JP2019065947A - 多段変速機 - Google Patents

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敬太 須和
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剛 深谷
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Abstract

【課題】多段変速機が備える各遊星歯車などの耐久性が低下するのを抑制する。【解決手段】第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車とは、多段変速機の軸方向においてこの順に配置され、第1遊星歯車の何れか1つの回転要素と第2遊星歯車の何れか1つの回転要素と第3遊星歯車の何れか1つの回転要素とは、常時連結されて常時一体に回転する一体回転部である。ブレーキは、一体回転部を静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除する。さらに、ブレーキは、ブレーキの少なくとも一部が第1遊星歯車よりも多段変速機の軸方向の第3遊星歯車側で且つ第3遊星歯車よりも軸方向の第1遊星歯車側に位置するように配置される。【選択図】図4

Description

本開示は、多段変速機に関する。
従来、この種の多段変速機としては、第1〜第4遊星歯車と第1,第2クラッチと第1〜第4ブレーキとワンウェイクラッチとを備え、第1速段から第8速段までの前進段と第1速段および第2速段の後進段とを形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この多段変速機では、第1遊星歯車、第2遊星歯車、第3遊星歯車が多段変速機の軸方向においてこの順に配置されており、第1遊星歯車の第1キャリヤと第2遊星歯車の第2キャリヤと第3遊星歯車の第3リングギヤとが常時連結されている。また、常時連結された第1キャリヤおよび第2キャリヤおよび第3リングギヤをケースに対して固定するための第2ブレーキは、第3リングギヤの径方向外側に配置されている。
特開2008−215384号公報(図8)
上述の多段変速機では、第2ブレーキの係合時には、多段変速機の軸方向において、第1キャリヤと第2キャリヤと第3リングギヤとを含む常時一体に回転する一体回転部の重心と第2ブレーキによりケースに固定される位置とがある程度大きくずれることにより、一体回転部における軸が第2ブレーキから近い側(第3リングギヤ側)に対して遠い側(第1キャリヤ側)で低くなるように、一体回転部が傾くことがある。一体回転部が傾くと、各遊星歯車でのギヤ間の噛合部(特に、第2ブレーキから遠い側の第1遊星歯車でのギヤ間の噛合部)の負荷が大きくなりやすい。そして、この状態が継続すると、各遊星歯車などの耐久性の低下を招く可能性がある。
本開示の多段変速機は、多段変速機が備える各遊星歯車などの耐久性が低下するのを抑制することを主目的とする。
本開示の多段変速機は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の多段変速機は、
入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機であって、
第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車とブレーキとを備え、
前記第1遊星歯車と前記第2遊星歯車と前記第3遊星歯車とは、前記多段変速機の軸方向においてこの順に配置され、
前記第1遊星歯車の何れか1つの回転要素と前記第2遊星歯車の何れか1つの回転要素と前記第3遊星歯車の何れか1つの回転要素とは、常時連結されて常時一体に回転する一体回転部であり、
前記ブレーキは、前記一体回転部を静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、
前記ブレーキは、前記ブレーキの少なくとも一部が前記第1遊星歯車よりも前記多段変速機の軸方向の前記第3遊星歯車側で且つ前記第3遊星歯車よりも前記軸方向の前記第1遊星歯車側に位置するように配置される、
ことを要旨とする。
この本開示の多段変速機では、第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車とは、多段変速機の軸方向においてこの順に配置され、第1遊星歯車の何れか1つの回転要素と第2遊星歯車の何れか1つの回転要素と第3遊星歯車の何れか1つの回転要素とは、常時連結されて常時一体に回転する一体回転部である。ブレーキは、一体回転部を静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除する。さらに、ブレーキは、ブレーキの少なくとも一部が第1遊星歯車よりも多段変速機の軸方向の第3遊星歯車側で且つ第3遊星歯車よりも軸方向の第1遊星歯車側に位置するように配置される。このようにすることにより、ブレーキが、多段変速機の径方向からみて第1遊星歯車または第3遊星歯車と軸方向に一致する(第1遊星歯車または第3遊星歯車と同心円上となる)ように配置されるものに比して、ブレーキの係合時の、多段変速機の軸方向における一体回転部の重心とブレーキにより静止部材に固定される位置とのずれを小さくすることができ、ブレーキの係合時に一体回転部が傾くのを抑制することができる。この結果、第1〜第3遊星歯車のギヤ間の噛合部などの負荷が大きくなるのを抑制することができ、第1〜第3遊星歯車などの耐久性が低下するのを抑制することができる。
本開示の一実施形態である多段変速機としての自動変速機20を備える動力伝達装置10の構成の概略を示す構成図である。 自動変速機20における入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。 自動変速機20の各変速段とクラッチC1,C2、ブレーキB1〜B4、ワンウェイクラッチF1の作動状態との関係を示す作動表である。 自動変速機20における第1〜第3遊星歯車21〜23およびブレーキB3周辺の断面図である。 本開示の他の実施形態である多段変速機としての自動変速機120を備える動力伝達装置110の構成の概略を示す構成図である。 本開示の他の実施形態である多段変速機としての自動変速機220を備える動力伝達装置210の構成の概略を示す構成図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の一実施形態である多段変速機としての自動変速機20を備える動力伝達装置10の構成の概略を示す構成図である。動力伝達装置10は、後輪駆動車両の前部に縦置きに配置される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトCSおよび/または電気モータのロータに接続されると共にエンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置10は、トランスミッションケース(静止部材)11や、発進装置(流体伝動装置)13、オイルポンプ19、エンジンから入力軸(入力部材)20iに伝達された動力を変速して出力軸(出力部材)20oに伝達する自動変速機20等を備える。
発進装置13は、図示しないドライブプレート等を介してエンジンのクランクシャフトCS等に連結されるフロントカバー13cや、フロントカバー13cに密に固定されるポンプシェルを有する入力側のポンプインペラ14、自動変速機20の入力軸20iに連結される出力側のタービンランナ15、ポンプインペラ14およびタービンランナ15の内側に配置されてタービンランナ15からポンプインペラ14への作動油(ATF)の流れを整流するステータ16、ステータ16の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ16a等を有するトルクコンバータ(流体伝動装置)を備える。なお、発進装置13は、ステータ16を有さない流体継手を備えるものとしてもよい。
また、発進装置13は、フロントカバー13cと自動変速機20の入力軸20iとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ17や、フロントカバー13cと自動変速機20の入力軸20iとの間で振動を減衰するダンパ機構18を備える。ロックアップクラッチ17は、ロックアップピストンおよびロックアップピストンに貼着された摩擦材を有する単板摩擦式油圧クラッチである。なお、ロックアップクラッチ17は、少なくとも1枚の摩擦係合プレートを有する多板摩擦式油圧クラッチであるものとしてもよい。オイルポンプ19は、エンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油(ATF)を吸引して図示しない油圧制御装置に圧送する。
自動変速機20は、8段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、発進装置13に連結される入力軸20iや、図示しないデファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸20oに加えて、自動変速機20(入力軸20iや出力軸20o)の軸方向に並んで配設される、シングルピニオン式の第1遊星歯車21、シングルピニオン式の第2遊星歯車22、シングルピニオン式の第3遊星歯車23、シングルピニオン式の第4遊星歯車24を備える。また、自動変速機20は、入力軸20iから出力軸20oまでの動力伝達経路を変更するための、第1係合要素としてのクラッチC1(第1クラッチ),第2係合要素としてのクラッチC2(第2クラッチ),第3係合要素としてのブレーキB1(第1ブレーキ),第4係合要素としてのブレーキB2(第2ブレーキ),第5係合要素としてのブレーキB3(第3ブレーキ)、第6係合要素としてのブレーキB4(第4ブレーキ)、第7係合要素としてのワンウェイクラッチF1を備える。
本実施形態において、第1〜第4遊星歯車21〜24は、発進装置13すなわちエンジン側(図1における左側)から第1遊星歯車21、第2遊星歯車22、第3遊星歯車23、第4遊星歯車24の順にトランスミッションケース11内に配置される。
第1遊星歯車21は、外歯歯車である第1サンギヤ21sと、第1サンギヤ21sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ21rと、それぞれ第1サンギヤ21sおよび第1リングギヤ21rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ21pと、複数の第1ピニオンギヤ21pを自転(回転)自在かつ公転自在に支持する第1キャリヤ21cと、を有する。第1遊星歯車21のギヤ比(第1サンギヤ21sの歯数/第1リングギヤ21rの歯数)λ1は、例えば、λ1=0.4286に定められている。
第2遊星歯車22は、外歯歯車である第2サンギヤ22sと、第2サンギヤ22sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ22rと、それぞれ第2サンギヤ22sおよび第2リングギヤ22rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ22pと、複数の第2ピニオンギヤ22pを自転(回転)自在かつ公転自在に支持する第2キャリヤ22cと、を有する。第2遊星歯車22のギヤ比(第2サンギヤ22sの歯数/第2リングギヤ22rの歯数)λ2は、例えば、λ2=0.5897に定められている。
第3遊星歯車23は、外歯歯車である第3サンギヤ23sと、第3サンギヤ23sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ23rと、それぞれ第3サンギヤ23sおよび第3リングギヤ23rに噛合する複数の第3ピニオンギヤ23pと、複数の第3ピニオンギヤ23pを自転(回転)自在かつ公転自在に支持する第3キャリヤ23cと、を有する。第3遊星歯車23のギヤ比(第3サンギヤ23sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)λ3は、例えば、λ3=0.3061に定められている。
