JP2016196376A - シート処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートを綴じた際、小型で、かつ簡易な構成でシートの歯への付着を防ぐことのできるシート処理装置を提供する。【解決手段】複数のシートを下歯10214及び上歯10210により噛み込んで綴じる綴じ部102Bを、複数のシートを噛み込んで綴じる綴じ位置及びシートの噛み込みを解除する解放位置に駆動する。そして、綴じ部102Bが綴じ位置から解放位置に移動するとき、綴じられたシートを、剥がし板バネ10215により、少なくとも下歯10214から剥がす方向に押圧する。【選択図】図4

Description

本発明は、シートに対し綴じ等の処理を行うシート処理装置に関する。
従来、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、画像を形成したシートに対し綴じ等の処理を行うシート処理装置を備えたものがある。このような画像形成装置では、シート処理装置によりシート束を綴じる場合、一般的には金属製の綴じ針を用いてシート束を綴じるようにしている。そして、このような綴じ針を用いたステイプル処理は、複数の出力紙をユーザが指定した位置で確実に綴じることができるため、多くのシート処理装置に採用されている。
しかし、金属製の綴じ針を使うステイプル処理は、確実にシート束を綴じることができるが、一度綴じたものを解除するためには、専用の工具を使わなければならない。また、ステイプル処理したシートをシュレッダーにかける際には、綴じ針をはずす作業が必要となり、針綴じされたシート束をリサイクルする場合も綴じ針を取り除き、シートと綴じ針を分別して回収しなければならない。
このため、従来のシート処理装置においては、リサイクル性を重視し、綴じ針を使用することなくシートを綴じるようにしたものが提案されている。このようなシート処理装置としては、例えば山型の上歯と谷型の下歯を備えた綴じ部により、シート束に綴じ処理を施すものがある(特許文献1及び2参照)。
このシート処理装置では、シートを束ねて整合した後、綴じ部の下歯と上歯を噛み合わせてシート束の一部に厚さ方向の凹凸を形成することにより、シート束の重なり合うシートの互いの繊維を絡ませ合うことでシート束を綴じるようにしている。つまり、このシート処理装置では、繊維性のシートを、綴じ針を用いることなく綴じるようにしている。なお、以下、このような綴じ針を用いることなく繊維性のシートの束を綴じる綴じ方を、針無し綴じという。
特開2010−189101号公報 特開2011−201653号公報
しかし、このような従来のシート処理装置において、シートをよりしっかりと締結させるため加圧する力を増加させると、歯にシート束が付着する現象が発生する。歯にシート束が付着すると、例えば次工程へのシート束の搬送の妨げとなるなどの問題が生じる。
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シートを綴じた際、シートの歯への付着を防ぐことのできるシート処理装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、第1の部材と第2の部材とを有し、前記第1の部材と前記第2の部材とでシート束を挟持して、厚さ方向でシート束を変形させてシート束を綴じる綴じ手段と、綴じられたシート束を前記第2の部材の方へ押圧して前記第1の部材から綴じられたシート束を剥がす剥がし手段と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明のように、剥がし手段により、綴じられたシート束を第2の部材の方へ押圧して第1の部材から綴じられたシート束を剥がすことにより、シートを綴じた際、小型で、かつ簡易な構成でシートの歯への付着を防ぐことができる。
本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の構成を示す図。 上記シート処理装置であるフィニッシャを説明する図。 上記フィニッシャに設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図。 上記針無し綴じユニットの動作を説明する図。 上記針無し綴じユニットの下歯と上歯の形状を説明する図。 上記画像形成装置の制御ブロック図。 上記フィニッシャの制御ブロック図。 上記フィニッシャのシート綴じ処理動作を説明する図。 上記フィニッシャのフィニッシャ制御部の針無し綴じ動作制御を説明するフローチャート。 上記下歯と上歯の表面の状態を模式的に示した図。 上記針無し綴じユニットに設けられた剥がし板バネを説明する図。 上記剥がし板バネの剥がし可能領域と、剥がし不能領域を示す図。 上記下歯と剥がし板バネとの位置関係を示した図。 上記剥がし板の針無し綴じ動作時の状態を説明する図。 本発明の第2の実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図。 上記針無し綴じユニットに設けられた剥がし板の針無し綴じ動作時の状態を説明する図。 本発明の第3の実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図。 上記針無し綴じユニットに設けられた剥がし板の針無し綴じ動作時の状態を説明する図。 本発明の第4の実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図。 上記針無し綴じユニットに設けられた剥がしピンの針無し綴じ動作時の状態を説明する図。 本発明の第5の実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図。 上記針無し綴じユニットの要部拡大図。 上記針無し綴じユニットに設けられた剥がし板の針無し綴じ動作時の状態を説明する図。 本発明の第6の実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の構成を示す図である。図1において、900は画像形成装置、900Aは画像形成装置本体(以下、装置本体という)、900Bはシートに画像を形成する画像形成部である。950は、装置本体900Aの上部に設けられ、原稿搬送装置950Aを備えた画像読取装置である。100は装置本体900Aの上面と画像読取装置950の間に配置されたシート処理装置であるフィニッシャである。
画像形成部900Bは、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー画像を形成する感光体ドラムa〜dと、画像情報に基づいてレーザビームを照射して感光体ドラム上に静電潜像を形成する露光装置906を備えている。なお、この感光体ドラムa〜dは不図示のモータにより駆動されると共に、周囲には、それぞれ不図示の一次帯電器、現像器、転写帯電器が配置されており、これらはプロセスカートリッジ901a〜901dとしてユニット化されている。
