JP2016191729A - 赤外透過及び可視隠蔽用積層体 - Google Patents

赤外透過及び可視隠蔽用積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車のフロントガラス形成に必要な焼成温度(500℃以上)でもフロントガラスに設置される赤外線受光部に赤外線を透過し、且つ可視光線を隠蔽する機能膜を容易に形成できる。
【解決手段】本発明は、支持体上に、少なくとも、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層が設けられ、当該機能層は被着体上に転写され、焼成されることを特徴とする積層体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のフロントガラスに設置される衝突被害低減ブレーキの検知方式の一つである赤外線検知装置に関し、赤外線受光部の検知感度の向上を目的とした機能膜を付加するための転写フィルムなどの積層体に関する。
近年、自動車が障害物を感知して衝突に備える機能として衝突被害低減ブレーキが普及しつつある。衝突被害低減ブレーキはアクティブセーフティー(予防安全)とパッシブセーフティー(衝突安全)の間に位置し、車載コンピュータが常時前方への警戒を行っており、前方車両への接近や障害物を感知すると音声などで警告が発せられ、衝突が不可避とシステムが判断した時点で自動的にブレーキをかけて被害の軽減を図る。この他警告の時点でブレーキの効きを強くすることやシートベルトの締め上げなどの衝突に備えた事前動作も行われる。
衝突被害低減ブレーキの検知方式はカメラ、ミリ波レーダー、赤外線等のレーザーレーダーに分類され、赤外線等のレーザーレーダー検知装置は自動車のフロントグリルやフロントガラスに設置されている。
赤外線を用いるレーザーレーダーは他の検知方式に比べ、低価格で検知装置を小さくすることが出来るが、赤外線が太陽の直射光線に弱く、朝や夕方などに検知感度が低下するため、可視光線を遮蔽し、赤外線の検知感度を高くすることが知られている(特許文献1)。
赤外線の検知感度を高くする方法として、芳香族ポリカーボネート樹脂にクォタリレン色素とリン系安定化剤を添加した赤外線レーザー用フィルター(特許文献1)、ポリカーボネート樹脂にアントラキノン系染料、ペリノン系染料およびキノフタロン系染料を配合した赤外線透過フィルター(特許文献2)、ガラス等の赤外線透過物質からなる基板上に高屈折率物質膜層(Si)と低屈折率物質膜層(SiO2および/またはMgF2)を交互に積層させて形成する赤外線透過・可視光線反射型ミラー(特許文献3)、赤外線透過基材に高屈折率物質層と低屈折率物質層を積層したミラーコート層を形成し、ミラーコート層上にアゾ系染料等の色材層を形成した赤外線センサーカバー(特許文献4)が知られている。
フロントガラスに設置されるタイプの検知装置に関して、フロントガラス周縁部には黒色のセラミックス層(以下、黒セラ)が形成され、受光部分近傍にも黒セラが形成される黒色セラミックペーストを用いた板ガラス製品(特許文献5)が知られている。
特開2008−009238号公報 特開平9−003311号公報 特開平6−167604号公報 特開2002−116318号公報 特開2010−77197号公報
しかしながら、赤外線レーザー用フィルター(特許文献1)と赤外線透過フィルター(特許文献2)はそれぞれ芳香族ポリカーボネート樹脂とポリカーボネート樹脂を用いているが、エステル結合を有するため、高温高湿度の環境下では加水分解される。赤外線透過・可視光線反射型ミラー(特許文献3)は真空蒸着で形成するが、自動車のフロントガラスの様に湾曲したガラスにnmオーダーで高屈折率物質膜層および低屈折率物質膜層の膜厚制御は困難である。赤外線センサーカバー(特許文献4)は色材層にアゾ系染料を用いているが、光による酸化でアゾ系染料が分解される。黒色セラミックペーストを用いた板ガラス製品(特許文献5)は黒色セラミックにMn、Fe、CuおよびCoの各酸化物を用いているが、赤外線を反射するため、受光部分に加飾することが出来ず、色相は透明となり、黒セラと受光部分の境界でコントラスト差が際立ち、赤外線受光部の意匠性を向上させることができない。
本発明は、上記課題に鑑み、自動車のフロントガラス形成に必要な焼成温度(500℃以上)でもフロントガラスに設置される赤外線受光部に赤外線を透過し、且つ可視光線を隠蔽する機能膜を容易に形成できる赤外透過及び可視隠蔽体を提供しようとするものである。
本発明は、支持体上に、少なくとも、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層が設けられ、当該機能層は被着体上に転写され、焼成されることを特徴とする積層体である。
また、前記機能層は、被着体に転写、焼成後において波長830nmにおける透過率が70%以上且つ、波長550nmにおける透過率が30%以下であってもよい。
