JP2019100427A - 変速機 - Google Patents

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Keita Suwa
敬太 須和
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剛 深谷
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Abstract

【課題】コストアップを抑制しつつ軽量・コンパクト化を図ると共に変速性能を向上させることができる8段変速式の変速機の提供。【解決手段】本開示の変速機では、第1遊星歯車の第1キャリヤが第2遊星歯車の第2キャリヤに常時連結され、第2遊星歯車の第2キャリヤが第3遊星歯車の第3リングギヤに常時連結され、第1ブレーキは、第1遊星歯車の第1サンギヤを静止部材に接続して回転不能に固定可能であり、第2ブレーキは、第2遊星歯車の第2リングギヤを静止部材に接続して回転不能に固定可能であり、第3ブレーキは、常時連結された第3キャリヤおよび第4リングギヤを静止部材に接続して回転不能に固定可能であり、第1および第2ブレーキの同時係合により、常時連結される第1キャリヤ、第2キャリヤおよび第3リングギヤの回転が停止される。【選択図】図1

Description

本開示は、原動機から入力軸に伝達された動力を変速して出力軸に伝達する変速機に関する。
従来、この種の変速機として、シングルピニオン式の第1から第4遊星歯車、第1から第3クラッチ、第1から第4ブレーキおよびワンウェイクラッチを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この変速機では、入力軸と第1遊星歯車のリングギヤと第2遊星歯車のサンギヤとが常時連結され、第1遊星歯車のキャリヤと第2遊星歯車のキャリヤと第3遊星歯車のリングギヤとが常時連結され、第3遊星歯車のサンギヤと前記第4遊星歯車のサンギヤとが常時連結され、第4遊星歯車のキャリヤが出力軸に常時連結される。更に、第1クラッチは、入力軸に第3遊星歯車のサンギヤを選択的に連結し、第2クラッチは、入力軸に第3遊星歯車のキャリヤを選択的に連結し、第3クラッチは、入力軸に第1遊星歯車のリングギヤを選択的に連結する。また、第1ブレーキは、第2遊星歯車のリングギヤの回転を選択的に規制し、第2ブレーキは、第3遊星歯車のリングギヤの回転を選択的に規制し、第3ブレーキは、第1遊星歯車のサンギヤの回転を選択的に規制し、第4ブレーキは、第4遊星歯車のリングギヤの回転を選択的に規制する。かかる変速機は、変速比ステップ(ステップ比)をバランスよく保ちつつ、第1速段から第8速段までの前進段を提供する。
特許第4798022号公報
しかしながら、特許文献1に記載された変速機は、3つのクラッチに加えて、4つのブレーキとワンウェイクラッチとを含むものであり、当該変速機の低コスト化および軽量・コンパクト化を図るのは容易ではない。また、特許文献1に記載の変速機では、第3遊星歯車のリングギヤの回転を選択的に規制する第2ブレーキの係合時(変速時)におけるトルク分担が大きく、当該第2ブレーキの軸長または外径を大きくしてトルク容量を確保する必要があり、装置全体の大型化や重量増を招いてしまう。
そこで、本開示は、コストアップを抑制しつつ軽量・コンパクト化を図ることができる8段変速式の変速機の提供を主目的とする。
本開示の変速機は、原動機から入力軸に伝達された動力を変速して出力軸に伝達する変速機において、第1サンギヤ、第1キャリヤおよび第1リングギヤを含むシングルピニオン式の第1遊星歯車と、第2サンギヤ、第2キャリヤおよび第2リングギヤを含むシングルピニオン式の第2遊星歯車と、第3サンギヤ、第3キャリヤおよび第3リングギヤを含むシングルピニオン式の第3遊星歯車と、第4サンギヤ、第4キャリヤおよび第4リングギヤを含むシングルピニオン式の第4遊星歯車と、それぞれ前記第1から第4遊星歯車の回転要素の何れかを他の回転要素に接続すると共に両者の接続を解除する第1、第2および第3クラッチと、それぞれ前記第1から第4遊星歯車の回転要素の何れかを静止部材に接続すると共に両者の接続を解除する第1、第2および第3ブレーキとを含み、前記第1遊星歯車の前記第1キャリヤは、前記第2遊星歯車の前記第2キャリヤまたは前記第2リングギヤに常時連結され、前記第1遊星歯車の前記第1リングギヤは、前記第2遊星歯車の前記第2サンギヤまたは前記第2キャリヤに常時連結され、前記第2遊星歯車の前記第2キャリヤは、前記第3遊星歯車の前記第3リングギヤに常時連結され、前記第3遊星歯車の前記第3サンギヤは、前記第4遊星歯車の前記第4サンギヤに常時連結され、前記第3遊星歯車の第3キャリヤは、前記第4遊星歯車の前記第4リングギヤに常時連結され、前記第4遊星歯車の前記第4キャリヤは、前記出力軸に常時連結され、前記第1クラッチは、前記入力軸と、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4サンギヤとを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第2クラッチは、前記入力軸と、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4リングギヤとを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第3クラッチは、前記入力軸と前記第2サンギヤとを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第1ブレーキは、前記第1遊星歯車の前記第1サンギヤを前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第2ブレーキは、前記第2遊星歯車の前記第2リングギヤを前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第3ブレーキは、常時連結された前記第3キャリヤおよび第4リングギヤを前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第1から第3クラッチおよび前記第1から第3ブレーキのうちの何れか3つを選択的に係合させることにより、第1速段から第8速段までの前進段および後進段が形成され、前記第1および第2ブレーキの同時係合により、常時連結される前記第1キャリヤまたは前記第1リングギヤ、前記第2キャリヤおよび前記第3リングギヤの回転が停止されるものである。
本開示の変速機は、第1から第4遊星歯車、第1から第3クラッチ、および第1から第3ブレーキを含み、当該第1から第3クラッチおよび第1から第3ブレーキのうちの何れか3つを選択的に係合させることにより第1速段から第8速段までの前進段および後進段を形成するものである。そして、第1および第2ブレーキの同時係合により、常時連結される第1キャリヤまたは第1リングギヤ、第2キャリヤおよび第3リングギヤの回転が停止される。これにより、第3遊星歯車の第3リングギヤを回転不能に固定するブレーキを省略することができる。この結果、8段変速式の変速機のコストアップを抑制しつつ軽量・コンパクト化を図ることが可能となる。
本開示の変速機を含む動力伝達装置の概略構成図である。 本開示の変速機を示す断面図である。 図1の動力伝達装置の変速機における各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を示す作動表である。 図1の動力伝達装置の変速機における入力回転速度に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。 本開示の変速機を示す要部拡大断面図である。 本開示の他の変速機を含む動力伝達装置の概略構成図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の変速機である自動変速機30を含む動力伝達装置20の概略構成図であり、図2は、自動変速機30を示す断面図である。これらの図面に示す動力伝達装置20は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトCSおよび/または電気モータのロータに接続されると共にエンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置20は、トランスミッションケース(静止部材)22や、発進装置(流体伝動装置)23、オイルポンプ29、エンジン等から入力軸(入力部材)30iに伝達された動力を変速して出力軸(出力部材)30oに伝達する自動変速機30等を含む。
