JP2016198885A - 射出成形用金型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つの金型でシボ模様の有無を選択したり、シボ模様のバリエーションを増やすことができ、金型のキャビティやコアから成形品を取り出す際の抜き角度が小さくても、深いシボ付けが可能にする装置の提供。【解決手段】固定型2及び可動型3から成る射出成形用金型装置1であって、熱可塑性樹脂成形品のシボ加工部位21にシボ加工を施す為に、固定型2に形成されたシボ加工部位21の形状に嵌合するように予備賦形され、シボ加工を施す面にシボ模様転写面が形成され、キャビティ内を流動する溶融樹脂の樹脂温度より高い耐熱温度であると共に、固定型2のシボ加工部位21に嵌合した際、その部位から変形させなければ外れない様な可撓性及び適度な剛性を有する厚みの熱可塑性樹脂から成るシボシート4と、固定型2に設けられ、シボシート4の溶融樹脂の流入側の端部に延設された引掛け部41が係止される溝状凹部22とを有する射出成形用金型装置1。【選択図】図2

Description

本発明は、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填することで熱可塑性樹脂成形品を成形する射出成形用金型装置に係り、特に、熱可塑性樹脂成形品の一部にシボ模様を転写するための射出成形用金型装置に関する。
従来から、樹脂成形品に装飾効果の高いシボ模様を形成するために、例えば、シボ加工用金型や、フィルムインサート成形用加飾フィルムが開示されている。
シボ加工用金型は図6(A)に示すように、キャビティ51を形成する面にシボ模様転写面51aが形成されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなシボ加工用金型50は図6(B)に示すように、キャビティ51内に溶融樹脂を射出させることにより、当該キャビティ51のシボ模様転写面51aに溶融樹脂が流れるので、シボ面が形成された樹脂成形品60を得ることができる。
また、シボ加工用金型は、成型型のキャビティにシボ模様転写面を有するシボシートが接着材で貼着されている(例えば、特許文献2参照。)。このようなシボ加工用金型は、板状の製品芯材をシボ加工用金型内に設置後、キャビティ内の空気を吸引することで製品芯材を真空成形することにより、当該製品芯材をシボシートのシボ模様転写面に接触させることで、シボ面が形成された樹脂成形品を得ることができる。
また、フィルムインサート成形用加飾フィルムは、凹凸模様が設けられた賦形層フィルムと、当該凹凸模様に密着させる保護層フィルムとから成り、賦形層フィルムの材料は、保護層フィルムとの間で弱接着状態になる熱可塑性樹脂である(例えば、特許文献3参照。)。このようなフィルムインサート成形用加飾フィルムは、フィルムインサート成形により、金型内にインサートされた賦形層フィルムが金型内に射出された溶融樹脂と接合する。したがって、脱型後に保護層フィルムを賦形層フィルムから剥離することで、凹凸模様で加飾された樹脂成形品を得ることができる。
特開平7−156196号公報 特開2005−28785号公報 特開2013−43417号公報
しかしながら、背景技術に記載したキャビティ51にシボ模様転写面が形成されているシボ加工用金型では図6(B)に示すように、製品形状によっては金型のキャビティ51から成形品60を取り出す際の抜き角度αが小さくなる場合があるので、深いシボ付けが不可能になる難点があった。また、同一形状の製品において、シボ模様を有する製品やシボ模様を有さない製品が設定されている場合には、その製品毎に専用型が必要になる難点があった。
また、背景技術に記載したシボシートを利用するシボ加工用金型では、成型型のキャビティにシボシートが接着材で貼着されているので、他のシボ模様に変更するにあたり、容易にはシボシートを変更することができない難点があった。
また、背景技術に記載したフィルムインサート成形用加飾フィルムでは、賦形層フィルムを樹脂に接合することにより凹凸模様で加飾された樹脂成形品にしていることから、成形時に凹凸模様が押し潰されないようにするための保護層フィルムが必須部品になる難点があった。即ち、材料費のコストが上がる一要因となる。
