JP2015197151A - 自動変速機の潤滑装置 - Google Patents

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Takuya Nakajima
卓也 中島
直也 神内
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直也 神内
正典 村上
Masanori Murakami
正典 村上
幹雄 岩瀬
Mikio Iwase
幹雄 岩瀬
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Abstract

【課題】レシーバで集めた潤滑油を複数の潤滑箇所に分配して、コンパクトな構成で効率よく潤滑する。【解決手段】開口部102a及び庇部102bを有する環状の潤滑油分配部材(レシーバ)100を回転部材75に装着する。空間Bに供給された油は、開口部102aからキャリヤ側板52の油溜り61に放出され、第1の潤滑箇所63に供給されると共に、庇部102bの先端からハブ75の油溜り105に放出され、第2の潤滑箇所76a,76bに供給される。更に、空間Bの油の一部は、レシーバ背面の凹溝101aから第3の潤滑箇所66に供給される。【選択図】図6

Description

本開示技術は、複数の潤滑箇所を有する自動変速機の潤滑装置に係り、キャリヤの潤滑を含む潤滑装置に用いて好適な自動変速機の潤滑装置に関する。
従来、キャリヤを有する自動変速機の潤滑装置として、キャリヤに臨んで配置されたリングギヤ支持フランジに、放射状に多数のフィンを有する潤滑油供給部材を固定し、またキャリヤの側板に案内板と蓋板とで構成される油溜めを設けたものが提案されている(特許文献1)。このものは、リングギヤ支持フランジの回転により、上記潤滑油供給部材が、ケース下部の油溜りの油を掻上げて遠心力にて飛散し、該飛散した油を上記油溜めに集めてピニオンシャフトに形成された油路を通ってピニオンを支持するニードルベアリングに供給する。
特開平8−270766号公報
上記キャリヤを有する自動変速機の潤滑装置は、潤滑油供給部材の回転により飛散された潤滑油は、略全量油溜めに集められて、各ピニオンシャフトからニードルベアリングに供給される。近時、自動変速機にあっては、多段化等のため、限られた搭載スペースにプラネタリギヤ、各摩擦係合要素を密集して配置することが求められ、上記潤滑装置は、キャリヤのピニオン専用となり、他の潤滑箇所への潤滑油の供給が面倒になっている。例えば、キャリヤがショートピニオン及びロングピニオンを有するラビニヨ型からなり、ショートピニオンのピニオンシャフトは、鋳造等からなるキャリヤ本体に形成した油路から潤滑油を供給することが可能となる場合等、上記油溜めからの潤滑油は、ロングピニオンに供給すれば足り、ピニオン専用とすると、潤滑油に余裕がでることが考えられる。
そこで、集めた潤滑油を複数の潤滑箇所に分配して、各潤滑箇所にコンパクトな構成で効率よく潤滑油を供給し、もって上述した課題を解決した自動変速機の潤滑装置を提供することを目的とするものである。
本開示に係る自動変速機の潤滑装置は、
内径側に向けて開放する環状の凹部からなり、第1の潤滑箇所(63)に潤滑油を導く油路(62a〜62d)に連通する第1の油溜り(61)と、
内径側に向けて開放する環状の凹部からなり、第2の潤滑箇所(C2,76a,76b)に潤滑油を導く油路(106)に連通する第2の油溜り(105)と、
前記第1の油溜り(61)及び前記第2の油溜り(105)の内径側に配置され、回転部材(75)に一体に回転するように設けられた環状の潤滑油分配部材(100)と、を備え、
前記潤滑油分配部材(100)は、径方向に延びるフランジ部(101)と、該フランジ部の外縁部から軸線方向に延びる複数の庇部(102b)と、前記潤滑油分配部材の周方向における庇部の間に設けられた開口部(102a)と、を有し、内径側から供給される潤滑油を受け、該潤滑油を、前記開口部(102a)から前記第1の油溜り(61)に向けて放出すると共に、前記庇部の先端から前記第2の油溜り(105)に向けて放出する、ことを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
回転部材と一体に回転する潤滑油分配部材は、内径側からの潤滑油を受けて、遠心力により該潤滑油を、開口部から第1の油溜りに向けて放出すると共に庇部の先端から第2の油溜りに向けて放出し、これら分配された第1の油溜りの潤滑油を第1の潤滑箇所に導き、かつ第2の油溜りの潤滑油を第2の潤滑箇所に導き、これによりコンパクトな構成により複数の潤滑箇所を効率的に潤滑することができる。
実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 実施の形態に係る自動変速機の係合表。 実施の形態に係る自動変速機の要部の断面図。 実施の形態に係る潤滑油分配部材(レシーバ)を示す斜視図であり、(a)と(b)とはみる方向が異なる図である。 実施の形態に係るレシーバと連通孔の関係を示す正面図であり、(a)(b)は、レシーバと連通孔の位相の異なる状態を示す。 実施の形態に係る潤滑油の供給を示す自動変速機の要部の拡大断面図。
以下、本発明に係る実施の形態を、図面に沿って説明する。
