JP2016195101A - 燃料電池用部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属基材の表面の一部分に保護膜を形成するに際して、その保護膜を確実に焼結することができ、しかも、低抵抗なスピネル構造を維持可能にする、簡便な燃料電池用部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】金属基材11の表面の一部分にCoおよびMn成分を含有する保護膜材料層12aを湿式成膜する成膜工程、低酸素分圧雰囲気下において保護膜材料層12aおよび金属基材11を焼結して金属基材11に保護膜12を形成する焼結工程、保護膜12の表面に、コバルト補充層41を設けるコバルト補充層形成工程、コバルト補充層41と他セル31との間に接合層42を形成する接合層形成工程、金属基材11、保護膜12、接合層42、他セル31をともに焼結して接合するスタッキング工程を順に行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に用いられる金属基材の表面の一部分にCoおよびMn成分を含有する無機酸化物粒子を主材とする保護膜材料層を湿式成膜する成膜工程、前記保護膜材料層および前記金属基材を焼結する焼結工程、を順に行う燃料電池用部材の製造方法に関する。このような燃料電池用部材は、主に固体酸化物形燃料電池(以下、適宜「SOFC」と記載する。)のセルスタックとして一般的に用いられるものである。なお、本発明は前記保護膜に空気極を接合形成する燃料電池セル自体に限らず、部分的に保護膜を形成してある金属基材に広く適用でき、これらを総称して、燃料電池用部材と呼ぶものである。
かかるSOFC用セルは、電解質膜の一方面側に空気極を接合するとともに、同電解質膜の他の部分側に燃料極を接合してなる単セルを、空気極または燃料極に対して電子の授受を行う一対の電子伝導性の金属基材(セル間接続部材)により挟み込んだ構造を有する。
そして、このようなSOFC用セルは、例えば700〜900℃程度の作動温度で作動し、空気極側から燃料極側への電解質膜を介した酸化物イオンの移動に伴って、一対の電極間に起電力が発生し、その起電力を外部に取り出し利用することができる。
近年の開発の進展に伴い、SOFCの作動温度が下がってきている。従来の燃料電池の作動温度は1000℃程度であり、耐熱性の観点からランタンクロマイトに代表される金属酸化物が使用されていたが、最近は作動温度が700℃〜800℃まで下がっており、金属基材が使用できるようになってきた。金属基材の使用により、コストダウン、ロバスト性の向上が期待できる。
また、SOFC用セルで利用される金属基材の表面に、単一系酸化物に不純物をドープしてなるn型半導体保護膜を形成し、このような保護膜形成処理を行うことによって、合金中に含まれるCrが、飛散し易い6価の酸化物へと酸化されることを抑制することが行われる場合がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このようなSOFC用セルで利用される金属基材の表面に、保護膜を形成する場合、上記実情からCr飛散の影響を受ける空気極側に導電性の保護膜を形成する必要があるが、燃料極側には、導電性等の観点から保護膜を形成しない構成を採用する場合がある。このような場合、金属基材の表面の一部分に保護膜を形成する際に、その保護膜の成膜時に焼結工程を経ると、金属基材の他の部分は、高温の焼結温度に晒されるため、酸化を受けて、Cr23やMnCr24などからなるCrを含む酸化被膜が形成されてしまうことがある。このような酸化被膜が形成されると、酸化被膜が高抵抗であるため、金属基材の他の部分における抵抗が大きくなり、SOFCとしての発電出力が大きく低下するという問題がある。
そこで、保護膜の焼結条件を種々調整することによって金属基材の他の部分(保護膜を形成しない部分)に酸化被膜が生じにくくなるように燃料電池用部材を製造することが検討されている(例えば特許文献2参照)。
国際公開第2007/083627号 特開2009−152016号公報
たとえば、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気や高真空雰囲気などの低酸素分圧雰囲気で保護膜を焼結する技術があるが、アルゴンは安価なガスとはいえず、量産時のプロセスコストは高止まりする可能性がある。
また、本発明者らによると、このように作成された保護膜は、保護膜材料のスピネル酸化物が還元を受け、抵抗の高い組成に変換されてしまう場合があることが明らかになっている。
したがって、本発明は上記実状に鑑み、金属基材の表面の一部分に保護膜を形成するに際して、その保護膜を確実に焼結することができ、しかも、使用状態で低抵抗なスピネル構造となる、簡便な燃料電池用部材の製造方法を提供することを目的とする。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明の燃料電池用部材の製造方法の特徴構成は、
固体酸化物形燃料電池に用いられる金属基材の表面の一部分にCoおよびMn成分を含有する無機酸化物粒子を主材とする保護膜材料層を湿式成膜する成膜工程、
前記保護膜材料層および前記金属基材を焼結して前記金属基材に保護膜を形成する焼結工程、
前記保護膜に対して接合材からなる接合層を設けて他セルを接合する接合工程、
前記金属基材、前記保護膜、前記接合層、前記他セルをともに焼結して接合するスタッキング工程、を順に行う燃料電池用部材の製造方法であって、
