JP2015105721A - 多段変速機 - Google Patents

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卓也 中島
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Abstract

【課題】部品点数を低減すると共に軸長が長くなるのを抑制して、第1遊星歯車や第2遊星歯車の潤滑・冷却対象にオイルを供給可能とする。【解決手段】第1,第2キャリヤ21c,22cの第1,第2近接側シャフト支持部210,220は、第1,第2内側連通孔210b,220bを有し、第1,第2ピニオンシャフト21ps,22psは、第1,第2内側連通孔210b,220bに連通する第1,第2シャフト内油路214b,224bを有する。また、第1近接側シャフト支持部210は、内周から第1,第2近接側シャフト支持部210,220の軸方向の隙間を遮蔽するよう突出する突出部210dを有する。供給孔26aからのオイルは、突出部210dや第1,第2内側連通孔210b,220b,第1,第2シャフト内油路214b,224bを介して第1,第2遊星歯車21,22の潤滑・冷却対象に供給される。【選択図】図4

Description

本発明は、多段変速機に関し、詳しくは、第1遊星歯車と第2遊星歯車とが軸方向に近接配置され、車両の原動機から入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機に関する。
従来、この種の多段変速機としては、複数の第1ピニオンギヤに挿通される複数の第1ピニオンシャフトを支持する第1キャリヤを有する第1遊星歯車と複数の第2ピニオンギヤに挿通される複数の第2ピニオンシャフトを支持する第2キャリヤを有する第2遊星歯車とが軸方向に近接配置され、第1遊星歯車における第2遊星歯車側とは反対側に、径方向内側からのオイルを受容して第1ピニオンシャフトのシャフト内油路に導く第1オイルレシーバが配置され、第2遊星歯車における第1遊星歯車側とは反対側に、径方向内側からのオイルを受容して第2ピニオンシャフトのシャフト内油路に導く第2オイルレシーバが配置されるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開2010/0004085号明細書(Fig.2)
上述の多段変速機では、第1ピニオンシャフトや第2ピニオンシャフトのシャフト内油路にオイルを供給するために、オイルレシーバを配置する必要があり、部品点数が多くなると共にオイルレシーバの分だけ軸長が長くなってしまう。
本発明の多段変速機は、部品点数を低減すると共に軸長が長くなるのを抑制して、第1遊星歯車や第2遊星歯車の潤滑・冷却対象にオイルを供給可能とすることを主目的とする。
本発明の多段変速機は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の多段変速機は、
第1遊星歯車と第2遊星歯車とが軸方向に近接配置され、車両の原動機から入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機であって、
前記第1遊星歯車は、複数の第1ピニオンギヤに挿通される複数の第1ピニオンシャフトを支持する第1キャリヤを有し、
前記第2遊星歯車は、複数の第2ピニオンギヤに挿通される複数の第2ピニオンシャフトを支持する第2キャリヤを有し、
前記第2遊星歯車に近い側で前記第1ピニオンシャフトを支持する前記第1キャリヤの第1シャフト支持部は、該第1シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第1連通孔を有し、
前記第1遊星歯車に近い側で前記第2ピニオンシャフトを支持する前記第2キャリヤの第2シャフト支持部は、該第2シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第2連通孔を有し、
前記第1ピニオンシャフトは、前記第1連通孔に連通する第1シャフト内油路を有し、
前記第2ピニオンシャフトは、前記第2連通孔に連通する第2シャフト内油路を有し、
前記第1シャフト支持部と前記第2シャフト支持部とのうち一方のシャフト支持部は、内周から前記第1シャフト支持部と前記第2シャフト支持部との軸方向の隙間を遮蔽するように他方のシャフト支持部側に突出する突出部を有する、
ことを特徴とする。
この本発明の多段変速機では、第2遊星歯車に近い側で第1ピニオンシャフトを支持する第1キャリヤの第1シャフト支持部は、第1シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第1連通孔を有し、第1遊星歯車に近い側で第2ピニオンシャフトを支持する第2キャリヤの第2シャフト支持部は、第2シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第2連通孔を有する。また、第1ピニオンシャフトは、第1連通孔に連通する第1シャフト内油路を有し、第2ピニオンシャフトは、第2連通孔に連通する第2シャフト内油路を有する。さらに、第1シャフト支持部と第2シャフト支持部とのうち一方のシャフト支持部は、内周から第1シャフト支持部と第2シャフト支持部との軸方向の隙間を遮蔽するように他方のシャフト支持部側に突出する突出部を有する。こうした構成では、突出部の径方向内側から突出部に放出(供給)されるオイルは、突出部を介して第1キャリヤ支持部の第1連通孔や第2キャリヤ支持部の第2連通孔に達し、これらを介して第1ピニオンシャフトの第1シャフト内油路や第2ピニオンシャフトの第2シャフト内油路に供給され、第1遊星歯車や第2遊星歯車の潤滑・冷却対象に供給される。したがって、径方向内側から作動油を受容して第1シャフト内油路や第2シャフト内油路に供給するオイルレシーバを第1遊星歯車や第2遊星歯車の軸方向の端部に取り付けるものに比して、部品点数を低減すると共にオイルレシーバの分だけ軸長が長くなるのを抑制して、第1遊星歯車や第2遊星歯車の潤滑・冷却対象にオイルを供給することができる。また、突出部により、第1キャリヤ支持部と第2キャリヤ支持部との隙間にオイルが流れるのを抑制することができる。
本発明の多段変速機を含む動力伝達装置の概略構成図である。 本発明の多段変速機における入力回転速度に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。 本発明の多段変速機における各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を示す作動表である。 本発明の第1,第2遊星歯車21,22周辺の部分断面図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての多段変速機としての自動変速機20を含む動力伝達装置10の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置10は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに接続されると共にエンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置10は、エンジン等から入力軸20iに伝達された動力を変速して出力軸20oに伝達する自動変速機20に加えて、トランスミッションケース(静止部材)11や、発進装置(流体伝動装置)12、オイルポンプ17等を含む。
発進装置12は、上述のような駆動源に連結される入力側のポンプインペラ14pや、自動変速機20の入力軸(入力部材)20iに連結される出力側のタービンランナ14t、ポンプインペラ14pおよびタービンランナ14tの内側に配置されてタービンランナ14tからポンプインペラ14pへの作動油の流れを整流するステータ14s、図示しないステータシャフトにより支持されると共にステータ14sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ14o等を有するトルクコンバータを含む。更に、発進装置12は、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバーと自動変速機20の入力軸20iとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ15と、フロントカバーと自動変速機20の入力軸20iとの間で振動を減衰するダンパ機構16とを有する。なお、発進装置12は、ステータ14sを有さない流体継手を含むものであってもよい。
オイルポンプ17は、ポンプボディとポンプカバーとを含むポンプアッセンブリ、チェーンまたはギヤ列を介して発進装置12のポンプインペラ14pに連結された外歯ギヤ(インナーロータ)、当該外歯ギヤに噛合する内歯ギヤ(アウターロータ)等を有するギヤポンプとして構成される。オイルポンプ17は、エンジン等からの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油(ATF)を吸引して図示しない油圧制御装置に圧送する。
自動変速機20は、10段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸20iに加えて、図示しないデファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸(出力部材)20oや、自動変速機20(入力軸20iや出力軸20o)の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1遊星歯車21および第2遊星歯車22、ダブルピニオン式遊星歯車とシングルピニオン式遊星歯車とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構としてのラビニヨ式遊星歯車機構25とを含む。更に、自動変速機20は、入力軸20iから出力軸20oまでの動力伝達経路を変更するための第1係合要素としてのクラッチC1(第1クラッチ)、第2係合要素としてのクラッチC2(第2クラッチ)、第3係合要素としてのクラッチC3(第3クラッチ)、第4係合要素としてのクラッチC4(第4クラッチ)、第5係合要素としてのブレーキB1(第1ブレーキ)および第6係合要素としてのブレーキB2(第2ブレーキ)を含む。