まず、本実施の形態の自動変速機1の概略構成について、図1及び図2に沿って説明する。本自動変速機1は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトあるいは電気モータのロータに接続されると共に、エンジン等からの動力を図示しない左右の後輪に伝達可能としている。自動変速機1は、発進装置2と、オイルポンプ3と、エンジン等から入力軸40に伝達された動力を変速して出力軸41に伝達する変速機構4と、これらを収容するトランスミッションケース5とを備えている。
発進装置2は、トルクコンバータ27と、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバーと変速機構4の入力軸40とを接続及び切断可能なロックアップクラッチ21と、フロントカバーと変速機構4の入力軸40との間で振動を減衰するダンパ機構22とを備えている。トルクコンバータ27は、フロントカバーに連結される入力側のポンプインペラ23と、変速機構4の入力軸40に連結される出力側のタービンランナ24と、ポンプインペラ23及びタービンランナ24の内側に配置されてタービンランナ24からポンプインペラ23への作動油の流れを整流するステータ25と、図示しないステータシャフトにより支持されると共にステータ25の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ26とを備えている。尚、発進装置2は、ステータ25を有さない流体継手であってもよい。
変速機構4は、10段変速式の変速機として構成されており、入力軸40と、図示しないデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸41と、入力軸40及び出力軸41の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1プラネタリギヤ42及び第2プラネタリギヤ43と、ダブルピニオン式プラネタリギヤとシングルピニオン式プラネタリギヤとを組み合わせて構成されるラビニヨ式遊星歯車機構であるプラネタリギヤセット44とを備えている。また、変速機構4は、入力軸40から出力軸41までの動力伝達経路を変更するための6つの係合要素として、第1クラッチC1と、第2クラッチC2(第2の係合要素)と、第3クラッチC3と、第4クラッチC4と、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2とを備えている。
本実施の形態では、第1及び第2プラネタリギヤ42,43、並びにプラネタリギヤセット44は、発進装置2即ちエンジン側(図1における左側)から、プラネタリギヤセット44、第2プラネタリギヤ43、第1プラネタリギヤ42という順番で並ぶようにトランスミッションケース5内に配置されている。これにより、プラネタリギヤセット44は、発進装置2に近接するように車両の前部側に配置され、第1プラネタリギヤ42は、出力軸41に近接するように車両の後部側に配置され、第2プラネタリギヤ43は、プラネタリギヤセット44と第1プラネタリギヤ42との間に配置されている。
第1プラネタリギヤ42は、外歯歯車である第1サンギヤ42sと、第1サンギヤ42sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ42rと、それぞれ第1サンギヤ42s及び第1リングギヤ42rに噛合する複数の第1ピニオン42pと、複数の第1ピニオン42pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第1キャリヤ42cとを備えている。
第1プラネタリギヤ42の第1キャリヤ42cは、入力軸40に連結された変速機構4の中間軸47に常時連結(固定)されている。これにより、エンジン等から入力軸40に動力が伝達されている際、第1キャリヤ42cには、エンジン等からの動力が入力軸40及び中間軸47を介して常時伝達されることになる。第1キャリヤ42cは、第4クラッチC4の係合時に第1プラネタリギヤ42の入力要素として機能し、第4クラッチC4の解放時には空転する。また、第1リングギヤ42rは、第4クラッチC4の係合時に当該第1プラネタリギヤ42の出力要素として機能する。
第2プラネタリギヤ43は、外歯歯車である第2サンギヤ43sと、第2サンギヤ43sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ43rと、それぞれ第2サンギヤ43s及び第2リングギヤ43rに噛合する複数の第2ピニオン43pと、複数の第2ピニオン43pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第2キャリヤ(プラネタリキャリヤ)43cとを備えている。
第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sは、第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42sと一体化(常時連結)されており、該第1サンギヤ42sと常時一体(かつ同軸)に回転または停止するようになっている。但し、第1サンギヤ42sと第2サンギヤ43sとは、別体に構成されると共に図示しない連結部材を介して常時連結されてもよい。また、第2プラネタリギヤ43の第2キャリヤ43cは、出力軸41に常時連結されており、当該出力軸41と常時一体(かつ同軸)に回転または停止するようになっている。これにより、第2キャリヤ43cは、第2プラネタリギヤ43の出力要素として機能する。更に、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rは、該第2プラネタリギヤ43の固定可能要素として機能する。