第4遊星歯車24は、外歯歯車である第4サンギヤ24sと、第4サンギヤ24sと同心円上に配置される内歯歯車である第4リングギヤ24rと、それぞれ第4サンギヤ24sおよび第4リングギヤ24rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ24pと、複数の第4ピニオンギヤ24pを自転(回転)自在かつ公転自在に支持する第4キャリヤ24cと、を有する。第4遊星歯車24のギヤ比(第4サンギヤ24sの歯数/第4リングギヤ24rの歯数)λ4は、例えば、λ4=0.3514に定められている。
図1に示すように、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとは、入力軸20iに常時連結(固定)されており、入力軸20iと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cは、出力軸20oに常時連結(固定)されており、出力軸20oと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cと第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sと第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
このように、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cとが常時連結されると共に第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとが常時連結されるから、第1遊星歯車21および第2遊星歯車22は、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21s、常時連結された第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22c、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22s、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの複合遊星歯車機構として機能する。
また、第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sと第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sとが常時連結されると共に第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが常時連結されるから、第3遊星歯車23および第4遊星歯車24は、常時連結された第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24s、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24r、第3遊星歯車23の第3リングギヤ23r、第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの複合遊星歯車機構として機能する。
クラッチC1は、常時連結された第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと、入力軸20iと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sおよび入力軸20iと、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。ブレーキB1は、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sをトランスミッションケース(静止部材)11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第1サンギヤ21sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第2リングギヤ22rをトランスミッションケース11に対して回転自在に接続(固定)するものである。ブレーキB3は、常時連結された第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cおよび第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第1キャリヤ21cおよび第2キャリヤ22cおよび第3リングギヤ23rをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB4は、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第3キャリヤ23cおよび第4リングギヤ24rをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ワンウェイクラッチF1は、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rの正転を許容すると共に逆転を規制するものである。
クラッチC1,C2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される油室(係合油室およびキャンセル油室)等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。ブレーキB1〜B4としては、ピストン,複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート),作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキ(摩擦係合要素)が採用される。そして、クラッチC1〜C4およびブレーキB1〜B4は、図示しない油圧制御装置による作動油の給排を受けて動作する。
図2は、自動変速機20における入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図であり、図3は、自動変速機20の各変速段とクラッチC1,C2、ブレーキB1〜B4、ワンウェイクラッチF1の作動状態との関係を示す作動表である。なお、図2では、入力軸20iすなわち第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sの回転速度を値1とした。
図2に示すように、第1遊星歯車21および第2遊星歯車22の4つの回転要素、即ち、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21s、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22r、常時連結された第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22c、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sは、第1遊星歯車21および第2遊星歯車22の速度線図(図2における左側の速度線図)で、第1遊星歯車21のギヤ比λ1および第2遊星歯車22のギヤ比λ2に対応する間隔をおいて、図中左側からこの順に並ぶ。
また、第3遊星歯車23および第4遊星歯車24の4つの回転要素、即ち、常時連結された第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24s、第4遊星歯車24の第4キャリヤ24c、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24r、第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rは、第3遊星歯車23および第4遊星歯車24の速度線図(図2における右側の速度線図)で、第3遊星歯車23のギヤ比λ3および第4遊星歯車24のギヤ比λ4に対応する間隔をおいて、図中右側からこの順に並ぶ。
そして、自動変速機20では、クラッチC1,C2とブレーキB1〜B4とワンウェイクラッチF1とを図3に示すように係合または解放して第1〜第4遊星歯車21〜24の各回転要素の接続関係を変更することにより、入力軸20iから出力軸20oまでの間に前進回転方向に8通りおよび後進回転方向に1通りの動力伝達経路、即ち、第1速段から第8速段までの前進段と後進段とを形成することができる。
具体的には、前進第1速段は、基本的には、クラッチC1を係合すると共にクラッチC2およびブレーキB1〜B4を解放する(更にワンウェイクラッチF1が作動する)ことにより形成され、エンジンブレーキ時には、クラッチC1およびブレーキB4を係合すると共にクラッチC2およびブレーキB1〜B3を解放することにより形成される。本実施形態(第1〜第4遊星歯車21〜24のギヤ比λ1〜λ4がλ1=0.4286、λ2=0.5897、λ3=0.3061、λ4=0.3514である場合、以下同様)において、前進第1速段におけるギヤ比(入力軸20iの回転速度/出力軸20oの回転速度)γ1は、γ1=3.8462となる。
前進第2速段は、クラッチC1およびブレーキB3を係合すると共にクラッチC2およびブレーキB1,B2,B4を解放することにより形成される。本実施形態において、前進第2速段におけるギヤ比γ2は、γ2=2.3071となる。また、前進第1速段と前進第2速段との間のステップ比γ1/γ2は、γ1/γ2=1.667となる。
前進第3速段は、クラッチC1およびブレーキB2を係合すると共にクラッチC2およびブレーキB1,B3,B4を解放することにより形成される。本実施形態において、前進第3速段におけるギヤ比γ3は、γ3=1.5537となる。また、前進第2速段と前進第3速段との間のステップ比γ2/γ3は、γ2/γ3=1.485となる。
前進第4速段は、クラッチC1およびブレーキB1を係合すると共にクラッチC2およびブレーキB2〜B4を解放することにより形成される。本実施形態において、前進第4速段におけるギヤ比γ4は、γ4=1.2048となる。また、前進第3速段と前進第4速段との間のステップ比γ3/γ4は、γ3/γ4=1.290となる。
前進第5速段は、クラッチC1,C2を係合すると共にブレーキB1〜B4を解放することにより形成される。本実施形態において、前進第5速段におけるギヤ比γ5は、γ5=1.0000となる。また、前進第4速段と前進第5速段との間のステップ比γ4/γ5は、γ4/γ5=1.205となる。
前進第6速段は、クラッチC2およびブレーキB1を係合すると共にクラッチC1およびブレーキB2〜B4を解放することにより形成される。本実施形態において、前進第6速段におけるギヤ比γ6は、γ6=0.7969となる。また、前進第5速段と前進第6速段との間のステップ比γ5/γ6は、γ5/γ6=1.255となる。
前進第7速段は、クラッチC2およびブレーキB2を係合すると共にクラッチC1およびブレーキB1,B3,B4を解放することにより形成される。本実施形態において、前進第7速段におけるギヤ比γ7は、γ7=0.6518となる。また、前進第6速段と前進第7速段との間のステップ比γ6/γ7は、γ6/γ7=1.223となる。
