JP2016199739A - 貯蔵安定性および接着性の改善されたポリマー微粒子含有硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
、耐水性、耐薬品性などの多くの点で優れている。しかしながら、エポキシ樹脂
の硬化物は破壊靭性が小さく、非常に脆性的な性質を示すことがあり、広い範囲
の用途においてこのような性質が問題となることが多い。
13)好ましくは、(A)成分100質量部に対して、更に、表面処理した炭酸カルシウム1〜100質量部を含有する硬化性樹脂組成物である。
本発明の硬化性樹脂組成物の主成分として、エポキシ樹脂(A)を使用する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、コアシェル構造を有するポリマー微粒子(B)1〜100質量部を使用する。(B)成分の靱性改良効果により、得られる硬化物は靱性および耐衝撃剥離接着性に優れる。
≪コア層≫
コア層は、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物の靱性を高める為に、ゴムとしての性質を有する弾性コア層であることが好ましい。ゴムとして性質を有するためには、本発明の弾性コア層は、ゲル含量が60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。なお、本明細書でいうゲル含量とは、凝固、乾燥により得られたクラム0.5gをトルエン100gに浸漬し、23℃で24時間静置した後に不溶分と可溶分を分別したときの、不溶分と可溶分の合計量に対する不溶分の比率を意味する。
本発明では、必要により、中間層を形成させてもよい。特に、中間層として、以下のゴム表面架橋層を形成させてもよい。得られる硬化物の靱性改良効果および耐衝撃剥離接着性改良効果の点からは、中間層を含有しない事、特に、以下のゴム表面架橋層を含有しないことが好ましい。
ポリマー微粒子の最も外側に存在するシェル層は、シェル形成用モノマーを重合したものであるが、ポリマー微粒子(B)成分と(A)成分との相溶性を向上させ、本発明の硬化性樹脂組成物、又はその硬化物中においてポリマー微粒子が一次粒子の状態で分散することを可能にする役割を担うシェルポリマーからなる。
(コア層の製造方法)
本発明で用いるポリマー微粒子を構成するコア層を形成するポリマーが、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2005/028546号パンフレットに記載の方法を用いることができる。
中間層は、中間層形成用モノマーを公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層を構成するゴム弾性体をエマルジョンとして得た場合には、ラジカル重合性二重結合を2以上有するモノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分100質量部に対して、表面処理した酸化カルシウム(C)を0.1〜10質量部含有することが必須である。
本発明では、必要に応じてエポキシ樹脂硬化剤(D)を使用することができる。
本発明では、必要に応じて硬化促進剤(E)を使用することができる。
本発明では、靭性、耐衝撃性、せん断接着性、及び、剥離接着性などの性能を更に向上させる目的で、(B)成分以外の強化剤として、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、または、ブロックドウレタンを、必要に応じて使用することができる。
ゴム変性エポキシ樹脂は、ゴムとエポキシ基含有化合物とを反応させて得た、1分子当り平均して、エポキシ基を1.1個以上、好ましくは2個以上有する反応生成物であり、ゴムとしては,アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム、ポリプロピレンオキシドやポリエチレンオキシドやポリテトラメチレンオキシド等のポリオキシアルキレン、などのゴム系重合体を挙げることができる。該ゴム系重合体は、アミノ基、ヒドロキシ基、またはカルボキシル基等の反応性基を末端に有するものが好ましい。これらのゴム系重合体とエポキシ樹脂とを公知の方法により適宜の配合比にて反応させた生成物が本発明に使用されるゴム変性エポキシ樹脂である。これらの中でも、アクリロニトリル−ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂や、ポリオキシアルキレン変性エポキシ樹脂が、得られる硬化性樹脂組成物の接着性や耐衝撃剥離接着性の観点から好ましく、アクリロニトリル−ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂がより好ましい。なお、アクリロニトリル−ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂は、例えば、カルボキシル基末端NBR(CTBN)とビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応により得られる。
ウレタン変性エポキシ樹脂は、イソシアネート基との反応性を有する基とエポキシ基とを含有する化合物と、イソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを反応させて得た、1分子当り平均して、エポキシ基を1.1個以上、好ましくは2個以上有する反応生成物である。例えば、ヒドロキシ基含有エポキシ化合物とウレタンプレポリマーを反応させることにより、ウレタン変性エポキシ樹脂が得られる。
ブロックドウレタンは、エラストマー型であって、ウレタン基および/または尿素基を含有し、かつ、末端にイソシアネート基を有する化合物の当該末端イソシアネート基の全部または一部が活性水素基を有する種々のブロック剤でキャップされた化合物である。特に、当該末端イソシアネート基の全部がブロック剤でキャップされた化合物が好ましい。この様な化合物は、例えば、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に、過剰のポリイソシアネート化合物を反応させて、主鎖中にウレタン基および/または尿素基を有し末端にイソシアネート基を有する重合体(ウレタンプレポリマー)とした後、あるいは同時に、該イソシアネート基の全部または一部に、活性水素基を有するブロック剤でキャップすることにより得られる。
