JP2016195537A - 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 - Google Patents

無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力伝送を最適な状態で行うことができる無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法の提供を図る。
【解決手段】無線電力伝送システムは、複数の送電器1A,1Bと、前記複数の送電器と通信可能な受電器2A〜2Eと、を有し、前記送電器から前記受電器に対して、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力伝送を行う。前記複数の送電器の内、1つの送電器をマスタ送電器1Aに設定すると共に、他の送電器1Bをスレーブ送電器に設定する。前記マスタ送電器は、前記複数の送電器および前記少なくとも1つの受電器を制御して電力伝送を行う。
【選択図】図6A

Description

この出願で言及する実施例は、無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法に関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)を利用する場合、電力を送る側の送電器と、送電器から送られた電力を受け取る側の受電器がそれぞれ異なるメーカの製品であっても支障なく使用するために標準化を行うのが好ましい。
従来、無線による電力伝送技術としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られている。これに対して、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、磁界共振(磁界共鳴)や電界共振を利用した電力伝送技術に対する期待が高まっている。なお、電界共振も、電界共鳴と呼ぶこともある。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2010−239769号公報 米国特許第7825543号明細書
庄木 裕樹他(SHOKI Hiroki, et al.), 「ワイヤレス電力伝送技術に関する最新の標準化動向」, 電子情報通信学会技術研究報告(信学技報), WPT2011-19, December 2011.
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する無線電力伝送技術が注目されている。しかしながら、例えば、磁界共鳴や電界共振を利用した電力伝送技術の標準化はなされていないのが現状である。
そのため、磁界共鳴や電界共振を利用した電力伝送システム、或いは、送電器および受電器の実用化の停滞が懸念されている。
一実施形態によれば、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器と、を有し、前記送電器から前記受電器に対して、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムが提供される。
前記無線電力伝送システムは、前記複数の送電器の内、1つの送電器をマスタ送電器に設定すると共に、他の送電器をスレーブ送電器に設定する。前記マスタ送電器は、前記複数の送電器および前記少なくとも1つの受電器を制御して電力伝送を行う。
開示の無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法は、電力伝送を最適な状態で行うことができるという効果を奏する。
図1は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図2Aは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図2Bは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図3Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図3Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図3Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図3Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図4Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図4Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図4Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図5Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図5Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図6Aは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その1)である。 図6Bは、図6Aにおける各受電器の状態を説明するための図である。 図6Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その2)である。 図6Dは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その3)である。 図6Eは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)である。 図6Fは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その5)である。 図7は、受電器の姿勢情報を説明するための図である。 図8Aは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その1)である。 図8Bは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その2)である。 図8Cは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その3)である。 図8Dは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その4)である。 図8Eは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その5)である。 図8Fは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その6)である。 図8Gは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その7)である。 図8Hは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その8)である。 図9は、人の検出と送電器の出力調整を説明するための図である。 図10は、図9における各受電器の状態を説明するための図である。 図11は、バッテリ残量ゼロの受電器への対応を説明するための図である。 図12Aは、複数の送電器における同期の問題を説明するための図(その1)である。 図12Bは、複数の送電器における同期の問題を説明するための図(その2)である。 図12Cは、複数の送電器における同期の問題を説明するための図(その3)である。 図13Aは、複数の送電器における同期問題に対する第1同期手法を説明するための図(その1)である。 図13Bは、複数の送電器における同期問題に対する第1同期手法を説明するための図(その2)である。 図13Cは、複数の送電器における同期問題に対する第1同期手法を説明するための図(その3)である。 図14Aは、複数の送電器における同期問題に対する第2同期手法を説明するための図(その1)である。 図14Bは、複数の送電器における同期問題に対する第2同期手法を説明するための図(その2)である。 図14Cは、複数の送電器における同期問題に対する第2同期手法を説明するための図(その3)である。 図15Aは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図(その1)である。 図15Bは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図(その2)である。 図15Cは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図(その3)である。 図15Dは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図(その4)である。 図16は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図17は、図16の無線電力伝送システムにおける送電器の一例を示すブロック図である。 図18は、図16の無線電力伝送システムにおける受電器の一例を示すブロック図である。 図19は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第1例を説明するためのフローチャートである。 図20は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第2例を説明するためのフローチャートである。 図21は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第3例を説明するためのフローチャートである。 図22は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第4例を説明するためのフローチャートである。 図23は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第4例を説明するためのフローチャートである。 図24は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第5例を説明するためのフローチャートである。
以下、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を、添付図面を参照して詳述する。図1は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。
図1において、参照符号1は1次側(送電側:送電器)を示し、2は2次側(受電側:受電器)を示す。図1に示されるように、1次側1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部(第1通信回路部)14を含む。また、2次側2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部22、受電制御部23および通信回路部(第2通信回路部)24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(LC共振器)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(LC共振器)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図1に示されるように、1次側1と2次側2は、LC共振器11aとLC共振器21aの間の磁界共鳴(電界共振)により、1次側1から2次側2へエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、LC共振器11aからLC共振器21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共振等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
1次側1と2次側2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、1次側1のLC共振器11aと2次側2のLC共振器21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲PR)は、1次側1の通信回路部14と2次側2の通信回路部24による通信距離(通信範囲CR)よりも短く設定される(PR<CR)。
また、LC共振器11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、LC共振器11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、本実施例の無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1のLC共振器11aと、受電器2のLC共振器21aによる磁界共鳴または電界共振を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電圏)PRは、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設されたLC共振器11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。LC共振器11aは、LC共振器21aとの間に磁場共鳴を生じさせる共振周波数により、LC共振器21a(2次側2)に電力を伝送する。
LC共振器21aは、そのLC共振器21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部25におけるバッテリの充電、或いは、2次側2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、1次側1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、2次側2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、1次側1から2次側2への電力伝送を最適な状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図2A〜図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図であり、図2Aおよび図2Bは、3コイル構成の例を示し、図2Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図1に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイルを含んでいる。
これに対して、図2Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(LC共振器)21aとし、図2Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(LC共振器)11aとしている。
さらに、図2Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つのLC共振器21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つのLC共振器11aとしている。なお、図2A〜図2Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図3A〜図3Dは、独立共振コイル(LC共振器21a)の例を示す回路図であり、図4A〜図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(LC共振器21a)の例を示す回路図である。ここで、図3A〜図3Dは、図1および図2BにおけるLC共振器21aに対応し、図4A〜図4Dは、図2Bおよび図2CにおけるLC共振器21aに対応する。
図3Aおよび図4Aに示す例は、LC共振器21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図3Bおよび図4Bに示す例は、LC共振器21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Cおよび図4Cに示す例は、図3Bおよび図4BのLC共振器21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Dおよび図4Dに示す例は、図3Bおよび図4BのLC共振器21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各LC共振器21aにおいて、通常時にLC共振器21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器(2次側)2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、1次側(送電器)1のLC共振器11aも図3A〜図3Dおよび図4A〜図4Dと同様にすることもできるが、送電器1のLC共振器11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、LC共振器11aは、図3Aおよび図4Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2のLC共振器21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送を行うことが可能になる。
図5A〜図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図5A〜図5Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。図5Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用のLC共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用のLC共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用するLC共振コイル21aは、LC共振コイル11aAおよびLC共振コイル11aBで囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電用のLC共振コイル11aAおよびLC共振コイル11aBは、1つの送電器に設けられることもある。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含むこともある。ただし、以下の説明では、主として1つの送電器1が1つのワイヤレス送電部11(LC共振コイル11a)を含む場合を説明する。
なお、後に詳述するが、複数の送電器の内、1つの送電器をマスタとし、他の送電器をスレーブにするということは、1つのマスタ送電器の演算処理装置(CPU)により、マスタ送電器およびスレーブ送電器に含まれる全てのLC共振器を制御することを意味する。
図5Bは、共振コイル11aAおよび共振コイル11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図5Cは、共振コイル11aAおよび共振コイル11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
すなわち、本実施例の無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
図6Aは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その1)であり、図6Bは、図6Aにおける各受電器の状態を説明するための図であり、2つの送電器1Aおよび1B、並びに、5つの受電器2A〜2Eが設けられた場合を示すものである。
本実施例の無線電力伝送システムでは、複数の送電器1A,1Bにおける1つの送電器1Aをマスタ(主)とすると共に、他の送電器1Bをスレーブ(従)と定め、例えば、複数の送電器および受電器の最適化等の処理は、マスタ(送電器1A)が決定するものとする。
