JP7269854B2 - 導電性高分子分散液、導電性フィルム、電極及びこれらの製造方法 - Google Patents

導電性高分子分散液、導電性フィルム、電極及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性高分子分散液、導電性フィルム、電極及びこれらの製造方法に関する。
透明な導電性フィルムとして、フィルム基材の表面に、インジウムドープ酸化スズ(ITO)からなる透明導電層が形成された導電性フィルムが広く使用されている。しかし、インジウムは高価な金属である上、資源の枯渇が懸念されている。
ITOを使用しない透明な導電性フィルムとして、例えば、フィルム基材の表面に、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)等のπ共役系導電性高分子とポリスチレンスルホン酸等のポリアニオンとを含有する導電層が形成された導電性フィルムが知られている。
π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含有する導電層をフィルム基材の表面に形成する方法としては、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含有する導電性高分子分散液をフィルム基材の表面に塗布する方法が知られている。また、前記塗布では、各種印刷を適用することがある(特許文献1)。
特開2010-168445号公報
しかし、従来の導電性高分子分散液は、必ずしも印刷適性、特にスクリーン印刷の印刷適性が充分ではなかった。従来の導電性高分子分散液をフィルム基材等の表面にスクリーン印刷すると、スクリーン版のメッシュが目詰まりしたり、印刷により形成した塗膜(導電層)の表面が荒れたりする問題があった。スクリーン版が目詰まりすると、適切に連続印刷することができなくなる。また、形成した導電層の表面が荒れていると、透明性が低下し、優れた光学特性が求められる用途に適さないことがあった。
本発明は、透明性に優れた導電層をスクリーン印刷で形成することが可能な導電性高分子分散液とその製造方法を提供する。また、本発明の導電性高分子分散液を用いた、導電性フィルム、電極及びこれらの製造方法を提供する。
[1] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、1種以上の有機溶剤と、ポリビニルピロリドンとを含有する導電性高分子分散液であって、前記導電性高分子分散液の25℃における粘度が0.5Pa・s以上である、導電性高分子分散液。
[2] 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、[1]に記載の導電性高分子分散液。
[3] 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]又は[2]に記載の導電性高分子分散液。
[4] 前記導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量が20質量%以下である、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[5] 前記有機溶剤が、標準気圧における沸点が150℃以上である有機溶剤を含む、[1]~[4]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[6] 前記有機溶剤がジオール化合物を含む、[1]~[5]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[7] 前記有機溶剤が、プロピレングリコール、エチレングリコール、及び1,4-ブタンジオールから選択される1種以上を含む、[1]~[6]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[8] バインダ樹脂をさらに含有する、[1]~[7]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[9] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と水とを含有する水分散液に有機溶剤を混合して混合液を得て、前記混合液から水の少なくとも一部を除去し、導電性高分子濃縮液を得ることと、前記導電性高分子濃縮液にポリビニルピロリドンを添加し、25℃における粘度が0.5Pa・s以上である導電性高分子分散液を得ることと、を含む、導電性高分子分散液の製造方法。
[10] フィルム基材と、前記フィルム基材の少なくも一方の面に形成された、[1]~[8]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液の硬化層からなる導電層とを備える、導電性フィルム。
[11] フィルム基材の少なくとも一方の面に、[1]~[8]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液をスクリーン印刷して導電層を形成することを含む、導電性フィルムの製造方法。
[12] 基材と、前記基材の表面の少なくとも一部に形成された、[1]~[8]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液の硬化層からなる導電層とを備える、電極。
[13] 基材の表面の少なくとも一部に、[1]~[8]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液を印刷して導電層を形成することを含む、電極の製造方法。
本発明の導電性高分子分散液を用いたスクリーン印刷においてはスクリーン版の目詰まりがなく、塗膜(導電層)の表面が非常に平滑で、全光線透過率やヘイズ等の光学特性が優れた透明性の高い導電層を形成することができる。このように透明性が高い導電層は、導電性フィルムや電極の用途に好適である。
本発明の導電性高分子分散液の製造方法によれば、上記の導電性高分子分散液を容易に製造できる。
<導電性高分子分散液>
本発明の第一態様は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、1種以上の有機溶剤と、ポリビニルピロリドンとを含有する導電性高分子分散液であって、