前進第8速段は、クラッチC2およびブレーキB3を係合すると共にクラッチC1およびブレーキB1,B2,B4を解放することにより形成される。本実施形態において、前進第8速段におけるギヤ比γ8は、γ8=0.5407となる。また、前進第6速段と前進第7速段との間のステップ比γ7/γ8は、γ7/γ8=1.205となる。そして、自動変速機20におけるスプレッド(ギヤ比幅=最低速段である前進第1速段のギヤ比γ1/最高速段である前進第8速段のギヤ比γ8)は、γ1/γ8=7.113となる。
後進段は、ブレーキB2およびブレーキB4を係合すると共にクラッチC1,C2およびブレーキB1,B3を解放することにより形成される。本実施形態において、後進段におけるギヤ比γrevは、γrev=−3.1738となる。また、前進第1速段と後進段との間のステップ比|γrev/γ1|は、|γrev/γ1|=0.825となる。
図4は、自動変速機20における第1〜第3遊星歯車21〜23およびブレーキB3周辺の断面図である。図4のハッチングを付した部分に示すように、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cとが連結部材31を介して常時連結されると共に第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rとが連結部材32を介して常時連結(固定)されており、第1キャリヤ21cと連結部材31と第2キャリヤ22cと連結部材32と第3リングギヤ23rとが常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。以下、第1キャリヤ21cと第2キャリヤ22cと第3リングギヤ23rとを含む常時一体に回転する部分、具体的には、第1キャリヤ21cと連結部材31と第2キャリヤ22cと連結部材32と第3リングギヤ23rとを「一体回転部38」という。この一体回転部38の重心38gは、自動変速機20の中心軸CA上で且つ自動変速機20の軸方向において第1遊星歯車21と第3遊星歯車23との間に位置する。
また、図4に示すように、ブレーキB3は、連結部材31に連結(固定)されると共に自動変速機20の軸方向における第3遊星歯車23側に延びるブレーキハブ41と、ブレーキハブ41の外周面にスプライン嵌合される複数の摩擦プレート42と、トランスミッションケース11の内周面にスプライン嵌合される複数のセパレータプレート43およびバッキングプレート44と、摩擦プレート42およびセパレータプレート43を押圧可能なピストン45と、ピストン45を摩擦プレート42およびセパレータプレート43から離間する側に付勢する図示しないリターンスプリングと、を備える。摩擦プレート42は、両面に摩擦材が貼付された環状部材である。セパレータプレート43は、両面が平滑に形成された環状部材であり、自動変速機20の軸方向において摩擦プレート42と交互に並ぶようにトランスミッションケース11にスプライン嵌合される。バッキングプレート44は、複数の摩擦プレート42のうち図4における最も右側に配置される摩擦プレート42と当接可能となるようにトランスミッションケース11にスプライン嵌合される。ピストン45は、トランスミッションケース11に対して自動変速機20の軸方向に移動して摩擦プレート42およびセパレータプレート43を押圧して摩擦係合させる。
さらに、図4に示すように、ブレーキB3は、その少なくとも一部が自動変速機20の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置される。具体的には、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレート42およびセパレータプレート43)のうちの少なくとも一部が、自動変速機20の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置される。
詳細には、ブレーキB3は、その少なくとも一部が、自動変速機20の径方向からみて一体回転部38の重心38gおよび第2遊星歯車22と自動変速機20の軸方向に重なり且つ一体回転部38の重心38gおよび第2遊星歯車22の径方向外側に位置するように配置される。より詳細には、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機20の径方向からみて一体回転部38の重心38gおよび第2遊星歯車22と自動変速機20の軸方向に重なり且つ一体回転部38の重心38gおよび第2遊星歯車22の径方向外側に位置するように配置される。
ここで、比較形態として、ブレーキB3(複数の摩擦係合プレート)が自動変速機20の径方向からみて第1遊星歯車21または第3遊星歯車23と自動変速機20の軸方向に一致し(第1遊星歯車21または第3遊星歯車23と同心円上で)且つ第1遊星歯車21または第3遊星歯車23の径方向外側に配置される場合を考える。比較形態の場合、ブレーキB3の係合時には、自動変速機20の軸方向において一体回転部38の重心38gとブレーキB3によりトランスミッションケース11に固定される位置とがある程度大きくずれることにより、一体回転部38の軸がブレーキB3から近い側に対して遠い側で低くなるように一体回転部38が傾くことがある。一体回転部38が傾くと、各遊星歯車でのギヤ間の噛合部(特に、ブレーキB3から遠い側の遊星歯車でのギヤ間の噛合部)などの負荷が大きくなりやすい。そして、この状態が継続すると、第1〜第3遊星歯車21〜23などの耐久性の低下を招く可能性がある。
これらに対して、本実施形態では、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機20の径方向からみて一体回転部38の重心38gおよび第2遊星歯車22と自動変速機20の軸方向に重なり且つ一体回転部38の重心38gおよび第2遊星歯車22の径方向外側に位置するように配置される。これにより、ブレーキB3の係合時の、自動変速機20の軸方向における一体回転部38の重心38gとブレーキB3によりトランスミッションケース11に固定される位置とのずれを小さくすることができ、一体回転部38が傾くのを抑制することができる。この結果、第1〜第3遊星歯車21〜23でのギヤ間の噛合部などの負荷が大きくなるのを抑制することができ、第1〜第3遊星歯車21〜23などの耐久性が低下するのを抑制することができる。しかも、本実施形態では、ブレーキB3は、オーバードライブ且つ巡航走行用の変速段、具体的には、最高速段(前進第8速段)を形成する際に係合されるものであるから、本実施形態のようにすることにより、高速道路などで最高速段で巡航走行する際に、一体回転部38が傾くのを抑制することができ、第1〜第3遊星歯車21〜23などの耐久性が低下するのを抑制することができる。さらに、本実施形態では、一体回転部38に、比較的径の大きい第1キャリヤ21cや第3リングギヤ23rが含まれるから、比較的径の小さい第1サンギヤ21sや第3サンギヤ23sが含まれる場合に比して、一体回転部38が傾いたときに、その影響(不都合)が大きくなりやすい。このため、一体回転部38が傾くのを抑制することによる効果がより顕著なものとなる。
上述の実施形態の自動変速機20では、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機20の径方向からみて一体回転部38の重心38gおよび第2遊星歯車22と自動変速機20の軸方向に重なるように配置されるものとした。しかし、ブレーキB3は、その少なくとも一部(複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部)が自動変速機20の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置されるものであればよい。したがって、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機20の径方向からみて第2遊星歯車22とは自動変速機20の軸方向に重なるものの、一体回転部38の重心38gとは自動変速機20の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。また、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機20の径方向からみて一体回転部38の重心38gとは自動変速機20の軸方向に重なるものの、第2遊星歯車22とは自動変速機20の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。さらに、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートが、自動変速機20の径方向からみて一体回転部38の重心38gおよび第2遊星歯車22のうちの何れとも自動変速機20の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。これらの場合でも、ブレーキB3が自動変速機20の径方向からみて第1遊星歯車21または第3遊星歯車23と自動変速機20の軸方向に一致する(第1遊星歯車21または第3遊星歯車23と同心円上となる)ように配置される場合に比して、ブレーキB3の係合時の、自動変速機20の軸方向における一体回転部38の重心38gとブレーキB3によりトランスミッションケース11に固定される位置とのずれをある程度小さくすることができ、一体回転部38が傾くのをある程度抑制することができる。
上述の実施形態の自動変速機20では、第1〜第4遊星歯車21〜24のギヤ比λ1〜λ4がλ1=0.4286、λ2=0.5897、λ3=0.3061、λ4=0.3514であるものとした。しかし、第1〜第4遊星歯車21〜24のギヤ比λ1〜λ4は、これらの値に限定されるものではない。
図5は、本開示の他の実施形態である多段変速機としての自動変速機120を備える動力伝達装置110の構成の概略を示す構成図である。動力伝達装置110は、動力伝達装置10の自動変速機20を自動変速機120に置き換えたものに相当する。自動変速機120は、8段変速式の変速機として構成されており、図5に示すように、第1〜第4遊星歯車21〜24とクラッチC1,C2およびブレーキB1〜B4およびワンウェイクラッチF1とを備える。
自動変速機120の第1〜第4遊星歯車21〜24は、上述の自動変速機20の第1〜第4遊星歯車21〜24と同様に、第1〜第4サンギヤ21sと第1〜第4リングギヤ21r〜24rと第1〜第4ピニオンギヤ21p〜24pと第1〜第4キャリヤ21c〜24cとを有し、自動変速機120の発進装置13すなわちエンジン側(図5における左側)から第1遊星歯車21、第2遊星歯車22、第3遊星歯車23、第4遊星歯車24の順にトランスミッションケース11内に配置される。自動変速機220のクラッチC1,C2およびブレーキB1〜B4としては、自動変速機20のクラッチC1,C2およびブレーキB1〜B4と同様に、摩擦係合要素(多板摩擦式油圧クラッチおよび多板摩擦式油圧ブレーキ)が採用される。
図5に示すように、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sは、入力軸20iに常時連結(固定)されており、入力軸20iと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cは、出力軸20oに常時連結(固定)されており、出力軸20oと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cと第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sと第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
