JP2017157530A - 導電性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電層における導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下と薄くても、大気中での経時的な導電性低下を充分に抑制できる導電性フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】本発明の導電性フィルムの製造方法は、フィルム基材の少なくとも一方の面に導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて導電層を形成する導電層形成工程を有し、前記導電性高分子分散液が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、液状の高導電化剤と、水分散性樹脂とを含有し、前記高導電化剤の含有量が、前記導電性複合体100質量部に対して300質量部以上20000質量部以下、前記水分散性樹脂の含有量が、前記導電性複合体100質量部に対して100質量部以上9000質量部以下であり、前記導電層形成工程では、前記導電性高分子分散液を、前記導電層における前記導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下になるように塗布する。【選択図】なし

Description

本発明は、π共役系導電性高分子を含有する導電性フィルム及びその製造方法に関する。
電子部品を包装する際に使用するフィルムとしては、電子部品の故障の原因となる静電気の発生を防止する導電性フィルムが広く使用されている。また、食品等の包装フィルムにおいても、包装フィルムに埃が付着して食品等の見栄えを損ねることを防ぐために、導電性フィルムを使用することがある。
導電性フィルムとしては、例えば、フィルム基材の少なくとも一方の面に、界面活性剤を含む導電層を設ける方法が知られている。しかし、界面活性剤を含む導電層においては、帯電防止性に湿度依存性が生じる。
そこで、フィルム基材の少なくとも一方の面に、π共役系導電性高分子及びポリアニオンからなる導電性複合体を含む導電層を設け、必要に応じて延伸する導電性フィルムの製造方法が提案されている(特許文献1)。
ところで、前記導電性複合体を含む導電層においては、大気中にて導電性が経時的に低下することがあった。
そこで、大気中での導電性の経時的低下を防ぐ方法として、導電層に酸化防止剤を含有させる方法が提案されている(特許文献2)。
特開2011−038002号公報 特許第5509462号公報
しかし、特許文献2に記載の方法でも、大気中での経時的な導電性低下を充分に抑制できるとはいえなかった。コスト削減の点から、導電層を薄くすることがあり、特に、導電層における導電性複合体由来の厚さを約15nm以下にすることがあるが、その場合には、大気中での経時的な導電性低下が起こりやすい傾向にあった。
そこで、本発明は、導電層における導電性複合体由来の厚さが約15nm以下と薄くても、大気中での経時的な導電性低下を充分に抑制できる導電性フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の導電性フィルムの製造方法は、フィルム基材の少なくとも一方の面に導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて導電層を形成する導電層形成工程を有し、前記導電性高分子分散液が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、気圧1013hPaで液状である高導電化剤と、水分散性樹脂とを含有し、前記高導電化剤の含有量が、前記導電性複合体100質量部に対して300質量部以上20000質量部以下、前記水分散性樹脂の含有量が、前記導電性複合体100質量部に対して100質量部以上9000質量部以下であり、前記導電層形成工程では、前記導電性高分子分散液を、前記導電層における前記導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下になるように塗布する。
本発明の導電性フィルムの製造方法においては、前記高導電化剤が、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の導電性フィルムの製造方法においては、前記水分散性樹脂が、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の一態様の導電性フィルムは、フィルム基材と、該フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された導電層とを備え、前記導電層が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、気圧1013hPaで液状である高導電化剤と、水分散性樹脂とを含有し、前記水分散性樹脂の含有量が、前記導電性複合体100質量部に対して100質量部以上9000質量部以下であり、前記導電層における前記導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下である。
本発明の導電性フィルムにおいては、前記高導電化剤が、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の導電性フィルムにおいては、前記水分散性樹脂が、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の導電性フィルムの製造方法によれば、導電層における導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下と薄くても、大気中での経時的な導電性低下を充分に抑制できる導電性フィルムを容易に製造できる。
本発明の導電性フィルムは、導電層における導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下と薄くても、大気中での経時的な導電性低下を充分に抑制できる。
本発明の一態様の導電性フィルムは、フィルム基材と、該フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された導電層とを備える。
フィルム基材としては、プラスチックフィルムを用いることができる。
プラスチックフィルムを構成するフィルム基材用樹脂としては、例えば、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらのフィルム基材用樹脂の中でも、安価で機械的強度に優れる点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