前記焼結工程は、低酸素分圧雰囲気下において前記保護膜材料層および前記金属基材を焼結して前記金属基材に前記保護膜を形成する工程であり、
前記接合工程は、前記保護膜と前記接合層との間に、金属コバルトを含有してなるコバルト補充層を設けた状態で、前記保護膜に対して前記接合層にて前記他セルを接合する工程である点にある。
〔作用効果1〕
たとえば、SOFCに用いられる金属基材の一方面に保護膜を形成するとともに、保護膜に空気極を接合形成してある平板形燃料電池セルは、スタック構造の燃料電池セルを構成する際に、金属基材の一方面に保護膜を形成して、SOFCの運転に伴い金属基材が加熱されても、金属基材から揮発、飛散する成分が空気極に悪影響を与えないように保護膜を介在させた状態で、空気極、固体電解質、燃料極の積層構造を形成することができる。
また、金属基材の他の部分に上記積層された燃料極を接続して積層することによって、燃料極と金属基材とを直接導電する形態で接続することができる。また、SOFCに用いられる金属基材には、他にも部分的に保護膜を形成する部材があり、本発明は、金属基材の形状によらず、また、上記保護膜に空気極を接合形成してある燃料電池セルに限らず、いわゆる燃料と空気を隔てるセパレータとしての役割を果たすために使われる部材、すなわち片側が燃料雰囲気、反対側が空気雰囲気で使われる部材等、金属基材の一部分に保護膜を形成してなる燃料電池用部材一般にも適用できる。
金属基材の表面の一部分に保護膜材料を湿式成膜する成膜工程を行うと、金属基材の表面の一部分に被膜を形成することができる。この保護膜材料は、無機酸化物粒子を主材とするが、無機酸化物粒子のみをスラリー状にして保護膜を形成したとしても、その無機酸化物粒子同士および金属基材との密着性が不十分であり、その後の焼結工程を経ても十分に焼結が進まず密着性も高くなりづらいため、バインダを含有した保護膜材料が有利に利用できる。
この被膜を焼結すると、保護膜材料層は、CoおよびMn成分を含有する無機酸化物粒子を主材とするものであるから、Co1.5Mn1.54、Co2MnO4に代表されるようなスピネル酸化物構造を形成し、Cr被毒等に耐性の高い保護膜が得られる。しかし、低酸素分圧雰囲気下で焼結を行った場合、CoおよびMn成分は、価数が変化し、酸素欠陥を生じることで、電荷補償を行うが、その限界を超えると、結晶構造が崩壊し、低価数の酸化物もしくは金属にまで還元されて、二相共存した膜が形成される。例えば、Co2MnO4が、高温還元雰囲気でCoとMnOに分解されることが明らかになっている。また、本発明者らの実験的知見によると、CoおよびMn成分を含有する無機酸化物が、高温還元雰囲気でCoとMnOに分解される現象は、保護膜材料層における金属基材の表面と離間した表面側で優先的に生起する反応であることが分かっている。
ここで、MnOは絶縁材料であり、MnO相の形成環境は発電出力に大きく影響を及ぼす懸念がある。ところが、本発明者らのさらなる研究によると、MnO相が金属Co成分を含有している場合、大気中などの酸素雰囲気で熱を受けることにより、スピネル酸化物構造を再生し、緻密でかつ十分な導電性を確保することができる保護膜として利用可能であることが見出され、実験的にも確認されている。
そこで、低酸素分圧雰囲気において焼結工程を行った保護膜材料層と接合層との間に、金属コバルトを含有してなるコバルト補充層を設けた状態とすると、得られる保護膜のなかで接合層に近接した部分に金属コバルトを含有するコバルト補充層を配置した状態となっている。そのため得られた保護膜は、金属基材から離間した表面側に生成されたMnO相が大気中などの酸素雰囲気で熱を受けた際に、保護膜材料表面に近接した金属コバルトを含有してなるコバルト補充層と反応し、電子導電性の高いスピネル酸化物構造を再生しやすい構造とすることができる。また、保護膜のMnO欠乏層となる保護膜材料層の金属基材表面側は、MnO欠乏Co−Mnスピネル酸化物構造が形成されるが、電子導電性は低下せず、発電性能に悪影響を与えにくい状態に維持できる構造とすることができる。
さらに、得られる保護膜のなかでMnO相が生成しやすい金属基材から離間した表面側部分は、焼結工程後、スピネル酸化物構造を再生するまでの間高抵抗な結晶構造となっているが、金属コバルトを含有するコバルト補充層と一体化することにより金属コバルトと反応し、低抵抗なCo−Mnスピネル相を再形成することで、経時的に抵抗が減少していく。また、コバルト補充層と保護膜材料層との結合性についても、コバルト補充層から保護膜材料層にCoが保護膜材料層からコバルト補充層にMnが相互拡散することで、電気的、機械的接合強度が高くなり、低抵抗と密着強度を向上させた構成とすることができる。また、コバルト補充層と接合層との結合性については、通電試験による抵抗値や試験後の断面SEM分析結果からも剥離等なく、電気的・機械的接合強度が十分高いことを発明者らは確認している。
〔構成2〕
また、前記接合工程が、前記保護膜の表面に、金属コバルトを含有してなるコバルト補充層を設けるコバルト補充層形成工程と、前記コバルト補充層を形成してなる前記保護膜と他セルとの間に前記接合層を形成する接合層形成工程とを含むものとすることができる。
〔作用効果2〕
金属コバルトを含有するコバルト補充層としては、接合層とは、別途調整したものとしてもよいし、接合層を調整する際に、保護膜材料層の金属基材から離間した表面側に配置し、同時に熱処理をおこなってもよい。
しかし、補充層形成工程、接合層形成工程を順に行うことにより、接合層とは別途、金属コバルトを含有してなるコバルト補充層を設けるコバルト補充層形成工程を実行するものとすれば、簡便にかつ均一な厚さのコバルト補充層を形成しやすいので好ましい。