このように、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが常時連結されると共に第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cとが常時連結されるから、第1遊星歯車21および第2遊星歯車22は、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21s、常時連結された第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cおよび第2遊星歯車22の第2リングギヤ22r、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22c、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの複合遊星歯車機構として機能する。
また、第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sと第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sとが常時連結されると共に第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが常時連結されるから、第3遊星歯車23および第4遊星歯車24は、常時連結された第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24s、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24r、第3遊星歯車23の第3リングギヤ23r、第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの複合遊星歯車機構として機能する。
クラッチC1は、常時連結された第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと、入力軸20iと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、常時連結された第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sおよび入力軸20iと、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。ブレーキB1は、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sをトランスミッションケース(静止部材)11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第1サンギヤ21sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB2は、常時連結された第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cおよび第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第1キャリヤ21cおよび第2リングギヤ22rをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB3は、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cおよび第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第1リングギヤ21rおよび第2キャリヤ22cおよび第3リングギヤ23rをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB4は、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第3キャリヤ23cおよび第4リングギヤ24rをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ワンウェイクラッチF1は、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rの正転を許容すると共に逆転を規制するものである。
この自動変速機120では、クラッチC1,C2とブレーキB1〜B4とワンウェイクラッチF1とを上述の自動変速機20と同一の作動表(図3参照)によって係合または解放して第1〜第4遊星歯車21〜24の各回転要素の接続関係を変更することにより、入力軸20iから出力軸20oまでの間に前進回転方向に8通りおよび後進回転方向に1通りの動力伝達経路、即ち、第1速段から第8速段までの前進段と後進段とを形成することができる。
また、自動変速機120では、図5に示すように、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cと第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rとが連結部材131を介して常時連結されており、第1リングギヤ21rと第2キャリヤ22cと第3リングギヤ23rと連結部材131とが常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。以下、第1リングギヤ21rと第2キャリヤ22cと第3リングギヤ23rとを含む常時一体に回転する部分、具体的には、第1リングギヤ21rと第2キャリヤ22cと第3リングギヤ23rと連結部材131とを「一体回転部138」という。この一体回転部138の重心(図示省略)は、自動変速機120の中心軸(図示省略)上で且つ自動変速機120の軸方向において第1遊星歯車21と第3遊星歯車23との間に位置する。また、ブレーキB3は、連結部材131をトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共にその固定を解除することにより、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cおよび第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共にその固定を解除する。
さらに、図5に示すように、自動変速機120のブレーキB3は、その少なくとも一部が自動変速機120の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置される。具体的には、自動変速機120のブレーキB3は、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレート42およびセパレータプレート43)のうちの少なくとも一部が、自動変速機120の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置される。
詳細には、自動変速機120のブレーキB3は、自動変速機20のブレーキB3(図4参照)と同様に、その少なくとも一部が、自動変速機120の径方向からみて一体回転部138の重心および第2遊星歯車22と自動変速機120の軸方向に重なり且つ一体回転部138の重心および第2遊星歯車22の径方向外側に位置するように配置される。より詳細には、自動変速機120のブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機120の径方向からみて一体回転部138の重心および第2遊星歯車22と自動変速機120の軸方向に重なり且つ一体回転部138の重心および第2遊星歯車22の径方向外側に位置するように配置される。
これにより、上述の自動変速機20と同様の効果を奏する。具体的には、ブレーキB3の係合時の、自動変速機120の軸方向における一体回転部138の重心とブレーキB3によりトランスミッションケース11に固定される位置とのずれを小さくすることができ、一体回転部138が傾くのを抑制することができる。この結果、第1〜第3遊星歯車21〜23でのギヤ間の噛合部などの負荷が大きくなるのを抑制することができ、第1〜第3遊星歯車21〜23などの耐久性が低下するのを抑制することができる。しかも、この実施形態でも、自動変速機20と同様に、ブレーキB3は、オーバードライブ且つ巡航走行用の変速段、具体的には、最高速段(前進第8速段)を形成する際に係合されるものであるから、この実施形態のようにすることにより、高速道路などで最高速段で巡航走行する際に、一体回転部138が傾くのを抑制することができ、第1〜第3遊星歯車21〜23などの耐久性が低下するのを抑制することができる。さらに、この実施形態では、一体回転部138に、比較的径の大きい第1リングギヤ21rや第3リングギヤ23rが含まれるから、比較的径の小さい第1サンギヤ21sや第3サンギヤ23sが含まれる場合に比して、一体回転部138が傾いたときに、その影響(不都合)が大きくなりやすい。このため、一体回転部138が傾くのを抑制することによる効果がより顕著なものとなる。
上述の実施形態の自動変速機120では、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機120の径方向からみて一体回転部138の重心および第2遊星歯車22と自動変速機120の軸方向に重なるように配置されるものとした。しかし、ブレーキB3は、その少なくとも一部(複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部)が自動変速機120の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置されるものであればよい。したがって、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機120の径方向からみて第2遊星歯車22とは自動変速機120の軸方向に重なるものの、一体回転部138の重心とは自動変速機120の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。また、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機120の径方向からみて一体回転部138の重心とは自動変速機20の軸方向に重なるものの、第2遊星歯車22とは自動変速機120の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。さらに、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートが、自動変速機120の径方向からみて一体回転部138の重心および第2遊星歯車22のうちの何れとも自動変速機120の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。これらの場合でも、ブレーキB3が自動変速機120の径方向からみて第1遊星歯車21または第3遊星歯車23と自動変速機120の軸方向に一致する(第1遊星歯車21または第3遊星歯車23と同心円上となる)ように配置される場合に比して、ブレーキB3の係合時の、自動変速機120の軸方向における一体回転部138の重心とブレーキB3によりトランスミッションケース11に固定される位置とのずれをある程度小さくすることができ、一体回転部138が傾くのをある程度抑制することができる。
図7は、本開示の他の実施形態である多段変速機としての自動変速機220を備える動力伝達装置210の構成の概略を示す構成図である。動力伝達装置210は、動力伝達装置10の自動変速機20を自動変速機220に置き換えたものに相当する。自動変速機220は、8段変速式の変速機として構成されており、図7に示すように、第1〜第4遊星歯車21〜24とクラッチC1,C2およびブレーキB1〜B4およびワンウェイクラッチF1とを備える。