A−(NR2−C(=O)−X)a (1)
(式中、a個のR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基である。aはキャップされたイソシアネート基の1分子当たりの平均数を表し、1.1個以上が好ましく、1.5〜8個がより好ましく、1.7〜6個が更に好ましく、2〜4個が特に好ましい。Xは、前記ブロック剤から活性水素原子を除いた残基である。Aは、イソシアネート末端化プレポリマーから末端イソシアネート基を除いた残基である。)で表される。
末端に活性水素含有基を有する有機重合体を構成する主鎖骨格としては、ポリエーテル系重合体、ポリアクリル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリジエン系重合体、飽和炭化水素系重合体(ポリオレフィン)、ポリチオエーテル系重合体などが挙げられる。
末端に活性水素含有基を有する有機重合体を構成する活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、チオール基が挙げられる。これらの中でも、入手性の点から、水酸基、アミノ基、イミノ基が好ましく、更に得られるブロックドウレタンの取扱い易さ(粘度)の点から、水酸基がより好ましい。
前記ポリエーテル系重合体は、本質的に一般式(2):
−R1−O− (2)
(式中、R1は、炭素原子数1から14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基である。)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、一般式(2)におけるR1は、炭素原子数1から14の、さらには2から4の、直鎖状もしくは分岐状アルキレン基が好ましい。一般式(2)で示される繰り返し単位の具体例としては、
−CH2O−、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C2H5)O−、−CH2C(CH3)2O−、−CH2CH2CH2CH2O−
等が挙げられる。ポリエーテル系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特に、プロピレンオキシドの繰り返し単位を50質量%以上有するポリプロピレングリコールを主成分とする重合体から成るものは、T字剥離接着強さの観点で好ましい。また、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコール(PTMG)は、動的割裂抵抗力の観点で、好ましい。
前記ポリエーテルポリオールは、末端に水酸基を有するポリエーテル系重合体であり、前記ポリエーテルアミンは、末端にアミノ基またはイミノ基を有するポリエーテル系重合体である。
前記ポリアクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体を骨格とし、かつ、分子内に水酸基を有するポリオールを挙げることができる。特に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを共重合して得られるポリアクリルポリオールが好ましい。
前記ポリジエンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリクロロプレンポリオールなどを挙げることができ、特に、ポリブタジエンポリオールが好ましい。
前記ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブチレンポリオール、水添ポリブタジエンポリオールなどを挙げることができる。
前記ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートなどを挙げることができる。これらの中でも、耐熱性の点から、脂肪族系ポリイソシアネートが好ましく、更に入手性の点から、イソフォロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートがより好ましい。
前記ブロック剤は、例えば、第一級アミン系ブロック剤、第二級アミン系ブロック剤、オキシム系ブロック剤、ラクタム系ブロック剤、活性メチレン系ブロック剤、アルコール系ブロック剤、メルカプタン系ブロック剤、アミド系ブロック剤、イミド系ブロック剤、複素環式芳香族化合物系ブロック剤、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤、フェノール系ブロック剤が挙げられる。これらの中でも、オキシム系ブロック剤、ラクタム系ブロック剤、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤、フェノール系ブロック剤が好ましく、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤、フェノール系ブロック剤がより好ましく、フェノール系ブロック剤が更に好ましい。
前記第一級アミン系ブロック剤としては、ブチルアミン、イソプロピルアミン、ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。前記第二級アミン系ブロック剤としては、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、モルホリン、ピペリジン、等が挙げられる。前記オキシム系ブロック剤としては、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム等が挙げられる。前記ラクタム系ブロック剤としては、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−ブチロラクタム等が挙げられる。前記活性メチレン系ブロック剤としては、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられる。前記アルコール系ブロック剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。