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、1つの金型を使用して簡単な段取り作業でシボ模様の有無を選択したり、シボ模様のバリエーションを増やしたりすることができ、而も金型のキャビティやコアから成形品を取り出す際の抜き角度が小さくても、深いシボ付けが可能になる射出成形用金型装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した目的を低コストで実現できる射出成形用金型装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成する本発明の第1の態様である射出成形用金型装置は、キャビティの一方側を形成する固定型と、キャビティの他方側を形成する可動型とを有し、固定型と可動型とを型締めした状態で当該固定型と当該可動型との間に画成されたキャビティ内に溶融樹脂を射出充填することで、熱可塑性樹脂成形品を成形するものである。なお、本明細書において、「画成」とは境界を定めて作ることを意味する。
また、熱可塑性樹脂成形品のシボ加工部位にシボ加工を施すために、固定型及び可動型の何れか一方に形成されたシボ加工部位の形状に沿って嵌合するように予備賦形されると共に、シボ加工を施す面にシボ模様転写面が形成され、且つ、キャビティ内を流動する溶融樹脂の樹脂温度より高い耐熱温度であると共に、固定型及び可動型の何れか一方に嵌合した際、その部位から変形させなければ外れないような可撓性及び適度な剛性を有する厚みの熱可塑性樹脂から成るシボシートを有するものである。なお、本明細書において、「嵌合」とは形状が合ったものを嵌め合わせることを意味する。また、本明細書において、「賦形」とは素材を削らずに変形させて製品を成形することを意味する。
さらに、固定型及び可動型の何れか一方に設けられ、シボシートの溶融樹脂の流入側の端部に延設された引掛け部が係止される溝状凹部を有するものである。なお、本明細書において、「延設」とは延びた状態で設けることを意味する。また、本明細書において、「係止」とは係り合って止めることを意味する。
このような第1の態様である射出成形用金型装置は、例えば、熱可塑性樹脂成形品のシボ加工を施すシボ加工部位が形成された型が固定型の場合、射出成形前における型開き時に、予め固定型に形成されたシボ加工部位にシボシートを嵌合させると共に、このシボシートの引掛け部を固定型に設けられた溝状凹部に係止させる。この際、シボシートは、固定型に形成されたシボ加工部位に沿って嵌合するように予備賦形され、且つシボ加工部位に嵌合した際、当該シボ加工部位から変形させなければ外れないような可撓性及び適度な剛性を有する厚みの熱可塑性樹脂から成るので、シボシートをシボ加工部位の形状に沿わせた状態で容易には外れないように嵌合させることができ、而も引掛け部を溝状凹部の凹部内面に面接触させることができる。
この状態で、金型を型締めして射出成形機から溶融樹脂を射出すると、シボシートの溶融樹脂の流入側の端部に延設された引掛け部が固定型の溝状凹部に係止されているので、当該引掛け部は溝状凹部に充填される溶融樹脂により凹部内面に対して押圧される。したがって、引掛け部が溶融樹脂によってめくれることを防ぐことができるので、シボシートを固定型のシボ加工部位に接着材で貼着しなくても、溶融樹脂が固定型のシボ加工部位とシボシートとの間に回り込んでしまうことを防ぐことができる。
また、キャビティ内に溶融樹脂を充填した状態でその樹脂を冷却後、型開きしてキャビティ内で固化した熱可塑性樹脂成形品を取り出すが、シボシートは固定型のシボ加工部位に嵌合されると共に引掛け部が固定型の溝状凹部に係止されているだけなので、シボシートがそのシボの凹凸によって係合している熱可塑性樹脂成形品を、固定型のシボ加工部位から脱型することができる。熱可塑性樹脂成形品を脱型後、熱可塑性樹脂成形品からシボシートを引き剥がすだけで、シボ模様で加飾されたシボ加工部位を有する熱可塑性樹脂成形品を得ることができる。
本発明の第2の態様は第1の態様である射出成形用金型装置において、溝状凹部が形成された固定型又は可動型の幅方向に延びる第1のリブ状凸部の下側側面が溝状凹部の上側側面として設けられ、溝状凹部が形成された固定型又は可動型の幅方向に延びる第2のリブ状凸部の上側側面が溝状凹部の下側側面として設けられているものである。また、引掛け部は第2のリブ状凸部を覆うように形成されているものである。
このような第2の態様である射出成形用金型装置によれば、引掛け部は第2のリブ状凸部を覆うように形成されているので、引掛け部を第2のリブ状凸部の形状に沿わせた状態で当該第2のリブ状凸部に密着させることができる。