また、画像形成部900Bは、矢印方向に回転駆動される中間転写ベルト902、順次中間転写ベルト902に形成されたフルカラー画像をシートPに転写する2次転写部903等を備えている。そして、この中間転写ベルト902に転写帯電器902a〜902dによって転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム上の各色トナー像が順次中間転写ベルト902に多重転写される。これにより、中間転写ベルト上にはフルカラー画像が形成される。
2次転写部903は、中間転写ベルト902を支持する2次転写対向ローラ903b及び中間転写ベルト902を介して2次転写対向ローラ903bと当接する2次転写ローラ903aとから構成される。なお、図1において、909はレジストレーションローラ、904は給紙カセット、908は給紙カセット904に収容されたシートPを給送するピックアップローラである。200は装置本体900A及びフィニッシャ100の制御を司る制御部であるCPU回路部である。
次に、このように構成された画像形成装置900の画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、まず不図示のパソコン等からの画像情報に基づき露光装置906はレーザ光を照射し、表面が所定の極性・電位に一様に帯電されている感光体ドラムa〜dの表面を順次露光して感光体ドラムa〜dに静電潜像を形成する。この後、この静電潜像をトナーにより現像し、可視化する。
例えば、まず感光体ドラムaに、原稿のイエロー成分色の画像信号によるレーザ光を露光装置906のポリゴンミラー等を介して照射し、感光体ドラムa上にイエローの静電潜像を形成する。そして、このイエローの静電潜像を、現像器からのイエロートナーにより現像し、イエロートナー像として可視化する。この後、このトナー像が感光体ドラムaの回転に伴って感光体ドラムaと中間転写ベルト902とが当接する1次転写部に到来する。ここで、このようにトナー像が1次転写部に到来すると、転写帯電器902aに印加した1次転写バイアスにより、感光体ドラムa上のイエロートナー像が中間転写ベルト902に転写される(1次転写)。
次に、中間転写ベルト902のイエロートナー像を担持した部位が移動すると、このときまでに上記と同様な方法で感光体ドラムb上に形成されたマゼンタトナー像がイエロートナー像上から中間転写ベルト902に転写される。同様に、中間転写ベルト902が移動するにつれて、それぞれ1次転写部においてシアントナー像、ブラックトナー像が、イエロートナー像、マゼンタトナー像上に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト902上にフルカラートナー画像が形成される。
また、このトナー画像形成動作に並行して給紙カセット904に収容されたシートPは、ピックアップローラ908により1枚ずつ送り出される。そして、シートPは、レジストレーションローラ909に達し、レジストレーションローラ909によりタイミングを合わされた後、2次転写部903に搬送される。この後、この2次転写部903において、転写手段である2次転写ローラ903aに印加される2次転写バイアスによって中間転写ベルト902上の4色のトナー像がシートP上に一括して転写される(2次転写)。
次に、トナー像が転写されたシートPは、2次転写部903から搬送ガイド920に案内されて定着部905に搬送され、定着部905を通過する際、熱及び圧力を受けて定着される。この後、このように画像が定着されたシートPは、定着部905の下流に設けられた排出通路921を通過した後、排出ローラ対918によって排出され、フィニッシャ100に搬送される。
ここで、フィニッシャ100は、装置本体900Aから排出されたシートを順に取り込む。フィニッシャ100は、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理と、束ねたシート束のシート排出方向上流端(以下、後端という)を綴じる綴じ処理を行う処理部139を備える。フィニッシャ100の処理部139は、さらに、図2に示すように、必要に応じて綴じ処理を施し、積載トレイ114にシートを排出する処理も行う。なお、この処理部139は、綴じ処理を施すシートを積載するシート積載手段である中間処理トレイ107、中間処理トレイ107に積載されたシートを綴じる綴じ部100Aを備えている。
また、中間処理トレイ107には、中間処理トレイ107に、装置本体900Aの奥行き方向と直交する方向から搬送されたシートの幅方向(奥行き方向)の両側端位置を規制(整合)する前及び奥整合板109a,109bが設けられている。なお、この中間処理トレイ107に積載されたシートの幅方向の側端位置を整合する側端整合手段である前及び奥整合板109a,109bは、後述する図7に示す整合モータM253により駆動されて幅方向に移動する。
また、この前及び奥整合板109a,109bは、通常、不図示の整合HPセンサの検知信号に基づいて駆動される整合モータM253によりシートを受け入れる受け入れ位置に移動する。そして、中間処理トレイ107に積載されたシートの両側端位置を規制する際には、整合モータM253を駆動し、前及び奥整合板109a,109bを幅方向に沿って移動させて中間処理トレイ上に積載されたシートの両側端に当接させる。
また、中間処理トレイ107の搬送方向下流側の上方には引き込みパドル106が配置されている。ここで、この引き込みパドル106は、シートが処理部139に搬入される前に、後述する図7に示すパドルHPセンサS243の検知情報に基づいてパドル昇降モータM252を駆動することにより、排出シートの邪魔にならない上方で待機した状態になる。
また、引き込みパドル106は、中間処理トレイ107にシートが排出されると、パドル昇降モータM252の逆転駆動により、下方に移動すると共に、不図示のパドルモータにより、適切なタイミングで反時計方向に回転する。この回転により、シートを引き込んでシート後端を後端ストッパ108に突き当てる。ここで、本実施の形態において、この引き込みパドル106と、後端ストッパ108と、前及び奥整合板109a,109bとにより、中間処理トレイ107に積載されたシートを整合する整合手段130が構成される。なお、例えば中間処理トレイ107の傾斜が大きい場合には、引き込みパドル106や、後述するローレットベルト117を用いることなく、シートを後端ストッパ108に当接させることができる。
なお、図2において、112は後端アシストである。この後端アシスト112は、後述する図7に示すアシストHPセンサS244の検知信号に基づいて駆動されるアシストモータM254により、後述するステイプラの移動を妨げない位置からシートを受け入れる受け入れ位置に移動する。そして、この後端アシスト112は、後述するようにシート束に対して綴じ処理が施された後、シート束を積載トレイ114に排出する。