実施例において、第1および第2遊星歯車21,22並びにラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12すなわちエンジン側(図1における左側)から、ラビニヨ式遊星歯車機構25、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21、すなわち、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成するシングルピニオン式遊星歯車、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成するダブルピニオン式遊星歯車、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21という順番で並ぶようにトランスミッションケース11内に配置される。これにより、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12に近接するように車両の前部側に配置され、第1遊星歯車21は、出力軸20oに近接するように車両の後部側に配置され、第2遊星歯車22は、ラビニヨ式遊星歯車機構25と第1遊星歯車21との間に配置される。
第1遊星歯車21は、外歯歯車である第1サンギヤ21sと、第1サンギヤ21sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ21rと、それぞれ第1サンギヤ21sおよび第1リングギヤ21rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ21pと、複数の第1ピニオンギヤ21pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第1キャリヤ21cとを有する。実施例において、第1遊星歯車21のギヤ比λ1(第1サンギヤ21sの歯数/第1リングギヤ21rの歯数)は、例えば、λ1=0.277と定められている。
第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cは、図1に示すように、入力軸20iに連結された自動変速機20の中間軸(インターミディエイトシャフト)20mに常時連結(固定)される。これにより、エンジン等から入力軸20iに動力が伝達されている際、第1キャリヤ21cには、エンジン等からの動力が入力軸20iおよび中間軸20mを介して常時伝達されることになる。第1キャリヤ21cは、クラッチC4の係合時に第1遊星歯車21の入力要素(自動変速機20の第1入力要素)として機能し、クラッチC4の解放時には空転する。また、第1リングギヤ21rは、クラッチC4の係合時に当該第1遊星歯車21の出力要素(自動変速機20の第1出力要素)として機能する。
第2遊星歯車22は、外歯歯車である第2サンギヤ22sと、第2サンギヤ22sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ22rと、それぞれ第2サンギヤ22sおよび第2リングギヤ22rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ22pと、複数の第2ピニオンギヤ22pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第2キャリヤ22cとを有する。実施例において、第2遊星歯車22のギヤ比λ2(第2サンギヤ22sの歯数/第2リングギヤ22rの歯数)は、例えば、λ2=0.244と定められている。
第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sは、図1に示すように、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sと一体化(常時連結)されており、当該第1サンギヤ21sと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとは、別体に構成されると共に図示しない連結部材(第1連結部材)を介して常時連結されてもよい。また、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、出力軸20oに常時連結されており、当該出力軸20oと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。これにより、第2キャリヤ22cは、第2遊星歯車22の出力要素(自動変速機20の第2出力要素)として機能する。更に、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rは、当該第2遊星歯車22の固定可能要素(自動変速機20の第1固定可能要素)として機能する。
ラビニヨ式遊星歯車機構25は、外歯歯車である第3サンギヤ23sおよび第4サンギヤ24sと、第3サンギヤ23sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ23rと、第3サンギヤ23sに噛合する複数の第3ピニオンギヤ(ショートピニオンギヤ)23pと、第4サンギヤ24sおよび複数の第3ピニオンギヤ23pに噛合すると共に第3リングギヤ23rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ(ロングピニオンギヤ)24pと、複数の第3ピニオンギヤ23pおよび複数の第4ピニオンギヤ24pを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持する第3キャリヤ23cとを有する。
このようなラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式遊星歯車(第3遊星歯車)とシングルピニオン式遊星歯車(第4遊星歯車)とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構である。すなわち、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s、第3キャリヤ23c、第3および第4ピニオンギヤ23p,24p、並びに第3リングギヤ23rは、ダブルピニオン式の第3遊星歯車を構成する。また、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s、第3キャリヤ23c、第4ピニオンギヤ24p、および第3リングギヤ23rは、シングルピニオン式の第4遊星歯車を構成する。そして、実施例において、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式の第3遊星歯車のギヤ比λ3(第3サンギヤ23sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)が、例えば、λ3=0.488となり、かつシングルピニオン式の第4遊星歯車のギヤ比λ4(第4サンギヤ24sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)が、例えば、λ4=0.581となるように構成される。
また、ラビニヨ式遊星歯車機構25(第3および第4遊星歯車)を構成する回転要素のうち、第4サンギヤ24sは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素(自動変速機20の第2固定可能要素)として機能する。更に、第3キャリヤ23cは、図1に示すように、入力軸20iに常時連結(固定)されると共に、連結部材(第2連結部材)としての中間軸20mを介して第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cに常時連結される。これにより、エンジン等から入力軸20iに動力が伝達されている際、第3キャリヤ23cには、エンジン等からの動力が入力軸20iを介して常時伝達されることになる。従って、第3キャリヤ23cは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の入力要素(自動変速機20の第2入力要素)として機能する。また、第3リングギヤ23rは、当該ラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素として機能し、第3サンギヤ23sは、当該ラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素として機能する。
クラッチC1は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。実施例において、クラッチC1は、ラビニヨ式遊星歯車機構25(第3遊星歯車)に近接するように第2遊星歯車22とラビニヨ式遊星歯車機構25との間に配置される。クラッチC2は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素である第3サンギヤ23sとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。実施例において、クラッチC2は、クラッチC1の構成部材により少なくとも一部が囲まれると共にラビニヨ式遊星歯車機構25(第3遊星歯車)に近接するように第2遊星歯車22とラビニヨ式遊星歯車機構25との間に配置される。
クラッチC3は、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。実施例において、クラッチC3は、第2遊星歯車22に近接するように第2遊星歯車22とラビニヨ式遊星歯車機構25との間に配置される。クラッチC4は、第1遊星歯車21の出力要素である第1リングギヤ21rと出力軸20oとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。実施例において、クラッチC4は、4つのクラッチC1〜C4および2つのブレーキB1,B2の中で最も出力軸20oに近接するように、第2遊星歯車22を介してラビニヨ式遊星歯車機構25の反対側、すなわち第1遊星歯車21よりも車両後部側(図1における右側)に配置される。
