JP6842829B2 - 粘着性低減剤 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着性低減剤に関する。
電子産業分野において、電子機器(部品)の製造、搬送、使用等の際に、電子機器(部品)の表面に粘着フィルム(保護フィルム)を貼着することが行われている。
特に、スマートフォンと呼ばれる高機能な端末が急速に普及しており、これらの多くはタッチパネルと呼ばれるディスプレイに触れることで操作される。同様に、タッチパネル式ディスプレイを搭載したものとして、タブレット端末があり、これは主に持ち運ぶことを目的としたコンピューターである。これらの普及により、画面保護用の粘着フィルムが広く用いられるようになってきた。
上記粘着フィルムに用いられる粘着剤には、微粘着性(小さな力で剥離可能であること)および再剥離性(一度貼着しても、再びきれいに剥がせること)が求められる。かような特性を有する粘着剤としては、(メタ)アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等があるが、比較的安価に製造できるなどの理由から、(メタ)アクリル系粘着剤の需要が高まっている。
微粘着性および再剥離性を念頭に置いた上記(メタ)アクリル系粘着剤として、例えば、特許文献1では、(メタ)アクリル系粘着樹脂、ジメチルポリシロキサンおよび適当な架橋剤を含む粘着剤組成物が提案されている。また、特許文献2および特許文献3では、(メタ)アクリル系粘着樹脂およびオキシアルキレン鎖を有するポリシロキサンを含む粘着剤組成物が提案されている。これらの各特許文献においては、シリコーン化合物が粘着剤組成物の粘着性を低減させて微粘着剤組成物とするための粘着性低減剤として用いられている。
特開平07−331210号公報 特開2009−292959号公報 特開2013−237827号公報
しかしながら、特許文献1のように、粘着性低減剤としてジメチルポリシロキサン(シリコーン化合物)を(メタ)アクリル系粘着樹脂に添加した場合、白濁や相分離が生じたり、また、粘着性低減剤として添加されたシリコーン化合物がマイグレーションすることにより、被着体を汚染したりするという不都合があった。さらに、特許文献2および特許文献3に開示された、オキシアルキレン鎖を有するポリシロキサン(シリコーン化合物)を粘着性低減剤として用いた場合にもまた、上記特許文献1に開示された技術と同様の不都合が生じうる。
したがって、白濁、相分離およびマイグレーション等が問題となりうるシリコーン化合物を用いなくとも、粘着剤組成物に対して優れた微粘着性および再剥離性を付与しうる粘着性低減剤が求められていた。
そこで、本発明の目的は、シリコーン化合物を用いなくとも、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に微粘着性および再剥離性を付与することができる新規な技術を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討を積み重ねた。その結果、驚くべきことに、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に所定のイオン結合性塩を添加すると、当該粘着剤組成物の粘着性が著しく低減されることを見出した。言い換えれば、所定のイオン結合性塩が、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に対する粘着性低減剤として機能しうることが見出されたのである。本発明者らは、この知見に基づき、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態によれば、下記式(1)で示されるイオン結合性塩を含み、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に添加されて前記粘着剤組成物の粘着性を低減させるのに用いられる、粘着性低減剤が提供される:
上記式(1)中、
(Q)は、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、およびモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であり、
(T)は、下記式(t−1):
上記式(t−1)中、
は、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素原子数7〜31のアリールアルキル基であり、
は、直鎖状または分枝状の炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、
sは、0〜50の整数である、
で示される硫酸エステルアニオン、
下記式(t−2):
上記式(t−2)中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素原子数7〜31のアリールアルキル基であり、この際、RおよびRは、同時に水素原子ではなく、
およびAは、それぞれ独立して、直鎖状または分枝状の炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、
tおよびuは、それぞれ独立して、0〜50の整数である、
で示されるリン酸エステルアニオン、または、
下記式(t−3):
上記式(t−3)中、
は、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素原子数7〜31のアリールアルキル基であり、
は、直鎖状または分枝状の炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、
vは、0〜50の整数である、
で示されるスルホン酸アニオンである。