発進装置23は、図示しないドライブプレート等を介してエンジンのクランクシャフトCS等に連結されるフロントカバー23cや、当該フロントカバー23cに密に固定されるポンプシェルを有する入力側のポンプインペラ24、自動変速機30の入力軸30iに連結される出力側のタービンランナ25、ポンプインペラ24およびタービンランナ25の内側に配置されてタービンランナ25からポンプインペラ24への作動油(ATF)の流れを整流するステータ26、ステータ26の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ26a等を有するトルクコンバータ(流体伝動装置)を含む。なお、発進装置23は、ステータ26を有さない流体継手を含むものであってもよい。
更に、発進装置23は、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバー23cと自動変速機30の入力軸30iとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ27と、フロントカバー23cと自動変速機30の入力軸30iとの間で振動を減衰するダンパ機構28とを含む。本実施形態において、ロックアップクラッチ27は、ロックアップピストンおよび当該ロックアップピストンに貼着された摩擦材を有する単板摩擦式油圧クラッチである。ただし、ロックアップクラッチ27は、少なくとも1枚の摩擦係合プレートを有する多板摩擦式油圧クラッチであってもよい。オイルポンプ29は、エンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油を吸引して図示しない油圧制御装置へと圧送する。
自動変速機30は、8段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸30iや図示しないデファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸30oに加えて、自動変速機30(入力軸30iや出力軸30o)の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1、第2、第3および第4遊星歯車31,32,33,34を含む。更に、自動変速機30は、入力軸30iから出力軸30oまでの動力伝達経路を変更するための第1係合要素としてのクラッチC1(第1クラッチ)、第2係合要素としてのクラッチC2(第2クラッチ)、第3係合要素としてのクラッチC3(第3クラッチ)、第4係合要素としてのブレーキB1(第1ブレーキ)、第5係合要素としてのブレーキB2(第2ブレーキ)、および第6係合要素としてのブレーキB3(第3ブレーキ)を含む。本実施形態において、第1から第4遊星歯車31−34は、発進装置23すなわちエンジン側(図1における左側)から、第1遊星歯車31、第2遊星歯車32、第3遊星歯車33、第4遊星歯車34という順番でトランスミッションケース22内に配置される。
第1遊星歯車31は、外歯歯車である第1サンギヤ31sと、第1サンギヤ31sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ31rと、それぞれ第1サンギヤ31sおよび第1リングギヤ31rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ31pと、複数の第1ピニオンギヤ31pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第1キャリヤ(プラネタリキャリヤ)31cとを有する。本実施形態において、第1遊星歯車31のギヤ比λ1(第1サンギヤ31sの歯数/第1リングギヤ31rの歯数)は、例えば、λ1=0.488である。
第2遊星歯車32は、外歯歯車である第2サンギヤ32sと、第2サンギヤ32sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ32rと、それぞれ第2サンギヤ32sおよび第2リングギヤ32rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ32pと、複数の第2ピニオンギヤ32pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第2キャリヤ(プラネタリキャリヤ)32cとを有する。本実施形態において、第2遊星歯車32のギヤ比λ2(第2サンギヤ32sの歯数/第2リングギヤ32rの歯数)は、例えば、λ2=0.539である。
第3遊星歯車33は、外歯歯車である第3サンギヤ33sと、第3サンギヤ33sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ33rと、それぞれ第3サンギヤ33sおよび第3リングギヤ33rに噛合する複数の第3ピニオンギヤ33pと、複数の第3ピニオンギヤ33pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第3キャリヤ(プラネタリキャリヤ)33cとを有する。本実施形態において、第3遊星歯車33のギヤ比λ3(第3サンギヤ33sの歯数/第3リングギヤ33rの歯数)は、例えば、λ3=0.306である。
第4遊星歯車34は、外歯歯車である第4サンギヤ34sと、第4サンギヤ34sと同心円上に配置される内歯歯車である第4リングギヤ34rと、それぞれ第4サンギヤ34sおよび第4リングギヤ34rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ34pと、複数の第4ピニオンギヤ34pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第4キャリヤ(プラネタリキャリヤ)34cとを有する。本実施形態において、第4遊星歯車34のギヤ比λ4(第4サンギヤ34sの歯数/第4リングギヤ34rの歯数)は、例えば、λ4=0.351である。
図1および図2に示すように、第1遊星歯車31の第1キャリヤ31cと第2遊星歯車32の第2キャリヤ32cとは、第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rを包囲する連結部材35を介して常時連結されている。本実施形態において、連結部材35は、図2に示すように、第1遊星歯車31の第1キャリヤ31cに固定される第1連結部材351と、第2遊星歯車32の第2キャリヤ32cに固定される第2連結部材352とを含む。第1連結部材351は、第2遊星歯車32側の端部が開放されると共に第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rを包囲する筒状部を有し、第2連結部材352は、第1遊星歯車31側の端部が開放されると共に第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rを包囲する筒状部を有する。また、第1連結部材351の筒状部の外周面および第2連結部材352の筒状部の内周面には、それぞれスプラインが形成されている。そして、第1連結部材351の筒状部は、第2連結部材352の筒状部にスプライン嵌合され、それにより第1遊星歯車31の第1キャリヤ31cと第2遊星歯車32の第2キャリヤ32cとが常時連結される。更に、第2遊星歯車32の第2キャリヤ32cは、第3遊星歯車33の第3リングギヤ33rに常時連結されている。これにより、第1キャリヤ31c、第2キャリヤ32cおよび第3リングギヤ33rは、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