要するにスタッキング工程を行う段階で、前記保護膜材料層と前記接合層との間に、保護膜材料層に比して金属コバルトを多く含有してなる層が位置する状態としてあれば、その金属コバルトを多く含有してなる層をコバルト補充層と呼ぶものである。
〔構成3〕
前記金属基材が、フェライト系ステンレス鋼製であってもよい。
〔作用効果3〕
金属基材としては、耐熱性が高くSOFCの運転環境に耐える材料が好適と考えられ、オーステナイト系、フェライト系等のステンレス鋼や、インコネル等のNi基合金が好ましく、中でもフェライト系ステンレス鋼はSOFCの他の構成部材との熱膨張率の整合性や耐熱性に優れる。ただし、フェライト系ステンレス鋼は、Cr成分を含んでおり、このCr成分の飛散を防止するために保護膜を形成して空気極を接合することが好ましいので、本発明の燃料電池用部材の製造方法を適用することにより、金属基材の酸化を抑制しかつ保護膜の変質を抑制することができ、特にフェライト系ステンレス鋼製金属基材の利用機会を増やすことにつながり、高性能のSOFCセルを安価に提供するうえで有利である。
〔構成4〕
前記無機酸化物粒子が、Co−Mn系スピネル酸化物を主成分とする金属酸化物とすることができる。
〔作用効果4〕
前記保護膜としては、Co−Mn系スピネル酸化物が、高導電性かつSOFCセル材料と熱膨張係数が一致、Cr成分の飛散抑制に特に有効であることが知られている。そのため、本発明の燃料電池用部材の製造方法を適用することにより、金属基材の酸化を抑制しかつ保護膜の変質を抑制することができ、金属基材からのCr飛散防止をより一層抑制することができるようになるので、高性能のSOFCセルを提供するうえで有利である。
Co−Mn系スピネル酸化物を主成分とする金属酸化物としては、たとえば、コバルトマンガン系酸化物CoxMny4(0<x、y≦3、x+y=3)または、亜鉛コバルトマンガン系酸化物ZnzCoxMny4(0<x、y、z<3、x+y+z=3)からなる金属酸化物微粒子が用いられる。
〔構成5〕
前記無機酸化物粒子が、Co1.5Mn1.54、Co2MnO4から選ばれる少なくとも一種を主成分とするものであれば特に好ましい。
〔作用効果5〕
Co−Mn系スピネル酸化物を主成分とする金属酸化物として、さらに具体的には、Zn(Co,Mn)O4、Co1.5Mn1.54、CoMn24、MnCo24などを主成分として含有するものが好適に用いられる。その中でも、前記無機酸化物粒子として、Co1.5Mn1.54、Co2MnO4は高導電性かつSOFCセル材料と熱膨張係数が一致しており、Co−Mn系スピネル酸化物のなかでもCr成分の飛散抑制に特に有効である。
〔構成6〕
前記焼結工程は、500℃〜1050℃で行うことができる。
〔作用効果6〕
前記焼結工程における焼結温度は、金属基材や、保護膜の組成によって異なるが、概して500℃以上であれば、保護膜材料層に必要的に適宜添加されるアクリル系バインダ等を分解消失させることができる。一方、あまり高温になると、金属基材の表面に高抵抗膜が形成されやすくなり劣化が進むおそれが生じることや、保護膜材料が金属基材から剥離しやすくなるなどの問題が生じやすくなることから1050℃以下とすることが好ましい。
〔構成7〕
また、本発明の燃料電池用部材の特徴構成は、燃料電池における600℃〜1000℃の温度範囲で使用される点にある。
〔作用効果7〕
上記構成によると、保護膜は、使用環境において、スピネル酸化物構造を再生し、緻密でかつ十分な導電性を確保することができるため、燃料電池用部材として発電能力を高く維持することができるものとして利用できる。
このように、金属基材の表面の一部分に保護膜を形成するに際して、その保護膜を金属基材の他の部分に悪影響を与えにくい状態で、確実に焼結することができ、しかも、保護膜の導電性を維持して、金属基材および接合層との接合強度を高くし得る、簡便な燃料電池用部材の製造方法を提供できるようになり、高性能なSOFCセル製造に寄与することができるようになった。
固体酸化物形燃料電池の概略図 固体酸化物形燃料電池のセル間接続部材の使用形態を示す図 保護膜を形成したセル間接続部材試験片の断面図 保護膜を形成したセル間接続部材試験片の断面図 保護膜の断面のSEM、EPMA図 保護膜のXRD図 保護膜の抵抗変化を示すグラフ 酸化コバルトが還元される雰囲気の温度圧力限界を示すグラフ 保護膜の抵抗変化を示すグラフ 保護膜の断面のSEM図 保護膜の断面のSEM図
以下に、本発明の実施形態にかかる燃料電池用部材の製造方法を説明する。尚、以下に好適な実施形態を記すが、これら実施形態はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
<固体酸化物形燃料電池(SOFC)>
本発明にかかる燃料電池用部材としてのSOFC用セル間接続部材およびその製造方法の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すSOFC用セルCは、酸化物イオン伝導性の固体酸化物の緻密体からなる電解質膜30の一方面側に、酸化物イオンおよび電子伝導性の多孔体からなる空気極31を接合するとともに、同電解質膜30の他方面側に電子伝導性の多孔体からなる燃料極32を接合してなる単セル3を備える。