本発明によれば、シリコーン化合物を用いなくとも、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に微粘着性および再剥離性を付与することができる新規な技術が提供される。
<粘着性低減剤>
本発明の一形態は、下記式(1)で示されるイオン結合性塩を含み、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に添加されて前記粘着剤組成物の粘着性を低減させるのに用いられる、粘着性低減剤である。
上記式(1)において、(Q)は、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、およびモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である。
上記式(1)において、(T)は、下記式(t−1):
で示される硫酸エステルアニオン、下記式(t−2):
で示されるリン酸エステルアニオン、または、下記式(t−3):
で示されるスルホン酸アニオンである。
上記式(t−1)中、Rは、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素原子数7〜31のアリールアルキル基であり、Aは、直鎖状または分枝状の炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、sは、0〜50の整数である。
また、上記式(t−2)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素原子数7〜31のアリールアルキル基であり、この際、RおよびRは、同時に水素原子ではなく、AおよびAは、それぞれ独立して、直鎖状または分枝状の炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、tおよびuは、それぞれ独立して、0〜50の整数である。
さらに、上記式(t−3)中、Rは、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素原子数7〜31のアリールアルキル基であり、Aは、直鎖状または分枝状の炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、vは、0〜50の整数である。
上記特許文献1〜3に開示された技術によれば、シリコーン化合物の(メタ)アクリル系粘着樹脂との相溶性は高くないため、白濁や相分離に加え、被着体へのシリコーン化合物のマイグレーションが生じていると考えられる。しかしその一方で、シリコーン化合物と(メタ)アクリル系粘着樹脂との相溶性が高くないことから、場合によっては、シリコーン化合物が(メタ)アクリル系粘着樹脂の表面に配列され、当該粘着剤の表面を被覆する(あるいは表面に露出する)ことで、(メタ)アクリル系粘着樹脂に微粘着性や再剥離性を付与しているとも考えられる。したがって、上記特許文献1〜3の技術による粘着剤組成物は、シリコーン化合物と(メタ)アクリル系粘着樹脂との相溶性の低さを利用して微粘着性や再剥離性を向上させることができる一方で、白濁や相分離が生じやすく、シリコーン化合物が被着体へマイグレーションしやすくなってしまうという、所謂トレードオフの問題を抱えていると考えられる。
これに対し、本発明者らは、上述したような課題(シリコーン化合物を用いなくとも、(メタ)アクリル系粘着剤を含有する粘着剤組成物に微粘着性および再剥離性を付与しうる手段を提供すること)に鑑み、鋭意研究を積み重ねた。その結果、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に上記式(1)で示されるイオン結合性塩(以下、単に「イオン結合性塩(1)」とも称することがある)を添加すると、当該粘着剤組成物の粘着性が著しく低減されることを見出した。そのメカニズムは明確ではないが、イオン結合性塩(1)は、カチオンにアルカリ金属を有するような金属塩と比較して、カチオンとアニオンとの結合力が弱いため自由度が非常に高くなっている。そのため、(メタ)アクリル系粘着樹脂と非常に相溶性が良くなり、(メタ)アクリル系粘着樹脂中において自由度が高くなる結果、当該ポリマー鎖の空隙に入り込むことで、その粘着性を低減させていると推測される。
以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。
(カチオン(Q)
上記(Q)は、窒素含有化合物に由来するカチオンである。カチオン(Q)をもたらす窒素含有化合物の具体例としては、例えば、アンモニア(NH)のほか、アミン化合物、イミダゾール化合物、ピリジン化合物、ピロリジン化合物、ピロール化合物、ピラジン化合物、ピリミジン化合物、トリアゾール化合物、トリアジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、キノキサリン化合物、ピペラジン化合物、オキサゾリン化合物、チアゾリン化合物、およびモルホリン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の窒素含有有機化合物が挙げられる。ここで、上記(Q)は、特に窒素含有有機化合物に由来するカチオンであると好ましい。
上記各窒素含有有機化合物の具体的な例は、特開2012−72130号公報の段落[0071]〜[0091]に記載されたものと同様のものを挙げることができるが、入手容易性等の観点からは、上記化合物の中でも、アミン化合物が特に好ましい。
