JP2016191729A - 赤外透過及び可視隠蔽用積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、支持体上に、少なくとも、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層が設けられ、当該機能層は被着体上に転写され、焼成されることを特徴とする積層体である。
【選択図】図1
Description
また、前記機能層は、被着体に転写、焼成後において波長830nmにおける透過率が70%以上且つ、波長550nmにおける透過率が30%以下であってもよい。
また、前記機能層は、被着体に転写、焼成後において明度(L*)が8以下の黒色であってもよい。
また、前記機能層が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群から選択される少なくとも一つの貴金属微粒子か、あるいはSiおよびGeからなる群から選択される少なくとも一つの半金属微粒子、またはこれらの元素を含む化合物を含んでいてもよい。
さらに、前記支持体と機能層との間に、導電性材料を含む導電層をさらに設けてもよい。
また、前記金属微粒子または半金属微粒子が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群から選択される貴金属の少なくとも一つの微粒子か、あるいはSiおよびGeからなる群から選択される半金属の少なくとも一つの微粒子、またはこれらの元素を含む化合物であってもよい。
また、前記機能層は、焼成後において波長830nmにおける透過率が70%以上且つ、波長550nmにおける透過率が30%以下であってもよい。
また、前記機能層は、焼成後において明度(L*)が8以下の黒色であってもよい。
また、前記機能層が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuから選択される少なくとも一種の貴金属微粒子、あるいはSiおよびGeから選択される少なくとも一種の半金属微粒子、またはこれら元素を含む化合物を含んでいてもよい。
さらに、前記機能層の表面に、導電性材料を含む導電層をさらに設けてもよい。
さらに、この組成物を上記の赤外線検知装置に形成する際の機能層の転写に好適に用いることができる積層体(例えば、転写フィルム)が提供される。
また、本発明によれば、この組成物により、またはこの積層体を用いて機能層が形成された基板が提供される。さらに、この基板の機能層上に導電層を更に積層することで赤外線検知装置近傍にある電子機器(AMアンテナ等)への電磁波漏洩防止も付加することも可能となる。
本発明は、一つの側面から、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む赤外透過及び可視隠蔽用組成物を提供する。
また、焼成処理を行っても酸化されにくい半金属微粒子としては、SiおよびGeの粉体が挙げられ、なお、後述する所定条件下で明度(L*)を8以下にするという観点からはSiが好ましく、またはこれらの元素を含む化合物であるSiCを使用することが可能である。
また後述する積層体に適用した際に、焼成前に可とう性を付与する目的で可塑剤を加えてもよい。可塑剤としては脂肪酸エステル系、リン酸エステル系などが使用可能である。
組成物としては、上述の金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む塗料、ペースト、インクなどの態様として用いられる。
保護層を設けることで、機能層および必要に応じて後述する導電層を傷などから保護する効果、保護フィルムとの剥離強度を安定化し、転写性を向上する効果がある。
保護層に用いる有機物は特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル系、ブチラール系、ポリエステル系、ポリウレタン系、セルロース系、ポリビニル系などを用いることが可能であり、複数種を選択し用いることが可能であり、粘着層、中間層、機能層および導電層に用いている有機物の熱分解温度よりも熱分解温度が低温側であること望ましい。中間層で用いられる有機物には、一定以上のTgが求められるが、保護層に用いる有機物については、さらに積層させる層がないことから、中間層に要求される制限はない。保護層は印刷方式、塗布方式、ラミネート方式などにより形成することが可能であり、機能層および導電層と同じパターン形状で形成してもよく、機能層および導電層よりも広いシート状で形成してもよい。
この導電性材料としては、Au、Ag、Cu、Ni、Co、Sn、Pb、Zn、Bi、Inやこれらを含む合金の粉体を使用することが可能である。
導電層の焼成後の抵抗値は、0.6Ω/cm以下、より好ましくは0.3Ω/cm以下であることが好ましい。
導電性材料とガラス粉体の重量部比率は90:10から50:50、より好ましくは80:20から60:40の範囲である。導電性材料の比率が大きすぎると、焼成後の抵抗値は低くなるが、被着体や機能層と融着するガラス粉体の比率が少なくなり密着性が低下する。一方、導電性材料の比率が小さすぎると、焼成後の抵抗値が高くなり、赤外線(電磁波)をアースされ難くなり、周辺機器(AMアンテナ等)に電磁波が漏洩することで、受信感度の低下や受信不良が発生しやすくなる。