さらに、SOFC用セルCは、この単セル3を、空気極31または燃料極32に対して電子の授受を行うとともに空気および水素を供給するための溝2が形成された一対の電子伝導性の合金からなる金属基材11としてのセル間接続部材1により、適宜外周縁部においてガスシール体を挟持した状態で挟み込んだ構造を有する。そして、空気極31側の上記溝2が、空気極31とセル間接続部材1とが密着配置されることで、空気極31に空気を供給するための空気流路2aとして機能し、一方、燃料極32側の上記溝2が、燃料極32とセル間接続部材1とが密着配置されることで、燃料極32に水素を供給するための燃料流路2bとして機能する。セル間接続部材1はインターコネクタとセルC間を電気的に接続する部材が接続された構成となることもある。なお、42は接合材42aからなる接合層42であり、セル間接続部材1と空気極31との間の電気的な接続を担保するために使用される。
なお、上記SOFC用セルCを構成する各要素で利用される一般的な材料について説明を加えると、例えば、上記空気極31の材料としては、LaMO3(例えばM=Mn,Fe,Co)中のLaの一部をアルカリ土類金属AE(AE=Sr,Ca)で置換した(La,AE)MO3のペロブスカイト型酸化物を利用することができ、上記燃料極32の材料としては、Niとイットリア安定化ジルコニア(YSZ)とのサーメットを利用することができ、さらに、電解質膜30の材料としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を利用することができる。接合材42aとしては、空気極31と類似のペロブスカイト型酸化物やスピネル型酸化物を利用することができる。
さらに、これまで説明してきたSOFC用セルCでは、セル間接続部材1の材料としては、電子伝導性および耐熱性の優れた材料であるフェライト系ステンレス鋼であるFe−Cr合金や、オーステナイト系ステンレス鋼であるFe−Cr−Ni合金や、ニッケル基合金であるNi−Cr合金などのように、Crを含有する合金または酸化物が利用されている。
そして、複数のSOFC用セルCが積層配置された状態で、複数のボルトおよびナットにより積層方向に押圧力を与えて挟持され、セルスタックとなる。
このセルスタックにおいて、積層方向の両端部に配置されたセル間接続部材1は、燃料流路2bまたは空気流路2aの一方のみが形成されるものであればよく、その他の中間に配置されたセル間接続部材1は、一方の面に燃料流路2bが形成され他方の面に空気流路2aが形成されるものを利用することができる。なお、かかる積層構造のセルスタックでは、上記セル間接続部材1をセパレータと呼ぶ場合がある。
このようなセルスタックの構造を有するSOFCを一般的に平板形SOFCと呼ぶ。本実施形態では、一例として平板形SOFCについて説明するが、本願発明は、その他の構造のSOFCについても適用可能である。
そして、このようなSOFC用セルCを備えたSOFCの作動時には、図2に示すように、空気極31に対して隣接するセル間接続部材1に形成された空気流路2aを介して空気を供給するとともに、燃料極32に対して隣接するセル間接続部材1に形成された燃料流路2bを介して水素を供給し、例えば800℃〜1000℃程度の作動温度で作動する。すると、空気極31においてO2が電子e-と反応してO2-が生成され、そのO2-が電解質膜30を通って燃料極32に移動し、燃料極32において供給されたH2がそのO2-と反応してH2Oとe-とが生成されることで、一対のセル間接続部材1の間に起電力Eが発生し、その起電力Eを外部に取り出し利用することができる。
<セル間接続部材>
セル間接続部材1は、図1、図3に示すように、例えば、フェライト系ステンレス合金製のセル間接続部材用の金属基材11(以下単に金属基材11と呼ぶ場合もある)の一方側の表面に保護膜12を設けて構成してある。そして、各単セル3の間に空気流路2a、燃料流路2bを形成しつつ接続可能にする溝板状に形成してある。基材11の表面には、酸化被膜13が形成されている。
<保護膜>
保護膜12は、図3に示すように、たとえば、Crを22%、Mnを約0.1〜0.5%含むフェライト系ステンレス鋼等からなる金属基材11の一方側表面に、保護膜材料層12aとしての電着塗膜を形成する電着工程(成膜工程の一例)を行い、保護膜材料層12aとしての電着塗膜を金属基材11とともに焼結させて金属酸化物からなる保護膜12を形成する焼結工程を行うことにより形成されている。
この焼結工程は、500℃以上1050℃以下の温度で、熱力学的にCo34がCoに還元される酸素分圧以下であることが好ましい。このような還元雰囲気であれば、無機酸化物として含まれる酸化コバルト(Co34やCoO)が金属Coまで還元される雰囲気であり、コバルトを焼結可能な500℃〜1050℃の温度範囲において簡易に実現できる圧力範囲である。(図8参照、例えば、950℃においては酸素分圧1.69×10-9atm以下となる。)還元雰囲気は金属基材11の他方側表面に金属基材11の酸化被膜等が形成されにくい条件にて行う。低酸素分圧雰囲気としては、不活性ガス雰囲気や還元雰囲気等、定法により調整することができる。
<保護膜材料層>
保護膜材料層12aは、たとえば、無機酸化物粒子からなる保護膜材料としてのZnCoMnO4、Co15Mn154、CoMn24、MnCo24等のCo−Mn系スピネル酸化物を主成分とする金属酸化物と、アクリル系バインダとしてのポリアクリル酸等のアニオン型樹脂とを質量比で(金属酸化物微粒子:アニオン型樹脂)=(0.5:1)〜(2:1)の割合で含有している混合液を用いて、アニオン電着塗装法により保護膜材料層12aとしての電着塗膜を形成する電着工程(成膜工程の一例)を行うことにより形成される。
以下に保護膜12の具体的な製造方法を詳述するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例>
