JP2016194328A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Yusuke Fujii
雄亮 藤井
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Abstract

【課題】ブリーザ室への作動油の流入を低減できる動力伝達装置を提供する。【解決手段】本発明の一態様である動力伝達装置は、変速機と、ケースと、カバー部材と、支持部材と、を備える。前記ケースは、前記変速機を収容する。前記カバー部材は、前記ケースの開口部を覆う第1壁部を有する。前記支持部材は、前記ケースに収容され、前記カバー部材と前記変速機との間に位置する第2壁部を有する。前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方によって形成されて前記内部空間に開口する入口と、前記ケースに設けられて前記ケースの外部に開口する出口と、の間に設けられた第1ブリーザ室が、前記ケースと前記支持部材との間に形成される。前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方に、前記変速機の回転部材と前記入口との径方向における間であって、前記入口よりも下方から上方に延びるリブが設けられる。【選択図】図5

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
トルクコンバータのような流体伝動装置と、変速機と、これらを収容したケースと、を備える動力伝達装置が知られる。当該動力伝達装置において、ケースの内部に、例えば潤滑や冷却のために用いられる作動油(ATF)が蓄えられる。作動油は、例えば、動力伝達装置の軸受や、変速機の回転要素の潤滑及び冷却に用いられる。
ケースの内部の圧力が高まると、作動油がケースから漏れる可能性がある。作動油の漏れの可能性を低減するために、ケースの内部と外部とを接続し、ケースの内部の圧力を逃がすブリーザ室が、動力伝達装置に設けられる。ケースの内部の空気は、ブリーザ室において、例えばラビリンス効果により作動油から分離させられ、外部に放出される。
特開2008−14406号公報
ケースの内部に開口するブリーザ室の入口は、作動油の液面よりも上方に位置する。しかし、作動油は、例えば、エンジンの駆動に伴い、ケースの内部に配置される回転要素によって掻き上げられる。掻き上げられた作動油が、ブリーザ室の入口の周辺に飛散する可能性がある。
作動油がブリーザ室の入口に流入した場合、当該作動油がブリーザ室の入口を塞いでしまう。このため、ケースの内部の空気が放出される経路が塞がれ、ケースの内部の圧力が高まる可能性がある。このようなブリーザ室の閉塞の可能性が低減できれば、動力伝達装置の信頼性が向上する。
本発明が解決する課題の一例は、ブリーザ室への作動油の流入を低減できる動力伝達装置を提供することである。
本発明の一態様である動力伝達装置は、変速機と、ケースと、カバー部材と、支持部材と、を備える。前記ケースは、前記変速機を収容する。前記カバー部材は、前記ケースの開口部を覆い、前記変速機が収容される前記ケースの内部空間と前記ケースの外部とを区画する第1壁部を有する。前記支持部材は、前記ケースに収容され、前記カバー部材と前記変速機との間に位置する第2壁部を有する。前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方によって形成されて前記内部空間に開口する入口と、前記ケースに設けられて前記ケースの外部に開口する出口と、の間に設けられた第1ブリーザ室が、前記ケースと前記支持部材との間に形成される。前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方に、前記変速機の回転部材と前記入口との径方向における間であって、前記入口よりも下方から上方に延びるリブが設けられる。
本発明によれば、変速機の回転部材と第1ブリーザ室の入口との径方向における間であって、入口よりも下方から上方に延びるリブが設けられているため、変速機の回転部材から飛散した作動油をリブによって遮ることができる。その結果、第1ブリーザ室の入口に作動油が飛散することを低減することができ、ブリーザ室への作動油の流入を低減できる。
図1は、一つの実施の形態に係る動力伝達装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、一つの実施形態の自動変速機の各変速段とクラッチ及びブレーキの作動状態との関係の一例を示す作動表である。 図3は、一つの実施形態の自動変速機における入力軸の回転速度に対する各回転要素の回転速度の比の一例を示す速度線図である。 図4は、一つの実施形態の動力伝達装置の発進装置やオイルポンプの周辺の構成を示す断面図である。 図5は、一つの実施形態のケース本体、フロントサポート、及びカバー部材を分解して示す斜視図である。 図6は、一つの実施形態のフロントサポートの一部を示す斜視図である。 図7は、一つの実施形態のカバー部材の一部を示す斜視図である。 図8は、一つの実施形態の動力伝達装置の一部の略周方向の断面図である。
以下に、一つの実施の形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
図1は、一つの実施の形態に係る動力伝達装置10の構成を概略的に示す図である。図1に示す動力伝達装置10は、例えば、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としてのエンジン(内燃機関)のクランクシャフト及び/又は電気モータのロータに接続され、エンジン等からの動力(トルク)を左右の後輪(駆動輪)に伝達可能な装置である。なお、動力伝達装置10はこれに限らない。
図1に示すように、動力伝達装置10は、トランスミッションケース(静止部材)11と、発進装置(流体伝動装置)12と、オイルポンプ17と、自動変速機(変速機)20とを有する。自動変速機20は、エンジン等から入力軸(入力部材)20iに伝達された動力を変速して、出力軸(出力部材)20oに伝達する。
発進装置12は、トルクコンバータ(流体伝動装置)14を有する。トルクコンバータ14は、例えば、フロントカバー13と、入力側のポンプインペラ140と、出力側のタービンランナ142と、ステータ143と、ワンウェイクラッチ144とを有する。
フロントカバー13は、ドライブプレート等を介してエンジンのクランクシャフト及び/又は電気モータのロータに連結される。ポンプインペラ140は、フロントカバー13に密に固定されるポンプシェルを有する。タービンランナ142は、自動変速機20の入力軸20iに連結される。ステータ143は、ポンプインペラ140及びタービンランナ142の内側に配置され、タービンランナ142からポンプインペラ140への作動油(ATF)の流れを整流する。ワンウェイクラッチ144は、ステータ143の回転方向を一方向に制限する。なお、発進装置12は、ステータ143を有さない流体継手を有しても良い。
さらに、発進装置12は、ロックアップクラッチ15と、ダンパ機構16とを有する。ロックアップクラッチ15は、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバー13と、自動変速機20の入力軸20iとを互いに接続するとともに、フロントカバー13と入力軸20iと間の接続を解除することが可能である。ダンパ機構16は、フロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとの間で振動を減衰する。
本実施形態において、ロックアップクラッチ15は、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレート及びセパレータプレート)を有する多板摩擦式油圧クラッチである。ロックアップクラッチ15はこれに限らず、例えば単板摩擦式油圧クラッチであっても良い。
オイルポンプ17は、ロータ170と、外歯ギヤ(ドライブギヤ)171と、内歯ギヤ(ドリブンギヤ)172とを有する。ロータ170は、チェーン18を介して発進装置12のポンプインペラ140に連結される。外歯ギヤ171は、複数の外歯を有するとともにロータ170と一体に回転する。内歯ギヤ172は、外歯ギヤ171の外歯に噛合する当該外歯の総数よりも一つ多い複数の内歯を有するとともに、当該外歯ギヤ171に対して偏心して配置される。
オイルポンプ17は、チェーン18等を介して伝達されるエンジンからの動力により駆動され、オイルパンに貯留されている作動油を吸引して図示しない油圧制御装置へと圧送する。オイルポンプ17は、この油圧制御装置を介して、自動変速機20のような種々の部分に作動油を供給する。本実施形態において、オイルポンプ17は、ロータ170が自動変速機20の入力軸20iとは別軸上に位置するようにトランスミッションケース11内の下部に配置される。これにより、ロータ170を入力軸20iと同軸上に配置する場合に比べて、ロータ170、外歯ギヤ171、及び内歯ギヤ172の外径を小さくすることができるので、オイルポンプ17全体の小型化を図ることが可能となる。