図6Aにおいて、参照符号PRaは送電器1Aの電力伝送範囲(マスタ送電圏)を示し、PRbは送電器1Bの電力伝送範囲(スレーブ送電圏)を示し、CRaは送電器1Aの通信範囲(マスタ通信圏)を示し、CRbは送電器1Bの通信範囲(スレーブ通信圏)を示す。
従って、受電器2A〜2Eは、次のようになる。すなわち、図6Bに示されるように、受電器2Aは、マスタ通信圏CRa外(×)、スレーブ通信圏Crb外、マスタ送電圏PRa外およびスレーブ送電圏PRb外になり、単に送電器からの通信を待つことになる。
次に、受電器2Bは、マスタ通信圏CRa内(○)、スレーブ通信圏CRb外、マスタ送電圏PRa外およびスレーブ送電圏PRb外になり、マスタの送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏外(マスタおよびスレーブの送電圏外)であることが確認できる。
また、受電器2Cは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電PRa圏外およびスレーブ送電圏PRb外になり、マスタおよびスレーブの送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、電力圏外であることが確認できる。
さらに、受電器2Dは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電圏PRa内およびスレーブ送電圏PRb外になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1Aの電力圏内(マスタ送電圏PRa内)であることが確認できる。
そして、受電器2Eは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電圏PRa内およびスレーブ送電圏PRb内になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1A,1Bの電力圏内(送電圏PRa,PRb内)であることが確認できる。
ここで、複数の送電器において、マスタになる1つの送電器を決定するが、その決定方法としては、後述するように、例えば、その通信圏内に最も多くの受電器が存在する、或いは、その送電圏内に最も多くの受電器が存在するといった条件により決定する。
例えば、その通信圏内にそれぞれ1つの受電器が存在するといった同等の条件が成立する場合、例えば、受電器との間の通信強度といったさらなる条件を加えてマスタを決定するか、或いは、乱数表等を使用して任意の1つの送電器をマスタに決定してもよい。
ところで、異なる製造メーカによる送電器は、例えば、その送電器の強度や位相の最適化ルールはそれぞれ異なる。そこで、本実施例の無線電力伝送システムでは、複数の送電器の内の1つをマスタとして決めることで、そのマスタになった送電器が他のスレーブの送電器を含め、最適化を制御する。
図6C〜図6Eは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その2〜4)であり、複数の送電器間におけるマスタ/スレーブの決め方を説明するものである。
まず、複数の送電器において、マスタ送電器およびスレーブ送電器を設定するのは、送電器が互いに通信範囲(通信圏)内にあり、電力伝送範囲(送電圏)が重なっており、しかも、受電器により送電圏が重なっていることが検出される場合である。
すなわち、図6Cは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電器1Bの通信圏CRbは重なっているが、送電器1Aの送電圏PRaおよび送電器1Bの送電圏PRbは重なっていない場合を示す。このとき、互いの送電圏PRa,PRbは重ならないので、両方の送電器1Aおよび1Bを、それぞれマスタ送電器として設定される。
次に、図6Dは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電圏PRaと、送電器1Bの通信圏CRbおよび送電圏PRbが重なり、受電器2が送電圏PRaおよびPRbの両方に含まれる位置に存在する場合を示す。
この図6Dの場合には、送電器1A,1Bが互いに通信圏CRa,CRb内にあり、送電圏PRa,PRbが重なっており、しかも、受電器2により送電圏PRa,PRbが重なっていることが検出される。
従って、図6Dの場合には、送電器1A,1Bの内、一方(1A)をマスタ送電器に設定し、他方(1B)をスレーブ送電器に設定する。このとき、送電器1Bをマスタとし、送電器1Aをスレーブとしてもよいが、いずれかをマスタ送電器に設定する。
さらに、図6Eは、送電器1Aおよび1Bは、上述した図6Dと同じ位置関係に配設されているが、受電器2が存在しない(通信圏CRaおよびCRbに存在しない)場合であり、このときは、両方ともマスタに設定する。
なお、3つ以上の送電器に対しても、例えば、図6Dに相当する場合には、いずれか1つをマスタ送電器に設定する。なお、複数の送電器から1つのマスタ送電器を決定する手法は、様々なものが考えられるが、その一例を図6Fを参照して説明する。
図6Fは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その5)であり、4つの送電器1A〜1Dが一列に並んだ場合を示すものである。ここで、送電器1Aの通信圏CRaは、送電器1Bを含むが送電器1Cおよび1Dを含まず、同様に、送電器1Dの通信圏CRdは、送電器1Cを含むが送電器1Aおよび1Bを含まない。
また、送電器1Bの通信圏CRbは、送電器1Aおよび1Cを含むが送電器1Dを含まず、同様に、送電器1Cの通信圏CRcは、送電器1Bおよび1Dを含むが送電器1Aを含まない。
この図6Fの場合、例えば、送電器1Bをマスタ(マスタ送電器)とし、他の送電器1A,1C,1Dをスレーブ(スレーブ送電器)に設定する。ここで、送電器1Cをマスタに設定することもできる。なお、送電器1Bをマスタに設定すると、送電器1Dに対して直接通信することは困難になるが、その場合、送電器1Dに対しては、送電器1Cを経由して通信を行い、最適化等の制御を行う。
このように、本実施例の無線電力伝送システムにおいて、複数の送電器から1つのマスタを決める場合、最も多くの送電器と直接通信が可能なものをマスタと決めるのが好ましい。
なお、図6Fでは、4つの送電器1A〜1Dが直線上に並べられているが、実際には、例えば、部屋の壁や天井に埋め込まれ、机やテーブルに内蔵され、或いは、床やテーブル等に載置されるといった、様々な位置関係で複数の送電器が配設されることになる。
図7は、受電器の姿勢情報を説明するための図であり、マスタとされた送電器1Aと2つの受電器2’および2”を示すものである。ところで、受電器2としては、例えば、二次元的な位置情報(X,Y,Z)だけで充電される2D充電の受電器2’と、三次元的な位置情報(X,Y,Z)および姿勢情報(θXYZ)により充電される3D充電の受電器2”が考えられる。
すなわち、受電器(2D)2’は、例えば、送電器の上面上に載置(平置き)することにより充電され、受電器(3D)2”は、例えば、送電器に対して任意の位置および姿勢の状態でも充電される。
このように、本実施例の無線電力伝送システムでは、2D充電の受電器2’と3D充電の受電器2”が混在しても、適切な送電処理を行うことができるようになっている。なお、3D充電に使用する姿勢情報(θXYZ)は、例えば、現状のスマートフォン等の受電器2”にも搭載されている三次元の加速度センサ等から得ることができる。
図8A〜図8Dは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その1〜その4)であり、LC共振器の共振調整を行わない場合の分配制御を説明するためのものである。なお、図8A〜図8Dでは、説明を簡略化するために、1つの送電器1のみが描かれているが、複数の送電器に対しても同様である。また、効率は、送電器1(LC共振器11a)と受電器2(LC共振器21a)の間の電力伝送効率を意味する。
まず、図8Aに示されるように、受電電力(例えば、5W)が等しい2つの受電器2A,2Bを送電器1上に平置きして2D充電を行う場合、例えば、受電器2A,2Bに対する効率(例えば、80%)は等しくなる。従って、図8Aの場合には、2つの受電器2A,2Bに対して同時に電力伝送を行う同時電力伝送モード(同時伝送モード)が可能になる。
次に、図8Bに示されるように、受電電力(5W)が等しい2つの受電器2A,2Bを送電器1の上方に配置して3D充電を行う場合、例えば、受電器2Aに対する効率は60%になり、受電器2Bに対する効率は80%になる。
ここで、図8Bにおいて、受電器2Aおよび2Bで効率が異なるのは、例えば、送電器1に対する距離(位置)および姿勢が受電器2A,2Bで異なるためである。従って、図8Bの場合には、同時伝送モードを適用することができず、受電器2Aに対する充電と受電器2Bに対する充電を、時間を分割して行う時分割電力伝送モード(時分割モード)による電力伝送を行うことになる。
なお、同時伝送モードが可能な場合(例えば、図8Aの場合)には、時分割モードが可能なのはいうまでもない。また、時分割モードにおいて、受電器2Aに対する充電(電力伝送)を行っているときは、受電器2BのLC共振器21aBをオフし、逆に、受電器2Bに対する充電を行っているときは、受電器2AのLC共振器21aAをオフする。
また、図8Cに示されるように、受電電力が異なる2つの受電器2A,2Cを送電器1上に平置きして2D充電を行う場合、例えば、受電器2A,2Bに対する効率は等しくなる。
しかしながら、例えば、スマートフォンのような受電器2Aの受電電力は5Wであるのに対して、ノートパソコンのような受電器2Cの受電電力は50Wであり、受電器2A,2Cの受電電力は異なる。この図8Cの場合も、図8Bの場合と同様に、同時伝送モードを適用することができず、時分割モードによる電力伝送を行うことになる。
さらに、図8Dに示されるように、例えば、受電電力が5Wの受電器2Aと受電電力が50Wの受電器2Cを送電器1の上方に配置して3D充電を行う場合、例えば、受電器2Aに対する効率は60%になり、受電器2Bに対する効率は80%になる。従って、図8Cの場合も、図8Bおよび図8Cの場合と同様に、同時伝送モードを適用することができず、時分割モードによる電力伝送を行うことになる。
図8E〜図8Hは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その5〜その8)であり、LC共振器の共振調整を行う場合の分配制御を説明するためのものである。なお、図8E〜図8Hは、上述した図8A〜図8Dに対応する。
まず、複数の受電器における受電電力が最大のもの(例えば、受電電力が50Wのノートパソコン2C)に対して送電器1からの電力送電を行う。このとき、受電電力が最大ではない受電器(例えば、受電電力が5Wのスマートフォン2A,2B)に関しては、その受電器2A,2Bにおいて、最適な受電電力(5W)となるように、LC共振器21aA,21aBの調整を行う。
すなわち、受電電力が最大ではない受電器2A,2Bでは、それらのLC共振器21aA,21aBの共振周波数またはQ値を変化させ、LC共振器21aA,21aBが受け取る電力が受電器2A,2Bの受電電力に適した値となるように調整(共振調整)を行う。
上述した共振調整を行うことにより、図8E〜図8Hの全ての場合において、同時伝送モードおよび時分割モードのいずれでも、電力伝送を行うことが可能になる。例えば、図8Fの場合には、受電器2BにおけるLC共振器21aBの共振周波数またはQ値を適正値からずらすことで、受電器2A,2Bに対する電力の同時伝送が可能になる。
また、図8Gおよび図8Hの場合には、いずれも受電器2AにおけるLC共振器21aAの共振周波数またはQ値を適正値からずらすことで、受電器2A,2Cに対する電力の同時伝送が可能になる。なお、上述した共振調整に関しては、本願と同一出願人により別途出願されているが、これに限らず、他の手法を適用することもできるのはいうまでもない。
上述した図8A〜図8Dおよび図8E〜図8Hの処理、すなわち、送電器1における送電電力の強度や位相の制御、或いは、各受電器2A〜2Cにおける制御は、マスタ送電器1により行われる。なお、図8A〜図8Dおよび図8E〜図8Hでは、1つの送電器1のみが描かれているが、通常、複数の送電器から設定された1つのマスタ送電器が、上述した各処理の制御を行うことになる。
図9は、人の検出と送電器の出力調整を説明するための図であり、図10は、図9における各受電器の状態を説明するための図である。図9において、参照符号SRaは、送電器1Aによる人(生体)の有無を検出する人感センサ(生体感知センサ(S2))による検出範囲(生体感知範囲:人感センサ範囲,人感センサ圏)を示す。
ここで、送電器1Aの送電圏(電力伝送範囲)PRaは、例えば、半径が2〜3メートル程度であり、人感センサ圏SRaは、例えば、送電圏PRaよりも広く、半径が4〜5m程度であり、通信圏(通信範囲)CRaは、半径が10m程度である。
すなわち、人感センサ圏SRaは、送電圏PRaよりも広く、通信圏CRaは、人感センサ圏SRaよりも広く、PRa<SRa<CRaの関係が成立する。なお、上記送電圏PRa、人感センサ圏SRaおよび通信圏CRaは、単なる例であり、仕様により様々に変更されるのはいうまでもない。
従って、受電器2A〜2Dは、次のようになる。すなわち、図10に示されるように、受電器2Aは、送電器1Aの通信圏CRa外(×)、人感センサ圏SRa外および送電圏PRa外になり、単に送電器からの通信を待つことになる。
次に、受電器2Bは、通信圏CRa内(○)、人感センサ圏SRa外および送電圏PRa外になり、送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏PRa外であることが確認できる。
また、受電器2Cは、通信圏CRa内、人感センサ圏SRa内および送電圏PRa外になり、送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏PRa外であることが確認できる。さらに、受電器2Dは、通信圏CRa内、人感センサ圏SRa内および送電圏PRa内になり、送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏PRa内であることが確認でき、さらに、人感センサの確認も行うことができる。
人感センサを用いた送電器1Aの出力の制御例を説明する。例えば、人感センサ圏SRa内に人(生体)が存在しなければ、例えば、送電器1Aからの送電出力を50Wとし、逆に、人感センサ圏SRa内に人が存在していれば、例えば、送電器1Aからの送電出力を5Wに低減する。
図11は、バッテリ残量ゼロの受電器への対応を説明するための図である。まず、受電器の必要電力情報を得るためには、送電器と受電器の間の通信が必須であるが、例えば、受電器のバッテリ残量がゼロの状態では、通信を行えない。
そこで、バッテリ残量がゼロの受電器2D(2)に対しては、ワイヤレス受電部21(LC共振器21a)を使用して送電(受電)を行うのではなく、LC共振器21aはオフ状態のまま、例えば、電力取出コイル21bを利用した電磁誘導により充電を行う。これは、受電器2のワイヤレス受電部21がLC共振器21aおよび電力取出コイル21bを含む場合、すなわち、図1および図2Bの場合に有効である。
或いは、オフ状態のLC共振器21aを利用して電磁誘導により充電を行うことも可能である。この場合、オフ状態でLC共振器21aが開放状態になっている図4AのLC共振器21aおよび図4CのLC共振器21aは、除かれることになる。
ここで、図4CのLC共振器21aが除かれるのは、抵抗214の抵抗値が受電回路部22の接続抵抗よりも遥かに大きく、受電した電力が抵抗214により消費されてしまうからである。
図11は、送電器(マスタ送電器)1Aが複数の受電器2Bおよび2Cへ電力伝送を行っている状態で、バッテリ残量ゼロの受電器2Dを送電器1Aの所定位置に接するように配置し、送電器1Aのバッテリ残量ゼロモードを指定した様子を示す。
ここで、送電器1Aでバッテリ残量ゼロモードが指定されると、例えば、送電器1Aに設けられたバッテリ残量ゼロスイッチがオンされると、送電器1Aは、受電器2Bおよび2C(に対する送電(電力伝送)を停止する。
さらに、送電器1Aは、通信可能な通信圏CRa内に存在する受電器2A〜2CのLC共振器21a(21aA〜21aC)の共振をオフ状態にする。なお、受電器2Aには、元から電力伝送は行われておらず、既に、LC共振器21aAはオフしている。
これにより、バッテリ残量ゼロの受電器2Dだけに対して電磁誘導(結合)を利用した電力伝送を行い、他の受電器2A〜2Cに対しては、電磁誘導を利用した電力伝送が行われないようにする。
そして、バッテリ残量ゼロの受電器2Dは、例えば、電磁誘導を利用した電力伝送によりバッテリが充電され、送電器1Aと受電器2Dとの通信が可能になるまで充電が継続される。
ここで、送電器1Aによりバッテリ残量ゼロの受電器2Dを充電する処理は、例えば、テスト送電→小電力送電→中電力送電というように、電力を段階的に引き上げて受電器2Dの通信が回復するまで行うように制御してもよい。また、送電器1Aと受電器2Dとの通信が可能になった後は、通常の磁界共鳴を利用した電力伝送を行う。もちろん、受電器2Dのバッテリの充電が十分になるまで、電磁誘導を利用した電力伝送をおこなってもよい。
図12A〜図12Cは、複数の送電器における同期の問題を説明するための図であり、2つの送電器1A[送電系1]および送電器1B[送電系2]において、電力伝送に使用する磁界共鳴の周波数がずれている場合の周波数同期の問題を説明するためのものである。
図12A〜図12Cに示されるように、送電器1Aの高周波電源部12Aの周波数fに対して、送電器1Bの高周波電源部12Bの周波数がΔfだけずれているとき(f+Δf)、これら2つの送電器1A,1Bからの電力伝送を受けた受電器2では、うなりが生じる。
すなわち、受電器2のLC共振器21aは、送電器1AのLC共振器11aAからの周波数fの磁界と、送電器1BのLC共振器11aBからの周波数f+Δfの磁界と共振して電力を受け取る。
このとき、Δfが数ヘルツ程度であっても、図12Bおよび図12Cに示されるように、受電器2のLC共振器21aの出力にはうなりが含まれることになり、そのうなりを含むLC共振器21aの出力が電源回路22を介してバッテリ部25に入力される。
具体的に、送電器1AのLC共振器11aAからの周波数が10M[Hz]で、送電器1BのLC共振器11aBからの周波数が10M+1[Hz]の場合には、1[Hz]のうなりが発生する。
これは、いくら高精度の発振器を使用したとしても、LC共振器11aAおよびLC共振器11aBを非同期で制御していたのではうなりを回避するのは難しく、送電効率の低下(例えば、半減以下に低下)を招くことになる。
その結果、受電器2では、送電される電力が大幅に低減する。すなわち、電力の送電元が複数の場合、駆動周波数がわずかにずれていても、合成磁界はうなりを生じて電力の伝送効率が大幅に低下することになる。
このような異なる送電器1A,1Bによる共鳴周波数の違いは、例えば、使用する素子や製造段階により、或いは、送電器1A,1Bが配設される周囲の温度等により生じる。
図13A〜図13Cは、複数の送電器における同期問題に対する第1同期手法を説明するための図である。ここで、図13Aは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが離れており同じ受電器(2)に対して同時に送電しない場合を示し、図13Bおよび図13Cは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが近接しており同じ受電器(2)に対して送電する場合を示す。
図13A〜図13Cに示されるように、各送電器1A,1Bは、発振器121A,121B、増幅器122A,122B、PLL(Phase Locke Loop)回路210A,210Bおよび2つのスイッチSW11A,SW12A,SW11B,SW12Bを含む。
なお、回路210A,210Bは、PLL回路に限定されるものではなく、例えば、DLL(Delay Locked Loop)回路等の同期制御が可能な回路(同期回路)であれば、幅広く適用することができる。また、発振器121A,121Bは、クォーツを利用した回路、或いは、PLL回路等の同期回路であってもよい。
まず、図13Aに示されるように、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが離れていて互いの送電領域が重ならない場合、換言すると、同じ受電器(2)に対して同時に送電しない場合、各送電器1Aおよび1Bは、それぞれプライマリに設定する。