ブレーキB1は、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素である第4サンギヤ24sを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共に当該第4サンギヤ24sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。実施例において、ブレーキB1は、4つのクラッチC1〜C4および2つのブレーキB1,B2の中で最も発進装置12(エンジン)に近接するように、ラビニヨ式遊星歯車機構25を介して第1および第2遊星歯車21,22の反対側、すなわちラビニヨ式遊星歯車機構25よりも車両前部側(図1における左側)に配置される。ブレーキB2は、第2遊星歯車22の固定可能要素である第2リングギヤ22rをトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共に当該第2リングギヤ22rを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。実施例において、ブレーキB2は、クラッチC3の少なくとも一部を囲むと共に第2遊星歯車22に近接するように第2遊星歯車22とラビニヨ式遊星歯車機構25との間に配置される。
そして、実施例では、クラッチC1〜C4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(例えば環状部材の両面に摩擦材を貼着することにより構成された摩擦プレートおよび両面が平滑に形成された環状部材であるセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。また、ブレーキB1およびB2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。そして、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2は、図示しない油圧制御装置による作動油の給排を受けて動作する。
図2は、自動変速機20における入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である(ただし、入力軸20iすなわち第1キャリヤ21cおよび第3キャリヤ23cの回転速度を値1とする)。また、図3は、自動変速機20の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の作動状態との関係を示す作動表である。
図2に示すように、シングルピニオン式の第1遊星歯車21を構成する3つの回転要素、すなわち第1サンギヤ21s、第1リングギヤ21rおよび第1キャリヤ21cは、当該第1遊星歯車21の速度線図(図2における左側の速度線図)上でギヤ比λ1に応じた間隔をおいて図中左側から第1サンギヤ21s、第1キャリヤ21c、第1リングギヤ21rという順番で並ぶ。このような速度線図での並び順に従い、本発明では、第1サンギヤ21sを自動変速機20の第1回転要素とし、第1キャリヤ21cを自動変速機20の第2回転要素とし、第1リングギヤ21rを自動変速機20の第3回転要素とする。従って、第1遊星歯車21は、速度線図上でギヤ比λ1に応じた間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機20の第1回転要素、第2回転要素および第3回転要素を有する。
また、シングルピニオン式の第2遊星歯車22を構成する3つの回転要素、すなわち第2サンギヤ22s、第2リングギヤ22rおよび第2キャリヤ22cは、当該第2遊星歯車22の速度線図(図2における中央の速度線図)上でギヤ比λ2に応じた間隔をおいて図中左側から第2サンギヤ22s、第2キャリヤ22c、第2リングギヤ22rという順番で並ぶ。このような速度線図での並び順に従い、本発明では、第2サンギヤ22sを自動変速機20の第4回転要素とし、第2キャリヤ22cを自動変速機20の第5回転要素とし、第2リングギヤ22rを自動変速機20の第4回転要素とする。従って、第2遊星歯車22は、速度線図上でギヤ比λ2に応じた間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機20の第4回転要素、第5回転要素および第6回転要素を有する。
更に、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成する4つの回転要素、すなわち固定可能要素としての第4サンギヤ24s、入力要素としての第3キャリヤ23c、第1出力要素としての第3リングギヤ23r、並びに第2出力要素としての第3サンギヤ23sは、この順番で図中左側からシングル式の第3遊星歯車のギヤ比λ3およびダブルピニオン式の第4遊星歯車のギヤ比λ4に応じた間隔をおいて当該ラビニヨ式遊星歯車機構25の速度線図(図2における右側の速度線図)上に並ぶ。このような速度線図での並び順に従い、本発明では、第4サンギヤ24sを自動変速機20の第7回転要素とし、第3キャリヤ23cを自動変速機20の第8回転要素とし、第3リングギヤ23rを自動変速機20の第9回転要素とし、第3サンギヤ23sを自動変速機20の第10回転要素とする。従って、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、速度線図上でギヤ比λ3,λ4に応じた間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機20の第7回転要素、第8回転要素、第9回転要素および第10回転要素を有する。
そして、自動変速機20では、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2を図3に示すように係合または解放させて上述の第1〜第10回転要素(ただし、第1回転要素と第4回転要素が常時連結されているので、実質的には合計9個の回転要素)の接続関係を変更することで、入力軸20iから出力軸20oまでの間に前進回転方向に10通りおよび後進回転方向に1通りの動力伝達経路、すなわち第1速段から第10速段の前進段と後進段とを設定することができる。
具体的には、前進第1速段は、クラッチC1,C2およびブレーキB2を係合させると共に、残余のクラッチC3,C4およびブレーキB1を解放させることにより形成される。すなわち、前進第1速段の形成に際しては、クラッチC1により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続されると共に、クラッチC2により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s(第2出力要素)とが互いに接続され、更に、ブレーキB2により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22r(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例(第1および第2遊星歯車21,22並びに第3および第4遊星歯車のギヤ比がλ1=0.277,λ2=0.244,λ3=0.488,λ4=0.581である場合、以下同様)において、前進第1速段におけるギヤ比(入力軸20iの回転速度/出力軸20oの回転速度)γ1は、γ1=5.091となる。
前進第2速段は、クラッチC1、ブレーキB1およびB2を係合させると共に、残余のクラッチC2,C3およびC4を解放させることにより形成される。すなわち、前進第2速段の形成に際しては、クラッチC1により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続され、更に、ブレーキB1によりラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定されると共に、ブレーキB2により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22r(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、前進第2速段におけるギヤ比γ2は、γ2=3.219となる。また、前進第1速段と前進第2速段との間のステップ比は、γ1/γ2=1.581となる。
前進第3速段は、クラッチC2、ブレーキB1およびB2を係合させると共に、残余のクラッチC1,C3およびC4を解放させることにより形成される。すなわち、前進第3速段の形成に際しては、クラッチC2により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s(第2出力要素)とが互いに接続され、更に、ブレーキB1によりラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定されると共に、ブレーキB2により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22r(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、前進第3速段におけるギヤ比γ3は、γ3=2.324となる。また、前進第2速段と前進第3速段との間のステップ比は、γ2/γ3=1.385となる。
前進第4速段は、クラッチC4、ブレーキB1およびB2を係合させると共に、残余のクラッチC1,C2およびC3を解放させることにより形成される。すなわち、前進第4速段の形成に際しては、クラッチC4により第1遊星歯車21の第1リングギヤ21r(出力要素)と出力軸20oとが互いに接続され、更に、ブレーキB1によりラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定されると共に、ブレーキB2により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22r(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、前進第4速段におけるギヤ比γ4は、γ4=1,886となる。また、前進第3速段と前進第4速段との間のステップ比は、γ3/γ4=1.232となる。
前進第5速段は、クラッチC2,C4およびブレーキB1を係合させると共に、残余のクラッチC1,C3およびブレーキB2を解放させることにより形成される。すなわち、前進第5速段の形成に際しては、クラッチC2により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s(第2出力要素)とが互いに接続されると共に、クラッチC4により第1遊星歯車21の第1リングギヤ21r(出力要素)と出力軸20oとが互いに接続され、更に、ブレーキB1によりラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、前進第5速段におけるギヤ比γ5は、γ5=1.491となる。また、前進第4速段と前進第5速段との間のステップ比は、γ4/γ5=1.265となる。