また、焼成後の導電層の厚さは4〜10μmが好ましい。この層の厚さが薄すぎると、焼成性は向上するが、焼成後の抵抗値が高くなり、電磁波が漏洩しやすくなる。一方、層の厚さが厚すぎると、焼成後の抵抗値は低くなるが、焼成性が低下し、所望の焼成体が得られなくなる。導電層は、赤外光の透過率に影響しないような透明性を有するか、格子状もしくは機能層の縁部に枠状に形成することが出来る。
すなわち、粘着層を被着体に貼り合わせた後、保護フィルムを剥離し、被着体上に機能層を含む積層体を転写形成し、これを焼成して、機能層の焼成体を被着体上に形成する。また、前述したように、機能層を含む積層物Aとは別に、剥離用フィルム2に粘着層3を形成した積層物Bを準備した場合には、積層物Bの粘着層を被着体に貼り合わせ、剥離用フィルムを剥離して粘着層単層を被着体上に転写した後、積層物Aのキャリアフィルムを剥離し、粘着層上に貼り合わせ、転写する方法も可能である。
スクリーン印刷などの印刷方式で機能層および導電層を形成するときは、上述の金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体を溶剤中に分散してなる塗料等を作製し、使用する。溶剤としては、有機物の溶解性や分散性、印刷に適した沸点を考慮し、水系、アルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系、炭化水素系などを使用することが可能である。塗料物性としては、粘度、チキソ性など印刷適正、固形分を適宜調整して用いる。必要により印刷時の気泡対策や粘度調整のために消泡剤や増粘剤などの添加剤を使用することも可能である。添加剤は焼成によって分解除去できるものを使用する。
機能層用塗料は白金ペースト(田中貴金属工業製:PtDA;平均分散粒子径D50は20nm)を顔料成分で20重量部に対し、ガラスフリットペースト(奥野製薬工業製:GF3575)を顔料成分で80重量部の比率となる塗料を3本ロールにより混練し、予めアクリル系樹脂ラッカー(DIC製:NCB−166)からアクリル樹脂を抽出し、ジエチレングリコールジブチルエーテル(和光純薬製)で再溶解させたアクリル系樹脂ラッカーを投入し、顔料成分と樹脂成分の重量部比率を94:6になるように作製した。
粘着層用塗料として、アクリル系粘着剤(総研化学製:SKダイン1309)を用いた。
キャリアフィルムとして、シリコーン離型層付きの厚み38μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム製:A54)を使用し、離型層上に中間層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚1.5μmの中間層を形成した。この中間層上に機能層用塗料を用いて、スクリーン印刷により乾燥膜厚9.5μmの機能層を形成した。機能層上に保護層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚5.5μmの保護層を形成した。この保護層上に保護フィルム7(日東電工製:SPV−J−300)をラミネートし、積層物Aを作製した。
最後に、積層物Aのキャリアフィルムを剥離して露出した中間層と積層物Bの粘着層とを向かい合わせてラミネートし、本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
作製した本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムの剥離用フィルム2を剥離し、100mm×100mm×厚さ5mmのガラス板の表面に貼り合わせた後、保護フィルム7を剥離し、ガラス板の表面に機能層を含む積層体を転写形成した。最後に、これを焼成し、ガラス板の表面に機能層の焼成体を形成した。
明度(L*)として、分光測色計(コニカミノルタ製)を使用し、JIS Z8781−4に準拠して測定した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様の剥離用フィルム2を使用し、離型層上に粘着層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚3.5μmの粘着層を形成し、粘着層上に中間層用塗料を用いて、メイヤーバーにより乾燥膜厚1.5μmの中間層を形成した、その後、実施例1と同様に中間層上に機能層および保護層を積層形成し、保護層上に保護フィルム7をラミネートして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様に中間層上に機能層を形成した後、機能層上に導電層塗料を用いて、スクリーン印刷により、乾燥膜厚7μmの格子状パターンの導電層を形成した。それ以降は実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
機能層用塗料として、白金ペーストを顔料成分で90重量部に対し、ガラスフリットペーストを顔料成分で10重量部の比率となる塗料を用いた他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
機能層用塗料として、白金ペーストを顔料成分で70重量部に対し、ガラスフリットペーストを顔料成分で30重量部の比率となる塗料を用いた他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