そして、アミン化合物のなかでも、ジメチルアミン、ジエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、メチル(エチル)アミン、メチル(プロピル)アミン、メチル(ブチル)アミン、メチル(ペンチル)アミン、メチル(ヘキシル)アミン、エチル(プロピル)アミン、エチル(ブチル)アミン、エチル(ペンチル)アミン、エチル(ヘキシル)アミンなどのアルキルアミン;モノベンジルアミン、(1−フェネチル)アミン、(2−フェネチル)アミン(別名:モノフェネチルアミン)、ジベンジルアミン、ビス(1−フェネチル)アミン、ビス(2−フェネチル)アミン(別名:ジフェネチルアミン)などの芳香族置換アルキルアミン;モノシクロペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、モノシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノシクロヘプチルアミン、ジシクロヘプチルアミンなどのシクロアルキルアミン;モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(n−プロパノール)アミン、ジ(n−プロパノール)アミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、モノペンタノールアミン、ジペンタノールアミン、トリペンタノールアミン、モノヘキサノールアミン、ジヘキサノールアミン、モノメチルモノエタノールアミン、モノエチルモノエタノールアミン(別名:N−エチルエタノールアミン)、モノエチルモノプロパノールアミン、モノエチルモノブタノールアミン、モノエチルモノペンタノールアミン、モノプロピルモノエタノールアミン、モノプロピルモノプロパノールアミン、モノプロピルモノブタノールアミン、モノプロピルモノペンタノールアミン、モノブチルモノエタノールアミン、モノブチルモノプロパノールアミン、モノブチルモノブタノールアミン、モノブチルモノペンタノールアミンなどのアルカノールアミンが好ましい。これらアミン化合物は、入手容易性の観点から好ましい。なかでも、特に(メタ)アクリル系粘着樹脂に微粘着性および再剥離性を付与しやすいという理由から、アルカノールアミンを用いると好ましい。
(Q)は、上述した各種の窒素含有化合物由来のカチオンでありうるが、なかでも、アミン化合物に由来するカチオンであると好ましく、さらに、アルカノールアミンに由来するカチオンであるとより好ましい。かようなカチオンは、微粘着性および再剥離性が付与しやすいという点で好適である。
また、上記アミン化合物としては、イオン結合性塩(1)を調製する反応工程の簡略化の観点から、当該化合物中に含まれるアミノ基が1級、2級または3級であるものが好ましい。また、本発明の効果を得やすいという観点からは、2級または3級であるものがより好ましく、2級であるものが特に好ましい。
(アニオン(T)
上記式(1)において、アニオン((T))は、上記式(t−1)で示される硫酸エステルアニオン、式(t−2)で示されるリン酸エステルアニオンまたは式(t−3)で示されるスルホン酸アニオンである。これらアニオンは、上述したカチオンと相互作用することによって(メタ)アクリル系粘着樹脂との親和性が改善され、結果として、イオン結合性塩(1)による微粘着性および再剥離性の付与に大きく寄与することができる。また、これらアニオンは、上記カチオンのカウンターアニオンとして、ハロゲンを含まない構造のカウンターアニオンを提供するため、ハロゲンを嫌う用途における使用に適している。以下、これらアニオンの構造について具体的に説明する。
上記式(t−1)中のA、式(t−2)中のAおよびA、および式(t−3)中のAとしてそれぞれ示される、直鎖状または分枝状の炭素原子数2〜4のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。入手容易性の観点から、エチレン基、プロピレン基が特に好ましい。
上記式(t−1)中のR、式(t−2)中のRおよびR、および式(t−3)中のRとしてそれぞれ示される、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、3−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、4−メチルペンチル基、4−メチルペンタン−2−イル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−(n−プロピル)ブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、n−オクチル基、2−メチルヘキサン−2−イル基、2,4−ジメチルペンタン−3−イル基、1,1−ジメチルペンタン−1−イル基、2,2−ジメチルヘキサン−3−イル基、2,3−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,4−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−メチルヘプタン−2−イル基、3−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、n−ノニル基、1−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−(n−ブチル)ペンチル基、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチル基、1,5,5−トリメチルヘキシル基、1,1,5−トリメチルヘキシル基、2−メチルオクタン−3−イル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−(n−ブチル)ヘキシル基、1,1−ジメチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、1−エチルノニル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、1−メチルトリデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基などの直鎖、分岐状のアルキル基が挙げられる。