また、フィニッシャ100は、シートを装置内部に取り込むための入口ローラ対101及び排紙ローラ103を備えている。装置本体900Aから排出されたシートPは、入口ローラ対101に受け渡される。なお、この時、入口センサS240によりシートの受渡しタイミングも同時に検知される。そして、入口ローラ対101に受け渡されたシートPは、シート排出手段である排紙ローラ103により順次中間処理トレイ107に排出される。中間処理トレイ107に排出されたシートは、引き込みパドル106やローレットベルト117等の戻し手段により後端ストッパ108に突き当てられる。これにより、シートのシート搬送方向の整合が行われ、整合処理されたシート束を形成する。
なお、図2において、105は後端落し部材である。後端落し部材105は、図2の(a)に示すように排紙ローラ103を通過するシートPにより押し上げられる。後端落し部材105は、シートPが排紙ローラ103を通過すると、図2の(b)に示すように自重により落下してシートPの後端を上側から押し下げる。
104は除電針である。115は束押さえである。束押さえ115は後述する図7に示す束押さえモータM255によって回転することにより、積載トレイ114に積載されたシート束を押さえる。S242はトレイ下限センサである。S245は束押さえHPセンサである。S241はトレイHPセンサである。シート束がトレイHPセンサS241を遮光している場合には、図7に示すトレイ昇降モータM251により積載トレイ114をトレイHPセンサS241が透過状態になるまで下降させて紙面位置を確定させる。
綴じ部100Aは、針無し綴じ手段である針無し綴じユニット102を備えている。針無し綴じユニット102は、図3の(a)に示すように、針無し綴じモータM257と、針無し綴じモータM257により回転するギア1021と、ギア1021により回転する段ギア1022〜1024を備えている。さらに、針無し綴じユニット102は、段ギア1022〜1024により回転するギア1025を備えている。また、針無し綴じユニット102は、フレーム10213に固定された下アーム1012と、下アーム1012に軸10211を中心に揺動自在に設けられ、不図示の付勢部材により下アーム側に付勢された上アーム1029とを備えている。下アーム1012には、下歯10214(第2の部材)が設けられている。上アーム1029には、上歯10210(第1の部材)が設けられている。
ギア1025は、回転軸1026に取り付けられている。そして、この回転軸1026には図3の(b)に示すようにカム1027が取り付けられており、このカム1027は、上アーム1029と下アーム1012の間に設けられている。これにより、針無し綴じモータM257が回転すると、針無し綴じモータM257の回転はギア1021、段ギア1022〜1024、ギア1025を介して回転軸1026に伝わり、カム1027が回転する。
図3において、針無し綴じユニット102は、複数のシートを噛み込んで綴じる綴じ状態及びシートの噛み込みを解除する解放状態に変更される。102Aは、上歯10201と下歯10214とでシート束を綴じる綴じ位置と、下歯10214から離した開放位置との間で上歯10201を移動させる移動手段である移動部である。移動部102Aは、針無し綴じモータM257と、カム1027と、ギア1021、段ギア1022〜1024、ギア1025とにより構成される。つまり、移動部102Aは、針無し綴じユニット102の状態を、綴じ状態と開放状態とに変更する。
本実施の形態において、カム1027は上アーム1029の一方の揺動端に設けられたコロ1028に下方から当接している。これにより、カム1027が回転すると、それまで図4の(a)に示すようにコロ1028を介してカム1027に、不図示の付勢部材により圧接していた上アーム1029のカム側端部が、図4の(b)に示すように上昇する。
ここで、上アーム1029のカム1027とは反対側の端部の下端には第1の歯型である上歯10210が取り付けられている。下アーム1012のカム1027とは反対側の端部の上端には第2の歯型である下歯10214が取り付けられている。なお、図4において、102Bは、複数の歯が形成された上歯10210及び下歯10214を有し、複数のシートを上歯10210及び下歯10214により噛み込んで綴じる綴じ手段である綴じ部である。また、図5は、図4の(b)を矢印方向から見た図である。下歯10214は、シート束と接して厚さ方向でシート束を変形させる変形面としての谷型形状を有する。上歯10210は、シート束と接して厚さ方向でシート束を変形させる変形面としての山型形状を有している。綴じ部102Bは、上歯10210と下歯10214とでシート束を挟んで厚さ方向で変形さえることでシート束を綴じる。
カム1027により、上アーム1029のカム側端部が上昇すると、上アーム1029のカム1027とは反対側の端部が下降する。上アーム1029のカム1027とは反対側の端部が下降するのに伴い上歯10210が下降して下歯10214と噛合し、シート束を加圧する。そして、このようにシート束が加圧されると、シートPは引き延ばされることによって表面の繊維が露出し、さらに加圧されることによってシート同士の繊維が互いに絡み合うことで締結が行われる。上歯10210及び下歯10214は、シート束を挟んで厚さ方向で変形させて綴じる、一対の挟持部材である。
つまり、シートに対する綴じ処理を行う際には、上アーム1029を揺動させ、上アーム1029の上歯10210と、下アーム1012の下歯10214とによってシートを噛み合い加圧する。上歯10210と下歯10214とによってシートを噛み合い加圧されることでシート同士が締結される。ここで、カム1027の位置は、後述する図7に示すカムセンサS247により検出される。
図6は、画像形成装置900の制御ブロック図であり、図6において、200は図1に示すように装置本体900Aの所定の位置に配置されたCPU回路部である。このCPU回路部200は、CPU201、制御プログラム等を格納したROM202、制御データを一時的に保持するための領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM203を有している。
また、図6において、209は画像形成装置900と外部PC(コンピュータ)208との外部インターフェイスである。この外部インターフェイス209は外部PC208からのプリントデータを受信すると、このデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像信号制御部206へ出力する。