また、前記機能層は、被着体に転写、焼成後において明度(L*)が8以下の黒色であってもよい。
また、前記機能層が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群から選択される少なくとも一つの貴金属微粒子か、あるいはSiおよびGeからなる群から選択される少なくとも一つの半金属微粒子、またはこれらの元素を含む化合物を含んでいてもよい。
さらに、前記支持体と機能層との間に、導電性材料を含む導電層をさらに設けてもよい。
本発明は、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物と熱融着可能なガラス粉体とを少なくとも含む赤外透過及び可視隠蔽用組成物である。
また、前記金属微粒子または半金属微粒子が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群から選択される貴金属の少なくとも一つの微粒子か、あるいはSiおよびGeからなる群から選択される半金属の少なくとも一つの微粒子、またはこれらの元素を含む化合物であってもよい。
本発明は、表面に、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層を設けて焼成した赤外透過及び可視隠蔽体付き基板である。
また、前記機能層は、焼成後において波長830nmにおける透過率が70%以上且つ、波長550nmにおける透過率が30%以下であってもよい。
また、前記機能層は、焼成後において明度(L*)が8以下の黒色であってもよい。
また、前記機能層が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuから選択される少なくとも一種の貴金属微粒子、あるいはSiおよびGeから選択される少なくとも一種の半金属微粒子、またはこれら元素を含む化合物を含んでいてもよい。
さらに、前記機能層の表面に、導電性材料を含む導電層をさらに設けてもよい。
本発明によれば、自動車が障害物を感知して衝突に備えるため、自動車のフロントガラスに設置される衝突被害低減ブレーキの検知方法の一つである赤外線検知装置における赤外透過及び可視隠蔽用組成物が提供され、具体的には赤外線受光部の検知感度および意匠性向上を目的とした機能層を付加するための材料である。
さらに、この組成物を上記の赤外線検知装置に形成する際の機能層の転写に好適に用いることができる積層体(例えば、転写フィルム)が提供される。
また、本発明によれば、この組成物により、またはこの積層体を用いて機能層が形成された基板が提供される。さらに、この基板の機能層上に導電層を更に積層することで赤外線検知装置近傍にある電子機器(AMアンテナ等)への電磁波漏洩防止も付加することも可能となる。
本発明の一実施例である赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを示す断面拡大図である。 当該一実施形態の転写フィルムからの転写物8を被着体1に形成した状態を示す断面拡大図である。 図2に示した被着体に形成した転写物を焼成して得られる本発明の基板の一実施形態を示す断面拡大図である。 本発明の一実施形態の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを上部から見たときの転写物を示す平面図模型図である。 本発明の一実施形態のフロントガラス表面(車内側)の赤外線受光部に赤外透過及び可視隠蔽体を形成したときの車外側から見た平面模型図である。
以下に本発明について詳細を説明する。
本発明は、一つの側面から、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む赤外透過及び可視隠蔽用組成物を提供する。
金属微粒子としては、後述する焼成処理を行っても酸化されにくい貴金属微粒子が好適に用いられ、具体的には、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuの微粒子などが挙げられる。なお、後述する所定条件下で明度(L*)を8以下にするという観点からは、Pt、Rh、Ruなどが好適である。なお、Ag、Pdは他の貴金属元素と比較すると酸化されやすい。
また、焼成処理を行っても酸化されにくい半金属微粒子としては、SiおよびGeの粉体が挙げられ、なお、後述する所定条件下で明度(L*)を8以下にするという観点からはSiが好ましく、またはこれらの元素を含む化合物であるSiCを使用することが可能である。
金属微粒子および半金属微粒子の平均分散粒子径は1〜100nm、より好ましくは5〜50nmの範囲である。ここで、平均分散粒子径は堀場製作所製SZ−100Zを使用し、JIS Z8826に準拠し、D50(体積平均)を平均分散粒子径として算出している。この平均分散粒子径が大きすぎると、赤外領域下で発生するレイミー散乱やミー散乱を抑制することが出来ず、赤外領域における透過率が減少する。一方、平均分散粒子径が小さすぎると、粒子の結晶性が低下するため、可視領域の光吸収が不安定になり、可視光の隠蔽性が低下する。平均分散粒子径を上述の範囲とすることにより、赤外透過と、可視遮蔽とのバランスに優れた機能層を提供することができる。