前記メルカプタン系ブロック剤としては、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、デシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等が挙げられる。前記アミド系ブロック剤としては、酢酸アミド、ベンズアミド等が挙げられる。前記イミド系ブロック剤としては、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。前記複素環式芳香族化合物系ブロック剤としては、イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、ピロール、2−メチルピロール、3−メチルピロール等のピロール類、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン等のピリジン類、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等のジアザビシクロアルケン類、が挙げられる。
前記ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤は、1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートである。ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート系ブロック剤の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
前記フェノール系ブロック剤は、少なくとも1個のフェノール性ヒドロキシル基、即ち、芳香環の炭素原子に直接結合したヒドロキシル基を含有する。フェノール性化合物は2個以上のフェノール性ヒドロキシル基を有していてもよいが、好ましくはフェノール性ヒドロキシル基を一つだけ含有する。フェノール性化合物は、他の置換基を含有していてもよいが、これら置換基は好ましくはキャッピング反応の条件下でイソシアネート基と反応しないものであり、アルケニル基、アリル基が好ましい。他の置換基としては、直鎖状、分岐鎖状またはシクロアルキル等のアルキル基;芳香族基(例えば、フェニル、アルキル置換フェニル、アルケニル置換フェニル等);アリール置換アルキル基;フェノール置換アルキル基が挙げられる。フェノール系ブロック剤の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール、エチルフェノール、アリルフェノール(特にo−アリルフェノール)、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシルフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールM、テトラメチルビフェノールおよび2,2’−ジアリル−ビスフェノールA、等が挙げられる。
前記架橋剤の分子量は750以下が好ましく、より好ましくは50〜500であり、かつ、1分子当たり少なくとも3個のヒドロキシル基、アミノ基および/またはイミノ基を有するポリオールまたはポリアミン化合物である。架橋剤はブロックドウレタンに分岐を付与し、ブロックドウレタンの官能価(即ち、キャップされたイソシアネート基の1分子当たりの数)を増加させるのに有用である。
前記鎖延長剤の分子量は750以下が好ましく、より好ましくは50〜500であり、かつ、1分子当たり2個のヒドロキシル基、アミノ基および/またはイミノ基を有するポリオールまたはポリアミン化合物である。鎖延長剤は、官能価を増加させずにブロックドウレタンの分子量を上げるのに有用である。
ブロックドウレタンの量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましく、10〜35質量部が特に好ましい。1質量部未満では、靱性、耐衝撃性、接着性などの改質効果が十分ではない場合があり、50質量部より多いと、得られる硬化物の弾性率が低くなる場合がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、無機充填材として、ケイ酸および/またはケイ酸塩を添加することができる。
本発明では、分子内に2個以上の二重結合を有するラジカル硬化性樹脂を、必要に応じて使用することができる。また、必要により、分子内に少なくとも1個の二重結合を有する分子量300未満の低分子化合物を添加することができる。前記低分子化合物は、前記ラジカル硬化性樹脂との併用により、粘度や硬化物物性や硬化速度を調整する機能を有し、ラジカル硬化性樹脂の所謂反応性希釈剤として機能するものである。更に、本発明の硬化性樹脂組成物には、ラジカル重合開始剤を添加することができる。ここで、ラジカル重合開始剤は、温度を上げる(好ましくは、約50℃〜約150℃)と活性化される潜在的なタイプであることが好ましい。
本発明では、必要に応じて、モノエポキシドを使用することができる。モノエポキシドは反応性希釈剤として機能しうる。モノエポキシドの具体例としては、例えばブチルグリシジルエーテルなどの脂肪族グリシジルエーテル、あるいは例えばフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルなどの芳香族グリシジルエーテル、例えば2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどの炭素数8〜10のアルキル基とグリシジル基とからなるエーテル、例えばp−tertブチルフェニルグリシジルエーテルなどの炭素数2〜8のアルキル基で置換され得る炭素数6〜12のフェニル基とグリシジル基とからなるエーテル、例えばドデシルグリシジルエーテルなどの炭素数12〜14のアルキル基とグリシジル基とからなるエーテル;例えばグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルマレエートなどの脂肪族グリシジルエステル;バーサチック酸グリシジルエステル、ネオデカン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステルなどの炭素数8〜12の脂肪族カルボン酸のグリシジルエステル;p−t−ブチル安息香酸グリシジルエステルなどが挙げられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物を光硬化する場合には、光重合開始剤を添加してもよい。