すなわち、プライマリの送電器1Aおよび1Bは、同期処理を行うことなく、それぞれの発振器121Aおよび121Bの周波数を増幅器122Aおよび122Bで増幅して出力し、独立に送電を行う。
次に、図13Bおよび図13Cを参照して、2つの送電器1Aおよび1Bが同じ受電器(2)に対して同時に送電する場合を説明する。これは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが近接し、或いは、一方の送電器が出力を開始して他方の送電器の出力と重なる場合であり、いずれか1つの送電器(例えば、1A)をプライマリに設定し、他の送電器(例えば、1B)をセカンダリに設定する。
なお、図13Bおよび図13Cでは、2つの送電器1Aおよび1Bを例として説明するが、3つ以上の送電器に関しても、1つをプライマリ送電器に設定し、残りの送電器をセカンダリ送電器に設定する。
ここで、プライマリ送電器とセカンダリ送電器の決め方は、例えば、前述したマスタ送電器をプライマリ送電器とし、スレーブ送電器をセカンダリ送電器としてもよいが、独立に、プライマリ送電器およびセカンダリ送電器を決めることもできる。
すなわち、例えば、スレーブの1つをプライマリ送電器に設定し、マスタを含めた他のスレーブをセカンダリ送電器に設定してもよい。なお、図13Bおよび図13Cでは、1Aをプライマリ送電器に設定し、1Bをセカンダリ送電器に設定している。
図13Bに示されるように、同期を開始すると、プライマリ送電器1Aは、自身の発振器121Aの周波数で出力を継続する。このとき、セカンダリ送電器1Bは、スイッチSW11Bにより自身の発振器121Bと増幅器122Bの接続を切り離し、出力を停止する。
同時に、セカンダリ送電器1Bは、スイッチSW12BによりLC共振器(送電コイル)11aBとPLL回路210Bを接続し、LC共振器11aBによりプライマリ送電器1AのLC共振器11aAからの電力を受電(受信)する。すなわち、セカンダリ送電器1Bは、送電を停止したLC共振器11aBを、プライマリ送電器1Aの出力信号を受信するアンテナとして使用する。
ここで、セカンダリ送電器1Bの同期処理中、例えば、プライマリ送電器1Aの出力レベルを同期用に低くなるように変更することもできる。また、同期処理中は、例えば、マスタ送電器の指示により、送電対象にある全ての受電器の充電を停止することが好ましい。なお、受電器の充電を停止する場合、各受電器の共振系(LC共振器)はオフするのが好ましい。
このように、プライマリ送電器1Aは、その発振器121Aの発振周波数が同期に使用されるということで、同期処理に関する指示は、マスタ送電器の指示に従って制御されるのはいうまでもない。
セカンダリ送電器1BのPLL回路210Bは、LC共振器11aBで受信した信号に従って、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に対する位相同期(周波数追従)を行い、PLL回路210Bが周波数を追従した後、その周波数をロックする。これにより、セカンダリ送電器1BのPLL回路210Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期した周波数の信号(クロック)を出力することになる。
さらに、図13Cに示されるように、PLL回路210Bの同期完了後、スイッチSW12BによりLC共振器11aBとPLL回路210Bの接続を遮断すると共に、スイッチSW11BによりPLL回路210Bと増幅器122Bを接続する。これにより、セカンダリ送電器1Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期したPLL回路210Bの出力信号により送電を再開する。
このように、第1同期手法によれば、送電器1A,1BのLC共振器11bA,11bBの駆動周波数を一致させて、送電器1Aおよび1Bの両方から受電する受電器2のLC共振器21aおけるうなりが生じないようにすることができる。
ここで、セカンダリ送電器1Bにおける駆動周波数の調整(同期処理)は、送電器1A,1Bが配設される周囲の温度等による変化を補償するために、例えば、数分〜数十分程度の所定の時間間隔で繰り返し行うのが好ましい。
図14A〜図14Cは、複数の送電器における同期問題に対する第2同期手法を説明するための図である。ここで、図14Aは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが離れていて同じ受電器(2)に対して同時に送電しない場合を示し、図14Bおよび図14Cは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが近接して同じ受電器(2)に対して送電する場合を示す。
図14A〜図14Cに示されるように、各送電器1A,1Bは、発振器121A,121B、増幅器122A,122B、PLL回路220A,220B、通信回路部(近距離通信回路)14A,14BおよびスイッチSW13A,SW13Bを含む。なお、回路220A,220Bは、PLL回路に限定されるものではなく、例えば、DLL回路等の同期制御が可能な同期回路であってもよいのは、前述した通りである。
図13A〜図13Cを参照して説明した第1同期手法では、セカンダリ送電器1BのLC共振器11aBをアンテナとして使用し、セカンダリ送電器1BのPLL回路210Bの周波数を、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期させている。
これに対して、図14A〜図14Cを参照して説明する第2同期手法は、プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aおよびセカンダリ送電器1Bの通信回路部14Bを利用して、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bの周波数の同期制御を行う。
まず、図14Aに示されるように、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが離れていて互いの送電領域が重ならない場合、換言すると、同じ受電器(2)に対して同時に送電しない場合、各送電器1Aおよび1Bは、それぞれプライマリとして送電を行う。
すなわち、プライマリの送電器1Aおよび1Bは、同期処理を行うことなく、それぞれの発振器121Aおよび121Bの周波数を増幅器122Aおよび122Bで増幅して出力し、独立に送電を行う。これは、前述した図13Aと同様である。
次に、図14Bおよび図14Cを参照して、2つの送電器1Aおよび1Bが同じ受電器(2)に対して同時に送電する場合を説明する。これは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが近接し、或いは、一方の送電器が出力を開始して他方の送電器の出力と重なる場合であり、いずれか1つの送電器(例えば、1A)をプライマリに設定し、他の送電器(例えば、1B)をセカンダリに設定する。
なお、図14Bおよび図14Cでは、2つの送電器1Aおよび1Bを例として説明するが、3つ以上の送電器に関しても、1つをプライマリ送電器に設定し、残りの送電器をセカンダリ送電器に設定する。
また、前述したように、プライマリ送電器とセカンダリ送電器の決め方は、例えば、マスタ送電器をプライマリ送電器とし、スレーブ送電器をセカンダリ送電器としてもよいが、独立に、プライマリ送電器およびセカンダリ送電器を決めることもできる。
図14Bに示されるように、同期を開始すると、プライマリ送電器1Aは、自身の発振器121Aの周波数で出力を継続すると共に、その発振器121Aから得られた同期パターンを、通信回路部14Aを介して出力する。
このとき、セカンダリ送電器1Bでは、スイッチSW13Bにより自身の発振器121Bと増幅器122Bの接続を切り離し、出力を停止する。なお、セカンダリ送電器1Bの出力を停止するは、PLL回路220Bをプライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期(追従)させてから増幅器122Bに接続する初回の同期処理の時だけでよい。
すなわち、それ以降のセカンダリ送電器1BのPLL回路220Bをプライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期させる(例えば、数分〜数十分程度の間隔で行う)2回目以降の同期処理は、出力を停止しなくてもよい。
プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aから出力された発振器121Aの同期パターンを含む無線信号は、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14Bで受信され、発振器121Aの同期パターンは、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bに出力される。
セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bは、通信回路部14Bにより受信された発振器121Aの同期パターンに従って、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に対する位相同期(周波数追従)を行う。これにより、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bの周波数は、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数と同期が取られ、その周波数でロックされる。
その結果、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期した周波数の信号を出力する。
ここで、セカンダリ送電器1Bの同期処理中、プライマリ送電器1Aの出力レベルは、通常通りのレベルを維持することにより、プライマリ送電器1Aによる受電器(2)への送電を継続して行うことができる。
また、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bを同期させてから増幅器122Bに接続する最初の同期処理は、例えば、マスタ送電器の指示により、送電対象にある全ての受電器の充電を停止することが好ましい。なお、受電器の充電を停止する場合、各受電器の共振系(LC共振器)はオフするのが好ましい。
さらに、図14Cに示されるように、PLL回路220Bの同期完了後、スイッチSW13BによりPLL回路220Bと増幅器122Bを接続する。これにより、セカンダリ送電器1Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期したPLL回路220Bの出力信号により送電を再開する。
なお、セカンダリ送電器1Bにおいて、同期完了後のPLL回路220Bを増幅器122Bに接続するのは、初回の同期処理の時だけであり、2回目以降の同期処理では、PLL回路220Bと増幅器122Bの接続を維持したまま、周波数の同期を行う。
このように、第2同期手法によれば、送電器1A,1BのLC共振器11bA,11bBの駆動周波数を一致させて、送電器1Aおよび1Bの両方から受電する受電器2のLC共振器21aおけるうなりが生じないようにすることができる。
ここで、セカンダリ送電器1Bにおける駆動周波数の調整(2回目以降の同期処理)は、例えば、送電器1A,1Bが配設される周囲の温度等による変化を補償するために、数分〜数十分程度の所定の時間間隔で繰り返し行うのが好ましい。
図15A〜図15Dは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図である。ここで、図15Aは、プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aから出力される無線信号のイメージ(観念)を示し、図15Bは、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14Bが受信する無線信号のイメージを示す。
また、図15Cは、プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aに入力される変調前の信号のイメージを示し、図15Dは、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14B(復調回路140B)に入力する無線信号および復調信号を示す。
まず、図15Aに示されるように、プライマリ送電器1Aでは、通信回路部14Aにより、発振器121Aの周波数(例えば、10MHz)に同期したパターンを混載した無線通信周波数(例えば、2.4GHz)の信号を出力する。
すなわち、プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aは、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14Bとの間で同期パターン混載通信を行う。なお、発振器121Aの周波数および無線通信周波数等は、10MHzおよび2.4GHzに限定されるものではなく、様々な周波数が適用される。
さらに、図15Bに示されるように、セカンダリ送電器1Bでは、通信回路部14Bにより同期パターンを混載した無線通信周波数の信号を受信し、発振器121Aの周波数を示す同期パターンSPと、その有効範囲を示す同期ウィンドウ信号SWSを出力する。
そして、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bの周波数は、同期パターンSPおよび同期ウィンドウ信号SWSに従って、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数と同期が取られ、その周波数(例えば、10MHz)でロックされる。これにより、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期した周波数の信号を出力することになる。
ここで、無線通信周波数の信号に混載する同期パターンは、同期する周波数(プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数)を伝達する情報を含めばよく、必ずしも実際の同期周波数の繰り返しパターン(或いは、その定数倍や定数分の一)でなくてもよい。
例えば、図15Cに示されるように、プライマリ送電器1Aでは、10MHzの同期パターンが、他の通信情報を伝える2.4GHzの信号に混載された同期パターン混載信号を、通信回路部14A(変調回路)により変調し、無線信号として出力する。
プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aから出力された無線信号は、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14B(復調回路140B)により復調され、10MHzの同期パターンと、2.4GHzの信号による他の通信情報が出力される。
ここで、セカンダリ送電器1Bの復調回路140Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数を表す同期パターンを正確なタイミングで復調できるハードウェアとして形成するのが好ましい。
このように、復調回路140Bをハードウェアとして形成することで、例えば、復調時の遅延を一定のクロック遅延Dcとすることができ、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bの同期処理を正確に行うことが可能になる。
このように、図14A〜図15Dを参照して説明した第2同期手法は、図13A〜図13Cを参照して説明した第1同期手法に対して、2回目以降の同期処理時にセカンダリ送電器1Bの送電を停止しなくてもよいという長所を有する。
以上において、プライマリ送電器1AのLC共振器11aA、および、セカンダリ送電器1BのLC共振器11aBの駆動周波数を同期させる方法は、上述したものに限定されず、様々な手法が適用可能なのはいうまでもない。
図16は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。図16に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部14を含む。
受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部22、受電制御部23、通信回路部24およびバッテリ部25を含む。ここで、送電器1および受電器2は、それぞれの通信回路部14および24を介して通信を行うと共に、ワイヤレス送電部11とワイヤレス受電部21との間の共鳴方式(磁界・電界)により電力の伝送を行う。
図17は、図16の無線電力伝送システムにおける送電器の一例を示すブロック図である。図16および図17に示されるように、送電器1において、ワイヤレス送電部11は、LC共振器11aおよび電力供給コイル11bを含む。高周波電源部12は、発振器121、増幅器122および整合器123を含む。
送電制御部13は、送電制御回路131および周波数ロック回路132を含む。ここで、周波数ロック回路132は、例えば、図14A〜図14Cを参照して説明したPLL回路220A,220Bに対応する。
前述したように、周波数ロック回路132は、通信回路部14からの同期信号を受け取り、所定の間隔(例えば、数分〜数十分間隔)で、発振器121の同期処理を行う。発振器121は、所定の周波数(例えば、6.78MHz)の周波数の駆動信号を生成し、増幅器122および整合機123を介してワイヤレス送電部11(電力供給コイル11b)に出力する。
送電制御回路131は、内部バス133で繋がれたCPU(演算処理装置)134、メモリ135および入出力回路(I/O部)136を含む。ここで、メモリ135は、フラッシュメモリ等の書き替え可能な不揮発性メモリ、および、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を含む。そして、後に詳述する送電器の様々な処理(ソフトウェアプログラム)を実行する。
送電器1には、例えば、受電器2の位置を検出する位置センサS1、人や動物等の生体を検知する人感センサ(生体感知センサ)S2および送電器1の異常を検知する異常検知センサS3が設けられている。
各センサS1〜S3の出力は、例えば、I/O部136を介してCPU134に入力され、メモリ135に格納されたソフトウェアプログラム(無線電力伝送プログラム、或いは、送電器の制御プログラム)に従った処理に利用される。
なお、無線電力伝送プログラム(送電器の制御プログラム)は、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体(例えば、SD(Secure Digital)メモリカード)70からI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。
或いは、プログラム(データ)提供者60のハードディスク装置61から回線およびI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。ここで、ハードディスク装置61からI/O部136への回線は、通信回路部14を利用した無線通信回線であってもよい。
また、無線電力伝送プログラムが記録された可搬記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)としては、他にDVD(Digital Versatile Disk)ディスクやブルーレイディスク(Blue-ray Disc)等の記録媒体であってもよい。さらに、図17は、送電器1の単なる例を示すものであり、様々な変更および変形が可能である。
図18は、図16の無線電力伝送システムにおける受電器の一例を示すブロック図である。図16および図18に示されるように、受電器2において、ワイヤレス受電部21は、LC共振器21aおよび電力取出コイル21bを含む。受電回路部22は、整流器221およびDC−DCコンバータ222を含み、バッテリ部25は、バッテリ充電制御LSI251およびバッテリ252を含む。
受電制御部23は、内部バス233で繋がれたCPU(演算処理装置)234、メモリ235および入出力回路(I/O部)236を含む。ここで、メモリ235は、フラッシュメモリ等の書き替え可能な不揮発性メモリ、および、DRAM等を含む。そして、後に詳述する受電器の様々な処理(ソフトウェアプログラム)を実行する。