本実施形態の自動変速機20は、十段変速式の変速機として構成される。自動変速機20は、図1に示すように、入力軸20iと、出力軸20oと、シングルピニオン式の第1遊星歯車21及び第2遊星歯車22と、ラビニヨ式遊星歯車機構25とを有する。
出力軸20oは、デファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される。第1及び第2遊星歯車21,22は、自動変速機20(入力軸20iや出力軸20o)の軸方向に並べて配設される。ラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式遊星歯車とシングルピニオン式遊星歯車とを組み合わせて構成される複合遊星歯車列である。
さらに、自動変速機20は、入力軸20iから出力軸20oまでの動力伝達経路を変更するための第1係合要素としてのクラッチC1(第1クラッチ)、第2係合要素としてのクラッチC2(第2クラッチ)、第3係合要素としてのクラッチC3(第3クラッチ)、第4係合要素としてのクラッチC4(第4クラッチ)、第5係合要素としてのブレーキB1(第1ブレーキ)、及び第6係合要素としてのブレーキB2(第2ブレーキ)を有する。
本実施形態において、第1及び第2遊星歯車21,22とラビニヨ式遊星歯車機構25とは、図1における左側である発進装置12側(エンジン側)から、ラビニヨ式遊星歯車機構25のシングルピニオン式遊星歯車、ラビニヨ式遊星歯車機構25のダブルピニオン式遊星歯車、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21という順番で並ぶようにトランスミッションケース11内に配置される。
上記のように配列されたラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12に近接するように車両の前部側に配置される。第1遊星歯車21は、出力軸20oに近接するように車両の後部側に配置される。第2遊星歯車22は、入力軸20iや出力軸20o等の軸方向におけるラビニヨ式遊星歯車機構25と第1遊星歯車21との間に配置される。
第1遊星歯車21は、第1サンギヤ21sと、第1リングギヤ21rと、複数の第1ピニオンギヤ21pと、第1キャリヤ21cとを有する。第1サンギヤ21sは、外歯歯車である。第1リングギヤ21rは、第1サンギヤ21sと同心円上に配置される内歯歯車である。第1ピニオンギヤ21pは、それぞれ第1サンギヤ21s及び第1リングギヤ21rに噛合する。第1キャリヤ21cは、複数の第1ピニオンギヤ21pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する。本実施形態において、第1遊星歯車21のギヤ比λ1(第1サンギヤ21sの歯数/第1リングギヤ21rの歯数)は、例えば、λ1=0.277に設定される。
第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cは、図1に示すように、入力軸20iに連結された自動変速機20の中間軸(インターミディエイトシャフト)20mに常時連結(固定)される。これにより、エンジンから入力軸20iに動力が伝達されている際、第1キャリヤ21cには、エンジンからの動力が入力軸20i及び中間軸20mを介して常時伝達される。
第1キャリヤ21cは、クラッチC4の係合時に第1遊星歯車21の入力要素として機能し、クラッチC4の解放時には空転する。第1リングギヤ21rは、クラッチC4の係合時に当該第1遊星歯車21の出力要素として機能する。
第2遊星歯車22は、第2サンギヤ22sと、第2リングギヤ22rと、複数の第2ピニオンギヤ22pと、第2キャリヤ(プラネタリキャリヤ)22cとを有する。第2サンギヤ22sは、外歯歯車である。第2リングギヤ22rは、第2サンギヤ22sと同心円上に配置される内歯歯車である。第2ピニオンギヤ22pは、それぞれ第2サンギヤ22s及び第2リングギヤ22rに噛合する。第2キャリヤ22cは、複数の第2ピニオンギヤ22pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する。本実施形態において、第2遊星歯車22のギヤ比λ2(第2サンギヤ22sの歯数/第2リングギヤ22rの歯数)は、例えば、λ2=0.244に設定される。
第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sは、図1に示すように、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sと一体化(常時連結)されており、当該第1サンギヤ21sと常時一体(かつ同軸)に回転又は停止する。ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとは、別体に構成されるとともに図示しない連結部材(第1連結部材)を介して常時連結されても良い。
第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、出力軸20oに常時連結されており、当該出力軸20oと常時一体(かつ同軸)に回転又は停止する。これにより、第2キャリヤ22cは、第2遊星歯車22の出力要素として機能する。さらに、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rは、当該第2遊星歯車22の固定可能要素として機能する。
ラビニヨ式遊星歯車機構25は、第3サンギヤ23sと、第4サンギヤ24sと、第3リングギヤ23rと、複数の第3ピニオンギヤ(ショートピニオンギヤ)23pと、複数の第4ピニオンギヤ(ロングピニオンギヤ)24pと、第3キャリヤ23cとを有する。
第3及び第4サンギヤ23s,24sは、外歯歯車である。第3リングギヤ23rは、第3サンギヤ23sと同心円上に配置される内歯歯車である。第3ピニオンギヤ23pは、第3サンギヤ23sに噛合する。第4ピニオンギヤ24pは、第4サンギヤ24s及び複数の第3ピニオンギヤ23pに噛合するとともに第3リングギヤ23rに噛合する。第3キャリヤ23cは、複数の第3ピニオンギヤ23p及び複数の第4ピニオンギヤ24pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する。
このようなラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式遊星歯車(第3遊星歯車)とシングルピニオン式遊星歯車(第4遊星歯車)とを組み合わせて構成される複合遊星歯車列である。
ラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23sと、第3キャリヤ23cと、第3及び第4ピニオンギヤ23p,24pと、第3リングギヤ23rとは、ダブルピニオン式の第3遊星歯車を構成する。さらに、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24sと、第3キャリヤ23cと、第4ピニオンギヤ24pと、第3リングギヤ23rとは、シングルピニオン式の第4遊星歯車を構成する。
本実施形態において、ラビニヨ式遊星歯車機構25のダブルピニオン式の第3遊星歯車のギヤ比λ3(第3サンギヤ23sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)は、例えば、λ3=0.488に設定される。シングルピニオン式の第4遊星歯車のギヤ比λ4(第4サンギヤ24sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)は、例えば、λ4=0.581に設定される。
ラビニヨ式遊星歯車機構25(第3及び第4遊星歯車)を構成する回転要素のうち、第4サンギヤ24sは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素(自動変速機20の第2固定可能要素)として機能する。さらに、第3キャリヤ23cは、図1に示すように、入力軸20iに常時連結(固定)されるとともに、連結部材(第2連結部材)としての中間軸20mを介して第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cに常時連結される。
上記構成により、エンジンから入力軸20iに動力が伝達されている際、第3キャリヤ23cには、エンジンからの動力が入力軸20iを介して常時伝達される。従って、第3キャリヤ23cは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の入力要素として機能する。また、第3リングギヤ23rは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素として機能し、第3サンギヤ23sは、当該ラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素として機能する。