前記導電性高分子分散液の25℃における粘度が0.5Pa・s以上である、導電性高分子分散液である。
[導電性複合体]
本態様の導電性高分子分散液に含まれる導電性複合体は、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含む。導電性複合体中のポリアニオンはπ共役系導電性高分子にドープして、導電性を有する導電性複合体を形成している。
ポリアニオンにおいては、一部のアニオン基のみがπ共役系導電性高分子にドープしており、ドープに関与しない余剰のアニオン基を有している。余剰のアニオン基は親水基であるため、導電性複合体は水分散性を有する。
(π共役系導電性高分子)
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であればよく、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-エチルチオフェン)、ポリ(3-プロピルチオフェン)、ポリ(3-ブチルチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルチオフェン)、ポリ(3-オクチルチオフェン)、ポリ(3-デシルチオフェン)、ポリ(3-ドデシルチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルチオフェン)、ポリ(3-ブロモチオフェン)、ポリ(3-クロロチオフェン)、ポリ(3-ヨードチオフェン)、ポリ(3-シアノチオフェン)、ポリ(3-フェニルチオフェン)、ポリ(3,4-ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4-ジブチルチオフェン)、ポリ(3-ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3-エトキシチオフェン)、ポリ(3-ブトキシチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3-デシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-メトキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-エトキシチオフェン)、ポリ(3-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-エチルピロール)、ポリ(3-n-プロピルピロール)、ポリ(3-ブチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリ(3-エトキシピロール)、ポリ(3-ブトキシピロール)、ポリ(3-ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホン酸)、ポリ(3-アニリンスルホン酸)が挙げられる。
これらのπ共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
(ポリアニオン)
ポリアニオンは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、スルホ基を有するポリアクリル酸エステル、スルホ基を有するポリメタクリル酸エステル(例えば、ポリ(4-スルホブチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルオキシベンゼンスルホン酸)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸等のスルホ基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸等のカルボキシ基を有する高分子が挙げられる。ポリアニオンは、単一のモノマーが重合した単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーが重合した共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホ基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。質量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィを用いて測定し、ポリスチレン換算で求めた質量基準の平均分子量である。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1質量部以上1000質量部以下の範囲であることが好ましく、10質量部以上700質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上500質量部以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値以上であれば、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が強くなる傾向にあり、導電性がより高くなる。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子を充分に含有させることができるので、充分な導電性を確保できる。
本態様の導電性高分子分散液に含まれる導電性複合体の含有量としては、導電性高分子分散液の総質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましく、1質量%以上3質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、導電性高分子分散液を塗布して形成する導電層の導電性をより向上させることができる。
上記範囲の上限値以下であると、導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性を高め、均一な導電層を形成することができる。
[有機溶剤]