プラネタリギヤセット44は、ダブルピニオン式プラネタリギヤである第3プラネタリギヤ45と、シングルピニオン式プラネタリギヤである第4プラネタリギヤ46とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構(ラビニヨ型プラネタリギヤ)である。
プラネタリギヤセット44は、外歯歯車である第3サンギヤ45s及び第4サンギヤ46sと、第3及び第4サンギヤ45s,46sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ45rと、第3サンギヤ45sに噛合する複数の第3ピニオン(ショートピニオン)45pと、第4サンギヤ46s及び複数の第3ピニオン45pに噛合すると共に第3リングギヤ45rに噛合する複数の第4ピニオン(ロングピニオン)46pと、複数の第3ピニオン45p及び複数の第4ピニオン46pを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持する第3キャリヤ45cとを備えている。
また、プラネタリギヤセット44を構成する回転要素のうち、第4サンギヤ46sは、プラネタリギヤセット44の固定可能要素として機能する。更に、第3キャリヤ45cは、入力軸40に常時連結(固定)されると共に、中間軸47を介して第1プラネタリギヤ42の第1キャリヤ42cに常時連結される。これにより、エンジン等から入力軸40に動力が伝達されている際、第3キャリヤ45cには、エンジン等からの動力が入力軸40を介して常時伝達されることになる。従って、第3キャリヤ45cは、プラネタリギヤセット44の入力要素として機能する。また、第3リングギヤ45rは、当該プラネタリギヤセット44の第1の出力要素として機能し、第3サンギヤ45sは、当該プラネタリギヤセット44の第2の出力要素として機能する。
第1クラッチC1は、常時連結された第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42s及び第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sとプラネタリギヤセット44の第3リングギヤ45rとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第2クラッチC2は、常時連結された第1プラネタリギヤ42の第1サンギヤ42s及び第2プラネタリギヤ43の第2サンギヤ43sとプラネタリギヤセット44の第3サンギヤ45sとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第3クラッチC3は、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rとプラネタリギヤセット44の第3リングギヤ45rとを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。第4クラッチC4は、第1プラネタリギヤ42の第1リングギヤ42rと出力軸41とを互いに接続すると共に、両者の接続を解除するものである。
第1ブレーキB1は、プラネタリギヤセット44の第4サンギヤ46sをトランスミッションケース5に対して回転不能に固定(接続)すると共に、該第4サンギヤ46sをトランスミッションケース5に対して回転自在に解放するものである。第2ブレーキB2は、第2プラネタリギヤ43の第2リングギヤ43rをトランスミッションケース5に対して回転不能に固定(接続)すると共に、当該第2リングギヤ43rをトランスミッションケース5に対して回転自在に解放するものである。
本実施の形態では、第1クラッチC1〜第4クラッチC4として、ピストン、複数の摩擦係合板、それぞれ作動油が供給される係合油室及び遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチが採用されている。また、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2としては、ピストン、複数の摩擦係合板、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用されている。
そして、自動変速機1は、第1クラッチC1を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第2クラッチC2を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第3クラッチC3を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第4クラッチC4を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第1ブレーキB1を係脱し得る不図示の油圧サーボ、第2ブレーキB2を係脱し得る油圧サーボを備えている。そして、第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2の各油圧サーボは、油圧制御装置による作動油の給排を受けて動作するようになっている。
