JP2016190830A - ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、塩基性触媒の存在下、アルキレングリコールモノアルキルエーテルと、アルキレンオキサイドと、を混合して前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルと前記アルキレンオキサイドとの付加反応を行う工程を含み、前記塩基性触媒は、金属アルコキシドのアルコール溶液の形態で添加される、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの製造方法に関する。
【選択図】なし
Description
R1は、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、
A1は、炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基であり、
mは、0〜10の整数である;で表される化合物(I)と、
アルキレンオキサイドと、
を混合して前記化合物(I)と前記アルキレンオキサイドとの付加反応を行う工程を含み、
前記塩基性触媒は、金属アルコキシドのアルコール溶液の形態で添加される、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの製造方法である。
本発明に係るグリコールエーテルの製造方法は、下記の化合物(I)、アルキレンオキサイドおよび塩基性触媒のアルコール溶液を用いる。以下、それぞれについて具体的に説明する。
本発明の製造方法において用いられる原料化合物としての化合物(I)は、下記式(i)で表される、アルコールまたはアルキレングリコールモノアルキルエーテルである:
R1は、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、
A1は、炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基であり、
mは、0〜10の整数である。
A2は、炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基であり、
nは、1〜10の整数である;で表される化合物(以下、「化合物(A)」とも称することがある)である。
本発明の製造方法において用いられる原料化合物としてのアルキレンオキサイドは、炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基を有するアルキレンオキサイドであり、所望のグリコールエーテルの構造に依存して適宜選択される。
本発明に係る製造方法において用いられる塩基性触媒は、金属アルコキシドのアルコール溶液の形態で添加される。このように、アルコール溶液の形態で添加することにより、金属アルコキシドの吸湿性の影響を低減することができるため、反応系中(原料混合物中)の水分量を少なくすることができる。その結果、原料化合物として用いられるアルキレンオキサイドによる、PAGの副生を抑制することができる。
本発明の製造方法において、上記塩基性触媒の存在下、上記化合物(I)およびアルキレンオキサイドの付加反応を行う工程を含み、このとき、塩基性触媒は、アルコール溶液の形態で反応系中に添加されることを特徴とする。塩基性触媒の存在下、化合物(I)とアルキレンオキサイドとを反応させることができるものであればその手順および反応条件は特に制限されず、公知の付加反応の手順および反応条件をそのまま、あるいは適宜修飾して採用することができる。以下、本発明に係るグリコールエーテルの製造方法として好ましい例について説明する。
本工程では、上記化合物(I)と塩基性触媒との混合が行われる。このとき、塩基性触媒は、上述の通り、アルコール溶液の形態で添加される。
本工程は、塩基性触媒存在下、化合物(I)とアルキレンオキサイドとを付加反応させる工程である。本工程では、上記「(1)原料混合工程」により得られた原料混合物に、アルキレンオキサイドを添加し、必要に応じて加熱することにより、付加反応を進行させる。
また、アルキレンオキサイドの添加は、上記原料混合物を撹拌しながら行われると好ましい。
本工程では、上記(2)反応工程の後、所望のグリコールエーテルが得られたことを確認してから化合物(I)とアルキレンオキサイドとの付加反応を停止させる操作を行う。
本工程では、上記(3)反応停止工程の後、適当な後処理を行う。後処理の方法は、公知の方法をそのまま、あるいは適宜修飾して用いることができ、特に制限されない。
上記の製造方法により、PAGの含有量が極めて少ないポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(グリコールエーテル)を得ることができる。すなわち、本発明の第二の形態によれば、下記式(ii):
A3は、炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基であり、
R3は、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、
kは、1〜100の整数である;で表されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルであって、
ポリアルキレングリコールの含有量が1500質量ppm以下である、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルもまた提供される。なお、上記PAGの含有量は、具体的には、実施例に記載の方法によって測定することができる。
カラム:Inert Cap WAX(30m×0.25mmID×0.25μm)
注入量:0.2μL
プログラム:50℃−(1℃/min.)−55℃−(100℃/min.)−240℃。
撹拌機と温度調節機を備えたオートクレーブに、上記化合物(I)として、モノエチレングリコールモノメチルエーテル(水分量:0.5質量%以下、EG量:150質量ppm以下)76.10質量部を仕込み、さらに、塩基性触媒として、28質量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(SM−28)0.78質量部を仕込んだ。系内を窒素置換した後、所定温度まで加熱昇温を行った。このとき、反応系中のエチレングリコールの濃度は、150質量ppm以下であった。
撹拌機と温度調節機を備えたオートクレーブに、上記化合物(I)として、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(水分量:0.5質量%以下、EG量:150質量ppm以下)120.15質量部を仕込み、さらに、触媒として、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(SM−28)0.78質量部を仕込んだ。系内を窒素置換した後、所定温度まで加熱昇温を行った。このとき、反応系中のエチレングリコールの濃度は、150質量ppm以下であった。
撹拌機と温度調節機を備えたオートクレーブに、上記化合物(I)として、モノエチレングリコールモノメチルエーテル(水分量:0.5質量%以下、EG量:150質量ppm以下)76.10質量部を仕込み、さらに、触媒として、ナトリウムメトキシド(粉末)0.21質量部を仕込んだ。系内を窒素置換した後、所定温度まで加熱昇温を行った。このとき、反応系中のエチレングリコールの濃度は、150質量ppm以下であった。
撹拌機と温度調節機を備えたオートクレーブに、上記化合物(I)として、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(水分量:0.5質量%以下、EG量:150質量ppm以下)120.15質量部を仕込み、さらに、塩基性触媒として、ナトリウムメトキシド(粉末)0.22質量部を仕込んだ。系内を窒素置換した後、所定温度まで加熱昇温を行った。このとき、反応系中のエチレングリコールの濃度は、150質量ppm以下であった。
撹拌機と温度調節機を備えたオートクレーブに、上記化合物(I)として、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(水分量:0.5質量%以下、EG量:150質量ppm以下)120.15質量部を仕込み、さらに、塩基性触媒として、水酸化カリウム(フレーク)0.19質量部を仕込んだ。系内を窒素置換した後、所定温度まで加熱昇温を行った。このとき、反応系中のエチレングリコールの濃度は、150質量ppm以下であった。
上記実施例および比較例で得られたグリコールエーテルについて、HPLCによってPEG含有量を評価した。得られた結果を下記表1に示す。
Claims (6)
- 塩基性触媒の存在下、下記式(i):
上記式(i)中、
R1は、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、
A1は、炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基であり、
mは、0〜10の整数である;で表される化合物(I)と、
アルキレンオキサイドと、
を混合して前記化合物(I)と前記アルキレンオキサイドとの付加反応を行う工程を含み、
前記塩基性触媒は、金属アルコキシドのアルコール溶液の形態で添加される、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの製造方法。 - 前記金属アルコキシドは、アルカリ金属アルコキシドである、請求項1に記載の製造方法。
- 前記アルコール溶液の溶媒は、メタノールまたはエタノールを含む、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記化合物(I)は、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノメチルエーテルであり、
前記アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記付加反応の開始時点における、原料混合物中のアルキレングリコールの含有量が、150質量ppm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 下記式(ii):
上記式(ii)中、
R3は、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、
A3は、炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基であり、
kは、1〜100の整数である;で表されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルであって、
ポリアルキレングリコールの含有量が1500質量ppm以下である、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル。
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