フィルム基材の厚みは、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。フィルム基材を200μm以下の薄膜とすることで、コストの増加を抑制できる。一方、フィルムの厚さは、導電層を形成しやすい点から、1μm以上であることが好ましい。
本明細書における厚さは、任意の10箇所について厚さを測定し、その測定値を平均した値である。
導電層は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、高導電化剤と、水分散性樹脂とを含有する。
導電層における導電性複合体由来の厚さは12.3nm以下である。導電層における導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下であると、大気中での経時的な導電性低下が起こりやすいので、本発明が有益となる。導電層における導電性複合体由来の厚さは7nm以下であることが好ましく、5nm以下であることが好ましい。一方、導電層における導電性複合体由来の厚さは0.1nm以上であることが好ましい。
導電層における導電性複合体由来の厚さは、(導電層の実際の厚さ[nm])×(導電層における導電性複合体の含有比率[質量%])の式より求められる。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
上記π共役系導電性高分子の中でも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
前記π共役系導電性高分子は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンとは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、帯電防止性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。
本明細書における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定し、標準物質をポリスチレンとして求めた値である。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1質量部以上1000質量部以下の範囲であることが好ましく、10質量部以上700質量部以下の範囲であることがより好ましく、100質量部以上500質量部以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値未満であると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがあり、また、導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性が低くなる。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
ポリアニオンが、π共役系導電性高分子に配位してドープすることによって導電性複合体を形成する。
ただし、本態様におけるポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープすることはなく、ドープに寄与しない余剰のアニオン基を有するようになっている。
高導電化剤は、導電層の導電性を向上させる化合物であって、気圧1013hPaで液状のものである。
高導電化剤の具体例は、例えば、特開2010−87401号公報に記載されている。高導電化剤の中でも、導電性向上の効果が高く、大気中での導電性低下の抑制効果がより高いことから、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、高導電化剤として、N−メチルピロリドンは好ましくない。N−メチルピロリドンは、環境負荷が大きい物質であり、また、長期保存性が低い傾向にある。
水分散性樹脂は、導電性高分子水分散液中に分散可能な樹脂であり、導電層内においてはバインダ樹脂となる。
水分散性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂であって、カルボキシ基やスルホ基等の酸基又はその塩を有するもの等の水溶性樹脂が挙げられる。本明細書において、水溶性とは、25℃の蒸留水に、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上溶解することである。
水分散性樹脂の他の具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等であって、エマルションにされたものが挙げられる。
上記の中でも、経時的な導電性低下をより防止できることから、水分散性樹脂としては、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前記水分散性樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電層における水分散性樹脂の含有量は、導電性複合体100質量部に対して100質量部以上9000質量部以下であり、1000質量部以上8000質量部以下であることが好ましい。導電層における水分散性樹脂の含有量が前記下限値未満であると、大気中での導電性低下が抑制された導電層を形成できないことがあり、前記上限値を超えると、導電層の初期の導電性が低くなることがある。
導電層には、公知の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。ただし、添加剤は、前記ポリアニオン、前記高導電化剤、前記水分散性樹脂以外の化合物からなる。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
導電層が上記添加剤を含有する場合、その含有割合は、添加剤の種類に応じて適宜決められるが、通常、導電性複合体の固形分100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下の範囲内である。
導電層は、水溶性で粉状の酸化防止剤を含まなくてもよい。
水溶性で粉状の酸化防止剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カリウム等の2個の水酸基で置換されたラクトン環を有する化合物;マルトース、ラクトース、セロビオース、キシロース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等の単糖類および二糖類;カテキン、ルチン、ミリセチン、クエルセチン、ケンフェロール等のフラボノイド;クルクミン、ロズマリン酸、クロロゲン酸、ヒドロキノン、4−ヒドロキシアセトアニリドといったフェノール性水酸基を1つ以上もち、アミド基を有する化合物、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸等のフェノール性水酸基を2個以上有する化合物;システイン、グルタチオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール基を有する化合物などが挙げられる。