ここで、本実施の形態では、第2ブレーキB2の油圧サーボは、2つの係合油室としての第1の係合油室(インナーチャンバ)(B2in)及び第2の係合油室(アウターチャンバ)(B2out)を有するダブルチャンバ型としている。インナーチャンバ(B2in)及びアウターチャンバ(B2out)の使い分けは、例えば、中速段のように第2ブレーキB2に大きな係合圧が必要でない場合はインナーチャンバ(B2in)のみに油圧を供給し、低速段のように第2ブレーキB2に大きな係合圧が必要になる場合はインナーチャンバ(B2in)及びアウターチャンバ(B2out)の両方に油圧を供給するようにしている(図2参照)。
図2は、変速機構4の各変速段と第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2の作動状態との関係を示す係合表である。図2中、B2inは、油圧サーボのインナーチャンバに係合圧を供給したことに基づく第2ブレーキB2の係合状態を示し、B2outは、油圧サーボのアウターチャンバにライン圧PLを供給したことに基づく第2ブレーキB2の係合状態を示す。
以上のように構成された自動変速機1では、図1のスケルトン図に示す各第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2が、図2の係合表に示す組み合わせで係脱されることにより、前進1速段(1st)〜前進10速段(10th)、及び後進1速段(Rev)が達成される。
図3は、本実施の形態に係る自動変速機の要部の断面図、具体的にはプラネタリギヤセット44部分の断面図である。該プラネタリギヤセット44は、ショートピニオン45p及びロングピニオン46pを有するラビニヨ型キャリヤ45cを備えており、該キャリヤ45cは、鋳造により成形されたキャリヤ本体(第1の側板)51と、該キャリヤ本体の後端面に一体に取付けられたキャリヤカバー(第2の側板、一方の側板)52とからなる。上記キャリヤ本体51及びキャリヤカバー52には、それぞれ4個のショートピニオン45pのシャフト53及びロングピニオン46pのシャフト55が支持されている。鋳造からなるキャリヤ本体51は、その前端側が凹凸形状になっており、凹部51aが肉厚となってショートピニオンシャフト53の一端を支持している。凸部51bにはロングピニオンシャフト55が支持されており、また中央部分51cは、貫通孔を有する筒形状からなる。
上記凹部51aの内周面には、径方向に所定長さの凹溝56が4個のショートピニオンシャフト53に対応して形成されており、また該シャフト53の支持部分には盲孔からなる油溜り57が形成され、かつ上記各凹溝56と油溜り57とはそれぞれ連通している。上記ショートピニオンシャフト53には、上記油溜り57側から軸方向に油路58aが形成されており、該油路58aからシャフト周面に向いて油路58bが形成されている。該シャフト53にはショートピニオン45pがニードルベアリング54を介して回転自在に支持されており、上記油路58bは上記ニードルベアリング54に向けて開口している。
上記キャリヤカバー52には、前記各ロングピニオンシャフト55及びショートピニオンシャフト53がロックピン59,60により抜止め、回転止めされて支持されている。該キャリヤカバー52の内周側には後方に向けて拡がる鍔部52aが形成されており、該鍔部52aの内周面及びピニオン側の側面により、内径側に向けて開放する環状の凹部からなる(第1の)油溜り61が形成されている。該油溜りの外径側底面には油路62aが形成されている。前記ロングピニオンシャフト55には軸方向に油路62bが形成され、かつ該油路62bと上記油路62aとを連通する油路62c及び上記軸方向油路62bがシャフト周面に連通する複数の油路62d,62dが形成されており、上記軸方向油路62bの先端はプラグ64により閉塞されている。上記シャフト55には複数のニードルベアリング63,63を介してロングピニオン46pが回転自在に支持されており、上記複数の油路62d,62dは、それぞれ上記ニードルベアリング(回転支持部材)(第1の潤滑箇所)63,63に向けて開口している。
前記ロングピニオン46pの端面と前記キャリヤ本体51及びキャリヤカバー52との間にそれぞれスラストワッシャ(スラスト部材)65,66が介在しており、また前記ショートピニオン45pとキャリヤカバー52との間にスラストワッシャ(第3の潤滑箇所)67が介在している。一体のキャリヤ本体51及びキャリヤカバー52からなるキャリヤ45cは、そのキャリヤ本体51の円筒中心部分51cが入力軸40に嵌合して一体に支持されている。前記ミッションケース5の前方部分には隔壁5aが一体に固定されており、かつ該隔壁5aにボス部5bが一体に固定されている。前記入力軸40は、ミッションケース5と一体のボス部5bにスリーブ軸69を介して回転自在に支持されており、該ボス部5bには第1ブレーキB1及びその油圧サーボ70が配置されている。該第1ブレーキB1のハブ71は、上記ボス部5bに回転自在に支持されていると共に、第4サンギヤ46sがスプライン係合している。該第4サンギヤ46sは、前記ロングピニオン46pと噛合しており、かつキャリヤ45cの円筒中心部分51cにスラストベアリング72を介して位置決めされている。