なお、受電器2は、スマートフォンやノートパソコンのような、もともと通信回路部14や受電制御部23に相当する回路を含んでいるものもあり、それらを使用することもできるが、例えば、受電制御部23をモジュールとして新たに設けることもできる。また、受電器2が、通信回路部14や受電制御部23に相当する回路を含んでいない場合には、新たに設けることになる。
受電器2には、例えば、その受電器2の姿勢情報(θXYZ)を検出することのできるセンサ(三次元の加速度センサ)SAが設けられている。このような加速度センサSAは、例えば、スマートフォン等には元から設けられているので、それを使用することができる。なお、受電器2が姿勢情報を検出することのできる加速度センサSAを持たない場合には、例えば、前述した3D充電を行えないが、2D充電を行うことは可能である。
さらに、受電器2に対しても、送電器1と同様に、位置センサS1、人感センサS2および異常検知センサS3を設けてもよいが、例えば、異常センサS3だけ設け、他の位置センサS1および人感センサS2は省略するといった仕様にすることもできる。
各センサSA,S1〜S3の出力は、例えば、I/O部236を介してCPU234に入力され、メモリ235に格納されたソフトウェアプログラム(無線電力伝送プログラム、或いは、受電器の制御プログラム)に従った処理に利用される。
なお、無線電力伝送プログラム(受電器の制御プログラム)は、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体(例えば、マイクロSDメモリカード)90からI/O部236を介してメモリ235に格納されてもよい。
或いは、プログラム(データ)提供者80のハードディスク装置81から回線およびI/O部236を介してメモリ235に格納されてもよい。ここで、ハードディスク装置81からI/O部236への回線は、通信回路部24を利用した無線通信回線であってもよい。
また、無線電力伝送プログラムが記録された可搬記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)としては、他にDVDディスクやブルーレイディスク等の記録媒体であってもよい。さらに、図18は、受電器2の単なる例を示すものであり、様々な変更および変形が可能である。
以下、図19〜図24を参照して、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理を説明する。なお、図19〜図24において、各図の上から下に向かう方向が時間の流れを表している。また、送電側において、送電器の数は示していないが、複数の送電器(LC共振器:共振コイル)が設けられているものとする。
さらに、1つの送電器でも複数のLC共振器を含むものは、複数の送電器と同等に扱う。従って、本実施例のように、複数の送電器の内、1つの送電器をマスタに設定するということは、1つの演算処理装置(CPU)により、マスタ送電器およびスレーブ送電器に含まれる全てのLC共振器を制御することを意味する。
図19は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第1例を説明するためのフローチャートであり、送電側が複数のLC共振器を含み、受電側が1つの受電器2の場合の処理を説明するものである。上述したように、1つの送電器1が複数のLC共振器11aを含むものもあるが、説明を簡略化するために、1つの送電器1が1つのLC共振器11aを有するものとして説明する。
図19に示されるように、まず、送電側は、常時送信中(送電相手を確認中:ST101)で、複数の送電器1A,1B,1C,…が互いに検知する(ST102)。ここで、複数の送電器の内の1つをマスタ送電器1Aとし、他をスレーブ送電器1B,1C,…として、マスタ/スレーブを確定する(ST103)。なお、以下の処理において、判断は、全てマスタ送電器1A、すなわち、マスタ送電器1AのCPU134が行う。
さらに、常時送信中(受電相手を確認中:ST104)において、受電側の受電器2が通信に応答し(認証チェック:ST105)、送電側(マスタ送電器1A)に対して必要電力を通知する(ST106)。
送電側では、センサS1(位置センサ)を確認して受電器の位置を確認し(ST107)、また、受電器2では、加速度センサSAで向きを確認して、その確認された向きを送信する(ST108)。
送電側では、確認された位置(位置情報)と受電器2から送信された向き(姿勢情報)から相対位置関係を確定し、推定効率を確定し(ST109)、整合条件の初期設定を行う(ST110)。
さらに、送電側(マスタ送電器1A)では、各送電コイル(複数の送電器1A,1B,1C,…の各LC共振器)の強度および位相の初期設定を行う(ST111)。そして、受電側(受電器2)では、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル(LC共振器)21aをオンする(ST112)。
次に、送電側では、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST113)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST114)。ここで、テスト送電の10%出力は、単なる例であり、これに限定されるものではない。このとき、受電器2は、受電を確認して、受電したことを送信する(ST115)。
送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内かどうかを確認する(ST116)。さらに、送電側では、センサS2(人感センサ)を確認して、人がいる時は小電力モードとし(ST117)、人がいない時は本格送電(100%電力伝送)を行って100%出力を確認する(ST118)。
さらに、センサS3(異常検知センサ)を確認して、異常発熱が発生していないことを確認する(ST119)。ここで、異常検知センサS3は、送電器1に設けてもよいが、受電器2に設けることもでき、異常検知センサS3を受電器2に設けた場合には、マスタ送電器1Aに対して、異常検知センサS3による異常発熱の有無を送信することになる。
受電器2では、受電を確認して、受電したことを送信する(ST120)。送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内かどうかを確認する(ST121)。すなわち、送電側(全ての送電器1A,1B,…)から送電された電力と、受電器2により受電された電力から送電の効率を演算することができ、その演算された効率が予め想定した効率内かどうかを確認する。なお、演算された効率が想定効率内ではない場合には、例えば、何らかの異常が発生したとして、送電の停止、並びに、アラームの発生や異常表示等を行う。
図20は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第2例を説明するためのフローチャートであり、送電側が複数の送電器1A,1B,1C,…で、受電側が2つの受電器2A,2Bの場合の処理を説明するものである。
図20に示されるように、まず、送電側は、常時送信中(送電相手を確認中:ST201)で、受電側では、受電器2Aが通信に応答(認証チェック)して必要電力を通知し(ST202)、受電器2Bが通信に応答(認証チェック)して必要電力を通知する(ST203)。
送電側では、センサS1(位置センサ)を確認して各受電器2A,2Bの位置(位置情報)を確認する(ST204)。また、受電側では、受電器2Aが加速度センサSAで向き(姿勢情報)を確認して、その確認された向きを送信し(ST205)、受電器2Bが加速度センサSAで向き確認して、その確認された向きを送信する(ST206)。
受電側では、位置(位置情報)と向き(姿勢情報)から相対位置関係を確定し、各推定効率を確定する(ST207)。さらに、整合条件の初期設定を行い(ST208)、各送電コイルの強度および位相の初期設定を行う(ST209)。
そして、受電器2Aは、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル21aAをオンする(ST210)。送電側では、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST211)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST212)。なお、異常検知センサS3は受電器2A,2Bに設けてもよいのは、前述した通りである。
このとき、受電器2Aは、受電を確認して、受電したことを送信し、共振コイル21aAをオフする(ST213)。送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内1を確認する(ST214)。
次に、受電器2Bは、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル21aAをオンする(ST215)。送電側では、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST216)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST217)。
このとき、受電器2Bは、受電を確認して、受電したことを送信し、共振コイル21aBをオフする(ST218)。送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内2を確認する(ST219)。
このように、本実施例では、複数の受電器2A,2Bに対して、順番にテスト送電を行って異常の有無を確認し、その後、複数の受電器2A,2Bに対する分配条件を算出すると共に、図8E〜図8Hを参照して説明した共振調整(微調整)を行って同時伝送を可能とする。
すなわち、複数の受電器2A,2Bに対するテスト送電が終了すると、分配条件を算出し、各受電器2A,2Bに送信する(電力伝送する:ST220)。そして、受電器2Aは、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル21aAをオンすると共に、微調整を行い(ST221),受電器2Bは、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル21aBをオンすると共に、微調整を行う(ST222)。
送電側では、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST223)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST224)。受電側では、受電器2A,2Bの受電を確認して、送信する(ST225)。
送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内1および2を確認する(ST226)。さらに、送電側では、センサS2(人感センサ)を確認して、人がいる時は小電力モードとし(ST227)、人がいない時は本格送電(100%電力伝送)を行って100%出力を確認する(ST228)。
さらに、センサS3(異常検知センサ)を確認して、異常発熱が発生していないことを確認する(ST229)。受電側では、受電を確認して、受電したことを送信し(ST230)、送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内を確認する(ST231)。
なお、演算された効率が想定効率内ではない場合、例えば、送電の停止、並びに、アラームの発生や異常表示等を行うのは、前述した通りであり、また、以下に説明する同様の想定効率内の確認でも同様の処理を行う。
図21は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第3例を説明するためのフローチャートであり、センサS2(人感センサ,生体感知センサ)による処理を説明するためのものである。
図21に示されるように、送電側は、100%出力を確認し(ST301)、センサS3(異常検知センサ)を確認して異常発熱が発生していないことを確認する(ST302)。そして、受電側では、受電器2A,2Bを確認して、受電したことを送信する(ST303)。
送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内かどうかを確認する(ST304)。さらに、センサS2(人感センサ)を確認して、人がいないと(ST305)、センサS1(位置センサ)を確認して受電器の位置を確認する(ST306)。
図22は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第4例を説明するためのフローチャートであり、受電器で所定の充電量を達成したときの処理を説明するためのものである。
図22に示されるように、受電側(受電器)は、所定の充電量が達成されると(ST401)、送電停止を依頼し、その送電停止依頼を送信する(ST402)。送電側は、受電器からの送電停止を受信し(ST403)、送電を停止する(ST404)。そして、受電器は、受電停止を確認し(ST405)、共振コイルをオフする(ST406)。
図23は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第4例を説明するためのフローチャートであり、2つの受電器の内の一方で所定の充電量を達成したときの処理を説明するためのものである。
図23に示されるように、受電側において、受電器2Aで所定の充電量が達成されると(ST501)、受電器2Aは送電停止を依頼し、その送電停止依頼を送信する(ST502)。このとき、受電器2Bは、所定の充電量が達成されていないものとする。
送電側は、受電器2Aからの送電停止を受信し(ST503)、送電を一時停止する(ST504)。そして、受電器2A,2Bは、受電停止を確認し(ST505)、受電器2Aは、共振コイル11aAをオフする(ST506)。送電側では、受電器2Bに対する電力伝送を行うために、送電を再開する(テスト送電も含めて、送電開始動作を行う:ST507)。
図24は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第5例を説明するためのフローチャートであり、バッテリ残量ゼロのデバイスに対する処理を説明するためのものである。ここで、バッテリ残量ゼロのデバイスに対する処理では、位置センサS1および加速度センサSAによる情報は使用しない。
図24に示されるように、送電側において、各デバイスへの送電中のとき(ST601)、受電側では、各デバイスが受電中になっている(ST602)。次に、ユーザがバッテリ残量ゼロのデバイス(受電器)を送電器の近くに配置する(ST603)。ここで、バッテリ残量ゼロの受電器を送電器の近くに配置する位置は、予め所定の受電位置が既定されている。
さらに、ユーザがバッテリ残量ゼロスイッチをオンする(ST604)。これにより、送電を停止し(ST605)、全ての受電系(受電器)へ共振コイルのオフを通信する(ST606)。受電側では、全ての受電器(バッテリ残量ゼロの受電器以外の全ての受電器)の共振コイルがオフする(ST607)。
送電側では(マスタ送電器は)、バッテリ残量ゼロの受電器が所定位置に置かれたとして相対位置関係を推定し(ST608)、整合条件を初期設定する(ST609)。すなわち、バッテリ残量ゼロの受電器に対しては、例えば、電磁誘導による結合を使用して送電を行うことになる。
さらに、各送電コイルの強度および位相を初期設定し(ST610)、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST611)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST612)。
マスタ送電器は、センサS2(人感センサ)を確認して、人がいる時は小電力モードとし(ST613)、人がいない時は本格送電RT1(例えば、5W)して5W出力を確認する(ST614)。そして、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST615)。
次に、本格送電RT1(例えば、5W)を所定時間(例えば、5分程度)継続し、受電器に対する通信を確認する(ST616)。これは、インピーダンスの安定を確認することでおこなってもよい(ST617)。ここで、受電側(バッテリ残量ゼロの受電器)では、例えば、充電が不十分だと通信は不可のままとなっている(ST618)。
さらに、本格送電RT2(例えば、10W)して10W出力を確認し(ST619)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST620)。
そして、本格送電RT2(例えば、10W)を所定時間(例えば、5分程度)継続し、受電器に対する通信を確認する(ST621)。これは、インピーダンスの安定を確認することでおこなってもよい(ST622)。ここで、受電側(バッテリ残量ゼロの受電器)では、例えば、充電が進むと、バッテリ残量ゼロだった受電器は通信に応答する(ST623)。
送電側では、通常の受電器1つに対する送電を所定時間だけ継続する(ST624)。ここで、バッテリ残量ゼロだった受電器に対する送電は、電磁誘導を利用した送電によりバッテリの満充電までおこなってもよいが、ある程度(通信可能な状態まで)充電が進んだ後は、共鳴を利用した送電に切り替えてもよい。
そして、送電を停止し(ST625)、通常の送電開始より処理を再開(ST626)、すなわち、前述した図19〜図23を参照して説明した処理を実行する。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
1 送電器(1次側,送電側)
1A〜1D 送電器
2 受電器(2次側,受電側)
2A〜2E 受電器
11 ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB LC共振器(第2コイル,共振コイル)
11b,11bA,11bB 電力供給コイル(第1コイル)
12 高周波電源部
13 送電制御部
14,14A,14B 通信回路部(第1通信回路部)
21 ワイヤレス受電部
21a,21aA,21aB LC共振器(第3コイル,共振コイル)
21b,21bA,21bB 電力取出コイル(第4コイル)
22 受電回路部
23 受電制御部
24 通信回路部(第2通信回路部)
25 バッテリ部
121,121A,121B 発振器
122,122A,122B 増幅回路
123 整合器
131 送電制御回路
132 周波数ロック回路
133,233 内部バス
134,234 演算処理装置(CPU)
135,235 メモリ
136,236 入出力回路(I/O部)
140B 復調回路
210A,210B,220A,220B PLL回路(同期回路)
S1 位置センサ
S2 人感センサ(生体感知センサ)
S3 異常検知センサ
SA 三次元加速度センサ
この出願で言及する実施例は、無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法に関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)を利用する場合、電力を送る側の送電器と、送電器から送られた電力を受け取る側の受電器がそれぞれ異なるメーカの製品であっても支障なく使用するために標準化を行うのが好ましい。
従来、無線による電力伝送技術としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られている。これに対して、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、磁界共振(磁界共鳴)や電界共振を利用した電力伝送技術に対する期待が高まっている。なお、電界共振も、電界共鳴と呼ぶこともある。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2010−239769号公報 米国特許第7825543号明細書
庄木 裕樹他(SHOKI Hiroki, et al.), 「ワイヤレス電力伝送技術に関する最新の標準化動向」, 電子情報通信学会技術研究報告(信学技報), WPT2011-19, December 2011.