本発明の一態様の導電性フィルムの製造方法は、フィルム基材の少なくとも一方の面に導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて導電層を形成する導電層形成工程を有する。
ここで、導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、高導電化剤と、水分散性樹脂と、分散媒とを含有する。
導電性高分子分散液における高導電化剤の含有量は、導電性複合体100質量部に対して300質量部以上20000質量部以下であり、500質量部以上15000質量部以下であることが好ましく、550質量部以上12000質量部以下であることがより好ましい。導電性高分子分散液における高導電化剤の含有量が前記下限値未満であると、導電層の大気中での導電性低下を抑制できないことがあり、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度が低下するため、導電性が低下することがある。
また、導電性高分子分散液100質量%に対する高導電化剤の含有割合は、0.75質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。導電性高分子分散液における高導電化剤の含有割合が前記下限値以上であれば、導電層の大気中での導電性低下をより抑制でき、前記上限値以下であれば、導電層の導電性を高くできる。
なお、高導電化剤は、塗工後の乾燥にて一部が揮発するため、導電層における高導電化剤の含有量は、導電性高分子分散液における含有量よりも少なくなる。
導電性高分子分散液における水分散性樹脂の含有量は、導電性複合体100質量部に対して100質量部以上9000質量部以下であり、1000質量部以上8000質量部以下であることが好ましい。導電性高分子分散液における水分散性樹脂の含有量が前記下限値未満であると、大気中での導電性低下が抑制された導電層を形成できないことがあり、前記上限値を超えると、導電層の初期の導電性が低くなることがある。
本態様における分散媒は、前記導電性複合体を分散させる液であり、水、有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合液である。
分散媒が水を含む場合、導電性高分子分散液における水の含有割合は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。導電性高分子分散液における水の含有割合が前記下限値以上であれば、導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性がより高くなる。
有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられるが、高導電化剤と異なるものであれば上記に限定されるものではない。これら有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロプレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
導電性高分子分散液を塗工する方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等のコーターを用いた塗工方法、エアスプレー、エアレススプレー、ローターダンプニング等の噴霧器を用いた噴霧方法、ディップ等の浸漬方法等を適用することができる。
上記のうち、簡便に塗工できることから、バーコーターを用いることがある。バーコーターにおいては、種類によって塗工厚が異なり、市販のバーコーターでは、種類ごとに番号が付されており、その番号が大きい程、厚く塗工できるものとなっている。
前記導電性高分子分散液のフィルム基材への塗工量は、形成される導電層の導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下になるように塗布する。
塗工した導電性高分子分散液を乾燥する方法としては、加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。加熱乾燥としては、例えば、熱風加熱や、赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。
加熱乾燥を適用する場合、加熱温度は、使用する分散媒に応じて適宜設定されるが、通常は、50℃以上150℃以下の範囲内である。ここで、加熱温度は、乾燥装置の設定温度である。
本発明者らが調べた結果、導電性高分子分散液に導電性複合体と共に液状高導電化剤及び水分散性樹脂を前記特定量含有させることで、導電層の大気中での経時的な導電性低下を充分に抑制できることがわかった。特に、導電層における導電性複合体由来の厚さを12.3nm以下に薄くしても、導電層の大気中での経時的な導電性低下を充分に抑制できることがわかった。
(製造例1)
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃にて攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、その溶液を12時間攪拌した。得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。得られた溶液中の水を減圧除去して、無色のポリスチレンスルホン酸の固形物を得た。
得られたポリスチレンスルホン酸の質量平均分子量を測定したところ、30万であった。ここで、質量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)カラムを備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを用いて、昭和電工株式会社製プルランを標準物質として測定した値である。
(製造例2)
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。これにより得られた混合溶液を20℃に保ち攪拌を行いながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくりと添加し、3時間攪拌して反応させた。得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。次に、得られた溶液に、200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.2質量%の青色のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸の水分散液(PEDOT−PSSの水分散液)を得た。