円筒中心部分51cの後方において、上記入力軸40に回転自在にかつスラストベアリング74を介して軸方向に位置決めされて第3サンギヤ45sが支持されている。該第3サンギヤ45sは、前記ロングピニオン46pに噛合する前記ショートピニオン45pに噛合しており、かつそのボス部73が後方に延びている。該ボス部73の中間には外径方向に突出するフランジ73aが一体に形成されており、該フランジ73aの外周部に第2クラッチC2のハブ75がセレーション(又はスプライン)結合されている。第2クラッチC2は、多数の内摩擦板76a及び外摩擦板76bを有し、内摩擦板76aが上記ハブ75の外周面にスプライン係合している。外摩擦板76bがその内周面にスプライン係合しているクラッチドラム77は、上記ボス部73の後側にて入力軸40に回転自在に支持されている。
上記ボス部73には第2クラッチC2用のピストン79及びシリンダ80が油密状にかつ軸方向に並んで支持されている。シリンダ80は、上記ボス部73にスナップリング68及び上記クラッチドラム77との間のスラストベアリング78及び間座84により軸方向、特に後方移動に対して位置決めされて配置されている。上記ピストン79の内径側及びシリンダ80との間が第2クラッチC2用の油圧サーボ81の油室を構成し、ピストン79とハブ75との間が上記油室のキャンセル油室82を構成すると共に戻しスプリング83が縮設されている。上記クラッチハブ75は、そのボス部75bの内周面に環状の突起75aが形成されており、該突起75aが前記フランジ73aの後端面に当接して、前方への移動が規制されている。
前記クラッチドラム77の外径側には、該クラッチドラム77を折返すようにして溶接されて第1クラッチC1用のハブ85が配置されている。第1クラッチC1は、多数の内摩擦板86a及び外摩擦板86bを有しており、内摩擦板86aが上記ハブ85の外周面にスプライン係合している。上記外摩擦板86bが内周面にスプライン係合するクラッチドラム87は、一方が前方に延びて第3リングギヤ45rとスプライン係合し、他方が前記第2クラッチのクラッチドラム77のボス部77aに被嵌している。該クラッチドラム87の内径側はシリンダとなってピストン89を油密状に嵌合して、油圧サーボ90の油室を構成している。該ピストン89の前方側にはキャンセルプレート91が油密状に嵌合しており、該キャンセルプレート91とピストン89との間がキャンセル油室92となると共に戻しスプリング93が隣接されている。
そして、前記第3リングギヤ45rと第2クラッチC2のハブ75との間に潤滑油分配部材(レシーバ)100が配置されている。該ハブ75のセレーションボス75bの外周面が2面取り部75cとなっており、上記レシーバ100は、該2面取り面に回転不能に嵌合している。該レシーバ100は、図4(a)(b)及び図5(a)(b)に示すように、断面L字状の環状部材からなり、その軸線に対して垂直なフランジ部101と、軸線に平行な鍔部102とを有する。フランジ部101の鍔部102と反対側である背面には、所定間隔(120°)毎に半径方向に延びる凹溝101aが形成されている。上記鍔部102は、所定間隔(120°)毎に切欠れた開口部102aが形成されている。
上記レシーバ100は、薄肉部100aと肉厚部100bとが交互に形成されており、肉厚部(仕切り部)100bにより周方向により区画された、薄肉部100aからなる複数(6個)の部屋A…を有する。これらの部屋は、1個おきに上記開口部102aに対応して、油を開口部102aから径方向に導く第1の部屋A1を構成し、他の部分は鍔部102による庇部102bに対応して、油を庇部102bの先端から放出する第2の部屋A2を構成する。180°にて対面する2個の部屋A2,A1には、対向するようにして内側が平面となる突起103a,103aが形成されており、該突起103aが前記第2クラッチC2用ハブ75のボス部75bの2面取り75cに嵌合する。該レシーバ100は、図3及び図6に示すように、その肉厚部100bが上記ハブのボス75bに嵌合すると共に上記2面取り75cへの突起103aの嵌合により回り止めされ、かつそのフランジ部101が第3サンギヤ45sの断面Sに対面して、軸方向に位置決めされて装着される。
該装着された状態において、上記レシーバ(潤滑油分配部材)100の庇部102bの先端は、前記油溜り61の鍔部52aの先端位置と軸方向に略々同じ位置にあり、上記第2の部屋A2からの油は、遠心力により庇部102bの先端から前記第2クラッチハブ75に形成された(第2の)油溜り105に導かれ、レシーバ100の上記第2の部屋A2の油は、遠心力により開口部102aからキャリヤカバー52の(第1の)油溜り61に導かれ、また軸芯側から飛散される油の一部は、フランジ部101の凹溝101aからスラストワッシャ66,67に導かれる。
上記ハブ75の油溜り105は、該ハブ75後端で内径側に延びる環状の突部75d及びボス75bに延びるフランジ部により形成される、内径側に向けて開放する環状の凹みからなり、ハブ75には、該油溜り105の底部から、ハブ外周面のスプライン部(第2の潤滑箇所)における軸方向に異なる位置に向けて延びる複数の油孔106…が設けられている。第2クラッチC2用ドラム77の外周スプライン部には複数の油孔107…が貫通して形成されており、またそれに折り畳むように重なる第1クラッチC1用のハブ85にも複数の油孔109が貫通して形成されている。