本態様の導電性高分子分散液は1種以上の有機溶剤を含む。導電性複合体の分散性を高める観点から、前記有機溶剤は水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。ここで、水溶性有機溶剤は、20℃の水100gに対する溶解量が1g以上の有機溶剤である。また、本態様の導電性高分子分散液の粘度を所定の範囲に高めるとともに、印刷時の乾燥速度を適度に遅くする観点から、前記有機溶剤は標準気圧(1013hPa)における沸点が150℃以上、好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上、の有機溶剤を含むことが好ましい。
なお、ポリビニルピロリドンは前記有機溶剤に該当しない。
標準気圧における沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、窒素原子含有溶剤、硫黄原子含有溶剤等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコール(沸点198℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)、1,3-プロパンジオール(沸点214℃)、1,4-ブタンジオール(沸点230℃)等のジオール化合物が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、プロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点188℃)等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、メチルアミルケトン(沸点151℃)、ジアセトンアルコール(沸点168℃)等が挙げられる。
窒素原子含有溶剤としては、例えば、N-メチルピロリドン(沸点202℃)、ジメチルアセトアミド(沸点165℃)、N,N-ジメチルホルムアミド(沸点153℃)等が挙げられる。
硫黄原子含有溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)等が挙げられる。
水溶性有機溶剤は1種のみが含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。
本態様の導電性高分子分散液をスクリーン印刷して形成する導電層の透明性をより一層高める観点から、前記有機溶剤はアルコール系溶剤又はエーテル系溶剤が好ましく、アルコール系溶剤がより好ましい。
本態様の導電性高分子分散液の総質量に対する前記有機溶剤の含有量は、70質量%以上97質量%以下が好ましく、75質量%以上95質量%以下がより好ましく、80質量%以上93質量%以下がさらに好ましい。ここで、有機溶剤の含有量は、導電性高分子分散液の質量から不揮発成分及び水の質量を引いた質量として求められる。
上記範囲の下限値以上であると、スクリーン印刷に適した粘度になり易く、塗膜の乾燥速度が緩やかになり、スクリーン印刷による連続印刷がより容易になる。
上記範囲の上限値以下であると、導電性複合体及びポリビニルピロリドンの含有量を高められるので、形成する導電層の導電性及び透明性をより向上させることができる。
本態様の導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量は、2質量%以上20質量%以下が好ましく、4質量%以上17質量%以下がより好ましく、6質量%以上14質量%以下がさらに好ましい。ここで、水の含有量は、カールフィッシャー法により求められる。
上記範囲の下限値以上であると、スクリーン印刷に適した粘度になり易く、塗膜の乾燥速度が緩やかになり、スクリーン印刷による連続印刷がより容易になる。
上記範囲の上限値以下であると、導電性複合体及びポリビニルピロリドンの含有量を高められるので、形成する導電層の導電性及び透明性をより向上させることができる。
[ポリビニルピロリドン]
本態様の導電性高分子分散液に含まれるポリビニルピロリドン(以下、PVPということがある。)は、直鎖状のN-ビニル-2ピロリドンである。本態様の導電性高分子分散液がPVPを含むことにより、形成される導電層の導電性を損なわずに導電層の透明性を高めることができる。
ポリビニルピロリドンの質量平均分子量は、1万以上1000万以下が好ましく、10万以上500万以下がより好ましく、100万以上200万以下がさらに好ましい。PVPの質量平均分子量が前記下限値以上であれば、形成される導電層の透明性をより向上させることができ、前記上限値以下であれば、導電性高分子分散液中における溶解性を向上させることができる。
ここで、PVPの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定し、標準物質をポリスチレンとして求めた値である。
前記導電性高分子分散液に含まれるPVPは、1種でもよいし、2種以上でもよい。
本態様の導電性高分子分散液におけるPVPの含有量は、導電性高分子分散液の総質量に対して、0.05質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上0.7質量%以下がさらに好ましい。PVPの固形分含有量が前記下限値以上であれば、形成する導電層の透明性をより向上させることができる。PVPの固形分含有量が上記上限値以下であれば、導電性の低下を抑制できる。
[バインダ樹脂]
本態様の導電性高分子分散液には、PVP以外のバインダ樹脂を含んでもよい。
バインダ樹脂の具体例としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。
前記バインダ樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本態様の導電性高分子分散液が水を含む場合、バインダ樹脂は水分散性樹脂であることが好ましい。ここで、水分散性樹脂は、水を含む分散媒中に分散又は溶解可能な樹脂である。本態様の導電性高分子分散液において、水分散性樹脂の状態は、ホモジナイズ等により分散された分散状態でもよいし、エマルション状態でもよいし、溶解状態でもよい。
水分散性樹脂は、水中で解離し得る官能基、例えばカルボキシ基、スルホ基等の酸基又はその塩、を有する樹脂であることが好ましい。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂であって、カルボキシ基やスルホ基等の酸基又はその塩を有する水分散性樹脂が好ましい。