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する無線電力伝送技術が注目されている。しかしながら、例えば、磁界共鳴や電界共振を利用した電力伝送技術の標準化はなされていないのが現状である。
そのため、磁界共鳴や電界共振を利用した電力伝送システム、或いは、送電器および受電器の実用化の停滞が懸念されている。
一実施形態によれば、複数の送電器と、前記複数の送電器と通信可能な受電器と、を有し、前記複数の送電器のうち少なくとも1つの送電器から前記受電器に対して、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムが提供される。
前記複数の送電器のうち少なくとも1つの送電器は、前記受電器により検出された、前記複数の送電器のうち前記受電器へ送電可能な2以上の送電器の情報に基づき、前記複数の送電器のうち、1つの送電器をマスタ送電器に設定すると共に、他の送電器をスレーブ送電器に設定し、前記マスタ送電器は、前記複数の送電器のうち少なくとも1つの送電器を制御して前記受電器へ電力伝送を行う。
開示の無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法は、電力伝送を最適な状態で行うことができるという効果を奏する。
図1は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図2Aは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図2Bは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図3Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図3Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図3Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図3Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図4Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図4Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図4Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図5Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図5Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図6Aは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その1)である。 図6Bは、図6Aにおける各受電器の状態を説明するための図である。 図6Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その2)である。 図6Dは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その3)である。 図6Eは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)である。 図6Fは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その5)である。 図7は、受電器の姿勢情報を説明するための図である。 図8Aは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その1)である。 図8Bは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その2)である。 図8Cは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その3)である。 図8Dは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その4)である。 図8Eは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その5)である。 図8Fは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その6)である。 図8Gは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その7)である。 図8Hは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その8)である。 図9は、人の検出と送電器の出力調整を説明するための図である。 図10は、図9における各受電器の状態を説明するための図である。 図11は、バッテリ残量ゼロの受電器への対応を説明するための図である。 図12Aは、複数の送電器における同期の問題を説明するための図(その1)である。 図12Bは、複数の送電器における同期の問題を説明するための図(その2)である。 図12Cは、複数の送電器における同期の問題を説明するための図(その3)である。 図13Aは、複数の送電器における同期問題に対する第1同期手法を説明するための図(その1)である。 図13Bは、複数の送電器における同期問題に対する第1同期手法を説明するための図(その2)である。 図13Cは、複数の送電器における同期問題に対する第1同期手法を説明するための図(その3)である。 図14Aは、複数の送電器における同期問題に対する第2同期手法を説明するための図(その1)である。 図14Bは、複数の送電器における同期問題に対する第2同期手法を説明するための図(その2)である。 図14Cは、複数の送電器における同期問題に対する第2同期手法を説明するための図(その3)である。 図15Aは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図(その1)である。 図15Bは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図(その2)である。 図15Cは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図(その3)である。 図15Dは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図(その4)である。 図16は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図17は、図16の無線電力伝送システムにおける送電器の一例を示すブロック図である。 図18は、図16の無線電力伝送システムにおける受電器の一例を示すブロック図である。 図19は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第1例を説明するためのフローチャートである。 図20は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第2例を説明するためのフローチャートである。 図21は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第3例を説明するためのフローチャートである。 図22は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第4例を説明するためのフローチャートである。 図23は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第4例を説明するためのフローチャートである。 図24は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第5例を説明するためのフローチャートである。
以下、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を、添付図面を参照して詳述する。図1は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。
図1において、参照符号1は1次側(送電側:送電器)を示し、2は2次側(受電側:受電器)を示す。図1に示されるように、1次側1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部(第1通信回路部)14を含む。また、2次側2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部22、受電制御部23および通信回路部(第2通信回路部)24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(LC共振器)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(LC共振器)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図1に示されるように、1次側1と2次側2は、LC共振器11aとLC共振器21aの間の磁界共鳴(電界共振)により、1次側1から2次側2へエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、LC共振器11aからLC共振器21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共振等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
1次側1と2次側2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、1次側1のLC共振器11aと2次側2のLC共振器21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲PR)は、1次側1の通信回路部14と2次側2の通信回路部24による通信距離(通信範囲CR)よりも短く設定される(PR<CR)。
また、LC共振器11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、LC共振器11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、本実施例の無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1のLC共振器11aと、受電器2のLC共振器21aによる磁界共鳴または電界共振を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電圏)PRは、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設されたLC共振器11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。LC共振器11aは、LC共振器21aとの間に磁場共鳴を生じさせる共振周波数により、LC共振器21a(2次側2)に電力を伝送する。
LC共振器21aは、そのLC共振器21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部25におけるバッテリの充電、或いは、2次側2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、1次側1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、2次側2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、1次側1から2次側2への電力伝送を最適な状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図2A〜図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図であり、図2Aおよび図2Bは、3コイル構成の例を示し、図2Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図1に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイル21bを含んでいる。
これに対して、図2Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(LC共振器)21aとし、図2Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(LC共振器)11aとしている。
さらに、図2Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つのLC共振器21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つのLC共振器11aとしている。なお、図2A〜図2Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図3A〜図3Dは、独立共振コイル(LC共振器21a)の例を示す回路図であり、図4A〜図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(LC共振器21a)の例を示す回路図である。ここで、図3A〜図3Dは、図1および図2BにおけるLC共振器21aに対応し、図4A〜図4Dは、図2Aおよび図2CにおけるLC共振器21aに対応する。
図3Aおよび図4Aに示す例は、LC共振器21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図3Bおよび図4Bに示す例は、LC共振器21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Cおよび図4Cに示す例は、図3Bおよび図4BのLC共振器21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Dおよび図4Dに示す例は、図3Bおよび図4BのLC共振器21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各LC共振器21aにおいて、通常時にLC共振器21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器(2次側)2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、1次側(送電器)1のLC共振器11aも図3A〜図3Dおよび図4A〜図4Dと同様にすることもできるが、送電器1のLC共振器11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、LC共振器11aは、図3Aおよび図4Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2のLC共振器21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送を行うことが可能になる。
図5A〜図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図5A〜図5Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。図5Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用のLC共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用のLC共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用するLC共振コイル21aは、LC共振コイル11aAおよびLC共振コイル11aBで囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電用のLC共振コイル11aAおよびLC共振コイル11aBは、1つの送電器に設けられることもある。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含むこともある。ただし、以下の説明では、主として1つの送電器1が1つのワイヤレス送電部11(LC共振コイル11a)を含む場合を説明する。
なお、後に詳述するが、複数の送電器の内、1つの送電器をマスタとし、他の送電器をスレーブにするということは、1つのマスタ送電器の演算処理装置(CPU)により、マスタ送電器およびスレーブ送電器に含まれる全てのLC共振器を制御することを意味する。
図5Bは、共振コイル11aAおよび共振コイル11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図5Cは、共振コイル11aAおよび共振コイル11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
すなわち、本実施例の無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
図6Aは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その1)であり、図6Bは、図6Aにおける各受電器の状態を説明するための図であり、2つの送電器1Aおよび1B、並びに、5つの受電器2A〜2Eが設けられた場合を示すものである。
本実施例の無線電力伝送システムでは、複数の送電器1A,1Bにおける1つの送電器1Aをマスタ(主)とすると共に、他の送電器1Bをスレーブ(従)と定め、例えば、複数の送電器および受電器の最適化等の処理は、マスタ(送電器1A)が決定するものとする。
図6Aにおいて、参照符号PRaは送電器1Aの電力伝送範囲(マスタ送電圏)を示し、PRbは送電器1Bの電力伝送範囲(スレーブ送電圏)を示し、CRaは送電器1Aの通信範囲(マスタ通信圏)を示し、CRbは送電器1Bの通信範囲(スレーブ通信圏)を示す。
従って、受電器2A〜2Eは、次のようになる。すなわち、図6Bに示されるように、受電器2Aは、マスタ通信圏CRa外(×)、スレーブ通信圏CRb外、マスタ送電圏PRa外およびスレーブ送電圏PRb外になり、単に送電器からの通信を待つことになる。
次に、受電器2Bは、マスタ通信圏CRa内(○)、スレーブ通信圏CRb外、マスタ送電圏PRa外およびスレーブ送電圏PRb外になり、マスタの送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏外(マスタおよびスレーブの送電圏外)であることが確認できる。
また、受電器2Cは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電PRa圏外およびスレーブ送電圏PRb外になり、マスタおよびスレーブの送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、電力圏外であることが確認できる。
さらに、受電器2Dは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電圏PRa内およびスレーブ送電圏PRb外になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1Aの電力圏内(マスタ送電圏PRa内)であることが確認できる。
そして、受電器2Eは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電圏PRa内およびスレーブ送電圏PRb内になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1A,1Bの電力圏内(送電圏PRa,PRb内)であることが確認できる。
ここで、複数の送電器において、マスタになる1つの送電器を決定するが、その決定方法としては、後述するように、例えば、その通信圏内に最も多くの受電器が存在する、或いは、その送電圏内に最も多くの受電器が存在するといった条件により決定する。
例えば、その通信圏内にそれぞれ1つの受電器が存在するといった同等の条件が成立する場合、例えば、受電器との間の通信強度といったさらなる条件を加えてマスタを決定するか、或いは、乱数表等を使用して任意の1つの送電器をマスタに決定してもよい。
ところで、異なる製造メーカによる送電器は、例えば、その送電器の強度や位相の最適化ルールはそれぞれ異なる。そこで、本実施例の無線電力伝送システムでは、複数の送電器の内の1つをマスタとして決めることで、そのマスタになった送電器が他のスレーブの送電器を含め、最適化を制御する。
図6C〜図6Eは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その2〜4)であり、複数の送電器間におけるマスタ/スレーブの決め方を説明するものである。
まず、複数の送電器において、マスタ送電器およびスレーブ送電器を設定するのは、送電器が互いに通信範囲(通信圏)内にあり、電力伝送範囲(送電圏)が重なっており、しかも、受電器により送電圏が重なっていることが検出される場合である。