そして、この画像信号制御部206は、このデータをプリンタ制御部207へ出力し、プリンタ制御部207は、画像信号制御部206からのデータを不図示の露光制御部へ出力する。なお、イメージリーダ制御部205から画像信号制御部206へは、画像読取装置950に設けられた不図示のイメージセンサで読み取った原稿の画像が出力され、画像信号制御部206は、この画像出力をプリンタ制御部207へ出力する。
また、操作部210は、画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー及び設定状態を表示するための表示部等を有している。そして、ユーザによる各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部200に出力すると共に、CPU回路部200からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
CPU回路部200は、ROM202に格納された制御プログラム及び操作部210の設定に従い、画像信号制御部206を制御すると共に、DF(原稿搬送装置)制御部204を介して原稿搬送装置950A(図1参照)を制御する。また、イメージリーダ制御部205を介して画像読取装置950(図1参照)を、プリンタ制御部207を介して画像形成部900B(図1参照)を、フィニッシャ制御部220を介してフィニッシャ100をそれぞれ制御する。
なお、本実施の形態において、フィニッシャ制御部220はフィニッシャ100に搭載され、CPU回路部200と情報のやり取りを行うことによってフィニッシャ100の駆動制御を行う。また、フィニッシャ制御部220をCPU回路部200と一体的に装置本体側に配設し、装置本体側から直接、フィニッシャ100を制御するようにしてもよい。
図7は本実施の形態に係るフィニッシャ100の制御ブロック図である。フィニッシャ制御部220は、CPU(マイコン)221、ROM222、RAM223で構成されている。そして、このフィニッシャ制御部220は、通信IC224を介してCPU回路部200と通信してデータ交換を行い、CPU回路部200からの指示に基づきROM222に格納されている各種プログラムを実行してフィニッシャ100の駆動制御を行う。
また、フィニッシャ制御部220は、ドライバ225を介して搬送モータM250、トレイ昇降モータM251、パドル昇降モータM252、整合モータM253、アシストモータM254、束押さえモータM255、針無し綴じモータM257を駆動している。
また、フィニッシャ制御部220には、入口センサS240、排紙センサS246、トレイHPセンサS241、トレイ下限センサS242、パドルHPセンサS243、アシストHPセンサS244、束押さえHPセンサS245が接続されている。また、フィニッシャ制御部220には、カムセンサS247が接続されている。そして、フィニッシャ制御部220は、これら各センサからの検知信号に基づき整合モータM253、針無し綴じモータM257等を駆動する。
針無し綴じユニット102の動作を制御するフィニッシャ制御部220は、シートに対して針無し綴じを行う場合は、まず不図示のセンサによってカム位置を検出する。そして、針無し綴じを行う前のシート受入時は、図4の(a)に示すようにカム1027が下死点に位置するよう針無し綴じモータM257の回転を制御する。なお、カム1027が下死点に位置するときは上歯10210と下歯10214の間に間隔Gが生まれ、針無し綴じを行う複数枚のシートの進入が可能となる。
綴じ動作時は、針無し綴じモータM257を回転させ、カム1027により上アーム1029を、軸10211を中心に時計回りに揺動させる。そして、図4の(b)に示すようにカム1027が上死点に位置すると、上アーム1029の上歯10210と下アーム1012の下歯10214とが噛み合う。これにより、シートが締結される。
なお、上死点に位置した後、カム1027がさらに回転すると、上アーム1029に設けられた撓み部1029aが撓むことでコロ1028がカム1027の上死点を乗り越えることができる。そして、このようにコロ1028がカム1027の上死点を乗り越えると、上アーム1029は、上歯10210が下歯10214から離れる方向に移動する。この後、カム1027がさらに回転して再び下死点に到達すると、不図示のセンサがカム1027を検出し、これによりフィニッシャ制御部220は針無し綴じモータM257の回転を停止する。
次に、本実施の形態に係るフィニッシャ100のシート綴じ処理動作について説明する。画像形成装置900から排紙されたシートPは、既述した図2の(a)に示すように、搬送モータM250により駆動されている入口ローラ対101に受け渡される。この時、シートPの先端が入口センサS240によりシートの受渡しタイミングが同時に検知されている。
次に、入口ローラ対101に受け渡されたシートPは、入口ローラ対101から排紙ローラ103に受け渡され、先端部が後端落し部材105を持ち上げながら搬送されると同時に、除電針104により除電されながら中間処理トレイ107に排出される。排紙ローラ103により中間処理トレイ107に排出されたシートPは、後端落し部材105の自重により上側から押さえられることで、シートPの後端部が中間処理トレイ107に落下する時間が短縮される。
次に、排紙センサS246により検知されたシートP後端の信号を基に、フィニッシャ制御部220は中間処理トレイ内の制御を行う。即ち、既述した図2の(b)に示すように、パドル昇降モータM252により引き込みパドル106を中間処理トレイ107側に下降させ、シートPに接触させる。このとき、引き込みパドル106は、搬送モータM250により反時計周り方向に回転しているため、引き込みパドル106によりシートPは図中右方向の後端ストッパ108側に搬送され、この後、シートPの後端がローレットベルト117に受け渡される。なお、シートPの後端がローレットベルト117に受け渡されると、パドル昇降モータM252が上昇方向に駆動し、パドルHPセンサS243によりHPに到達したことを検知すると、フィニッシャ制御部220はパドル昇降モータM252の駆動を停止する。
ローレットベルト117は、引き込みパドル106により搬送されてきたシートPを後端ストッパ108まで搬送した後、シートPに対しスリップしながら搬送することで、シートPを常時後端ストッパ108に付勢させることになる。このスリップ搬送により、シートPを後端ストッパ108に突き当てることでシートPの斜行補正することができる。次に、このようにシートPを後端ストッパ108に突き当てた後、フィニッシャ制御部220は整合モータM253を駆動して整合板109をシート排出方向と直交する幅方向に移動させ、シートPの幅方向の位置を整合する。この一連の動作を綴じ処理する所定枚数のシートに対して繰り返し行うことで、図8の(a)に示すように、中間処理トレイ107上で整合されたシート束PAが形成される。
