の厚みが200μmより厚い場合、全光線透過率が低くなる傾向にある。
<基材>
本発明の導電性積層体に用いる基材としては特に限定されないが、透明性を有する透明基材が好ましい。上記透明基材の材質としては、例えば、樹脂、ゴム、ガラス、セラミックス等の種々のものが使用できる。
<引き出し電極>
本発明の導電性積層体は、上記導電層と上記粘着層との間に引き出し電極を更に備えることができる。上記引き出し電極の材料としては、導電性の高い銀ペースト等の金属ペーストや、アルミニウム、モリブテン等の金属材料が適するが、これらに限定するものではない。また、上記引き出し電極の形成方法は、上記金属ペーストを用いた印刷法、上記金属材料を用いたスパッタリング法等の公知の手法が適宜利用できる。
<導電性積層体>
本発明の導電性積層体の全光線透過率は、83%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。また、上記導電性積層体のヘイズは、2.0%以下が好ましく、1.5%以下がより好ましい。全光線透過率及びヘイズが高いほど良好な光学特性を示す。上記全光線透過率及び上記ヘイズは、分光光度計、例えば、日本分光社製の“V−570”により測定可能である。
次に、本発明の導電性積層体を図面に基づき説明する。図1は、本発明の導電性積層体の一例を示す模式断面図である。図1において、導電性積層体10は、基材11と、基材11の上にパターニングされて配置された導電層12と、導電層12の上に配置された粘着層13とを備えている。図1では、導電層12のパターニング部分は省略して図示してある。また、前述のとおり、導電層12は導電性高分子とバインダとを含み、粘着層13は、酸フリー架橋樹脂を含んでいる。
また、図2は、本発明の導電性積層体の他の例を示す導電性積層体の模式断面図である。図2おいて、導電性積層体20は、基材21と、基材21の上にパターニングされて配置された導電層22と、導電層22の上に配置された引き出し電極24と、引き出し電極24の上に配置された粘着層23とを備えている。図2では、導電層22のパターニング部分は省略して図示してある。また、前述のとおり、導電層22は導電性高分子とバインダとを含み、粘着層23は、酸フリー架橋樹脂を含んでいる。
(本発明のタッチパネル)
本発明のタッチパネルは、上記本発明の導電性積層体を含むことを特徴とする。上記本発明の導電性積層体を備えたタッチパネルは、上記導電性積層体の粘着層の成分に酸フリー架橋樹脂を用いているので、酸性成分を含む粘着層と比べて、上記粘着層と接触する引出配線(金属)等の劣化を起こしにくい。また、酸性成分を含む粘着層では、酸成分が引出配線(金属)等に影響を及ぼし、電気抵抗値が変化して、タッチパネルの感度に経時変化が生じる問題があるが、酸フリー架橋樹脂を用いた導電性積層体を備えた本発明のタッチパネルではこのような問題はなく、長期間使用しても感度が変化しないタッチパネルを提供することができる。
(本発明の導電性積層体の製造方法)
本発明の導電性積層体の製造方法は、導電性高分子と、バインダと、溶媒とを含む導電層形成用塗料を作製する工程と、上記導電層形成用塗料を基材の上に塗布して乾燥することにより、上記基材の上に導電層を形成する工程と、上記導電層の上に、酸フリー架橋樹脂を含む粘着層を形成又は配置する工程とを備えることができる。
また、本発明の導電性積層体の製造方法は、上記導電層上の導電パターンを形成する位置にレジスト膜を形成する工程と、導電性を失活させる不活性剤を用いて、上記レジスト膜をマスクとして、上記導電層の露出部の導電性を失活させて上記導電層をパターニングする工程とを更に備えることができる。
更に、本発明の導電性積層体の製造方法は、上記導電層と上記粘着層との間に引き出し電極を形成する工程を備えることもできる。
<導電層形成用塗料>
上記導電層形成用塗料に用いる導電性高分子としては、前述のポリチオフェン系化合物としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)と、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸とを含む混合物(PEDOT/PSS)等を用いることができる。
上記導電層形成用塗料における上記導電性高分子の含有量は、上記導電層形成用塗料に含まれる全固形成分の質量に対して0.7質量%以上70.0質量%以下であることが好ましい。上記導電性高分子の含有量が、上記導電層形成用塗料に含まれる全固形成分の質量に対して0.7質量%を下回ると導電層の導電性が低下し、70.0質量%を超えると導電層の物理特性や耐湿熱性が低下する傾向にある。
上記導電層形成用塗料に用いるバインダとしては、前述のシリコーン系無機バインダ、フッ素系樹脂を含む有機バインダ等を用いることができる。
上記フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましい。PVDFは、バインダとしての役割を果たすものであり、これにより導電層と基材との密着性を向上できる。PVDFは、上記導電層形成用塗料を用いて形成される導電層中に均一に分散させて透光性を向上させるため、上記導電層形成用塗料中におけるPVDFの分散粒子径は0.3μm以下に設定することが好ましい。
更に、上記有機バインダには、PVDF以外にフッ化ビニリデン−アクリル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、シラン化合物、ポリエステルエマルジョン、ポリオレフィンエマルジョン等の樹脂を含んでいてもよい。