すなわち、図6Cは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電器1Bの通信圏CRbは重なっているが、送電器1Aの送電圏PRaおよび送電器1Bの送電圏PRbは重なっていない場合を示す。このとき、互いの送電圏PRa,PRbは重ならないので、両方の送電器1Aおよび1Bを、それぞれマスタ送電器として設定される。
次に、図6Dは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電圏PRaと、送電器1Bの通信圏CRbおよび送電圏PRbが重なり、受電器2が送電圏PRaおよびPRbの両方に含まれる位置に存在する場合を示す。
この図6Dの場合には、送電器1A,1Bが互いに通信圏CRa,CRb内にあり、送電圏PRa,PRbが重なっており、しかも、受電器2により送電圏PRa,PRbが重なっていることが検出される。
従って、図6Dの場合には、送電器1A,1Bの内、一方(1A)をマスタ送電器に設定し、他方(1B)をスレーブ送電器に設定する。このとき、送電器1Bをマスタとし、送電器1Aをスレーブとしてもよいが、いずれかをマスタ送電器に設定する。
さらに、図6Eは、送電器1Aおよび1Bは、上述した図6Dと同じ位置関係に配設されているが、受電器2が存在しない(通信圏CRaおよびCRbに存在しない)場合であり、このときは、両方ともマスタに設定する。
なお、3つ以上の送電器に対しても、例えば、図6Dに相当する場合には、いずれか1つをマスタ送電器に設定する。なお、複数の送電器から1つのマスタ送電器を決定する手法は、様々なものが考えられるが、その一例を図6Fを参照して説明する。
図6Fは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その5)であり、4つの送電器1A〜1Dが一列に並んだ場合を示すものである。ここで、送電器1Aの通信圏CRaは、送電器1Bを含むが送電器1Cおよび1Dを含まず、同様に、送電器1Dの通信圏CRdは、送電器1Cを含むが送電器1Aおよび1Bを含まない。
また、送電器1Bの通信圏CRbは、送電器1Aおよび1Cを含むが送電器1Dを含まず、同様に、送電器1Cの通信圏CRcは、送電器1Bおよび1Dを含むが送電器1Aを含まない。
この図6Fの場合、例えば、送電器1Bをマスタ(マスタ送電器)とし、他の送電器1A,1C,1Dをスレーブ(スレーブ送電器)に設定する。ここで、送電器1Cをマスタに設定することもできる。なお、送電器1Bをマスタに設定すると、送電器1Dに対して直接通信することは困難になるが、その場合、送電器1Dに対しては、送電器1Cを経由して通信を行い、最適化等の制御を行う。
このように、本実施例の無線電力伝送システムにおいて、複数の送電器から1つのマスタを決める場合、最も多くの送電器と直接通信が可能なものをマスタと決めるのが好ましい。
なお、図6Fでは、4つの送電器1A〜1Dが直線上に並べられているが、実際には、例えば、部屋の壁や天井に埋め込まれ、机やテーブルに内蔵され、或いは、床やテーブル等に載置されるといった、様々な位置関係で複数の送電器が配設されることになる。
図7は、受電器の姿勢情報を説明するための図であり、マスタとされた送電器1Aと2つの受電器2’および2”を示すものである。ところで、受電器2としては、例えば、二次元的な位置情報(X,Y,Z)だけで充電される2D充電の受電器2’と、三次元的な位置情報(X,Y,Z)および姿勢情報(θXYZ)により充電される3D充電の受電器2”が考えられる。
すなわち、受電器(2D)2’は、例えば、送電器の上面上に載置(平置き)することにより充電され、受電器(3D)2”は、例えば、送電器に対して任意の位置および姿勢の状態でも充電される。
このように、本実施例の無線電力伝送システムでは、2D充電の受電器2’と3D充電の受電器2”が混在しても、適切な送電処理を行うことができるようになっている。なお、3D充電に使用する姿勢情報(θXYZ)は、例えば、現状のスマートフォン等の受電器2”にも搭載されている三次元の加速度センサ等から得ることができる。
図8A〜図8Dは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その1〜その4)であり、LC共振器の共振調整を行わない場合の分配制御を説明するためのものである。なお、図8A〜図8Dでは、説明を簡略化するために、1つの送電器1のみが描かれているが、複数の送電器に対しても同様である。また、効率は、送電器1(LC共振器11a)と受電器2(LC共振器21a)の間の電力伝送効率を意味する。
まず、図8Aに示されるように、受電電力(例えば、5W)が等しい2つの受電器2A,2Bを送電器1上に平置きして2D充電を行う場合、例えば、受電器2A,2Bに対する効率(例えば、80%)は等しくなる。従って、図8Aの場合には、2つの受電器2A,2Bに対して同時に電力伝送を行う同時電力伝送モード(同時伝送モード)が可能になる。
次に、図8Bに示されるように、受電電力(5W)が等しい2つの受電器2A,2Bを送電器1の上方に配置して3D充電を行う場合、例えば、受電器2Aに対する効率は60%になり、受電器2Bに対する効率は80%になる。
ここで、図8Bにおいて、受電器2Aおよび2Bで効率が異なるのは、例えば、送電器1に対する距離(位置)および姿勢が受電器2A,2Bで異なるためである。従って、図8Bの場合には、同時伝送モードを適用することができず、受電器2Aに対する充電と受電器2Bに対する充電を、時間を分割して行う時分割電力伝送モード(時分割モード)による電力伝送を行うことになる。
なお、同時伝送モードが可能な場合(例えば、図8Aの場合)には、時分割モードが可能なのはいうまでもない。また、時分割モードにおいて、受電器2Aに対する充電(電力伝送)を行っているときは、受電器2BのLC共振器21aBをオフし、逆に、受電器2Bに対する充電を行っているときは、受電器2AのLC共振器21aAをオフする。
また、図8Cに示されるように、受電電力が異なる2つの受電器2A,2Cを送電器1上に平置きして2D充電を行う場合、例えば、受電器2A,2Cに対する効率は等しくなる。
しかしながら、例えば、スマートフォンのような受電器2Aの受電電力は5Wであるのに対して、ノートパソコンのような受電器2Cの受電電力は50Wであり、受電器2A,2Cの受電電力は異なる。この図8Cの場合も、図8Bの場合と同様に、同時伝送モードを適用することができず、時分割モードによる電力伝送を行うことになる。
さらに、図8Dに示されるように、例えば、受電電力が5Wの受電器2Aと受電電力が50Wの受電器2Cを送電器1の上方に配置して3D充電を行う場合、例えば、受電器2Aに対する効率は60%になり、受電器2Bに対する効率は80%になる。従って、図8Cの場合も、図8Bおよび図8Cの場合と同様に、同時伝送モードを適用することができず、時分割モードによる電力伝送を行うことになる。
図8E〜図8Hは、複数の受電器への電力の分配制御を説明するための図(その5〜その8)であり、LC共振器の共振調整を行う場合の分配制御を説明するためのものである。なお、図8E〜図8Hは、上述した図8A〜図8Dに対応する。
まず、複数の受電器における受電電力が最大のもの(例えば、受電電力が50Wのノートパソコン2C)に対して送電器1からの電力送電を行う。このとき、受電電力が最大ではない受電器(例えば、受電電力が5Wのスマートフォン2A,2B)に関しては、その受電器2A,2Bにおいて、最適な受電電力(5W)となるように、LC共振器21aA,21aBの調整を行う。
すなわち、受電電力が最大ではない受電器2A,2Bでは、それらのLC共振器21aA,21aBの共振周波数またはQ値を変化させ、LC共振器21aA,21aBが受け取る電力が受電器2A,2Bの受電電力に適した値となるように調整(共振調整)を行う。
上述した共振調整を行うことにより、図8E〜図8Hの全ての場合において、同時伝送モードおよび時分割モードのいずれでも、電力伝送を行うことが可能になる。例えば、図8Fの場合には、受電器2BにおけるLC共振器21aBの共振周波数またはQ値を適正値からずらすことで、受電器2A,2Bに対する電力の同時伝送が可能になる。
また、図8Gおよび図8Hの場合には、いずれも受電器2AにおけるLC共振器21aAの共振周波数またはQ値を適正値からずらすことで、受電器2A,2Cに対する電力の同時伝送が可能になる。なお、上述した共振調整に関しては、本願と同一出願人により別途出願されているが、これに限らず、他の手法を適用することもできるのはいうまでもない。
上述した図8A〜図8Dおよび図8E〜図8Hの処理、すなわち、送電器1における送電電力の強度や位相の制御、或いは、各受電器2A〜2Cにおける制御は、マスタ送電器1により行われる。なお、図8A〜図8Dおよび図8E〜図8Hでは、1つの送電器1のみが描かれているが、通常、複数の送電器から設定された1つのマスタ送電器が、上述した各処理の制御を行うことになる。
図9は、人の検出と送電器の出力調整を説明するための図であり、図10は、図9における各受電器の状態を説明するための図である。図9において、参照符号SRaは、送電器1Aによる人(生体)の有無を検出する人感センサ(生体感知センサ(S2))による検出範囲(生体感知範囲:人感センサ範囲,人感センサ圏)を示す。
ここで、送電器1Aの送電圏(電力伝送範囲)PRaは、例えば、半径が2〜3メートル程度であり、人感センサ圏SRaは、例えば、送電圏PRaよりも広く、半径が4〜5m程度であり、通信圏(通信範囲)CRaは、半径が10m程度である。
すなわち、人感センサ圏SRaは、送電圏PRaよりも広く、通信圏CRaは、人感センサ圏SRaよりも広く、PRa<SRa<CRaの関係が成立する。なお、上記送電圏PRa、人感センサ圏SRaおよび通信圏CRaは、単なる例であり、仕様により様々に変更されるのはいうまでもない。
従って、受電器2A〜2Dは、次のようになる。すなわち、図10に示されるように、受電器2Aは、送電器1Aの通信圏CRa外(×)、人感センサ圏SRa外および送電圏PRa外になり、単に送電器からの通信を待つことになる。
次に、受電器2Bは、通信圏CRa内(○)、人感センサ圏SRa外および送電圏PRa外になり、送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏PRa外であることが確認できる。
また、受電器2Cは、通信圏CRa内、人感センサ圏SRa内および送電圏PRa外になり、送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏PRa外であることが確認できる。さらに、受電器2Dは、通信圏CRa内、人感センサ圏SRa内および送電圏PRa内になり、送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏PRa内であることが確認でき、さらに、人感センサの確認も行うことができる。
人感センサを用いた送電器1Aの出力の制御例を説明する。例えば、人感センサ圏SRa内に人(生体)が存在しなければ、例えば、送電器1Aからの送電出力を50Wとし、逆に、人感センサ圏SRa内に人が存在していれば、例えば、送電器1Aからの送電出力を5Wに低減する。
図11は、バッテリ残量ゼロの受電器への対応を説明するための図である。まず、受電器の必要電力情報を得るためには、送電器と受電器の間の通信が必須であるが、例えば、受電器のバッテリ残量がゼロの状態では、通信を行えない。
そこで、バッテリ残量がゼロの受電器2D(2)に対しては、ワイヤレス受電部21(LC共振器21a)を使用して送電(受電)を行うのではなく、LC共振器21aはオフ状態のまま、例えば、電力取出コイル21bを利用した電磁誘導により充電を行う。これは、受電器2のワイヤレス受電部21がLC共振器21aおよび電力取出コイル21bを含む場合、すなわち、図1および図2Bの場合に有効である。
或いは、オフ状態のLC共振器21aを利用して電磁誘導により充電を行うことも可能である。この場合、オフ状態でLC共振器21aが開放状態になっている図4AのLC共振器21aおよび図4CのLC共振器21aは、除かれることになる。
ここで、図4CのLC共振器21aが除かれるのは、抵抗214の抵抗値が受電回路部22の接続抵抗よりも遥かに大きく、受電した電力が抵抗214により消費されてしまうからである。
図11は、送電器(マスタ送電器)1Aが複数の受電器2Bおよび2Cへ電力伝送を行っている状態で、バッテリ残量ゼロの受電器2Dを送電器1Aの所定位置に接するように配置し、送電器1Aのバッテリ残量ゼロモードを指定した様子を示す。
ここで、送電器1Aでバッテリ残量ゼロモードが指定されると、例えば、送電器1Aに設けられたバッテリ残量ゼロスイッチがオンされると、送電器1Aは、受電器2Bおよび2C(に対する送電(電力伝送)を停止する。
さらに、送電器1Aは、通信可能な通信圏CRa内に存在する受電器2A〜2CのLC共振器21a(21aA〜21aC)の共振をオフ状態にする。なお、受電器2Aには、元から電力伝送は行われておらず、既に、LC共振器21aAはオフしている。
これにより、バッテリ残量ゼロの受電器2Dだけに対して電磁誘導(結合)を利用した電力伝送を行い、他の受電器2A〜2Cに対しては、電磁誘導を利用した電力伝送が行われないようにする。
そして、バッテリ残量ゼロの受電器2Dは、例えば、電磁誘導を利用した電力伝送によりバッテリが充電され、送電器1Aと受電器2Dとの通信が可能になるまで充電が継続される。
ここで、送電器1Aによりバッテリ残量ゼロの受電器2Dを充電する処理は、例えば、テスト送電→小電力送電→中電力送電というように、電力を段階的に引き上げて受電器2Dの通信が回復するまで行うように制御してもよい。また、送電器1Aと受電器2Dとの通信が可能になった後は、通常の磁界共鳴を利用した電力伝送を行う。もちろん、受電器2Dのバッテリの充電が十分になるまで、電磁誘導を利用した電力伝送をおこなってもよい。
図12A〜図12Cは、複数の送電器における同期の問題を説明するための図であり、2つの送電器1A[送電系1]および送電器1B[送電系2]において、電力伝送に使用する磁界共鳴の周波数がずれている場合の周波数同期の問題を説明するためのものである。
図12A〜図12Cに示されるように、送電器1Aの高周波電源部12Aの周波数fに対して、送電器1Bの高周波電源部12Bの周波数がΔfだけずれているとき(f+Δf)、これら2つの送電器1A,1Bからの電力伝送を受けた受電器2では、うなりが生じる。
すなわち、受電器2のLC共振器21aは、送電器1AのLC共振器11aAからの周波数fの磁界と、送電器1BのLC共振器11aBからの周波数f+Δfの磁界と共振して電力を受け取る。
このとき、Δfが数ヘルツ程度であっても、図12Bおよび図12Cに示されるように、受電器2のLC共振器21aの出力にはうなりが含まれることになり、そのうなりを含むLC共振器21aの出力が電源回路22を介してバッテリ部25に入力される。
具体的に、送電器1AのLC共振器11aAからの周波数が10M[Hz]で、送電器1BのLC共振器11aBからの周波数が10M+1[Hz]の場合には、1[Hz]のうなりが発生する。
これは、いくら高精度の発振器を使用したとしても、LC共振器11aAおよびLC共振器11aBを非同期で制御していたのではうなりを回避するのは難しく、送電効率の低下(例えば、半減以下に低下)を招くことになる。
その結果、受電器2では、送電される電力が大幅に低減する。すなわち、電力の送電元が複数の場合、駆動周波数がわずかにずれていても、合成磁界はうなりを生じて電力の伝送効率が大幅に低下することになる。
このような異なる送電器1A,1Bによる共鳴周波数の違いは、例えば、使用する素子や製造段階により、或いは、送電器1A,1Bが配設される周囲の温度等により生じる。
図13A〜図13Cは、複数の送電器における同期問題に対する第1同期手法を説明するための図である。ここで、図13Aは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが離れており同じ受電器(2)に対して同時に送電しない場合を示し、図13Bおよび図13Cは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが近接しており同じ受電器(2)に対して送電する場合を示す。
図13A〜図13Cに示されるように、各送電器1A,1Bは、発振器121A,121B、増幅器122A,122B、PLL(Phase Locked Loop)回路210A,210Bおよび2つのスイッチSW11A,SW12A,SW11B,SW12Bを含む。
なお、回路210A,210Bは、PLL回路に限定されるものではなく、例えば、DLL(Delay Locked Loop)回路等の同期制御が可能な回路(同期回路)であれば、幅広く適用することができる。また、発振器121A,121Bは、クォーツを利用した回路、或いは、PLL回路等の同期回路であってもよい。
まず、図13Aに示されるように、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが離れていて互いの送電領域が重ならない場合、換言すると、同じ受電器(2)に対して同時に送電しない場合、各送電器1Aおよび1Bは、それぞれプライマリに設定する。
すなわち、プライマリの送電器1Aおよび1Bは、同期処理を行うことなく、それぞれの発振器121Aおよび121Bの周波数を増幅器122Aおよび122Bで増幅して出力し、独立に送電を行う。
次に、図13Bおよび図13Cを参照して、2つの送電器1Aおよび1Bが同じ受電器(2)に対して同時に送電する場合を説明する。これは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが近接し、或いは、一方の送電器が出力を開始して他方の送電器の出力と重なる場合であり、いずれか1つの送電器(例えば、1A)をプライマリに設定し、他の送電器(例えば、1B)をセカンダリに設定する。
なお、図13Bおよび図13Cでは、2つの送電器1Aおよび1Bを例として説明するが、3つ以上の送電器に関しても、1つをプライマリ送電器に設定し、残りの送電器をセカンダリ送電器に設定する。
ここで、プライマリ送電器とセカンダリ送電器の決め方は、例えば、前述したマスタ送電器をプライマリ送電器とし、スレーブ送電器をセカンダリ送電器としてもよいが、独立に、プライマリ送電器およびセカンダリ送電器を決めることもできる。
すなわち、例えば、スレーブの1つをプライマリ送電器に設定し、マスタを含めた他のスレーブをセカンダリ送電器に設定してもよい。なお、図13Bおよび図13Cでは、1Aをプライマリ送電器に設定し、1Bをセカンダリ送電器に設定している。
図13Bに示されるように、同期を開始すると、プライマリ送電器1Aは、自身の発振器121Aの周波数で出力を継続する。このとき、セカンダリ送電器1Bは、スイッチSW11Bにより自身の発振器121Bと増幅器122Bの接続を切り離し、出力を停止する。
同時に、セカンダリ送電器1Bは、スイッチSW12BによりLC共振器(送電コイル)11aBとPLL回路210Bを接続し、LC共振器11aBによりプライマリ送電器1AのLC共振器11aAからの電力を受電(受信)する。すなわち、セカンダリ送電器1Bは、送電を停止したLC共振器11aBを、プライマリ送電器1Aの出力信号を受信するアンテナとして使用する。
ここで、セカンダリ送電器1Bの同期処理中、例えば、プライマリ送電器1Aの出力レベルを同期用に低くなるように変更することもできる。また、同期処理中は、例えば、マスタ送電器の指示により、送電対象にある全ての受電器の充電を停止することが好ましい。なお、受電器の充電を停止する場合、各受電器の共振系(LC共振器)はオフするのが好ましい。
このように、プライマリ送電器1Aは、その発振器121Aの発振周波数が同期に使用されるということで、同期処理に関する指示は、マスタ送電器の指示に従って制御されるのはいうまでもない。
セカンダリ送電器1BのPLL回路210Bは、LC共振器11aBで受信した信号に従って、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に対する位相同期(周波数追従)を行い、PLL回路210Bが周波数を追従した後、その周波数をロックする。これにより、セカンダリ送電器1BのPLL回路210Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期した周波数の信号(クロック)を出力することになる。
さらに、図13Cに示されるように、PLL回路210Bの同期完了後、スイッチSW12BによりLC共振器11aBとPLL回路210Bの接続を遮断すると共に、スイッチSW11BによりPLL回路210Bと増幅器122Bを接続する。これにより、セカンダリ送電器1Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期したPLL回路210Bの出力信号により送電を再開する。
このように、第1同期手法によれば、送電器1A,1BのLC共振器11bA,11bBの駆動周波数を一致させて、送電器1Aおよび1Bの両方から受電する受電器2のLC共振器21aおけるうなりが生じないようにすることができる。
ここで、セカンダリ送電器1Bにおける駆動周波数の調整(同期処理)は、送電器1A,1Bが配設される周囲の温度等による変化を補償するために、例えば、数分〜数十分程度の所定の時間間隔で繰り返し行うのが好ましい。
図14A〜図14Cは、複数の送電器における同期問題に対する第2同期手法を説明するための図である。ここで、図14Aは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが離れていて同じ受電器(2)に対して同時に送電しない場合を示し、図14Bおよび図14Cは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが近接して同じ受電器(2)に対して送電する場合を示す。