次に、このような整合動作が行われた後、綴じモードが選択されている場合には、綴じ部による綴じ処理が施される。この後、図8の(b)に示すように、アシストモータM254により駆動されるシート排出部である後端アシスト112と排出爪113によりシート束PAの後端が押され、中間処理トレイ107上のシート束PAは積載トレイ114上に束排出される。
なお、この後、図8の(c)に示すように、積載トレイ114上に積載されたシート束PAが後続して排出されるシート束により搬送方向に押し出されるのを防止するため、束押さえ115が反時計周りに回転してシート束PAの後端部を押さえる。そして、この束押さえ115による束押さえ動作完了後、シート束PAがトレイHPセンサS241を遮光している場合には、積載トレイ114をトレイ昇降モータM251により、トレイHPセンサS241が透過状態になるまで下降して紙面位置を確定させる。これまでの一連の動作を繰り返し行うことで、必要な部数のシート束PAを積載トレイ114上に排出することができる。
なお、動作中、積載トレイ114が下降してトレイ下限センサS242を遮光した場合には、積載トレイ114の満載がフィニッシャ制御部220から画像形成装置900のCPU回路部200に通知され、画像形成が中止される。この後、積載トレイ114上のシート束が取り除かれると、積載トレイ114がトレイHPセンサS241を遮光するまで上昇した後、下降してトレイHPセンサS241が透過することで再び積載トレイ114の紙面が確定される。これにより、画像形成装置900の画像形成が再開される。
次に、針無し綴じを行う際のフィニッシャ制御部220の針無し綴じ動作制御について図9に示すフローチャートを用いて説明する。フィニッシャ制御部220は、シートに対して針無し綴じを行う場合は、まずカム1027を下死点位置であるHP(ホームポジション)に移動させるように針無し綴じモータM257を駆動する。
そして、図7に示すカムセンサS247によってカム1027の位置を検出し(ST1)、カム1027がHPに無いと判断した場合には(ST2のN)、引き続き針無し綴じモータM257を駆動する(ST3)。この後、カムセンサS247によりカム1027がHPに位置したことを検出すると(ST2のY)、針無し綴じモータM257を停止させる(ST4)。これにより針無し綴じを行う前のシート受入状態が完了する。
次に、フィニッシャ制御部220は、綴じ動作を行うか否かを判断し(ST5)、針無し綴じを行う場合は(ST5のY)、針無し綴じモータM257を駆動する(ST6)。針無し綴じモータM257が駆動されると、カム1027により上アーム1029が、軸10211を中心に時計回りに揺動される。さらにカム1027が回転し、図4の(b)に示す位置に達すると、上アーム1029の上歯10210と下アーム1012の下歯10214とが噛み合う。これにより、シート束が締結される。この後、カム1027がさらに回転すると、上アーム1029は、軸10211を中心に反時計回りに揺動して、上歯10210は、下歯10214に対して離れる方向に移動を行う。
次に、フィニッシャ制御部220は、カムセンサS247によりカム1027の位置を検出する(ST7)。カム1027がHPに無いとフィニッシャ制御部220が判断した場合には(ST8のN)、フィニッシャ制御部220は引き続き針無し綴じモータM257を駆動する(ST9)。この後、カムセンサS247によりカム1027がHPに位置したとフィニッシャ制御部220が判断すると(ST8のY)、フィニッシャ制御部220は針無し綴じモータM257を停止させる(ST10)。これにより、シートの綴じ動作が完了する。また綴じ動作を行わない場合は(ST5のN)、そのままシートの綴じ動作を完了させる。
ところで、図10は下歯10214と上歯10210の表面の状態を模式的に示した図である。下歯10214と上歯10210は、シート束と接する側に凹凸部(シートを変形させる変形面)を備えていてシート束を厚さ方向で変形させる。本実施の形態において、上歯10210は山型形状の表面が平滑に施され、下歯10214は谷型の表面がざらざらに処理されている。つまり、下歯10214は上歯10210よりも表面が粗くなっている。具体的な加工法としては、切削加工にて上歯10210及び下歯10214を成型した後、上歯10210にのみ研磨工程を行う。これにより、下歯10214には切削跡が残ってざらざらとなり、上歯10210には平滑な表面を持たせることができる。
ここで、下歯10214の表面が、上歯10210の表面よりも粗い場合、締結されたシートの繊維は下歯10214に付着した状態となる。つまり、本実施の形態においては、下歯10214の表面を粗くすることにより、意図的にシートを下歯10214に付着させることができる。
さらに、本実施の形態においては、図11及び既述した図4に示すように下アーム1012の下歯10214近傍に弾性体である剥がし板バネ10215を取り付けている。そして、この剥がし板バネ10215は、既述したように上アーム1029を時計回りに揺動させると、上歯10210と下歯10214に挟まれるシートを介して上アーム1029により押圧されて下方に撓みシートの噛み込みを妨げない退避位置に移動する。また、シート束を締結した後、上アーム1029が移動すると、撓んだ、すなわち弾性変形した剥がし板バネ10215は弾性的に上昇する。
このとき、剥がし手段である剥がし板バネ10215は、弾性的に下歯10214の歯よりも上方に、言い換えれば、シートの厚さ方向において下歯10214の歯の先端よりもシートを剥がす方向に突出する。そして、このように剥がし板バネ10215が上昇すると、剥がし板バネ10215がシートを下歯10214から離れる方向、すなわち上歯側(第2の部材側)に押圧し、下歯10214から剥がす。よって、剥がし板バネ10215によって、下歯10214にシートが付着してしまうことが防がれる。
ここで、剥がし板バネ10215によりシートを下歯10214から離す方向に押圧してシートを剥がすためには、剥がし板バネ10215を、図12に示すシートを剥がすことが可能な剥がし可能領域に配置する必要がある。なお、図12は、板バネ10215によってシートを剥がすことが可能な「剥がし可能領域」と、シートを剥がすことができない「剥がし不能領域」を示している。そして、シートの剥がしを行うためには、剥がし板バネ10215の先端が「剥がし可能領域」に位置している必要がある。なお、図12の(a)は、下歯10214を長手方向から見た図であり、図12の(b)は、下歯10214を歯の並び方向から見た図である。
ここで、図12の(a)に示すように、剥がし板バネ10215の先端が、原点Gから+z方向に行くほど、付着したシートをより上方に持ち上げることができるので剥がし性は良好となる。また、剥がし板バネ10215の先端が、原点Gから+x方向に行くほど締結部から離れるためシートの撓みが大きくなり、剥がし性は低下する。そして、この「剥がし可能領域」と「剥がし不能領域」の境界線である曲線L1は、材料力学の梁の撓みの式から導くことができる。以下の式は、片持ち梁における端部の撓み(δ)の式である。
