JP2009149834A - 制電性アクリル系樹脂組成物、及び制電性アクリル系粘着剤組成物並びに光学部材用保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】塗料、粘着剤等に使用可能な制電性アクリル系樹脂組成物であって、特に、液晶ディスプレイの製造に用いられる大画面用偏光板等の光学部材の表面保護フィルム用の粘着剤層の形成に好適な、透明な、剥離時の静電気の発生が少ない制電性アクリル系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 アルカノールアンモニウム塩部と前記アルカノールアンモニウム塩部中の水酸基以外の水酸基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアクリル系樹脂(A)、
水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)、及び
イオン化合物(C)を含む、制電性アクリル系樹脂組成物。
【選択図】 図1
【解決手段】 アルカノールアンモニウム塩部と前記アルカノールアンモニウム塩部中の水酸基以外の水酸基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアクリル系樹脂(A)、
水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)、及び
イオン化合物(C)を含む、制電性アクリル系樹脂組成物。
【選択図】 図1
Description
本発明は、制電性アクリル系樹脂組成物に関する。詳しくは、電子、光学部品の包装材に用いる透明性に優れた制電性アクリル系樹脂組成物に関する。より詳しくは、液晶ディスプレイを構成する光学部材を保護するためのフィルムの貼着に用いられる粘着剤層の形成に好適な、透明な、剥離時の静電気の発生が少ない制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
ICチップに代表される電子部品や光学部品を包装する場合、その包装材には、静電気対策が求められている。
特許文献1(特開2003−261774号公報)には、イオン化合物としてのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含む制電性樹脂組成物が、高い静電気消散機能を有し、持続性、成形加工性に優れた、着色しない制電性樹脂組成物として開示されている。しかし、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが高価な材料であるため、成形品全体を当該制電性樹脂組成物で作製した場合にはコスト高を招き、高付加価値の特殊用途にしか使用できない。
そこで、特許文献2(特開2003−41194号公報)には、成形品の表面に、制電性樹脂組成物の塗膜を形成する経済性に優れた制電性塗料が開示されている。
特許文献1(特開2003−261774号公報)には、イオン化合物としてのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含む制電性樹脂組成物が、高い静電気消散機能を有し、持続性、成形加工性に優れた、着色しない制電性樹脂組成物として開示されている。しかし、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが高価な材料であるため、成形品全体を当該制電性樹脂組成物で作製した場合にはコスト高を招き、高付加価値の特殊用途にしか使用できない。
そこで、特許文献2(特開2003−41194号公報)には、成形品の表面に、制電性樹脂組成物の塗膜を形成する経済性に優れた制電性塗料が開示されている。
一方で、包装材自体の形態が、従来のコンテナ等の容器から、キャリアテープや光学部品用途の保護フィルムに代表されるように、テープ化やフィルム化が進んでいる。
特に、保護フィルムは、液晶ディスプレイの普及に伴って伸長著しい。具体的には、液晶ディスプレイに用いられる偏光板やそれに準ずる積層体等の光学部品等に、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等からなる透明なフィルムが保護フィルムとして粘着層を介して積層されて使用される。
保護フィルムは、液晶ディスプレイ等に組み込みが完了した後に光学部品等から剥離除去されるが、剥離する際に生じる静電気により液晶や電子回路が破壊されるトラブルの発生が問題となっている。保護フィルム表面に制電性樹脂を塗工するだけでは、剥離時に発生する静電気の抑制には十分な効果が得られていない。
特に、保護フィルムは、液晶ディスプレイの普及に伴って伸長著しい。具体的には、液晶ディスプレイに用いられる偏光板やそれに準ずる積層体等の光学部品等に、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等からなる透明なフィルムが保護フィルムとして粘着層を介して積層されて使用される。
保護フィルムは、液晶ディスプレイ等に組み込みが完了した後に光学部品等から剥離除去されるが、剥離する際に生じる静電気により液晶や電子回路が破壊されるトラブルの発生が問題となっている。保護フィルム表面に制電性樹脂を塗工するだけでは、剥離時に発生する静電気の抑制には十分な効果が得られていない。
そこで、保護フィルムの粘着層を形成するための、粘着性を有する制電性樹脂組成物が求められている。
例えば、特許文献3(特開平9−165460号公報)には、粘着剤にアルキルリン酸塩系界面活性剤を添加し、粘着剤中から界面活性剤を被着体に転移させて制電する方法が提案されている。しかしながら、界面活性剤の転移は被着体を汚染させるばかりでなく、また、高温下や高湿度下で一定時間保管した場合には剥がしにくいという問題もあった。
例えば、特許文献3(特開平9−165460号公報)には、粘着剤にアルキルリン酸塩系界面活性剤を添加し、粘着剤中から界面活性剤を被着体に転移させて制電する方法が提案されている。しかしながら、界面活性剤の転移は被着体を汚染させるばかりでなく、また、高温下や高湿度下で一定時間保管した場合には剥がしにくいという問題もあった。
また、特許文献4(特開2006−291172号公報)、特許文献5(特開2007−92056号公報)には、それぞれ、イオン性液体(常温溶融塩)もしくはアルカリ金属塩、及びアルキレンオキサイド鎖を有するノニオン系反応性乳化剤を構成成分とするアクリル樹脂を含有するアクリル系粘着剤が汚染性の少ない制電性の優れた粘着剤として開示されている。ノニオン系反応性乳化剤を用いたアクリル樹脂は、ノニオン系反応性乳化剤を用いないアクリル樹脂に比して制電性は優れるので、イオン性液体やアルカリ金属塩の配合量を減らすことはできる。その結果、イオン性液体やアルカリ金属塩に由来する被着体汚染を低減することはできる。しかし、制電性や被着体非汚染性に対する要求がますます高まる近年、被着体汚染の原因となり得るイオン性液体やアルカリ金属塩の配合量のさらなる低減が課されるようになった。
さらに、近年、液晶ディスプレイの大画面化に伴い、偏光板表面についても光学的処理が必須になり、高屈折層と低屈折層を積層させた低反射膜が形成される場合がおおくなってきている。低屈折層を形成するためにフッ素系材料が使用される場合が有り、フッ素は非常に静電気を発生し易い材料で有る。汚染性が低く、かつ、剥離時に生じる静電気を十分に防止する効果が得られていない。
特開2003−261774号公報
特開2003−41194号公報
特開平9−165460号公報
特開2006−291172号公報
特開2007−92056号公報
本発明は、塗料、粘着剤等に使用可能な制電性アクリル系樹脂組成物であって、特に、液晶ディスプレイの製造に用いられるフッ素化合物等で表面処理した大画面用偏光板等の光学部材の表面保護フィルム用の粘着剤層の形成に好適な、透明な、剥離時の静電気の発生が少ない制電性アクリル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ノニオン系反応性乳化剤ではなく、いわゆるアニオン性反応性乳化剤の一種を用いてなるアクリル系樹脂(A)が、ノニオン系反応性乳化剤を用いてなるアクリル系樹脂よりも、制電性発現に効果的であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、アルカノールアンモニウム塩部と前記アルカノールアンモニウム塩部中の水酸基以外の水酸基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアクリル系樹脂(A)、
水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)、及び
イオン化合物(C)を含む、制電性アクリル系樹脂組成物に関し、
アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)を1〜30重量部、及びイオン化合物(C)を0.001〜10重量部含有することが好ましい。
即ち、本発明は、アルカノールアンモニウム塩部と前記アルカノールアンモニウム塩部中の水酸基以外の水酸基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアクリル系樹脂(A)、
水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)、及び
イオン化合物(C)を含む、制電性アクリル系樹脂組成物に関し、
アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)を1〜30重量部、及びイオン化合物(C)を0.001〜10重量部含有することが好ましい。
また、本発明は、アルカノールアンモニウム塩部が、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される、上記発明に記載の制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
上記、一般式(1)〜(3)において、m+n+p=4。mは1〜3の整数。nは0〜2の整数。pは1〜3の整数を表し、
R1、R2は、化学的に合理的な一価の有機基であり、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
R1、R2は、化学的に合理的な一価の有機基であり、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
また、本発明は、アクリル系樹脂(A)が、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)と、ラジカル重合性不飽和二重結合とアルカノールアンモニウム塩部とアルキレンオキサイド鎖とを有するモノマー(a2)と、前記(a1)(a2)以外のアクリル系モノマーを必須とするラジカル重合性不飽和モノマー(a3)とを共重合してなるアクリル系樹脂である、上記発明のいずれかに記載の制電性アクリル系樹脂組成物に関し、
モノマー(a1)〜(a3)の合計100重量%中、モノマー(a2)の割合は0.01〜10重量%であることが好ましい。
モノマー(a1)〜(a3)の合計100重量%中、モノマー(a2)の割合は0.01〜10重量%であることが好ましい。
本発明は、界面活性剤(D)をさらに含有する上記の発明のいずれかに記載の制電性アクリル系樹脂組成物に関し、
アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、界面活性剤(D)を0.001〜10重量部含有することが好ましい。
上記発明において、界面活性剤(D)は、アニオン性界面活性剤(D1)であることが好ましく、アニオン性界面活性剤(D1)は、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)であることが好ましい。
そして、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)は、アルキル基の炭素数が少なくとも10以上のアルキルアルコールもしくはアルキル基の炭素数が少なくとも10以上のアルキル基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアルコール(d1)と、硫酸もしくはリン酸(d2)とのエステルの、アルカノールアンモニウム塩であることが好ましい。
アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、界面活性剤(D)を0.001〜10重量部含有することが好ましい。
上記発明において、界面活性剤(D)は、アニオン性界面活性剤(D1)であることが好ましく、アニオン性界面活性剤(D1)は、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)であることが好ましい。
そして、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)は、アルキル基の炭素数が少なくとも10以上のアルキルアルコールもしくはアルキル基の炭素数が少なくとも10以上のアルキル基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアルコール(d1)と、硫酸もしくはリン酸(d2)とのエステルの、アルカノールアンモニウム塩であることが好ましい。
また、本発明は、イオン化合物(C)が、下記一般式[4]で表されるボロン系化合物(C1)もしくは下記一般式[5]で表されるボロン系化合物(C2)である、上記発明のいずれかに記載の制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
(一般式[4]及び一般式[5]において、R1からR8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよい複素環基を表し、R5からR8は、隣り合う置換基同士で環を形成してもよく、
一般式[5]中、A+は、アルカリ金属イオンを表す。)
一般式[5]中、A+は、アルカリ金属イオンを表す。)
また、本発明は、イオン化合物(C)が、下記一般式[8]で表されるトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩(C3)もしくは下記一般式[9]で表されるビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)である、上記発明のいずれかに記載の制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
(RfSO2)3CK 一般式[8]
〔一般式[8]において、Rfは直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、アルキル炭素の数は1〜6。〕
〔一般式[8]において、Rfは直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、アルキル炭素の数は1〜6。〕
K(Rf1 SO2 −N−SO2 Rf2 ) 一般式[9]
〔一般式[9]において、Rf1およびRf2は直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Rf1とRf2は同一であってもよく、異なるものであってもよく、アルキル炭素の数は1〜6。〕
〔一般式[9]において、Rf1およびRf2は直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Rf1とRf2は同一であってもよく、異なるものであってもよく、アルキル炭素の数は1〜6。〕
さらに本発明は、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)が、イソシアネート基を3個有する、上記発明のいずれかに記載の制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
さらにまた本発明は、上記発明のいずれかに記載の制電性アクリル系樹脂組成物が制電性アクリル系粘着剤組成物であって、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が0℃以下である、制電性アクリル系粘着剤組成物に関する。
また本発明は、プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、上記発明のいずれかに記載の制電性アクリル系樹脂組成物から形成される、ガラス転移温度が0℃以下の粘着性を有する層が積層されてなる、光学部材用粘着性保護フィルムに関する。
本発明により、塗料、粘着剤等に使用可能な制電性アクリル系樹脂組成物であって、特に、大画面液晶ディスプレイのフッ素化合物等で表面処理した偏光板等の光学部材の表面保護フィルム用の粘着剤層の形成に好適な、汚染性に優れる、剥離時の静電気の発生が少ない制電性アクリル系樹脂組成物が得られるようになった。
本発明に用いられる、アルカノールアンモニウム塩部と前記アルカノールアンモニウム塩部中の水酸基以外の水酸基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアクリル系樹脂(A)〔以下、単に「アクリル系樹脂(A)」と表記することもある〕について説明する。