前記導電層の基材に対する密着性がより向上することから、上記の水分散性樹脂のなかでも、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、又はアクリル樹脂が好ましい。特に、基材がポリエステル樹脂である場合、水分散性樹脂はポリエステル樹脂であることが好ましい。
本態様の導電性高分子分散液に含まれる水分散性樹脂は、1種でもよいし、2種以上でもよい。
本態様の導電性高分子分散液の総質量に対する、前記バインダ樹脂の含有量は、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましく、2質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
上記の好適な範囲であると、形成する導電層の基材に対する密着性を高め、透明性の低下を抑制するとともに、良好な導電性を得ることができる。
[高導電化剤]
本態様の導電性高分子分散液は、導電性をより向上させるために、高導電化剤を含んでもよい。ここで、π共役系導電性高分子、ポリアニオン、ポリビニルピロリドン、前述のバインダ成分は、高導電化剤に分類されない。
高導電化剤は、糖類、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。高導電化剤のなかでも、水への分散性が高く、導電性向上効果に優れることから、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物が好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。
本態様の導電性高分子分散液に含有される高導電化剤は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
本態様の導電性高分子分散液における高導電化剤の含有割合は、導電性複合体100質量部に対して、1質量部以上100,000質量部以下が好ましく、10質量部以上10,000質量部以下がより好ましく、500質量部以上5000質量部以下がさらに好ましい。高導電化剤の含有割合が前記下限値以上であれば、高導電化剤添加による導電性向上効果が充分に発揮され、前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下を防止できる。
[その他の添加剤]
本態様の導電性高分子分散液には、その他の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。ただし、添加剤は、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、ポリビニルピロリドン、有機溶剤、バインダ成分及び高導電化剤以外の化合物である。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、エポキシ基、ビニル基又はアミノ基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
導電性高分子分散液が上記添加剤を含有する場合、その含有割合は、添加剤の種類に応じて適宜決められるが、例えば、導電性複合体100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下の範囲とすることができる。
[粘度]
本態様の導電性高分子分散液の粘度は、0.5Pa・s以上であることが好ましく、0.7Pa・s以上4Pa・s以下がより好ましく、0.8Pa・s以上2Pa・s以下がさらに好ましい。ここで、粘度は、音叉型振動式粘度計により温度25℃で測定した値である。
前記粘度が上記範囲の下限値以上であると、スクリーン印刷をより高精度(鮮明)に行うことができる。前記粘度が上記範囲の上限値以下であると、形成する導電層の表面の平滑性を高めることができ、その結果、導電層の透明性をより高めることができる。
<導電性高分子分散液の製造方法>
本発明の第二態様は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と水とを含有する水分散液(第1水分散液)に有機溶剤(第1有機溶剤)を混合して混合液(第1混合液)を得て、前記第1混合液から水の少なくとも一部を除去し、導電性高分子濃縮液を得ること(第一工程)と、
前記導電性高分子濃縮液にポリビニルピロリドンを添加し、25℃における粘度が0.5Pa・s以上である導電性高分子分散液を得ること(第二工程)と、を含む、導電性高分子分散液の製造方法である。
[第一工程]
本工程で用いる第1水分散液は、導電性複合体と水を含有する。導電性複合体の説明は第一態様における導電性複合体の説明と同じであるので省略する。
第1水分散液の総質量に対する導電性複合体の含有量は、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、導電性高分子濃縮液中の導電性複合体の濃度を高めることが容易になり、目的の導電性高分子分散液中の導電性複合体の濃度の調整がより容易になる。
第1水分散液には、導電性複合体の分散性を損なわなければ、予め任意の有機溶剤が含まれていても構わない。この任意の有機溶剤の含有量は、第1有機溶剤の混合後における導電性複合体の分散性を維持する観点から、第1水分散液の総質量に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、実質的に有機溶剤を含まないことが最も好ましい。
本工程で用いる第1有機溶剤の種類は、第一態様で例示した有機溶剤の種類と同じであるので、その例示を省略する。
第1水分散液と第1有機溶剤の混合割合は、混合後の混合液の総質量を100質量%としたとき、第1有機溶剤の含有量が、20質量%以上70質量%以下となる混合割合が好ましく、25質量%以上60質量%以下となる混合割合がより好ましく、30質量%以上50質量%以下となる混合割合がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、後で行う混合液中からの水の除去処理がより容易になる。上記範囲の上限値以下であると、混合液中における導電性複合体の分散性を維持することがより容易になる。