成膜工程では、形状が断面長方形の単純形状である金属基材11の試験片に、必要に応じて脱脂処理、酸洗処理、電解研磨などを施した後、保護膜材料の混合液に浸漬し、通電を行うことによって、金属基材11表面に未硬化の保護膜材料層12aとしての電着塗膜が形成される。
得られた保護膜材料層12aは金属基材11とともに低酸素分圧雰囲気下において焼結される。
〔1〕 金属基材の前処理
電着塗装を行うに先立って、各電極には以下の1〜7を順に行う前処理を行った。
1. 電解洗浄剤による陰極電解
(アクチベータS(シミズ社製)100g/L、40℃、10A/dm2、30秒)
2. 水洗
3. 電解洗浄剤による陽極電解
(アクチベータS(シミズ社製)100g/L、40℃、10A/dm2、30秒)
4. 水洗
5. 酸中和(硝酸200mL/L)
6. 水洗
7. 純水洗
また、陽極とする金属基材11の試験片には、別途、脱脂処理、酸洗処理などを施してもよい。
脱脂処理は、たとえば、金属基材11の表面にアルカリ水溶液を供給することにより行われる。アルカリ水溶液の供給は、たとえば、金属基材11にアルカリ水溶液を噴霧するかまたは金属基材11をアルカリ水溶液に浸漬させることにより行われる。アルカリとしては金属の脱脂に常用されるものを使用でき、たとえば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどのアルカリ金属のリン酸塩などが挙げられる。アルカリ水溶液中のアルカリ濃度は、たとえば、処理する金属の種類、金属基材11の汚れの度合いなどに応じて適宜決定される。さらにアルカリ水溶液には、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤の適量が含まれていてもよい。脱脂は、20〜50℃程度の温度下(アルカリ水溶液の液温)に行われ、1〜5分程度で終了する。
脱脂後、金属基材11を水洗され、次の酸洗処理に供される。その他、酸性浴に浸漬する脱脂、気泡性浸漬脱脂、電解脱脂などを適宜組み合わせて実施することもできる。酸洗処理は、たとえば、金属基材11の表面に酸水溶液を供給することにより行われる。酸水溶液の供給は、脱脂処理におけるアルカリ水溶液の供給と同様に、金属基材11への酸水溶液の噴霧、金属基材11の酸水溶液への浸漬などにより行われる。酸としては金属の酸洗に常用されるものを使用でき、たとえば、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。酸水溶液中の酸濃度は、たとえば、金属基材11の種類などに応じて適宜決定される。酸洗処理は、20〜30℃程度の温度下(酸水溶液の液温)に行われ、15〜60秒程度で終了する。
金属基材11にはこのほかに、スケール除去処理、防錆処理などを施してもよい。これらの処理の後、金属基材11を70〜120℃程度の温度下に乾燥させて次の行程に供する。
〔3〕成膜工程(3−1)アニオン型樹脂の合成
1,4ジオキサン50部を、還流冷却器と温度計と撹拌機と滴下ロートとを付けた4つ口フラスコ中で約82℃に加熱し、撹拌しながら滴下ロートから下記表1に示す混合物と1,4ジオキサン50部を3時間かけて連続滴下する。
滴下完了後同温度でさらに3時間反応を続行して、アニオン性をもつアクリル樹脂バインダ(固形分50%)を合成する。得られたアニオン型樹脂のTgは、−27℃(計算上の推定値)、分子量MW12万〜15万であった。
アニオン型樹脂の化学的性状については、Tg:−50℃〜+25℃および分子量(MW質量平均分子量):5万〜20万の範囲内が好適である。一般にアニオン型樹脂のTgは+20℃前後、MWは3万〜7万程度である。なお、多量の無機微粒子を電気泳動共析させて、電解ガスを局所発生させて共析率を向上するためには、低Tgで高分子量のアニオン型樹脂とすることが好ましい。Tgが−50℃以下の場合、析出塗膜の粘性が強すぎ焼付硬化後に流動が大きく、+25℃以上になると流動性が低下しCo2MnO4微粒子共析時に発生したガス跡を消すことができずピンホール状となる。MWが5万以下ではCo2MnO4微粒子の分散性が低下する。また20万以上になると流動性が低下し塗膜中のCo2MnO4微粒子の均一な分散が悪くなり、見た目も不均一な外観となる。
また後述のシラン系カップリング剤を用いて、アニオン型樹脂と金属酸化物微粒子とをカップリング反応させると、Co2MnO4微粒子に代表される金属酸化物微粒子の析出効率を飛躍的に向上させることができる。
(3−2)混合液の作成
シラン系カップリング剤として、イソシアネート官能性シラン(OCN-36-Si(OC253)を用い、この溶剤nMP(nメチルピロリドン)3質量部と(1)で作成したアニオン型樹脂120質量部と溶剤nMP(nメチルピロリドン)60部を混ぜた後、スズ系触媒(DBTDL0.2部)を添加し60℃で1時間反応させることにより、シラン系カップリング剤のイソシアネート基とアニオン型樹脂のOH基が反応し、シラン系カップリング剤がアニオン型樹脂に付加する。(表2第一成分)
Co2MnO4微粒子(平均粒径0.5μm)100質量部と溶剤nMP(nメチルピロリドン)200部と3ミリ径のジルコニアビーズ750質量部を混合し、撹拌機で湿式分散を行いスラリー状のCo2MnO4微粒子を得る。(表3第二成分)
第二成分の中に第一成分を添加し均一混合する。
さらに、トリエチルアミン1.4質量部と溶剤nMP(nメチルピロリドン)10質量部と消泡剤(サーフィノール104)10質量部を添加し攪拌する。
均一混合した後、イオン交換水500質量部を少しずつ加えて、Co2MnO4微粒子とアニオン型樹脂との混合液を作成する。24時間攪拌し、シラン系カップリング剤の加水分解反応を促したのち、イオン交換処理で不純物を除去し、pH9.0±0.2浴電導度200±50μS/cmの混合液が得られる。得られた分散液は、Co2MnO4微粒子:樹脂=1:1(質量比)の混合液として用いられる。