クラッチC1は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21s及び第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sと、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rと、を互いに接続するとともに、第1及び第2サンギヤ21s,22sと第3リングギヤ23rとの間の接続を解除するものである。
クラッチC2は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21s及び第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素である第3サンギヤ23sとを互いに接続するとともに、第1及び第2サンギヤ21s,22sと第3サンギヤ23sとの間の接続を解除するものである。
クラッチC3は、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続するとともに、第2リングギヤ22rと第3リングギヤ23rとの間の接続を解除するものである。
クラッチC4は、第1遊星歯車21の出力要素である第1リングギヤ21rと出力軸20oとを互いに接続するとともに、第1リングギヤ21rと出力軸20oの間の接続を解除するものである。
ブレーキB1は、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素である第4サンギヤ24sを、静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)するとともに、当該第4サンギヤ24sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。
ブレーキB2は、第2遊星歯車22の固定可能要素である第2リングギヤ22rを、トランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)するとともに、当該第2リングギヤ22rを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。
本実施形態では、クラッチC1〜C4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレート及びセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室及び遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。また、ブレーキB1及びB2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレート及びセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。クラッチC1〜C4、ブレーキB1及びB2は、油圧制御装置により作動油が給排されることで動作する。
図2は、一つの実施形態の自動変速機20の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1及びB2の作動状態との関係の一例を示す作動表である。図3は、一つの実施形態の自動変速機20における入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比の一例を示す速度線図である。自動変速機20は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1及びB2を図2の作動表に示す状態とすることで、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを提供する。
第1及び第2遊星歯車21,22とラビニヨ式遊星歯車機構25との十個の回転要素(ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとが常時連結されているので、実質的には合計九個の回転要素)は、これらのギヤ比λ1,λ2,λ3,λ4に応じた間隔を介して図3における左側から図示される順番で並ぶ。
図3の速度線図上での並び順に従い、本実施形態では、第1サンギヤ21sを自動変速機20の第1回転要素とし、第1キャリヤ21cを自動変速機20の第2回転要素とし、第1リングギヤ21rを自動変速機20の第3回転要素とする。また、第2サンギヤ22sを自動変速機20の第4回転要素とし、第2キャリヤ22cを自動変速機20の第5回転要素とし、第2リングギヤ22rを自動変速機20の第6回転要素とする。さらに、第4サンギヤ24sを自動変速機20の第7回転要素とし、第3キャリヤ23cを自動変速機20の第8回転要素とし、第3リングギヤ23rを自動変速機20の第9回転要素とし、第3サンギヤ23sを自動変速機20の第10回転要素とする。
なお、第1及び第2遊星歯車21,22と第3及び第4遊星歯車のギヤ比λ1〜λ4は、上述のものに限られない。また、自動変速機20において、クラッチC1〜C4、ブレーキB1及びB2の少なくとも何れかは、ドグクラッチあるいはドグブレーキといった噛み合い係合要素とされても良い。例えば、自動変速機20では、前進第1速段から前進第4速段の形成に際して連続して係合されるとともに、後進段の形成に際して係合されるブレーキB2として、ドグブレーキが採用されても良い。
さらに、自動変速機20において、第1及び第2遊星歯車21,22の少なくとも何れかは、ダブルピニオン式の遊星歯車であってもよく、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、例えばシンプソン型やCR−CR型といった複合遊星歯車列に置き換えられても良い。また、上述の自動変速機20は、前輪駆動車両に搭載される変速機に改変されても良い。
以下、図4を参照して、動力伝達装置10の具体的形状の一例について説明する。なお、動力伝達装置10の具体的形状は、図4に示されるものに限らない。図4は、一つの実施形態の動力伝達装置10の発進装置12やオイルポンプ17の周辺の構成を示す断面図である。
図4に示すように、発進装置12や自動変速機20を収容するトランスミッションケース11は、ケース本体(ケース)110と、フロントサポート(支持部材)111と、カバー部材112と、センターサポート115(図1参照)とを有する。本実施形態において、ケース本体110、フロントサポート111、カバー部材112、及びセンターサポート115は、例えばアルミニウム合金を鋳造することにより作られる。
ケース本体110は、筒状に形成される。ケース本体110は、発進装置12と、自動変速機20と、フロントサポート111と、カバー部材112と、センターサポート115との少なくとも一部を収容する。
フロントサポート111は、発進装置12(流体伝動装置)と自動変速機20との間に位置するようにケース本体110に締結(固定)される。カバー部材112は、発進装置12側からフロントサポート111を覆うように、フロントサポート111とともにケース本体110に締結(固定)される。センターサポート115は、ラビニヨ式遊星歯車機構25と第2遊星歯車22(及び第1遊星歯車21)との間に位置するようにケース本体110に締結(固定)される。
フロントサポート111は、壁部(第2壁部)111aと、筒状部111bとを有する。壁部111aは、環状に形成され、ケース本体110に締結される。筒状部111bは、壁部111aから発進装置12に向かって入力軸20iの軸方向に延びる。
カバー部材112は、環状壁部(第1壁部)112aと、支持部(筒状部)112bとを有する。環状壁部112aは、発進装置12と自動変速機20との軸方向における間に位置するようにトランスミッションケース11に締結され、径方向に延在する。支持部112bは、環状壁部112aの内周から軸方向に延びる短尺筒状に形成される。
カバー部材112の環状壁部112aと自動変速機20との間に、フロントサポート111の壁部111aが位置する。フロントサポート111の壁部111aとカバー部材112の環状壁部112aとの軸方向における間に、空間11xが形成される。フロントサポート111の壁部111aの上部には、当該空間11xと自動変速機20が配置されるケース本体110の内部とを連通する、比較的大きい開口面積を有する開口部111oが形成される。