(実施例1)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液(固形分濃度1.2質量%)15g、水溶性ポリエステル溶液(互応化学工業株式会社製Z−690、固形分濃度25質量%)0.72g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して100質量部)、プロピレングリコール5g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して2780質量部)を混合した。さらに、希釈溶剤としてメタノール(MEOH)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)からなる混合溶媒(MEOH:PGM=14:5、質量比)79.28gを添加して、合計100gの導電性高分子分散液を得た。
次いで、該導電性高分子分散液に、前記と同様の混合溶媒を添加することにより、さらに4倍に希釈して、導電性高分子希釈分散液を得た。
次いで、導電性高分子希釈分散液を、No.4のバーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布して、分散媒を含む塗布膜(9.16μm)を形成した。その塗布膜を、乾燥温度120℃、乾燥時間1分で加熱乾燥し、分散媒を除去して、導電性フィルムを得た。
導電層の実際の厚さと、導電層における導電性複合体に由来する厚さとを、表1に示す。なお、下記の実施例及び比較例についても、導電層の実際の厚さと、導電層における導電性複合体に由来する厚さとを表1〜3に示す。
(実施例2)
水溶性ポリエステルの量を7.2g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して1000質量部)に、混合溶媒の量を72.8gに変更した以外は実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例3)
水溶性ポリエステルの量を14.4g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して2000質量部)に、混合溶媒の量を65.6gに変更した以外は実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例4)
水溶性ポリエステルの量を28.8g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して4000質量部)に、混合溶媒の量を51.2gに変更した以外は実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例5)
水溶性ポリエステルの量を57.6g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して8000質量部)に、混合溶媒の量を22.4gに変更した以外は実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
(比較例1)
プロピレングリコールの量を0gに、水溶性ポリエステル溶液を0gに、混合溶媒の量を85gに変更した以外は実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
(比較例2)
水溶性ポリエステル溶液の量を0gに、混合溶媒の量を80gに変更した以外は実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
(比較例3)
水溶性ポリエステルの量を72.0g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して10000質量部)に、混合溶媒の量を8.0gに変更した以外は実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例6)
プロピレングリコールの量を1.0g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して556質量部)に、混合溶媒の量を76.8gに変更した以外は実施例2と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例7)
プロピレングリコールの量を5.0g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して2780質量部)に、混合溶媒の量を72.8gに変更した以外は実施例2と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例8)
プロピレングリコールの量を10.0g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して5560質量部)に、混合溶媒の量を67.8gに変更した以外は実施例2と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例9)
プロピレングリコールの量を20.0g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して11120質量部)に、混合溶媒の量を57.8gに変更した以外は実施例2と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例10)
プロピレングリコールを2−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)に変更した以外は実施例8と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例11)
プロピレングリコールをエチレングリコールに変更した以外は実施例8と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例12)
プロピレングリコールをジメチルスルホキシドに変更した以外は実施例8と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例13)
実施例10の導電性高分子希釈分散液を、No.4のバーコーターからNo.8のバーコーターに変更し、ポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布して、分散媒を含む塗布膜(18.32μm)を形成した以外は実施例10と同様にして、導電性フィルムを得た。
(実施例14)