かかる光重合開始剤としては、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフェニルボレートなどのアニオンとの芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩などのオニウム塩や、芳香族ジアゾニウム塩、メタロセン塩などの光カチオン重合開始剤(光酸発生剤)などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、必要に応じて、その他の配合成分を使用することができる。その他の配合成分としては、アゾタイプ化学的発泡剤や熱膨張性マイクロバルーンなどの膨張剤、アラミド系パルプなどの繊維パルプ、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定化剤(ゲル化防止剤)、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、減粘剤、低収縮剤、有機質充填剤、熱可塑性樹脂、乾燥剤、分散剤等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分を主成分とする硬化性樹脂組成物中に、ポリマー微粒子(B)を含有する組成物であり、好ましくは、ポリマー微粒子(B)が1次粒子の状態で分散した組成物である。
本発明には、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物が含まれる。ポリマー微粒子が一次粒子の状態で分散している硬化性樹脂組成物の場合には、これを硬化することによって、ポリマー微粒子が均一に分散した硬化物を容易に得ることができる。また、ポリマー微粒子が膨潤し難く、硬化性樹脂組成物の粘性が低いことから、硬化物を作業性よく得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、任意の方法によって塗布可能である。室温程度の低温で塗布可能であり、必要に応じて加温して塗布することも可能である。本発明の硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れる為に、加温して塗布する工法に特に有用である。
本発明の樹脂組成物を使用して、様々な基板同士を接着させる場合、例えば、木材、金属、プラスチック、ガラス等を接合することができる。自動車部品を接合することが好ましく、自動車フレーム同士の接合または自動車フレームと他の自動車部品との接合がより好ましい。基板としては、冷間圧延鋼や溶融亜鉛メッキ鋼などの鋼材、アルミニウムや被覆アルミニウムなどのアルミニウム材、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、CFRPやGFRP等の複合材料、等の各種のプラスチック系基板が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化温度は、特に限定はないが、一液型硬化性樹脂組成物として使用する場合には、50℃〜250℃が好ましく、80℃〜220℃がより好ましく、100℃〜200℃が更に好ましく、130℃〜180℃が特に好ましい。二液型硬化性樹脂組成物として使用する場合には、特に限定はないが、0℃〜150℃が好ましく、10℃〜100℃がより好ましく、15℃〜80℃が更に好ましく、20℃〜60℃が特に好ましい。
本発明の組成物は、取扱い性の点から、一液型の硬化性樹脂組成物であるのが好ましい。
先ず、実施例および比較例によって製造した硬化性樹脂組成物の評価方法について、以下説明する。
水性ラテックスに分散しているポリマー粒子の体積平均粒子径(Mv)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。測定は、水の屈折率、およびそれぞれのポリマー粒子の屈折率を入力し、計測時間600秒、Signal Levelが0.6〜0.8の範囲内になるように試料濃度を調整して行った。
硬化性樹脂組成物の粘度は、BROOKFIELD社製デジタル粘度計DV−II+Pro型を用いて測定した。スピンドルCPE−52を使用し、23℃で測定した。
製造例1−1;ポリブタジエンゴムラテックス(R−1)の調製
100L耐圧重合機中に、脱イオン水200質量部、リン酸三カリウム0.03質量部、リン酸二水素カリウム0.25質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002質量部、硫酸第一鉄・7水和塩(FE)0.001質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDS)1.5質量部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン(BD)100質量部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.015質量部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.04質量部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、PHP0.01質量部、EDTA0.0015質量部およびFE0.001質量部を投入した。重合10時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴム粒子を含むラテックス(R−1)を得た。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は0.10μmであった。