筒状のケース本体110に、開口部110oが設けられる。カバー部材112の環状壁部112aは、ケース本体110の開口部110oを覆う。これにより、カバー部材112の環状壁部112aは、自動変速機20が収容されるケース本体110の内部空間や、当該ケース本体110の内部空間の一部である空間11xと、ケース本体110の外部とを区画する。
フロントサポート111に、オイルポンプ17の外歯ギヤ171及び内歯ギヤ172を収容するギヤ収容室を画成するポンプボディ173が締結され、当該ポンプボディ173には、ポンプカバー174が締結される。なお、ポンプボディ173は、フロントサポート111と一体化されても良く、ポンプボディ173とポンプカバー174とが一体化されても良い。
フロントサポート111の筒状部111b内に、鋼材(鉄合金)により形成された中空のステータシャフト145が入力軸20iを包囲するように圧入(固定)される。ステータシャフト145の先端部は、発進装置12のワンウェイクラッチ144のインナーレース内にスプライン嵌合される。これにより、ステータ143は、ワンウェイクラッチ144を介してステータシャフト145に連結される。
ステータシャフト145の内周面と入力軸20iの外周面との間に、ブッシュ(軸受)が介設される。ステータシャフト145に、リング部材146が嵌合される。リング部材146は、鋼材(鉄合金)により形成され、一端がフロントサポート111の筒状部111bの先端と当接するようにステータシャフト145の外周面に圧入及び固定される。
リング部材146の外周面には、シール装着溝が形成されており、当該シール装着溝には、スリーブ141の筒状部141bの内周面に摺接するようにシールリング等のシール部材が配置される。これにより、リング部材146とスリーブ141の筒状部141bとの間に配置されるシール部材によって、発進装置12の流体伝動室内の作動油がフロントサポート111側に漏洩する可能性を低減できる。
発進装置12のトルクコンバータ14のポンプインペラ140は、ポンプシェル140aと、複数のポンプブレード140bと、スリーブ141とを有する。ポンプシェル140aは、フロントカバー13に密に固定される。ポンプブレード140bは、ポンプシェル140aの内面に配設される。スリーブ141は、ポンプシェル140aの内周部に溶接により密に接合される。
スリーブ141は、ポンプシェル140aやポンプブレード140bと同様に、鋼材(鉄合金)により作られる。スリーブ141は、フランジ部141aと、筒状部141bとを有する。フランジ部141aは、ポンプシェル140aの内周部に接合される環状に形成される。筒状部141bは、フランジ部141aの内周部から自動変速機20側(図4における右側)に向かって入力軸20iの軸方向に延びる。
スリーブ141の筒状部141b内に、フロントサポート111の筒状部111bが自動変速機20側(図4における右側)から嵌合(挿入)される。筒状部141bの外周面とカバー部材112の支持部112bの内周面との間の間隙に、ラジアル軸受147が配置される。これにより、ポンプインペラ140のスリーブ141は、トランスミッションケース11のフロントサポート111及びカバー部材112に、ラジアル軸受147を介して回転自在に支持される。さらに、筒状部141bの外周面と支持部112bの内周面との間に、ラジアル軸受147よりもスリーブ141のフランジ部141aに近接するようにオイルシール148が配置される。
スリーブ141の筒状部141bの遊端部(図4における右端部、自動変速機20側の端部)に、複数(例えば2つ)の係合突部141cが形成される。係合突部141cは、チェーン18が巻掛けられる駆動部材としてのドライブスプロケット(回転部材)181のボス部に形成された係合溝に、それぞれ嵌合される。
ドライブスプロケット181は、カバー部材112の支持部112bとフロントサポート111の壁部111aとの間に位置するように、当該フロントサポート111の筒状部111bに回転自在に支持される。さらに、ドライブスプロケット181は、ポンプインペラ140と一体に回転するように、係合突部141c等を介してポンプインペラ140のスリーブ(駆動軸)141に連結される。すなわち、ドライブスプロケット181は、エンジン(駆動源)によって駆動されるスリーブ141に連結される。これにより、ポンプインペラ140、スリーブ141、ドライブスプロケット181、チェーン(回転部材)18及びロータ170に固定されたドリブンスプロケット(回転部材)182を介して伝達されるエンジンからの動力により、オイルポンプ17の外歯ギヤ171及び内歯ギヤ172が回転駆動することが可能となる。このように、ドライブスプロケット181は、チェーン18を介してドライブスプロケット181に駆動連結され、オイルポンプ17を駆動する。
カバー部材112の支持部112bの上部に、油孔112cが形成される。油孔112cは、ラジアル軸受147に潤滑用の作動油を導くように当該支持部112bを貫通する。油孔112cは、支持部112bの外周側から内周側に向かうに従ってスリーブ141のフランジ部141aに近接するように斜めに延びる。油孔112cは、ラジアル軸受147が配置される間隙と連通する。
さらに、カバー部材112の環状壁部112aに、凹部112dが形成される。凹部112dは、支持部112bの油孔112cの上方で自動変速機20側(図4における右側)から発進装置12側(図4における左側)に向けて窪む。
カバー部材112の支持部112bとドライブスプロケット181との軸方向における間に、第1ワッシャ100が配置される。ドライブスプロケット181とフロントサポート111の壁部111aとの軸方向における間に、第2ワッシャ200が配置される。本実施形態において、第1及び第2ワッシャ100,200は、例えばナイロン66等を含む樹脂材料により作られる。
上述のように構成される動力伝達装置10では、ドライブスプロケット181やチェーン18等を介して伝達されるエンジンからの動力によりオイルポンプ17が駆動される際に、トランスミッションケース11内に滞留する作動油がチェーン18によって掻き上げられる。また、エンジンからの動力が入力軸20iに伝達されて自動変速機20の回転要素が回転すると、回転要素の回転に伴って当該自動変速機20に供給された潤滑及び冷却用の作動油が飛散し、フロントサポート111付近で飛散した作動油の一部は、壁部111aに形成された開口部111oを介してフロントサポート111とカバー部材112との間の空間11x内に入り込む。
そして、ドライブスプロケット181の回転に伴ってチェーン18により掻き上げられた作動油や、自動変速機20の回転要素の回転に伴って空間11x内へと飛散した作動油は、凹部112d内に集められる。作動油は、凹部112dから油孔112cへと流下させてラジアル軸受147の潤滑に供される。なお、作動油はこれに限らず、他の部分の潤滑に供されても良い。
フロントサポート111の壁部111aの上部に比較的大きい開口面積を有する開口部111oを設けることで、自動変速機20の回転要素の回転に伴って飛散する油を壁部111aとカバー部材112との間の空間11xにより多く導入することができる。この結果、動力伝達装置10では、自動変速機20の回転要素の回転に伴って飛散する油や、ドライブスプロケット181の回転に伴ってチェーン18により掻き上げられた油を有効に利用して、ラジアル軸受147を極めて良好に潤滑することが可能となる。
図5は、一つの実施形態のケース本体110、フロントサポート111、及びカバー部材112を分解して示す斜視図である。図6は、一つの実施形態のフロントサポート111の一部を示す斜視図である。図7は、一つの実施形態のカバー部材112の一部を示す斜視図である。図5乃至図7は、カバー部材112の油孔112c及び凹部112dを省略して示す。なお、カバー部材112は、油孔112c及び凹部112dを有さなくても良い。
図5に示すように、フロントサポート111の壁部111aは、第1内側部分111aaと、第1外縁部分111abとを有する。第1内側部分111aaは、第1外縁部分111abよりもフロントサポート111の径方向における内側に位置する円環状の部分である。筒状部111bは、第1内側部分111aaから延びる。開口部111oは、第1内側部分111aaに設けられる。
図6に示すように、フロントサポート111に、第1サポートボス(ボス)111cと、第2サポートボス111dと、第3サポートボス111eと、第1サポートリブ(リブ、上方リブ)111fと、第2サポートリブ(リブ、並行リブ)111gと、第3サポートリブ(リブ)111hとが設けられる。
第1乃至第3サポートボス111c,111d,111eと、第1乃至第3サポートリブ111f,111g,111hとは、壁部111aの第1外縁部分111abの、発進装置12側(エンジン側、図4における左側)に設けられる。言い換えると、第1乃至第3サポートボス111c,111d,111eと、第1乃至第3サポートリブ111f,111g,111hとは、第1外縁部分111abの、カバー部材112に向く部分に設けられる。