実施例10の導電性高分子希釈分散液を、No.4のバーコーターからNo.12のバーコーターに変更し、ポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布して、分散媒を含む塗布膜(27.48μm)を形成した以外は実施例10と同様にして、導電性フィルムを得た。
(比較例4)
プロピレングリコールの量を0gに、混合溶媒の量を77.8gに変更した以外は実施例2と同様にして、導電性フィルムを得た。
(比較例5)
プロピレングリコールの量を0.1g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して55.6質量部)に、混合溶媒の量を77.7gに変更した以外は実施例2と同様にして、導電性フィルムを得た。
(比較例6)
プロピレングリコールの量を0.5g(PEDOT−PSS固形分100質量部に対して278質量部)に、混合溶媒の量を77.3gに変更した以外は実施例2と同様にして、導電性フィルムを得た。
(比較例7)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液(固形分濃度1.2質量%)33.3g、希釈溶剤としてメタノール(MEOH)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)からなる混合溶媒(MEOH:PGM=14:5、質量比)66.7gを添加して、導電性高分子分散液を得た。
次いで、該導電性高分子分散液を、No.4のバーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布して塗布膜を形成した。その塗布膜を、乾燥温度120℃、乾燥時間1分で加熱乾燥して、導電性フィルムを得た。
(比較例8)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液(固形分濃度1.2質量%)22.0g、希釈溶剤としてメタノール(MEOH)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)からなる混合溶媒(MEOH:PGM=14:5、質量比)78.0gを添加して、導電性高分子分散液を得た。
次いで、該導電性高分子分散液を、No.4のバーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布して塗布膜を形成した。その塗布膜を、乾燥温度120℃、乾燥時間1分で加熱乾燥して、導電性フィルムを得た。
<評価>
各例の導電性フィルムの作製後2時間以内に測定した表面抵抗値(初期表面抵抗値)と、温度23℃、湿度50%の環境下で1週間放置した後の表面抵抗値(1週間経過後表面抵抗値)を測定した。測定結果を表1〜3に示す。
その測定の際、抵抗率計(三菱化学社製ハイレスタ)を用い、印加電圧を10Vとした。なお、表中の「OVER」は、抵抗率計の測定上限値を超えたことを意味する。
Figure 2017157530
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導電性高分子分散液が液状の高導電化剤及び水溶性樹脂を本願請求項1で規定する範囲で含む実施例1〜14では、導電層における導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下であっても、導電層の経時的な導電性低下を抑制できた。
導電性高分子分散液が液状の高導電化剤及び水溶性樹脂を含まない比較例1では、導電層の経時的な導電性低下を抑制できなかった。
導電性高分子分散液が液状の高導電化剤を含むが水溶性樹脂を含まない比較例2では、導電層の経時的な導電性低下を抑制できなかった。
水溶性樹脂の含有量が10000質量部の比較例3では、導電層の初期の導電性が低かった。
導電性高分子分散液が水溶性樹脂を含むが液状の高導電化剤を含まない比較例4では、導電層の経時的な導電性低下を抑制できなかった。
高導電化剤の含有量が本願請求項1で規定する量より少ない比較例5,6では、導電層の経時的な導電性低下を抑制できなかった。
比較例7及び比較例8は、導電層の厚さに対する経時的な導電性の変化を調べた例である。比較例7と比較例8とは、導電層の初期の表面抵抗値がほぼ同じであったにもかかわらず、1週間後では、比較例7よりも導電層の厚さが薄い比較例8の方が、表面抵抗値が大きくなっていた。これより、導電層が薄くなる程、大気中にて経時的な導電性低下が起こりやすいことがわかる。

Claims (6)

  1. フィルム基材の少なくとも一方の面に導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて導電層を形成する導電層形成工程を有し、
    前記導電性高分子分散液が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、気圧1013hPaで液状である高導電化剤と、水分散性樹脂とを含有し、前記高導電化剤の含有量が、前記導電性複合体100質量部に対して300質量部以上20000質量部以下、前記水分散性樹脂の含有量が、前記導電性複合体100質量部に対して100質量部以上9000質量部以下であり、
    前記導電層形成工程では、前記導電性高分子分散液を、前記導電層における前記導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下になるように塗布する、導電性フィルムの製造方法。
  2. 前記高導電化剤が、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の導電性フィルムの製造方法。
  3. 前記水分散性樹脂が、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の導電性フィルムの製造方法。
  4. フィルム基材と、該フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された導電層とを備え、
    前記導電層が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、気圧1013hPaで液状である高導電化剤と、水分散性樹脂とを含有し、前記水分散性樹脂の含有量が、前記導電性複合体100質量部に対して100質量部以上9000質量部以下であり、
    前記導電層における前記導電性複合体由来の厚さが12.3nm以下である、導電性フィルム。
  5. 前記高導電化剤が、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の導電性フィルム。
  6. 前記水分散性樹脂が、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4又は5に記載の導電性フィルム。
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