また、第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rは、第2遊星歯車32の第2サンギヤ32sに常時連結されており、第1リングギヤ31rおよび第2サンギヤ32sは、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。更に、第3遊星歯車33の第3サンギヤ33sは、第4遊星歯車34の第4サンギヤ34sに常時連結されており、第3および第4サンギヤ33s,34sは、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。また、第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cは、第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rに常時連結されており、第3キャリヤ33cおよび第4リングギヤ34rは、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。そして、第4遊星歯車34の第4キャリヤ34cは出力軸30oに常時連結されており、第4キャリヤ34cおよび出力軸30oは、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
クラッチC1は、入力軸30iと、当該入力軸30iおよび出力軸30oに対して同軸に回転自在であると共に第3遊星歯車の第3サンギヤ33sおよび第4遊星歯車34の第4サンギヤ34sに常時連結された中間軸30mとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、入力軸30iと、第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cに常時連結された中空の連結軸36、すなわち常時連結された第3キャリヤ33cおよび第4リングギヤ34rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC3は、入力軸30iと、第2遊星歯車32の第2サンギヤ32sに常時連結された中空の連結軸37、すなわち常時連結された第1リングギヤ31rおよび第2サンギヤ32sとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。
なお、本実施形態では、図2に示すように、第1遊星歯車の第1サンギヤ31sおよび第1キャリヤ31cは、第2サンギヤ32sに常時連結された連結軸37の外周面によりそれぞれ回転自在に支持される。これにより、第1サンギヤ31sを支持する軸部と、第1キャリヤ31cを支持する軸部とが互いに異なる場合に比べて、連結軸37から第1サンギヤ31sおよび第1キャリヤ31cに伝達される振動が第1遊星歯車31のギヤ同士の噛み合いに与える影響を小さくすることが可能となる。
ブレーキB1は、第1遊星歯車31の第1サンギヤ31sを静止部材としてのトランスミッションケース22に対して回転不能に接続(固定)すると共に当該第1サンギヤ31sをトランスミッションケース22に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rをトランスミッションケース22に対して回転不能に接続(固定)すると共に当該第2リングギヤ32rをトランスミッションケース22に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB3は、常時連結された第3キャリヤ33cおよび第4リングギヤ34rをトランスミッションケース22に対して回転不能に接続(固定)すると共に両者をトランスミッションケース22に対して回転自在に解放するものである。
本実施形態において、クラッチC1−C3として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。また、ブレーキB1−B3としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。更に、クラッチC1,C2およびブレーキB1−B3は、図示しない油圧制御装置により作動油が給排されることで動作する。
また、本実施形態において、第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rは、図2に示すように、中間軸30mにより回転自在に支持される環状のリングギヤフランジ34rfを含む。更に、第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cは、ピニオンシャフトを支持すると共に当該ピニオンシャフトよりも内周側で第4リングギヤ34rのリングギヤフランジ34rfに常時連結される環状のフランジ部33cfを含む。更に、ブレーキB3は、第3キャリヤ33cのフランジ部33cfに固定(常時連結)されるブレーキハブ600を含む。これにより、第4リングギヤ34rの振動は、リングギヤフランジ34rfを経由して中間軸30mに伝達され、当該中間軸30m付近で減衰される。この結果、ブレーキハブ600を第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rに固定する場合に比べて、ブレーキB3の係合時に第4リングギヤ34rからトランスミッションケース22に伝達される振動に起因したノイズを低減することが可能となる。
図3に自動変速機30の各変速段とクラッチC1−C3およびブレーキB1−B3の作動状態との関係を表した作動表を示し、図4に自動変速機30における入力軸30iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図を示す。自動変速機30は、クラッチC1−C3およびブレーキB1−B3を図3の作動表に示す状態とすることで、第1速段から第8速段までの前進段および後進段を提供する。
具体的には、前進第1速段は、クラッチC1、ブレーキB2およびB3を係合させると共に、残余のクラッチC2,C3およびブレーキB1を解放させることにより形成される。すなわち、前進第1速段の形成に際しては、クラッチC1により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3サンギヤ33sおよび第4遊星歯車34の第4サンギヤ34sとが互いに接続され、ブレーキB2により第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定されると共に、ブレーキB3により第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cおよび第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定される。本実施形態(第1−第4遊星歯車31−34のギヤ比がλ1=0.488,λ2=0.539,λ3=0.306,λ4=0.351である場合、以下同様)において、前進第1速段におけるギヤ比(入力軸30iの回転速度/出力軸30oの回転速度)γ1は、γ1=3.846となる。なお、前進第1速段では、第2遊星歯車32がトルクを伝達することはなく、ブレーキB3の係合(第3キャリヤ33cの回転停止)に伴って第2リングギヤ32rの回転も停止することになるが、ここでは、ブレーキB2もブレーキB3と共に係合させられる。
前進第2速段は、クラッチC1、ブレーキB1およびB2を係合させると共に、残余のクラッチC2,C3およびブレーキB3を解放させることにより形成される。すなわち、前進第2速段の形成に際しては、クラッチC1により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3サンギヤ33sおよび第4遊星歯車34の第4サンギヤ34sとが互いに接続され、ブレーキB1により第1遊星歯車31の第1サンギヤ31sがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定されると共に、ブレーキB2により第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第2速段におけるギヤ比γ2は、γ2=2.307となり、前進第1速段と前進第2速段との間のステップ比は、γ1/γ2=1.667となる。
前進第3速段は、クラッチC1,C3およびブレーキB2を係合させると共に、残余のクラッチC2、ブレーキB1およびB3を解放させることにより形成される。すなわち、前進第3速段の形成に際しては、クラッチC1により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3サンギヤ33sおよび第4遊星歯車34の第4サンギヤ34sとが互いに接続されると共に、クラッチC3により入力軸30iと第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rおよび第2遊星歯車32の第2サンギヤ32sとが互いに接続され、更に、ブレーキB2により第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第3速段におけるギヤ比γ3は、γ3=1.583となり、前進第2速段と前進第3速段との間のステップ比は、γ2/γ3=1.457となる。