なお、下記の配合物第一成分および第二成分の混合割合を変えることでCo2MnO4微粒子:樹脂=0.5:1(質量比)〜2:1(質量比)の作成ができる。
(3−3)電着塗装
上記(3−2)で作成したアニオン型分散剤組成物をその中の分散剤粒子が、電着液1リットル当り100gになるように分散させ、25℃の溶液において、直流電圧40Vで30秒間、スターラ撹拌(20rpm)下で電着塗装を行った。
なお、電着塗装は下記のようにして行った。
前処理を行った金属基材11の試験片を、25℃の溶液において、金属基材11をプラス、対極としてSUS304の極板をマイナスの極性とし、直流電圧40Vで30秒間、スターラ撹拌(20rpm)して通電を行うことによって、金属基材11表面に未硬化の電着塗膜が形成される。
なお、電着電圧、電着時間を変更することにより電着塗膜の膜厚をコントロールできる。
電着工程後の金属基材11は、通電槽から取り出され、加熱処理が施される。この未硬化の電着塗膜が形成された金属基材11に加熱処理することによって、金属基材11表面に硬化した電着塗膜が形成されたセル間接続部材1が得られる。
電着塗装は、公知の方法に従い、たとえば、混合液を満たした通電槽中に金属基材11を完全にまたは部分的に浸漬して陽極とし、通電することにより実施される。
電着塗装条件も特に制限されず、金属基材11である金属の種類、混合液の種類、通電槽の大きさおよび形状、得られるセル間接続部材1の用途などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常は、浴温度(混合液温度)10〜50℃程度、印加電圧10〜450V程度、電圧印加時間1〜10分程度、混合液の液温10〜45℃とすればよい。
加熱処理は、電着塗膜を乾燥させる予備乾燥と、電着塗膜を硬化させる硬化加熱とを含み、予備乾燥後に硬化加熱が行われる。予備乾燥は、60〜140℃程度の加熱下に行われ、3〜30分程度で終了する。硬化加熱は、150〜220℃程度の加熱下に行われ、10〜60分程度で終了する。このようにして、混合液による電着塗膜が得られる。
〔4〕焼結工程
混合液としてCo2MnO4微粒子(粒子径0.5μm):樹脂=2:1(質量比)のものを用いて形成した電着塗膜を、5%H2/N2ガスを流通させた酸素分圧1.69×10-9atm(1atm=980hPa)以下の低酸素分圧雰囲気下で、電気炉中において500℃〜1050℃程度に保持してアクリル樹脂を分解消失させる。具体的には、950℃で2hr保持してアクリル樹脂を分解消失させるとともに、Co2MnO4粒子の焼結および金属基材11の試験片の表面との反応を起こさせる焼結工程を行う。その結果、金属基材11に対して密着力があり、かつ緻密な保護膜12を形成した(図4(a)参照)。得られた保護膜12を5%H2/N2ガスを流通する条件下で、室温まで冷却して取り出したところ、割れ、剥がれ等の不具合がない良好な外観であった。
保護膜12を形成した金属基材11の裏面の酸化状態を評価するため、テスターで電気抵抗を測定した。その結果、1Ω以下(0.21〜0.23Ω)と低抵抗であることを確認するとともに、大部分は金属光沢が残っていることを確認した。
なお、金属基材11上に形成した保護膜12のSEM写真を、図5に示す。
図より、保護膜12のうち、金属基材11に近い表面部分にコバルト成分が高濃度に含有され、金属基材11から離間した表面側にマンガン成分が高濃度に含有されていることがわかる。また、保護膜12の金属基材11から離間した表面側にコバルト補充層41として供給されたコバルトは、マンガン成分と反応してCo−Mn系スピネル構造を再生するのに寄与しているものと考えられる。
得られた保護膜12の断面は、緻密な保護膜12が形成されていることが分かった。この保護膜12を観察すると、保護膜12のうち、金属基材11に近い表面部分にコバルト成分が高濃度に含有され、金属基材11から離間した表面側にMnOが高濃度に含有されているものと考えられた。また、保護膜12の金属基材11近傍組織のXRDを測定したところ図6の様になっており、保護膜12の先の焼結に用いた還元雰囲気では、保護膜12が一旦還元作用を受けて、酸化コバルト(Co34やCoO)が金属コバルトに、Mn34がMnOに還元された状態で焼結したものと考えられる。
〔接合工程〕
保護膜12に対して接合材42aからなる接合層42を設けて隣接する単セル3に設けられた空気極31との間を接合する接合工程を行う。
接合工程は、前記保護膜12の表面に、金属コバルトを含有してなるコバルト補充層41を設けるコバルト補充層形成工程と、前記コバルト補充層41を形成してなる前記保護膜12と他セルとして隣接する単セル3の空気極31との間に前記接合層42を形成する接合層形成工程とを順に行う。
<コバルト補充層>
コバルト補充層41は、定法に従い、金属コバルト粒子41aを主成分として、グリセリン等の溶剤41bに分散させてペースト状にした金属コバルトペーストを、低酸素分圧で焼成した保護膜12の表面に塗布したのち、溶剤41bを揮発除去して塗膜状に形成する(図4(b)参照)。
〔コバルト補充層形成工程〕
具体的には、コバルトペーストとして、金属コバルト粒子41aを出発原料とし、グリセリンを溶剤41bとして重量比1:1で混合したものをコバルトペーストとして用いた。金属基材11の表面に均一な厚み0.5mmのコバルトペーストを塗布し、室温で乾燥しコバルト補充層41を形成することができた。