有機物としては、後述する焼成処理により分解・除去可能な材料を用いれば種類は限定されないが、このような材料としては、アクリル、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエステルなどの樹脂が挙げられ、単独、またはこれらを混合して使用することができる。
また後述する積層体に適用した際に、焼成前に可とう性を付与する目的で可塑剤を加えてもよい。可塑剤としては脂肪酸エステル系、リン酸エステル系などが使用可能である。
ガラス粉体は熱融着可能なものであり、具体的にはSiO2、ZrO2、Al23、TiO2、CeO2、B23、Bi23、Na2O、K2O、ZnOなどの酸化物単体またはこれらの酸化物を2種類以上含む複合酸化物が使用可能である。
組成物としては、上述の金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む塗料、ペースト、インクなどの態様として用いられる。
また、本発明は、一つの観点から、赤外透過及び可視遮蔽体を被着体上に形成する際に好適に用いることができる積層体を提供する。具体的には、表面に、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層を被着体上に転写し、焼成するための転写フィルムである。
図1は、本発明の一実施例である赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを示す断面拡大図であり、図2は、当該転写フィルムからの転写物8を被着体1に形成した状態を示す断面拡大図であり、図3は、図2に示した被着体に形成した転写物を焼成して得られる本発明の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板の一実施形態を示す断面拡大図である。
図1によれば、本実施形態の積層体10は、支持体としての保護フィルム7上に設けられた焼成除去可能な有機物を含む保護層6と、前記保護層6の上に設けられた赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層5と、前記機能層5の上に設けられた焼成除去可能な有機物を含む中間層4と、前記中間層4の上に設けられた常温でタック性を有する焼成除去可能な有機物を含む粘着層3とを少なくとも有し、図1ではさらに粘着層3の上に剥離用フィルム2を積層している。
剥離用フィルム2、保護フィルム7は、本発明の積層体の一態様である赤外透過及び可視隠蔽体を形成する際に好適に用いられる転写フィルムを製造するときの支持体、または本発明の赤外透過及び可視隠蔽体を形成する機能層を被着体に貼り合わせるための支持体として用いられる。このため粘着層3、機能層5、保護層6などと剥離が可能であれば特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミドなどの樹脂系フィルム、アルミ箔などの金属系シート、及びセラミックシート、紙系などが使用でき、また、シリコーンや再剥離用の微粘着層などの離型層を設けて用いることもできる。
粘着層3は、後述する焼成処理により分解・除去可能な有機物であれば特に限定はされないが、常温でタックを有するアクリル系、ゴム系などの粘着剤が使用可能であり、特に熱分解温度が他の樹脂層、例えば中間層4、保護層6の熱分解温度よりも高い材料を用いることが望ましい。粘着層3の膜厚は、図2に示したような被着体1の表面粗さや形状に合わせて転写が容易となる厚みを選択することができ、好ましくは1〜6μmである。この厚みが小さすぎると、粘着力が不足し転写性が低下し、大きすぎると、熱分解ガス量が多くなるため、機能層に欠陥が生じやすく焼成不良となりやすい。粘着層3の膜厚は、被着体1への接着力が発現する範囲で可能な限り薄い方が、粘着層3の熱分解ガス量が少量となり、良好な焼成性が安定して得られやすい。
このような粘着層の形成方法は、スクリーン印刷やオフセット印刷などの印刷方式やグラビアコーティングなどの塗布方式が可能である。粘着層をスクリーン印刷などの印刷方式で形成するときには、粘着剤を適当な溶剤に溶解した塗料を作製し、粘度、チキソ性など印刷適正、固形分を適宜調整して用いる。必要により印刷時の気泡対策や粘度調整のために消泡剤や増粘剤などの添加剤を使用することも可能である。添加剤は焼成によって分解除去できるものを使用する必要がある。溶剤としては、各形成方法に適した沸点や、粘度、チキソ性を調整可能なものを選定すればよく、水系、アルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系、炭化水素系などを使用することが可能である。