100L耐圧重合機中に、製造例1−1で得たポリブタジエンゴムラテックス(R−1)を固形分で7質量部、脱イオン水200質量部、リン酸三カリウム0.03質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002質量部、および硫酸第一鉄・7水和塩(FE)0.001質量部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン(BD)93質量部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.02質量部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.10質量部を投入し重合を開始した。重合開始から24時間目まで3時間おきに、それぞれ、PHP0.025質量部、EDTA0.0006質量部およびFE0.003質量部を投入した。重合30時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴム粒子を含むラテックス(R−2)を得た。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は0.20μmであった。
製造例2−1;コアシェルポリマーラテックス(L−1)の調製
3Lガラス容器に、製造例1−1で得たラテックス(R−1)1575質量部(ポリブタジエンゴム粒子510質量部相当)および脱イオン水315質量部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024質量部、FE0.006質量部、SFS1.2質量部を加えた後、グラフトモノマー(スチレン(ST)30質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)40質量部)、およびクメンヒドロパーオキサイド(CHP)0.3質量部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマーのラテックス(L−1)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.11μmであった。
3Lガラス容器に、製造例1−2で得たラテックス(R−2)1575質量部(ポリブタジエンゴム粒子510質量部相当)および脱イオン水315質量部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024質量部、FE0.006質量部、SFS1.2質量部を加えた後、グラフトモノマー(スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)15質量部、メチルメタクリレート(MMA)15質量部)、およびクメンヒドロパーオキサイド(CHP)0.3質量部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマーのラテックス(L−2)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.21μmであった。
製造例2−2において、グラフトモノマーとして<スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)15質量部、メチルメタクリレート(MMA)15質量部>の代わりに<スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、メチルメタクリレート(MMA)30質量部>を用いたこと以外は製造例2−2と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−3)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.21μmであった。
製造例2−2において、グラフトモノマーとして<スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)15質量部、メチルメタクリレート(MMA)15質量部>の代わりに<スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)30質量部>を用いたこと以外は製造例2−2と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−4)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.21μmであった。
製造例2−2において、グラフトモノマーとして<スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)15質量部、メチルメタクリレート(MMA)15質量部>の代わりに<スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)8質量部、メチルメタクリレート(MMA)22質量部>を用いたこと以外は製造例2−2と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−5)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.21μmであった。
製造例2−2において、グラフトモノマーとして<スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)15質量部、メチルメタクリレート(MMA)15質量部>の代わりに<スチレン(ST)40質量部、アクリロニトリル(AN)20質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)4質量部、メチルメタクリレート(MMA)26質量部>を用いたこと以外は製造例2−2と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−6)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.21μmであった。
製造例3−1;分散物(M−1)の調製
25℃の1L混合槽にメチルエチルケトン(MEK)132gを導入し、撹拌しながら、それぞれ前記製造例2−1〜2−5で得られたコアシェルポリマーの水性ラテックス(L−1)を132g(ポリマー微粒子40g相当)投入した。均一に混合後、水200gを80g/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、一部の水相を含む凝集体を残し、水相360gを槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にMEK90gを追加して均一に混合し、コアシェルポリマーを均一に分散した分散体を得た。この分散体に、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)80gを混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−1)を得た。