自動変速機220の第1〜第4遊星歯車21〜24は、上述の自動変速機20の第1〜第4遊星歯車21〜24と同様に、第1〜第4サンギヤ21sと第1〜第4リングギヤ21r〜24rと第1〜第4ピニオンギヤ21p〜24pと第1〜第4キャリヤ21c〜24cとを有し、自動変速機220の発進装置13すなわちエンジン側(図7における左側)から第1遊星歯車21、第2遊星歯車22、第3遊星歯車23、第4遊星歯車24の順にトランスミッションケース11内に配置される。自動変速機220のクラッチC1,C2およびブレーキB1〜B4としては、自動変速機20のクラッチC1,C2およびブレーキB1〜B4と同様に、摩擦係合要素(多板摩擦式油圧クラッチおよび多板摩擦式油圧ブレーキ)が採用される。
図7に示すように、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rは、入力軸20iに常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cは、出力軸20oに常時連結(固定)されており、出力軸20oと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sと第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cと第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sと第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとは、常時連結(固定)されており、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
このように、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sと第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとが常時連結されると共に第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cとが常時連結されるから、第1遊星歯車21および第2遊星歯車22は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22s、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21c、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22c、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの複合遊星歯車機構として機能する。
また、第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sと第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sとが常時連結されると共に第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが常時連結されるから、第3遊星歯車23および第4遊星歯車24は、常時連結された第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24s、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24r、第3遊星歯車23の第3リングギヤ23r、第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの複合遊星歯車機構として機能する。
クラッチC1は、常時連結された第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと、入力軸20iと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、常時連結された第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rおよび入力軸20iと、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。ブレーキB1は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sをトランスミッションケース(静止部材)11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第1サンギヤ21sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB2は、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cをトランスミッションケース(静止部材)11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第1サンギヤ21sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB3は、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cおよび第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第1リングギヤ21rおよび第2キャリヤ22cおよび第3リングギヤ23rをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB4は、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共に第3キャリヤ23cおよび第4リングギヤ24rをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ワンウェイクラッチF1は、常時連結された第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rの正転を許容すると共に逆転を規制するものである。
この自動変速機220では、クラッチC1,C2とブレーキB1〜B4とワンウェイクラッチF1とを上述の自動変速機20と同一の作動表(図3参照)によって係合または解放して第1〜第4遊星歯車21〜24の各回転要素の接続関係を変更することにより、入力軸20iから出力軸20oまでの間に前進回転方向に8通りおよび後進回転方向に1通りの動力伝達経路、即ち、第1速段から第8速段までの前進段と後進段とを形成することができる。
また、自動変速機220では、図7に示すように、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cと第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rとが連結部材231を介して常時連結されており、第1リングギヤ21rと第2キャリヤ22cと第3リングギヤ23rと連結部材231とが常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。以下、第1リングギヤ21rと第2キャリヤ22cと第3リングギヤ23rとを含む常時一体に回転する部分、具体的には、第1リングギヤ21rと第2キャリヤ22cと第3リングギヤ23rと連結部材231とを「一体回転部238」という。この一体回転部238の重心(図示省略)は、自動変速機220の中心軸(図示省略)上で且つ自動変速機220の軸方向において第1遊星歯車21と第3遊星歯車23との間に位置する。また、ブレーキB3は、連結部材231をトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共にその固定を解除することにより、常時連結された第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rおよび第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cおよび第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rをトランスミッションケース11に対して回転不能に接続(固定)すると共にその固定を解除する。
さらに、図7に示すように、自動変速機220のブレーキB3は、その少なくとも一部が自動変速機220の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置される。具体的には、自動変速機220のブレーキB3は、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレート42およびセパレータプレート43)のうちの少なくとも一部が、自動変速機220の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置される。
詳細には、自動変速機220のブレーキB3は、自動変速機20のブレーキB3(図4参照)と同様に、その少なくとも一部が、自動変速機220の径方向からみて一体回転部238の重心および第2遊星歯車22と自動変速機220の軸方向に重なり且つ一体回転部238の重心および第2遊星歯車22の径方向外側に位置するように配置される。より詳細には、自動変速機220のブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機220の径方向からみて一体回転部238の重心および第2遊星歯車22と自動変速機220の軸方向に重なり且つ一体回転部238の重心および第2遊星歯車22の径方向外側に位置するように配置される。
これにより、上述の自動変速機20と同様の効果を奏する。具体的には、ブレーキB3の係合時の、自動変速機220の軸方向における一体回転部238の重心とブレーキB3によりトランスミッションケース11に固定される位置とのずれを小さくすることができ、一体回転部238が傾くのを抑制することができる。この結果、第1〜第3遊星歯車21〜23でのギヤ間の噛合部などの負荷が大きくなるのを抑制することができ、第1〜第3遊星歯車21〜23などの耐久性が低下するのを抑制することができる。しかも、この実施形態でも、自動変速機20と同様に、ブレーキB3は、オーバードライブ且つ巡航走行用の変速段、具体的には、最高速段(前進第8速段)を形成する際に係合されるものであるから、この実施形態のようにすることにより、高速道路などで最高速段で巡航走行する際に、一体回転部238が傾くのを抑制することができ、第1〜第3遊星歯車21〜23などの耐久性が低下するのを抑制することができる。さらに、この実施形態では、一体回転部238に、比較的径の大きい第1リングギヤ21rや第3リングギヤ23rが含まれるから、比較的径の小さい第1サンギヤ21sや第3サンギヤ23sが含まれる場合に比して、一体回転部238が傾いたときに、その影響(不都合)が大きくなりやすい。このため、一体回転部238が傾くのを抑制することによる効果がより顕著なものとなる。