中間層4は、後述する焼成処理により分解・除去可能な有機物であれば特に限定されるものではないが、この上に機能層5、必要に応じて後述する導電層および保護層6を積層形成するため、タック性がなく、Tgが30℃以上、好ましくは40℃以上のものを用いると良い。Tgが低すぎると、タック性(粘着性)が発現することとなり、中間層上に機能層を形成する際に印刷版やコーターヘッド等の形成装置と接触することで機能層の形成不良が生じてしまう。中間層で用いられる有機物としては、例えば、水酸基を有しているポリオールが使用可能で、(メタ)アクリル系、ブチラール系、ポリエステル系、ポリウレタン系、セルロース系、ポリビニル系などから1種もしくは複数種を選択し用いることが可能である。
中間層4に硬化剤を使用する場合、熱硬化系が好ましく、エポキシ硬化系、イソシアネート硬化系を使用することができ、特にイソシアネート系が好ましく、イソシアヌレート系、ブロックイソシアネート系などを使用することが可能である。硬化処理により、硬化剤との反応点で100%硬化反応する必要はなく、機能層および必要に応じて後述する導電層のパターン形状の変形(滲み、カスレ、クラックなど)や焼成性の低下を防止できる硬化度であればよい。また、Tgが30℃未満である樹脂であっても硬化剤を添加することによりTgが30℃以上に変化すれば、中間層として使用することは可能である。
中間層の形成方法としては、スクリーン印刷やオフセット印刷などの印刷方式、グラビアコーティングなどの塗布方式を用いることができる。中間層4は機能層5および必要に応じて後述する導電層と同形状のパターンで形成しても良く、機能層5および導電層よりも広いシート形状にしても良い。
機能層5は、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る金属微粒子または半金属微粒子、後述する焼成処理により分解・除去可能な有機物、およびガラス粉体を含有し、例えば前述の組成物から形成することができる。
また、焼成後の機能層5の波長830nmにおける透過率は70%以上、より好ましくは75%以上の範囲である。この波長830nmにおける透過率が低すぎると赤外透過性能が低下し、レーザーレーダー検知装置での誤検知が発生し易くなり、重大な自動車事故を引き起こす可能性が高くなる。また、焼成後の機能層5の波長550nmにおける透過率は30%以下、より好ましくは25%以下の範囲である。この波長550nmにおける透過率が高すぎると、可視領域の透過性能が高くなり、隠蔽性が低下する。
また、焼成後の機能層5は、黒色であることが好ましく、具体的には焼成後の明度(L*)は8以下、より好ましくは5以下の範囲である。この明度(L*)が大きすぎると、黒色度が低下し、黒として認識することが困難になる。また、明度がこの範囲であると、フロントガラス周縁部に機能層を焼成して設けたときに、当該フロントガラスの黒セラと同系色となり、意匠性の高い赤外透過及び可視隠蔽体を提供することができる。
機能層5における、金属微粒子または半金属微粒子と、ガラス粉体との重量部比率は10:90から30:70の範囲が好ましい。金属微粒子比率が10よりも低くなると、黒色度も低下することで意匠性を考慮したときに好ましくない。一方、金属微粒子比率が30よりも多くなると、黒色度は向上するが、焼成しても融着しない金属微粒子の割合が増加するため、金属微粒子とガラス粉体の界面の化学的な結合力が弱くなる。また、機能層5の厚さは5〜14μm、より好ましくは7〜12μmであることが、自動車用の窓ガラスに焼成体を形成するのに好適である。層の厚さが薄すぎると、焼成性は向上するが、ガラス粉体の量が少なくなるため、黒色度も低下することで意匠性を考慮したときに好ましくない。層の厚さが厚すぎると、焼成性が低下し、所望の焼成体が得られにくくなる。
保護層6は焼成除去可能な有機物からなり、機能層または導電層を設けた場合には導電層の上に形成する。
保護層を設けることで、機能層および必要に応じて後述する導電層を傷などから保護する効果、保護フィルムとの剥離強度を安定化し、転写性を向上する効果がある。
保護層に用いる有機物は特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル系、ブチラール系、ポリエステル系、ポリウレタン系、セルロース系、ポリビニル系などを用いることが可能であり、複数種を選択し用いることが可能であり、粘着層、中間層、機能層および導電層に用いている有機物の熱分解温度よりも熱分解温度が低温側であること望ましい。中間層で用いられる有機物には、一定以上のTgが求められるが、保護層に用いる有機物については、さらに積層させる層がないことから、中間層に要求される制限はない。保護層は印刷方式、塗布方式、ラミネート方式などにより形成することが可能であり、機能層および導電層と同じパターン形状で形成してもよく、機能層および導電層よりも広いシート状で形成してもよい。