前進第4速段は、クラッチC1,C3およびブレーキB1を係合させると共に、残余のクラッチC2,ブレーキB2およびB3を解放させることにより形成される。すなわち、前進第4速段の形成に際しては、クラッチC1により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3サンギヤ33sおよび第4遊星歯車34の第4サンギヤ34sとが互いに接続されると共に、クラッチC3により入力軸30iと第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rおよび第2遊星歯車32の第2サンギヤ32sとが互いに接続され、更に、ブレーキB1により第1遊星歯車31の第1サンギヤ31sがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第4速段におけるギヤ比γ4は、γ4=1.228となり、前進第3速段と前進第4速段との間のステップ比は、γ3/γ4=1.289となる。
前進第5速段は、クラッチC1,C2およびC3を係合させると共に、残余のブレーキB1,B2およびB3を解放させることにより形成される。すなわち、前進第5速段の形成に際しては、クラッチC1により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3サンギヤ33sおよび第4遊星歯車34の第4サンギヤ34sとが互いに接続されると共に、クラッチC2により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cおよび第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rとが互いに接続され、更に、クラッチC3により入力軸30iと第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rおよび第2遊星歯車32の第2サンギヤ32sとが互いに接続される。本実施形態において、前進第5速段におけるギヤ比γ5は、γ5=1.000となり、前進第4速段と前進第5速段との間のステップ比は、γ4/γ5=1.228となる。なお、前進第5速段では、第2遊星歯車32がトルクを伝達することはなく、クラッチC1,C3の係合に伴って第2リングギヤ32rは入力軸30iと同一回転速度で回転することになるが、ここでは、クラッチC2もクラッチC1およびC3と共に係合させられる。
前進第6速段は、クラッチC2,C3およびブレーキB1を係合させると共に、残余のクラッチC1、ブレーキB2およびB3を解放させることにより形成される。すなわち、前進第5速段の形成に際しては、クラッチC2により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cおよび第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rとが互いに接続されると共に、クラッチC3により入力軸30iと第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rおよび第2遊星歯車32の第2サンギヤ32sとが互いに接続され、更に、ブレーキB1により第1遊星歯車31の第1サンギヤ31sがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第6速段におけるギヤ比γ6は、γ6=0.782となり、前進第5速段と前進第6速段との間のステップ比は、γ5/γ6=1.279となる。
前進第7速段は、クラッチC2,C3およびブレーキB2を係合させると共に、残余のクラッチC1、ブレーキB1およびB3を解放させることにより形成される。すなわち、前進第7速段の形成に際しては、クラッチC2により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cおよび第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rとが互いに接続されると共に、クラッチC3により入力軸30iと第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rおよび第2遊星歯車32の第2サンギヤ32sとが互いに接続され、更に、ブレーキB2により第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第7速段におけるギヤ比γ7は、γ7=0.644となり、前進第6速段と前進第7速段との間のステップ比は、γ6/γ7=1.214となる。
前進第8速段は、クラッチC2、ブレーキB1およびB2を係合させると共に、残余のクラッチC1,C3およびブレーキB3を解放させることにより形成される。すなわち、前進第8速段の形成に際しては、クラッチC2により入力軸30iと第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cおよび第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rとが互いに接続され、ブレーキB1により第1遊星歯車31の第1サンギヤ31sがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定されると共に、ブレーキB2により第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第8速段におけるギヤ比γ8は、γ8=0.541となり、前進第7速段と前進第8速段との間のステップ比は、γ7/γ8=1.192となる。
後進段は、クラッチC3、ブレーキB2およびB3を係合させると共に、残余のクラッチC1,C2およびブレーキB1を解放させることにより形成される。すなわち、後進段の形成に際しては、クラッチC3により入力軸30iと第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rおよび第2遊星歯車32の第2サンギヤ32sとが互いに接続され、ブレーキB2により第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定されると共に、ブレーキB3により第3遊星歯車33の第3キャリヤ33cおよび第4遊星歯車34の第4リングギヤ34rがトランスミッションケース22に対して回転不能に固定される。本実施形態において、後進段におけるギヤ比γrevは、γrev=−3.364となり、前進第1速段と後進段との間のステップ比は、|γrev/γ1|=0.875となる。なお、自動変速機30では、クラッチC3、ブレーキB1およびB3を係合させると共に、残余のクラッチC1,C2およびブレーキB2を解放させることにより、図4において二点鎖線で示すようなギヤ比の後進段を形成することもできる。
上述のように、自動変速機30によれば、クラッチC1−C3およびブレーキB1−B3のうちの何れか3つを選択的に係合させることにより第1速段から第8速段までの前進段と後進段とを提供することが可能となる。この結果、自動変速機30では、スプレッドをより大きくして(本実施形態では、7.113)動力の伝達効率すなわち車両の燃費や加速性能を向上させると共に、ステップ比を適正化(より大きくなるのを抑制)して変速フィーリング(変速前後における加減速のフィーリング)を向上させることができる。従って、自動変速機30によれば、動力の伝達効率とドライバビリティーとの双方を良好に向上させることができる。
また、自動変速機30では、第1遊星歯車31の第1キャリヤ31c、第2遊星歯車32の第2キャリヤ32cおよび第3遊星歯車33の第3リングギヤ33rが常時連結されており、クラッチC1の係合により第3遊星歯車33の第3サンギヤ33sにエンジンからのトルク(動力)が伝達される際に、第1サンギヤ31sのトルク分担は、第3リングギヤ33にトルク分担に比べて小さくなる。すなわち、第3サンギヤ33sにエンジンからのトルクが伝達される際、第3リングギヤ33rのトルク分担と、第1サンギヤ31sのトルク分担との比は、33r:31s≒1/λ3:λ1/{λ3・(1+λ1)}となる。従って、第1サンギヤ31sを回転不能に固定するブレーキB1のトルク分担は小さくなる。