入手容易性や(メタ)アクリル系粘着樹脂に対するイオン結合性塩(1)の配列のしやすさの観点から、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、2−エチルヘキシル基、トリデシル基、1,2−ビス(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル基がより好ましく、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
置換されているかもしくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基の例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基が挙げられる。入手容易性や(メタ)アクリル系粘着樹脂の表面に対するイオン結合性塩(1)の配列のしやすさの観点から、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数3〜10のシクロアルキル基がより好ましく、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基がより好ましい。
置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基の例としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基などが挙げられる。入手容易性や(メタ)アクリル系粘着樹脂に対するイオン結合性塩(1)の配列のしやすさの観点から、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜18のアリール基が好ましく、フェニル基、ジメチルフェニル基(2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基等)、イソプロピルフェニル基(2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基)、ドデシルフェニル基(2−ドデシルフェニル基、3−ドデシルフェニル基、4−ドデシルフェニル基)が特に好ましい。
置換されているかもしくは非置換の炭素原子数7〜31のアリールアルキル基の例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、2−(2−ナフチル)エチル基、3−(1−ナフチル)プロピル基、または3−(2−ナフチル)プロピル基などが挙げられる。
入手容易性の観点からは、R〜Rは、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基または置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基であるとより好ましく、さらに、置換されているかもしくは非置換の炭素原子数1〜10のアルキル基または置換されているかもしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリール基であると特に好ましい。さらに、入手容易性や粘度等の取り扱いの容易性等を考慮すると、好ましくは、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ジメチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ドデシルフェニル基である。
上記式(t−1)中のs、式(t−2)中のtおよびu、および式(t−3)中のvは、二価の置換基−(OA1〜4)−の数を表し、0〜50の整数である。粘度の低下などによる取扱い易さ等の観点から、上記s、t、uおよびvは、それぞれ独立して、1〜40の整数が好ましく、2〜30の整数がより好ましい。ここで、上記s、t、uおよびvが、1以上であるとき、イオン結合性塩(1)は、オキシアルキレン鎖を有する。本発明の効果をより向上させるために、上記s、t、uおよびvは、1以上であると好ましい。このように、イオン結合性塩(1)がオキシアルキレン鎖を含んでいると、微粘着性および再剥離性の付与効果ならびにマイグレーションの抑制効果をさらに高めることができる。よって、上記s、t、uおよびvは1以上であるとさらに好ましく、2以上であると特に好ましい。一方、オキシアルキレン鎖が長すぎる場合、高粘度となるため、ハンドリング性を考慮すると、上記s、t、uおよびvの上限は、50であると好ましく、40であるとより好ましく、30であると特に好ましい。
イオン結合性塩(1)において、式(t−1)で示される硫酸エステルアニオン、式(t−2)で示されるリン酸エステルアニオンまたは式(t−3)で示されるスルホン酸アニオンは、その用途によって適宜選択される。
(イオン結合性塩(1)の具体例)
上記式(1)で示されるイオン結合性塩(1)のより好ましい化合物としては、下記化学式(101)〜(113)で表されるイオン結合性塩が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより得られやすいという観点から、イオン結合性塩(1)としては、化学式(101)、(102)、(103)、(107)、(110)、(111)で表されるイオン結合性塩が好ましく、化学式(101)、(102)、(103)で表されるイオン結合性塩がより好ましく、化学式(101)で表されるイオン結合性塩が特に好ましい