前記第3サンギヤ45sのボス部73に形成されたフランジ73aには複数個(4個)の連通孔110が等間隔(90°)毎に軸方向に貫通して形成されている。該連通孔110は、第2クラッチC2のキャンセル油室82と、第3サンギヤ45sの側面とフランジ73aとの間の空間Bとを連通し、該空間Bの外径側は、上記レシーバ100が天井のように覆って、前記部屋A1…,A2…が形成されている。各部屋と上記連通孔110とは、図5(a)(b)に示すように、第2クラッチC2用ハブ75と第3サンギヤ45sのボスフランジ73aとをどのような位相でセレーション結合しても、連通孔110から第1の部屋A1と第2の部屋A2に振分けて油が供給されるように設定されている。
即ち、連通孔110が4個で、第1の部屋A1と第2の部屋A2とが交互に合計で6個の場合、図5(a)のような位相でボスフランジ73aとクラッチハブ75とを結合すると、連通孔110から油は、略々全量第2の部屋A2に供給され、連通孔110からの油は、第1の部屋A1と第2の部屋A2に略々半量ずつ供給され、連通孔110からの油は、第1の部屋A1に略々全量供給され、連通孔110からの油は、第2の部屋A2と第1の部屋A1に略々半量ずつ供給される。これにより、各連通孔110からの油は合計で第1の部屋A1と第2の部屋A2とへ約半量ずつ振分けて供給される。図5(b)のように、45度位相をずらしてボスフランジ73aとクラッチハブ75とを結合した場合、連通孔110からの油は、第1の部屋A1に約2/3、第2の部屋A2に約1/3ずつ供給され、連通孔110からの油は、第2の部屋A2に約2/3、第1の部屋A1に約1/3ずつ供給され、連通孔110からの油は、第1の部屋A1に約1/3、第2の部屋A2に約2/3ずつ供給され、連通孔110からの油は、第1の部屋A1に約2/3、第2の部屋A2に約1/3ずつ供給される。これにより、各連通孔110からの油は、合計で第1の部屋A1と第2の部屋A2とへ約半量ずつ振分けて供給される。なお、連通孔110から各部屋A1,A2への位相による振分け供給は、上述した連通孔4個、部屋6個の関係に限らず、他の組合せでもよいことは勿論である。
ついで、本実施の形態による自動変速機の潤滑装置の作用について説明する。入力軸40の油路からの潤滑油が第3サンギヤボス部73の油路dを介してキャンセル油室82に供給される。リバース、1速、3速、5速、10速において第2クラッチC2が係合し、その他の変速段では第2クラッチC2は解放している。該クラッチC2の係合及び解放は、油圧サーボ81に油を給排することによりピストン79を移動することにより行われる。この際、ピストン79の背面側のキャンセル油室82には油が満たされており、上記油圧サーボの油に作用する遠心油がキャンセルされる。
該キャンセル油室82からオーバフローした油は、連通孔110を通って空間Bに供給される。特に、第2クラッチC2が係合する際、ピストン79の移動によりキャンセル油室82の容積が減少し、多くの油が連通孔110を通って空間Bに供給される。該空間Bの油は、第3サンギヤ45sの回転に基づく遠心力によりレシーバ(潤滑油分配部材)100に導かれる。該レシーバ100の第1の部屋A1に導かれた油は、開口部102aから外径方向に飛散してキャリヤカバー52の油溜り61に向けて放出され、更に油路62a,62c,62b,62dを介してロングピニオン46pを支持するニードルベアリング63に供給される。
上記レシーバ100の第2の部屋A2に導かれた油は、庇部102bに案内されて軸方向に導かれ、庇部102bの先端から第2クラッチハブ75の油溜り105に向けて放出される。該油溜り105の油は、油孔106を介してハブ75の外周面に導かれ、第2クラッチC2の摩擦板76a,76bに供給される。更に、該油は、摩擦板からクラッチドラム77の油孔107、第1クラッチC1のハブ85の油孔109を介して該第1クラッチC1の摩擦板86a,86bに供給される。特に、第2クラッチC2が解放されている低速段(1速〜6速)にあっては、該解放されている摩擦板76a,76bを通って油孔106からの油が第1クラッチC1の摩擦板86a,86bに供給される。上記第2クラッチC2が係合開始する状態では、摩擦係合要素76a,76bに多くの潤滑油を供給することが望ましいが、この際上述したようにピストン79の移動によりキャンセル油室82の容積が減少して多量の潤滑油が空間Bに供給されるので、上記摩擦係合要素への潤滑油量も増大する。
上記空間Bに供給された油の一部は、レシーバ100のフランジ部101に設けられた凹溝101aを通ってサンギヤ45sの側面Sからロングピニオン46pとキャリヤカバー52との間のスラストワッシャ66,67に供給される。
これにより、空間Bの油は、レシーバ(潤滑油分配部材)100により適正に分配されて、ロングピニオン46pを支持するニードルベアリング(第1の潤滑箇所)63、クラッチC2等の摩擦板(第2の潤滑箇所)及びスラスト部材であるスラストワッシャ(第3の潤滑箇所)66,67に供給される。
本自動変速機1にあっては、10速段においてロングピニオン46pが高速回転して十分な潤滑油を必要とするが、この際第2クラッチC2は係合状態にあって、摩擦板76a,76bが接触して油孔106からの油の排出が不十分となり、ハブ75の油溜り105の油がオーバフローする。該油溜り105の突部75dとキャリヤカバー52の鍔部52aとの間隔が絞られており、上記油溜り105のオーバフローした油は、キャリヤカバー52の油溜り61にも流れ込み、第1の部屋A1からの油と合せてロングピニオン46pに十分な油が供給される。なお、ショートピニオン45pには、凹溝56及び油溜り57による別系統の潤滑油が供給され、該高速回転するショートピニオン45pを十分に潤滑すると共に、上記レシーバ100からの油をショートピニオンに分配する必要がないので、レシーバ100からの油を十分にロングピニオン46rに供給できる。