前進第6速段は、クラッチC1,C4およびブレーキB1を係合させると共に、残余のクラッチC2,C3およびブレーキB2を解放させることにより形成される。すなわち、前進第6速段の形成に際しては、クラッチC1により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続されると共に、クラッチC4により第1遊星歯車21の第1リングギヤ21r(出力要素)と出力軸20oとが互いに接続され、更に、ブレーキB1によりラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、前進第6速段におけるギヤ比γ6は、γ6=1.192となる。また、前進第5速段と前進第6速段との間のステップ比は、γ5/γ6=1.251となる。
前進第7速段は、クラッチC1,C3およびC4を係合させると共に、残余のクラッチC2,ブレーキB1およびB2を解放させることにより形成される。すなわち、前進第7速段の形成に際しては、クラッチC1により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続されると共に、クラッチC3により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続され、更に、クラッチC4により第1遊星歯車21の第1リングギヤ21r(出力要素)と出力軸20oとが互いに接続される。実施例において、前進第7速段におけるギヤ比γ7は、γ7=1.000となる。また、前進第6速段と前進第7速段との間のステップ比は、γ6/γ7=1.192となる。
前進第8速段は、クラッチC3,C4およびブレーキB1を係合させると共に、残余のクラッチC1,C2およびブレーキB2を解放させることにより形成される。すなわち、前進第8速段の形成に際しては、クラッチC3により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続されると共に、クラッチC4により第1遊星歯車21の第1リングギヤ21r(出力要素)と出力軸20oとが互いに接続され、更に、ブレーキB1によりラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、前進第8速段におけるギヤ比γ8は、γ8=0.785となる。また、前進第7速段と前進第8速段との間のステップ比は、γ7/γ8=1.273となる。
前進第9速段は、クラッチC1,C3およびブレーキB1を係合させると共に、残余のクラッチC2,C4およびブレーキB2を解放させることにより形成される。すなわち、前進第9速段の形成に際しては、クラッチC1により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続されると共に、クラッチC3により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続され、更に、ブレーキB1によりラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、前進第9速段におけるギヤ比γ9は、γ9=0.632となる。また、前進第8速段と前進第9速段との間のステップ比は、γ8/γ9=1.242となる。
前進第10速段は、クラッチC2,C3およびブレーキB1を係合させると共に、残余のクラッチC1,C4およびブレーキB2を解放させることにより形成される。すなわち、前進第10速段の形成に際しては、クラッチC2により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s(第2出力要素)とが互いに接続されると共に、クラッチC3により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続され、更に、ブレーキB1によりラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、前進第10速段におけるギヤ比γ10は、γ10=0.588となる。また、前進第9速段と前進第10速段との間のステップ比は、γ9/γ10=1.076となる。そして、自動変速機20におけるスプレッド(ギヤ比幅=最低変速段である前進第1速段のギヤ比γ1/最高変速段である前進第10速段のギヤ比γ10)は、γ1/γ10=8.660となる。
後進段は、クラッチC2,C3およびブレーキB2を係合させると共に、残余のクラッチC1,C4およびブレーキB1を解放させることにより形成される。すなわち、後進段の形成に際しては、クラッチC2により第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s(第2出力要素)とが互いに接続されると共に、クラッチC3により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第3リングギヤ23r(第1出力要素)とが互いに接続され、更に、ブレーキB2により第2遊星歯車22の第2リングギヤ22r(固定可能要素)がトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。実施例において、後進段におけるギヤ比γrevは、γrev=−4.860となる。また、前進第1速段と後進段との間のステップ比は、|γrev/γ1|=0.955となる。
上述のように、自動変速機20によれば、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の係脱により第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを提供することが可能となる。この結果、自動変速機20では、スプレッドをより大きくして(実施例では、8.660)特に高車速時の車両の燃費や各変速段での加速性能を向上させると共に、ステップ比を適正化(より大きくなるのを抑制)して変速フィーリングを向上させることができる。従って、自動変速機20によれば、車両の燃費とドライバビリティーとの双方を良好に向上させることができる。
また、自動変速機20では、6つの係合要素、すなわちクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2のうち、何れか3つを係合させると共に残余の3つを解放させることにより前進第1速段から前進第10速段および後進段が形成される。これにより、例えば6つのクラッチやブレーキのうちの2つを係合させると共に残余の4つを解放させることにより複数の変速段を形成する変速機に比べて、変速段の形成に伴って解放される係合要素の数を減らすことが可能となる。この結果、変速段の形成に伴って解放された係合要素における部材間の僅かな接触に起因した引き摺り損失を低減させて、自動変速機20における動力の伝達効率をより一層向上させることができる。
更に、自動変速機20では、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第3キャリヤ23c(入力要素)と同様に、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21c(第2回転要素)が中間軸20mを介して入力軸20iに常時連結され、前進第4速段から前進第8速段の形成時に、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21r(第3回転要素)がクラッチC4により出力軸20o(第2遊星歯車22の第2キャリヤ22c)に接続される。これにより、例えば第1遊星歯車の第1リングギヤ(第3回転要素)が第2遊星歯車の第2キャリヤ(第5回転要素)と共に出力軸に常時連結され、かつ第1遊星歯車の第1キャリヤ(第2回転要素)が入力軸に選択的に接続される変速機(特許文献1のFIG.2参照)において第1キャリヤ(第2回転要素)と入力軸とを選択的に接続させるクラッチに比べて、クラッチC4のトルク分担を低減させることができる。
すなわち、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cを入力軸20iに常時連結される第2回転要素とすると共に、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rをクラッチC4により出力軸20oに選択的に接続される第3回転要素とすることで、例えば第1遊星歯車の第1リングギヤが第2遊星歯車22の第2キャリヤと共に出力軸に常時連結されると共に第1遊星歯車の第1キャリヤが入力軸に選択的に接続される変速機において第1キャリヤと入力軸とを選択的に接続させるクラッチに比べて、係合したクラッチC4を介して伝達されるトルクを低下させる(1/(1+λ1)にする)ことができる。従って、自動変速機20では、クラッチC4のトルク分担を良好に低減させることが可能となる。この結果、自動変速機20では、クラッチC4を軸方向および径方向の少なくとも何れか一方においてコンパクト化することができる。従って、自動変速機20によれば、動力の伝達効率とドライバビリティーとの双方を向上させると共に、装置全体の大型化を抑制することが可能となる。
また、第1および第2遊星歯車21,22をシングルピニオン式の遊星歯車とすることで、両者を例えばダブルピニオン式の遊星歯車とする場合に比べて、第1および第2遊星歯車21,22における回転要素間の噛み合い損失を低減させて自動変速機20における動力の伝達効率をより向上させると共に、部品点数を削減して装置全体の重量増を抑制しつつ組立性を向上させることが可能となる。更に、上記自動変速機20のように、ダブルピニオン式の第3遊星歯車とシングルピニオン式の第4遊星歯車とを組み合わせて構成される複合遊星歯車列であるラビニヨ式遊星歯車機構25を採用すれば、部品点数を削減して装置全体の重量増を抑制しつつ組立性を向上させることが可能となる。