<粘着性低減剤の用途>
本発明に係る粘着性低減剤は、下記式(1)で示されるイオン結合性塩を含み、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に添加されて前記粘着剤組成物の粘着性を低減させるのに用いられる。
[(メタ)アクリル系粘着樹脂]
本発明に係る粘着性低減剤が添加される対象である粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有するものである。当該(メタ)アクリル系粘着樹脂としては、各種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを単独重合または共重合させてなる(メタ)アクリル系樹脂が用いられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂の製造に用いられるモノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレートなどのアルキル基を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ) アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ) アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート;アクリルアミド、ビニルアルコール、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらのモノマーは、必要とされる粘着特性に応じて適宜組み合わせて使用することができる。
また、(メタ)アクリル系粘着樹脂としてはガラス転移温度(Tg)が通常0℃以下のポリマーが用いられるが、−100℃〜−5℃であることが好ましく、−80℃〜−10℃であることがより好ましい。なお、ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
さらに、(メタ)アクリル系粘着樹脂としては、連続相(海)中に分散相(島)が分散された海島構造(すなわち、ミクロドメイン構造)を有しているものであると好ましい。このような海島構造を有する樹脂は、疑似架橋した構造をとっていると推測されることから、イオン結合性塩(1)の(メタ)アクリル系粘着樹脂への部分的な取り込みをより強固にし、結果として本発明の効果をより向上させることができると考えられる。
(メタ)アクリル系粘着樹脂としては、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。上記特性を満足するような市販品としては、例えば、株式会社日本触媒製アクリセット(登録商標)AST8918E等が挙げられる。
[その他の成分]
本発明に係る粘着性低減剤が添加される対象である粘着剤組成物は、上述した(メタ)アクリル系粘着樹脂に加えて、必要に応じて、架橋剤、その他の添加剤等を含有していてもよい。以下、これらの各成分について説明する。
(架橋剤)
架橋剤は、(メタ)アクリル系粘着樹脂を架橋することにより、粘着力、保持力、タック等の粘着剤の特性を調整することができるとともに、耐久性や耐熱性等を向上させる機能を有する添加剤である。
架橋剤は、(メタ)アクリル系粘着樹脂中(例えば、側鎖など)に存在する、活性水素等を有する官能基(例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ヒドロキシメチル基等)と反応し、粘着樹脂を架橋するものであり、例えば、イソシアネート類、多価イソシアナート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物等が挙げられる。
多価イソシアナート化合物としては、例えば、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらのアダクトタイプのもの等が挙げられる。
多価エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等が挙げられる。
多価アジリジン化合物としては、例えば、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が挙げられる。
キレート化合物としては、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
架橋剤の配合量は、(メタ)アクリル系粘着樹脂の種類により適宜調整することができるが、(メタ)アクリル系粘着樹脂100質量部に対して、0.1〜40質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。
(その他の添加剤)
その他の添加剤としては、従来公知の添加剤を使用することができ、その具体的には、例えば、表面平滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、シランカップリング材、無機充填材、有機充填剤、金属粉、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、低分子量ポリマー等が挙げられる。これらの添加剤は、粘着剤組成物の使用用途に応じて適宜配合すればよい。