なお、コバルト補充層形成工程はペーストの塗布に代えて、スプレー、スパッタリング、CVD法、AD法、溶射、PLD法、ディップコートや電着塗装としてもよいし、メッキによっても作成することができる。また、金属コバルトペーストやディップコートによるディップ液などには、他の成分を含有してもよく、たとえば、コバルト以外に保護膜材料と同一あるいは類似の成分を含有してなり、保護膜材料層12aよりも金属コバルトの含有率の高い無機材料を主成分とする組成とすることもできる。
<接合層>
得られたコバルト補充層41の表面側に、接合材42aを主成分として、グリセリン等の溶剤42bに分散させてペースト状にした接合材ペーストをからなる接合層42を設ける。(図4(c)参照)接合材42aとしては、空気極31と類似のペロブスカイト型酸化物やスピネル型酸化物を利用することができる。具体的に接合層42を構成する接合材42aとしては、La,Sr,Pr,Sm,Fe,Co,Mn,およびNiから選ばれる金属を含むペロブスカイト型酸化物を主材とする、空気極31と近似する組成の導電性セラミックス材料が好適に用いられる。
〔接合層形成工程〕
コバルト補充層41を室温乾燥後、コバルト補充層41の表面に接合材ペーストを塗布し、接合層42を形成した。前記接合層42がペースト状に維持された状態で前記接合層42に、他セルとしての隣接する単セル3の空気極31が接合される形態で、複数の単セル3が接続された状態とされる。
〔スタッキング工程〕
この複数の単セル3は、全体として焼結されて、セルスタック(SOFCセル3)とされる。セルCの焼結は、を1000℃〜1150℃で2時間の条件で行われ、これにより接合層42が焼結されるとともに、複数の単セル3が一体に接合される(図4(d)参照)。
一般的に、SOFCのスタッキング工程においては、コーティングを焼結させたセル間接続部材1と単セル3を交互に積層させ、その間に導電性の接合層42を挟み込み、また、必要な部分にガスシール材(ガラス等)を塗布したのちに熱処理を行い、接合層42と単セル3/セル間接続部材1の密着強度を高めたりシール材を焼結させてガスリークを担保したりする。
この工程はスタックの構造、設計思想により異なるが、500℃以上、1050℃以下で行われることが一般的である(1050℃を超えると合金のセル間接続部材1の劣化が起きてしまう)。そこで、得られたセル間接続部材1を大気中800℃の環境下に置き、保護膜12の抵抗変化を測定したところ、図7のようになった。比較として上記実施形態におけるセル間接続部材1(実施例)にかえ、保護膜12の表面側にコバルト補充層41を設けずに、焼結後の厚さが同程度の保護膜12に形成したもの(比較例)についても同様に保護膜12の抵抗変化を測定した。
図7より、比較例の保護膜12が、初期において高い抵抗値を示し、経時的にも大きく変化しない。これに対し、実施例の保護膜12は、初期において金属コバルトに起因する低い抵抗値を示し、使用環境において次第に抵抗値が上昇するものの150mΩcm2程度の抵抗値で安定化する。比較例の保護膜12において生成したMnOの高抵抗な成分が、焼結時のCo成分の拡散によりスピネル構造に再構成されずにそのまま残存するために、保護膜12全体として高抵抗となっている。これに対して、実施例においては、金属コバルトが消費されつつMnOがCo−Mn系スピネル酸化物構造に変換されたことにより初期的には抵抗値が上昇するものの、低い抵抗値で安定したものと説明することができる。
すなわち、低酸素分圧雰囲気下において焼結させた保護膜12と接合層42との間に、金属コバルトを含有してなるコバルト補充層41を設けることにより、燃料電池用部材の使用環境において、焼結により初期に保護膜12中に生成するMnOをCo−Mn系スピネル酸化物構造に変換して、緻密かつ低抵抗で安定なCr成分の飛散を抑制可能な保護膜12として使用できることが明らかになった。
〔別実施例〕
上記実施形態において、無機酸化物粒子としてCo2MnO4を用いたが、Co15Mn154を用いても同様に燃料電池用部材の使用環境において、焼結により初期に保護膜12中に生成するMnOをCo−Mn系スピネル酸化物構造に変換することができることが実験的に明らかになっており、Co−Mn系スピネル酸化物を主成分とする金属酸化物であれば、同様に緻密かつ低抵抗で安定な保護膜12としてCr成分の飛散を抑制できる緻密な保護膜12として使用できるものと考えられる。このようなCo−Mn系スピネル酸化物としては、Zn(Co,Mn)O4、Co1.5Mn1.54、CoMn24、MnCo24などを主成分として含有するものが好適に用いられる。
上記実施形態において、コバルト補充層41は、金属基材11に金属コバルトを含有するペースト材料を塗布することにより形成したが、金属コバルトを分散させた金属コバルト分散液を用いたディップコートや電着塗装によってもコバルト補充層41を形成することができる。たとえば、ディップコートに用いるディップ液として、金属コバルト粉末とメトキシプロパノール、ヒドロキシプロピルセルロースをそれぞれ重量比5:10:1の割合で混合したものとし、保護膜12の上に1回もしくは2回ディップコートし、室温乾燥したものをコバルト補充層41とすることができる。
なお、下記組成の金属コバルト分散液を用いて保護膜12にディップコートによりコバルト補充層41を形成し、焼結した保護膜12を作成した場合、保護膜12の金属基材11近傍における初期の抵抗値が約90mΩcm2程度となり、ペーストを塗布した上記実施例(125.6mΩcm2)に優る低い抵抗値を示すことが明らかとなっている。