なお、上記実施の形態は、レシーバ100をクラッチハブボス75bに2面取り部に回転不能に装着したが、これに限らず、嵌着、スプライン、溶接等の他の方法で装着してもよく、またレシーバ100は、必ずしもハブ75に装着しなくとも、第3サンギヤ45s等の隣接して内径側に位置する回転部材であればよい。また、ラビニヨ型のキャリヤ45cを有する自動変速機に適用したが、これに限らず、シンプル又はデュアル型のキャリヤでも同様に適用でき、更に潤滑箇所は、キャリヤピニオンを含むものに限らず、複数の潤滑箇所に分配するものであれば、同様に適用可能である。また、レシーバ(潤滑油分配部材)100のフランジ部101に凹溝101aを設けて、スラストワッシャ67に潤滑油を供給しているが、これはなくともよい。
以上、本開示の内容をまとめて示すと以下の通りである。
(1)内径側に向けて開放する環状の凹部からなり、第1の潤滑箇所(63)に潤滑油を導く油路(62a〜62d)に連通する第1の油溜り(61)と、
内径側に向けて開放する環状の凹部からなり、第2の潤滑箇所(C2,76a,76b)に潤滑油を導く油路(106)に連通する第2の油溜り(105)と、
前記第1の油溜り(61)及び前記第2の油溜り(105)の内径側に配置され、回転部材(75)に一体に回転するように設けられた環状の潤滑油分配部材(レシーバ)(100)と、を備え、
前記潤滑油分配部材(100)は、径方向に延びるフランジ部(101)と、該フランジ部の外縁部から軸線方向に延びる複数の庇部(102b)と、前記潤滑油分配部材の周方向における庇部の間に設けられた開口部(102b)と、を有し、内径側から供給される潤滑油を受け、該潤滑油を、前記開口部(102a)から前記第1の油溜り(61)に向けて放出すると共に、前記庇部の先端から前記第2の油溜り(105)に向けて放出する、ことを特徴とする。
これにより、潤滑油分配部材(レシーバ)(100)は、潤滑油を第1の潤滑箇所と第2の潤滑箇所に分配して供給するので、コンパクトな構成で、複数の潤滑箇所に効率的に潤滑油を供給することができる。
(2)前記フランジ部(101)の前記庇部(102b)と反対側である背面に径方向に延びる凹溝(101a)を形成し、前記内径側から供給される潤滑油を、前記凹溝を通って第3の潤滑箇所(66)に導いてなる。
これにより、潤滑油分配部材(レシーバ)(100)は、凹溝(101a)を通って第3の潤滑箇所(66)にも潤滑油を供給することができる。
(3)前記庇部(102b)の内径側に、前記開口部(102a)と前記庇部(102b)とを区画する仕切り部(100b)を設け、該仕切り部により前記開口部(102a)を有する第1の部屋(A1)と前記庇部(102b)を有する第2の部屋(A2)を構成してなる。
これにより、仕切り部により区画された第1及び第2の部屋の潤滑油は、開口部又は庇部から確実に第1の油溜り、第2の油溜りに導かれて、潤滑油を適正な分配量にて第1の潤滑箇所、第2の潤滑箇所に供給することができる。
(4)前記第1の潤滑箇所が、キャリヤ(45c)に支持されるシャフト(55)にピニオン(46p)を回転自在に支持する回転支持部材(63)であり、
前記第2の潤滑箇所が、ハブ(75)又はドラム(77)に係合して交互に配置される複数の摩擦係合要素(76a,76b)であり、
前記第1の油溜り(61)が、前記キャリヤの一方の側板(52)に形成され、前記第2の油溜り(105)が、前記ハブ(75)に形成されてなる。
これにより、潤滑油分配部材(レシーバ)からの潤滑油は、中心の入力軸等の回転軸から離れて独立に回転するキャリヤ支持部及び摩擦係合要素に供給され、油路構成の困難な潤滑箇所に適正に分配して潤滑油を供給することができる。
(5)前記第3の潤滑箇所は、キャリヤ(45c)に回転自在に支持されるピニオン(46p,45p)と前記キャリヤの一方の側板(52)との間に設けられたスラスト部材(66)である。
これにより、キャリヤの一方の側板と各ピニオンとの間のスラスト部材を確実に潤滑することができる。
(6)前記キャリヤが、互いに噛合するロングピニオン(46p)及びショートピニオン(45p)を有するラビニヨ型プラネタリギヤ(44)を構成するキャリヤ(45c)であり、
前記第1の潤滑箇所が、シャフト(55)に前記ロングピニオン(46p)を回転自在に支持する回転支持部材(63)である。
これにより、ショートピニオンには、上記油溜りを形成するキャリヤ側板(52)と反対側の側板(51)から潤滑油を供給することが可能となり、キャリヤのピニオン支持部への潤滑油量をセーブすることができ、その分他の潤滑箇所への潤滑油を分配して供給することが可能となる。
(7)前記摩擦係合要素(76a,76b)を係合、解放する油圧サーボ(81)のピストンの背面と前記ハブ(75)との間にキャンセル油室(82)を配置し、
前記潤滑油分配部材(100)で外径側を覆われる空間(B)と前記キャンセル油室(82)とを、前記ハブ(75)に形成された連通孔(110)で連通し、