次に、自動変速機20における第1,第2遊星歯車21,22について詳細に説明する。図4は、本発明の第1,第2遊星歯車21,22周辺の部分断面図である。図示するように、第1遊星歯車21と第2遊星歯車22とは、軸方向に近接配置されている。以下、説明の都合上、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22c,第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cの順に説明する。
第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、複数の第2ピニオンギヤ22pにそれぞれニードルベアリング22bを介して挿通される複数の第2ピニオンシャフト22psの一端を第2ピニオンギヤ22pより第1遊星歯車21に近い側(図4における右側)で支持する第2近接側シャフト支持部220と、第2ピニオンシャフト22psの他端を第2ピニオンギヤ22pより第1遊星歯車21から遠い側で支持する第2離間側シャフト支持部221と、周方向に間隔をおいて軸方向に延びて第2近接側シャフト支持部220と第2離間側シャフト支持部221との外周を繋ぐ複数の第2ブリッジ部222と、を有する。なお、第2キャリヤ22cは、鋳造などによって一体成形されるものとしてもよいし、第2近接側シャフト支持部220と第2離間側シャフト支持部221とのうち一方と第2ブリッジ部222とが一体成形されたキャリヤ本体に、第2近接側シャフト支持部220と第2離間側シャフト支持部221とのうち他方としてのキャリヤカバーが固定されて構成されるものとしてもよい。
第2近接側シャフト支持部220は、第2ピニオンシャフト22psが挿入されるシャフト孔220aと、第2近接側シャフト支持部220の内周面より径方向に延びる(シャフト孔220aと第2近接側シャフト支持部220より内側の空間とを連通する)第2内側連通孔220bと、第2近接側シャフト支持部220の外周面より径方向に延びる(シャフト孔220aと第2近接側シャフト支持部220より外側の空間とを連通する)第2外側連通孔220cと、を有する。第2内側連通孔220bと第2外側連通孔220cとは、径方向の同一直線上に形成されている。したがって、第2内側連通孔220bと第2外側連通孔220cとを1回の処理で形成することができる。
第2離間側シャフト支持部221は、第2ピニオンシャフト22psが挿入されるシャフト孔221aを有する。
第2ピニオンシャフト22psは、第2キャリヤ22cに対する位置決めのために第2ロケートピン22piが挿入される第2位置決め用孔224aと、第2近接側シャフト支持部220の第2内側連通孔220bに連通する第2シャフト内油路224bと、を有する。第2シャフト内油路224bは、軸方向に延びる第2軸方向油路224baと、第2ピニオンシャフト22psの一端部(図4における右端部)で第2軸方向油路224baと第2内側連通孔220bとを連通する第2内側径方向油路224bbと、第2ピニオンシャフト22psの軸方向の中央部で第2軸方向油路224baと第2ピニオンギヤ22pの内周部とを連通する第2外側径方向油路224bcと、を有する。第2位置決め用孔224aと第2内側径方向油路224bbとは、第2ピニオンシャフト22psの軸に垂直な同一直線上に形成されている。
この第2ピニオンシャフト22psの第2キャリヤ22cに対する位置決めは、第2キャリヤ22cの第2近接側シャフト支持部220のシャフト孔220aに第2ピニオンシャフト22psが挿入され、第2近接側シャフト支持部220の第2外側連通孔220cと第2位置決め用孔224aとが整合している状態で第2ロケートピン22piが第2近接側シャフト支持部220より外側から第2外側連通孔220cに挿通されて第2位置決め用孔224aに嵌り込む、ことによって行なわれる。このとき、第2ピニオンシャフト22psの第2内側径方向油路224bbは、第2近接側シャフト支持部220の第2内側連通孔220bに連通する。
第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cは、複数の第1ピニオンギヤ21pにそれぞれニードルベアリング21bを介して挿通される複数の第1ピニオンシャフト21psの一端を第1ピニオンギヤ21pより第2遊星歯車22に近い側(図4における左側)で支持する第1近接側シャフト支持部210と、第1ピニオンシャフト21psの他端を第1ピニオンギヤ21pより第2遊星歯車22から遠い側で支持する第1離間側シャフト支持部211と、周方向に間隔をおいて軸方向に延びて第1近接側シャフト支持部210と第1離間側シャフト支持部211との外周を繋ぐ複数の第1ブリッジ部212と、を有する。なお、第1キャリヤ21cは、鋳造などによって一体成形されるものとしてもよいし、第1近接側シャフト支持部210と第1離間側シャフト支持部211とのうち一方と第1ブリッジ部212とが一体成形されたキャリヤ本体に、第1近接側シャフト支持部210と第1離間側シャフト支持部211とのうち他方としてのキャリヤカバーが固定されて構成されるものとしてもよい。
第1近接側シャフト支持部210は、第1ピニオンシャフト21psが挿入されるシャフト孔210aと、第1近接側シャフト支持部210の内周面より径方向に延びる(シャフト孔210aと第1近接側シャフト支持部210より内側の空間とを連通する)第1内側連通孔210bと、第1近接側シャフト支持部210の外周面より径方向に延びる(シャフト孔210aと第1近接側シャフト支持部210より外側の空間とを連通する)第1外側連通孔210cと、を有する。第1内側連通孔210bと第1外側連通孔210cとは、径方向の同一直線上に形成されている。したがって、第1内側連通孔210bと第1外側連通孔210cとを1回の処理で形成することができる。
第1離間側シャフト支持部211は、第1ピニオンシャフト21psが挿入されるシャフト孔211aを有する。
また、第1近接側シャフト支持部210は、その内周から第2遊星歯車22より内側に突出する突出部210dを有する。この突出部210dは、第1キャリヤ21cの第1近接側シャフト支持部210と第2キャリヤ22cの第2近接側シャフト支持部220との軸方向の隙間を遮蔽すると共に第2近接側シャフト支持部220の第2内側連通孔220bを遮蔽しないように形成されており、且つ、内周面が軸方向(図4における左右方向)と平行になるように形成されている。
第1ピニオンシャフト21psは、第1キャリヤ21cに対する位置決めのために第1ロケートピン21piが挿入される第1位置決め用孔214aと、第1近接側シャフト支持部210の第1内側連通孔210bに連通する第1シャフト内油路214bと、を有する。第1シャフト内油路214bは、軸方向に延びる第1軸方向油路214baと、第1ピニオンシャフト21psの一端部(図4における左端部)で第1軸方向油路214baと第1内側連通孔210bとを連通する第1内側径方向油路214bbと、第1ピニオンシャフト21psの軸方向の中央部で第1軸方向油路214baと第1ピニオンギヤ21pの内周部とを連通する第1外側径方向油路214bcと、を有する。第1位置決め用孔214aと第1内側径方向油路214bbとは、第1ピニオンシャフト21psの軸に垂直な同一直線上に形成されている。
この第1ピニオンシャフト21psの第1キャリヤ21cに対する位置決めは、第1キャリヤ21cの第1近接側シャフト支持部210のシャフト孔210aに第1ピニオンシャフト21psが挿入され、第1近接側シャフト支持部210の第1外側連通孔210cと第1位置決め用孔214aとが整合している状態で第1ロケートピン21piが第1近接側シャフト支持部210より外側から第1外側連通孔210cに挿通されて第1位置決め用孔214aに嵌り込む、ことによって行なわれる。このとき、第1ピニオンシャフト21psの第1内側径方向油路214bbは、第1近接側シャフト支持部210の第1内側連通孔210bに連通する。
第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sと第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとは、連結部26を介して一体に構成されている。連結部26には、油圧制御装置からの作動油を第1,第2遊星歯車21,22などに潤滑・冷却油として供給するための供給孔26aが形成されている。この供給孔26aは、第1近接側シャフト支持部210の突出部210dの内周面と径方向で対向している。
こうして構成された実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、走行時には、供給孔26aから第1近接側シャフト支持部210の突出部210dの内周面に向けて作動油が潤滑・冷却油として放出される。そして、この作動油は、突出部210dの内周面に到達すると、その内周面に沿って軸方向に移動して、第1近接側シャフト支持部210の第1内側連通孔210bや第2近接側シャフト支持部220の第2内側連通孔220bに供給される。第1内側連通孔210bに供給された作動油は、第1ピニオンシャフト21psの第1シャフト内油路214b(第1内側径方向油路214bbや第1軸方向油路214ba,第1外側径方向油路214bc)に供給され、第1遊星歯車21の潤滑・冷却対象(例えばニードルベアリング21bなど)の潤滑・冷却に用いられる。また、第2内側連通孔220bに供給された作動油は、第2ピニオンシャフト22psの第2シャフト内油路224b(第2内側径方向油路224bbや第2軸方向油路224ba,第2外側径方向油路224bc)に供給され、第2遊星歯車22の潤滑・冷却対象(例えばニードルベアリング22bなど)の潤滑・冷却に用いられる。このようにして第1,第2遊星歯車21,22の潤滑・冷却対象に作動油を供給することにより、第1,第2遊星歯車21,22の第1,第2キャリヤ21c,22cの軸方向の端部(例えば、第1離間側シャフト支持部211,221)に、径方向内側からの作動油を受容して第1,第2シャフト内油路214b,224bに供給するオイルレシーバを設けるものに比して、部品点数を低減することができると共に軸長が長くなるのを抑制することができる。また、オイルレシーバを設ける場合、一般に、その径方向内側に配置されたスラスト軸受を経由した作動油がオイルレシーバにより受容されて第1,第2シャフト内油路214b,224bに供給されるから、そのスラスト軸受で作動油が攪拌されることによるロスが発生する。これに対して、実施例の構成では、供給孔26aと第1,第2内側連通孔210b,220bひいては第1,第2シャフト内油路214b,224bとの間に軸受が配置されないから、こうしたロスの発生を回避することができる。さらに、突出部210dにより、第1キャリヤ21cの第1近接側シャフト支持部210と第2キャリヤ22cの第2近接側シャフト支持部220との軸方向の隙間に作動油が流れるのを抑制することができ、この作動油に起因する引き摺り損失を低減することができる。加えて、突出部210dの内周面が軸方向に平行に形成されることにより、作動油が第1,第2内側連通孔210b,220bとのうち一方にだけ偏って供給されるのを抑制することができ、第1,第2遊星歯車21,22の潤滑・冷却対象をより適正に潤滑・冷却することができる。