本発明の第3の態様は第1の態様又は第2の態様である射出成形用金型装置において、引掛け部の先端部は、溝状凹部の最深部に当接されているものである。このような第3の態様である射出成形用金型装置によれば、溝状凹部内において溶融樹脂が押圧する引掛け部の面積が大きくなるので、より確実に引掛け部を溝状凹部の凹部内面に押さえ付けることができる。
本発明の第4の態様は第1の態様乃至第3の態様のうち何れか1つの態様である射出成形用金型装置において、シボシートの材料はポリカーボネートである。このような第4の態様である射出成形用金型装置によれば、シボシートの材料として可撓性及び適度な剛性と共に耐久性を有するポリカーボネートとすることで、当該シボシートを、シボ加工部位を有する固定型及び可動型の何れか一方に嵌合した際、その部位から容易には外れないようにすることができると共に、繰り返し使用することができるようになる。
本発明の射出成形用金型装置によれば、1つの金型を使用して簡単な段取り作業でシボ模様の有無を選択したり、シボ模様のバリエーションを増やしたりすることができ、而も金型のキャビティやコアから成形品を取り出す際の抜き角度が小さくても、深いシボ付けが可能になる。
本発明の射出成形用金型装置で成形される熱可塑性樹脂成形品の具体例であるフロントバンパを示す図で、(A)はゲートの配置位置を金型の上部に配置した正面図、(B)は(A)のA−A断面図である。 本発明の射出成形用金型装置の好ましい実施の形態例を示す簡易断面図で、(A)はシボシートを示す図、(B)はシボシートが組み込まれた固定型と、固定型に対して開閉する可動型とを示す図である。 (A)は図1の射出成形用金型装置の動作状態を示す簡易断面図、(B)は熱可塑性樹脂成形品とシボシートとの関係を示す簡易断面図である。 金型内における溶融樹脂の流動状態を示す説明図で、(A)は溶融樹脂の流速分布の図、(B)は溶融樹脂の流動特性の図、(C)は本発明の射出成形用金型装置の特徴を表わす溶融樹脂の流動特性の図である。 金型内における溶融樹脂の流動状態を示す説明図で、(A)は本発明の射出成形用金型装置における溶融樹脂の流動特性の図、(B)は本発明の射出成形用金型装置において、固定型に溝状凹部が設けられていない場合の溶融樹脂の流動特性の図である。 従来の射出成形用金型であるシボ加工用金型を示す簡易断面図である。
以下、本発明の射出成形用金型装置を実施するための形態例について、図面を参照して説明する。本発明の射出成形用金型装置で射出成形される熱可塑性樹脂成形品は、例えば、図1(A)に示すような自動車のフロントバンパ10に好適である。このフロントバンパ10は、上部にフロントグリル11が形成され、このフロントグリル11の中央上方部分に楕円形状のエンブレムの取付け面12が形成されている。また、フロントグリル11には、エンブレムの取付け面12の下端部に接した状態で車幅方向に延設されるシボ部11aが形成されている。このシボ部11aは図1(B)に示すように、車両前方側に突出するように湾曲した凸部で形成されている。
このように形成されたフロントバンパ10を成形するための本発明の射出成形用金型装置1は図2(A)に示すように、キャビティC(図5(A)参照。)の一方側を形成する固定型2と、キャビティCの他方側を形成する可動型3とを有し、固定型2と可動型3とを型締めした状態で当該固定型2と当該可動型3との間に画成されたキャビティC内に溶融樹脂を射出充填することでフロントバンパ10を成形するものである。
また、本発明の射出成形用金型装置は図2(A)、(B)に示すように、フロントバンパ10のシボ部11aにシボ加工を施すために、シボ加工部位21が形成された固定型2に、予めシボシート4を嵌合させておくものである。なお、フロントバンパ10は車両前方側に突出するように湾曲した凸部で形成されているので、固定型2のシボ加工部位21は凹状に形成され、可動型3のシボ加工部位31は凸状に形成されている。
シボシート4は、凹状に形成されたシボ加工部位21の形状に沿って嵌合するように予備賦形されると共に、シボ加工を施す面にシボ模様転写面が形成され、且つ、キャビティC内を流動する溶融樹脂の樹脂温度より高い耐熱温度であると共に、凹状に形成されたシボ加工部位21に嵌合した際、その部位から変形させなければ外れないような可撓性及び適度な剛性を有する厚みの熱可塑性樹脂から成るものである。