第1混合液から水の少なくとも一部を除去する方法としては、混合液中の水分を気化させて留去する方法が好ましく、具体的には、混合液を密閉容器中に入れて減圧するエバポレーション法が好適である。その他の方法として、例えば、蒸発濃縮法、限外ろ過法を適用してもよい。
第1混合液から水を除去する程度としては、水分除去により得られる導電性高分子濃縮液の総質量に対する水の含有量が、1質量%以上25質量%以下になる程度が好ましく、3質量%以上20質量%以下になる程度がより好ましく、5質量%以上15質量%以下になる程度がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、導電性高分子濃縮液における導電性複合体の分散性をより高めることができる。上記範囲の上限値以下であると、後工程で得られる導電性高分子分散液の粘度を所望の範囲に調整することが容易になる。
[第二工程]
本工程では、前記導電性高分子濃縮液にポリビニルピロリドンを添加する。添加するポリビニルピロリドンの説明は、第一態様のポリビニルピロリドンの説明と同じであるので省略する。
添加するポリビニルピロリドンは予め別の溶媒により希釈されていてもよい。ポリビニルピロリドンを希釈する溶媒は、水又は前記第1有機溶剤であることが好ましい。
また、ポリビニルピロリドンの添加とは別に、第2有機溶剤を添加してもよい。第2有機溶剤の例示は、第一態様の有機溶剤の例示と同じであるので省略する。第2有機溶剤は第1有機溶剤と同じ有機溶剤であってもよいし、異なる有機溶剤であってもよいが、同じ有機溶剤であることが好ましい。
ポリビニルピロリドン及びその希釈溶媒の添加量としては、前述した第一態様の導電性高分子分散液に含まれるポリビニルピロリドンの好適な含有量となる添加量とすることが好ましい。例えば、導電性高分子濃縮液100質量部に対して、5~10質量部で添加することにより、導電性複合体の濃度の低下を抑制しつつ、適量のPVPを添加することができる。
導電性高分子濃縮液に必要に応じて添加する第2有機溶剤の添加量としては、前述した第一態様の導電性高分子分散液の25℃における好適な粘度となる添加量とすることが好ましい。例えば、導電性高分子濃縮液100質量部に対して、10~30質量部で添加することにより、導電性複合体の濃度の低下を抑制しつつ、好適な粘度に調整することができる。
<導電性フィルムの製造方法>
本発明の第三態様の導電性フィルムの製造方法は、フィルム基材の少なくとも一方の面に、第一態様の導電性高分子分散液をスクリーン印刷して導電層を形成することを含む、導電性フィルムの製造方法である。
前記フィルム基材としては、樹脂フィルムが挙げられる。
樹脂フィルムを構成するフィルム基材用樹脂としては、例えば、エチレン-メチルメタクリレート共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらのフィルム基材用樹脂の中でも、安価で機械的強度に優れる点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
前記フィルム基材を構成する樹脂は、非結晶性でもよいし、結晶性でもよい。何れであっても後段の任意の結晶化工程において結晶性のフィルム基材となり得るが、延伸性が良好である観点から非結晶性フィルムであることが好ましい。
また、フィルム基材は、未延伸のものでもよいし、延伸されたものでもよいが、後段の延伸工程で延伸する場合には、少なくとも一方向において未延伸であるものが好ましい。
フィルム基材の厚さとしては、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、20μm以上500μm以下であることがより好ましい。フィルム基材の厚さが前記下限値以上であれば、破断しにくくなり、前記上限値以下であれば、フィルムとして充分な可撓性を確保できる。
フィルム基材の厚さは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用い、フィルム基材の断面の任意の10箇所について厚さを測定し、その測定値を平均した値である。
フィルム基材の少なくとも一方の面に導電性高分子分散液をスクリーン印刷することにより、塗膜(導電層)を形成する。スクリーン印刷は常法により行われる。フィルム基材の片面のみにスクリーン印刷してもよいし、フィルム基材の両面にスクリーン印刷してもよい。フィルム基材上に塗膜が形成されたものを塗工フィルムと称する。
スクリーン印刷による前記導電性高分子分散液のフィルム基材への塗工量は特に制限されないが、固形分として、0.1g/m以上10.0g/m以下の範囲であることが好ましい。上記範囲であると、より高精度に印刷することができる。
スクリーン印刷後、前記塗工フィルムの塗膜を乾燥して導電層を形成する。
塗工フィルムを乾燥する方法としては、加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。加熱乾燥としては、例えば、熱風加熱や、赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。
加熱乾燥を適用する場合、加熱温度は、使用する分散媒に応じて適宜設定されるが、通常は、50℃以上150℃以下の範囲内である。ここで、加熱温度は、乾燥装置の設定温度である。
以上ではスクリーン印刷により第一態様の導電性高分子分散液をフィルム基材に塗工し、導電層を形成する方法を示したが、スクリーン印刷以外の印刷方法や塗工方法を適用し、同様に導電層を形成しても構わない。
スクリーン印刷以外の印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、インクジェット印刷等を適用することができる。前記印刷方法のなかでも、導電層を容易に厚くできる点では、スクリーン印刷が好ましい。
その他の塗工方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等のコーターを用いた塗工方法、エアスプレー、エアレススプレー、ローターダンプニング等の噴霧器を用いた噴霧方法、ディップ等の浸漬方法等を適用することができる。