機能層の乾燥膜厚5μmで形成した他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
機能層の乾燥膜厚14μmで形成した他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
機能層用塗料において、銀ペースト(大研化学工業製:NAG−10;平均分散粒子径D50は30nm)を顔料成分で20重量部に対し、ガラスフリットペースト(奥野製薬工業製:GF3575)を顔料成分で80重量部の比率となる塗料を3本ロールにより混練し、予めアクリル系樹脂ラッカー(DIC製:NCB−166)からアクリル樹脂を抽出し、ジエチレングリコールジブチルエーテル(和光純薬製)で再溶解させたアクリル系樹脂ラッカーを投入し、顔料成分と樹脂成分の重量部比率を94:6になるように作製した他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
機能層用塗料として、白金ペーストを顔料成分で100重量部にし、ガラスフリットペーストを添加せずに作製した他は、実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。なお、焼成ができず、微粒子のガラスへの密着ができなかったため、各特性の測定はできなかった。
実施例1と同様に中間層を形成した後、中間層上に機能層を形成せずに、導電層塗料を用いて、スクリーン印刷により、乾燥膜厚7μmの格子状パターンの導電層を形成した。それ以降は実施例1と同様にして本発明の赤外透過及び可視隠蔽用転写フィルムを作製した。
結果を表1に示す。
比較例2は、機能層が形成されていないため、明度および透過率(波長550nm、830nm)も所望する結果が得られなかった。
2 剥離用フィルム
3 粘着層
4 中間層
5 機能層
5a 機能層(焼成後)
6 保護層
7 保護フィルム
8 転写物
10 積層体
12 赤外透過及び可視遮蔽体付き基板
Claims (12)
- 支持体上に、少なくとも、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層が設けられ、当該機能層は被着体上に転写され、焼成されることを特徴とする積層体。
- 前記機能層は、被着体に転写、焼成後において波長830nmにおける透過率が70%以上且つ、波長550nmにおける透過率が30%以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記機能層は、被着体に転写、焼成後において明度(L*)が8以下の黒色であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 前記機能層が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群から選択される少なくとも一つの貴金属微粒子か、あるいはSiおよびGeからなる群から選択される少なくとも一つの半金属微粒子、またはこれらの元素を含む化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記支持体と機能層との間に、導電性材料を含む導電層がさらに設けられた請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物と熱融着可能なガラス粉体とを少なくとも含む赤外透過及び可視隠蔽用組成物。
- 前記金属微粒子または半金属微粒子が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuからなる群から選択される貴金属の少なくとも一つの微粒子か、あるいはSiおよびGeからなる群から選択される半金属の少なくとも一つの微粒子、またはこれらの元素を含む化合物であることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
- 表面に、赤外領域を透過且つ可視領域を隠蔽出来る平均分散粒子径が1〜100nmの金属微粒子または半金属微粒子と焼成除去可能な有機物とガラス粉体とを少なくとも含む機能層を設けて焼成した赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
- 前記機能層は、焼成後において波長830nmにおける透過率が70%以上且つ、波長550nmにおける透過率が30%以下であることを特徴とする請求項8に記載の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
- 前記機能層は、焼成後において明度(L*)が8以下の黒色であることを特徴とする請求項8または9に記載の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
- 前記機能層が、Au、Ag、Pt、Pd、RhおよびRuから選択される少なくとも一種の貴金属微粒子、あるいはSiおよびGeから選択される少なくとも一種の半金属微粒子、またはこれら元素を含む化合物を含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
- 前記機能層の表面に、導電性材料を含む導電層がさらに設けられた請求項8〜11のいずれか一項に記載の赤外透過及び可視隠蔽体付き基板。
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