上述のように、イオン結合性塩(1)を添加することにより、シリコーン化合物を用いなくとも、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に対し、微粘着性を付与することができる。このように、上記イオン結合性塩(1)は、その添加量が少量であっても、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に対して微粘着性を付与することができる。したがって、本発明に係る粘着性低減剤によれば、イオン結合性塩の添加量が上記の通り少なくて済み、高価なシリコーン化合物を添加する場合と比較して、製品価格を低廉にすることができるという利点も有する。
具体的には、本発明に係る粘着性低減剤は、(メタ)アクリル系粘着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部添加されると好ましく、0.5〜15質量部添加されるとより好ましく、1〜10質量部添加されると特に好ましい。上記範囲であれば、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含む粘着剤組成物に対して十分な微粘着性が付与されると共に、過大な量を添加しないで良いため、マイグレーションを抑制することができる。さらに、上記の範囲であれば、粘着性低減剤の添加量が多くなりすぎることなく、十分な効果が得られるため、経済的にも有利である。
加えて、本発明に係る粘着性低減剤は、上記の通り、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含む粘着剤組成物に対して再剥離性を付与することができる。さらに、本発明に係る粘着性低減剤は、経時的な接着昂進を抑制することができる。
本発明に係る粘着性低減剤の使用形態は特に制限されない。例えば、粘着剤組成物中に粘着性低減剤を分散させた形態で用いられてもよいし、粘着剤組成物中に粘着性低減剤が混練された形態で用いられてもよいし、粘着剤組成物表面に粘着性低減剤が塗布された形態で用いられてもよいし、これらを適宜組み合わせた形態であっても構わない。粘着性低減剤の少なくとも一部を、粘着剤組成物の表面に露出させることができる形態であれば、いかなる形態でも用いることができるが、好ましくは、粘着剤組成物中に粘着性低減剤が分散された形態が採用される。かような形態であれば、粘着剤組成物の製造工程が簡素化されるため、好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例により何ら制限されるものではない。なお、以下において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
[合成例1:[MEM][EHDG−S]の合成;イオン結合性塩の合成]
ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名:2−エチルヘキシルジグリコール、略称:EHDG)150.0質量部にトルエン150.0質量部を加え、110℃に昇温した。これにスルファミン酸80.2質量部を加え3時間反応させた。反応後、過剰のスルファミン酸を濾別して、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(略称:EHDG−SF;アンモニウムイオンはNH )のトルエン溶液を得た。
上記で得られたEHDG−SFの50%トルエン溶液100.0質量部に、N−エチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、商品名:アミノアルコールMEM、略称:MEM)を21.2質量部加え、120℃で3時間反応させた。(EHDG−SFとMEMとのモル比は1:1.5)
反応終了後、トルエンおよび未反応のMEMを減圧留去し(温度:150℃、減圧度:1.33kPa(10mmHg))、目的とするイオン結合性塩(略称:[MEM][EHDG−S];前記化学式(101)で表される化合物)を61.2質量部得た。
[合成例2:[MMA][EHDG−S]の合成;イオン結合性塩の合成]
MEMの代わりに、N−メチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、商品名:アミノアルコールMMA、略称:MMA)100.0質量部を用いたことを除いては、上記合成例1と同様にして、目的とするイオン結合性塩(略称:[MMA][EHDG−S];前記化学式(112)で表される化合物)を17.9質量部得た。
[合成例3:[2A][EHDG−S]の合成;イオン結合性塩の合成]
MEMの代わりに、N,N−ジエチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、商品名:アミノアルコール2A、略称:2A)100.0質量部を用いたことを除いては、上記合成例1と同様にして、目的とするイオン結合性塩(略称:[2A][EHDG−S];前記化学式(103)で表される化合物)を27.9質量部得た。
[合成例4:[MEM][1305−S]の合成;イオン結合性塩の合成]
EHDG−SFの代わりに、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(略称:1305−SF;アンモニウムイオンはNH )100.0質量部を用いたことを除いては、上記合成例1と同様にして、目的とするイオン結合性塩(略称:[MEM][1305−S];前記化学式(107)で表される化合物)を12.9質量部得た。
[合成例5:[MEM][EHG−S]の合成;イオン結合性塩の合成]
EHDG−SFの代わりに、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(略称:EHG−SF;アンモニウムイオンはNH )100.0質量部を用いたことを除いては、上記合成例1と同様にして、目的とするイオン結合性塩(略称:[MEM][EHG−S];前記化学式(113)で表される化合物)を24.6質量部得た。
[合成例6:[MEM][EHDG−P]の合成;イオン結合性塩の合成]