また、保護層は、保護効果を維持できる範囲でできるだけ薄膜にすることが好ましいが、機能層または導電層を設けた場合には導電層の粗さを平滑化し、保護フィルムとの密着力を安定化し、転写性を向上させ、且つ焼成性に優れていることが求められているため、膜厚は1〜10μmが好ましい。1μm未満の場合、機能層または導電層を設けた場合には導電層の被覆にムラが生じて保護効果が低くなる傾向がある。膜厚が10μmよりも厚くなると、各層からの熱分解ガス量の放出を妨げる影響があるため、焼成後に機能層および導電層に欠陥が生じやすく焼成不良となりやすい。
なお、粘着層、中間層、保護層は、本実施形態の転写フィルムとしての機能である転写性を向上させるためのものであり、機能層に支持体としての保護フィルムへの粘着性を付与し、当該支持体から剥離可能であれば、これらの層を設ける必要はなくなる。
前記機能層に電磁波遮蔽機能を付与するために、焼成したときに機能層の表面に導電層が形成されるようにしてもよい。この導電層は、図1に示したような積層体の機能層のいずれかの表面に設けてもよく、また導電層についても図1に示したよう転写フィルムを作成し、機能層を転写後に、この機能層の表面に導電層を転写し、焼成して形成してもよい。
この導電層は導電性材料と焼成除去可能な有機物と熱融着可能なガラス粉体とを含有する。
この導電性材料としては、Au、Ag、Cu、Ni、Co、Sn、Pb、Zn、Bi、Inやこれらを含む合金の粉体を使用することが可能である。
導電層の焼成後の抵抗値は、0.6Ω/cm以下、より好ましくは0.3Ω/cm以下であることが好ましい。
導電性材料とガラス粉体の重量部比率は90:10から50:50、より好ましくは80:20から60:40の範囲である。導電性材料の比率が大きすぎると、焼成後の抵抗値は低くなるが、被着体や機能層と融着するガラス粉体の比率が少なくなり密着性が低下する。一方、導電性材料の比率が小さすぎると、焼成後の抵抗値が高くなり、赤外線(電磁波)をアースされ難くなり、周辺機器(AMアンテナ等)に電磁波が漏洩することで、受信感度の低下や受信不良が発生しやすくなる。
また、焼成後の導電層の厚さは4〜10μmが好ましい。この層の厚さが薄すぎると、焼成性は向上するが、焼成後の抵抗値が高くなり、電磁波が漏洩しやすくなる。一方、層の厚さが厚すぎると、焼成後の抵抗値は低くなるが、焼成性が低下し、所望の焼成体が得られなくなる。導電層は、赤外光の透過率に影響しないような透明性を有するか、格子状もしくは機能層の縁部に枠状に形成することが出来る。
本実施形態の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムの製造方法としては、図1を参照すれば、キャリアフィルム上に粘着層3を形成し、その上に中間層4を積層して硬化した後、機能層5および保護層6を積層形成し、転写フィルム10の支持体となる保護フィルム7を保護層6の上にラミネートして作製することができる。なお、このキャリアフィルムは剥離用フィルム2となる。別の方法としては、キャリアフィルムに中間層4を形成し、機能層5および保護層6を積層形成した後、保護フィルム7を保護層6の上にラミネートして積層物A(不図示)を作製し、積層物Aのキャリアフィルムを剥離して中間層4の上に粘着層3を塗布形成する、または剥離用フィルム2に粘着層3を形成した積層物B(不図示)を別に準備し、積層物Aのキャリアフィルムを剥離した中間層4の上にラミネートして作製することができる。
本発明の積層体の一実施形態によると、被着体1に転写する前に剥離用フィルム2を剥離し、粘着層3を被着体1に貼り合わせた後、保護フィルム7を剥離して、被着体1上に転写した粘着層3、中間層4、機能層5および保護層6からなる転写物8を同時に焼成することにより、図3に示したように、被着体1に機能層5aを焼成体として付加することができ、この被着体1と機能層5aとから赤外透過及び可視遮蔽体付き基板12が提供される。
すなわち、本発明は、もう一つの観点から、表面に、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層を設けて焼成した赤外透過及び可視隠蔽体付き基板を提供する。
本実施形態の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板は、前述の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを用いて、フロントガラスなどの被着体に転写することにより形成することができる。
すなわち、粘着層を被着体に貼り合わせた後、保護フィルムを剥離し、被着体上に機能層を含む積層体を転写形成し、これを焼成して、機能層の焼成体を被着体上に形成する。また、前述したように、機能層を含む積層物Aとは別に、剥離用フィルム2に粘着層3を形成した積層物Bを準備した場合には、積層物Bの粘着層を被着体に貼り合わせ、剥離用フィルムを剥離して粘着層単層を被着体上に転写した後、積層物Aのキャリアフィルムを剥離し、粘着層上に貼り合わせ、転写する方法も可能である。