上記バインダの含有量は、上記導電層形成用塗料に含まれる全固形成分の質量に対して30.0質量%以上99.3質量%以下が好ましく、より好ましくは55質量%以上95.0質量%以下である。上記バインダの含有量が少なすぎると、十分な硬度を有する導電層が得られにくい傾向にあり、上記バインダの含有量が多すぎると、導電層が白濁化し、光学特性が悪化する傾向にある。
上記導電層形成用塗料に用いる溶媒は、プロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒とを含んでいることが好ましい。プロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒とを併用することにより、比較的低い乾燥温度で透明性に優れた透明導電性膜を得ることができる。
上記プロトン性極性溶媒としては、例えば、水、エチルアルコール、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、酢酸等が挙げられ、上記非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
上記非プロトン性極性溶媒の含有量は、上記溶媒の全質量に対して1.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。上記非プロトン性極性溶媒の含有量が、上記溶媒の全質量に対して1.0質量%を下回ると導電層の光学特性が低下する傾向にあり、50.0質量%を超えると導電層の耐湿熱性が低下する傾向にある。
上記溶媒の含有量は特に限定されないが、上記導電層形成用塗料の全質量に対して、50.0質量%以上99.5質量%以下とすればよい。また、上記溶媒には、無極性溶媒を含んでいてもよい。
<導電層の形成>
上記導電層形成用塗料を基材の上に塗布する方法としては、例えば、バーコート法、リバース法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法、ディッピング法、スピンコート法、スリットコート法、スプレーコート法等の塗布方法を用いることができる。
上記塗布後の加熱は、上記導電層形成用塗料の溶媒成分が蒸発する条件であればよく、100〜150℃で5〜60分間行うことが好ましい。溶媒が導電層に残っていると強度が劣る傾向にある。加熱方法としては、例えば、熱風乾燥法、加熱乾燥法、真空乾燥法、自然乾燥等により行うことができる。また、必要に応じて、塗膜にUV光やEB光を照射して塗膜を硬化させたりして、透明導電性膜を形成してもよい。
<導電パターンの形成工程>
上記導電層上の導電パターンを形成する位置に形成されるレジスト膜は、例えば、レジスト剤を上記導電層上にスクリーン印刷することにより形成できる。上記レジスト剤は特に限定されず、適宜選択できる。
上記導電層の露出部の導電性を失活させるために用いる不活性剤としては、上記導電性高分子を失活できるものであればよく、例えば、酸化性化合物、塩基性化合物が挙げられる。
上記酸化性化合物としては、例えば、過酸化水素系化合物、過塩素酸系化合物、次亜塩素酸系化合物、過酢酸系化合物、メタクロロ安息香酸系化合物、亜硫酸系化合物等が挙げられる。
また、上記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4−メチルピリジン、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
上記導電パターンの形成工程において、上記導電層はバインダを含んでいるため、上記不活性剤が上記導電層に浸透しにくい。このため、上記導電層に上記不活性剤が徐々に浸透するため、導電パターンを精度よく形成できる。
<粘着層の形成>
上記導電層の上に粘着層を形成するには、前述の酸フリーポリマーと、架橋剤と、溶媒とを含む粘着層形成用塗料を塗布して乾燥すればよい。上記導電層の上に上記粘着層形成用塗料を塗布して乾燥する方法は特に限定されず、各種の塗工装置、乾燥装置を用いることができる。また、上記溶媒は特に限定されず、上記酸フリーポリマーと上記架橋剤を混合できるものであればよい。
また、上記導電層の上に粘着層を配置するには、上記粘着層形成用塗料を用いて粘着層を別途セパレータ上に形成し、この別途形成した粘着層を、上記導電層の上に貼りつけることなどにより配置すればよい。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に述べる。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。特に指摘がない場合、下記において、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
<粘着層形成用塗料の調製>
酸フリーポリマーであるアクリル系粘着剤(サイデン化学社製、商品名“サイビノールTPO3232”、固形分濃度:35質量%、水酸基価:2.7mg/g、重量平均分子量Mw:50万)100部に対して、金属キレート系架橋剤であるジルコニウムキレート化合物(マツモトファインケミカル社製、商品名“オルガチックスZC700”、固形分濃度:20質量%)0.8部を添加し、イソプロピルアルコールとトルエンとの混合溶媒(体積混合比率=1:1)を用いて固形分濃度が23質量%となるように希釈して、粘着層形成用塗料aを得た。