このシボシート4を、凹状に形成されたシボ加工部位21の形状に沿って嵌合するように予備賦形するには、例えば、真空成形が好適である。真空成形は、予め、熱可塑性樹脂の板を熱軟化させ、その熱軟化された熱可塑性樹脂を金型に押し当てた状態で、金型の要所に穿孔された細穴から空気を抜いて真空状態にして当該金型に密着させることで、所望の形状の熱可塑性樹脂成形品を作る成形法である。このように、真空成形は、金型は片面だけでよいので、金型代が安価になると共に、薄物の成形品には好適である。なお、シボ模様転写面は、予め真空成形前に熱可塑性樹脂の板に形成されている。
このようなシボシート4の材料は、凹状に形成されたシボ加工部位21に嵌合した際、その部位から変形させなければ外れないような可撓性及び適度な剛性を有する厚みにするために、例えば、ポリカーボネートが好適である。ポリカーボネートは、機械的強度が高いと共に、耐熱性及び可撓性に優れているからである。特に、耐熱性に優れているので、フロントバンパ等の自動車部品や家庭用電気部品のパネル、ハウジングに使用される熱可塑性樹脂(ポリプロピレン(PP)、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等)には好適である。即ち、ポリカーボネートは、これら熱可塑性樹脂の溶融樹脂がキャビティ内を流動する樹脂温度より高い耐熱温度になるからである。
なお、熱可塑性樹脂の溶融樹脂がキャビティC内を流動すると、溶融樹脂の樹脂温度より型温度が低い金型と接することにより当該溶融樹脂の樹脂温度が射出成形機で設定した成形温度より低下するので、シボシート4の材料は多種類の熱可塑性樹脂から選択することが可能になるが、その中でも成型品の材料である熱可塑性樹脂とは相溶性のない熱可塑性樹脂が好ましい。
また、ポリカーボネートは、機械的強度が高いと共に可撓性に優れているので、シボシート4を凹状に形成されたシボ加工部位21に対して容易に変形させて着脱可能な厚み(例えば、0.5mm)にすることができる。
このように、シボシート4の材料として可撓性及び適度な剛性と共に耐久性を有するポリカーボネートとすることで、当該シボシート4を凹状に形成されたシボ加工部位21に嵌合した際、その部位から変形させなければ外れないようにすることができると共に、繰り返し使用することができるようになる。
また、シボシート4の溶融樹脂の流入側の端部には引掛け部41が延設されている。この引掛け部41は、固定型2に設けられた溝状凹部22に係止されるものである。溝状凹部22は、具体的には、溝状凹部が形成された固定型2の幅方向に延びる第1のリブ状凸部22aの下側側面が溝状凹部22の上側側面として設けられ、溝状凹部22が形成された固定型2の幅方向に延びる第2のリブ状凸部22bの上側側面が溝状凹部22の下側側面として設けられている。また、引掛け部41は第2のリブ状凸部22bを覆うように形成されている。さらに、引掛け部41の先端部41aは、溝状凹部22の最深部に当接されているとよい。
このように構成された射出成形用金型装置1による射出成形加工について、図3(A)、(B)、図4(A)、(B)、(C)を参照しながら説明する。なお、本発明の射出成形用金型装置1で射出成形される熱可塑性樹脂成形品はポリプロピレンから成るフロントバンパ10で、シボシート4は厚さ0.5mmのポリカーボネートである。また、キャビティC内に溶融樹脂を注入するためのゲートG1、G2、G3は図1(A)に示してある。即ち、溶融樹脂が金型の上部から下方に位置するキャビティCに向かって図示しないランナーを介して射出充填される。
本発明の射出成形用金型装置1は図3(A)に示すように、射出成形前における型開き時に、予め固定型2が有する凹状に形成されたシボ加工部位21にシボシート4を嵌合させると共に、このシボシート4の引掛け部41を固定型2に設けられた溝状凹部22に係止させる(ステップ101)。この際、シボシート4は、凹状に形成されたシボ加工部位21に沿って嵌合するように予備賦形され、且つ凹状に形成されたシボ加工部位21に嵌合した際、当該凹状に形成されたシボ加工部位21から変形させなければ外れないような可撓性及び適度な剛性を有する厚みの熱可塑性樹脂から成るので、シボシート4を凹状に形成されたシボ加工部位21の形状に沿わせた状態で容易には外れないように嵌合させることができ、而も引掛け部41を溝状凹部22の凹部内面に面接触させることができる。