前記導電性高分子分散液のフィルム基材への塗工量は特に制限されないが、固形分として、0.1g/m以上10.0g/m以下の範囲であることが好ましい。
<導電性フィルム>
本発明の第四態様は、フィルム基材と、前記フィルム基材の少なくも一方の面に形成された、第一態様の導電性高分子分散液の硬化層からなる導電層とを備える、導電性フィルムである。前記導電層には、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、ポリビニルピロリドンとを含有する。
前記導電層の厚さとしては、10nm以上50000nm以下であることが好ましく、20nm以上10000nm以下であることがより好ましく、30nm以上5000nm以下であることがさらに好ましい。導電層の厚さが前記10nm以上であると、良好な導電性が得られ、前記50000nm以下であると、導電層を容易に形成することができる。
導電層の厚さは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用い、導電性フィルムの断面の任意の10箇所について厚さを測定し、その測定値を平均した値である。
本態様の導電性フィルムの導電層は、第一態様の導電性高分子分散液から形成した導電層であるから、導電性及び透明性に優れる。
本態様の導電性フィルムの導電層の表面抵抗値は、10Ω/□以上10000Ω/□以下が好ましく、50Ω/□以上5000Ω/□以下がより好ましく、100Ω/□以上1000Ω/□以下がさらに好ましい。
本態様の導電性フィルムの全光線透過率は、光学特性を高める観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
本態様の導電性フィルムのヘイズは、光学特性を高める観点から、7%以下が好ましく、6%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
本態様の導電性フィルムの表面抵抗値、全光線透過率、ヘイズは後述の測定方法により求められる。
<電極>
本発明の第五態様は、基材と、前記基材の表面の少なくとも一部に形成された、第一態様の導電性高分子分散液の硬化層からなる導電層とを備える、電極である。
前述の導電性フィルムは本態様の電極として用いることができる。
本態様の基材としては、例えば、前述のフィルム基材、ガラス板、繊維を抄造したシート、金属箔、金属板等の金属材が挙げられる。
本態様の基材の形状は特に限定されず、フィルム状、板状、棒状、筒状、球状、直方体状等の任意の形状が挙げられる。
本態様の電極が備える導電層の厚さは、例えば、10nm以上50000nm以下とすることができる。導電層の厚さは、任意の10箇所以上について厚さを、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて測定し、その測定値を平均した値である。
本態様の電極が備える導電層は、前述の導電性フィルムと同様に導電性及び透明性が高いので、光学用途の透明電極として用いることができる。この場合、基材は透明であることが好ましい。
本態様の電極が備える導電層は、基材の表面にパターン状に形成されてもよいし、基材の表面全面に形成されてもよい。パターン状に形成された部分は電気回路として使用することができる。この場合、電気回路の端部が電極となる。
<電極の製造方法>
本発明の第六態様は、基材の表面の少なくとも一部に、第一態様の導電性高分子分散液を印刷して導電層を形成することを含む、電極の製造方法である。
前記印刷方法は、前述の導電性フィルムの製造方法における印刷方法を適用することができる。なかでも、厚い導電層を容易に形成できること、及びパターン状の導電層を容易に形成できることから、スクリーン印刷を適用することが好ましい。印刷方法や各種コーター法を適用できない形状の基材を用いる場合、第一態様の導電性高分子分散液に基材を浸漬し、基材表面に付着した導電膜を乾燥し、硬化すことにより、導電層を形成することができる。
(製造例1)
常法によりポリスチレンスルホン酸を得た。その重量平均分子量を、ゲル濾過カラムを備えた高速液体クロマトグラフィーにより測定したところ、20万であった。この際、昭和電工製プルランを標準物質として用いた。
(製造例2)
14.2gの3,4-エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸をイオン交換水に溶かし、過硫酸アンモニウムと硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくりと添加し、攪拌しながら反応させた。
得られた反応液にイオン交換水を添加し、限外ろ過法で溶媒の一部を除去した後、10質量%に希釈した硫酸とイオン交換水とを加え、限外ろ過法により溶媒の一部を除去した。イオン交換水の添加と、限外ろ過法で溶媒の一部を除去することを交互に繰り返すことにより、ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT-PSS)を水洗し、PEDOT-PSS水分散液(固形分濃度1.2質量%)を得た。ここで、固形分とは不揮発成分のことである。
<導電性高分子分散液の作製>
(実施例1)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液800gにプロピレングリコール436.4gを添加し、混合した後、エバポレーターを用いて756.4gの水を減圧留去し、固形分2質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gに、ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製K-90、重量平均分子量120万)が10質量%で含まれるプロピレングリコール溶液10gと、プロピレングリコール37.5gと、を添加して撹拌し、目的の導電性高分子分散液を得た。