第1サポートボス111cは、第1外縁部分111abから突出する略円筒形の突起である。第1サポートボス111cに、第1サポート孔(孔)111caと、入口溝(入口)111cbとが設けられる。第1サポート孔111caは、フロントサポート111を、フロントサポート111の軸方向に貫通する孔である。入口溝111cbは、フロントサポート111の略周方向に延び、第1サポート孔111caと空間11xとの間を接続する溝(切欠き)である。
第2サポートボス111dは、第1外縁部分111abから突出する略円筒形の突起である。第2サポートボス111dに、第2サポート孔111daが設けられる。第2サポート孔111daは、フロントサポート111を、フロントサポート111の軸方向に貫通する孔である。
第2サポートボス111dは、第1サポートボス111cよりも上方に位置する。本明細書において、上方に位置するとは、動力伝達装置10を備える車両等が水平面に載置された場合に、ある物又は部分が他の物又は部分よりも、鉛直方向において上方に位置することを示す。
第3サポートボス111eは、第1外縁部分111abから突出する略円筒形の突起である。第3サポートボス111eに、第3サポート孔111eaが設けられる。第3サポート孔111eaは、フロントサポート111を、フロントサポート111の軸方向に貫通する孔である。
第3サポートボス111eは、第1サポートボス111cよりも下方に位置する。本明細書において、下方に位置するとは、動力伝達装置10を備える車両等が水平面に載置された場合に、ある物又は部分が他の物又は部分よりも、鉛直方向において下方に位置することを示す。
本実施形態において、図4のポンプインペラ140や、車両前進時における入力軸20i等の回転方向は、動力伝達装置10の後部側(図4における右側)から見て反時計方向である。第2サポートボス111dは、第1サポートボス111cに対し、ポンプインペラ140等の回転方向における後側(時計方向側)に位置する。第3サポートボス111eは、第1サポートボス111cに対し、ポンプインペラ140等の回転方向における前側(反時計方向側)に位置する。
第1及び第2サポートリブ111f,111gは、第1サポートボス111cと第2サポートボス111dとの間を接続するように、フロントサポート111の略周方向に延びる。第2サポートリブ111gは、第1サポートリブ111fと並行して延びる。図6において第1及び第2サポートリブ111f,111gは平行に延びるが、第1及び第2サポートリブ111f,111gが延びる方向はこれに限らない。第1及び第2サポートリブ111f,111gは、開口部111oに対して、フロントサポート111の径方向外側(上方)に位置する。
第3サポートリブ111hは、第1上端部111haと第1下端部111hbとを有する。第1上端部111haは、第1サポートボス111cに接続される。第1下端部111hbは、第1上端部111haの反対側に位置し、第1サポートボス111cよりも下方に位置する第3サポートボス111eに接続される。すなわち、第1下端部111hbは、第1上端部111haよりも下方に位置する。このように、第3サポートリブ111hは、第1サポートボス111cと第3サポートボス111eとの間を接続するように、フロントサポート111の略周方向に延びる。
第3サポートリブ111hは、第1サポートボス111cの入口溝111cbよりも、フロントサポート111の径方向内側に位置する。言い換えると、入口溝111cbの一方の端部は、第3のサポートリブ111hと、フロントサポート111の外周との間に開口する。
上述のように、第1サポートリブ111fは、入口溝111cbが設けられた第1サポートボス111cから、上方の第2サポートボス111dに延びる。さらに、第3サポートリブ111hは、下方の第3サポートボス111eから第1サポートボス111cに延びる。このため、第1サポートリブ111fと第3サポートリブ111hとは、チェーン18のような回転部材と入口溝111cbとの、自動変速機20の径方向における間であって、入口溝111cbよりも下方から上方に延びる一体的なリブを形成する。
第1乃至第3サポートボス111c,111d,111eと、第1乃至第3サポートリブ111f,111g,111hとの、フロントサポート111の軸方向(発進装置12側)における端面は、略同一平面である第1接触面111iを形成する。第1接触面111iは、カバー部材112に向く。なお、第1接触面111iは、凹凸を有しても良い。
さらに、図5に示すように、フロントサポート111に、第1凹部111jと、第2凹部111kと、第1突壁111lとが設けられる。第1凹部111j、第2凹部111k、及び第1突壁111lは、壁部111aの第1外縁部分111abの、自動変速機20側(図4における右側)に設けられる。
第1及び第2凹部111j,111kは、第1外縁部分111abから窪んだ部分である。第1及び第2凹部111j,111kは、フロントサポート111の周方向において、第1サポート孔111caと第2サポート孔111daとの間に並んで設けられる。
第1凹部111jは、第2凹部111kよりも第1サポート孔111caに近接する。第1凹部111jは、第1接続溝111jaによって、第1サポート孔111caに接続される。第1接続溝111jaは、フロントサポート111の略周方向に延びる溝(切欠き)である。
第2凹部111kは、第1凹部111jよりも第2サポート孔111daに近接する。第2凹部111kは、第2接続溝111kaによって、第2サポート孔111daに接続される。第2接続溝111kaは、フロントサポート111の略周方向に延びる溝(切欠き)である。
第1突壁111lは、第1凹部111jと第2凹部111kとの間を隔てる壁(リブ)である。第1突壁111lの軸方向の端面は、第1外縁部分111abの自動変速機20側(図4における右側)の軸方向の端面と、略同一平面である第2接触面111mを形成する。なお、第1突壁111lの端面は、第1外縁部分111abの自動変速機20側の端面に対して突出しても良いし窪んでも良い。
図7に示すように、カバー部材112の環状壁部112aは、第2内側部分112aaと、第2外縁部分112abとを有する。第2内側部分112aaは、第2外縁部分112abよりもカバー部材112の径方向における内側に位置する円環状の部分である。支持部112bは、第2内側部分112aaから延びる。凹部112dは、第2内側部分112aaに設けられる。
カバー部材112に、第1カバーボス(ボス)112eと、第2カバーボス112fと、第3カバーボス112gと、第1カバーリブ(リブ、上方リブ)112hと、第2カバーリブ(リブ、並行リブ)112iと、第3カバーリブ(リブ)112jとが設けられる。
第1乃至第3カバーボス112e,112f,112gと、第1乃至第3カバーリブ112h,112i,112jとは、環状壁部112aの第2外縁部分112abの、自動変速機20側(図4における右側)に設けられる。言い換えると、第1乃至第3カバーボス112e,112f,112gと、第1乃至第3カバーリブ112h,112i,112jとは、第2外縁部分112abの、フロントサポート111に向く部分に設けられる。
第1カバーボス112eは、フロントサポート111の第1サポートボス111cに応じた位置で、第2外縁部分112abから突出する略円筒形の突起である。第1カバーボス112eに、第1カバー孔(孔)112eaと、第3接続溝(分岐口)112ebとが設けられる。第1カバー孔112eaは、カバー部材112を、カバー部材112の軸方向に貫通する孔である。第3接続溝112ebは、第2カバーボス112fに向かって、カバー部材112の略周方向に延びる溝(切欠き)である。
第2カバーボス112fは、フロントサポート111の第2サポートボス111dに応じた位置で、第2外縁部分112abから突出する略円筒形の突起である。第2カバーボス112fは、第1カバーボス112eよりも上方に位置する。第2カバーボス112fに、第2カバー孔112faと、第4接続溝112fbとが設けられる。第2カバー孔112faは、カバー部材112を、カバー部材112の軸方向に貫通する孔である。第4接続溝112fbは、第1カバーボス112eに向かって、カバー部材112の略周方向に延びる溝(切欠き)である。
第3カバーボス112gは、フロントサポート111の第3サポートボス111eに応じた位置で、第2外縁部分112abから突出する略円筒形の突起である。第3カバーボス112gは、第1カバーボス112eよりも下方に位置する。第3カバーボス112gに、第3カバー孔112gaが設けられる。第3カバー孔112gaは、カバー部材112を、カバー部材112の軸方向に貫通する孔である。
第2カバーボス112fは、第1カバーボス112eの、ポンプインペラ140等の回転方向における後側(時計方向側)に位置する。第3カバーボス112gは、第1カバーボス112eの、ポンプインペラ140等の回転方向における前側(反時計方向側)に位置する。