これにより、自動変速機30では、クラッチC1、ブレーキB2およびB3クラッチの同時係合により前進第1速段が形成された状態で、ブレーキB2の係合を維持したまま、ブレーキB3を解放させると共にトルク分担が小さいブレーキB1を係合させることで、前進第1速段からクラッチC1、ブレーキB1およびB2の同時係合により形成される前進第2速段への変速をスムースに実行することが可能となる。更に、ブレーキB1およびB2の係合により、常時連結される第1キャリヤ31c、第2キャリヤ32cおよび第3リングギヤ33rを回転不能に固定することができるので、トルク分担が大きくなる第3遊星歯車33の第3リングギヤ33rを回転不能に固定するブレーキ(引用文献1におけるブレーキB−2)を省略して装置全体の大型化や重量増を抑制することができる。この結果、8段変速式の自動変速機30のコストアップを抑制しつつ軽量・コンパクト化を図ると共に変速性能を向上させることが可能となる。なお、クラッチC1、ブレーキB2およびB3の係合により形成される変速段と、クラッチC1、ブレーキB1およびB2の係合により形成される変速段は、連続した変速段であれば、必ずしも前進第1速段および前進第2速段には限られない。
図5は、自動変速機30を示す要部拡大断面図である。同図に示すように、自動変速機30のブレーキB1は、第1遊星歯車31の第1サンギヤ31sに常時連結(固定)されるブレーキハブ400と、複数の摩擦プレート(第1摩擦係合プレート)4fと、摩擦プレート4fと交互に配設される複数のセパレータプレート4sおよびバッキングプレート(第2摩擦係合プレート)と、摩擦プレート4fおよびセパレータプレート4sを押圧して摩擦係合させるピストン410と、ピストン410を支持するブレーキシリンダ(ピストン支持部材)420とを含む。
ブレーキハブ400は、第1サンギヤ31sに固定される環状部401と、当該環状部401から上述の連結部材35を包囲するように延出された円筒状の筒状部402とを含む。筒状部402の外周部には、スプラインが形成されており、当該スプラインには、摩擦プレート4fの内周部が嵌合される。摩擦プレート4fは、環状の板体と当該板体の両面に貼着された摩擦材とを含むものである。また、セパレータプレート4sは、両面が平滑に形成された環状の板体であり、当該セパレータプレート4sの外周部は、トランスミッションケース22の内周部に形成されたスプラインに嵌合される。ピストン410は、環状の受圧部411と、当該受圧部411の外周部から軸方向に延出された環状のプレート押圧部412とを含む。
ブレーキシリンダ420は、環状壁部421と、環状壁部421の内周部から軸方向に延出された円筒状の内筒部422と、当該内筒部422を包囲するように環状壁部421の外周部から軸方向に延出された円筒状の外筒部423を含む。外筒部423の外周面には、トランスミッションケース22の内周部に形成されたスプラインに嵌まり合うスプラインが形成されている。図示するように、ピストン410は、受圧部411の内周面がブレーキシリンダ420の内筒部422により摺動自在に支持されると共に、プレート押圧部412の外周部がブレーキシリンダ420の外筒部423により摺動自在に支持されるように当該ブレーキシリンダ420内に嵌合される。また、受圧部411の内周面と内筒部422との間、およびプレート押圧部412の外周部と外筒部423との間には、それぞれシール部材が配置される。これにより、ピストン410は、ブレーキシリンダ420の環状壁部421、内筒部422および外筒部423と共にブレーキB1の係合油室430を画成する。係合油室430には、図示しない油路を介して油圧制御装置により調圧されたブレーキB1への係合油圧(作動油)が供給される。
更に、ブレーキシリンダ420の内筒部422の遊端部の外周面(外筒部423により包囲される表面)には、複数のリターンスプリングSP4を支持する環状のスプリングシート(スプリング支持部材)440が固定される。本実施形態において、リターンスプリングSP4は、コイルスプリングであり、スプリングシート440は、それぞれ対応するリターンスプリングSP4の一端部を保持する複数のスプリング係止部を有する。スプリングシート440は、各リターンスプリングSP4の他端部がピストン410の受圧部411に当接するように内筒部422に嵌合され、当該内筒部422の外周面には、スプリングシート440の軸方向移動を規制するスナップリング445が装着される。これにより、スプリングシート440は、ピストン410に対して係合油室430とは軸方向における反対側に位置するように内筒部422に固定され、当該スプリングシート440および各リターンスプリングSP4は、径方向と外側に位置するピストン410の環状のプレート押圧部412により包囲される。また、各リターンスプリングSP4は、ピストン410を摩擦プレート4fおよびセパレータプレート4sから離間するように係合油室430側に付勢する。なお、リターンスプリングSP4は、単一の板バネであってもよい。
ピストン410、ブレーキシリンダ420、スプリングシート440および複数のリターンスプリングSP4等は、一体のアセンブリとして組み立てられた後、トランスミッションケース22に組み付けられる。そして、ブレーキシリンダ420の外筒部423は、内筒部422が径方向内側に位置すると共に、ピストン410のプレート押圧部412の端面が当該ピストン410に近接したセパレータプレート4sに当接可能になるようにトランスミッションケース22の内周部にスプライン嵌合される。より詳細には、ブレーキシリンダ420は、第2リングギヤ32rの少なくとも一部を包囲すると共に内筒部422がブレーキハブ400の筒状部402よりも径方向内側に位置し、かつプレート押圧部412が筒状部402よりも径方向外側に位置するようにトランスミッションケース22の内周部に嵌合される。更に、トランスミッションケース22の内周部には、当該ブレーキシリンダ420の軸方向移動を規制するスナップリング425が装着される。
上述のように、自動変速機30では、ブレーキシリンダ420の内筒部422により支持されるピストン410と、ブレーキシリンダ420の内筒部422に固定されたスプリングシート440との間に複数のリターンスプリングSP4が配置され、ブレーキシリンダ420は、内筒部422が径方向内側に位置するようにトランスミッションケース22の内周部に固定される。更に、ピストン410は、スプリングシート440およびリターンスプリングSP4を包囲する環状のプレート押圧部412を含む。このように、リターンスプリングSP4をトランスミッションケース22から径方向内側に離間するように配置することで、ピストン410に近接したセパレータプレート4sに環状のプレート押圧部412を全周にわたって当接させることができる。これにより、ブレーキB1の係合に伴う摩擦プレート4fおよびセパレータプレート4sの傾きを抑制し、プレート4f,4s間における面圧の偏りによるトルク容量のバラつきを低減化することが可能となるので、自動変速機30の変速性能をより向上させることができる。
また、自動変速機30では、ブレーキシリンダ420、ピストン410、スプリングシート440およびリターンスプリングSP4等を一体のアセンブリとして組み立てた上でトランスミッションケース22に組み付けることができるので、組付性を向上させることが可能となる。
更に、自動変速機30では、図2に示すように、第1遊星歯車31の第1キャリヤ31cと第2遊星歯車32の第2キャリヤ32cとを常時連結する連結部材35が第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rを包囲すると共に、ブレーキB1のブレーキハブ400の筒状部402が当該連結部材35を包囲する。このため、トランスミッションケース22内におけるブレーキB1の摩擦プレート4fおよびセパレータプレート4sの側方(図2における右側、ブレーキB1とブレーキB2の軸方向における間)であって第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rの周囲には、空間が画成される。これを踏まえて、自動変速機30では、第2遊星歯車32の周囲に画成される空間に、第2リングギヤ32rの少なくとも一部を包囲すると共に内筒部422がブレーキハブ400の筒状部402、第1および第2連結部材351,352の筒状部よりも径方向内側に位置し、かつプレート押圧部412が筒状部402よりも径方向外側に位置するようにブレーキシリンダ420すなわち上述のアセンブリが配置される。これにより、自動変速機30の大型化(大径化)を抑制しつつ、リターンスプリングSP4をトランスミッションケース22から径方向内側に離間するように配置することができるので、セパレータプレート4sにピストン410のプレート押圧部412を全周にわたって良好に当接させることが可能となる。