δ=WL/3EI
δ:撓み量、W:荷重、L:梁の長さ、E:ヤング率、I:断面二次モーメント
原点Gを固定点、x方向の距離を梁の長さとすると、撓み量δは距離の3乗に比例する。つまり、x方向に距離が増えると、剥がしを行うシートの撓み量δが3乗で大きくなる。そのため、+z方向に大きく持ち上げないとシートを剥がすことができない。この曲線L1は歯型を中心として対象位置にも存在するため、その曲線をL2で示す。
また、剥がし板バネ10215により、剥がしを行うためには、図12の(b)に示すように、剥がし板バネ10215の先端が、下歯10214の奥行き方向(下歯10214の並び方向)における「剥がし可能領域」に位置している必要がある。ここで、原点Gから+z方向に行くほど付着したシートをより上方に持ち上げることができるので剥がし性は良好となる。また原点Gから+y方向に行くほど締結部から離れるためシートの撓みが大きくなり剥がし性は低下する。そして、この「剥がし可能領域」と「剥がし不能領域」の境界線である曲線L3は、上記の材料力学の梁の撓みの式から導くことができる。また、この曲線L3は歯型を中心として対象位置にも存在するため、その曲線をL4で示す。
図13は本実施の形態における下歯10214と剥がし板バネ10215との位置関係を示した図である。図13の(a)に示すように剥がし板バネ10215の先端部102151は、図12の(a)に示す「剥がし可能領域」内に位置している。また、図13の(b)に示すように奥行き方向においても、剥がし板バネ10215の先端部(剥がし部)102151は「剥がし可能領域」内に位置している。なお、本実施の形態において、剥がし板バネ10215の先端部102151を「剥がし可能領域」のうち、シート締結領域から外れた位置に配置している。これにより、本実施の形態において、シートはシート締結領域の歯10214及び上歯10210の歯の並び方向の外側近傍部分を押圧する。
そして、綴じを行わないとき、剥がし板バネ10215の先端部102151は、図13の(b)に示すように、下歯10214の凸部の頂点位置Vよりもz方向において上方に位置している。これにより、シートを締結した後、上アーム1029が移動すると、剥がし板バネ10215の先端部102151は、下歯10214の先端である凸部の頂点位置Vよりも上方に位置するようになり、下歯10214に付着したシートを剥がすことができる。
図14の(a)は、上歯10210が下降してシートPが締結された状態を示している。このとき、締結されたシートPの繊維は、下歯10214に付着した状態となる。また、剥がし板バネ10215の先端部102151は、上アーム1029によりシートPを介して押圧され、すなわち上アーム1029の移動に連動して既述した図13の(b)に示す位置から撓みながら下降する。この後、上アーム1029が上方に移動すると、剥がし板バネ10215の先端部102151の弾性力がシートPに伝わり、シートを図14の(b)に示すように下歯10214から剥がす。
このように、本実施の形態においては、下アーム1012に剥がし板バネ10215を設け、綴じられたシートを剥がし板バネ10215により、下歯10214から剥がす方向に押圧するようにしている。これにより、シートに十分な締結を行った状態でも、確実に第1の歯型としての下歯10214からシートPを剥がすことができ、且つ一対の歯型のそれぞれをシートに対して移動させることなくシートを剥がすことができる。つまり、本実施の形態のように、綴じられたシートを、剥がし板バネ10215によってシートを押圧することにより、シートを綴じた際、小型で、かつ簡易な構成でシートの歯への付着を防ぐことができる。
なお、本実施の形態においては、下アーム1012に剥がし板バネ10215を設けたが、上歯10210の表面の方が粗い場合には、上アーム1029に剥がし板バネを設けても良い。つまり、剥がし板バネ10215を、下アーム1012及び上アーム1029の少なくとも一方に設け、綴じられたシートを、剥がし板バネ10215により上歯10210及び下歯10214の少なくとも一方の歯型から剥がす方向に押圧するようにすれば良い。
ところで、本実施の形態においては、剥がし板バネ10215の先端部102151をシート締結領域から外れた位置に設けたが、本発明は、これに限らず、シート締結領域内に設けても良い。
次に、剥がし板バネをシート締結領域内に設けるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。図15は、本実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図である。なお、図15において、既述した図11と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図15において、10215Aは剥がし板バネ、10214Aは下歯であり、この下歯10214Aは、一部谷形状が取り除されている。なお、後述する図16に示すように上歯の10210Aは、下歯10214Aの谷形状取り除き部分に対抗する部分の山形状が取り除かれている。そして、弾性体である剥がし板バネ10215Aの先端部102151Aは、下歯10214Aの欠歯部である谷形状取り除き部分102141A及び上歯10210Aの山形状取り除き部分102101Aの間に配設されている。つまり、剥がし板バネ10215Aの先端部102151Aは、下歯10214Aにおける両側の凸(変形面)と、下歯10214Aにおける中央の複数の谷形状(変形面)との間に設けられている。剥がし板バネ10215Aの先端部102151Aは、上歯10210Aにおける両側の山形状(変形面)と、上歯10210Aにおける中央の複数の山形状(変形面)との間に設けられている。
図16の(a)は、上歯10210Aが下降してシートPが締結された状態を示している。このとき、締結されたシートPの繊維は、下歯10214Aに付着した状態となり、剥がし板バネ10215Aの先端部102151Aは、他方の歯型である上歯10210AによりシートPを介して押圧されて撓みながら下降する。なお、このとき下歯10214A及び上歯10210Aの一部山形状及び谷形状を取り除くことにより、図16の(b)に示すように「剥がし可能領域」の内側に剥がし板バネ10215Aの先端部102151Aを進入させることができる。
この後、上アーム1029が上方に移動すると、剥がし板バネ10215Aの先端部102151Aは、図16の(b)に示すように下歯10214Aの凸部の頂点位置Vよりもz方向において上方に位置する。これにより、剥がし板バネ10215Aの弾性力(復元力)がシートに伝わり、下歯10214Aに付着したシートPを剥がすことができる。以上説明したように、本実施の形態のように剥がし板バネをシート締結領域内に設けるようにしても、既述した第1の実施の形態と同様に効果を得ることができる。