アクリル系樹脂(A)は、上記したように、アルカノールアンモニウム塩部を有し、前記アルカノールアンモニウム塩部中の水酸基以外の水酸基(以下単に水酸基という場合もある)を有し、さらにアルキレンオキサイド鎖を有するものであればよい。即ち、アルカノールアンモニウム塩部、水酸基、アルキレンオキサイド鎖をそれぞれ有する少なくとも3種類のモノマーを必須とする共重合体であってもよいし、上記3種類の官能基のうち2種類の官能基を有するモノマーを複数組み合わせてなる共重合体であってもよいし、上記3種類の官能基を全て有するモノマーと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
アクリル系樹脂(A)は、上記したように、アルカノールアンモニウム塩部を有し、前記アルカノールアンモニウム塩部中の水酸基以外の水酸基(以下単に水酸基という場合もある)を有し、さらにアルキレンオキサイド鎖を有するものであればよい。即ち、アルカノールアンモニウム塩部、水酸基、アルキレンオキサイド鎖をそれぞれ有する少なくとも3種類のモノマーを必須とする共重合体であってもよいし、上記3種類の官能基のうち2種類の官能基を有するモノマーを複数組み合わせてなる共重合体であってもよいし、上記3種類の官能基を全て有するモノマーと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
本発明でいうアルカノールアンモニウム塩部とは、アニオン性官能基との塩を構成するカチオン部が、アンモニウム(NH4)の水素の少なくとも1つをR2OHで置換したものをいう。ここで、R2は、化学的に合理的な一価の有機基であり、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
アルカノールアンモニウム塩部としては、例えば、下記一般式(1)〜(3)で表される単位が挙げられる。
アルカノールアンモニウム塩部としては、例えば、下記一般式(1)〜(3)で表される単位が挙げられる。
上記、一般式(1)〜(3)において、m+n+p=4。mは1〜3の整数。nは0〜2の整数。pは1〜3の整数を表し、
R1、R2は、化学的に合理的な一価の有機基であり、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、炭素数が1〜5程度のアルキル基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基がより好ましい。l=1、n=3、R2がエチル基の、トリエタノールアミンが制電効果に優れ、特に好ましい。
R1、R2は、化学的に合理的な一価の有機基であり、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、炭素数が1〜5程度のアルキル基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基がより好ましい。l=1、n=3、R2がエチル基の、トリエタノールアミンが制電効果に優れ、特に好ましい。
本発明に用いられるアクリル系樹脂(A)は、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)と、ラジカル重合性不飽和二重結合とアルカノールアンモニウム塩部とアルキレンオキサイド鎖とを有するモノマー(a2)と、必要に応じてこれらと共重合可能な他のアクリル系モノマーを必須とするモノマー(a3)との共重合体であることが好ましい。
本発明に用いられる、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)〔以下、単に「モノマー(a1)」と表記することもある〕としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。本発明では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明においては、アルキレンオキサイド鎖を有するが、アルカノールアンモニウム塩部は有しないで、かつ水酸基を有するモノマーはモノマー(a1)に分類するものとする。
このようなアルキレンオキサイド鎖と水酸基とを有するモノマー(a1)としては、たとえば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。
市販品としては、たとえば、ブレンマーPE−200、ブレンマーPP−1000、ブレンマー50PEP−300B(以上、いずれも日本油脂社製)などがあげられる。
このようなアルキレンオキサイド鎖と水酸基とを有するモノマー(a1)としては、たとえば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。
市販品としては、たとえば、ブレンマーPE−200、ブレンマーPP−1000、ブレンマー50PEP−300B(以上、いずれも日本油脂社製)などがあげられる。
本発明において、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)を使用する目的は、被着体に対する粘着力を確保しつつ再剥離性を確保するためである。さらに詳しく説明すると、粘着剤層を形成する際に使用する後述の、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)とこれらの水酸基との反応を利用して架橋構造を形成し、他方後述するようにアクリル系樹脂(A)の分子量を制御することにより、粘着力と再剥離性とのバランスをとることができる。
アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーの合計を100重量%とした場合、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)の割合は1〜30重量%が好ましく、1〜10重量%より好ましく、1〜8重量%であることがさらに好ましい。水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)が1重量%未満だと、粘着剤層としての架橋度及び凝集力が不足し、粘着力が大きくなりすぎたり、糊残りが発生しやすいので好ましくない。30重量%を超えると、架橋度が高くなりすぎて粘着性が乏しくなるので好ましくない。
ラジカル重合性不飽和二重結合とアルカノールアンモニウム塩部とアルキレンオキサイド鎖とを有するモノマー(a2)〔以下、単に「モノマー(a2)」は、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などのラジカル重合性不飽和二重結合と、上記一般式(1)、(2)及び(3)で表されるアルカノールアンモニウム塩部と、アルキレンオキサイド鎖とを有していることが好ましい。アルキレンオキサイド鎖の末端に一般式(1)、(2)で示されるアルカノールアンモニウム塩部を有する構造が、制電効果に優れるので、より好ましい。
アルカノールアンモニウム塩部の形成に使用されるアミン化合物としては、具体的には例えば、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、
メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどアルカノールアルキルアミン等が挙げられ、単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、
メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどアルカノールアルキルアミン等が挙げられ、単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
また、アルキレンオキサイド鎖としては、オキシアルキレン単位の平均付加モル数が1〜40が好ましく、3〜20がより好ましく、5〜15であることが、さらに好ましい。なお、40より大きくなると結晶性が高くなり、制電性を阻害して好ましくない。
単量体としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどがあげられる。これらの単量体は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。特に、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを併用したもの溶液系での重合安定性に優れ、より好ましい。
単量体としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどがあげられる。これらの単量体は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。特に、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを併用したもの溶液系での重合安定性に優れ、より好ましい。
本発明において、アクリル系モノマー(a2)の作用は、アルキレンオキサイド鎖が、後述するイオン化合物(C)と親和性に富み、イオン化合物(C)の被着体表面への移行を抑制し、被着体表面の汚染を抑制する。
ところで、ノニオン性の極性基に比較して、アニオン性の極性基は制電効果が高い。アニオン性の極性基は中和剤で中和されるが、その中和剤の違いが制電効果に影響を及ぼす。即ち、アニオン性の極性基の単なるアンモニウム塩部や、単なるアルカリ金属塩部(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)は、アルカノールアンモニウム塩部よりも親水性が高いので、非極性のフッ素化合物等で表面処理した被着体等に対しては、親和性が低い。従って、末端の極性基がアルカリ金属やアンモニウムで中和され塩になっている場合は、フッ素化合物等で表面処理した被着体に対する剥離帯電の抑制効果が小さく好ましくない。
これに対し、アルカノールアンモニウム塩部を有するモノマー(a2)を有するアクリル樹脂(A)は、非極性のフッ素化合物等で表面処理した被着体等に対する親和性に富み、かつ、制電効果に優れる。そこで、アルカノールアンモニウム塩部とアルキレンオキサイド鎖とを有するモノマー(a2)を共重合してなるアクリル樹脂(A)とイオン化合物(C)とを併用することによって、被着体汚染を抑制しつつ、非極性被着体に対しても剥離帯電を抑制できるようになった点が重要である。
アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーの合計を100重量%とした場合、モノマー(a2)の割合は、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、0.1〜1重量%であることがさらに好ましい。
モノマー(a2)が0.01重量%未満の場合、被着体に対する汚染性を低減させる効果および、制電効果が期待出来ない。一方、10重量%を超える場合、重合時に分子量が低下してしまう場合があり好ましくない。また、モノマー(a2)は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
モノマー(a2)が0.01重量%未満の場合、被着体に対する汚染性を低減させる効果および、制電効果が期待出来ない。一方、10重量%を超える場合、重合時に分子量が低下してしまう場合があり好ましくない。また、モノマー(a2)は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ラジカル重合性不飽和二重結合とアルカノールアンモニウム塩部とアルキレンオキサイド鎖とを有するモノマー(a2)としては、たとえば、式(A1)〜(A10)で表されるものがあげられる。
[式(A1)中のR1は水素またはメチル基を表し、R2は炭素数1から30の炭化水素基またはアシル基を表し、Xはアルカノールアンモニウム塩部を表し、R3およびR4は同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
[式(A2)中のR1は水素またはメチル基を表し、R2およびR7は同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、R3およびR5は同一または異なって、水素またはアルキル基を表し、R4およびR6は同一または異なって、水素、アルキル基、ベンジル基またはスチレン基を表し、Xはアルカノールアンモニウム塩部を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
[式(A3)中のR1は水素またはメチル基を表し、R2は炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアルカノールアンモニウム塩部を表し、平均付加モル数nは3〜40の数を表す。」。
[式(A4)中のR1は水素またはメチル基を表し、R2は炭素数1から30の炭化水素基またはアシル基を表し、R3およびR4は同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアルカノールアンモニウム塩部を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
[式(A6)中のR1は炭素数1から30の炭化水素基、R2は水素または炭素数1から30の炭化水素基を表し、R3は水素またはプロペニル基を表し、R4は炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアルカノールアンモニウム塩部を表し、平均付加モル数nは3〜40の数を表す。]。
[式(A7)中のR1は水素またはメチル基を表し、R2およびR4は同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、R3は炭素数1から30の炭化水素基を表し、Mはアルカノールアンモニウム基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
[式(A8)中のR1およびR5は同一または異なって、水素またはメチル基を表し、R2およびR4は同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、R3は炭素数1から30の炭化水素基を表し、Mはアルカノールアンモニウム基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
[式(A9)中のR1は炭素数1から6のアルキレン基を表し、R2は炭素数1から30の炭化水素基を表し、Mはアルカノールアンモニウム基を表し、平均付加モル数nは3〜40の数を表す。]。
[式(A10)中のR1、R2、およびR3は同一または異なって、水素またはメチル基を表し、R4は炭素数0から30の炭化水素基(炭素数0の場合はR4がないことを示す)を表し、R5およびR6は同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアルカノールアンモニウム塩部を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
ラジカル重合性不飽和二重結合とアルカノールアンモニウム塩部とアルキレンオキサイド鎖とを有するモノマー(a2)としては、さらに具体的には、式(A4)の化合物としては、旭電化工業社製のアデカリアソープSR−10S、アデカリアソープSR−20、などを公知の方法で塩交換したものや、式(A10)の化合物としては、花王社製のKS1314などがあげられる。
本発明に用いられる、前記(a1)(a2)以外のアクリル系モノマーを必須とするラジカル重合性不飽和モノマー(a3)〔以下、単に「モノマー(a3)」とも表記する〕は、モノマー(a1)、モノマー(a2)と共重合可能なモノマーからなる。
モノマー(a3)として用いられるモノマーのうちアクリル系モノマーとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
本発明においては、粘着性を確保するという点で、アルキル鎖の炭素数が4〜24のアルキル(メタ)アクリレートを共重合に供することが好ましい。具体的には、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマー(a3)として用いられるモノマーのうちアクリル系モノマーとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
本発明においては、粘着性を確保するという点で、アルキル鎖の炭素数が4〜24のアルキル(メタ)アクリレートを共重合に供することが好ましい。具体的には、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに好ましくは、アルキル基の炭素数が4〜9のアルキル(メタ)アクリレートとアルキル基の炭素数が10〜22のアルキル(メタ)アクリレートとを併用することが好ましい。光学部材の中には表面に特殊なコーティングをしたものもあり、表面が平滑でなく、凹凸のあるものも多い。このような部材に保護フィルムを張り合わせる場合、粘着層は凹凸に追従する自着性がなければならない。アルキル基の炭素数が10〜22のアルキル(メタ)アクリレートは自着性を向上する。
アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーの合計を100重量%とした場合、アルキル基の炭素数が10〜22のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、1〜20重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
アルキル基の炭素数が10〜22のアルキル(メタ)アクリレートモノマーが1重量%未満の場合、被着体に自着性を付与する効果が期待出来ない。一方、20重量%を超える場合、重合時に分子量が低下してしまう場合があり好ましくない。また、アルキル基の炭素数が10〜22のアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。具体的には、ラウリル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキル基の炭素数が10〜22のアルキル(メタ)アクリレートモノマーが1重量%未満の場合、被着体に自着性を付与する効果が期待出来ない。一方、20重量%を超える場合、重合時に分子量が低下してしまう場合があり好ましくない。また、アルキル基の炭素数が10〜22のアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。具体的には、ラウリル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマー(a3)として用いられるモノマーのうちアクリル系モノマーとしては、アルキレンオキサイド鎖を有するが、水酸基は有しないものも挙げられる。そのようなモノマー(a3)としては、たとえば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。市販品としては、たとえば、NKエステルM90G(新中村化学工業社製)などがあげられる。
アクリル系モノマー以外のモノマー(a3)としては、さらにスチレン、メチルスチレン等も挙げることができる。
アクリル系モノマー以外のモノマー(a3)としては、さらにスチレン、メチルスチレン等も挙げることができる。
これらのモノマー(a3)は、制電性アクリル系樹脂組成物としての望ましい物性を得る目的のため、適宜選択して単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
制電性アクリル系樹脂組成物を粘着剤組成物として用いる場合には、制電性アクリル系樹脂組成物から形成される層が、粘着性を発現できるように、該層のTgが0℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以下となるようにすることが好ましい。そのためには、用いるアクリル系樹脂(A)のTgが0℃以下が好ましく、より好ましくは−50℃以下となるように、モノマー(a3)の種類、量を選択することが好ましい。
アクリル系樹脂(A)の構成成分である各モノマーから形成され得るホモポリマーのTgが既知であれば、各ホモポリマーのTgと各モノマーの構成比とに基づいて、アクリル系樹脂(A)のTgを理論的に求めることができる。
制電性アクリル系樹脂組成物を粘着剤組成物として用いる場合には、制電性アクリル系樹脂組成物から形成される層が、粘着性を発現できるように、該層のTgが0℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以下となるようにすることが好ましい。そのためには、用いるアクリル系樹脂(A)のTgが0℃以下が好ましく、より好ましくは−50℃以下となるように、モノマー(a3)の種類、量を選択することが好ましい。
アクリル系樹脂(A)の構成成分である各モノマーから形成され得るホモポリマーのTgが既知であれば、各ホモポリマーのTgと各モノマーの構成比とに基づいて、アクリル系樹脂(A)のTgを理論的に求めることができる。
ところで、粘着剤組成物の場合、主成分たるアクリル系樹脂(A)に対し、硬化剤たる水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)は、少量配合することが一般的である。このような粘着剤組成物から形成される粘着層は、架橋状態が緩い(換言すると疎)なので、緻密に架橋される硬化塗膜とは異なり、粘着層のTgは、架橋前のアクリル系樹脂(A)のTgにほぼ等しい。従って、制電性アクリル系樹脂組成物を粘着剤組成物として用いる場合には、制電性アクリル系樹脂組成物から形成される粘着層のTgが0℃以下、好ましくは−50℃以下となるように、モノマー(a3)の種類、量を選択することが好ましい。
上述のモノマー(a1)、モノマー(a2)及びその他のモノマー(a3)等を共重合してなるアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は20万〜100万であることが好ましく、30万〜70万であることがより好ましい。
Mwが20万未満では、電性アクリル系樹脂組成物を粘着剤組成物として用いる場合に、必要な剥離性が得られにくく、Mwが100万を超えると、合成時の粘度が高くなり過ぎ、生産性が低下しやすいため好ましくない。
ところで、光学部材の中には非常に薄く、壊れやすいものがある一方、比較的丈夫なものもあり、粘着性保護フィルムをどのような被着体に貼着するかによって、粘着性保護フィルムの粘着層に要求される剥離力の大きさは異なる。
即ち、壊れやすい光学部材が被着体の場合には、貼着後保護フィルムを剥離する際に被着体を損傷しないようにするために、剥離力は200g/25mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは100g/25mm以下である。
一方、比較的強靭な光学部材を被着体とする場合には、剥離力は1000g/25mm程度まで許容され得る。
尚、剥離時に制電性アクリル系樹脂組成物が被着体に残らないことは被着体がどのようなものであっても常に要求される。
Mwが20万未満では、電性アクリル系樹脂組成物を粘着剤組成物として用いる場合に、必要な剥離性が得られにくく、Mwが100万を超えると、合成時の粘度が高くなり過ぎ、生産性が低下しやすいため好ましくない。
ところで、光学部材の中には非常に薄く、壊れやすいものがある一方、比較的丈夫なものもあり、粘着性保護フィルムをどのような被着体に貼着するかによって、粘着性保護フィルムの粘着層に要求される剥離力の大きさは異なる。
即ち、壊れやすい光学部材が被着体の場合には、貼着後保護フィルムを剥離する際に被着体を損傷しないようにするために、剥離力は200g/25mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは100g/25mm以下である。
一方、比較的強靭な光学部材を被着体とする場合には、剥離力は1000g/25mm程度まで許容され得る。
尚、剥離時に制電性アクリル系樹脂組成物が被着体に残らないことは被着体がどのようなものであっても常に要求される。
制電性アクリル系樹脂組成物を用いてなる粘着性保護フィルムの剥離力は、主成分であるアクリル樹脂自体の有する凝集力及び、該主成分と、後述する硬化剤として機能する、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)との架橋の状況によって大きく影響を受ける。一般に主成分に対して硬化剤を多量に用いることによって、剥離力を低下することができる。
また、一般に主成分の分子量を大きくすることによって、主成分自体の凝集力を大きくすることができる。本発明おいて、剥離時に200g/25mm以下の低剥離力が要求される場合には、主成分、即ちアクリル系樹脂(A)100重量部に対して硬化剤を1〜30重量部の量で用いることが好ましく、2〜20重量部の量で用いることがより好ましく、3〜15重量部の量で用いることがさらに好ましい。
尚、低剥離力発現の観点からは硬化剤は多い方が好ましい。しかし、多すぎると架橋が過度になり、制電性が低下するので、好ましくない。
また、一般に主成分の分子量を大きくすることによって、主成分自体の凝集力を大きくすることができる。本発明おいて、剥離時に200g/25mm以下の低剥離力が要求される場合には、主成分、即ちアクリル系樹脂(A)100重量部に対して硬化剤を1〜30重量部の量で用いることが好ましく、2〜20重量部の量で用いることがより好ましく、3〜15重量部の量で用いることがさらに好ましい。
尚、低剥離力発現の観点からは硬化剤は多い方が好ましい。しかし、多すぎると架橋が過度になり、制電性が低下するので、好ましくない。
本発明におけるイオン化合物(C)は、制電性付与機能を担うものであり、カチオン部とアニオン部とからなものである。イオン化合物(C)としては、アルカリ金属の有機塩及び/または有機カチオン−アニオン塩を好ましく用いることができる。これらは単独でまたは複数を併用することができる。
なお、本発明でいう「有機カチオン−アニオン塩」とは、有機塩であって、そのカチオン部が有機物で構成されているものを示し、アニオン部は有機物であっても良いし、無機物であっても良い。
なお、本発明でいう「有機カチオン−アニオン塩」とは、有機塩であって、そのカチオン部が有機物で構成されているものを示し、アニオン部は有機物であっても良いし、無機物であっても良い。
アルカリ金属の有機塩及び/または有機カチオン−アニオン塩のなかでも、アニオンにホウ素を含む下記一般式[4]で表されるアンモニウム塩系の化合物(C1)か、もしくは下記一般式[5]で表されるアルカリ金属塩系の化合物(C2)が、特に好ましく用いることができる。
(一般式(4)及び一般式(5)において、R1からR8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよい複素環基を表し、R5からR8は、隣り合う置換基同士で環を形成してもよく、
一般式(5)中、A+は、アルカリ金属イオンを表す。)
一般式(5)中、A+は、アルカリ金属イオンを表す。)
アンモニウム塩系の化合物(C1)は、カチオン部がN+R5R6R7R8であり、アニオン部も含め、構成部がすべて有機物となることから、上記アクリル系樹脂(A)や溶剤への相溶性が高いという特徴を持つ。また、アンモニウム塩系の化合物(C1)を用いた場合、帯電防止性能が環境湿度の影響を受けにくく、高温多湿の環境でも長期にわたり、被着体に対する汚染が少ない。
また、化合物(C2)は、カチオン部がアルカリ金属イオンであるので、製造工程が短縮でき安価で製造することができるといった特徴を持つ。
しかし、アルカリ金属塩系の化合物(C2)を用いた場合、電子部品、例えば、内装回路、トランジスタ、IC、CPUを汚染する可能性があり、これらが汚染されると動作異常の発生が懸念される。また、アルカリ金属塩系の化合物(C2)を用いた場合、帯電防止性能が環境湿度の影響を受けやすく、高温多湿の環境では、被着体を汚染してしまう場合がある。
よって、本発明においては、イオン性化合物(C)として一般式[4]で表されるアンモニウム塩系の化合物(C1)を用いることが好ましい。
また、化合物(C2)は、カチオン部がアルカリ金属イオンであるので、製造工程が短縮でき安価で製造することができるといった特徴を持つ。
しかし、アルカリ金属塩系の化合物(C2)を用いた場合、電子部品、例えば、内装回路、トランジスタ、IC、CPUを汚染する可能性があり、これらが汚染されると動作異常の発生が懸念される。また、アルカリ金属塩系の化合物(C2)を用いた場合、帯電防止性能が環境湿度の影響を受けやすく、高温多湿の環境では、被着体を汚染してしまう場合がある。
よって、本発明においては、イオン性化合物(C)として一般式[4]で表されるアンモニウム塩系の化合物(C1)を用いることが好ましい。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、およびp−トリル基、キシリル基、o−、m−、およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族あるいは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられる。
さらに、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基および置換基を有してもよい複素環基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホンアミド基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルアンモニウム基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
このような置換基のうち、好ましい置換基として電子求引性の置換基が挙げられる。電子求引性の置換基が置換することにより、一般的にイオン性化合物は解離しやすくなり、帯電防止能は高くなる。
このような、電子求引性の置換基とは、共鳴効果や誘起効果によって相手から電子をひきつける置換基の総称であり、その多くは、ハメット側において、置換基定数σが正の値で示される。これらの置換基としては、特に制限はないが、具体的には、Chemical Review Vol.91、第165−195項 1991年発行に記載のσpが0より大きなものが挙げられ、より具体的には、ハロゲン基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルアンモニウム基、アミド基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキルチオ基、ペルフルオロアルキルカルボニル基、スルホンアミド基、4−シアノフェニル基等があげられる。
R1からR4は、化合物の安定性面から考慮して、好ましくは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であり、より好ましくは、置換基を有してもよいアリール基である。
R5からR8は、化合物の安定性面から考慮して、置換基を有してもよいアルキル基が好ましい。
本発明においてイオン化合物(C)として用いられる、一般式[4]で表されるボロン系のアンモニウム塩系化合物(C1)の代表例を、例示化合物(C1−1)〜(C1−15)として以下の表1に、また、一般式[5]で表されるボロン系のアルカリ金属塩系化合物(C2)の代表例を、例示化合物(C2−1)〜(C2−4)として以下の表2にそれぞれ具体的に例示するが、これらに限られるものではない。
なお、例示化合物中のMeはメチル基、Etはエチル基、Buはノルマルブチル基、c−Hexはシクロヘキシル基、Phはフェニル基を示す。
なお、例示化合物中のMeはメチル基、Etはエチル基、Buはノルマルブチル基、c−Hexはシクロヘキシル基、Phはフェニル基を示す。
イオン化合物(C)としては、上記したボロン系のアンモニウム塩系化合物(C1)やボロン系のアルカリ金属塩系化合物(C2)の他に、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の無機塩や有機塩、あるいは塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、ヨウ化リチウム、硫酸アンモニウム等が挙げられる。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の無機塩は、InM、(ClO4)nM、(PF6)nM、(BF4)nM、(AsF6)nM、(SCN)nM等の式で表される。ここで、Mはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属であり、Mがアルカリ金属の場合にはn=1、Mがアルカリ土類金属の場合にはn=2である。具体的には、MはLi、Na、K、Mg、Ca等が挙げられる。これらは単独でまたは複数を併用することができる。耐水性が求められない用途では、イオン伝導性の高く、帯電防止効果が良好なLiClO4、NaClO4、KSCNが好ましい。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の有機塩としては、(CF3SO3)nMや、下記一般式[6]で表されるトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩や、下記一般式[7]で表されるビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩が挙げられる。
アルカリ金属の有機塩は、アルカリ金属の無機塩に比較して腐食性や吸湿性が低いので好ましい。
アルカリ金属の有機塩は、アルカリ金属の無機塩に比較して腐食性や吸湿性が低いので好ましい。
[(RfSO2)3C]nM 一般式[6]
〔一般式[6]において、Rfは直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、アルキル炭素の数は1〜6。Mはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属。Mがアルカリ金属の場合にはn=1、Mがアルカリ土類金属の場合にはn=2である。〕