図6は、本開示の他の変速機である自動変速機30Bを含む動力伝達装置20Bの概略構成図である。なお、動力伝達装置20Bおよび自動変速機30Bの構成要素のうち、上述の動力伝達装置20および自動変速機30と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図6に示す自動変速機30Bでは、第1遊星歯車31の第1キャリヤ31cが当該第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rを包囲する連結部材35を介して第2遊星歯車32の第2リングギヤ32rに常時連結される。また、第1遊星歯車31の第1リングギヤ31rは、第2遊星歯車32の第2キャリヤ32cに常時連結される。かかる自動変速機30Bにおいても、上述の自動変速機30におけるものと同様の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本開示の変速機は、原動機から入力軸(30i)に伝達された動力を変速して出力軸(30o)に伝達する変速機(30)において、第1サンギヤ(31s)、第1キャリヤ(31c)および第1リングギヤ(31r)を含むシングルピニオン式の第1遊星歯車(31)と、第2サンギヤ(32s)、第2キャリヤ(32c)および第2リングギヤ(32r)を含むシングルピニオン式の第2遊星歯車(32)と、第3サンギヤ(33s)、第3キャリヤ(33c)および第3リングギヤ(31r)を含むシングルピニオン式の第3遊星歯車(33)と、第4サンギヤ(34s)、第4キャリヤ(34c)および第4リングギヤ(34r)を含むシングルピニオン式の第4遊星歯車(34)と、それぞれ前記第1から第4遊星歯車(31,32,33,34)の回転要素の何れかを他の回転要素に接続すると共に両者の接続を解除する第1、第2および第3クラッチ(C1,C,2,C3)と、それぞれ前記第1から第4遊星歯車(31,32,33,34)の回転要素の何れかを静止部材(22)に接続すると共に両者の接続を解除する第1、第2および第3ブレーキ(B1,B2,B3)とを含み、前記第1遊星歯車(31)の前記第1キャリヤ(31c)は、前記第2遊星歯車(32)の前記第2キャリヤ(32c)または前記第2リングギヤ(32r)に常時連結され、前記第1遊星歯車(31)の前記第1リングギヤ(31r)は、前記第2遊星歯車(32)の前記第2サンギヤ(32s)または前記第2キャリヤ(32c)に常時連結され、前記第2遊星歯車(32)の前記第2キャリヤ(32c)は、前記第3遊星歯車(33)の前記第3リングギヤ(33r)に常時連結され、前記第3遊星歯車(33)の前記第3サンギヤ(33s)は、前記第4遊星歯車(34)の前記第4サンギヤ(34s)に常時連結され、前記第3遊星歯車(33)の前記第3キャリヤ(33c)は、前記第4遊星歯車(34)の前記第4リングギヤ(34r)に常時連結され、前記第4遊星歯車(34)の前記第4キャリヤ(34c)は、前記出力軸(30o)に常時連結され、前記第1クラッチ(C1)は、前記入力軸(30i)と、常時連結された前記第3サンギヤ(33s)および前記第4サンギヤ(34s)とを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、第2クラッチ(C2)は、前記入力軸(30i)と、常時連結された前記第3キャリヤ(33c)および前記第4リングギヤ(34r)とを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、第3クラッチ(C3)は、前記入力軸(30i)と前記第2サンギヤ(32s)とを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第1ブレーキ(B1)は、前記第1遊星歯車(31)の前記第1サンギヤ(31s)を前記静止部材(22)に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第2ブレーキ(B2)は、前記第2遊星歯車(32)の前記第2リングギヤ(32r)を前記静止部材(22)に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第3ブレーキ(B3)は、常時連結された前記第3キャリヤ(33c)および第4リングギヤ(34r)を前記静止部材(22)に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第1から第3クラッチ(C1,C,2,C3)および前記第1から第3ブレーキ(B1,B2,B3)のうちの何れか3つを選択的に係合させることにより、第1速段から第8速段までの前進段および後進段が形成され、前記第1および第2ブレーキ(B1,B2)の同時係合により、常時連結される前記第1キャリヤ(31c)または前記第1リングギヤ(31r)、前記第2キャリヤ(32c)および前記第3リングギヤ(33r)の回転が停止されるものである。
本開示の変速機は、第1から第4遊星歯車、第1から第3クラッチ、および第1から第3ブレーキを含み、当該第1から第3クラッチおよび第1から第3ブレーキのうちの何れか3つを選択的に係合させることにより第1速段から第8速段までの前進段および後進段を形成するものである。そして、第1および第2ブレーキの同時係合によって常時連結される第1キャリヤまたは第1リングギヤ、第2キャリヤおよび第3リングギヤの回転が停止される。これにより、第3遊星歯車の第3リングギヤを回転不能に固定するブレーキを省略することができる。この結果、8段変速式の変速機のコストアップを抑制しつつ軽量・コンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記前進段は、前記第1クラッチ(C1)、前記第2および第3ブレーキ(B2,B3)の係合により形成される変速段と、前記第1クラッチ(C1)、前記第1および第2ブレーキ(B1,B2)の係合により形成される変速段とを連続して含んでもよい。
すなわち、本開示の変速機では、第1遊星歯車の第1キャリヤ(または第1リングギヤ)、第2遊星歯車の第2キャリヤおよび第3遊星歯車の第3リングギヤが常時連結されており、第1クラッチの係合により第3遊星歯車の第3サンギヤに原動機からの動力が伝達される際に、第1サンギヤのトルク分担は、第3リングギヤのトルク分担に比べて小さくなる。従って、当該第1サンギヤを回転不能に固定する第1ブレーキのトルク分担は小さくなる。これにより、本開示の変速機では、第1クラッチ、第2および第3ブレーキの同時係合により変速段が形成された状態で、第2ブレーキの係合を維持したまま、第3ブレーキを解放させると共にトルク分担が小さい第1ブレーキを係合させることで、当該変速段から第1クラッチ、第1および第2ブレーキの同時係合により形成される変速段への変速をスムースに実行することが可能となる。この結果、8段変速式の変速機の変速性能を向上させることが可能となる。
更に、前記第1クラッチ(C1)、前記第2ブレーキ(B2)および前記第3ブレーキ(B3)の係合により前進第1速段が形成されてもよく、前記第1クラッチ(C1)、前記第1ブレーキ(B1)および前記第2ブレーキ(B2)の係合により前進第2速段が形成されてもよく、前記第1クラッチ(C1)、前記第3クラッチ(C3)および前記第2ブレーキ(B2)の係合により前進第3速段が形成されてもよく、前記第1クラッチ(C1)、前記第3クラッチ(C3)および前記第1ブレーキ(B1)の係合により前進第4速段が形成されてもよく、前記第1クラッチ(C1)、前記第2クラッチ(C2)および前記第3クラッチ(C3)の係合により前進第5速段が形成されてもよく、前記第2クラッチ(C2)、前記第3クラッチ(C3)および前記第1ブレーキ(B1)の係合により前進第6速段が形成されてもよく、前記第2クラッチ(C2)、前記第3クラッチ(C3)および前記第2ブレーキ(B2)の係合により前進第7速段が形成されてもよく、前記第2クラッチ(C2)、前記第1ブレーキ(B1)および前記第2ブレーキ(B2)の係合により前進第8速段が形成されてもよく、前記第3クラッチ(C3)、前記第2ブレーキ(B2)および前記第3ブレーキ(B3)の係合により後進段が形成されてもよい。