次に、剥がし板バネを、シート締結領域内、且つ上歯と下歯の中央に設けるようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。図17は、本実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図である。なお、図17において、既述した図11と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図17において、10215Bは剥がし板バネ、10214Bは下歯であり、この下歯10214Bは、中央部の谷形状が取り除かれている。なお、後述する図18に示すように上歯10210Bの中央部の山形状を取り除いている。そして、弾性体である剥がし板バネ10215Bの先端部102151Bは、欠歯部である下歯10214Bの中央部の谷形状取り除き部分102141B及び上歯10210Bの中央部の山形状取り除き部分102101Bの間に配設されている。つまり、下歯10214Bは、谷形状取り除き部分102141Bの両側に、凹凸部(シートを変形せさせる変形面)を備え、剥がし板バネ10215Bの先端部102151Bは、下歯10214Bの2つの凸凹部の間に配置される。上歯10210Bは山形状取り除き部分102101Bの両側に凹凸部(シートを変形させる変形面)を備え、剥がし板バネ10215Bの先端部102151Bは、上歯10210Bの2つの凹凸部の間に配置される。
図18の(a)は、上歯10210Bが下降してシートPが締結された状態を示している。このとき、締結されたシートPの繊維は、下歯10214Bに付着した状態となり、剥がし板バネ10215Bの先端部102151Bは、上アーム1029Bにより押圧されて撓みながら下降する。なお、このとき下歯10214B及び上歯10210Bの中央部の山形状及び谷形状を取り除くことにより、図18の(b)に示すように「剥がし可能領域」の内側に剥がし板バネ10215Bの先端部102151Bを進入させることができる。
この後、上アーム1029が上方に移動すると、剥がし板バネ10215Bの先端部102151Bは、図18の(b)に示すように下歯10214Bの凸部の頂点位置Vよりもz方向において上方に位置する。これにより、剥がし板バネ10215Bの弾性力がシートPに伝わり、下歯10214Bに付着したシートPを剥がすことができる。以上説明したように、本実施の形態のように剥がし板バネ10215Bを中央一か所に設置することにより、端部一か所のみに配置した場合に比べ、良好な剥がし性を得ることができる。
ところで、これまでの説明においては、剥がし板バネによりシートを剥がす場合について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、剥がし板バネの代わりに上下方向に移動可能であって駆動を受けて移動する押圧部材によりシートを剥がすようにしても良い。
次に、剥がし板バネの代わりに上下方向に移動可能な剥がし手段である押圧部材によりシートを剥がすようにした本発明の第4の実施の形態について説明する。図19は、本実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図である。なお、図19において、既述した図11と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図19において、10214Cは下歯、10215Cは下歯10214Cの、例えば中央部に上下方向に移動可能に設けられた押圧部材である剥がしピンである。剥がしピン10215Cは、下歯10214Cの中央部の谷形状を取り除くことにより、シート締結領域内に設けられている。なお、後述する図20に示すように上歯10210Cの中央部の山形状を取り除いている。そして、剥がしピン10215Cは、下歯10214Cの中央部の谷形状取り除き部分及び上歯10210Cの中央部の山形状取り除き部分の間に配設されている。
また、下歯10214Cの谷形状が取り除かれた箇所には、図20に示すように、剥がしピン10215Cの先端部102151Cが突出する開口部1012aが形成されており、剥がしピン10215Cは、この開口部1012aを通って上下にスライドする。なお、この剥がしピン10215Cは、下方に設けられたソレノイド10216により、上下方向に移動する。つまり、本実施の形態においては、剥がしピン10215Cを、シートを剥がす方向に突出可能に設け、剥がしピン10215Cを駆動することで移動させる駆動部であるソレノイド10216により退避位置及びシートを剥がす方向に突出する位置に移動させる。
図20の(a)は、上歯10210Cが下降してシートが締結された状態を示しており、このとき締結されたシートPの繊維は、下歯10214Cに付着した状態となっている。なお、このとき剥がしピン10215Cは、ソレノイド10216により、上歯10210Cの下降によるシートの締結を妨げない位置に下降している。
この後、上アーム1029が上方に移動するのに伴って、ソレノイド10216により剥がしピン10215Cは、先端部102151Cが、図20の(b)に示すように下歯10214Cの凸部の頂点位置Vよりもz方向において上方に突出するよう上昇する。これにより、ソレノイド10216の押圧力を利用して剥がしピン10215Cにより、下歯10214Cに付着したシートPを剥がすことができる。なお、本実施の形態では、剥がしピン10215Cを下歯10214Cの中央に配設したが、下歯10214Cの周囲又は「綴じ領域」内に複数配設してもよい。以上説明したように、本実施の形態のように、剥がしピン10215Cを用いてシートを剥がすようにすることにより、既述した第1の実施の形態と同様に効果を得ることができる。なお、上アーム1029が上方に移動した後に、ソレノイド10216により剥がしピン10215Cを上昇させるようにしてもよい。
また、第2〜4実施の形態においては剥がし板バネ10215A、10215B又は剥がしピン10215Cを、下歯のみに配設したがこれを限定するものではない。歯型の表面性が上下の歯で同じ場合には、剥がし板バネ10215A、10215B又は剥がしピン10215Cを上下の歯に配設することで、同様の剥がし効果を得ることができる。