このように、本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムは、自動車のフロントガラス形成に必要な焼成温度(500℃以上)でもフロントガラスに設置される赤外線受光部に赤外線を透過し、且つ可視光線を隠蔽する機能膜を容易に形成でき、均一性が高く、検知感度のバラツキが少なく、意匠性の高い赤外透過及び可視隠蔽体を提供しようとするものである。
なお、本実施形態の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板は、本実施形態の組成物を用いてスクリーン印刷やオフセット印刷などの印刷方式やグラビアコーティングなどの塗布方式、ディスペンサーなどによって機能層及び導電層を形成することもできる。
スクリーン印刷などの印刷方式で機能層および導電層を形成するときは、上述の金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体を溶剤中に分散してなる塗料等を作製し、使用する。溶剤としては、有機物の溶解性や分散性、印刷に適した沸点を考慮し、水系、アルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系、炭化水素系などを使用することが可能である。塗料物性としては、粘度、チキソ性など印刷適正、固形分を適宜調整して用いる。必要により印刷時の気泡対策や粘度調整のために消泡剤や増粘剤などの添加剤を使用することも可能である。添加剤は焼成によって分解除去できるものを使用する。
また、本発明の積層体としての具体例として、図4は、機能層5を含む赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを上部から見たときの転写物の平面模型図を示す。また、本発明の基板の具体例として、図5はフロントガラス1の表面(車内側)の赤外線受光部に赤外透過及び可視隠蔽の機能層5aを形成した場合の車外側から見た平面模型図である。なお、図5には導電層を表示していないが、機能層5aの上に導電層を設けることで、車体に接続させて赤外線(電磁波)をアースすることが出来る。このため、周辺機器(AMアンテナ等)に電磁波が漏洩せず影響を及ぼさない層構成にもすることが出来る。導電層のパターン形状はアース出来れば特に限定されない。
以下に本発明の具体例を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
機能層用塗料は白金ペースト(田中貴金属工業製:PtDA;平均分散粒子径D50は20nm)を顔料成分で20重量部に対し、ガラスフリットペースト(奥野製薬工業製:GF3575)を顔料成分で80重量部の比率となる塗料を3本ロールにより混練し、予めアクリル系樹脂ラッカー(DIC製:NCB−166)からアクリル樹脂を抽出し、ジエチレングリコールジブチルエーテル(和光純薬製)で再溶解させたアクリル系樹脂ラッカーを投入し、顔料成分と樹脂成分の重量部比率を94:6になるように作製した。
導電層用塗料は導電ペースト(昭栄化学工業製:H4170)を顔料成分で70重量部に対し、ガラスフリットペースト(奥野製薬工業製:GF3575)を顔料成分で30重量部の比率となる塗料を3本ロールにより混練し、作製した。
中間層および保護層用塗料としてメチルセルロース系樹脂(松本油脂製薬製:60MP4000)を用い、イソプロピルアルコール(関東化学製)を20重量部に対し、超純水を80重量部の混合溶液中に溶解させた塗料を作製した。
粘着層用塗料として、アクリル系粘着剤(総研化学製:SKダイン1309)を用いた。
(実施例1)
キャリアフィルムとして、シリコーン離型層付きの厚み38μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム製:A54)を使用し、離型層上に中間層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚1.5μmの中間層を形成した。この中間層上に機能層用塗料を用いて、スクリーン印刷により乾燥膜厚9.5μmの機能層を形成した。機能層上に保護層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚5.5μmの保護層を形成した。この保護層上に保護フィルム7(日東電工製:SPV−J−300)をラミネートし、積層物Aを作製した。
次に、シリコーン離型層付きの厚み38μmの剥離用フィルム2(帝人デュポンフィルム製:A31)を使用し、離型層上に粘着層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚3.5μmの粘着層を形成し、積層物Bを作製した。