本開示の他の変速機は、それぞれケース(22)内に収容された第1,第2,第3および第4遊星歯車(31,32,33,34)、3つのクラッチ(C1,C2,C3)、および3つのブレーキ(B1,B2,B3)を含み、原動機から入力軸(30i)に伝達された動力を変速して出力軸(30o)に伝達する変速機(30)において、前記3つのブレーキの少なくとも何れか1つ(B1)は、前記第1から第4遊星歯車(31,32,33,34)の回転要素の何れか(31s)に常時連結されるブレーキハブ(400)と、前記ブレーキハブ(400)に嵌合される第1摩擦係合プレート(4f)と、前記ケース(22)に嵌合される第2摩擦係合プレート(4s)と、前記第1および第2摩擦係合プレート(4f,4s)を押圧して摩擦係合させるピストン(410)と、環状壁部(421)と、前記環状壁部(421)の内周部から軸方向に延出されると共に前記ピストン(410)を支持する内筒部(422)とを含み、前記ピストン(410)と共に係合油室(430)を画成するピストン支持部材(420)と、前記ピストン(410)に対して前記係合油室(430)とは反対側に位置するように前記ピストン支持部材(420)の前記内筒部(422)に固定されるスプリング支持部材(440)と、前記ピストン(410)と前記スプリング支持部材(440)との間に配置されて該ピストン(410)を前記係合油室(430)側に付勢するリターンスプリング(SP4)とを含み、前記ピストン支持部材(420)は、前記内筒部(422)が径方向内側に位置するように前記ケース(22)の内周部に固定され、前記ピストン(410)が、前記スプリング支持部材(440)および前記リターンスプリング(SP4)を包囲する環状のプレート押圧部(412)を含むものである。
かかる変速機では、ピストン支持部材の内筒部により支持されるピストンと、ピストン支持部材の内筒部に固定されたスプリング支持部材との間にリターンスプリングが配置され、ピストン支持部材は、内筒部が径方向内側に位置するようにケースの内周部に固定される。更に、ピストンは、スプリング支持部材およびリターンスプリングを包囲する環状のプレート押圧部を含む。このように、リターンスプリングをケースから径方向内側に離間するように配置することで、ピストンに近接した第1または第2摩擦係合プレートに環状のプレート押圧部を全周にわたって当接させることができる。これにより、ブレーキの係合に伴う第1および第2摩擦係合プレートの傾きを抑制し、変速機の変速性能をより向上させることが可能となる。
また、前記ピストン支持部材(420)は、前記内筒部(422)を包囲するように前記環状壁部(421)の外周部から軸方向に延出された外筒部(423)を更に含んでもよく、前記ピストン(410)は、前記ピストン支持部材(420)の前記内筒部(422)および前記外筒部(423)により支持されて前記環状壁部(421)、前記内筒部(422)および前記外筒部(423)と共に前記係合油室(430)を画成してもよく、前記ピストン支持部材(420)の前記外筒部(423)は、前記ケース(22)の前記内周部に嵌合されると共にスナップリング(425)を介して該ケース(22)に固定されてもよい。これにより、ピストン支持部材、ピストン、スプリング支持部材およびリターンスプリングを一体のアセンブリとして組み立てた上でケースに組み付けることができるので、変速機の組付性を向上させることが可能となる。
更に、前記第1遊星歯車(31)は、第1サンギヤ(31s)、第1キャリヤ(31c)および第1リングギヤ(31r)を含んでもよく、前記第2遊星歯車(32)は、第2サンギヤ(32s)、第2キャリヤ(32c)および第2リングギヤ(32r)を含んでもよく、前記少なくとも何れか1つのブレーキは、前記第1遊星歯車(31)の前記第1サンギヤ(31s)を前記ケース(22)に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除するブレーキ(B1)であってもよく、前記第1遊星歯車(31)の前記第1キャリヤ(31)と前記第2遊星歯車(32)の前記第2キャリヤ(32c)または前記第2リングギヤ(32r)とは、前記第1遊星歯車(31)の前記第1リングギヤ(31r)を包囲する連結部材(35)を介して常時連結されてもよく、前記ブレーキハブ(400)は、前記第1サンギヤ(31s)に固定される環状部(401)と、前記連結部材(35)を包囲するように前記環状部(401)から延出されると共に前記第1摩擦係合プレート(4f)が嵌合される筒状部(402)とを含んでもよく、前記ピストン支持部材(420)は、前記第2遊星歯車(32)の前記第2リングギヤ(32r)の少なくとも一部を包囲すると共に、前記内筒部(422)が前記ブレーキハブの前記筒状部(402)よりも径方向内側に位置するように前記ケース(22)に固定されてもよい。かかる変速機では、第1遊星歯車の第1キャリヤと第2遊星歯車の第2キャリヤまたは第2リングギヤとを常時連結する連結部材が第1遊星歯車の第1リングギヤを包囲すると共に、ブレーキハブの筒状部が当該連結部材を包囲する。このため、ケース内におけるブレーキの第1および第2摩擦係合プレートの側方であって第2遊星歯車の周囲には、空間が画成される。これを踏まえて、この変速機では、第2遊星歯車の周囲に画成される空間に、第2リングギヤの少なくとも一部を包囲すると共に内筒部がブレーキハブの筒状部よりも径方向内側に位置するようにピストン支持部材が配置される。これにより、変速機の大型化(大径化)を抑制しつつ、リターンスプリングをケースから径方向内側に離間するように配置することができるので、第1または第2摩擦係合プレートにピストンのプレート押圧部を全周にわたって良好に当接させることが可能となる。
また、前記連結部材(35、351,352)は、前記第1遊星歯車(31)の前記第1リングギヤ(31r)を包囲する筒状部を含んでもよく、前記ピストン支持部材(420)は、前記内筒部(422)が前記連結部材(35、351,352)の前記筒状部よりも径方向内側に位置するように前記ケース(22)に固定されてもよい。
更に、前記変速機(30)の前記出力軸(30o)は、前記原動機を搭載した車両の後輪に連結されてもよい。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、変速機の製造産業等において利用可能である。
20,20B 動力伝達装置、22 トランスミッションケース、23 発進装置、23c フロントカバー、24 ポンプインペラ、25 タービンランナ、26 ステータ、26a ワンウェイクラッチ、27 ロックアップクラッチ、28 ダンパ機構、29 オイルポンプ、30,30B 自動変速機、30i 入力軸、30m 中間軸、30o 出力軸、31 第1遊星歯車、31c 第1キャリヤ、31p 第1ピニオンギヤ、31r 第1リングギヤ、31s 第1サンギヤ、32 第2遊星歯車、32c 第2キャリヤ、32p 第2ピニオンギヤ、32r 第2リングギヤ、32s 第2サンギヤ、33 第3遊星歯車、33c 第3キャリヤ、33cf フランジ部、33p 第3ピニオンギヤ、33r 第3リングギヤ、33s 第3サンギヤ、34 第4遊星歯車、34c 第4キャリヤ、34p 第4ピニオンギヤ、34r 第4リングギヤ、34rf リングギヤフランジ、34s 第4サンギヤ、35 連結部材、351 第1連結部材、352 第2連結部材、36,37 連結軸、400,600 ブレーキハブ、401 環状部、402 筒状部、4f 摩擦プレート、4s セパレータプレート、410 ピストン、411 受圧部、412 プレート押圧部、420 ブレーキシリンダ、421 環状壁部、422 内筒部、423 外筒部、425,445 スナップリング、430 係合油室、440 スプリングシート、B1,B2,B3 ブレーキ、C1,C2,C3 クラッチ、SP4 リターンスプリング。

Claims (8)

  1. 原動機から入力軸に伝達された動力を変速して出力軸に伝達する変速機において、
    第1サンギヤ、第1キャリヤおよび第1リングギヤを含むシングルピニオン式の第1遊星歯車と、
    第2サンギヤ、第2キャリヤおよび第2リングギヤを含むシングルピニオン式の第2遊星歯車と、