製造例3−1において、コアシェルポリマーの水性ラテックスとして(L−1)の代わりに(L−2)を用い、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828)を80gの代わりに60gを混合したこと以外は製造例3−1と同様にして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−2)を得た。
製造例3−1において、コアシェルポリマーの水性ラテックスとして(L−1)の代わりに(L−3)を用い、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828)を80gの代わりに60gを混合したこと以外は製造例3−1と同様にして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−3)を得た。
製造例3−1において、コアシェルポリマーの水性ラテックスとして(L−1)の代わりに(L−2)を用い、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828)80gの代わりにエポキシ樹脂(A−2:Huntsman製、Araldite GY 285:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂)60gを混合したこと以外は製造例3−1と同様にして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−4)を得た。
製造例3−1において、コアシェルポリマーの水性ラテックスとして(L−1)の代わりに(L−4)を用い、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828)を80gの代わりに60gを混合したこと以外は製造例3−1と同様にして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−5)を得た。
製造例3−1において、コアシェルポリマーの水性ラテックスとして(L−1)の代わりに(L−5)を用い、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828)を80gの代わりに60gを混合したこと以外は製造例3−1と同様にして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−6)を得た。
製造例3−1において、コアシェルポリマーの水性ラテックスとして(L−1)の代わりに(L−6)を用い、(A)成分であるエポキシ樹脂(A−1:三菱化学社製、JER828)を80gの代わりに60gを混合したこと以外は製造例3−1と同様にして、エポキシ樹脂にポリマー微粒子が分散した分散物(M−7)を得た。
(実施例1、比較例1)
表1に示す処方にしたがって、各成分をそれぞれ計量し、よく混合して硬化性樹脂組成物を得た。
硬化性樹脂組成物を、40℃で14日間貯蔵する前後で、Shear Rate(ずり速度)が2(s−1)における粘度を測定した。貯蔵安定性として、『貯蔵前の2(s−1)の粘度を100としたときの、貯蔵後の2(s−1)の粘度』の値を測定した。この値が大きいほど、貯蔵安定性が悪いことを表す。試験結果を表1に示す。
硬化性樹脂組成物を、寸法:25×200×0.5mmの2枚のSPCC鋼板に塗布し、接着層厚み0.25mmとなるように重ね合せ、170℃×1時間の条件で硬化させ、JIS K6854に従って、23℃でのT字剥離接着強さを測定した。試験結果を表1に示す。
硬化性樹脂組成物を2枚のSPCC鋼板に塗布し、接着層厚み0.25mmとなるように重ね合せ、170℃×1時間の条件で硬化させ、ISO 11343に従って、23℃での動的割裂抵抗力を測定した。試験結果を表1に示す。
<エポキシ樹脂(A)>
A−1:JER828(三菱化学製、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:184〜194)
<エポキシ樹脂(A)中にポリマー微粒子(B)が分散した分散物(M)>
M−1:前記製造例3−1で得られた分散物
<表面処理酸化カルシウム>
CML#31(近江化学工業製、脂肪酸で表面処理した酸化カルシウム)
≪無処理酸化カルシウム≫
CML#35(近江化学工業製、表面無処理の酸化カルシウム)
≪エポキシ反応性希釈剤(モノエポキシド)≫
Cardula E10P(Momentive製、バーサチック酸グリシジルエステル)
≪ヒュームドシリカ≫
CAB−O−SIL TS−720(CABOT製、ポリジメチルシロキサンで表面処理されたヒュームドシリカ)、
≪ウォラストナイト≫
NYAD 400(NYCO Minerals社製、平均繊維長:35μm、平均繊維径:7μm)
≪カーボンブラック≫
MONARCH 280(Cabot製)
<エポキシ硬化剤(D)>
Dyhard 100S(AlzChem製、ジシアンジアミド)
<硬化促進剤(E)>
Dyhard UR300(AlzChem製、1,1−ジメチル−3−フェニルウレア)
表2に示す処方にしたがって、各成分をそれぞれ計量し、よく混合して硬化性樹脂組成物を得た。
硬化性樹脂組成物を、40℃で7日間貯蔵する前後で、Shear Rate(ずり速度)が1(s−1)における粘度を測定した。貯蔵安定性として、『貯蔵前の1(s−1)の粘度を100としたときの、貯蔵後の1(s−1)の粘度』の値を測定した。この値が大きいほど、貯蔵安定性が悪いことを表す。試験結果を表2に示す。
硬化性樹脂組成物を2枚のSPCC鋼板に塗布し、接着層厚み0.25mmとなるように重ね合せ、155℃×25分の条件で硬化させ、ISO 11343に従って、23℃での動的割裂抵抗力を測定した。試験結果を表2に示す。
<エポキシ樹脂(A)>
A−2:Araldite GY 285(Huntsman製、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:164〜172)