最後に、積層物Aのキャリアフィルムを剥離して露出した中間層と積層物Bの粘着層とを向かい合わせてラミネートし、本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
作製した本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムの剥離用フィルム2を剥離し、100mm×100mm×厚さ5mmのガラス板の表面に貼り合わせた後、保護フィルム7を剥離し、ガラス板の表面に機能層を含む積層体を転写形成した。最後に、これを焼成し、ガラス板の表面に機能層の焼成体を形成した。
焼成は昇温速度50℃/minで680℃まで昇温し、その後2分間維持した後、炉内放冷で100℃まで冷却し、図3に例示した焼成後の形態になったガラス板を炉内から取り出し、赤外透過及び可視隠蔽体付き基板を作製した。
赤外透過及び可視隠蔽体付き基板の焼成性として、目視観察により、パターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離、色変化などの有無を確認した。光学特性として、波長550nm及び波長830nmにおける透過率を、分光光度計(日立製作所製)を使用し、JIS R3106に準拠して測定した。
明度(L*)として、分光測色計(コニカミノルタ製)を使用し、JIS Z8781−4に準拠して測定した。
焼成性の評価基準は目視観察でパターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離、色変化などが無い状態を○、目視観察でパターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離、色変化などがあるが、透過率、明度など他の特性に影響を及ぼさない状態を△、目視観察でパターン形状の欠け、ゆがみ、クラック、剥離、色変化などがあり、他の特性に影響を及ぼす状態を×とした。
結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の剥離用フィルム2を使用し、離型層上に粘着層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚3.5μmの粘着層を形成し、粘着層上に中間層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚1.5μmの中間層を形成した、その後、実施例1と同様に中間層上に機能層および保護層を積層形成し、保護層上に保護フィルム7をラミネートして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様に中間層上に機能層を形成した後、機能層上に導電層塗料を用いて、スクリーン印刷により、乾燥膜厚7μmの格子状パターンの導電層を形成した。それ以降は実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
(実施例4)
機能層用塗料として、白金ペーストを顔料成分で90重量部に対し、ガラスフリットペーストを顔料成分で10重量部の比率となる塗料を用いた他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
(実施例5)
機能層用塗料として、白金ペーストを顔料成分で70重量部に対し、ガラスフリットペーストを顔料成分で30重量部の比率となる塗料を用いた他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
(実施例6)
機能層の乾燥膜厚5μmで形成した他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
(実施例7)
機能層の乾燥膜厚14μmで形成した他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
(実施例8)
機能層用塗料において、銀ペースト(大研化学工業製:NAG−10;平均分散粒子径D50は30nm)を顔料成分で20重量部に対し、ガラスフリットペースト(奥野製薬工業製:GF3575)を顔料成分で80重量部の比率となる塗料を3本ロールにより混練し、予めアクリル系樹脂ラッカー(DIC製:NCB−166)からアクリル樹脂を抽出し、ジエチレングリコールジブチルエーテル(和光純薬製)で再溶解させたアクリル系樹脂ラッカーを投入し、顔料成分と樹脂成分の重量部比率を94:6になるように作製した他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
(比較例1)
機能層用塗料として、白金ペーストを顔料成分で100重量部にし、ガラスフリットペーストを添加せずに作製した他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。なお、焼成ができず、微粒子のガラスへの密着ができなかったため、各特性の測定はできなかった。