この状態で、金型を型締めして射出成形機から溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂はゲートG1、G2、G3からランナーを介してキャビティC内に射出充填される(ステップ102)。この際、溶融樹脂は図4(A)に示すように、流速分布が型の壁面23、24に接触する部分の流速は早期にゼロになるが、肉厚方向中心部の樹脂は熱い状態なので、流れが速くなっている。これは図4(B)に示すように、溶融樹脂の樹脂温度より型温度が低い金型と接する部分は冷やされて固化層SLになるが、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂の熱伝導率は低いので、熱い流動層FBの熱は固化層SLに対しては非常にゆっくりとしか伝わらないからである。
したがって、流動層FBは固化層SLを型の壁面23、24に押さえ付けながら充填されるので、図4(C)に示すように、溶融樹脂は矢印F1と共に矢印F2にも流れ込む。この際、溝状凹部22に流れ込む矢印F2の溶融樹脂は、キャビティC内に流れ込む矢印F1の溶融樹脂より流動面積が広くなることにより、キャビティC内より圧力が低くなる溝状凹部22に先に流れ込んで充填されるので、当該溝状凹部22内においては、溶融樹脂の動きが止まり、封止される。
なお、溝状凹部22は、フロントバンパ10の意匠に基づき設計することになるが、この場合、フロントバンパ本体の肉厚や経済性を考慮した大きさにすることで、キャビティCより溝状凹部22に先に流れ込んで充填される。
このことから、溝状凹部22内に充填された溶融樹脂によって、溝状凹部22内の上下面及び壁面に対して圧力が加わることになると共に、シボシート4の溶融樹脂の流入側の端部に延設された引掛け部41が溝状凹部22に係止されているので、当該引掛け部41は溝状凹部22に充填される溶融樹脂により凹部内面に対して押圧される。
即ち、図5(A)に示すように、引掛け部41が溶融樹脂MRによってめくれることを防ぐことができるので、シボシート4を固定型2の凹状に形成されたシボ加工部位21に接着材で貼着しなくても、溶融樹脂MRが固定型2の凹状に形成されたシボ加工部位21とシボシート4との間に回り込んでしまうことを防ぐことができる。さらに、シボシート4は溶融樹脂MRによって凹状に形成されたシボ加工部位21から浮き上がることはないので、フロントバンパの全体に亘り必要な肉厚を確保することができる。なお、図5(B)に示すように、固定型2に溝状凹部が設けられていないと、溶融樹脂MRがシボシート4の端部と固定型2の凹状に形成されたシボ加工部位21との間に容易に流入することになるので、当該シボシート42の端部が浮き上がることになる。
このように、キャビティC内に溶融樹脂を充填した状態でその樹脂を冷却後、型開きしてキャビティC内で固化したフロントバンパを取り出すが(ステップ103)、シボシート4は固定型2の凹状に形成されたシボ加工部位21に嵌合されると共に引掛け部41が固定型2の溝状凹部22に係止されているだけなので、シボシート4がそのシボの凹凸によって係合しているフロントバンパ10を、固定型2の凹状に形成されたシボ加工部位21から容易に脱型することができる。フロントバンパ10を脱型後、図3(B)に示すように、フロントバンパ10からシボシート4を引き剥がすだけで、シボ模様で加飾されたシボ部11aを有するフロントバンパ10を得ることができる(ステップ104)。したがって、固定型2の凹状に形成されたシボ加工部位21から成形品を取り出す際の抜き角度が小さくても、深いシボ付けが可能になる。
なお、溝状凹部22が形成された固定型2の幅方向に延びる第1のリブ状凸部22aの下側側面が溝状凹部22の上側側面として設けられ、溝状凹部22が形成された固定型2の幅方向に延びる第2のリブ状凸部22bの上側側面が溝状凹部22の下側側面として設けられ、引掛け部41が第2のリブ状凸部22bを覆うように形成されていれば、引掛け部41を第2のリブ状凸部22bの形状に沿わせた状態で当該第2のリブ状凸部22bに密着させることができる。したがって、キャビティC内に溶融樹脂を充填した際に、その溶融樹脂の流動作用によって引掛け部41がずれてしまうことを防ぐことができるので、より確実に引掛け部41が溶融樹脂によってめくれることを防ぐことができる。
また、引掛け部41の先端部41aは、溝状凹部22の最深部に当接されているとよい。引掛け部41の先端部41aを溝状凹部22の最深部に当接させることで、溝状凹部22内において溶融樹脂が押圧する引掛け部41の面積が大きくなるので、より確実に引掛け部41を溝状凹部22の凹部内面に押さえ付けることができる。