図14A〜図14Cに示されるように、各送電器1A,1Bは、発振器121A,121B、増幅器122A,122B、PLL回路220A,220B、通信回路部(近距離通信回路)14A,14BおよびスイッチSW13A,SW13Bを含む。なお、回路220A,220Bは、PLL回路に限定されるものではなく、例えば、DLL回路等の同期制御が可能な同期回路であってもよいのは、前述した通りである。
図13A〜図13Cを参照して説明した第1同期手法では、セカンダリ送電器1BのLC共振器11aBをアンテナとして使用し、セカンダリ送電器1BのPLL回路210Bの周波数を、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期させている。
これに対して、図14A〜図14Cを参照して説明する第2同期手法は、プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aおよびセカンダリ送電器1Bの通信回路部14Bを利用して、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bの周波数の同期制御を行う。
まず、図14Aに示されるように、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが離れていて互いの送電領域が重ならない場合、換言すると、同じ受電器(2)に対して同時に送電しない場合、各送電器1Aおよび1Bは、それぞれプライマリとして送電を行う。
すなわち、プライマリの送電器1Aおよび1Bは、同期処理を行うことなく、それぞれの発振器121Aおよび121Bの周波数を増幅器122Aおよび122Bで増幅して出力し、独立に送電を行う。これは、前述した図13Aと同様である。
次に、図14Bおよび図14Cを参照して、2つの送電器1Aおよび1Bが同じ受電器(2)に対して同時に送電する場合を説明する。これは、例えば、2つの送電器1Aおよび1Bが近接し、或いは、一方の送電器が出力を開始して他方の送電器の出力と重なる場合であり、いずれか1つの送電器(例えば、1A)をプライマリに設定し、他の送電器(例えば、1B)をセカンダリに設定する。
なお、図14Bおよび図14Cでは、2つの送電器1Aおよび1Bを例として説明するが、3つ以上の送電器に関しても、1つをプライマリ送電器に設定し、残りの送電器をセカンダリ送電器に設定する。
また、前述したように、プライマリ送電器とセカンダリ送電器の決め方は、例えば、マスタ送電器をプライマリ送電器とし、スレーブ送電器をセカンダリ送電器としてもよいが、独立に、プライマリ送電器およびセカンダリ送電器を決めることもできる。
図14Bに示されるように、同期を開始すると、プライマリ送電器1Aは、自身の発振器121Aの周波数で出力を継続すると共に、その発振器121Aから得られた同期パターンを、通信回路部14Aを介して出力する。
このとき、セカンダリ送電器1Bでは、スイッチSW13Bにより自身の発振器121Bと増幅器122Bの接続を切り離し、出力を停止する。なお、セカンダリ送電器1Bの出力を停止するは、PLL回路220Bをプライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期(追従)させてから増幅器122Bに接続する初回の同期処理の時だけでよい。
すなわち、それ以降のセカンダリ送電器1BのPLL回路220Bをプライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期させる(例えば、数分〜数十分程度の間隔で行う)2回目以降の同期処理は、出力を停止しなくてもよい。
プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aから出力された発振器121Aの同期パターンを含む無線信号は、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14Bで受信され、発振器121Aの同期パターンは、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bに出力される。
セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bは、通信回路部14Bにより受信された発振器121Aの同期パターンに従って、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に対する位相同期(周波数追従)を行う。これにより、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bの周波数は、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数と同期が取られ、その周波数でロックされる。
その結果、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期した周波数の信号を出力する。
ここで、セカンダリ送電器1Bの同期処理中、プライマリ送電器1Aの出力レベルは、通常通りのレベルを維持することにより、プライマリ送電器1Aによる受電器(2)への送電を継続して行うことができる。
また、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bを同期させてから増幅器122Bに接続する最初の同期処理は、例えば、マスタ送電器の指示により、送電対象にある全ての受電器の充電を停止することが好ましい。なお、受電器の充電を停止する場合、各受電器の共振系(LC共振器)はオフするのが好ましい。
さらに、図14Cに示されるように、PLL回路220Bの同期完了後、スイッチSW13BによりPLL回路220Bと増幅器122Bを接続する。これにより、セカンダリ送電器1Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期したPLL回路220Bの出力信号により送電を再開する。
なお、セカンダリ送電器1Bにおいて、同期完了後のPLL回路220Bを増幅器122Bに接続するのは、初回の同期処理の時だけであり、2回目以降の同期処理では、PLL回路220Bと増幅器122Bの接続を維持したまま、周波数の同期を行う。
このように、第2同期手法によれば、送電器1A,1BのLC共振器11bA,11bBの駆動周波数を一致させて、送電器1Aおよび1Bの両方から受電する受電器2のLC共振器21aおけるうなりが生じないようにすることができる。
ここで、セカンダリ送電器1Bにおける駆動周波数の調整(2回目以降の同期処理)は、例えば、送電器1A,1Bが配設される周囲の温度等による変化を補償するために、数分〜数十分程度の所定の時間間隔で繰り返し行うのが好ましい。
図15A〜図15Dは、図14A〜図14Cを参照して説明した第2同期手法に適用する同期パターン混載通信を説明するための図である。ここで、図15Aは、プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aから出力される無線信号のイメージ(観念)を示し、図15Bは、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14Bが受信する無線信号のイメージを示す。
また、図15Cは、プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aに入力される変調前の信号のイメージを示し、図15Dは、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14B(復調回路140B)に入力する無線信号および復調信号を示す。
まず、図15Aに示されるように、プライマリ送電器1Aでは、通信回路部14Aにより、発振器121Aの周波数(例えば、10MHz)に同期したパターンを混載した無線通信周波数(例えば、2.4GHz)の信号を出力する。
すなわち、プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aは、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14Bとの間で同期パターン混載通信を行う。なお、発振器121Aの周波数および無線通信周波数等は、10MHzおよび2.4GHzに限定されるものではなく、様々な周波数が適用される。
さらに、図15Bに示されるように、セカンダリ送電器1Bでは、通信回路部14Bにより同期パターンを混載した無線通信周波数の信号を受信し、発振器121Aの周波数を示す同期パターンSPと、その有効範囲を示す同期ウィンドウ信号SWSを出力する。
そして、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bの周波数は、同期パターンSPおよび同期ウィンドウ信号SWSに従って、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数と同期が取られ、その周波数(例えば、10MHz)でロックされる。これにより、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数に同期した周波数の信号を出力することになる。
ここで、無線通信周波数の信号に混載する同期パターンは、同期する周波数(プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数)を伝達する情報を含めばよく、必ずしも実際の同期周波数の繰り返しパターン(或いは、その定数倍や定数分の一)でなくてもよい。
例えば、図15Cに示されるように、プライマリ送電器1Aでは、10MHzの同期パターンが、他の通信情報を伝える2.4GHzの信号に混載された同期パターン混載信号を、通信回路部14A(変調回路)により変調し、無線信号として出力する。
プライマリ送電器1Aの通信回路部14Aから出力された無線信号は、セカンダリ送電器1Bの通信回路部14B(復調回路140B)により復調され、10MHzの同期パターンと、2.4GHzの信号による他の通信情報が出力される。
ここで、セカンダリ送電器1Bの復調回路140Bは、プライマリ送電器1Aの発振器121Aの周波数を表す同期パターンを正確なタイミングで復調できるハードウェアとして形成するのが好ましい。
このように、復調回路140Bをハードウェアとして形成することで、例えば、復調時の遅延を一定のクロック遅延Dcとすることができ、セカンダリ送電器1BのPLL回路220Bの同期処理を正確に行うことが可能になる。
このように、図14A〜図15Dを参照して説明した第2同期手法は、図13A〜図13Cを参照して説明した第1同期手法に対して、2回目以降の同期処理時にセカンダリ送電器1Bの送電を停止しなくてもよいという長所を有する。
以上において、プライマリ送電器1AのLC共振器11aA、および、セカンダリ送電器1BのLC共振器11aBの駆動周波数を同期させる方法は、上述したものに限定されず、様々な手法が適用可能なのはいうまでもない。
図16は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。図16に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部14を含む。
受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部22、受電制御部23、通信回路部24およびバッテリ部25を含む。ここで、送電器1および受電器2は、それぞれの通信回路部14および24を介して通信を行うと共に、ワイヤレス送電部11とワイヤレス受電部21との間の共鳴方式(磁界・電界)により電力の伝送を行う。
図17は、図16の無線電力伝送システムにおける送電器の一例を示すブロック図である。図16および図17に示されるように、送電器1において、ワイヤレス送電部11は、LC共振器11aおよび電力供給コイル11bを含む。高周波電源部12は、発振器121、増幅器122および整合器123を含む。
送電制御部13は、送電制御回路131および周波数ロック回路132を含む。ここで、周波数ロック回路132は、例えば、図14A〜図14Cを参照して説明したPLL回路220A,220Bに対応する。
前述したように、周波数ロック回路132は、通信回路部14からの同期信号を受け取り、所定の間隔(例えば、数分〜数十分間隔)で、発振器121の同期処理を行う。発振器121は、所定の周波数(例えば、6.78MHz)の駆動信号を生成し、増幅器122および整合器123を介してワイヤレス送電部11(電力供給コイル11b)に出力する。
送電制御回路131は、内部バス133で繋がれたCPU(演算処理装置)134、メモリ135および入出力回路(I/O部)136を含む。ここで、メモリ135は、フラッシュメモリ等の書き替え可能な不揮発性メモリ、および、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を含む。そして、後に詳述する送電器の様々な処理(ソフトウェアプログラム)を実行する。
送電器1には、例えば、受電器2の位置を検出する位置センサS1、人や動物等の生体を検知する人感センサ(生体感知センサ)S2および送電器1の異常を検知する異常検知センサS3が設けられている。
各センサS1〜S3の出力は、例えば、I/O部136を介してCPU134に入力され、メモリ135に格納されたソフトウェアプログラム(無線電力伝送プログラム、或いは、送電器の制御プログラム)に従った処理に利用される。
なお、無線電力伝送プログラム(送電器の制御プログラム)は、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体(例えば、SD(Secure Digital)メモリカード)70からI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。
或いは、プログラム(データ)提供者60のハードディスク装置61から回線およびI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。ここで、ハードディスク装置61からI/O部136への回線は、通信回路部14を利用した無線通信回線であってもよい。
また、無線電力伝送プログラムが記録された可搬記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)としては、他にDVD(Digital Versatile Disk)ディスクやブルーレイディスク(Blue-ray Disc)等の記録媒体であってもよい。さらに、図17は、送電器1の単なる例を示すものであり、様々な変更および変形が可能である。
図18は、図16の無線電力伝送システムにおける受電器の一例を示すブロック図である。図16および図18に示されるように、受電器2において、ワイヤレス受電部21は、LC共振器21aおよび電力取出コイル21bを含む。受電回路部22は、整流器221およびDC−DCコンバータ222を含み、バッテリ部25は、バッテリ充電制御LSI251およびバッテリ252を含む。
受電制御部23は、内部バス233で繋がれたCPU(演算処理装置)234、メモリ235および入出力回路(I/O部)236を含む。ここで、メモリ235は、フラッシュメモリ等の書き替え可能な不揮発性メモリ、および、DRAM等を含む。そして、後に詳述する受電器の様々な処理(ソフトウェアプログラム)を実行する。
なお、受電器2は、スマートフォンやノートパソコンのような、もともと通信回路部14や受電制御部23に相当する回路を含んでいるものもあり、それらを使用することもできるが、例えば、受電制御部23をモジュールとして新たに設けることもできる。また、受電器2が、通信回路部14や受電制御部23に相当する回路を含んでいない場合には、新たに設けることになる。
受電器2には、例えば、その受電器2の姿勢情報(θXYZ)を検出することのできるセンサ(三次元の加速度センサ)SAが設けられている。このような加速度センサSAは、例えば、スマートフォン等には元から設けられているので、それを使用することができる。なお、受電器2が姿勢情報を検出することのできる加速度センサSAを持たない場合には、例えば、前述した3D充電を行えないが、2D充電を行うことは可能である。
さらに、受電器2に対しても、送電器1と同様に、位置センサS1、人感センサS2および異常検知センサS3を設けてもよいが、例えば、異常検知センサS3だけ設け、他の位置センサS1および人感センサS2は省略するといった仕様にすることもできる。
各センサSA,S1〜S3の出力は、例えば、I/O部236を介してCPU234に入力され、メモリ235に格納されたソフトウェアプログラム(無線電力伝送プログラム、或いは、受電器の制御プログラム)に従った処理に利用される。
なお、無線電力伝送プログラム(受電器の制御プログラム)は、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体(例えば、マイクロSDメモリカード)90からI/O部236を介してメモリ235に格納されてもよい。
或いは、プログラム(データ)提供者80のハードディスク装置81から回線およびI/O部236を介してメモリ235に格納されてもよい。ここで、ハードディスク装置81からI/O部236への回線は、通信回路部24を利用した無線通信回線であってもよい。
また、無線電力伝送プログラムが記録された可搬記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)としては、他にDVDディスクやブルーレイディスク等の記録媒体であってもよい。さらに、図18は、受電器2の単なる例を示すものであり、様々な変更および変形が可能である。
以下、図19〜図24を参照して、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理を説明する。なお、図19〜図24において、各図の上から下に向かう方向が時間の流れを表している。また、送電側において、送電器の数は示していないが、複数の送電器(LC共振器:共振コイル)が設けられているものとする。
さらに、1つの送電器でも複数のLC共振器を含むものは、複数の送電器と同等に扱う。従って、本実施例のように、複数の送電器の内、1つの送電器をマスタに設定するということは、1つの演算処理装置(CPU)により、マスタ送電器およびスレーブ送電器に含まれる全てのLC共振器を制御することを意味する。
図19は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第1例を説明するためのフローチャートであり、送電側が複数のLC共振器を含み、受電側が1つの受電器2の場合の処理を説明するものである。上述したように、1つの送電器1が複数のLC共振器11aを含むものもあるが、説明を簡略化するために、1つの送電器1が1つのLC共振器11aを有するものとして説明する。
図19に示されるように、まず、送電側は、常時送信中(送電相手を確認中:ST101)で、複数の送電器1A,1B,1C,…が互いに検知する(ST102)。ここで、複数の送電器の内の1つをマスタ送電器1Aとし、他をスレーブ送電器1B,1C,…として、マスタ/スレーブを確定する(ST103)。なお、以下の処理において、判断は、全てマスタ送電器1A、すなわち、マスタ送電器1AのCPU134が行う。
さらに、常時送信中(受電相手を確認中:ST104)において、受電側の受電器2が通信に応答し(認証チェック:ST105)、送電側(マスタ送電器1A)に対して必要電力を通知する(ST106)。
送電側では、センサS1(位置センサ)を確認して受電器の位置を確認し(ST107)、また、受電器2では、加速度センサSAで向きを確認して、その確認された向きを送信する(ST108)。
送電側では、確認された位置(位置情報)と受電器2から送信された向き(姿勢情報)から相対位置関係を確定し、推定効率を確定し(ST109)、整合条件の初期設定を行う(ST110)。
さらに、送電側(マスタ送電器1A)では、各送電コイル(複数の送電器1A,1B,1C,…の各LC共振器)の強度および位相の初期設定を行う(ST111)。そして、受電側(受電器2)では、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル(LC共振器)21aをオンする(ST112)。
次に、送電側では、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST113)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST114)。ここで、テスト送電の10%出力は、単なる例であり、これに限定されるものではない。このとき、受電器2は、受電を確認して、受電したことを送信する(ST115)。
送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内かどうかを確認する(ST116)。さらに、送電側では、センサS2(人感センサ)を確認して、人がいる時は小電力モードとし(ST117)、人がいない時は本格送電(100%電力伝送)を行って100%出力を確認する(ST118)。
さらに、センサS3(異常検知センサ)を確認して、異常発熱が発生していないことを確認する(ST119)。ここで、異常検知センサS3は、送電器1に設けてもよいが、受電器2に設けることもでき、異常検知センサS3を受電器2に設けた場合には、マスタ送電器1Aに対して、異常検知センサS3による異常発熱の有無を送信することになる。