(比較例2)
実施例1と同様に中間層を形成した後、中間層上に機能層を形成せずに、導電層塗料を用いて、スクリーン印刷により、乾燥膜厚7μmの格子状パターンの導電層を形成した。それ以降は実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
Figure 2016191729
比較例1は、機能層にガラスフリットが添加されていないため、焼成後にガラス板との密着性が無く、明度および透過率(波長550nm、830nm)も所望する結果が得られなかった。
比較例2は、機能層が形成されていないため、明度および透過率(波長550nm、830nm)も所望する結果が得られなかった。
本発明の赤外透過及び可視隠蔽用積層体は、自動車のフロントガラスのような被着体に機能層を転写形成することができ、フロントガラスに設置される赤外線受光部に赤外線を透過し、且つ可視光線を隠蔽する機能膜を容易に形成できる。
1 被着体
2 剥離用フィルム
3 粘着層
4 中間層
5 機能層
5a 機能層(焼成後)
6 保護層
7 保護フィルム
8 転写物
10 積層体
12 赤外透過及び可視遮蔽体付き基板

Claims (12)

  1. 支持体上に、少なくとも、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層が設けられ、当該機能層は被着体上に転写され、焼成されることを特徴とする積層体。
  2. 前記機能層は、被着体に転写、焼成後において波長830nmにおける透過率が70%以上且つ、波長550nmにおける透過率が30%以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記機能層は、被着体に転写、焼成後において明度(L*)が8以下の黒色であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記機能層が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群から選択される少なくとも一つの貴金属微粒子か、あるいはSiおよびGeからなる群から選択される少なくとも一つの半金属微粒子、またはこれらの元素を含む化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記支持体と機能層との間に、導電性材料を含む導電層がさらに設けられた請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物と熱融着可能なガラス粉体とを少なくとも含む赤外透過及び可視隠蔽用組成物。
  7. 前記金属微粒子または半金属微粒子が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群から選択される貴金属の少なくとも一つの微粒子か、あるいはSiおよびGeからなる群から選択される半金属の少なくとも一つの微粒子、またはこれらの元素を含む化合物であることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
  8. 表面に、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層を設けて焼成した赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
  9. 前記機能層は、焼成後において波長830nmにおける透過率が70%以上且つ、波長550nmにおける透過率が30%以下であることを特徴とする請求項8に記載の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
  10. 前記機能層は、焼成後において明度(L*)が8以下の黒色であることを特徴とする請求項8または9に記載の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
  11. 前記機能層が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuから選択される少なくとも一種の貴金属微粒子、あるいはSiおよびGeから選択される少なくとも一種の半金属微粒子、またはこれら元素を含む化合物を含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
  12. 前記機能層の表面に、導電性材料を含む導電層がさらに設けられた請求項8〜11のいずれか一項に記載の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
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