(実施例2)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液800gにプロピレングリコール436.4gを添加し、混合した後、エバポレーターを用いて756.4gの水を減圧留去し、固形分2質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gに、ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製K-90、重量平均分子量120万)が10質量%で含まれるプロピレングリコール溶液10gと、プロピレングリコール37.5gと、水分散性ポリエステルの水分散液(互応化学工業社製プラスコートRZ-105、固形分25質量%)30gと、を添加して撹拌し、目的の導電性高分子分散液を得た。
(実施例3)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液600gにプロピレングリコール450gを添加し、混合した後、エバポレーターを用いて535.7gの水を減圧留去し、固形分1.4質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gに、ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製K-90、重量平均分子量120万)が10質量%で含まれるプロピレングリコール溶液10gと、プロピレングリコール37.5gと、を添加して撹拌し、目的の導電性高分子分散液を得た。
(実施例4)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液800gにプロピレングリコール436.4gを添加し、混合した後、エバポレーターを用いて756.4gの水を減圧留去し、固形分2質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gに、ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製K-90、重量平均分子量120万)が10質量%で含まれるプロピレングリコール溶液5gと、プロピレングリコール42.5gと、水分散性ポリエステルの水分散液(互応化学工業社製プラスコートRZ-105、固形分25質量%)30gと、を添加して撹拌し、目的の導電性高分子分散液を得た。
(実施例5)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液800gにプロピレングリコール436.4gを添加し、混合した後、エバポレーターを用いて756.4gの水を減圧留去し、固形分2質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gに、ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製K-90、重量平均分子量120万)が10質量%で含まれるプロピレングリコール溶液15gと、プロピレングリコール32.5gと、水分散性ポリエステルの水分散液(互応化学工業社製プラスコートRZ-105、固形分25質量%)30gと、を添加して撹拌し、目的の導電性高分子分散液を得た。
(実施例6)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液800gにエチレングリコール436.4gを添加し、混合した後、エバポレーターを用いて756.4gの水を減圧留去し、固形分2質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gに、ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製K-90、重量平均分子量120万)が10質量%で含まれるエチレングリコール溶液10gと、エチレングリコール37.5gと、を添加して撹拌し、目的の導電性高分子分散液を得た。
(実施例7)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液600gに1,4-ブタンジオール450gを添加し、混合した後、エバポレーターを用いて535.7gの水を減圧留去し、固形分1.4質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gに、ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製K-90、重量平均分子量120万)が10質量%で含まれる1,4-ブタンジオール溶液10gと、1,4-ブタンジオール37.5gと、を添加して撹拌し、目的の導電性高分子分散液を得た。
(比較例1)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液800gから、エバポレーターを用いて320gの水を減圧留去し、固形分2質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gにポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製K-90、重量平均分子量120万)が10質量%で含まれる水溶液10gと、イオン交換水37.5gと、を添加して撹拌し、比較用の導電性高分子分散液を得た。
(比較例2)
固形分1.2質量%のPEDOT-PSS水分散液800gにプロピレングリコール436.4gを添加し、混合した後、エバポレーターを用いて756.4gの水を減圧留去し、固形分2質量%の導電性高分子濃縮液を得た。
次いで、前記導電性高分子濃縮液187.5gに、プロピレングリコール47.5gを添加して撹拌し、比較用の導電性高分子分散液を得た。
(粘度の測定)
音叉型振動式粘度計(エー・アンド・デイ社製、型番:SV―10)を用いて、温度25℃の条件で、各例の導電性高分子分散液の粘度を測定した。その結果を表1に示す。
なお、音叉型振動式粘度計による粘度の測定は、JIS Z8809で規定された粘度計校正用標準液を用いて粘度計を校正した後で行った。
(水分量の測定)
メタノール中に、導電性高分子分散液が1質量%で含まれるように添加した試料を準備し、カールフィッシャー水分測定装置(三菱ケミカルアナリテック社製、KF-31)を用いて水分量を測定し、各例の導電性高分子分散液に含まれる水分量を算出した。その結果を表1に示す。
<導電性フィルムの作製>