以上説明した実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1ピニオンシャフト21psを第2遊星歯車22に近い側で支持する第1キャリヤ21cの第1近接側シャフト支持部210は、その内周面より径方向に延びる(第1ピニオンシャフト21psのシャフト孔210aと第1近接側シャフト支持部210より内側の空間とを連通する)第1内側連通孔210bを有し、第2ピニオンシャフト22psを第1遊星歯車21に近い側で支持する第2キャリヤ22cの第2近接側シャフト支持部220は、その内周面より径方向に延びる(第2ピニオンシャフト22psのシャフト孔220aと第2近接側シャフト支持部220より内側の空間とを連通する)第2内側連通孔220bを有する。また、第1ピニオンシャフト21psは、第1内側連通孔210bに連通する第1シャフト内油路214bを有し、第2ピニオンシャフト22psは、第2内側連通孔220bに連通する第2シャフト内油路224bを有する。さらに、第1近接側シャフト支持部210は、その内周から第1近接側シャフト支持部210と第2近接側シャフト支持部220との軸方向の隙間を遮蔽するよう突出する突出部210dを有する。こうした構成とすることにより、突出部210dの径方向内側に設けられた供給孔26aからの作動油が突出部210dを介して第1内側連通孔210bや第2内側連通孔220bに達し、これらを介して第1シャフト内油路214bや第2シャフト内油路224bに供給され、第1遊星歯車21や第2遊星歯車22の潤滑・冷却対象に供給される。したがって、径方向内側からのオイルを受容して第1,第2シャフト内油路214b,224bに供給するオイルレシーバを第1,第2遊星歯車21,22の軸方向の端部に取り付けるものに比して、部品点数を低減することができると共に軸長が長くなるのを抑制することができる。また、突出部210dにより、第1近接側シャフト支持部210と第2近接側シャフト支持部220との軸方向の隙間に作動油が流れるのを抑制することができる。しかも、この突出部210の内周面が軸方向に平行となるよう形成されることにより、作動油が第1,第2内側連通孔210b,220bとのうち一方にだけ偏って供給されるのを抑制することができる。
また、実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1キャリヤ21cの第1近接側シャフト支持部210の第1内側連通孔210bと第1外側連通孔210cとが径方向の同一直線上に形成されると共に第2キャリヤ22cの第2近接側シャフト支持部220の第2内側連通孔220bと第2外側連通孔220cとが径方向の同一直線上に形成されるから、第1内側連通孔210bと第1外側連通孔210cとを1回の処理で形成することができると共に第2内側連通孔220bと第2外側連通孔220cとを1回の処理で形成することができる。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1近接側シャフト支持部210の突出部210dは、内周面が軸方向に平行となるよう形成されるものとしたが、これに限定されるものではなく、第1,第2遊星歯車21,22の潤滑・冷却対象が必要とするオイル量の大小関係などを考慮して、第1遊星歯車21側または第2遊星歯車22側に若干傾斜するよう形成されるものなどとしてもよい。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1近接側シャフト支持部210が、その内周から第1近接側シャフト支持部210と第2近接側シャフト支持部220との軸方向の隙間を遮蔽するよう突出する突出部210dを有するものとしたが、これに代えて、第2近接側シャフト支持部220が、その内周から第1近接側シャフト支持部210と第2近接側シャフト支持部220との軸方向の隙間を遮蔽するよう突出する突出部を有するものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1ピニオンシャフト21psにおいて、第1位置決め用孔214aと第1シャフト内油路214bの第1内側径方向油路214bbとは連通しないものとしたが、連通する即ち径方向に貫通する孔として形成されるものとしてもよい。この場合、第1ロケートピン21piは、第1ピニオンシャフト21psを第1キャリヤ21cに対して位置決め固定する際の位置決め部材としての機能と、オイルが径方向外側に抜けるのを抑制する栓としての機能と、を有する。同様に、実施例では、第2ピニオンシャフト22psにおいて、第2位置決め用孔224aと第2シャフト内油路224bの第2内側径方向油路224bbとは連通しないものとしたが、連通する即ち径方向に貫通する孔として形成されるものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1ピニオンシャフト21psは、ロケートピン21piを用いて第1キャリヤ21cに位置決め固定されるものとしたが、第1シャフト内油路214bが第1内側連通孔210bに連通するように第1キャリヤ21cにより支持(固定)されるものであればよく、ロケートピン21piを用いずに、端部がカシメられることなどによって第1キャリヤ21cにより支持されるものとしてもよい。同様に、実施例では、第2ピニオンシャフト22psは、ロケートピン22piを用いて第2キャリヤ22cに位置決め固定されるものとしたが、第2シャフト内油路224bが第2内側連通孔220bに連通するように第2キャリヤ22cにより支持(固定)されるものであればよく、ロケートピン22piを用いずに、端部がカシメられることなどによって第2キャリヤ22cにより支持されるものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1,第2遊星歯車21,22のサンギヤ21s,22sは、連結部26を介して一体に構成されるものとしたが、一体に構成されない即ち別体として構成されて一体に回転するよう連結されるものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2を、摩擦係合要素(油圧クラッチ,ブレーキ)として構成するものとしたが、これらのうち少なくとも1つについて、噛み合い要素(ドグクラッチ,ドグブレーキ)として構成するものとしてもよい。例えば、自動変速機20では、前進第1速段から前進第4速段の形成に際して連続して係合されると共に後進段の形成に際して係合されるブレーキB2を、ドグブレーキとして構成するものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1,第2遊星歯車21,22およびラビニヨ式遊星歯車機構25のギヤ比λ1,λ2,λ3,λ4として、0.277,0.244,0.488,0.581を用いるものとしたが、ギヤ比λ1,λ2,λ3,λ4はこの値に限定されるものではない。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、第1,第2遊星歯車21,22を、共にシングルピニオン式の遊星歯車として構成するものとしたが、少なくとも一方について、ダブルピニオン式の遊星歯車として構成するものとしてもよい。
実施例の動力伝達装置10の自動変速機20では、10段変速式の変速機として構成するものとしたが、ラビニヨ式遊星歯車機構25を備えるものであればよく、6段変速式や8段変速式,9段変速式,11段変速式などの変速機として構成するものとしてもよい。
実施例では、動力伝達装置10は、後輪駆動車両に搭載されるものとしたが、前輪駆動車両に搭載されるものとしてもよい。
次に、本発明の多段変速機について説明する。
本発明の多段変速機は、第1遊星歯車と第2遊星歯車とが軸方向に近接配置され、車両の原動機から入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機であって、前記第1遊星歯車は、複数の第1ピニオンギヤに挿通される複数の第1ピニオンシャフトを支持する第1キャリヤを有し、前記第2遊星歯車は、複数の第2ピニオンギヤに挿通される複数の第2ピニオンシャフトを支持する第2キャリヤを有し、前記第2遊星歯車に近い側で前記第1ピニオンシャフトを支持する前記第1キャリヤの第1シャフト支持部は、該第1シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第1連通孔を有し、前記第1遊星歯車に近い側で前記第2ピニオンシャフトを支持する前記第2キャリヤの第2シャフト支持部は、該第2シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第2連通孔を有し、前記第1ピニオンシャフトは、前記第1連通孔に連通する第1シャフト内油路を有し、前記第2ピニオンシャフトは、前記第2連通孔に連通する第2シャフト内油路を有し、前記第1シャフト支持部と前記第2シャフト支持部とのうち一方のシャフト支持部は、内周から前記第1シャフト支持部と前記第2シャフト支持部との軸方向の隙間を遮蔽するように他方のシャフト支持部側に突出する突出部を有する、ことを特徴とする。