第1及び第2カバーリブ112h,112iは、第1カバーボス112eと第2カバーボス112fとの間を接続するように、カバー部材112の略周方向に延びる。第2カバーリブ112iは、第1カバーリブ112hと並行して延びる。図7において第1及び第2カバーリブ112h,112iは平行に延びるが、第1及び第2カバーリブ112h,112iが延びる方向はこれに限らない。
第1カバーリブ112hは、フロントサポート111の第1サポートリブ111fに応じた位置に設けられる。第2カバーリブ112iは、フロントサポート111の第2サポートリブ111gに応じた位置に設けられる。
第3カバーリブ112jは、フロントサポート111の第3サポートリブ111hに応じた位置に設けられる。第3カバーリブ112jは、第2上端部112jaと第2下端部112jbとを有する。
第2上端部112jaは、第1カバーボス112eに接続される。第2下端部112jbは、第2上端部112jaの反対側に位置し、第1カバーボス112eよりも下方に位置する第3カバーボス112gに接続される。すなわち、第2下端部112jbは、第2上端部112jaよりも下方に位置する。このように、第3カバーリブ112jは、第1カバーボス112eと第3カバーボス112gとの間を接続するように、カバー部材112の略周方向に延びる。
第1乃至第3カバーボス112e,112f,112gと、第1乃至第3カバーリブ112h,112i,112jとの、カバー部材112の軸方向における端面は、略同一平面である第3接触面112kを形成する。第3接触面112kは、フロントサポート111に向く。なお、第3接触面112kは、凹凸を有しても良い。
上述のように、第1カバーリブ112hは、入口溝111cbが設けられた第1サポートボス111cに応じた位置に設けられた第1カバーボス112eから、上方の第2カバーボス112fに延びる。さらに、第3カバーリブ112jは、下方の第3カバーボス112gから第1カバーボス112eに延びる。このため、第1カバーリブ112hと第3カバーリブ112jとは、チェーン18のような回転部材と入口溝111cbとの、自動変速機20の径方向における間であって、入口溝111cbよりも下方から上方に延びる一体的なリブを形成する。
図8は、一つの実施形態の動力伝達装置10の、フロントサポート111の壁部111aの第1外側部分111abの周辺(カバー部材112の環状壁部112aの第2外側部分112abの周辺)における、略周方向の断面図である。図6に、図8が示す部分を概略的に示す断面指示線F8が示される。なお、断面指示線F8が示す断面位置と、図8が示す動力伝達装置10の断面位置とは、完全には一致しない。
図8に示すように、ケース本体110は、第4接触面110aを有する。第4接触面110aは略平坦に形成され、ケース本体110の軸方向における発進装置12側(図4における左側)に向く。第4接触面110aは、フロントサポート111の第2接触面111mに面する。
ケース本体110の第4接触面110aに、第1締結孔110bと、第2締結孔110cと、第3凹部110dと、第4凹部110eと、第2突壁110fとが設けられる。
第1締結孔110bは、フロントサポート111の第1サポート孔111ca及びカバー部材112の第1カバー孔112eaに応じた位置に設けられる。第1締結孔110b、第1サポート孔111ca、及び第1カバー孔112eaは、互いに連通する。第1締結孔110bに、雌ネジが切られる。
第2締結孔110cは、フロントサポート111の第2サポート孔111da及びカバー部材112の第2カバー孔112faに応じた位置に設けられる。第2締結孔110c、第2サポート孔111da、及び第2カバー孔112faは、互いに連通する。第2締結孔110cに、雌ネジが切られる。
連通する第1締結孔110b、第1サポート孔111ca、及び第1カバー孔112eaに、第1ボルト(締結具)191が挿通される。また、連通する第2締結孔110c、第2サポート孔111da、及び第2カバー孔112faに、第2ボルト(締結具)192が挿通される。第1及び第2ボルト191,192によって、カバー部材112がフロントサポート111とともに、ケース本体110に固定(締結)される。
第1ボルト191の外周面と、第1サポート孔111ca及び第1カバー孔112eaのそれぞれの内周面との間に、空気が通ることが可能な隙間が形成される。第2ボルト192の外周面と、第2サポート孔111da及び第2カバー孔112faのそれぞれの内周面との間にも、空気が通ることが可能な隙間が形成される。
第3及び第4凹部110d,110eは、第4接触面110aから窪んだ部分である。第3及び第4凹部110d,110eは、ケース本体110の周方向において、第1締結孔110bと第2締結孔110cとの間に並んで設けられる。
第3凹部110dは、第4凹部110eよりも第1締結孔110bに近接する。第3凹部110dは、フロントサポート111の第1凹部111jの一部に面する位置に設けられる。
第4凹部110eは、第3凹部110dよりも第2締結孔110cに近接する。第4凹部110eは、フロントサポート111の第1凹部111jの一部と第2凹部111kとに面する位置に設けられる。
第2突壁110fは、第3凹部110dと第4凹部110eとの間を隔てる壁(リブ)である。第2突壁110fは、ケース本体110の周方向において、フロントサポート111の第1突壁111lと異なる位置に設けられる。第2突壁110fの端面は、第4接触面110aと略同一平面を形成する。なお、第2突壁110fの端面は、第4接触面110aに対して突出しても良いし窪んでも良い。
ブリーザ孔(出口)110gが、第4凹部110eの、例えば底面に設けられる。ブリーザ孔110gは、ケース本体110の外部に開口する。ブリーザ孔110gに、ケース本体110の外部から、二点鎖線で示すホース193が接続されても良い。ホース193を通じて、ブリーザ孔110gは、動力伝達装置10を備える車両の外部に開放される。
第1及び第2ボルト191,192によってカバー部材112及びフロントサポート111がケース本体110に固定されることで、フロントサポート111の第1接触面111iと、カバー部材112の第3接触面112kとが密着する。さらに、フロントサポート111の第2接触面111mと、ケース本体110の第4接触面110aとが密着する。
さらに、固定されたフロントサポート111とケース本体110との間に、第1ブリーザ室195が形成される。第1ブリーザ室195は、例えば、第1乃至第4凹部111j,111k,110d,110eによって形成される。
ケース本体110の第2突壁110fは、周方向において、フロントサポート111の第1突壁111lと異なる位置に設けられる。このため、図8に示すように、フロントサポート111の第1凹部111jは、ケース本体110の第3凹部110d及び第4凹部110eに接続される。さらに、フロントサポート111の第2凹部111kは、ケース本体110の第4凹部110eに接続される。このように、互いに接続された第1乃至第4凹部111j,111k,110d,110eが、第1ブリーザ室195を形成する。なお、第1ブリーザ室195は、他の部分を含んでも良い。
フロントサポート111の第1接触面111iと、カバー部材112の第3接触面112kとが密着することで、フロントサポート111の第1サポートボス111cの入口溝111cbが、トランスミッションケース11の空間11xと、第1サポート孔111caとの間を接続する孔を形成する。このような入口溝111cbは、第1ブリーザ室195の入口を形成する。
入口溝111cbによって形成される第1ブリーザ室195の入口は、ケース本体110の内部空間の一部である、トランスミッションケース11の空間11xに開口する。入口溝(入口)111cbは、第1サポート孔111ca(第1サポート孔111caの内周面と第1ボルト191の外周面との間の隙間)及び第1接続溝111jaを介して、第1ブリーザ室195(第1凹部111j)に接続される。
一方、ケース本体110のブリーザ孔110gは、第1ブリーザ室195の出口を形成する。このように、第1ブリーザ室195は、空間11xに通じた入口溝(入口)111cbとケース本体110の外部に通じたブリーザ孔(出口)110gとの間に設けられる。
第1ブリーザ室195が形成されることで、空間11xの空気は、第1ブリーザ室195を通ってトランスミッションケース11の外に排出されることが可能となる。すなわち、空間11xの空気は、入口溝111cbから第1サポート孔111ca及び第1接続溝111jaを通り、第1ブリーザ室195に流入する。空気は、例えば、図8の矢印に示すように第1ブリーザ室195の第3凹部110d、第1凹部111j、第4凹部110eを順に通って、第4凹部110eに設けられたブリーザ孔110gから排出される。