上述の実施形態の自動変速機220では、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機220の径方向からみて一体回転部238の重心および第2遊星歯車22と自動変速機220の軸方向に重なるように配置されるものとした。しかし、ブレーキB3は、その少なくとも一部(複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部)が自動変速機220の軸方向において第1遊星歯車21よりも第3遊星歯車23側で且つ第3遊星歯車23よりも第1遊星歯車21側に位置するように配置されるものであればよい。したがって、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機220の径方向からみて第2遊星歯車22とは自動変速機220の軸方向に重なるものの、一体回転部238の重心とは自動変速機220の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。また、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、自動変速機220の径方向からみて一体回転部238の重心とは自動変速機20の軸方向に重なるものの、第2遊星歯車22とは自動変速機120の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。さらに、ブレーキB3は、複数の摩擦係合プレートが、自動変速機220の径方向からみて一体回転部238の重心および第2遊星歯車22のうちの何れとも自動変速機220の軸方向に重ならないように配置されるものとしてもよい。これらの場合でも、ブレーキB3が自動変速機220の径方向からみて第1遊星歯車21または第3遊星歯車23と自動変速機220の軸方向に一致する(第1遊星歯車21または第3遊星歯車23と同心円上となる)ように配置される場合に比して、ブレーキB3の係合時の、自動変速機220の軸方向における一体回転部238の重心とブレーキB3によりトランスミッションケース11に固定される位置とのずれをある程度小さくすることができ、一体回転部238が傾くのをある程度抑制することができる。
上述の実施形態の自動変速機20,120,220では、クラッチC1,C2およびブレーキB1〜B4として、摩擦係合要素(多板摩擦式油圧クラッチおよび多板摩擦式油圧ブレーキ)が採用されるものとした。しかし、クラッチC1,C2およびブレーキB1〜B4のうちの少なくとも1つとして、噛み合い要素(ドグクラッチやドグブレーキ)が採用されるものとしてもよい。
以上説明したように、本開示の多段変速機は、入力部材(20i)に伝達された動力を変速して出力部材(20o)に伝達する多段変速機(20,120,220)であって、第1遊星歯車(21)と第2遊星歯車(22)と第3遊星歯車(23)とブレーキ(B3)とを備え、前記第1遊星歯車(21)と前記第2遊星歯車(22)と前記第3遊星歯車(23)とは、前記多段変速機(20,120,220)の軸方向においてこの順に配置され、前記第1遊星歯車(21)の何れか1つの回転要素と前記第2遊星歯車(22)の何れか1つの回転要素と前記第3遊星歯車(23)の何れか1つの回転要素とは、常時連結されて常時一体に回転する一体回転部(38,138,238)であり、前記ブレーキ(B3)は、前記一体回転部(38,138,238)を静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、前記ブレーキ(B3)は、前記ブレーキの少なくとも一部が前記第1遊星歯車(21)よりも前記多段変速機(20,120,220)の軸方向の前記第3遊星歯車(23)側で且つ前記第3遊星歯車(23)よりも前記軸方向の前記第1遊星歯車(21)側に位置するように配置されることを要旨とする。
この本開示の多段変速機では、第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車とは、多段変速機の軸方向においてこの順に配置され、第1遊星歯車の何れか1つの回転要素と第2遊星歯車の何れか1つの回転要素と第3遊星歯車の何れか1つの回転要素とは、常時連結されて常時一体に回転する一体回転部である。ブレーキは、一体回転部を静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除する。さらに、ブレーキは、ブレーキの少なくとも一部が第1遊星歯車よりも多段変速機の軸方向の第3遊星歯車側で且つ第3遊星歯車よりも軸方向の第1遊星歯車側に位置するように配置される。このようにすることにより、ブレーキが、多段変速機の径方向からみて第1遊星歯車または第3遊星歯車と軸方向に一致する(第1遊星歯車または第3遊星歯車と同心円上となる)ように配置されるものに比して、ブレーキの係合時の、多段変速機の軸方向における一体回転部の重心とブレーキにより静止部材に固定される位置とのずれを小さくすることができ、ブレーキの係合時に一体回転部が傾くのを抑制することができる。この結果、第1〜第3遊星歯車のギヤ間の噛合部などの負荷が大きくなるのを抑制することができ、第1〜第3遊星歯車などの耐久性が低下するのを抑制することができる。
こうした本開示の多段変速機において、前記ブレーキ(B3)は、ピストン(45)および複数の摩擦係合プレート(42,43)を有し、前記ブレーキ(B3)は、前記複数の摩擦係合プレート(42,43)のうちの少なくとも一部が、前記第1遊星歯車(21)よりも前記軸方向の前記第3遊星歯車(23)側で且つ前記第3遊星歯車(23)よりも前記軸方向の前記第1遊星歯車(21)側に位置するように配置されるものとしてもよい。
また、本開示の多段変速機において、前記ブレーキ(B3)は、前記ブレーキ(B3)の少なくとも一部が、前記多段変速機(20)の径方向からみて前記第2遊星歯車(22)と前記軸方向に重なり且つ前記第2遊星歯車(22)の径方向外側に位置するように配置されるものとしてもよい。この場合、前記ブレーキ(B3)は、ピストン(45)および複数の摩擦係合プレート(42,43)を有し、前記ブレーキ(B3)は、前記複数の摩擦係合プレート(42,43)のうちの少なくとも一部が、前記径方向からみて前記第2遊星歯車(22)と前記軸方向に重なり且つ前記第2遊星歯車(22)の径方向外側に位置するように配置されるものとしてもよい。これらのようにすれば、ブレーキの係合時の、多段変速機の軸方向における一体回転部の重心とブレーキにより静止部材に固定される位置とのずれをより小さくすることができ、ブレーキの係合時に一体回転部が傾くのをより抑制することができる。この場合、前記複数の摩擦係合プレート(42,43)のうちの一部(42)は、前記第1遊星歯車(21)と前記第2遊星歯車(22)との間の部分から前記第3遊星歯車(23)側に延出された延出部材(41)に連結されるものとしてもよい。
さらに、本開示の多段変速機において、前記ブレーキ(B3)は、前記ブレーキ(B3)の少なくとも一部が、前記多段変速機(20)の径方向からみて前記一体回転部(38,138,238)の重心と前記軸方向に重なり且つ前記重心の径方向外側に位置するように配置されるものとしてもよい。この場合、前記ブレーキ(B3)は、ピストンおよび複数の摩擦係合プレートを有し、前記ブレーキ(B3)は、前記複数の摩擦係合プレート(42,43)のうちの少なくとも一部が、前記径方向からみて前記重心と前記軸方向に重なり且つ前記重心の径方向外側に位置するように配置されるものとしてもよい。これらのようにすれば、ブレーキの係合時の、多段変速機の軸方向における一体回転部の重心とブレーキにより静止部材に固定される位置とのずれをより小さくすることができ、ブレーキの係合時に一体回転部が傾くのをより抑制することができる。この場合、前記複数の摩擦係合プレート(42,43)のうちの一部(42)は、前記第1遊星歯車(21)と前記第2遊星歯車(22)との間から前記第3遊星歯車(23)側に延出された延出部材(41)に連結されるものとしてもよい。
本開示の多段変速機において、前記ブレーキ(B3)は、オーバードライブ且つ巡航走行用の変速段を形成する際に係合されるものとしてもよい。また、前記ブレーキ(B3)は、最高速段を形成する際に係合されるものとしてもよい。これらの場合、高速巡航走行を行なう際に、一体回転部が傾くのをより抑制することができ、第1〜第3遊星歯車などの耐久性が低下するのを抑制することができる。
本開示の多段変速機において、前記第1遊星歯車(21)は、第1サンギヤ(21s)と、第1リングギヤ(21r)と、それぞれ前記第1サンギヤ(21s)および前記第1リングギヤ(21r)に噛合する複数の第1ピニオンギヤ(21p)を自転自在かつ公転自在に支持する第1キャリヤ(21c)と、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第2遊星歯車(22)は、第2サンギヤ(22s)と、第2リングギヤ(22r)と、それぞれ前記第2サンギヤ(22s)および前記第2リングギヤ(22r)に噛合する複数の第2ピニオンギヤ(22p)を自転自在かつ公転自在に支持する第2キャリヤ(22c)と、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第3遊星歯車(23)は、第3サンギヤ(23s)と、第3リングギヤ(23r)と、それぞれ前記第3サンギヤ(23s)および前記第3リングギヤ(23r)に噛合する複数の第3ピニオンギヤ(23p)を自転自在かつ公転自在に支持する第3キャリヤ(23c)と、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第1遊星歯車(21)の前記何れか1つの回転要素は、前記第1キャリヤ(21c)または前記第1リングギヤ(21r)であり、前記第3遊星歯車(23)の前記何れか1つの回転要素は、前記第3キャリヤ(23c)または前記第3リングギヤ(23r)であるものとしてもよい。一体回転部に、比較的径の大きい第1キャリヤまたは第1リングギヤと第3キャリヤまたは第3リングギヤとが含まれる場合、比較的径の小さい第1サンギヤや第3サンギヤが含まれる場合に比して、一体回転部が傾いたときに、その影響(不都合)が大きくなりやすい。このため、一体回転部が傾くのを抑制することによる効果がより顕著なものとなる。
第1〜第3遊星歯車が何れもシングルピニオン式の遊星歯車であると共に一体回転部に第1キャリヤまたは第1リングギヤと第3キャリヤまたは第3リングギヤとが含まれる態様の本開示の多段変速機において、第4遊星歯車(24)と第1クラッチ(C1)と第2クラッチ(C2)と第1ブレーキ(B1)と第2ブレーキ(B2)と第4ブレーキ(B4)とを更に備え、前記ブレーキ(B3)は、第3ブレーキ(B3)であり、前記第4遊星歯車(24)は、第4サンギヤ(24s)と、第4リングギヤ(24r)と、それぞれ前記第4サンギヤ(24s)および前記第4リングギヤ(24r)に噛合する複数の第4ピニオンギヤ(24p)を自転自在かつ公転自在に支持する第4キャリヤ(24c)と、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第1遊星歯車(21)の前記何れか1つの回転要素は、前記第1キャリヤ(21c)であり、前記第2遊星歯車(22)の前記何れか1つの回転要素は、前記第2キャリヤ(22c)であり、前記第3遊星歯車(23)の前記何れか1つの回転要素は、前記第3リングギヤ(23r)であり、前記第1リングギヤ(21r)と前記第2サンギヤ(22s)とは、前記入力部材(20i)に常時連結され、前記第4キャリヤ(24c)は、前記出力部材(20o)に常時連結され、前記第3サンギヤ(23s)と前記第4サンギヤ(24s)とは、常時連結され、前記第3キャリヤ(23c)と前記第4リングギヤ(24r)とは、常時連結され、前記第1クラッチ(C1)は、常時連結された前記第3サンギヤ(23s)および前記第4サンギヤ(24s)と、前記入力部材(20i)と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第2クラッチ(C2)は、常時連結された前記第1リングギヤ(21r)および前記第2サンギヤ(22s)および前記入力部材(20i)と、常時連結された前記第3キャリヤ(23c)および前記第4リングギヤ(24r)と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第1ブレーキ(B1)は、前記第1サンギヤ(21s)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、前記第2ブレーキ(B2)は、前記第2リングギヤ(22r)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、前記第4ブレーキ(B4)は、常時連結された前記第3キャリヤ(23c)および前記第4リングギヤ(24r)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除するものとしてもよい。