EHDG−SFの代わりに、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルリン酸ジエステルアンモニウム塩(略称:EHDG−PNH)を100.0質量部を用いたことを除いては、上記合成例1と同様にして、目的とするイオン結合性塩(略称:[MEM][EHDG−P];前記化学式(104)で表される化合物)を30.5質量部得た。
[合成例7:[MEM][DOSS]の合成;イオン結合性塩の合成]
EHDG−SFの代わりに、アンモニウムジオクチルスルフォサクシネート(略称:DOSS−NH)100.0質量部を用いたことを除いては、上記合成例1と同様にして、目的とするイオン結合性塩(略称:[MEM][DOSS];前記化学式(111)で表される化合物)を30.4質量部得た。
[合成例8:[MEM][Cum−SO]の合成;イオン結合性塩の合成]
EHDG−SFの代わりに、クメンスルホン酸(o−,m−,p−クメンスルホン酸異性体混合物)(略称:Cum−SOH)を100.0質量部を用いたことを除いては、上記合成例1と同様にして、目的とするイオン結合性塩(略称:[MEM][Cum−SOH];前記化学式(110)で表される化合物)を66.8質量部得た。
[実施例1]
アクリル系粘着樹脂溶液(酢酸エチル溶液、固形分量50質量%、含有樹脂のTg:−55℃)100質量部(株式会社日本触媒製、アクリセット(登録商標)AST8918E)および架橋剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート 2質量部(旭化成ケミカルズ株式会社製、デュラネート(登録商標)D−201)に、イオン結合性塩(1)としての[MEM][EHDG−S] 2.5質量部をPP製カップに加え、スパチュラを用いて均一となるまで混合して、アクリル系粘着剤組成物溶液(1)を調製した。
[実施例2〜8]
イオン結合性塩(1)としての[MEM][EHDG−S]を合成例2〜8のそれぞれで得られたイオン結合性塩に代えたことを除いては、実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤組成物溶液(2)〜(8)をそれぞれ調製した。
[実施例9]
イオン結合性塩の添加量を変化させた以外は、実施例4と同様にして、アクリル系粘着剤組成物溶液(9)を調製した。
[実施例10〜11]
イオン結合性塩の添加量を変化させた以外は、実施例7と同様にして、アクリル系粘着剤組成物溶液(10)〜(11)をそれぞれ調製した。
[比較例1]
上記実施例1において、イオン結合性塩(1)である[MEM][EHDG−S]を添加せず、上記アクリル系粘着樹脂溶液を比較アクリル系粘着剤組成物溶液(1)とした。
≪評価≫
上記実施例および比較例で得られたアクリル系粘着剤組成物溶液を用いて下記の方法によって評価用粘着テープを作製し、これを評価した。
[粘着性試験(PET180°剥離力(初期粘着性)]
上記で調製したアクリル系粘着剤組成物溶液および比較アクリル系粘着剤組成物溶液のそれぞれを、厚さ50μmのPET基材(C:東洋紡株式会社製、E5000、厚さ50μm)上に、乾燥後の厚みが45〜50μmとなるように、アプリケーターを用いてそれぞれ塗布した。次いで、これを90℃で5分間加熱乾燥して粘着剤層(D:厚さ45〜50μm)を形成した。その後、当該粘着剤層(D)の上に、PETセパレーター(E:ユニチカ株式会社製、エンブレット(登録商標)S−25、厚さ25μm)を貼り、さらに40℃で72時間養生し、実施例に係る粘着テープおよび比較粘着テープをそれぞれ作製した。
次に、25mm幅に切った上記各粘着テープのPET基材(C)とSUS板(F)をアクリル系強粘着性の両面テープ(B)で固定し、常温で30分静置後、粘着テープのPETセパレーター(E)を180°方向へ300mm/minで引っ張った際の粘着力(gf/25mm)を測定した(初期粘着力)。このとき、測定機器はテスター産業株式会社製 装置名:QC引張試験機を用いた。その結果を下記の表1〜3に示す。
[粘着性試験(ガラス90°粘着力)]
25mm幅に切った粘着テープおよび比較粘着テープの微粘着層に貼り合わせたPETフィルムを剥がし、ガラス板に貼り付け、50℃で30分加温後、基材を90°方向へ300mm/minで引っ張った際の粘着力(gf/25mm)を測定した。このとき、測定機器はテスター産業株式会社製 装置名:QC引張試験機を用いた。その結果を下記の表1〜3に示す。
上記評価により、本発明に係る所定のイオン結合性塩が添加されてなる粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、優れた微粘着性および再剥離性を有していることが示された。一方、本発明における所定のイオン結合性塩を含まない比較例1では、十分な微粘着性および再剥離性が得られなかった。このように、本発明に係る所定のイオン結合性塩は、添加量が比較的少なくても、アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に対して微粘着性および再剥離性を十分に付与できる(すなわち、粘着性低減剤として有用である)ことがわかる。

Claims (2)

  1. 下記化学式(101)〜(113)で示されるイオン結合性塩から選択される少なくとも1つのイオン結合性塩を含み、(メタ)アクリル系粘着樹脂を含有する粘着剤組成物に添加されて前記粘着剤組成物の粘着性を低減させるのに用いられる、粘着性低減剤:

  2. 前記イオン結合性塩は下記化学式(101)で表されるものである、請求項1に記載の粘着性低減剤:
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