一方、第1及び第2ボルト191,192によってカバー部材112及びフロントサポート111がケース本体110に固定されることで、第1サポートリブ111fの軸方向の端面(第1接触面111iの一部)と、第1カバーリブ112hの軸方向の端面(第3接触面112kの一部)とが密着する。さらに、第2サポートリブ111gの軸方向の端面(第1接触面111iの一部)と、第2カバーリブ112iの軸方向の端面(第3接触面112kの一部)とが密着する。
互いに密着する第1サポートリブ111f及び第1カバーリブ112hと、第2サポートリブ111g及び第2カバーリブ112iと、によって、第1サポートボス111c及び第1カバーボス112eと、第2サポートボス111d及び第2カバーボス112fとの間の隙間が塞がれる。言い換えると、第1サポートリブ111f及び第1カバーリブ112hと、第2サポートリブ111g及び第2カバーリブ112iと、によって、空間11xが塞がれる。第1サポートリブ111f及び第1カバーリブ112hと、第2サポートリブ111g及び第2カバーリブ112iとは、入口溝111cbよりも上方で空間11xを塞ぐ。
さらに、固定されたカバー部材112とフロントサポート111との間に、第2ブリーザ室196が形成される。第2ブリーザ室196は、フロントサポート111(カバー部材112)の軸方向において、カバー部材112とフロントサポート111との間に形成される。また、第2ブリーザ室196は、フロントサポート111(カバー部材112)の径方向において、第1サポートリブ111f及び第1カバーリブ112hと、第2サポートリブ111g及び第2カバーリブ112iとの間に形成される。
このように、第2ブリーザ室196は、互いに密着する第1サポートリブ111f及び第1カバーリブ112hと、第2サポートリブ111g及び第2カバーリブ112iとの間で、ケース本体110の内部空間の一部である空間11xと画成される(空間11xから区画される)。
入口溝(入口)111cbは、第1サポート孔111ca(第1サポート孔111caの内周面と第1ボルト191の外周面との間の隙間)及び第3接続溝(分岐口)112ebを介して、第2ブリーザ室196に接続される。このように、入口溝(入口)111cbは、第1ブリーザ室195のみならず、第2ブリーザ室196にも接続(連通)される。
第2ブリーザ室196は、第4接続溝112fb、第2サポート孔111da(第2サポート孔111daの内周面と第2ボルト192の外周面との間の隙間)、及び第2接続溝(合流口)111kaを通じて、第1ブリーザ室195に接続される。このように、第2ブリーザ室196は、空間11xに通じた入口溝(入口)111cbと第1ブリーザ室195に通じた第2接続溝(合流口)111kaとの間に設けられる。第2接続溝111kaは、第3接続溝(分岐口)112ebよりも上方且つブリーザ孔(出口)110gよりも上方で、第1ブリーザ室195に開口する。
第2ブリーザ室196が形成されることで、空間11xの空気は、第1ブリーザ室195のみならず、第2ブリーザ室196を通ってトランスミッションケース11の外に排出されることが可能となる。すなわち、空間11xの空気は、入口溝111cbから第1サポート孔111ca及び第3接続溝112ebを通り、第2ブリーザ室196に流入する。この空気は、第4接続溝112fb及び第2サポート孔111daを通り、第2接続溝(合流口)111kaから第1ブリーザ室195に流入する。最終的に、空気は、第2凹部111k及び第4凹部110eを順に通って、第4凹部110eに設けられたブリーザ孔110gから排出される。
一方、第1及び第2ボルト191,192によってカバー部材112及びフロントサポート111がケース本体110に固定されることで、図6の第3サポートリブ111hの軸方向の端面(第1接触面111iの一部)と、図7の第3カバーリブ112jの軸方向の端面(第3接触面112kの一部)とが密着する。
互いに密着する第3サポートリブ111h及び第3カバーリブ112jによって、第1サポートボス111c及び第1カバーボス112eと、第3サポートボス111e及び第3カバーボス112gとの間の隙間が塞がれる。言い換えると、第3サポートリブ111h及び第3カバーリブ112jによって、空間11xが塞がれる。第3サポートリブ111h及び第3カバーリブ112jは、入口溝111cbよりも、フロントサポート111(カバー部材112)の径方向内側で空間11xを塞ぐ。
上述のように、トランスミッションケース11内に滞留する作動油は、チェーン18によって掻き上げられる。また、自動変速機20の回転要素の回転に伴って、作動油の一部が、壁部111aに形成された開口部111oを介してフロントサポート111とカバー部材112との間の空間11x内に入り込む。これらの作動油が、入口溝111cbよりも上方に向かって飛散する場合がある。
これに対し、第1サポートリブ111f及び第1カバーリブ112hと、第2サポートリブ111g及び第2カバーリブ112iとが、入口溝111cbよりも上方で空間11xを塞ぐ。すなわち、第1サポートリブ111f及び第1カバーリブ112hと、第2サポートリブ111g及び第2カバーリブ112iとが、入口溝111cbよりも上方の空間11xに向かう作動油を遮断する。このため、空間11xの上部から垂れ落ちた作動油が、入口溝111cbを塞ぐ可能性が低減される。
さらに、第3サポートリブ111h及び第3カバーリブ112jは、入口溝111cbよりも、フロントサポート111の径方向内側で空間11xを塞ぐ。すなわち、第3サポートリブ111h及び第3カバーリブ112jは、入口溝111cbに向かう作動油を遮断する。このため、作動油が、入口溝111cbを塞ぐ可能性が低減される。
以上のように、第1及び第3のサポートリブ111f,111hと第1及び第3のカバーリブ112h,112jとが、チェーン18のような回転部材と入口溝111cbとの、自動変速機20の径方向における間であって、入口溝111cbよりも下方から上方に延びる。これにより、チェーン18のような回転部材から飛散した作動油を、第1及び第3のサポートリブ111f,111hと第1及び第3のカバーリブ112h,112jとが遮る。従って、入口溝111cbに作動油が飛散することを低減が低減され、第1及び第2ブリーザ室195,196への作動油の流入が低減される。
一方、空間11x内の圧力が高くなると、空間11x内の空気が、第3サポートリブ111h及び第3カバーリブ112jを回りこんで入口溝111cbに流入する。当該空気には、作動油が混じっていることがある。
空気は、入口溝(入口)111cbから、第1サポート孔111ca及び第1接続溝111jaを通って、第1ブリーザ室195に流入する。空気は、ブリーザ孔(出口)110gに向かう途中で、図8の矢印に示すように、第3凹部110d、第1凹部111j、及び第4凹部110eを順に通過する。言い換えると、空気は、第1ブリーザ室195のフロントサポート111側の部分とケース本体110側の部分との間を往復するように蛇行する。
第1ブリーザ室195において空気が蛇行することで、ラビリンス効果により、空気に含まれる作動油が空気から分離される。分離された空気は、ブリーザ孔(出口)110gから、ケース本体110の外に放出される。一方、分離された作動油は、例えば重力により、第1接続溝111ja及び第1サポート孔111caを通って、入口溝111cbから空間11xに戻される。
入口溝(入口)111cbに流入した空気の一部は、第1サポート孔111ca及び第3接続溝112ebを通って、第2ブリーザ室196にも流入する。第2ブリーザ室196の容積は、第1ブリーザ室195の容積よりも小さい。このため、第2ブリーザ室196における空気の流量は、第1ブリーザ室195における空気の流量よりも少ない。
空気が比較的狭い第2ブリーザ室196の内面に触れることで、空気に含まれる作動油が空気から分離される。分離された空気は、第4接続溝112fb及び第2サポート孔111daを通って、第2接続溝111kaから第1ブリーザ室195に流入する。当該空気は、ブリーザ孔(出口)110gから、ケース本体110の外に放出される。一方、分離された作動油は、例えば重力により、第3接続溝112eb及び第1サポート孔111caを通って、入口溝111cbから空間11xに戻される。
以上のように、空間11xの空気は、第1ブリーザ室195と第2ブリーザ室196とを通り、ケース本体110の外部へ放出されることが可能である。一方、空間11xの圧力が低下した場合も同様に、ケース本体110の外部の空気が、第1ブリーザ室195と第2ブリーザ室196とを通り、空間11xに流入することが可能である。