第1〜第3遊星歯車が何れもシングルピニオン式の遊星歯車であると共に一体回転部に第1キャリヤまたは第1リングギヤと第3キャリヤまたは第3リングギヤとが含まれる態様の本開示の多段変速機において、本開示の多段変速機において、第4遊星歯車(24)と第1クラッチ(C1)と第2クラッチ(C2)と第1ブレーキ(B1)と第2ブレーキ(B2)と第4ブレーキ(B4)とを更に備え、前記ブレーキ(B3)は、第3ブレーキ(B3)であり、前記第4遊星歯車(24)は、第4サンギヤ(24s)と、第4リングギヤ(24r)と、それぞれ前記第4サンギヤ(24s)および前記第4リングギヤ(24r)に噛合する複数の第4ピニオンギヤ(24p)を自転自在かつ公転自在に支持する第4キャリヤ(24c)と、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第1遊星歯車(21)の前記何れか1つの回転要素は、前記第1リングギヤ(21r)であり、前記第2遊星歯車(22)の前記何れか1つの回転要素は、前記第2キャリヤ(22c)であり、前記第3遊星歯車(23)の前記何れか1つの回転要素は、前記第3リングギヤ(23r)であり、前記第2サンギヤ(22s)は、前記入力部材(20i)に常時連結され、前記第4キャリヤ(24c)は、前記出力部材(20o)に常時連結され、前記第1キャリヤ(21c)と前記第2リングギヤ(22r)とは、常時連結され、前記第3サンギヤ(23s)と前記第4サンギヤ(24s)とは、常時連結され、前記第3キャリヤ(23c)と前記第4リングギヤ(24r)とは、常時連結され、前記第1クラッチ(C1)は、常時連結された前記第3サンギヤ(23s)および前記第4サンギヤ(24s)と、前記入力部材(20i)と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第2クラッチ(C2)は、常時連結された前記第2サンギヤ(22s)および前記入力部材(20i)と、常時連結された前記第3キャリヤ(23c)および前記第4リングギヤ(24r)と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第1ブレーキ(B1)は、前記第1サンギヤ(21s)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、前記第2ブレーキ(B2)は、常時連結された前記第1キャリヤ(21c)および前記第2リングギヤ(22r)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、前記第4ブレーキ(B4)は、常時連結された前記第3キャリヤ(23c)および前記第4リングギヤ(24r)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除するものとしてもよい。
第1〜第3遊星歯車が何れもシングルピニオン式の遊星歯車であると共に一体回転部に第1キャリヤまたは第1リングギヤと第3キャリヤまたは第3リングギヤとが含まれる態様の本開示の多段変速機において、本開示の多段変速機において、第4遊星歯車(24)と第1クラッチ(C1)と第2クラッチ(C2)と第1ブレーキ(B1)と第2ブレーキ(B2)と第4ブレーキ(B4)とを更に備え、前記ブレーキ(B3)は、第3ブレーキ(B3)であり、前記第4遊星歯車(24)は、第4サンギヤ(24s)と、第4リングギヤ(24r)と、それぞれ前記第4サンギヤ(24s)および前記第4リングギヤ(24r)に噛合する複数の第4ピニオンギヤ(24p)を自転自在かつ公転自在に支持する第4キャリヤ(24c)と、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第1遊星歯車(21)の前記何れか1つの回転要素は、前記第1リングギヤ(21r)であり、前記第2遊星歯車(22)の前記何れか1つの回転要素は、前記第2キャリヤ(22c)であり、前記第3遊星歯車(23)の前記何れか1つの回転要素は、前記第3リングギヤ(23r)であり、前記第2リングギヤ(22r)は、前記入力部材(20i)に常時連結され、前記第4キャリヤ(24c)は、前記出力部材(20o)に常時連結され、前記第1サンギヤ(21s)と前記第2サンギヤ(22s)とは、常時連結され、前記第3サンギヤ(23s)と前記第4サンギヤ(24s)とは、常時連結され、前記第3キャリヤ(23c)と前記第4リングギヤ(24r)とは、常時連結され、前記第1クラッチ(C1)は、常時連結された前記第3サンギヤ(23s)および前記第4サンギヤ(24s)と、前記入力部材(20i)と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第2クラッチ(C2)は、常時連結された前記第2リングギヤ(22r)および前記入力部材(20i)と、常時連結された前記第3キャリヤ(23c)および前記第4リングギヤ(24r)と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第1ブレーキ(B1)は、常時連結された前記第1サンギヤ(21s)および前記第2サンギヤ(22s)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、前記第2ブレーキ(B2)は、前記第1キャリヤ(21c)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、前記第4ブレーキ(B4)は、常時連結された前記第3キャリヤ(23c)および前記第4リングギヤ(24r)を前記静止部材(11)に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除するものとしてもよい。
これらの場合、前記第1クラッチ(C1)および前記第4ブレーキ(B4)の係合により前進第1速段を形成し、前記第1クラッチ(C1)および前記第3ブレーキ(B3)の係合により前進第2速段を形成し、前記第1クラッチ(C1)および前記第2ブレーキ(B2)の係合により前進第3速段を形成し、前記第1クラッチ(C1)および前記第1ブレーキ(B1)の係合により前進第4速段を形成し、前記第1クラッチ(C1)および前記第2クラッチ(C2)の係合により前進第5速段を形成し、前記第2クラッチ(C2)および前記第1ブレーキ(B1)の係合により前進第6速段を形成し、前記第2クラッチ(C2)および前記第2ブレーキ(B2)の係合により前進第7速段を形成し、前記第2クラッチ(C2)および前記第3ブレーキ(B3)の係合により前進第8速段を形成し、前記第2ブレーキ(B2)および前記第4ブレーキ(B4)の係合により後進段を形成するものとしてもよい。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、多段変速機の製造産業などに利用可能である。
10,110,210 動力伝達装置、11 トランスミッションケース、13 発進装置、13c フロントカバー、14 ポンプインペラ、15 タービンランナ、16 ステータ、16a ワンウェイクラッチ、17 ロックアップクラッチ、18 ダンパ機構、19 オイルポンプ、20,120,220 自動変速機、20i 入力軸、20o 出力軸、21 第1遊星歯車、21c 第1キャリヤ、21p 第1ピニオンギヤ、21r 第1リングギヤ、21s 第1サンギヤ、22 第2遊星歯車、22c 第2キャリヤ、22p 第2ピニオンギヤ、22r 第2リングギヤ、22s 第2サンギヤ、23 第3遊星歯車、23c 第3キャリヤ、23p 第3ピニオンギヤ、23r 第3リングギヤ、23s 第3サンギヤ、24 第4遊星歯車、24c 第4キャリヤ、24p 第4ピニオンギヤ、24r 第4リングギヤ、24s 第4サンギヤ、31,32,131,231 連結部材、38,138,238 一体回転部、38g 重心、41 ブレーキハブ、42 摩擦プレート、43 セパレータプレート、44 バッキングプレート、45 ピストン、B1,B2,B3,B4 ブレーキ、C1,C2 クラッチ、F1 ワンウェイクラッチ。

Claims (14)

  1. 入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機であって、
    第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車とブレーキとを備え、
    前記第1遊星歯車と前記第2遊星歯車と前記第3遊星歯車とは、前記多段変速機の軸方向においてこの順に配置され、
    前記第1遊星歯車の何れか1つの回転要素と前記第2遊星歯車の何れか1つの回転要素と前記第3遊星歯車の何れか1つの回転要素とは、常時連結されて常時一体に回転する一体回転部であり、
    前記ブレーキは、前記一体回転部を静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、
    前記ブレーキは、前記ブレーキの少なくとも一部が前記第1遊星歯車よりも前記多段変速機の軸方向の前記第3遊星歯車側で且つ前記第3遊星歯車よりも前記軸方向の前記第1遊星歯車側に位置するように配置される、
    多段変速機。
  2. 請求項1記載の多段変速機であって、
    前記ブレーキは、ピストンおよび複数の摩擦係合プレートを有し、
    前記ブレーキは、前記複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、前記第1遊星歯車よりも前記軸方向の前記第3遊星歯車側で且つ前記第3遊星歯車よりも前記軸方向の前記第1遊星歯車側に位置するように配置される、
    多段変速機。
  3. 請求項1または2記載の多段変速機であって、
    前記ブレーキは、前記ブレーキの少なくとも一部が、前記多段変速機の径方向からみて前記第2遊星歯車と前記軸方向に重なり且つ前記第2遊星歯車の径方向外側に位置するように配置される、
    多段変速機。
  4. 請求項3記載の多段変速機であって、
    前記ブレーキは、ピストンおよび複数の摩擦係合プレートを有し、
    前記ブレーキは、前記複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、前記径方向からみて前記第2遊星歯車と前記軸方向に重なり且つ前記第2遊星歯車の径方向外側に位置するように配置される、
    多段変速機。
  5. 請求項1または2記載の多段変速機であって、
    前記ブレーキは、前記ブレーキの少なくとも一部が、前記多段変速機の径方向からみて前記一体回転部の重心と前記軸方向に重なり且つ前記重心の径方向外側に位置するように配置される、
    多段変速機。
  6. 請求項5記載の多段変速機であって、
    前記ブレーキは、ピストンおよび複数の摩擦係合プレートを有し、
    前記ブレーキは、前記複数の摩擦係合プレートのうちの少なくとも一部が、前記径方向からみて前記重心と前記軸方向に重なり且つ前記重心の径方向外側に位置するように配置される、
    多段変速機。
  7. 請求項4または6記載の多段変速機であって、
    前記複数の摩擦係合プレートのうちの一部は、前記第1遊星歯車と前記第2遊星歯車との間の部分から前記第3遊星歯車側に延出された延出部材に連結される、
    多段変速機。
  8. 請求項1ないし7のうちの何れか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    前記ブレーキは、オーバードライブ且つ巡航走行用の変速段を形成する際に係合される、
    多段変速機。