<導電層形成用塗料の調製>
以下の成分を添加、混合して導電層形成用塗料Aを調製した。
(1)導電性高分子分散液(ヘレウス社製、商品名“PH1000”、導電性高分子:PEDOT−PSS、固形分濃度:1.0質量%、溶媒:水):46.0部
(2)バインダ樹脂(アクリル樹脂、固形分濃度:30.0質量%、溶媒:水):4.6部
(3)プロトン性極性溶媒(エチルアルコール):12.0部
(4)非プロトン性極性溶媒(エチレングリコール):36.0部
(5)水:1.4部
<導電性シートの形成>
次に、厚さ100μmのPETフィルム(全光線透過率:92.0%)を基板として用い、基板の一方の主面に上記導電層形成用塗料Aを、バーコータを用いて塗布し、その後100℃で5分間加熱した。これにより、一方の主面に導電層が形成された実施例1の導電性フィルムを作製した。上記導電層の厚みは、0.3μmであった。
<レジスト膜の形成>
上記導電性フィルムの導電層側の主面の中央部の5cm角の領域にスクリーン印刷法によりレジスト剤(ヘレウス社製、商品名“Clvious SET S”)を印刷し、その後100℃で5分間加熱した。これにより、導電層上にレジスト膜を形成した。
<導電性の低下>
次に、導電層上にレジスト膜が形成された導電性フィルムを、塩素系不活性剤(ヘレウス社製、商品名“Clvious Etch”)を10%水溶液に調製した溶液に20分間浸漬した後、蒸留水で洗浄し、100℃で5分間加熱した。これにより、導電層の露出部の導電性を低下させた。
<レジスト膜の剥離>
次に、上記導電性フィルムをトルエンに3分間浸漬し、レジスト膜を剥離した後、蒸留水で洗浄し、100℃で5分間乾燥して、パターニングされた導電層を備えた導電性フィルムを作製した。
<導電層の表面電気抵抗値のばらつきの測定>
前述の式(1):SP1(%)=(|RA−RP1|/RA)×100を用いて、上記導電層上の10点の表面電気抵抗値のばらつきを測定した。上記測定の結果、導電層の表面電気抵抗値のばらつきが、10点全て±10%以内の場合、良好と判断し、上記導電層の表面電気抵抗値のばらつきが、一点でも±10%を超えると、不良と判断した。
<導電層の表面電気抵抗値の変化率の測定>
先ず、上記導電性フィルムの導電層の初期の表面電気抵抗値を、三菱化学アナリテック社製の抵抗率測定装置“Loresta−GP”(MCP−T610型)とLSPプローブを用いて測定した。
次に、上記導電性フィルムを恒温恒湿槽に入れ85℃、相対湿度80%で240時間保存した。続いて、保存後の上記導電性フィルムの導電層の表面電気抵抗値を上記と同様にして測定した。最後に、下記式(2)により表面電気抵抗値の変化率を算出した。
表面電気抵抗値の変化率(%)=〔(保存後の表面電気抵抗値−初期の表面電気抵抗値)/初期の表面電気抵抗値〕×100 (2)
上記測定の結果、表面電気抵抗値の変化率が10%未満の場合、高温高湿下での導電性積層体の導電層の電気抵抗値の経時変化が小さく、耐湿熱性は良好と判断し、表面電気抵抗値の変化率が10%を超えた場合、耐湿熱性は不良と判断した。
<粘着層の形成>
上記パターニングされた導電層を備えた導電性フィルムの導電層側に、前述の粘着層形成用塗料aをバーコータを用いて塗布し、導電性フィルムの上に粘着層を形成して、実施例1の粘着層付き導電性フィルム(本発明の導電性積層体)を得た。
<リワーク性の評価>
次に、上記粘着層付き導電性フィルムの粘着層側をガラス板に貼りあわせ、JIS Z0237(2009)に規定される粘着力試験と同様の方法でガラス板に対する180°引き剥がし粘着力を測定した。また、引き剥がし後のガラス板の糊残りを目視で観測した。その結果、糊残りが全く無かった場合にはリワーク性は良好と判断し、糊残りが観察された場合にはリワーク性は不良と判断した。
(実施例2)
<粘着層形成用塗料の調製>
酸フリーポリマーであるアクリル系粘着剤(日本合成化学工業社製、商品名“コーポニールN−7520”、固形分濃度:35質量%、水酸基価:50.0mg/g、重量平均分子量Mw:70万)100部に対して、金属キレート系架橋剤であるチタンキレート化合物(マツモトファインケミカル社製、商品名“オルガチックスTC1040”、固形分濃度:75質量%)0.8部を添加し、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶媒(体積混合比率=1:1)を用いて固形分濃度が23質量%となるように希釈し、粘着層形成用塗料bを得た。
<導電層形成用塗料の調製>
以下の成分を添加、混合して導電層形成用塗料Bを調製した。
(1)導電性高分子分散液(ヘレウス社製、商品名“PH1000”、導電性高分子:PEDOT−PSS、固形分濃度:1.0質量%、溶媒:水):46.0部
(2)バインダ樹脂分散液(PVDF分散液、PVDF粒子の平均分散粒子径:0.2μm、固形分濃度:35質量%、溶媒:水):3.9部
(3)プロトン性極性溶媒(エチルアルコール):12.0部
(4)非プロトン性極性溶媒(エチレングリコール):36.0部
(5)水:2.1部
上記粘着層形成用塗料b及び上記導電層形成用塗料Bを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の粘着層付き導電性フィルムを作製し、実施例1と同様にして、導電層の表面電気抵抗値のばらつき及び変化率の測定、粘着力の測定及びリワーク性の評価を行った。