このように、本発明の射出成形用金型装置によれば、シボシート4を固定型2の凹状に形成されたシボ加工部位21及び溝状凹部22に嵌脱するだけなので、1つの金型を使用して簡単な段取り作業でシボ模様の有無を選択したり、シボ模様のバリエーションを増やしたりすることができるようになる。また、このような効果を有する本発明の射出成形用金型装置1は、上述したような構成なので低コストで実現できる。
また、上述した実施例においては、固定型2に溝状凹部22を設けると共に当該固定型2の凹状に形成されたシボ加工部位21にシボシート4を嵌合させていたが、これに限らず、可動型3に溝状凹部を設けると共に当該可動型の凸状に形成されたシボ加工部位にシボシート4を嵌合させても同様の作用、効果を得ることができる。
即ち、可動型3の凸状に形成されたシボ加工部位の形状に沿って嵌合するように予備賦形されると共に、シボ加工部位を形成する面にシボ模様転写面が形成され、且つ、キャビティ内を流動する溶融樹脂の樹脂温度より高い耐熱温度であると共に、凸状に形成されたシボ加工部位に嵌合した際、その部位から変形させなければ外れないような可撓性及び適度な剛性を有する厚みの熱可塑性樹脂から成るシボシートを有することになる。また、凸状に形成されたシボ加工部位に設けられ、シボシートの溶融樹脂の流入側の端部に延設された引掛け部が係止される溝状凹部を有することになる。
また、上述した実施例においては、固定型の凹状に形成されたシボ加工部位又は可動型の凸状に形成されたシボ加工部位にシボシートを嵌合させていたが、これに限らず、固定型又は可動型がシボシートを嵌合させることができるようなキャビティ構造になっていれば、シボ加工部位は平板状のものでもよい。即ち、シボシートを平板状に形成されたシボ加工部位に嵌合した際、その部位から変形させなければ外すことができないキャビティ構造である。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
1……射出成形用金型装置
2……固定型
21……シボ加工部位
22……溝状凹部
22a……第1のリブ状凸部
22b……第2のリブ状凸部
3……可動型
4……シボシート
10……フロントバンパ(熱可塑性樹脂成形品)

Claims (4)

  1. キャビティの一方側を形成する固定型と、前記キャビティの他方側を形成する可動型とを有し、前記固定型と前記可動型とを型締めした状態で当該固定型と当該可動型との間に画成された前記キャビティ内に溶融樹脂を射出充填することで、熱可塑性樹脂成形品を成形する射出成形用金型装置において、
    前記熱可塑性樹脂成形品のシボ加工部位にシボ加工を施すために、前記固定型及び前記可動型の何れか一方に形成された前記シボ加工部位の形状に沿って嵌合するように予備賦形されると共に、前記シボ加工を施す面にシボ模様転写面が形成され、且つ、前記キャビティ内を流動する前記溶融樹脂の樹脂温度より高い耐熱温度であると共に、前記固定型及び前記可動型の何れか前記一方に嵌合した際、その部位から変形させなければ外れないような可撓性及び適度な剛性を有する厚みの熱可塑性樹脂から成るシボシートと、
    前記固定型及び前記可動型の何れか前記一方に設けられ、前記シボシートの前記溶融樹脂の流入側の端部に延設された引掛け部が係止される溝状凹部と、を有することを特徴とする射出成形用金型装置。
  2. 前記溝状凹部が形成された前記固定型又は前記可動型の幅方向に延びる第1のリブ状凸部の下側側面が前記溝状凹部の上側側面として設けられ、前記溝状凹部が形成された前記固定型又は前記可動型の幅方向に延びる第2のリブ状凸部の上側側面が前記溝状凹部の下側側面として設けられ、前記引掛け部は前記第2のリブ状凸部を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1記載の射出成形用金型装置。
  3. 前記引掛け部の先端部は、前記溝状凹部の最深部に当接されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の射出成形用金型装置。
  4. 前記シボシートの材料はポリカーボネートであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載の射出成形用金型装置。
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