A−3:JER1001(三菱化学社製、環球法による軟化点が64℃であるビスフェノールA型固体エポキシ樹脂、エポキシ当量:450〜500)
A−4:エポライト400P(共栄社化学製、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量:300〜330)
<エポキシ樹脂(A)中にポリマー微粒子(B)が分散した分散物(M)>
M−2〜4:前記製造例3−2〜4で得られた分散物
≪ゴム変性エポキシ樹脂≫
EPON Resin 58005(Momentive製、ゴム変性エポキシ樹脂、エラストマー濃度:40wt%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂濃度:60wt%、エポキシ当量:325〜375)
≪ブロックドウレタン≫
QR−9466(ADEKA製、ブロックドウレタン、ブロックNCO当量:220)
≪無処理軽質炭酸カルシウム≫
Silver−W(白石工業製、表面無処理軽質炭酸カルシウム、平均粒子径(長径):1.5μm)
≪無処理重質炭酸カルシウム≫
ホワイトンSB(白石カルシウム製、表面無処理重質炭酸カルシウム、平均粒子径:1.8μm)
≪表面処理重質炭酸カルシウム≫
ライトンA(白石カルシウム製、変成脂肪酸で表面処理した重質炭酸カルシウム、平均粒子径:1.8μm)
表3に示す処方にしたがって、各成分をそれぞれ計量し、よく混合して硬化性樹脂組成物を得た。
硬化性樹脂組成物を、40℃で7日間貯蔵する前後で、Shear Rate(ずり速度)が1(s−1)における粘度を測定した。貯蔵安定性として、『貯蔵前の1(s−1)の粘度を100としたときの、貯蔵後の1(s−1)の粘度』の値を測定した。この値が大きいほど、貯蔵安定性が悪いことを表す。試験結果を表3に示す。
硬化性樹脂組成物を、寸法:25×200×0.5mmの2枚のSPCC鋼板に塗布し、接着層厚み0.25mmとなるように重ね合せ、170℃×40分の条件で硬化させ、JIS K6854に従って、23℃でのT字剥離接着強さを測定した。試験結果を表3に示す。
硬化性樹脂組成物を2枚のSPCC鋼板に塗布し、接着層厚み0.25mmとなるように重ね合せ、170℃×40分の条件で硬化させ、ISO 11343に従って、23℃での動的割裂抵抗力を測定した。試験結果を表3に示す。
<エポキシ樹脂(A)中にポリマー微粒子(B)が分散した分散物(M)>
M−5〜7:前記製造例3−5〜7で得られた分散物
≪ゴム変性エポキシ樹脂≫
HyPox RA1340(CVC製、ゴム変性エポキシ樹脂、エラストマー濃度:40wt%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂濃度:60wt%、エポキシ当量:325〜375)
Claims (17)
- エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、コアシェル構造を有するポリマー微粒子(B)1〜100質量部、表面処理した酸化カルシウム(C)0.1〜10質量部、を含有する硬化性樹脂組成物。
- (C)成分の表面処理剤が脂肪酸であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
- (C)成分100質量部に対して、表面無処理の酸化カルシウムの含有量が20質量部以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- (C)成分100質量部に対して、表面無処理の酸化カルシウムを実質的に含有しないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分100質量部に対して、更に、エポキシ硬化剤(D)1〜80質量部を含有する事を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分100質量部に対して、更に、硬化促進剤(E)0.1〜10質量部を含有する事を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、ジエン系ゴム、(メタ)アクリレート系ゴム、及びポリシロキサン系ゴムよりなる群から選択される1種以上のコア層を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記ジエン系ゴムが、ブタジエンゴム、および/または、ブタジエン−スチレンゴムであることを特徴とする請求項7に記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、芳香族ビニルモノマー、ビニルシアンモノマー、(メタ)アクリレートモノマー、よりなる群から選択される1種以上のモノマー成分を、コア層にグラフト重合してなるシェル層を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、エポキシ基を有するモノマー成分を、コア層にグラフト重合してなるシェル層を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分中のエポキシ基の含有量が、0.01〜0.8mmol/gであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分が、該硬化性樹脂組成物中で1次粒子の状態で分散していることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分100質量部に対して、更に、表面処理した炭酸カルシウム1〜100質量部を含有する事を特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1から13のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
- 請求項1から13のいずれかに記載の一液型硬化性樹脂組成物。
- 請求項1から13のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を用いてなる構造接着剤。
- 請求項1から13のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を用いてなる車両用構造接着剤。
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