    第3サンギヤ、第3キャリヤおよび第3リングギヤを含むシングルピニオン式の第3遊星歯車と、
    第4サンギヤ、第4キャリヤおよび第4リングギヤを含むシングルピニオン式の第4遊星歯車と、
    それぞれ前記第1から第4遊星歯車の回転要素の何れかを他の回転要素に接続すると共に両者の接続を解除する第1、第2および第3クラッチと、
    それぞれ前記第1から第4遊星歯車の回転要素の何れかを静止部材に接続すると共に両者の接続を解除する第1、第2および第3ブレーキとを備え、
    前記第1遊星歯車の前記第1キャリヤは、前記第2遊星歯車の前記第2キャリヤまたは前記第2リングギヤに常時連結され、
    前記第1遊星歯車の前記第1リングギヤは、前記第2遊星歯車の前記第2サンギヤまたは前記第2キャリヤに常時連結され、
    前記第2遊星歯車の前記第2キャリヤは、前記第3遊星歯車の前記第3リングギヤに常時連結され、
    前記第3遊星歯車の前記第3サンギヤは、前記第4遊星歯車の前記第4サンギヤに常時連結され、
    前記第3遊星歯車の前記第3キャリヤは、前記第4遊星歯車の前記第4リングギヤに常時連結され、
    前記第4遊星歯車の前記第4キャリヤは、前記出力軸に常時連結され、
    前記第1クラッチは、前記入力軸と、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4サンギヤとを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第2クラッチは、前記入力軸と、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4リングギヤとを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第3クラッチは、前記入力軸と前記第2サンギヤとを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第1ブレーキは、前記第1遊星歯車の前記第1サンギヤを前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、
    前記第2ブレーキは、前記第2遊星歯車の前記第2リングギヤを前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、
    前記第3ブレーキは、常時連結された前記第3キャリヤおよび第4リングギヤを前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、
    前記第1から第3クラッチおよび前記第1から第3ブレーキのうちの何れか3つを選択的に係合させることにより、第1速段から第8速段までの前進段および後進段が形成され、前記第1および第2ブレーキの同時係合により、常時連結される前記第1キャリヤまたは前記第1リングギヤ、前記第2キャリヤおよび前記第3リングギヤの回転が停止される変速機。
  2. 請求項1に記載の変速機において、
    前記前進段は、前記第1クラッチ、前記第2および第3ブレーキの係合により形成される変速段と、前記第1クラッチ、前記第1および第2ブレーキの係合により形成される変速段とを連続して含む変速機。
  3. 請求項1または2に記載の変速機において、
    前記第1クラッチ、前記第2ブレーキおよび前記第3ブレーキの係合により前進第1速段が形成され、
    前記第1クラッチ、前記第1ブレーキおよび前記第2ブレーキの係合により前進第2速段が形成され、
    前記第1クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第2ブレーキの係合により前進第3速段が形成され、
    前記第1クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキの係合により前進第4速段が形成され、
    前記第1クラッチ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチの係合により前進第5速段が形成され、
    前記第2クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキの係合により前進第6速段が形成され、
    前記第2クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第2ブレーキの係合により前進第7速段が形成され、
    前記第2クラッチ、前記第1ブレーキおよび前記第2ブレーキの係合により前進第8速段が形成され、
    前記第3クラッチ、前記第2ブレーキおよび前記第3ブレーキの係合により後進段が形成される変速機。
  4. それぞれケース内に収容された第1,第2,第3および第4遊星歯車、3つのクラッチ、および3つのブレーキを含み、原動機から入力軸に伝達された動力を変速して出力軸に伝達する変速機において、
    前記3つのブレーキの少なくとも何れか1つは、
    前記第1から第4遊星歯車の回転要素の何れかに常時連結されるブレーキハブと、
    前記ブレーキハブに嵌合される第1摩擦係合プレートと、
    前記ケースに嵌合される第2摩擦係合プレートと、
    前記第1および第2摩擦係合プレートを押圧して摩擦係合させるピストンと、
    環状壁部と、前記環状壁部の内周部から軸方向に延出されると共に前記ピストンを支持する内筒部とを含み、前記ピストンと共に係合油室を画成するピストン支持部材と、
    前記ピストンに対して前記係合油室とは反対側に位置するように前記ピストン支持部材の前記内筒部に固定されるスプリング支持部材と、
    前記ピストンと前記スプリング支持部材との間に配置されて該ピストンを前記係合油室側に付勢するリターンスプリングとを含み、
    前記ピストン支持部材は、前記内筒部が径方向内側に位置するように前記ケースの内周部に固定され、
    前記ピストンは、前記スプリング支持部材および前記リターンスプリングを包囲する環状のプレート押圧部を含む変速機。
  5. 請求項4に記載の変速機において、
    前記ピストン支持部材は、前記内筒部を包囲するように前記環状壁部の外周部から軸方向に延出された外筒部を更に含み、
    前記ピストンは、前記ピストン支持部材の前記内筒部および前記外筒部により支持されて前記環状壁部、前記内筒部および前記外筒部と共に前記係合油室を画成し、
    前記ピストン支持部材の前記外筒部は、前記ケースの前記内周部に嵌合されると共にスナップリングを介して該ケースに固定される変速機。
  6. 請求項4または5に記載の変速機において、
    前記第1遊星歯車は、第1サンギヤ、第1キャリヤおよび第1リングギヤを含み、
    前記第2遊星歯車は、第2サンギヤ、第2キャリヤおよび第2リングギヤを含み、
    前記少なくとも何れか1つのブレーキは、前記第1遊星歯車の前記第1サンギヤを前記ケースに接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除するブレーキであり、
    前記第1遊星歯車の前記第1キャリヤと前記第2遊星歯車の前記第2キャリヤまたは前記第2リングギヤとは、前記第1遊星歯車の前記第1リングギヤを包囲する連結部材を介して常時連結され、
    前記ブレーキハブは、前記第1サンギヤに固定される環状部と、前記連結部材を包囲するように前記環状部から延出されると共に前記第1摩擦係合プレートが嵌合される筒状部とを含み、
    前記ピストン支持部材は、前記第2遊星歯車の前記第2リングギヤの少なくとも一部を包囲すると共に、前記内筒部が前記ブレーキハブの前記筒状部よりも径方向内側に位置するように前記ケースに固定される変速機。
  7. 請求項6に記載の変速機において、
    前記連結部材は、前記第1遊星歯車の前記第1リングギヤを包囲する筒状部を含み、
    前記ピストン支持部材は、前記内筒部が前記連結部材の前記筒状部よりも径方向内側に位置するように前記ケースに固定される変速機。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の変速機において、前記出力軸は、前記原動機を搭載した車両の後輪に連結される変速機。
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