受電器2では、受電を確認して、受電したことを送信する(ST120)。送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内かどうかを確認する(ST121)。すなわち、送電側(全ての送電器1A,1B,…)から送電された電力と、受電器2により受電された電力から送電の効率を演算することができ、その演算された効率が予め想定した効率内かどうかを確認する。なお、演算された効率が想定効率内ではない場合には、例えば、何らかの異常が発生したとして、送電の停止、並びに、アラームの発生や異常表示等を行う。
図20は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第2例を説明するためのフローチャートであり、送電側が複数の送電器1A,1B,1C,…で、受電側が2つの受電器2A,2Bの場合の処理を説明するものである。
図20に示されるように、まず、送電側は、常時送信中(受電相手を確認中:ST201)で、受電側では、受電器2Aが通信に応答(認証チェック)して必要電力を通知し(ST202)、受電器2Bが通信に応答(認証チェック)して必要電力を通知する(ST203)。
送電側では、センサS1(位置センサ)を確認して各受電器2A,2Bの位置(位置情報)を確認する(ST204)。また、受電側では、受電器2Aが加速度センサSAで向き(姿勢情報)を確認して、その確認された向きを送信し(ST205)、受電器2Bが加速度センサSAで向き確認して、その確認された向きを送信する(ST206)。
受電側では、位置(位置情報)と向き(姿勢情報)から相対位置関係を確定し、各推定効率を確定する(ST207)。さらに、整合条件の初期設定を行い(ST208)、各送電コイルの強度および位相の初期設定を行う(ST209)。
そして、受電器2Aは、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル21aAをオンする(ST210)。送電側では、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST211)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST212)。なお、異常検知センサS3は受電器2A,2Bに設けてもよいのは、前述した通りである。
このとき、受電器2Aは、受電を確認して、受電したことを送信し、共振コイル21aAをオフする(ST213)。送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内1を確認する(ST214)。
次に、受電器2Bは、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル21aAをオンする(ST215)。送電側では、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST216)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST217)。
このとき、受電器2Bは、受電を確認して、受電したことを送信し、共振コイル21aBをオフする(ST218)。送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内2を確認する(ST219)。
このように、本実施例では、複数の受電器2A,2Bに対して、順番にテスト送電を行って異常の有無を確認し、その後、複数の受電器2A,2Bに対する分配条件を算出すると共に、図8E〜図8Hを参照して説明した共振調整(微調整)を行って同時伝送を可能とする。
すなわち、複数の受電器2A,2Bに対するテスト送電が終了すると、分配条件を算出し、各受電器2A,2Bに送信する(電力伝送する:ST220)。そして、受電器2Aは、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル21aAをオンすると共に、微調整を行い(ST221),受電器2Bは、受電の準備を開始、すなわち、共振コイル21aBをオンすると共に、微調整を行う(ST222)。
送電側では、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST223)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST224)。受電側では、受電器2A,2Bの受電を確認して、送信する(ST225)。
送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内1および2を確認する(ST226)。さらに、送電側では、センサS2(人感センサ)を確認して、人がいる時は小電力モードとし(ST227)、人がいない時は本格送電(100%電力伝送)を行って100%出力を確認する(ST228)。
さらに、センサS3(異常検知センサ)を確認して、異常発熱が発生していないことを確認する(ST229)。受電側では、受電を確認して、受電したことを送信し(ST230)、送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内を確認する(ST231)。
なお、演算された効率が想定効率内ではない場合、例えば、送電の停止、並びに、アラームの発生や異常表示等を行うのは、前述した通りであり、また、以下に説明する同様の想定効率内の確認でも同様の処理を行う。
図21は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第3例を説明するためのフローチャートであり、センサS2(人感センサ,生体感知センサ)による処理を説明するためのものである。
図21に示されるように、送電側は、100%出力を確認し(ST301)、センサS3(異常検知センサ)を確認して異常発熱が発生していないことを確認する(ST302)。そして、受電側では、受電器2A,2Bを確認して、受電したことを送信する(ST303)。
送電側では、受電および送電から効率を演算し、想定効率内かどうかを確認する(ST304)。さらに、センサS2(人感センサ)を確認して、人がいないと(ST305)、センサS1(位置センサ)を確認して受電器の位置を確認する(ST306)。
図22は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第4例を説明するためのフローチャートであり、受電器で所定の充電量を達成したときの処理を説明するためのものである。
図22に示されるように、受電側(受電器)は、所定の充電量が達成されると(ST401)、送電停止を依頼し、その送電停止依頼を送信する(ST402)。送電側は、受電器からの送電停止を受信し(ST403)、送電を停止する(ST404)。そして、受電器は、受電停止を確認し(ST405)、共振コイルをオフする(ST406)。
図23は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第4例を説明するためのフローチャートであり、2つの受電器の内の一方で所定の充電量を達成したときの処理を説明するためのものである。
図23に示されるように、受電側において、受電器2Aで所定の充電量が達成されると(ST501)、受電器2Aは送電停止を依頼し、その送電停止依頼を送信する(ST502)。このとき、受電器2Bは、所定の充電量が達成されていないものとする。
送電側は、受電器2Aからの送電停止を受信し(ST503)、送電を一時停止する(ST504)。そして、受電器2A,2Bは、受電停止を確認し(ST505)、受電器2Aは、共振コイル11aAをオフする(ST506)。送電側では、受電器2Bに対する電力伝送を行うために、送電を再開する(テスト送電も含めて、送電開始動作を行う:ST507)。
図24は、本実施例の無線電力伝送システムにおける処理の第5例を説明するためのフローチャートであり、バッテリ残量ゼロのデバイスに対する処理を説明するためのものである。ここで、バッテリ残量ゼロのデバイスに対する処理では、位置センサS1および加速度センサSAによる情報は使用しない。
図24に示されるように、送電側において、各デバイスへの送電中のとき(ST601)、受電側では、各デバイスが受電中になっている(ST602)。次に、ユーザがバッテリ残量ゼロのデバイス(受電器)を送電器の近くに配置する(ST603)。ここで、バッテリ残量ゼロの受電器を送電器の近くに配置する位置は、予め所定の受電位置が既定されている。
さらに、ユーザがバッテリ残量ゼロスイッチをオンする(ST604)。これにより、送電を停止し(ST605)、全ての受電系(受電器)へ共振コイルのオフを通信する(ST606)。受電側では、全ての受電器(バッテリ残量ゼロの受電器以外の全ての受電器)の共振コイルがオフする(ST607)。
送電側では(マスタ送電器は)、バッテリ残量ゼロの受電器が所定位置に置かれたとして相対位置関係を推定し(ST608)、整合条件を初期設定する(ST609)。すなわち、バッテリ残量ゼロの受電器に対しては、例えば、電磁誘導による結合を使用して送電を行うことになる。
さらに、各送電コイルの強度および位相を初期設定し(ST610)、テスト送電(例えば、10%)して10%出力を確認し(ST611)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST612)。
マスタ送電器は、センサS2(人感センサ)を確認して、人がいる時は小電力モードとし(ST613)、人がいない時は本格送電RT1(例えば、5W)して5W出力を確認する(ST614)。そして、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST615)。
次に、本格送電RT1(例えば、5W)を所定時間(例えば、5分程度)継続し、受電器に対する通信を確認する(ST616)。これは、インピーダンスの安定を確認することでおこなってもよい(ST617)。ここで、受電側(バッテリ残量ゼロの受電器)では、例えば、充電が不十分だと通信は不可のままとなっている(ST618)。
さらに、本格送電RT2(例えば、10W)して10W出力を確認し(ST619)、センサS3(異常検知センサ)により異常の確認、すなわち、異常発熱が発生していないことを確認する(ST620)。
そして、本格送電RT2(例えば、10W)を所定時間(例えば、5分程度)継続し、受電器に対する通信を確認する(ST621)。これは、インピーダンスの安定を確認することでおこなってもよい(ST622)。ここで、受電側(バッテリ残量ゼロの受電器)では、例えば、充電が進むと、バッテリ残量ゼロだった受電器は通信に応答する(ST623)。
送電側では、通常の受電器1つに対する送電を所定時間だけ継続する(ST624)。ここで、バッテリ残量ゼロだった受電器に対する送電は、電磁誘導を利用した送電によりバッテリの満充電までおこなってもよいが、ある程度(通信可能な状態まで)充電が進んだ後は、共鳴を利用した送電に切り替えてもよい。
そして、送電を停止し(ST625)、通常の送電開始より処理を再開(ST626)、すなわち、前述した図19〜図23を参照して説明した処理を実行する。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の送電器と、
少なくとも1つの受電器と、を有し、
前記送電器から前記受電器に対して、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムであって、
前記複数の送電器の内、1つの送電器をマスタ送電器に設定すると共に、他の送電器をスレーブ送電器に設定し、
前記マスタ送電器は、前記複数の送電器および前記少なくとも1つの受電器を制御して電力伝送を行う、
ことを特徴とする無線電力伝送システム。
(付記2)
前記送電器は、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力を送電するワイヤレス送電部を含み、
前記受電器は、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により送電された電力を受電するワイヤレス受電部を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の無線電力伝送システム。
(付記3)
前記送電器は、他の前記送電器および前記受電器との間で通信を行う第1通信回路部を含み、
前記受電器は、前記送電器との間で通信を行う第2通信回路部を含む、
ことを特徴とする付記2に記載の無線電力伝送システム。
(付記4)
前記マスタ送電器は、
前記複数の送電器による電力伝送が可能な範囲を示す複数の電力伝送範囲の情報と、
前記複数の送電器による通信が可能な範囲を示す複数の通信範囲の情報と、
前記受電器の位置を示す位置情報と、を受け取って前記電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記3に記載の無線電力伝送システム。
(付記5)
前記マスタ送電器は、さらに、
前記複数の電力伝送範囲内で、生体を感知する生体感知範囲の情報を受け取って前記電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記4に記載の無線電力伝送システム。
(付記6)
前記マスタ送電器は、さらに、
前記電力伝送の対象となる受電器の姿勢情報を受け取って前記電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記4または付記5に記載の無線電力伝送システム。
(付記7)
前記マスタ送電器は、
前記複数の送電器の内、少なくとも2つの送電器の電力伝送範囲が重なり、該重なった電力伝送範囲に少なくとも1つの受電器が含まれるときに設定される、
ことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記8)
前記マスタ送電器は、
前記複数の送電器の内、通信可能な送電器の数が最も多くなる送電器が選択される、
ことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記9)
前記受電器がバッテリ残量ゼロ受電器のとき、該バッテリ残量ゼロ受電器は、前記送電器に接するように配置される、
ことを特徴とする付記1乃至付記8のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記10)
前記送電器は、それぞれ発振器および同期回路を含み、
少なくとも1つの受電器に対して、複数の送電器が電力伝送を行うとき、
前記複数の送電器の内、1つの送電器をプライマリ送電器に設定すると共に、他の送電器をセカンダリ送電器に設定し、
前記プライマリ送電器は、前記発振器の周波数に従って電力伝送を行い、
前記セカンダリ送電器は、該セカンダリ送電器の前記同期回路を、前記プライマリ送電器の前記発振器の周波数に同期させ、その周波数が同期された前記セカンダリ送電器の前記同期回路の周波数に従って電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記1乃至付記9のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記11)
複数の送電器と、少なくとも1つの受電器と、を有し、前記送電器から前記受電器に対して、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力伝送を行う無線電力伝送方法であって、
前記複数の送電器の内、1つの送電器をマスタ送電器に設定すると共に、他の送電器をスレーブ送電器に設定し、
前記マスタ送電器は、前記複数の送電器および前記少なくとも1つの受電器を制御して電力伝送を行う、
ことを特徴とする無線電力伝送方法。
1 送電器(1次側,送電側)
1A〜1D 送電器
2 受電器(2次側,受電側)
2A〜2E 受電器
11 ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB LC共振器(第2コイル,共振コイル)
11b,11bA,11bB 電力供給コイル(第1コイル)
12 高周波電源部
13 送電制御部
14,14A,14B 通信回路部(第1通信回路部)
21 ワイヤレス受電部
21a,21aA,21aB LC共振器(第3コイル,共振コイル)
21b,21bA,21bB 電力取出コイル(第4コイル)
22 受電回路部
23 受電制御部
24 通信回路部(第2通信回路部)
25 バッテリ部
121,121A,121B 発振器
122,122A,122B 増幅回路
123 整合器
131 送電制御回路
132 周波数ロック回路
133,233 内部バス
134,234 演算処理装置(CPU)
135,235 メモリ
136,236 入出力回路(I/O部)
140B 復調回路
210A,210B,220A,220B PLL回路(同期回路)
S1 位置センサ
S2 人感センサ(生体感知センサ)
S3 異常検知センサ
SA 三次元加速度センサ

Claims (11)

  1. 複数の送電器と、
    少なくとも1つの受電器と、を有し、
    前記送電器から前記受電器に対して、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムであって、
    前記複数の送電器の内、1つの送電器をマスタ送電器に設定すると共に、他の送電器をスレーブ送電器に設定し、
    前記マスタ送電器は、前記複数の送電器および前記少なくとも1つの受電器を制御して電力伝送を行う、
    ことを特徴とする無線電力伝送システム。
  2. 前記送電器は、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力を送電するワイヤレス送電部を含み、
    前記受電器は、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により送電された電力を受電するワイヤレス受電部を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送システム。
  3. 前記送電器は、他の前記送電器および前記受電器との間で通信を行う第1通信回路部を含み、
    前記受電器は、前記送電器との間で通信を行う第2通信回路部を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線電力伝送システム。
  4. 前記マスタ送電器は、
    前記複数の送電器による電力伝送が可能な範囲を示す複数の電力伝送範囲の情報と、
    前記複数の送電器による通信が可能な範囲を示す複数の通信範囲の情報と、
    前記受電器の位置を示す位置情報と、を受け取って前記電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線電力伝送システム。
  5. 前記マスタ送電器は、さらに、
    前記複数の電力伝送範囲内で、生体を感知する生体感知範囲の情報を受け取って前記電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線電力伝送システム。
  6. 前記マスタ送電器は、さらに、
    前記電力伝送の対象となる受電器の姿勢情報を受け取って前記電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の無線電力伝送システム。
  7. 前記マスタ送電器は、
    前記複数の送電器の内、少なくとも2つの送電器の電力伝送範囲が重なり、該重なった電力伝送範囲に少なくとも1つの受電器が含まれるときに設定される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  8. 前記マスタ送電器は、
    前記複数の送電器の内、通信可能な送電器の数が最も多くなる送電器が選択される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  9. 前記受電器がバッテリ残量ゼロ受電器のとき、該バッテリ残量ゼロ受電器は、前記送電器に接するように配置される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  10. 前記送電器は、それぞれ発振器および同期回路を含み、
    少なくとも1つの受電器に対して、複数の送電器が電力伝送を行うとき、
    前記複数の送電器の内、1つの送電器をプライマリ送電器に設定すると共に、他の送電器をセカンダリ送電器に設定し、
    前記プライマリ送電器は、前記発振器の周波数に従って電力伝送を行い、
    前記セカンダリ送電器は、該セカンダリ送電器の前記同期回路を、前記プライマリ送電器の前記発振器の周波数に同期させ、その周波数が同期された前記セカンダリ送電器の前記同期回路の周波数に従って電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  11. 複数の送電器と、少なくとも1つの受電器と、を有し、前記送電器から前記受電器に対して、磁界共鳴または電界共振を利用して無線により電力伝送を行う無線電力伝送方法であって、
    前記複数の送電器の内、1つの送電器をマスタ送電器に設定すると共に、他の送電器をスレーブ送電器に設定し、
    前記マスタ送電器は、前記複数の送電器および前記少なくとも1つの受電器を制御して電力伝送を行う、
    ことを特徴とする無線電力伝送方法。
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