前記キャンセル油室(82)をオーバフローする油を前記連通孔(110)を介して前記空間(B)に供給してなる。
これにより、潤滑油を多く必要とする摩擦係合要素の係合開始時に、キャンセル油室から多くの油が空間に供給されて、効率よく潤滑油を供給することができる。また、例えば上記摩擦係合要素が最高速段で係合するクラッチ(例えば第2クラッチC2)であると、該最高速段で摩擦係合要素が係合状態に保持されて、ハブの油溜りからの潤滑油の排出が制限されて、該油溜りからオーバフローした潤滑油がキャリヤ側の油溜りに流れ込み、高速回転するキャリヤのピニオンに十分な潤滑油を供給することができる。
また、連通孔と潤滑油分配部材(レシーバ)の部屋との個数の関係を適正に設定することにより、ハブをどのような位相で結合しても、キャンセル油室から空間を介して第1及び第2の部屋に分配する潤滑油の量を適正に振分けることができる。
(8)前記潤滑油分配部材(100)が、前記ハブ(75)に一体に回転するように装着されてなる。
これにより、潤滑油分配部材(レシーバ)は、ハブと一体に回転して、集めた潤滑油を遠心力により第1及び第2の油溜りに向けて飛散して放出することができ、また上記潤滑油分配部材の装着を容易に行うことができる。
1 自動変速機
44 ラビニヨ型プラネタリギヤ(プラネタリギヤセット)
45c キャリヤ
45p ショートピニオン
46p ロングピニオン
51 側板(キャリヤ本体)
52 側板(キャリヤカバー)
55 シャフト
61 (第1の)油溜り
62a〜62d 油路
63 第1の潤滑箇所(回転支持部材、ニードルベアリング)
66 第3の潤滑箇所(スラスト部材、スラストワッシャ)
75 (クラッチ)ハブ(回転部材)
76a,76b 第2の潤滑箇所(摩擦係合要素)
77 (クラッチ)ドラム
79 ピストン
80 シリンダ
81 (第2のクラッチ用)油圧サーボ
82 キャンセル油室
100 潤滑油分配部材(レシーバ)
100a 薄肉部
100b 仕切り部(肉厚部)
101 フランジ部
101a 凹溝
102 鍔部
102a 開口部
102b 庇部
105 (第2の)油溜り
106 油路(油孔)
110 連通孔
C2 第2の潤滑箇所(第2クラッチ)
A1 第1の部屋
A2 第2の部屋
B 空間

Claims (8)

  1. 複数の潤滑箇所を有する自動変速機の潤滑装置において、
    内径側に向けて開放する環状の凹部からなり、第1の潤滑箇所に潤滑油を導く油路に連通する第1の油溜りと、
    内径側に向けて開放する環状の凹部からなり、第2の潤滑箇所に潤滑油を導く油路に連通する第2の油溜りと、
    前記第1の油溜り及び前記第2の油溜りの内径側に配置され、回転部材に一体に回転するように設けられた環状の潤滑油分配部材と、を備え、
    前記潤滑油分配部材は、径方向に延びるフランジ部と、該フランジ部の外縁部から軸線方向に延びる複数の庇部と、前記潤滑油分配部材の周方向における庇部の間に設けられた開口部と、を有し、内径側から供給される潤滑油を受け、該潤滑油を、前記開口部から前記第1の油溜りに向けて放出すると共に、前記庇部の先端から前記第2の油溜りに向けて放出する、
    ことを特徴とする自動変速機の潤滑装置。
  2. 前記フランジ部の前記庇部と反対側である背面に径方向に延びる凹溝を形成し、前記内径側から供給される潤滑油を、前記凹溝を通って第3の潤滑箇所に導いてなる、
    請求項1記載の自動変速機の潤滑装置。
  3. 前記庇部の内径側に延び、前記開口部と前記庇部とを区画する仕切り部を設け、該仕切り部により前記開口部を有する第1の部屋と前記庇部を有する第2の部屋を構成してなる、
    請求項1又は2記載の自動変速機の潤滑装置。
  4. 前記第1の潤滑箇所が、キャリヤに支持されるシャフトにピニオンを回転自在に支持する回転支持部材であり、
    前記第2の潤滑箇所が、ハブ又はドラムに係合して交互に配置される複数の摩擦係合要素であり、
    前記第1の油溜りが、前記キャリヤの一方の側板に形成され、
    前記第2の油溜りが、前記ハブに形成されてなる、
    請求項1ないし3のいずれか1項記載の自動変速機の潤滑装置。
  5. 前記第3の潤滑箇所は、キャリヤに回転自在に支持されるピニオンと前記キャリヤの一方の側板との間に設けられたスラスト部材である、
    請求項2に記載の自動変速機の潤滑装置。
  6. 前記キャリヤが、互いに噛合するロングピニオン及びショートピニオンを有するラビニヨ型プラネタリギヤを構成するキャリヤであり、
    前記第1の潤滑箇所が、シャフトに前記ロングピニオンを回転自在に支持する回転支持部材である、
    請求項4記載の自動変速機の潤滑装置。
  7. 前記摩擦係合要素を係合、解放する油圧サーボのピストンの背面と前記ハブとの間にキャンセル油室を配置し、
    前記潤滑油分配部材で外径側を覆われる空間と前記キャンセル油室とを、前記ハブに形成された連通孔で連通し、
    前記キャンセル油室をオーバフローする油を前記連通孔を介して前記空間に供給してなる、
    請求項4又は6記載の自動変速機の潤滑装置。
  8. 前記潤滑油分配部材が、前記ハブに一体に回転するように装着されてなる、
    請求項4、6又は7記載の自動変速機の潤滑装置。
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