〔一般式[6]において、Rfは直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、アルキル炭素の数は1〜6。Mはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属。Mがアルカリ金属の場合にはn=1、Mがアルカリ土類金属の場合にはn=2である。〕
(Rf1 SO2 −N−SO2 Rf2 )nM 一般式[7]
〔一般式[7]において、Rf1およびRf2は直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Rf1とRf2は同一であってもよく、異なるものであってもよく、アルキル炭素の数は1〜6。Mはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属。Mがアルカリ金属の場合にはn=1、Mがアルカリ土類金属の場合にはn=2である。〕
〔一般式[7]において、Rf1およびRf2は直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Rf1とRf2は同一であってもよく、異なるものであってもよく、アルキル炭素の数は1〜6。Mはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属。Mがアルカリ金属の場合にはn=1、Mがアルカリ土類金属の場合にはn=2である。〕
トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドのアルカリ金属塩としては、〔(SO2CF3)3C〕nM が好適である。
また、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩としては、〔(SO2CF3)2N〕nM、〔(SO2C2F5)2N〕nM 等が挙げられる。
また、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩としては、〔(SO2CF3)2N〕nM、〔(SO2C2F5)2N〕nM 等が挙げられる。
一般式[6]、[7]において、Mとしては、Li、Na、K、Mg、Caが挙げられる。
上記化合物においてMにリチウムを用いた場合は、リチウムイオンが、アクリル樹脂(A)のアルキレンオキサイドのエーテル鎖に配位し易く、イオン電導性が十分に得られない場合がある。Mにナトリウムを用いた場合には、内装回路、トランジスタ、IC、CPUを汚染した場合に動作異常を発生する懸念がある。さらに、アルカリ土類金属については、アルカリ金属と比較してイオン解離性が劣り、イオン電導性が低下する。
そこで、汚染性、イオン解離性、及びイオン電導性という観点から、Mとしては、カリウムが最も好ましい。
上記化合物においてMにリチウムを用いた場合は、リチウムイオンが、アクリル樹脂(A)のアルキレンオキサイドのエーテル鎖に配位し易く、イオン電導性が十分に得られない場合がある。Mにナトリウムを用いた場合には、内装回路、トランジスタ、IC、CPUを汚染した場合に動作異常を発生する懸念がある。さらに、アルカリ土類金属については、アルカリ金属と比較してイオン解離性が劣り、イオン電導性が低下する。
そこで、汚染性、イオン解離性、及びイオン電導性という観点から、Mとしては、カリウムが最も好ましい。
すなわち、本発明においては下記一般式[8]で表されるトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩(C3)、もしくは下記一般式[9]で表されるビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)が好ましい。
(RfSO2)3CK 一般式[8]
〔一般式[8]において、Rfは直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、アルキル炭素の数は1〜6。〕
〔一般式[8]において、Rfは直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、アルキル炭素の数は1〜6。〕
K(Rf1 SO2 −N−SO2 Rf2 ) 一般式[9]
〔一般式[9]において、Rf1およびRf2は直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Rf1とRf2は同一であってもよく、異なるものであってもよく、アルキル炭素の数は1〜6。〕
〔一般式[9]において、Rf1およびRf2は直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Rf1とRf2は同一であってもよく、異なるものであってもよく、アルキル炭素の数は1〜6。〕
具体的には、トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩(C3)としては、(CF3SO2)3CK、(C2F5SO2)3CKが好ましい。また、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)としては、(CF3SO2)2NK、(C2F5SO2)2NKが好ましい。これらの内、(CF3SO2)3CK、(C2F5SO2)3CKがより好ましい。
用いられるトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩(C3)は、例えば、以下の公知の方法により得られる。
メチルマグネシウムハライド(グリニャー試薬)とパーフルオロアルキルスルホニルハライドとの反応によりビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを一旦合成した後、再び前記グリニャー試薬およびパーフルオロアルキルスルホニルハライドと反応させてトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを合成し、更にアルカリ金属化合物と反応させる方法(WO92/02966,Inorg.Chem., 1988,27,2135.,J.Chem.Soc.Faraday Trans.,1993,89,355 等)。
3CH3MgX + 2RfSO2X + HX → (RfSO2)2CH2+ 2CH4 + 3MgX2
(RfSO2)2CH2+ 2CH3MgX + RfSO2X + HX → (RfSO2)3CH + 2CH4 + 2MgX2
(RfSO2)3CH + MOR → (RfSO2)3CM + ROH
[式中、X はハロゲン、 Rf はパーフルオロアルキル基、M はアルカリ金属、R は水素またはメチル基を表す。]
メチルマグネシウムハライド(グリニャー試薬)とパーフルオロアルキルスルホニルハライドとの反応によりビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを一旦合成した後、再び前記グリニャー試薬およびパーフルオロアルキルスルホニルハライドと反応させてトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを合成し、更にアルカリ金属化合物と反応させる方法(WO92/02966,Inorg.Chem., 1988,27,2135.,J.Chem.Soc.Faraday Trans.,1993,89,355 等)。
3CH3MgX + 2RfSO2X + HX → (RfSO2)2CH2+ 2CH4 + 3MgX2
(RfSO2)2CH2+ 2CH3MgX + RfSO2X + HX → (RfSO2)3CH + 2CH4 + 2MgX2
(RfSO2)3CH + MOR → (RfSO2)3CM + ROH
[式中、X はハロゲン、 Rf はパーフルオロアルキル基、M はアルカリ金属、R は水素またはメチル基を表す。]
あるいは、上記ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンをアルカリ金属塩に変換した後、塩基存在下でフルオロアルキルスルホニルハライドと反応してトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタン化合物を合成し、さらにアルカリ金属化合物と反応させる方法(USP5446134 等)。
(RfSO2)2CH2+ MOR →(RfSO2)2CHM + ROH
(RfSO2)2CHM + RfSO2X + Et3N → (RfSO2)3CHNEt3+ MX
(RfSO2)3CHNEt3+ M2PO4 → (RfSO2)3CM + M(Et3NH)PO4
[式中、 Rf, M, R, X は前記定義の通りである。]等。
(RfSO2)2CH2+ MOR →(RfSO2)2CHM + ROH
(RfSO2)2CHM + RfSO2X + Et3N → (RfSO2)3CHNEt3+ MX
(RfSO2)3CHNEt3+ M2PO4 → (RfSO2)3CM + M(Et3NH)PO4
[式中、 Rf, M, R, X は前記定義の通りである。]等。
さらには、パーフルオロアルキルスルホニルハライドとアルカリ金属メタンからなる混合物を有機溶媒中で反応させることにより、一工程でトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチド塩を製造する方法(特開2000−226392等)。
3RfSO2X + 4MCH3 → (RfSO2)3CM + 3MX + 3CH4[式中、 Rf は炭素数1から6までの直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基であり、好ましくはCF3、C2F5、C3F7、C4F9である。X はハロゲン、M はアルカリ金属である。]
本発明に用いられるビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)は、例えば、公知の方法(特表平3−501860号公報等)により得ることができる。
3RfSO2X + 4MCH3 → (RfSO2)3CM + 3MX + 3CH4[式中、 Rf は炭素数1から6までの直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基であり、好ましくはCF3、C2F5、C3F7、C4F9である。X はハロゲン、M はアルカリ金属である。]
本発明に用いられるビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)は、例えば、公知の方法(特表平3−501860号公報等)により得ることができる。
これらのトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩(C3)、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明ではイオン性化合物(C)はとして、上記したボロン系のアンモニウム塩系化合物(C1)やボロン系のアルカリ金属塩系化合物(C2)、トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩(C3)、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)の他に、種々の有機カチオン−アニオン塩を用いることができる。
有機カチオン−アニオン塩とは、カチオン成分とアニオン成分とから構成されており、前記カチオン成分は有機物からなるものである。
有機カチオン−アニオン塩とは、カチオン成分とアニオン成分とから構成されており、前記カチオン成分は有機物からなるものである。
カチオン成分として、具体的には、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンなどがあげられる。
アニオン成分としては、たとえば、Cl−、Br−、I−、AlCl4 −、Al2Cl7 −、BF4 −、PF6 −、ClO4 −、NO3 −、CH3COO−、CF3COO−、CH3SO3 −、CF3SO3 −、(CF3SO2)2N−、(CF3SO2)3C−、AsF6 −、SbF6 −、NbF6 −、TaF6 −、(CN)2N−、C4F9SO3 −、(C2F5SO2)2N−、C3F7COO−、CF3SO− 2CF3CO)N−、−O3S(CF2)3SO3 −などが用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。
本発明に用いられる有機カチオン−アニオン塩の具体例としては、上記カチオン成分とアニオン成分との組み合わせからなる化合物が適宜選択して用いられ、例えば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、3−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N―ジエチル―N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、ジアリルジメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、グリシジルトリメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3メチルピリジン−1−イウムトリフルオロメタンスルホナートなどがあげられる。
これらの市販品として、例えば、「CIL−314」(日本カーリット社製)、「ILA2−1」(広栄化学社製)などが使用可能である。
これらの市販品として、例えば、「CIL−314」(日本カーリット社製)、「ILA2−1」(広栄化学社製)などが使用可能である。
イオン化合物(C)の添加量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.001〜10重量部が好ましく、0.01〜1重量部がより好ましい。0.001重量部未満では、帯電防止機能が期待できない。10重量部を超えると粘着物性が低下する場合がある。また、イオン化合物(C)は単独、または複数組み合わせて使用することも可能である。
さらに、本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、いわゆる界面活性剤(D)(以下、単に「界面活性剤(D)」とも表記する)を被着体を汚染しない範囲で含有することが好ましい。その使用量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対し0.001〜10重量部含有することが好ましく、0.01〜5重量部含有することが、さらに好ましい。0.001重量部未満では、制電効果の向上が得られない。一方、10重量部を超えると被着体への汚染が増加して好ましくない。
界面活性剤(D)としては、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性イオン型界面活性剤、アニオン性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤(D)としては、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性イオン型界面活性剤、アニオン性界面活性剤が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキレンオキシド基を有するカチオン性界面活性剤、アシロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン、ジメチルアミノエチルメタクレート4級化物などの4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するスチレン共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するジアリルアミン共重合体などがあげられる。たとえば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。また、これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、カチオン性界面活性剤の市販品としては、具体的には、たとえば、エレガン264WAX、エレガンLD−204(以上、いずれも日本油脂社製)等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤として、たとえば、脂肪酸アルキロールアミド、ジ(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン、ポリエーテルとポリエステルとポリアミドからなる共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーチル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類、ポリオキシアルキレンアルキルアミン脂肪酸エステル類等
などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、ノニオン性界面活性剤の市販品としては、具体的には、たとえば、ニューコール1008(ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキサイド(以下、「EO」とも表記する)付加モル数8)、ニューコール2303(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル EO付加モル数3)、ニューコール2308(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル EO付加モル数8)、ニューコール2320(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル EO付加モル数20)、ニューコール2360(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル EO付加モル数60)、ニューコール1807(ポリオキシエチレンステアリルエーテル EO付加モル数7(以上、いずれも日本乳化剤社製)等が挙げられる。これらの中でも、エチレンオキサイド付加アルキルアルコールのアルキル鎖の炭素数8〜13であり、かつエチレンオキサイド付加モル数3〜20であるニューコール1008、ニューコール2303、ニューコール2308、ニューコール2320が好ましい。アルキル鎖の炭素数8未満では被着体を汚染しやすい傾向にあり、13より大きくなるとアクリル系樹脂との相溶性が低下し、エチレンオキサイドの付加モル数が20モルより大きなものは、結晶性が高くなりすぎ、いずれの場合も制電効果が低下する。
アニオン性界面活性剤(D1)として、たとえば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホン酸基含有スチレン共重合体、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類等があげられる。これらのうち、アルキルアルコール及び、エチレンオキサイド付加アルキルアルコールのアルキル鎖の炭素数8〜13であり、かつエチレンオキサイド付加モル数0〜20であることが好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。(塩はアルカノールアンモニウム塩を除く)
なお、アニオン性界面活性剤は、アニオン性親水部を有し、アニオン性親水部としては、下記一般式(10)、(11)で表されるものがあげられる。
[一般式(10)中のM1は水素、アルカリ金属、または、アンモニウム基、を表す。]
[一般式(11)中のM2およびM3は同一または異なって、水素、アルカリ金属、またはアンモニウム基を表す。]
前記一般式(10)、(11)中のM1〜M3に用いられるアルカリ金属としては、Li、Na、Kが好ましい。
なお、界面活性剤(D1)は、モノマー(a2)を構成成分とするアクリル樹脂(A)に比較して分子量で明確に区分される。低分子量である界面活性剤(D1)は、被着体に対する親和性が高いので、制電効果に優れている。界面活性剤(D1)中のアニオン性親水基部のアルカリ金属は解離性が低く、この点において、イオン解離性が高い化合物であるイオン化合物(C)、例えば、トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩やビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩とは明確に区別される。
つまり、界面活性剤(D1)中のアニオン性親水基部のアルカリ金属は、解離性が低いので、イオン電導性にはほとんど寄与しない一方、被着体を汚染しにくいという特徴を有する。M1〜M3に用いられるアルカリ金属としてはNaおよびKが好ましく、さらに好ましくはKおよび、アルカリ金属以外のものとして、被着体汚染の懸念のないアンモニウム基が用いられる。
つまり、界面活性剤(D1)中のアニオン性親水基部のアルカリ金属は、解離性が低いので、イオン電導性にはほとんど寄与しない一方、被着体を汚染しにくいという特徴を有する。M1〜M3に用いられるアルカリ金属としてはNaおよびKが好ましく、さらに好ましくはKおよび、アルカリ金属以外のものとして、被着体汚染の懸念のないアンモニウム基が用いられる。
また、アニオン性界面活性剤としては、具体的には、ニューコール1008SF(ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩 EO付加モル数8)、ニューコール2303SF(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩 EO付加モル数3)、ニューコール2308SF(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩 EO付加モル数8)、ニューコール2308SN(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩 EO付加モル数8)、ニューコール2320SF(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩 EO付加モル数20)、FDI−01402K(ラウリルリン酸エステルカリウム塩)(以上、いずれも日本乳化剤社製)、エレクトロストリッパーF(ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステルカリウム塩 花王社製)等が挙げられる。
両性イオン性界面活性剤として、たとえば、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、カルボベタイングラフト共重合体等があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、界面活性剤(D)による制電効果は、カチオン性界面活性剤が最も良好であり、次いで、アニオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の順であるが、着色の問題がないアニオン性界面活性剤(D1)がより好ましく用いられる。
また、界面活性剤(D)による制電効果は、カチオン性界面活性剤が最も良好であり、次いで、アニオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の順であるが、着色の問題がないアニオン性界面活性剤(D1)がより好ましく用いられる。
さらに、本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、制電性付与機能剤として、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)(以下、単に「アニオン性界面活性剤(D1−1)」とも表記する)を含有することが、フッ素化合物等で表面処理した被着体に対する剥離帯電を抑制するという点で、特に重要である。
アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)は、特に非極性のフッ素化合物等で表面処理した被着体等に対する親和性に富むので、剥離界面に局在化しやすく、効果的に剥離帯電が抑制できる。
本発明は、アクリル樹脂(A)にアルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)とイオン化合物(C)とを併用することによって、被着体汚染の抑制と、非極性被着体に対する剥離帯電の抑制とを両立できるようになったものである。
すなわち、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)とイオン化合物(C)とを併用することによって、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)が一種の仲介役となり、少量で制電性機能を発揮し得るイオン化合物(C)を効果的に剥離界面付近に局在化させることに成功したものと推測される。液晶ディスプレイの大画面化に伴い効率的に生産を行う為、大面積でかつ、高速でプロテクトフィルムが剥離される用途で最適に用いることが出来る。
すなわち、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)とイオン化合物(C)とを併用することによって、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)が一種の仲介役となり、少量で制電性機能を発揮し得るイオン化合物(C)を効果的に剥離界面付近に局在化させることに成功したものと推測される。液晶ディスプレイの大画面化に伴い効率的に生産を行う為、大面積でかつ、高速でプロテクトフィルムが剥離される用途で最適に用いることが出来る。
アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)は、硫酸エステルやリン酸エステル等のアニオン部に対するカウンター部として、下記一般式(12)で示されるアルカノールアンモニウム塩部を有するものである。
一般式(12)において、m+n+p=4。mは1〜3の整数。nは0〜2の整数。pは1〜3の整数。
R1、R2は、化学的に合理的な一価の有機基。たとえば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基等が挙げられ、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、炭素数が1〜5程度のアルキル基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基がより好ましい。m=1、n=0、p=3、R2がエチル基の、トリエタノールアミンが特に好ましい。
R1、R2は、化学的に合理的な一価の有機基。たとえば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基等が挙げられ、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、炭素数が1〜5程度のアルキル基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基がより好ましい。m=1、n=0、p=3、R2がエチル基の、トリエタノールアミンが特に好ましい。
アルカノールアンモニウム塩部の形成に使用されるアミン化合物としては、例えば、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、
メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどアルカノールアルキルアミン等が挙げられ、
アルカノールアミンが好ましく、特にジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、
メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどアルカノールアルキルアミン等が挙げられ、
アルカノールアミンが好ましく、特にジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)は、硫酸エステルやリン酸エステル等のアニオン部を有し、アニオン部は、硫酸やリン酸とエステル結合してなる部分を有する。該部分としては、疎水性に富むアルキル基や、疎水性に富むアルキル基と親水性に富むアルキレンオキサイド鎖とを有するもの等が挙げられる。
アルキル鎖の炭素数は8〜18が好ましく、10〜18がより好ましい。8より小さい場合には被着体を汚染しやすい傾向にあり、18より大きくなるとアクリル系樹脂との相溶性が低下して好ましくない。水溶性のイオン化合物(C)を使用する場合には、アルキレンオキサイド鎖はエチレンオキサイド鎖であることが好ましい。エチレンオキサイドの付加モル数が20モルより大きなものは、結晶性が高くなりすぎ、制電効果が低下するために好ましくない。なお、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖を有するものも適宜併用することも可能である。
アルキル鎖の炭素数は8〜18が好ましく、10〜18がより好ましい。8より小さい場合には被着体を汚染しやすい傾向にあり、18より大きくなるとアクリル系樹脂との相溶性が低下して好ましくない。水溶性のイオン化合物(C)を使用する場合には、アルキレンオキサイド鎖はエチレンオキサイド鎖であることが好ましい。エチレンオキサイドの付加モル数が20モルより大きなものは、結晶性が高くなりすぎ、制電効果が低下するために好ましくない。なお、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖を有するものも適宜併用することも可能である。
また、イオン化合物のなかで、ボロン系化合物(C1)、ボロン系化合物(C2)トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩(C3)、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)を使用する場合には、エチレンオキサイドの付加モル数が5モルより大きなものはイオン化合物との相溶解性が低下し、制電性も低下してしまい好ましくない。
このようなアニオン性界面活性剤(D1−1)としては、アルキル硫酸エステルアルカノールアンモニウム塩、アルキルリン酸エステルアルカノールアンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルアルカノールアンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。
このようなアニオン性界面活性剤(D1−1)としては、ニューコール1008SF(ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩 EO付加モル数8)、ニューコール1305SN(ポリオキシエチレンC13アルキルエーテル硫酸エステルナトリム塩 EO付加モル数5)、ニューコール2303SF(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩 EO付加モル数3)、ニューコール2308SF(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウムム塩 EO付加モル数8)、ニューコール2320SN(ポリオキシエチレンC12〜13アルキルエーテル硫酸エステルナトリム塩 EO付加モル数20)、FDI−01402K(ラウリルリン酸エステルカリウム塩)(以上、いずれも日本乳化剤社製)、エレクトロストリッパーF(ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステルカリウム塩 花王社製)を、ナトリウム、又はアンモニウムに対して当量の塩酸で酸処理した後に、アルカノールアミンで中和し、塩交換することで得ることができる。
アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)の添加量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対し0.001〜10重量部含有することが好ましく、0.01〜5重量部含有することが、さらに好ましい。0.001重量部未満では、制電効果の向上が得られない。一方、10重量部を超えると被着体への汚染が増加して好ましくない。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物においては、凝集力及び架橋度を上げるために、硬化剤として、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)〔以下、単に「化合物(B)」と表記することもある〕を使用することが重要である。
本発明に用いる化合物(B)としては、アクリル系樹脂(A)中に含まれる水酸基と反応し得る官能基を好ましくは1分子中に2個以上有するものが好ましい。例えば、公知の3官能イソシアネート化合物、公知の多官能エポキシ化合物を好適に使用することができる。これらは併用することもできる。
本発明に用いる化合物(B)としては、アクリル系樹脂(A)中に含まれる水酸基と反応し得る官能基を好ましくは1分子中に2個以上有するものが好ましい。例えば、公知の3官能イソシアネート化合物、公知の多官能エポキシ化合物を好適に使用することができる。これらは併用することもできる。
公知の3官能イソシアネート化合物としては、公知のジイソシアネート化合物を3官能ポリオール成分で変性したいわゆるアダクト体、ジイソシアネート化合物が水と反応したビュレット体、ジイソシアネート化合物3分子から形成されるイソシアヌレート環を有する3量体(イソシアヌレート体)を使用することができる。
公知のジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ジイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