  9. 請求項1ないし8のうちの何れか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    前記ブレーキは、最高速段を形成する際に係合される、
    多段変速機。
  10. 請求項1ないし9のうちの何れか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    前記第1遊星歯車は、第1サンギヤと、第1リングギヤと、それぞれ前記第1サンギヤおよび前記第1リングギヤに噛合する複数の第1ピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に支持する第1キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第2遊星歯車は、第2サンギヤと、第2リングギヤと、それぞれ前記第2サンギヤおよび前記第2リングギヤに噛合する複数の第2ピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に支持する第2キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第3遊星歯車は、第3サンギヤと、第3リングギヤと、それぞれ前記第3サンギヤおよび前記第3リングギヤに噛合する複数の第3ピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に支持する第3キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第1遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第1キャリヤまたは前記第1リングギヤであり、
    前記第3遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第3キャリヤまたは前記第3リングギヤである、
    多段変速機。
  11. 請求項10記載の多段変速機であって、
    第4遊星歯車と第1クラッチと第2クラッチと第1ブレーキと第2ブレーキと第4ブレーキとを更に備え、
    前記ブレーキは、第3ブレーキであり、
    前記第4遊星歯車は、第4サンギヤと、第4リングギヤと、それぞれ前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合する複数の第4ピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に支持する第4キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第1遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第1キャリヤであり、
    前記第2遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第2キャリヤであり、
    前記第3遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第3リングギヤであり、
    前記第1リングギヤと前記第2サンギヤとは、前記入力部材に常時連結され、
    前記第4キャリヤは、前記出力部材に常時連結され、
    前記第3サンギヤと前記第4サンギヤとは、常時連結され、
    前記第3キャリヤと前記第4リングギヤとは、常時連結され、
    前記第1クラッチは、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4サンギヤと、前記入力部材と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第2クラッチは、常時連結された前記第1リングギヤおよび前記第2サンギヤおよび前記入力部材と、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4リングギヤと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第1ブレーキは、前記第1サンギヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、
    前記第2ブレーキは、前記第2リングギヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、
    前記第4ブレーキは、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4リングギヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除する、
    多段変速機。
  12. 請求項10記載の多段変速機であって、
    第4遊星歯車と第1クラッチと第2クラッチと第1ブレーキと第2ブレーキと第4ブレーキとを更に備え、
    前記ブレーキは、第3ブレーキであり、
    前記第4遊星歯車は、第4サンギヤと、第4リングギヤと、それぞれ前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合する複数の第4ピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に支持する第4キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第1遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第1リングギヤであり、
    前記第2遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第2キャリヤであり、
    前記第3遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第3リングギヤであり、
    前記第2サンギヤは、前記入力部材に常時連結され、
    前記第4キャリヤは、前記出力部材に常時連結され、
    前記第1キャリヤと前記第2リングギヤとは、常時連結され、
    前記第3サンギヤと前記第4サンギヤとは、常時連結され、
    前記第3キャリヤと前記第4リングギヤとは、常時連結され、
    前記第1クラッチは、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4サンギヤと、前記入力部材と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第2クラッチは、常時連結された前記第2サンギヤおよび前記入力部材と、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4リングギヤと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第1ブレーキは、前記第1サンギヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、
    前記第2ブレーキは、常時連結された前記第1キャリヤおよび前記第2リングギヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、
    前記第4ブレーキは、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4リングギヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除する、
    多段変速機。
  13. 請求項10記載の多段変速機であって、
    第4遊星歯車と第1クラッチと第2クラッチと第1ブレーキと第2ブレーキと第4ブレーキとを更に備え、
    前記ブレーキは、第3ブレーキであり、
    前記第4遊星歯車は、第4サンギヤと、第4リングギヤと、それぞれ前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合する複数の第4ピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に支持する第4キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第1遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第1リングギヤであり、
    前記第2遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第2キャリヤであり、
    前記第3遊星歯車の前記何れか1つの回転要素は、前記第3リングギヤであり、
    前記第2リングギヤは、前記入力部材に常時連結され、
    前記第4キャリヤは、前記出力部材に常時連結され、
    前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとは、常時連結され、
    前記第3サンギヤと前記第4サンギヤとは、常時連結され、
    前記第3キャリヤと前記第4リングギヤとは、常時連結され、
    前記第1クラッチは、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4サンギヤと、前記入力部材と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第2クラッチは、常時連結された前記第2リングギヤおよび前記入力部材と、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4リングギヤと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第1ブレーキは、常時連結された前記第1サンギヤおよび前記第2サンギヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、
    前記第2ブレーキは、前記第1キャリヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除し、
    前記第4ブレーキは、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4リングギヤを前記静止部材に対して回転不能に固定すると共にその固定を解除する、
    多段変速機。
  14. 請求項11ないし13のうちの何れか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    前記第1クラッチおよび前記第4ブレーキの係合により前進第1速段を形成し、
    前記第1クラッチおよび前記第3ブレーキの係合により前進第2速段を形成し、
    前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキの係合により前進第3速段を形成し、
    前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキの係合により前進第4速段を形成し、
    前記第1クラッチおよび前記第2クラッチの係合により前進第5速段を形成し、
    前記第2クラッチおよび前記第1ブレーキの係合により前進第6速段を形成し、
    前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキの係合により前進第7速段を形成し、
    前記第2クラッチおよび前記第3ブレーキの係合により前進第8速段を形成し、
    前記第2ブレーキおよび前記第4ブレーキの係合により後進段を形成する、
    多段変速機。
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