(実施例3)
<粘着層形成用塗料の調製>
酸フリーポリマーであるアクリル系粘着剤(日本合成化学工業社製、商品名“コーポニールN−7520”、固形分濃度:35質量%、水酸基価:50.0mg/g、重量平均分子量Mw:70万)100部に対して、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名“コロネートHX”、固形分濃度:100質量%)0.5部を添加し、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶媒(体積混合比率=1:1)を用いて固形分濃度が23質量%となるように希釈し、粘着層形成用塗料cを得た。
上記粘着層形成用塗料c及び実施例2で作製した導電層形成用塗料Bを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の粘着層付き導電性フィルムを作製し、実施例1と同様にして、導電層の表面電気抵抗値のばらつき及び変化率の測定、粘着力の測定及びリワーク性の評価を行った。
(比較例1)
<粘着層形成用塗料の調製>
酸性基含有ポリマーであるアクリル系粘着剤(綜研化学社製、商品名“SK−2094”、固形分濃度:25質量%、酸価:6.8mg/g)100部に対して、エポキシ系架橋剤(綜研化学社製、商品名“E-AX”、固形分濃度:5質量%)0.27部を添加し、トルエンを用いて固形分濃度が20質量%となるように希釈し、粘着層形成用塗料dを得た。
上記粘着層形成用塗料d及び実施例2で作製した導電層形成用塗料Bを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の粘着層付き導電性フィルムを作製し、実施例1と同様にして、導電層の表面電気抵抗値のばらつき及び変化率の測定、粘着力の測定及びリワーク性の評価を行った。
(比較例2)
バインダ樹脂を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、導電層形成用塗料Cを作製した。実施例1で作製した粘着層形成用塗料a及び上記導電層形成用塗料Cを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の粘着層付き導電性フィルムを作製し、実施例1と同様にして、導電層の表面電気抵抗値のばらつき及び変化率の測定、粘着力の測定及びリワーク性の評価を行った。
以上の実施例1〜3及び比較例1〜2の結果を表1に示す。
Figure 2016203414
表1から、本発明の実施例1〜3では、表面電気抵抗値の変化率及びばらつきが良好であると共に、リワーク性も良好であることが分かる。一方、粘着層に酸フリー架橋樹脂を用いなかった比較例1では表面電気抵抗値の変化率及びリワーク性に劣り、導電層にバインダを加えなかった比較例2では表面電気抵抗値のばらつきが大きいことが分かる。
10、20 導電性積層体
11、21 基材
12、22 導電層
13、23 粘着層
24 引き出し電極

Claims (12)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一方の主面に配置された導電層と、前記導電層の上に配置された粘着層とを含む導電性積層体であって、
    前記導電層は、導電性高分子と、バインダとを含み、
    前記粘着層は、酸フリー架橋樹脂を含むことを特徴とする導電性積層体。
  2. 前記導電層が、パターニングされている請求項1に記載の導電性積層体。
  3. 前記導電層と前記粘着層との間に引き出し電極を更に含む請求項1又は2に記載の導電性積層体。
  4. 前記導電性高分子は、ドーパントを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性積層体。
  5. 前記導電性高分子は、ポリチオフェン系化合物とポリスチレンスルホン酸とを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性積層体。
  6. 前記バインダは、フッ素系樹脂を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性積層体。
  7. 前記酸フリー架橋樹脂は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性積層体。
  8. 前記酸フリー架橋樹脂は、モノマー成分として(メタ)アクリル酸エステルを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性積層体。
  9. 前記(メタ)アクリル酸エステルは、水酸基を含む請求項8に記載の導電性積層体。
  10. 前記粘着層の厚みが、5μm以上200μm以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性積層体。
  11. 全光線透過率が、83%以上であり、ヘイズが、2.0%以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電性積層体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電性積層体を含むことを特徴とするタッチパネル。
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