上記実施形態に係る動力伝達装置10において、第1及び第3のサポートリブ111f,111hと第1及び第3のカバーリブ112h,112jとが、チェーン18のような回転部材と入口溝(入口)111cbとの、自動変速機20の径方向における間であって、入口溝111cbよりも下方から上方に延びる。これにより、第1及び第2サポートリブ111f,111gと第1及び第2カバーリブ112h,112iとは、空間11x内の作動油が、入口溝(入口)111cbよりも上方の空間11xに入る可能性を低減する。従って、入口溝(入口)111cbよりも上方の空間11xから重力によって垂れ落ちた作動油が入口溝(入口)111cbから第1ブリーザ室195に流入する可能性が低減される。さらに、第3のサポートリブ111hと第3のカバーリブ112jとが、飛散した作動油を遮り、当該作動油が入口溝111cbに飛散することを低減する。従って、入口溝111cbに作動油が飛散することが低減され、第1及び第2ブリーザ室195,196への作動油の流入が低減される。
第1及び第2サポートリブ111f,111gと第1及び第2カバーリブ112h,112iとの間に、入口溝(入口)111cbに連通する第3接続溝112ebと、第1ブリーザ室195に開口する第2接続溝111kaと、を有する第2ブリーザ室196が画成される。このように、第1及び第2サポートリブ111f,111gと第1及び第2カバーリブ112h,112iとは、作動油を遮るとともに、第2ブリーザ室196を画成する。第2ブリーザ室196が設けられることで、第1ブリーザ室195の一部が、例えば作動油や、ブリーザ孔110gを通じて外部から侵入する埃及び水等によって詰まったとしても、第2ブリーザ室196を通じて空間11xの圧力がブリーザ孔110gから外部に逃がされる。従って、第1ブリーザ室195及び第2ブリーザ室196の両方が塞がれる可能性が低減され、空間11xの内圧が高まる可能性が低減される。
第2接続溝111kaは、ブリーザ孔110gよりも上方で開口する。これにより、ブリーザ孔110gから第1ブリーザ室195に侵入した、例えば作動油、埃、及び水等が、第2ブリーザ室196に侵入する可能性が低減される。従って、第2ブリーザ室196が塞がれる可能性が低減される。
第1ブリーザ室195の入口は、第1ボルト191が挿通される第1サポート孔111caが設けられた第1サポートボス111cの入口溝111cbによって形成される。第3サポートリブ111h及び第3カバーリブ112jは、第1サポートボス111cに接続された第1及び第2上端部111ha,112jaと、第1及び第2上端部111ha,112jaよりも下方に位置する第1及び第2下端部111hb,112jbとを有し、入口溝(入口)111cbよりもカバー部材112の径方向内側に位置する。これにより、第3サポートリブ111h及び第3カバーリブ112jが空間11x内の作動油が入口溝(入口)111cbに入る可能性を低減し、第1ブリーザ室195が塞がれる可能性が低減される。
本実施形態の動力伝達装置は変速機と、前記変速機を収容したケースと、前記ケースの開口部を覆い、前記変速機が収容される前記ケースの内部空間と前記ケースの外部とを区画する第1壁部を有するカバー部材と、前記ケースに収容され、前記カバー部材と前記変速機との間に位置する第2壁部を有する支持部材と、を備える。前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方によって形成されて前記内部空間に開口する入口と、前記ケースに設けられて前記ケースの外部に開口する出口と、の間に設けられた第1ブリーザ室が、前記ケースと前記支持部材との間に形成される。前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方に、前記変速機の回転部材と前記入口との径方向における間であって、前記入口よりも下方から上方に延びるリブが設けられる。これにより、変速機の回転部材から飛散した作動油をリブによって遮ることができる。その結果、第1ブリーザ室の入口に作動油が飛散することを低減することができ、ブリーザ室への作動油の流入を低減できる。
また、本実施形態の動力伝達装置において、前記リブは、前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方に設けられて前記入口よりも上方において上方リブを備え、前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方に設けられて前記入口よりも上方において前記上方リブと並行して延びる並行リブと前記上方リブとの間に前記内部空間と画成された第2ブリーザ室を形成し、前記第2ブリーザ室は、前記入口に連通する分岐口と、前記分岐口よりも上方で前記第1ブリーザ室に開口する合流口を備えると好適である。この構成によれば、リブは、作動油を遮るとともに、第2ブリーザ室を形成する。第2ブリーザ室が設けられることで、第1ブリーザ室の一部が、例えば油、埃、及び水等によって詰まったとしても、第2ブリーザ室を通じて空間の圧力が出口から外部に逃がされる。従って、第1ブリーザ室及び第2ブリーザ室の両方が塞がれる可能性が低減され、空間の内圧が高まる可能性が低減される。
また、本実施形態の動力伝達装置において、前記合流口は、前記出口よりも上方で開口すると好適である。この構成によれば、出口から第1ブリーザ室に侵入した、例えば油、埃、及び水等が、第2ブリーザ室に侵入する可能性が低減される。従って、第2ブリーザ室が塞がれる可能性が低減される。
また、本実施形態の動力伝達装置は、前記カバー部材と前記支持部材との間に、駆動源によって駆動される駆動軸に連結されるドライブスプロケットと、前記変速機に作動油を供給するオイルポンプと、前記ドライブスプロケットにチェーンを介して駆動連結され、前記オイルポンプを駆動するドリブンスプロケットと、を備えると好適である。この構成によれば、ドライブスプロケット、チェーン、及びドリブンスプロケットのような回転部材から飛散した作動油をリブによって遮ることができる。その結果、第1ブリーザ室の入口に作動油が飛散することを低減することができ、ブリーザ室への作動油の流入を低減できる。
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであっても良い。
10…動力伝達装置、11x…空間、12…発進装置、14…トルクコンバータ、20…自動変速機、110…ケース本体、110g…ブリーザ孔、110o…開口部、111…フロントサポート、111a…壁部、111c…第1サポートボス、111ca…第1サポート孔、111cb…入口溝、111f…第1サポートリブ、111g…第2サポートリブ、111h…第3サポートリブ、111ha…第1上端部、111hb…第1下端部、112…カバー部材、112a…環状壁部、112h…第1カバーリブ、112i…第2カバーリブ、112j…第3カバーリブ、112ja…第2上端部、112jb…第2下端部、191…第1ボルト、195…第1ブリーザ室、196…第2ブリーザ室。

Claims (4)

  1. 変速機と、
    前記変速機を収容したケースと、
    前記ケースの開口部を覆い、前記変速機が収容される前記ケースの内部空間と前記ケースの外部とを区画する第1壁部を有するカバー部材と、
    前記ケースに収容され、前記カバー部材と前記変速機との間に位置する第2壁部を有する支持部材と、
    を具備し、
    前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方によって形成されて前記内部空間に開口する入口と、前記ケースに設けられて前記ケースの外部に開口する出口と、の間に設けられた第1ブリーザ室が、前記ケースと前記支持部材との間に形成され、
    前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方に、前記変速機の回転部材と前記入口との径方向における間であって、前記入口よりも下方から上方に延びるリブが設けられた、
    動力伝達装置。
  2. 前記リブは、前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方に設けられて前記入口よりも上方において上方リブを備え、前記カバー部材と前記支持部材との少なくとも一方に設けられて前記入口よりも上方において前記上方リブと並行して延びる並行リブと前記上方リブとの間に前記内部空間と画成された第2ブリーザ室を形成し、
    前記第2ブリーザ室は、前記入口に連通する分岐口と、前記分岐口よりも上方で前記第1ブリーザ室に開口する合流口を備える、
    請求項1の動力伝達装置。
  3. 前記合流口は、前記出口よりも上方で開口する、請求項2の動力伝達装置。
  4. 前記カバー部材と前記支持部材との間に、駆動源によって駆動される駆動軸に連結されるドライブスプロケットと、前記変速機に作動油を供給するオイルポンプと、前記ドライブスプロケットにチェーンを介して駆動連結され、前記オイルポンプを駆動するドリブンスプロケットと、を備える、
    請求項1乃至請求項3のいずれか一つの動力伝達装置。
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