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーT-60)の片面に、400メッシュのスクリーン版を用いて、各例の導電性高分子分散液をスクリーン印刷し、120℃で2分間乾燥し、導電層を形成することにより、導電性フィルムを得た。
(スクリーン印刷性の評価)
各例の導電性高分子分散液について、下記の基準でスクリーン印刷の性能を評価した。その結果を表1に示す。
〇(優秀):スクリーン版の目詰まりが全く無く、塗膜(導電層)の表面が非常に滑らかであった。
△(良好):スクリーン版の目詰まりが殆ど無く、塗膜(導電層)の表面は概ね滑らかであった。
×:不可:スクリーン版の目詰まりが有るか、塗膜(導電層)の表面が比較的荒れていた。
(表面抵抗値)
各例の導電性高分子分散液を塗布して作製した上記導電性フィルムを試料として、抵抗率計(三菱ケミカルアナリテック社製、ロレスタ)を用い、印加電圧10Vの条件で、導電層の表面抵抗値(単位:Ω/□)を測定した。その結果を表1に示す。
(全光線透過率およびヘイズの測定)
各例の導電性高分子分散液を塗布して作製した上記導電性フィルムを試料として、JIS K7136に従い、ヘーズメーター(日本電色工業社製、NDH-5000)を用い、導電層を形成した部位の全光線透過率(T.T.)とヘイズ(HAZE)を測定した。全光線透過率はその数値(%)が高いほど、ヘイズはその数値(%)が低いほど、透明性が優れるといえる。その結果を表1に示す。
Figure 0007269854000001
表1における略号は次の通りである。
PG:プロピレングリコール
EG:エチレングリコール
BG:1,4-ブタンジオール
PVP:ポリビニルピロリドン
RZ-105:水分散性ポリエステル
Nv.25%:配合したうちの不揮発成分=25質量%
Vis.:粘度
Rs:表面抵抗値
T.T.:全光線透過率
また、表1の組成のTotalは100質量%である。
また、表1の水分量は実測値である。
以上の通り、本発明にかかる実施例1~7にあっては、有機溶剤の種類、ポリビニルピロリドンの添加量を変更しても、所定の粘度である限り、スクリーン印刷性が優秀又は良好であり、導電性および透明性(光学特性)に優れた導電性フィルムを作製することができた。
比較例1に示す有機溶剤を使用していない系では、導電性高分子分散液の粘度を充分に高めることができなかった。また、スクリーン印刷で連続的に印刷する際に、導電性複合体の分散媒である水が蒸発して、スクリーン版の目詰まりが起きてしまい、印刷性が悪かった。
比較例2に示すポリビニルピロリドンを使用していない系では、導電性高分子分散液の粘度を高めることはできたが、印刷性が悪かった。この理由として、PEDOT-PSSがコロイド粒子であることから、スクリーン版のメッシュを導電性高分子分散液が通過する際にコロイド粒子同士が分離し易く、塗膜の表面がレベリングされないまま硬化することが考えられる。

Claims (12)

  1. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、1種以上の有機溶剤と、水と、ポリビニルピロリドンとを含有する導電性高分子分散液であって、
    前記導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量が2質量%以上20質量%以下であり、
    前記導電性高分子分散液の総質量に対するポリビニルピロリドンの含有量が0.05質量%以上5質量%以下であり、
    前記導電性高分子分散液の25℃における粘度が0.5Pa・s以上4.0Pa・s以下である、導電性高分子分散液。
  2. 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、請求項1に記載の導電性高分子分散液。
  3. 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1又は2に記載の導電性高分子分散液。
  4. 前記有機溶剤が、標準気圧における沸点が150℃以上である有機溶剤を含む、請求項1~の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
  5. 前記有機溶剤がジオール化合物を含む、請求項1~の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
  6. 前記有機溶剤が、プロピレングリコール、エチレングリコール、及び1,4-ブタンジオールから選択される1種以上を含む、請求項1~の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
  7. バインダ樹脂をさらに含有する、請求項1~の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
  8. 請求項1~7の何れか一項に記載の導電性高分子分散液を製造する方法であって、
    前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む前記導電性複合体と水とを含有する水分散液に前記有機溶剤を混合して混合液を得て、前記混合液から水の少なくとも一部を除去し、導電性高分子濃縮液を得ることと、
    前記導電性高分子濃縮液にポリビニルピロリドンを添加し、25℃における粘度が0.5Pa・s以上4.0Pa・s以下である前記導電性高分子分散液を得ることと、を含む、導電性高分子分散液の製造方法。
  9. フィルム基材と、前記フィルム基材の少なくも一方の面に形成された、請求項1~の何れか一項に記載の導電性高分子分散液の硬化層からなる導電層とを備える、導電性フィルム。
  10. フィルム基材の少なくとも一方の面に、請求項1~の何れか一項に記載の導電性高分子分散液をスクリーン印刷して導電層を形成することを含む、導電性フィルムの製造方法。
  11. 基材と、前記基材の表面の少なくとも一部に形成された、請求項1~の何れか一項に記載の導電性高分子分散液の硬化層からなる導電層とを備える、電極。
  12. 基材の表面の少なくとも一部に、請求項1~の何れか一項に記載の導電性高分子分散液を印刷して導電層を形成することを含む、電極の製造方法。
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