公知のジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ジイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
本発明に用いられる3官能イソシアネート化合物を形成するジイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(「イソホロンジイソシアネート」とも言う)を使用することが好ましい。
上述の化合物(B)については、単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。柔軟性を重視する用途で使用する場合は、3官能イソシアネート化合物を使用することが好ましい。
上述の化合物(B)については、単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。柔軟性を重視する用途で使用する場合は、3官能イソシアネート化合物を使用することが好ましい。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物では、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して化合物(B)を1〜30重量部用いることが好ましく、2〜20重量部用いることがより好ましく、3〜15重量部用いることがさらに好ましい。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物を粘着剤組成物として用いる場合であって、上記したように200g/25mm以下、好ましくは100g/25mm以下の低剥離力が求められる場合には、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して化合物(B)を1〜15重量部用いることが好ましく、1.5〜10重量部用いることがより好ましく、2〜7重量部用いることがさらに好ましい。
さらに、本発明の制電性アクリル系樹脂組成物には、制電性をさらに向上させる目的で、シリコーン系界面活性剤を配合することができる。その中でも、ポリオキシアルキレン基又はポリグリセリン基を親水基として有する、分岐構造シリコーン系界面活性剤が好ましい。これらの市販品として、例えば、「KF−6028」「KF−6100」(信越化学社製)などが使用可能である。
シリコーン系界面活性剤は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部を配合する。シリコーン系界面活性剤の配合量が0.001重量部未満の場合、さらなる制電性の向上が期待できず、一方、10重量部を越える場合、粘着物性が著しく低下してしまい好ましくない。
シリコーン系界面活性剤は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部を配合する。シリコーン系界面活性剤の配合量が0.001重量部未満の場合、さらなる制電性の向上が期待できず、一方、10重量部を越える場合、粘着物性が著しく低下してしまい好ましくない。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物には、さらに必要に応じて、他の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂を併用することもできる。また、用途に応じて、粘着付与剤、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤を配合しても良い。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物を用いて形成される粘着剤層と、プラスチックフィルム、紙、布、発泡体等の基材とが積層された粘着シートを得ることができ、粘着剤層の表面を剥離シートで被覆しておくことができる。
粘着シートは、各種基材に制電性アクリル系樹脂組成物を塗布したり含浸したりし、これを乾燥・硬化することによって得ることができる。あるいは、剥離シート上に制電性アクリル系樹脂組成物を塗布し、これを乾燥し、形成されつつある粘着剤層表面に各種基材を積層し、アクリル系樹脂(A)中の水酸基と、化合物(B)中の、水酸基と反応し得る官能基との反応を進行させることによっても得ることができる。
なお、粘着剤層は、プラスチックフィルム基材の一方の面にのみ積層されていてもよく、両面に積層されていてもよい。
粘着シートは、各種基材に制電性アクリル系樹脂組成物を塗布したり含浸したりし、これを乾燥・硬化することによって得ることができる。あるいは、剥離シート上に制電性アクリル系樹脂組成物を塗布し、これを乾燥し、形成されつつある粘着剤層表面に各種基材を積層し、アクリル系樹脂(A)中の水酸基と、化合物(B)中の、水酸基と反応し得る官能基との反応を進行させることによっても得ることができる。
なお、粘着剤層は、プラスチックフィルム基材の一方の面にのみ積層されていてもよく、両面に積層されていてもよい。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、基材として好ましくは透明なプラスチックフィルムに適用することによって、光学部材用の表面保護粘着フィルム、すなわち光学部材用保護フィルムを好適に得ることができる。
プラスチックフィルムとしては、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリウレタンフィルム、ナイロンフィルム、処理ポリオレフィンフィルム、未処理ポリオレフィンフィルム等が挙げられる。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、乾燥・硬化した際に2〜200μm程度の厚みになるように基材等に塗布することが好ましい。2μm未満であるとイオン導電性が乏しくなり、200μmを越えると粘着シートの製造、取り扱いが難しくなる。
プラスチックフィルムとしては、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリウレタンフィルム、ナイロンフィルム、処理ポリオレフィンフィルム、未処理ポリオレフィンフィルム等が挙げられる。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、乾燥・硬化した際に2〜200μm程度の厚みになるように基材等に塗布することが好ましい。2μm未満であるとイオン導電性が乏しくなり、200μmを越えると粘着シートの製造、取り扱いが難しくなる。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物を用い、その用途、要求性能等を考慮した上で、種々の態様の制電粘着フィルムを得ることができる。
例えば、偏光板の保護フィルム用の制電粘着フィルムについて、図面に基づいて説明する。
図1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム基材1とその一方の表面上に担持された制電粘着剤層2とからなる本発明による制電粘着フィルムを、粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。
図2は、PETフィルム基材1の両面に制電粘着剤層2を設けてなる本発明による制電粘着フィルムを、一方の粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。
図3は、PETフィルム基材1の一方の表面に制電コーティング剤層4を設け、さらにその上に粘着剤層2を担持させてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。粘着剤層2は制電粘着剤層であることが好ましい。
図4は、PETフィルム基材1の一方の表面に粘着剤層2を設け、その反対側表面に制電コーティング剤層4を設けてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。粘着剤層2は制電粘着剤層であることが好ましい。
図5は、PETフィルム基材1の両面に制電コーティング剤層4を設け、さらに一方の上に粘着剤層2を担持させてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。粘着剤層2は制電粘着剤層であることが好ましい。
図1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム基材1とその一方の表面上に担持された制電粘着剤層2とからなる本発明による制電粘着フィルムを、粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。
図2は、PETフィルム基材1の両面に制電粘着剤層2を設けてなる本発明による制電粘着フィルムを、一方の粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。
図3は、PETフィルム基材1の一方の表面に制電コーティング剤層4を設け、さらにその上に粘着剤層2を担持させてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。粘着剤層2は制電粘着剤層であることが好ましい。
図4は、PETフィルム基材1の一方の表面に粘着剤層2を設け、その反対側表面に制電コーティング剤層4を設けてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。粘着剤層2は制電粘着剤層であることが好ましい。
図5は、PETフィルム基材1の両面に制電コーティング剤層4を設け、さらに一方の上に粘着剤層2を担持させてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着剤層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。粘着剤層2は制電粘着剤層であることが好ましい。
光学部材、電子部材の表面保護用のフィルムに本発明の樹脂組成物を用いる場合、剥離帯電量をさらに低減するために、図3、図4および図5に示すように、制電コーティング剤層を設けることも可能である。また、プラスチックフィルムに機能性を持たせる様な用途では、図2に示すように、基材フィルムの両面に粘着剤層を設け、一方の粘着剤層に、機能性フィルム(例えば、位相差フィルム、光学補償フィルム、光拡散フィルム、電磁波シールドフィルム等)をさらに貼り合わせることもできる。作業性及び製作コスト等を考慮すると、図1の態様が最も好ましい。
図3、図4および図5に示すように粘着剤層とプラスチックフィルム基材との間、またはプラスチックフィルム基材の粘着剤層側でない反対側に粘着性を有しない制電コーティング剤層を設ける場合には、金属フィラー、4級アンモニウム塩誘導体、界面活性剤、導電性樹脂等を用いることができる。
図3、図4および図5に示すように粘着剤層とプラスチックフィルム基材との間、またはプラスチックフィルム基材の粘着剤層側でない反対側に粘着性を有しない制電コーティング剤層を設ける場合には、金属フィラー、4級アンモニウム塩誘導体、界面活性剤、導電性樹脂等を用いることができる。
金属フィラーとしては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン等の金属酸化物、カーボン、銀、銅等の金属等が挙げられる。コーティング膜の透明性を考慮すると、酸化錫、酸化アンチモン等が好ましい。
4級アンモニウム塩誘導体としては、4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレートモノマーの重合体、もしくは他の(メタ)アクリレートモノマーとの共重合体を使用することができる。また、本発明の制電性アクリル系樹脂組成物のTgを調整することで、制電コーティング剤層に用いることも可能である。
4級アンモニウム塩誘導体としては、4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレートモノマーの重合体、もしくは他の(メタ)アクリレートモノマーとの共重合体を使用することができる。また、本発明の制電性アクリル系樹脂組成物のTgを調整することで、制電コーティング剤層に用いることも可能である。
制電コーティング剤層は、塗膜として0.01μm〜10μmの厚さが好ましく、さらに好ましくは0.1μm〜5μmである。0.01μm未満では、静電気を防止する効果が十分に発揮できず、10μmを超えると、コスト、塗工性等に問題がある。
具体的には、ポリチオフェン系導電性ポリマーを配合したデナトロンP−502S(ナガセケムテック製)、デナトロンP−502RG(ナガセケムテック製)が好適に用いることが出来る。図3及び図5に示すように粘着剤層とプラスチックフィルム基材との間に制電コーティング剤層を設けた場合が、剥離時にコロナ放電による帯電防止効果が高く、特に好ましい。
具体的には、ポリチオフェン系導電性ポリマーを配合したデナトロンP−502S(ナガセケムテック製)、デナトロンP−502RG(ナガセケムテック製)が好適に用いることが出来る。図3及び図5に示すように粘着剤層とプラスチックフィルム基材との間に制電コーティング剤層を設けた場合が、剥離時にコロナ放電による帯電防止効果が高く、特に好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、例中、「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれぞれ示すものとする。
(合成例1)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%〔表1に記載の「69」重量%の内の50重量%の意味;以下同様〕、BAの50重量%、2HEAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)380,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%〔表1に記載の「69」重量%の内の50重量%の意味;以下同様〕、BAの50重量%、2HEAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)380,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例2)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)390,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)390,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例3)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)430,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)430,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例4)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2EHAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)450,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2EHAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)450,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例5)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%の50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)400,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%の50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)400,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例6)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)450,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)450,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例7)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)500,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)500,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例8)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%の50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)450,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%の50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)450,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例9)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%の50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)520,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%の50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)520,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例10)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート199重量部、アルキレンオキシド基含有反応性界面活性剤ラテムルPD−420(花王社製)1重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って5時間重合反応行った。