次に、下歯及び上歯に剥がし板バネの代わりに剥がし線バネを設け、この剥がし線バネによりシートを剥がすようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。図21は、本実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図である。なお、図21において、既述した図11と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図21において、10214Dは下歯、10215Dは下歯10214Dの、例えば中央部に設けられ、綴じられたシートを下歯10214Dから離す方向に押圧して剥がす弾性部材である剥がし線バネである。この第1剥がし手段である剥がし線バネ10215Dは、下歯10214Dの中央部の谷形状を取り除くことにより、シート締結領域内に設けられている。ここで、図22に示すように、剥がし線バネ10215Dは支えブロック10217に保持されると共に、この支えブロック10217は固定ビス10218により下アーム1012に取りつけられている。また、上歯10210Dの、例えば中央部にも山形状を取り除いて、かつ下歯10214Dと同様に取り付け構成により、綴じられたシートを上歯10210Dから離す方向に押圧して剥がす第2の剥がし手段である剥がし線バネ10215Eが設けられている。
なお、本実施の形態において、下歯10214D及び上歯10210Dは、同一の加工方法で作成されているため、表面性に差異はない。そして、下歯10214D及び上歯10210Dの表面性に差異が無い場合、締結されたシートの繊維は下歯10214D及び上歯10210Dの少なくとも一方に付着する。
本実施の形態において、締結を行う「綴じ領域」は図23の(a)の点線領域であるが、一部山、谷形状を取り除くことにより、「剥がし可能領域」の内側に剥がし線バネ10215D,10215Eを進入させることができる。なお、剥がし線バネ10215Dは、剥がし板バネや、剥がしピンに比べて小さいため、上歯10210Dと下歯10214Dの山形状、谷形状を取り除く量が少なくすることができる。これにより、同じ「綴じ領域」であっても、領域内の山谷形状を増やすことができ、締結力を向上させることができる。
そして、綴じを行わないとき、剥がし線バネ10215Dの先端部102151Dは、図23の(b)に示すように、下歯10214Dの凸部の頂点位置Vよりもz方向において上方に位置している。また、剥がし線バネ(第2の弾性部材)10215Eの先端部102151Eは、少なくとも下歯10214Dの凸部の頂点位置Vよりもz方向において上方に位置している。
図23の(a)は、上歯10210Dが下降してシートPが締結された状態を示している。このとき、締結されたシートPの繊維は、下歯10214D及び上歯10210Dの少なくとも一方に付着する。また、剥がし線バネ10215Dの先端部102151D及び剥がし線バネ10215Eの先端部102151Eは、シートPを介して押圧され、図23の(b)に示す状態から撓んだ状態になる。
この後、上アーム1029が上方に移動すると、剥がし線バネ10215Dの先端部102151Dの弾性力がシートPに伝わり、シートを図23の(b)に示すように下歯10214Dから剥がす。また、剥がし線バネ10215Eの先端部102151Eの弾性力がシートPに伝わり、シートを上歯10210Dから剥がす。以上説明したように、本実施の形態のように、剥がし線バネ10215D,10215Eを用いてシートを剥がすようにすることにより、既述した第1の実施の形態と同様に効果を得ることができると共に、装置の小型化を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、剥がし線バネ10215D,10215Eをそれぞれ上歯、下歯の中央に配設したが、この位置に限定するものではない。また剥がし線バネを複数並べて配置することで、シートを剥がすための押圧力を増加させても良い。さらに既述した第1〜第4の実施の形態と同様に歯型の表面性を異ならせ、表面がより粗い片側の歯型のみに剥がし線バネを配置してもよい。また、本実施の形態のように、歯型の表面性が上下の歯で同じ場合には、剥がし板バネ10215,10215A,10215B又は剥がしピン10215Cを上下の歯に配設することで、同様の剥がし効果を得ることができる。
次に、剥がし手段としてカムに連動して昇降するレバーを用いて下歯からシート束を剥がすようにした本発明の第6の実施の形態について説明する。図24は、本実施の形態に係るシート処理装置に設けられた針無し綴じユニットの構成を説明する図である。なお、図24において、既述した図21と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図24において、31はカム1027に連動して昇降し、下歯10210Fからシート束を剥がすレバーである。このレバー31は、軸32を中心にして回動自在に設けられ、バネ33によってカム1027の下部に突き当たるように付勢されている。レバー31の先端部10214Fは、下歯10210Fの先端よりも上方へ突出自在である。カム1027が下歯10210Fと上歯10210Gを噛み合わせる位置に位置したときにはレバー31の先端部10214Fは下歯10210Fの歯よりも下に退避する。カム1027の回転に伴ってレバー31が揺動することで、レバー31の先端部10214Fが下歯10210Fよりも突出する。先端部10214Fが突出したときに剥がし可能領域内となるようにレバー31が配置される。つまりカム1027の回転によって上歯10210Gと下歯10210Fとが離れると、先端部10214Fが下歯10210Fに付着したシート束を剥がす。本実施の形態では、上歯を移動させる移動手段を構成する針無し綴じモータM257およびカム1027が、剥がし手段としてのレバー31を駆動する駆動部を兼ねている。
なお、上述のいずれの実施の形態においても、下歯が固定されていて、上歯だけが移動手段によって移動される形態を例示した。しかし、上歯を固定し、下歯だけを移動手段によって移動させる形態でもよい。また、上歯と下歯の両方が移動自在で移動手段が互いに接離させるように構成してもよい。
31…レバー、100…フィニッシャ、102…針無し綴じユニット、102A…移動部、102B…綴じ部、107…中間処理トレイ、200…CPU回路部、900…画像形成装置、900A…画像形成装置本体、900B…画像形成部、1012…下アーム、1027…カム、1029…上アーム、10210,10210A,10210B,10210C,10210D,10210G…上歯、10214,10214A,10214B,10214C,10214D,10210F…下歯、10215,10215A,10215B…剥がし板バネ、10215C…剥がしピン、10215D,10215E…剥がし線バネ、M257…針無し綴じモータ、P…シート

Claims (1)

  1. 第1の部材と第2の部材とを有し、前記第1の部材と前記第2の部材とでシート束を挟持して、厚さ方向でシート束を変形させてシート束を綴じる綴じ手段と、
    綴じられたシート束を前記第2の部材の方へ押圧して前記第1の部材から綴じられたシート束を剥がす剥がし手段と、を備えたことを特徴とするシート処理装置。
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