また、保護膜12層にコバルトメッキを行ったり、スプレー、スパッタリング、CVD法、AD法、溶射、PLD法、ディップコートや電着塗装により金属コバルトを主成分とするコバルト補充層41を作成することもできる。
〔長期の抵抗変化の測定〕
図9は、図7に示した実施例および比較例の抵抗変化の測定を、4000時間を越えて行った結果を示すグラフである。図9には、図7の測定に用いたセル間接続部材1と同一サンプルの結果を「実施例第1サンプル」「比較例サンプル」として示し、上述の別実施例のサンプルについての結果を「実施例第2サンプル」として併せて示している。
比較例サンプルおよび実施例第1サンプルにおいて、1300時間付近と2700時間付近で抵抗値が突発的に増加しているが、これは抵抗変化の測定を中断して抵抗値を測定するプローブを着脱したことによる。比較例サンプルは、1000時間までは徐々に抵抗値が低下したが、1000時間経過後は抵抗値の変化は収束し、4000時間経過後は160mΩcm2程度の抵抗値で推移している。実施例第1サンプルは、1000時間経過後から抵抗値が減少傾向となり、3800時間付近で120mΩcm2程度の抵抗値となった。実施例第2サンプルは、500時間程度までは実施例第1サンプルと同様に抵抗値が増加したが、以降は一貫して減少傾向にあり、4000時間経過後は100mΩcm2程度の抵抗値で推移している。以上の結果から、比較例サンプルに比べて実施例第1サンプルおよび実施例第2サンプルは、抵抗値がより小さく、長期に渡ってSOFCの使用環境下に置かれても抵抗値が増加せず、安定して使用できることが確認された。
〔保護膜の断面のSEM観察〕
上述した長期の抵抗変化の測定を行った後、実施例第2サンプルと比較例サンプルを切断し、断面をSEM(電子顕微鏡)で観察した。実施例第2サンプルの結果を図10に、比較例サンプルの結果を図11に示す。図10に示す実施例第2サンプルでは、基材11と保護膜12との間にクラック等は見られず、セル間接続部材1を長期に渡って使用しても基材11と保護膜12との間の接合が強固に保たれることが示された。なおコバルト補充層41と接合層42との間の境界は、判別不可能な状態となっており、コバルト補充層41と接合層42との間で元素拡散が生じていることが伺われる。図11の比較例サンプルと図10の実施例第2サンプルとの間で酸化被膜13について比較すると、比較例サンプルに比べて実施例第2サンプルの方が酸化被膜13が薄い。酸化被膜13が薄い理由はコバルト補充層41から保護膜12側にコバルトが元素拡散しており、保護膜12をより緻密な膜として形成させたことから、酸化被膜13の成長を抑制しているためと考えられる。酸化被膜13が薄いことにより電気抵抗は小さくなるから、実施例第2サンプルの方がセル間接続部材1として好適であるといえる。
本発明の燃料電池用部材は、燃料電池のインターコネクタ、セパレータ等の部材として利用することができる。600℃〜1000℃の酸素雰囲気環境で使用される燃料電池用部材として用いられる場合、本発明による効果が特に有効である。
1 :セル間接続部材
2 :溝
2a :空気流路
2b :燃料流路
3 :単セル
11 :金属基材
12 :保護膜
30 :電解質膜
31 :空気極
32 :燃料極
C :セル

Claims (7)

  1. 固体酸化物形燃料電池に用いられる金属基材の表面の一部分にCoおよびMn成分を含有する無機酸化物粒子を主材とする保護膜材料層を湿式成膜する成膜工程、
    前記保護膜材料層および前記金属基材を焼結して前記金属基材に保護膜を形成する焼結工程、
    前記保護膜に対して接合材からなる接合層を設けて他セルを接合する接合工程、
    前記金属基材、前記保護膜、前記接合層、前記他セルをともに焼結して接合するスタッキング工程、を順に行う燃料電池用部材の製造方法であって、
    前記焼結工程は、低酸素分圧雰囲気下において前記保護膜材料層および前記金属基材を焼結して前記金属基材に前記保護膜を形成する工程であり、
    前記接合工程は、前記保護膜と前記接合層との間に、金属コバルトを含有してなるコバルト補充層を設けた状態で、前記保護膜に対して前記接合層にて前記他セルを接合する工程である燃料電池用部材の製造方法。
  2. 前記接合工程が、前記保護膜の表面に、金属コバルトを含有してなるコバルト補充層を設けるコバルト補充層形成工程と、前記コバルト補充層を形成してなる前記保護膜と他セルとの間に前記接合層を形成する接合層形成工程とを含む請求項1に記載の燃料電池用部材の製造方法。
  3. 前記金属基材が、フェライト系ステンレス鋼製である請求項1または2に記載の燃料電池用部材の製造方法。
  4. 前記無機酸化物粒子が、Co−Mn系スピネル酸化物を主成分とする金属酸化物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池用部材の製造方法。
  5. 前記無機酸化物粒子が、Co1.5Mn1.54およびCo2MnO4から選ばれる少なくとも一種を主成分とするものである請求項4に記載の燃料電池用部材の製造方法。
  6. 前記焼結工程を、500℃〜1050℃で行う請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料電池用部材の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池用部材の製造方法により得られた燃料電池用部材であって、600℃〜1000℃の酸素雰囲気環境で使用される燃料電池用部材。
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