この反応溶液は、固形分40%、樹脂のMw(重量平均分子量)560,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート199重量部、アルキレンオキシド基含有反応性界面活性剤ラテムルPD−420(花王社製)1重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って5時間重合反応行った。この反応溶液は、固形分40%、樹脂のMw(重量平均分子量)560,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例11)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%の50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)300,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%の50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、樹脂のMw(重量平均分子量)300,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
(合成例12)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分40%、樹脂のMw(重量平均分子量)350,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分40%、樹脂のMw(重量平均分子量)350,000、粘弾性測定に基づくTgは約−70℃であった。
<ボロン系帯電防止付与剤(E)の製造>
<合成例11> アンモニウム塩系の化合物(C1−1)の合成
ナトリウムテトラフェニルボレート 342gを、イオン交換水5Lに溶解させた。そこに、テトラブチルアンモニウムブロマイド 322gをイオン交換水5Lに溶解させたものを徐々に添加した。5時間攪拌した後、析出物をろ取することにより、下記式にて示される化合物(C1−1)を 373g得た。元素分析(組成式:C40H56BN 計算値(%):C, 85.53; H, 10.05; N, 2.49 実測値(%):C, 85.55; H, 10.52; N, 2.66)により確認した。
<合成例11> アンモニウム塩系の化合物(C1−1)の合成
ナトリウムテトラフェニルボレート 342gを、イオン交換水5Lに溶解させた。そこに、テトラブチルアンモニウムブロマイド 322gをイオン交換水5Lに溶解させたものを徐々に添加した。5時間攪拌した後、析出物をろ取することにより、下記式にて示される化合物(C1−1)を 373g得た。元素分析(組成式:C40H56BN 計算値(%):C, 85.53; H, 10.05; N, 2.49 実測値(%):C, 85.55; H, 10.52; N, 2.66)により確認した。
<合成例12〜23>
ナトリウムテトラフェニルボレートの代わりに表3に示すボレートを、テトラブチルアンモニウムブロマイドの代わりに表4に示すアンモニウム塩を用いた他は製造例1と同様にして化合物(C1−2)、化合物(C1−4)から化合物(C1−15)を合成した。元素分析の測定結果を表5に示す
ナトリウムテトラフェニルボレートの代わりに表3に示すボレートを、テトラブチルアンモニウムブロマイドの代わりに表4に示すアンモニウム塩を用いた他は製造例1と同様にして化合物(C1−2)、化合物(C1−4)から化合物(C1−15)を合成した。元素分析の測定結果を表5に示す
<合成例24>
(CF3SO2)3CKは、特開2000−226392号公報の記載に従い合成した。
(CF3SO2)3CKは、特開2000−226392号公報の記載に従い合成した。
[実施例1]
合成例1で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−1) 0.4部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得た。
該粘着シートを用いて、以下に示す方法に従って、粘着力、剥離帯電、汚染性の評価を行った。
合成例1で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−1) 0.4部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得た。
該粘着シートを用いて、以下に示す方法に従って、粘着力、剥離帯電、汚染性の評価を行った。
<粘着力>
試験用粘着シートを25mm幅に裁断し、剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層を厚さ2mmのガラス板に23℃−50%RHにて貼着し、JIS Z−0237に準じてロール圧着した。圧着から24時間経過後、ショッパー型剥離試験器にて剥離強度(180度ピール、引っ張り速度300mm/分、単位;g/25mm)を測定した。
試験用粘着シートを25mm幅に裁断し、剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層を厚さ2mmのガラス板に23℃−50%RHにて貼着し、JIS Z−0237に準じてロール圧着した。圧着から24時間経過後、ショッパー型剥離試験器にて剥離強度(180度ピール、引っ張り速度300mm/分、単位;g/25mm)を測定した。
<剥離帯電>
A3サイズの試験用粘着シートの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層をテフロン(登録商標)のシート(厚さ1mm)に23℃−50%RHにて貼着し、ハンドロールで圧着した。圧着から24時間経過後、ガラス板上で、静電気除去機(キーエンス社製「SJ−F010」)で除電した後に、試験用粘着シートをテフロン(登録商標)のシートから剥離して、テフロン(登録商標)のシート表面の静電気を静電気測定器(シシド静電気株式会社製「STATION DZ3」)で10箇所測定して絶対値が最大の値を剥離帯電とした。
A3サイズの試験用粘着シートの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層をテフロン(登録商標)のシート(厚さ1mm)に23℃−50%RHにて貼着し、ハンドロールで圧着した。圧着から24時間経過後、ガラス板上で、静電気除去機(キーエンス社製「SJ−F010」)で除電した後に、試験用粘着シートをテフロン(登録商標)のシートから剥離して、テフロン(登録商標)のシート表面の静電気を静電気測定器(シシド静電気株式会社製「STATION DZ3」)で10箇所測定して絶対値が最大の値を剥離帯電とした。
<湿熱汚染性>
試験用粘着テープの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層をガラス板に貼着した後、60℃−95%RHの条件下に500時間に亘って放置し、23℃−50%RHに冷却した後、ガラス板から剥離し、ガラス板の汚染性を目視で評価した。具体的には、剥離後の状態を以下の3段階で評価した。
汚染のないもの ○
ごくわずかに汚染があるもの △
汚染のあるもの ×
試験用粘着テープの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層をガラス板に貼着した後、60℃−95%RHの条件下に500時間に亘って放置し、23℃−50%RHに冷却した後、ガラス板から剥離し、ガラス板の汚染性を目視で評価した。具体的には、剥離後の状態を以下の3段階で評価した。
汚染のないもの ○
ごくわずかに汚染があるもの △
汚染のあるもの ×
[実施例2]〜[実施例7]
合成例2、3、4、5、6、7で得られたアクリル樹脂溶液をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得、実施例1と同様に評価した。
合成例2、3、4、5、6、7で得られたアクリル樹脂溶液をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得、実施例1と同様に評価した。
[実施例8]
合成例1で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.02部を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例1で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.02部を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例9]〜[実施例22]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに化合物(C1−4)〜化合物(C1−15)及び化合物(C2−1)、(C2−4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに化合物(C1−4)〜化合物(C1−15)及び化合物(C2−1)、(C2−4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例23]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに過塩素酸リチウム(和光純薬 試薬)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに過塩素酸リチウム(和光純薬 試薬)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例24]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに(CF3SO2)2NLi(3M社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに(CF3SO2)2NLi(3M社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例25]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに(CF3SO2)2NK(関東化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに(CF3SO2)2NK(関東化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例26]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに(CF3SO2)3CKを用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりに(CF3SO2)3CKを用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例27]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりにILA2−1(脂肪族アミン系固体状イオン性化合物 広栄化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりにILA2−1(脂肪族アミン系固体状イオン性化合物 広栄化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例28]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりにILA14−1(ピリジニウム系イオン性液体 広栄化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりにILA14−1(ピリジニウム系イオン性液体 広栄化学社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例29]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりにCIL−314(1−ブチル−3メチルピリジン−1−イウムトリフルオロメタンスルホナート 日本カーリット社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1) 0.4部の代わりにCIL−314(1−ブチル−3メチルピリジン−1−イウムトリフルオロメタンスルホナート 日本カーリット社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した
[実施例30]〜[実施例33]
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−5) 0.4部、日本乳化剤(株)製のニューコール2303SF、ニューコール2308SF、1008SF、FDI−01402Kを、それぞれ公知の方法でトリエタノールアミン塩に塩交換した後、酢酸エチルで有効成分を20%調整してなる、日本乳化剤(株)製のニューコール2303T(実施例30)、2308T(実施例31)、1008T(実施例32)、FDI−01402T(実施例33)をそれぞれ2.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得て、実施例1と同様に評価した。
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−5) 0.4部、日本乳化剤(株)製のニューコール2303SF、ニューコール2308SF、1008SF、FDI−01402Kを、それぞれ公知の方法でトリエタノールアミン塩に塩交換した後、酢酸エチルで有効成分を20%調整してなる、日本乳化剤(株)製のニューコール2303T(実施例30)、2308T(実施例31)、1008T(実施例32)、FDI−01402T(実施例33)をそれぞれ2.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得て、実施例1と同様に評価した。
[実施例34]
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−5) 0.4部、40%ラウリル硫酸エステルトリエタノールアミン溶液(和光純薬 試薬)をそれぞれ1.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得て、実施例1と同様に評価した。
なお、40%ラウリル硫酸エステルトリエタノールアミン溶液(和光純薬 試薬)は減圧脱水後に、酢酸エチルで40%濃度になるように溶剤置換したものを上記したように1.0部添加した。
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−5) 0.4部、40%ラウリル硫酸エステルトリエタノールアミン溶液(和光純薬 試薬)をそれぞれ1.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得て、実施例1と同様に評価した。
なお、40%ラウリル硫酸エステルトリエタノールアミン溶液(和光純薬 試薬)は減圧脱水後に、酢酸エチルで40%濃度になるように溶剤置換したものを上記したように1.0部添加した。
[実施例35]