この本発明の多段変速機では、第2遊星歯車に近い側で第1ピニオンシャフトを支持する第1キャリヤの第1シャフト支持部は、第1シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第1連通孔を有し、第1遊星歯車に近い側で第2ピニオンシャフトを支持する第2キャリヤの第2シャフト支持部は、第2シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第2連通孔を有する。また、第1ピニオンシャフトは、第1連通孔に連通する第1シャフト内油路を有し、第2ピニオンシャフトは、第2連通孔に連通する第2シャフト内油路を有する。さらに、第1シャフト支持部と第2シャフト支持部とのうち一方のシャフト支持部は、内周から第1シャフト支持部と第2シャフト支持部との軸方向の隙間を遮蔽するように他方のシャフト支持部側に突出する突出部を有する。こうした構成では、突出部の径方向内側から突出部に放出(供給)されるオイルは、突出部を介して第1キャリヤ支持部の第1連通孔や第2キャリヤ支持部の第2連通孔に達し、これらを介して第1ピニオンシャフトの第1シャフト内油路や第2ピニオンシャフトの第2シャフト内油路に供給され、第1遊星歯車や第2遊星歯車の潤滑・冷却対象に供給される。したがって、径方向内側から作動油を受容して第1シャフト内油路や第2シャフト内油路に供給するオイルレシーバを第1遊星歯車や第2遊星歯車の軸方向の端部に取り付けるものに比して、部品点数を低減すると共にオイルレシーバの分だけ軸長が長くなるのを抑制して、第1遊星歯車や第2遊星歯車の潤滑・冷却対象にオイルを供給することができる。また、突出部により、第1キャリヤ支持部と第2キャリヤ支持部との隙間にオイルが流れるのを抑制することができる。
こうした本発明の多段変速機において、前記突出部は、内周面が前記第1,第2キャリヤの軸方向と平行となるように形成され、前記突出部の径方向内側に形成された放出部から、前記突出部に向けてオイルが放出される、ものとすることもできる。こうすれば、放出部から放出されて突出部の内周面に衝突したオイルが第1連通孔側と第2連通孔側との一方に偏って供給されるのを抑制することができる。この態様の本発明の多段変速機において、前記第1遊星歯車の第1サンギヤと前記第2遊星歯車の第2サンギヤとが連結部を介して一体に構成されており、前記放出部は、前記連結部に形成されている、ものとすることもできる。
また、本発明の多段変速機において、前記第1シャフト支持部は、前記第1連通孔と同一直線上に形成されて前記第1シャフト支持部の外周面より径方向に延びる第3連通孔を有し、前記第2シャフト支持部は、前記第2連通孔と同一直線上に形成されて前記第2シャフト支持部の外周面より径方向に延びる第4連通孔を有し、前記第1ピニオンシャフトは、第1位置決め用孔を有し、前記第2ピニオンシャフトは、第2位置決め用孔を有し、前記第1シャフト内油路は、前記第3連通孔に挿通されたピンが前記第1位置決め用孔に嵌り込んで前記第1ピニオンシャフトが前記キャリヤに対して位置決めされたときに前記第1連通孔に連通し、前記第2シャフト内油路は、前記第4連通孔に挿通されたピンが前記第2位置決め用孔に嵌り込んで前記第2ピニオンシャフトが前記キャリヤに対して位置決めされたときに前記第2連通孔に連通する、ものとすることもできる。こうすれば、第1連通孔と第3連通孔,第2連通孔と第4連通孔とを1回の処理で加工することができる。
さらに、本発明の多段変速機において、入力要素と、固定可能要素と、第1出力要素と、第2出力要素とを有するラビニヨ式遊星歯車機構と、第1,第2,第3,第4クラッチおよび第1,第2ブレーキと、を備え、前記第1遊星歯車は、速度線図上でギヤ比に対応した間隔をおいて順番に並ぶ第1回転要素,前記第1キャリヤである第2回転要素,第3回転要素を有し、前記第2遊星歯車は、速度線図上でギヤ比に対応した間隔をおいて順番に並ぶ第4回転要素,前記第2キャリヤである第5回転要素,第6回転要素を有し、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記入力要素と前記第1遊星歯車の前記第2回転要素とは前記入力部材に常時連結され、前記第1遊星歯車の前記第1回転要素と前記第2遊星歯車の前記第4回転要素とは常時連結され、前記第2遊星歯車の前記第5回転要素と前記出力部材とは常時連結され、前記第1クラッチは、常時連結された前記第1遊星歯車の前記第1回転要素および前記第2遊星歯車の前記第4回転要素と、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記第1出力要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第2クラッチは、常時連結された前記第1遊星歯車の前記第1回転要素および前記第2遊星歯車の前記第4回転要素と、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記第2出力要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第3クラッチは、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素と、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記第1出力要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第4クラッチは、常時連結された前記第2遊星歯車の前記第5回転要素および前記出力部材と、前記第1遊星歯車の前記第3回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第1ブレーキは、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記固定可能要素を静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第2ブレーキは、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素を前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除する、ものとすることもできる。
この場合、第1,第2,第3,第4クラッチおよび第1,第2ブレーキのうちいずれか3つを選択的に係合させることにより、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成することができる。したがって、スプレッド(ギヤ比幅=最低変速段のギヤ比/最高変速段のギヤ比)をより大きくして動力の伝達効率すなわち車両の燃費や加速性能を向上させると共に、ステップ比(ある変速段のギヤ比/1段階高速段側の変速段のギヤ比)を適正化(より大きくなるのを抑制)して変速フィーリングを向上させることができる。この結果、動力の伝達効率とドライバビリティーとの双方を良好に向上させることができる。
また、ラビニヨ式遊星歯車機構の入力要素と同様に第1遊星歯車の第2回転要素が入力部材に常時連結され、第1遊星歯車の第3回転要素が第4クラッチにより出力部材(および第2遊星歯車の第5回転要素)に選択的に接続される。これにより、例えば第1遊星歯車の第3回転要素が第2遊星歯車の第5回転要素と共に出力部材に常時連結されかつ第1遊星歯車の第2回転要素が入力部材に選択的に接続される変速機において第2回転要素と入力部材とを選択的に接続させるクラッチに比べて、第4クラッチのトルク分担を低減させることができる。この結果、第4クラッチを軸方向および径方向の少なくともいずれか一方においてコンパクト化することができる。この結果、動力の伝達効率とドライバビリティーとの双方を向上させると共に装置全体の大型化を抑制することができる。
第1遊星歯車と第2遊星歯車とに加えてラビニヨ式遊星歯車機構と第1,第2,第3,第4クラッチと第1,第2ブレーキとを備える態様の本発明の多段変速機において、前記第1クラッチ,前記第2クラッチ,前記第2ブレーキの係合により前進第1速段が形成され、前記第1クラッチ,前記第1ブレーキ,前記第2ブレーキの係合により前進第2速段が形成され、前記第2クラッチ,前記第1ブレーキ,前記第2ブレーキの係合により前進第3速段が形成され、前記第4クラッチ,前記第1ブレーキ,前記第2ブレーキの係合により前進第4速段が形成され、前記第2クラッチ,前記第4クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第5速段が形成され、前記第1クラッチ,前記第4クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第6速段が形成され、前記第1クラッチ,前記第3クラッチ,前記第4クラッチの係合により前進第7速段が形成され、前記第3クラッチ,前記第4クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第8速段が形成され、前記第1クラッチ,前記第3クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第9速段が形成され、前記第2クラッチ,前記第3クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第10速段が形成され、前記第2クラッチ,前記第3クラッチ,前記第2ブレーキの係合により後進段が形成される、ものとすることもできる。このように、6つの係合要素すなわち第1,第2,第3,第4クラッチおよび第1,第2ブレーキのうちいずれか3つを係合すると共に残余の3つを解放することによって前進第1速段から前進第10速段および後進段が形成される。これにより、例えば6つの係合要素のうち2つを係合すると共に4つを解放することによって複数の変速段を形成する変速機に比して、変速段の形成に伴って解放される係合要素の数を低減することができる。この結果、変速段の形成に伴って解放される係合要素における引き摺り損失を低減し、多段変速機における伝達効率をより一層向上させることができる。
また、第1遊星歯車と第2遊星歯車とに加えてラビニヨ式遊星歯車機構と第1,第2,第3,第4クラッチと第1,第2ブレーキとを備える態様の本発明の多段変速機において、前記出力部材は、デファレンシャルギヤを介して車両の後輪に連結される出力軸である、ものとすることもできる。
次に、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、第1遊星歯車21が「第1遊星歯車」に相当し、第2遊星歯車22が「第2遊星歯車」に相当し、第1ピニオンギヤ21pが「第1ピニオンギヤ」に相当し、第1ピニオンシャフト21psが「第1ピニオンシャフト」に相当し、第1キャリヤ21cが「第1キャリヤ」に相当し、第2ピニオンギヤ22pが「第2ピニオンギヤ」に相当し、第2ピニオンシャフト22psが「第2ピニオンシャフト」に相当し、第2キャリヤ22cが「第2キャリヤ」に相当し、第1近接側シャフト支持部210が「第1シャフト支持部」に相当し、第2近接側シャフト支持部220が「第2シャフト支持部」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、多段変速機の製造産業などに利用可能である。
10 動力伝達装置、11 トランスミッションケース、12 発進装置、14o ワンウェイクラッチ、14p ポンプインペラ、14s ステータ、14t タービンランナ、15 ロックアップクラッチ、16 ダンパ機構、17 オイルポンプ、20 自動変速機、20i 入力軸、20m 中間軸、20o 出力軸、21 第1遊星歯車、21b ニードルベアリング、21c 第1キャリヤ、21p 第1ピニオンギヤ、21pi 第1ロケートピン、21ps 第1ピニオンシャフト、21r 第1リングギヤ、21s 第1サンギヤ、22 第2遊星歯車、22b ニードルベアリング、22c 第2キャリヤ、22p 第2ピニオンギヤ、22pi 第2ロケートピン、22ps 第2ピニオンシャフト、22r 第2リングギヤ、22s 第2サンギヤ、23c 第3キャリヤ、23p 第3ピニオンギヤ、23r 第3リングギヤ、23s 第3サンギヤ、24p 第4ピニオンギヤ、24s 第4サンギヤ、25 ラビニヨ式遊星歯車機構、26 連結部、26a 供給孔、210 第1近接側シャフト支持部、210a,211a,220a,221a シャフト孔、210b 第1内側連通孔、210c 第1外側連通孔、210d 突出部、211 第1離間側シャフト支持部、212 第1ブリッジ部、214a 第1位置決め用孔、214b 第1シャフト内油路、214ba 第1軸方向油路、214bb 第1内側径方向油路、214bc 第1外側径方向油路、220 第2近接側シャフト支持部、220b 第2内側連通孔、220c 第2外側連通孔、221 第2離間側シャフト支持部、222 第2ブリッジ部、224a 第2位置決め用孔、224b 第2シャフト内油路、224ba 第2軸方向油路、224bb 第2内側径方向油路、224bc 第2外側径方向油路、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3,C4 クラッチ。

Claims (7)

  1. 第1遊星歯車と第2遊星歯車とが軸方向に近接配置され、車両の原動機から入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機であって、
    前記第1遊星歯車は、複数の第1ピニオンギヤに挿通される複数の第1ピニオンシャフトを支持する第1キャリヤを有し、
    前記第2遊星歯車は、複数の第2ピニオンギヤに挿通される複数の第2ピニオンシャフトを支持する第2キャリヤを有し、
    前記第2遊星歯車に近い側で前記第1ピニオンシャフトを支持する前記第1キャリヤの第1シャフト支持部は、該第1シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第1連通孔を有し、
    前記第1遊星歯車に近い側で前記第2ピニオンシャフトを支持する前記第2キャリヤの第2シャフト支持部は、該第2シャフト支持部の内周面より径方向に延びる第2連通孔を有し、
    前記第1ピニオンシャフトは、前記第1連通孔に連通する第1シャフト内油路を有し、
    前記第2ピニオンシャフトは、前記第2連通孔に連通する第2シャフト内油路を有し、
    前記第1シャフト支持部と前記第2シャフト支持部とのうち一方のシャフト支持部は、内周から前記第1シャフト支持部と前記第2シャフト支持部との軸方向の隙間を遮蔽するように他方のシャフト支持部側に突出する突出部を有する、
    ことを特徴とする多段変速機。
  2. 請求項1記載の多段変速機であって、
    前記突出部は、内周面が前記第1,第2キャリヤの軸方向と平行となるように形成され、
    前記突出部の径方向内側に形成された放出部から、前記突出部に向けてオイルが放出される、
    ことを特徴とする多段変速機。
  3. 請求項2記載の多段変速機であって、
    前記第1遊星歯車の第1サンギヤと前記第2遊星歯車の第2サンギヤとが連結部を介して一体に構成されており、
    前記放出部は、前記連結部に形成されている、
    ことを特徴とする多段変速機。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    前記第1シャフト支持部は、前記第1連通孔と同一直線上に形成されて前記第1シャフト支持部の外周面より径方向に延びる第3連通孔を有し、
    前記第2シャフト支持部は、前記第2連通孔と同一直線上に形成されて前記第2シャフト支持部の外周面より径方向に延びる第4連通孔を有し、
    前記第1ピニオンシャフトは、第1位置決め用孔を有し、
    前記第2ピニオンシャフトは、第2位置決め用孔を有し、
    前記第1シャフト内油路は、前記第3連通孔に挿通されたピンが前記第1位置決め用孔に嵌り込んで前記第1ピニオンシャフトが前記キャリヤに対して位置決めされたときに前記第1連通孔に連通し、
    前記第2シャフト内油路は、前記第4連通孔に挿通されたピンが前記第2位置決め用孔に嵌り込んで前記第2ピニオンシャフトが前記キャリヤに対して位置決めされたときに前記第2連通孔に連通する、
    ことを特徴とする多段変速機。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    入力要素と、固定可能要素と、第1出力要素と、第2出力要素とを有するラビニヨ式遊星歯車機構と、
    第1,第2,第3,第4クラッチおよび第1,第2ブレーキと、
    を備え、
    前記第1遊星歯車は、速度線図上でギヤ比に対応した間隔をおいて順番に並ぶ第1回転要素,前記第1キャリヤである第2回転要素,第3回転要素を有し、
    前記第2遊星歯車は、速度線図上でギヤ比に対応した間隔をおいて順番に並ぶ第4回転要素,前記第2キャリヤである第5回転要素,第6回転要素を有し、
    前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記入力要素と前記第1遊星歯車の前記第2回転要素とは前記入力部材に常時連結され、
    前記第1遊星歯車の前記第1回転要素と前記第2遊星歯車の前記第4回転要素とは常時連結され、
    前記第2遊星歯車の前記第5回転要素と前記出力部材とは常時連結され、
    前記第1クラッチは、常時連結された前記第1遊星歯車の前記第1回転要素および前記第2遊星歯車の前記第4回転要素と、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記第1出力要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第2クラッチは、常時連結された前記第1遊星歯車の前記第1回転要素および前記第2遊星歯車の前記第4回転要素と、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記第2出力要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第3クラッチは、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素と、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記第1出力要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第4クラッチは、常時連結された前記第2遊星歯車の前記第5回転要素および前記出力部材と、前記第1遊星歯車の前記第3回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第1ブレーキは、前記ラビニヨ式遊星歯車機構の前記固定可能要素を静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、
    前記第2ブレーキは、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素を前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除する、
    ことを特徴とする多段変速機。
  6. 請求項5記載の多段変速機であって、
    前記第1クラッチ,前記第2クラッチ,前記第2ブレーキの係合により前進第1速段が形成され、
    前記第1クラッチ,前記第1ブレーキ,前記第2ブレーキの係合により前進第2速段が形成され、
    前記第2クラッチ,前記第1ブレーキ,前記第2ブレーキの係合により前進第3速段が形成され、
    前記第4クラッチ,前記第1ブレーキ,前記第2ブレーキの係合により前進第4速段が形成され、
    前記第2クラッチ,前記第4クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第5速段が形成され、
    前記第1クラッチ,前記第4クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第6速段が形成され、
    前記第1クラッチ,前記第3クラッチ,前記第4クラッチの係合により前進第7速段が形成され、
    前記第3クラッチ,前記第4クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第8速段が形成され、
    前記第1クラッチ,前記第3クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第9速段が形成され、
    前記第2クラッチ,前記第3クラッチ,前記第1ブレーキの係合により前進第10速段が形成され、
    前記第2クラッチ,前記第3クラッチ,前記第2ブレーキの係合により後進段が形成される、
    ことを特徴とする多段変速機。
  7. 請求項5または6記載の多段変速機であって、
    前記出力部材は、デファレンシャルギヤを介して車両の後輪に連結される出力軸である、
    ことを特徴とする多段変速機。


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