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−5) 0.4部、FDI−01402K(日本乳化剤社製のアニオン性界面活性剤) 1.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得て、実施例1と同様に評価した。
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−5) 0.4部、FDI−01402K(日本乳化剤社製のアニオン性界面活性剤) 1.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得て、実施例1と同様に評価した。
[実施例36]
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−5) 0.4部、エレガンLD−204(日本油脂(株)のカチオン性界面活性剤) 1.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得て、実施例1と同様に評価した。
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−5) 0.4部、エレガンLD−204(日本油脂(株)のカチオン性界面活性剤) 1.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得て、実施例1と同様に評価した。
[実施例37]
実施例8と同様にして得た粘着剤を、酸化アンチモンを制電コーティング処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の未処理面に乾燥塗膜20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層に剥離紙を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得、実施例1と同様に評価した。
実施例8と同様にして得た粘着剤を、酸化アンチモンを制電コーティング処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の未処理面に乾燥塗膜20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層に剥離紙を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得、実施例1と同様に評価した。
[実施例38]
酸化アンチモンを制電コーティング処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の未処理面に、デナトロンP−502RG(ナガセケムテック製)を、乾燥塗膜0.1μmになるように塗工し、100℃で1分間乾燥させた後、更に実施例8と同様にして得た粘着剤を、乾燥塗膜20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層に剥離紙を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得、実施例1と同様に評価した。
酸化アンチモンを制電コーティング処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の未処理面に、デナトロンP−502RG(ナガセケムテック製)を、乾燥塗膜0.1μmになるように塗工し、100℃で1分間乾燥させた後、更に実施例8と同様にして得た粘着剤を、乾燥塗膜20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層に剥離紙を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得、実施例1と同様に評価した。
[比較例1]
合成例1で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−1) 0.4部を用いないこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例1で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−1) 0.4部を用いないこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[比較例2]
合成例1で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、日本乳化剤社製のFDI−01402Kを2.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得、実施例1と同様に評価した。
合成例1で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、日本乳化剤社製のFDI−01402Kを2.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液5.0部を配合し粘着剤を得、実施例1と同様に評価した。
[比較例3]
合成例8で得られたアクリル樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
合成例8で得られたアクリル樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[比較例4]
合成例9で得られたアクリル樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着を得て評価した。
合成例9で得られたアクリル樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着を得て評価した。
[比較例5]〜[比較例6]
合成例10で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、3M社製の(CF3SO2)2NLi(比較例5)、広栄化学社製のILA14−1(比較例6)をそれぞれ0.8部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液1.6部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を、酸化アンチモンを制電コーティング処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の未処理面に乾燥塗膜20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層に剥離紙を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得、実施例1と同様に評価した。
合成例10で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、3M社製の(CF3SO2)2NLi(比較例5)、広栄化学社製のILA14−1(比較例6)をそれぞれ0.8部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液1.6部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を、酸化アンチモンを制電コーティング処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の未処理面に乾燥塗膜20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層に剥離紙を積層し、この状態で室温で7日間経過させ、試験用粘着シートを得、実施例1と同様に評価した。
[実施例39]
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1)0.4部の代わりに化合物(C1−5)0.8部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て実施例1の評価に加えて、以下の自着性を評価した。
合成例5で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1)0.4部の代わりに化合物(C1−5)0.8部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤を得て実施例1の評価に加えて、以下の自着性を評価した。
<自接着性>
A4サイズの試験用粘着シートの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層をアンチグレア偏光板に23℃−50%RHにて、長辺センター部を1cm幅で線状に部分貼着した後に、端部まで自接着するまでの時間を測定して評価した。
30秒未満 ○
30秒以上60秒未満 △
60秒以上 ×
A4サイズの試験用粘着シートの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層をアンチグレア偏光板に23℃−50%RHにて、長辺センター部を1cm幅で線状に部分貼着した後に、端部まで自接着するまでの時間を測定して評価した。
30秒未満 ○
30秒以上60秒未満 △
60秒以上 ×
[実施例40]〜[実施例41]
合成例11、12で得られたアクリル樹脂溶液をそれぞれ用いたこと以外は、実施例39と同様にして粘着剤を得て、実施例39と同様に評価した。
合成例11、12で得られたアクリル樹脂溶液をそれぞれ用いたこと以外は、実施例39と同様にして粘着剤を得て、実施例39と同様に評価した。
[実施例42]
合成例11で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1)0.4部の代わりにKSCN(和光純薬 試薬) 0.4部を用いたこと以外は、実施例39と同様にして粘着剤を得て実施例実施例39と同様に評価した。
合成例11で得られたアクリル樹脂溶液を用い、化合物(C1−1)0.4部の代わりにKSCN(和光純薬 試薬) 0.4部を用いたこと以外は、実施例39と同様にして粘着剤を得て実施例実施例39と同様に評価した。
以上のように本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、液晶ディスプレイの偏光板等の光学部材の表面保護フィルム用の粘着層として用いた場合に、剥離時の静電気の発生が少なく、湿熱汚染性に優れていることが分かる。また、特に実施例40、41は自接着性にも優れている。
これに対して、比較例1、2はイオン化合物(C)を含有しないので、剥離帯電が不良となっている。また、比較例3、4、5、6に示したアクリル系樹脂組成物は、アクリル系樹脂がアルキレンオキサイド鎖を有しているが、アルカノールアンモニウム塩部を有しないために、イオン化合物(C)を含有していても、剥離帯電が不良となっている。
これに対して、比較例1、2はイオン化合物(C)を含有しないので、剥離帯電が不良となっている。また、比較例3、4、5、6に示したアクリル系樹脂組成物は、アクリル系樹脂がアルキレンオキサイド鎖を有しているが、アルカノールアンモニウム塩部を有しないために、イオン化合物(C)を含有していても、剥離帯電が不良となっている。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、塗料、粘着剤等に使用可能な制電性アクリル系樹脂組成物であって、架橋剤で架橋した後にもイオン電導性が低下せず、且つ、透明性に優れるので、被着体表面を所定の期間、機械的及び電気的に保護するための表面保護フィルムとして好適であり、例えば、液晶パネル、プラズマディスプレイ、偏光板、CRT(ブラウン管)等の光学部品の表面保護用粘着フィルム形成に好適に用いられる。
1:PETフィルム基材
2:粘着剤層
3:偏光板
4:制電コーティング剤層
2:粘着剤層
3:偏光板
4:制電コーティング剤層
Claims (15)
- アルカノールアンモニウム塩部と前記アルカノールアンモニウム塩部中の水酸基以外の水酸基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアクリル系樹脂(A)、
水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)、及び
イオン化合物(C)を含む、制電性アクリル系樹脂組成物。 - アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、
水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)を1〜30重量部、及び
イオン化合物(C)を0.001〜10重量部含有することを特徴とする請求項2記載の制電性アクリル系樹脂組成物。 - アクリル系樹脂(A)が、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)と、ラジカル重合性不飽和二重結合とアルカノールアンモニウム塩部とアルキレンオキサイド鎖とを有するモノマー(a2)と、前記(a1)(a2)以外のアクリル系モノマーを必須とするラジカル重合性不飽和モノマー(a3)とを共重合してなるアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
- モノマー(a1)〜(a3)の合計100重量%中、モノマー(a2)の割合が0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項4記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
- 界面活性剤(D)をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
- アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、界面活性剤(D)を0.001〜10重量部含有することを特徴とする請求項6記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
- 界面活性剤(D)が、アニオン性界面活性剤(D1)であることを特徴とする請求項6又は7記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
- アニオン性界面活性剤(D1)が、アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)であることを特徴とする請求項8記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
- アルカノールアンモニウム塩部を有するアニオン性界面活性剤(D1−1)が、
アルキル基の炭素数が少なくとも10以上のアルキルアルコールもしくはアルキル基の炭素数が少なくとも10以上のアルキル基とアルキレンオキサイド鎖とを有するアルコール(d1)と、硫酸もしくはリン酸(d2)とのエステルの、アルカノールアンモニウム塩であることを特徴とする請求項9記載の制電性アクリル系樹脂組成物。 - イオン化合物(C)が、下記一般式[8]で表されるトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドカリウム塩(C3)もしくは下記一般式[9]で表されるビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドカリウム塩(C4)であることを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
(RfSO2)3CK 一般式[8]
〔一般式[8]において、Rfは直鎖または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、アルキル炭素の数は1〜6。〕
K(Rf1 SO2 −N−SO2 Rf2 ) 一般式[9]
〔一般式[9]において、Rf1およびRf2は直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Rf1とRf2は同一であってもよく、異なるものであってもよく、アルキル炭素の数は1〜6。〕 - 水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)が、イソシアネート基を3個有することを特徴とする請求項1ないし12いずれか記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
- 請求項1ないし13いずれか記載の制電性アクリル系樹脂組成物が制電性アクリル系粘着剤組成物であり、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が0℃以下であることを特徴とする、制電性アクリル系粘着剤組成物。
- プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、請求項1ないし14いずれか記載の制電性アクリル系樹脂組成物から形成される、ガラス転移温度が0℃以下の粘着性を有する層が積層されてなる、光学部材用粘着性保護フィルム。
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