JP2016190322A - 立体造形用粉末材料、立体造形材料セット、立体造形物製造装置、及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形用粉末材料、立体造形材料セット、立体造形物製造装置、及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面等に存在するボイドが少なく、外観上、極めて美麗な立体焼結物を得ることができる立体造形用粉末材料等の提供。【解決手段】基材を樹脂で被覆してなる立体造形用粉末材料であって、前記粉末材料の下記数式1で算出されるアスペクト比が0.70以上0.90未満であり、かつ前記樹脂の被覆率が15%以上である立体造形用粉末材料である。[数式1]アスペクト比(平均値)=X1*Y1/100+X2*Y2/100+・・・+Xn*Yn/100ただし、Y1+Y2+・・・+Yn=100(%)であり、Xnは、アスペクト比(短径/長径)を表し、Ynは、アスペクト比がXnである粒子の存在率(%)を表す。nは、15,000以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形用粉末材料、立体造形材料セット、立体造形物製造装置、及び立体造形物の製造方法に関する。
近年、複雑な形状をした立体造形物を製造するニーズが高まっている。従来の型を利用して立体造形物を製造する方法は、複雑で微細な造形物の製造には限界があり、型が高額で、低ロット生産には適用できないなど、多くの問題を抱えていた。これに対し、形状データを用いて、各種材料を積層しながら立体造形物を直接製造する立体造形(「積層造形」、「付加造形」とも称する)は、これらの問題を解決できる有効な方法として注目されている。
例えば、樹脂をコーティングした粉末粒子を積層し、これにインクを吐出して造形する方法が提案されている。特許文献1には、金属やセラミックス等の粒子に、活性可能な接着剤及び細粒材料がコーティングされてなる粉末材料が開示されている。また、特許文献2には、基体を樹脂で被覆した粉末材料を堆積させ、前記被覆した樹脂を溶解し、その後固化させる溶剤を供給して粉末材料を結合させる立体造形物の製造方法が開示されている。このように基材表面に樹脂をコーティングした粉末材料を用いる方法は、造形速度が速い上に、樹脂を比較的均等に配置させることができ、更にインクジェットノズルの目詰まりが発生しにくいため、立体造形物の強度や寸法精度の向上に対しても有効な方法である。
しかし、立体造形物を焼結してなる立体焼結物の美観についてはこれまで十分に検討されているとはいえない。
本発明は、表面等に存在するボイド(空気の抜け穴に起因する微小な表面凹凸;空気溜り)が少なく、外観上、極めて美麗な立体焼結物が得られる立体造形用粉末材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討した結果、基材を樹脂で被覆してなる立体造形用粉末材料を配した粉末材料層に対し、立体造形用液体材料を滴下し、浸透する際に、前記立体造形用粉末材料の空隙に存在する空気が抜ける、あるいは特定の箇所に偏る際に立体造形用粉末材料が動きやすいことに起因して、前記立体造形用粉末材料が動くことによりボイドが発生し、立体造形物の表面及び側面に空隙を形成し美観を損ねる原因となっていることを知見した。更に、美観を損ねるようなボイドが発生することにより、複雑な形状を再現できない場合があるという問題も生じていた。そこで、美観を損ねることなく、複雑な形状を再現した立体造形物及び立体焼結物を得るためには、前記立体造形用粉末材料の空隙に存在する空気が抜けるか、あるいは特定の箇所に偏る際の立体造形用粉末材料の動きを低減させることが有効であることを知見した。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形用粉末材料は、基材を樹脂で被覆してなる立体造形用粉末材料であって、前記粉末材料の下記数式1で算出されるアスペクト比が0.70以上0.90未満であり、かつ前記樹脂の被覆率が15%以上である。
[数式1]
アスペクト比(平均値)=X1*Y1/100+X2*Y2/100+・・・+Xn*Yn/100
ただし、Y1+Y2+・・・+Yn=100(%)であり、Xnは、アスペクト比(短径/長径)を表し、Ynは、アスペクト比がXnである粒子の存在率(%)を表す。nは、15,000以上である。
本発明によれば、表面等に存在するボイドが少なく、外観上、極めて美麗な立体焼結物を得ることができる立体造形用粉末材料を提供することができる。
図1Aは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、供給用粉末貯蔵槽から造形用粉末貯蔵槽に立体造形用粉末材料を供給する工程の一例を示す概略図である。 図1Bは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、立体造形用粉末材料層形成手段により平滑な表面を有する立体造形用粉末材料層を形成する工程の一例を示す概略図である。 図1Cは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、造形用粉末貯蔵槽の立体造形用粉末材料層上に立体造形用液体材料供給手段を用いて、立体造形用液体材料を滴下する工程の一例を示す概略図である。 図1Dは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、供給用粉末貯蔵槽のステージを上昇させ、造形用粉末貯蔵槽のステージを降下させ、所望の層厚になるようにギャップを制御する工程の一例を示す概略図である。 図1Eは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、ギャップを制御した後、再び立体造形用粉末材料層形成手段を供給用粉末貯蔵槽から造形用粉末貯蔵槽に移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽に新たに立体造形用粉末材料層を形成する工程の一例を示す概略図である。 図1Fは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、再び造形用粉末貯蔵槽の立体造形用粉末材料層に立体造形用液体材料供給手段を用いて、立体造形用液体材料を滴下する工程の一例を示す概略図である。 図2Aは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、供給用粉末貯蔵槽から造形用粉末貯蔵槽に立体造形用粉末材料を供給する工程の一例を示す概略図である。 図2Bは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、造形用粉末貯蔵槽に立体造形用粉末材料が供給された後、所望の層厚になるようにギャップを調整し、立体造形用粉末材料層形成手段を移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽に立体造形用粉末材料層を形成する工程の一例を示す概略図である。 図2Cは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、造形用粉末貯蔵槽の立体造形用粉末材料層上に立体造形用液体材料供給手段を用いて、立体造形用液体材料を滴下する工程の一例を示す概略図である。 図2Dは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、造形用粉末貯蔵槽のステージを降下させ、再び供給用粉末貯蔵槽より造形用粉末貯蔵槽に立体造形用粉末材料を供給する工程の一例を示す概略図である。 図2Eは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、造形用粉末貯蔵槽に立体造形用粉末材料が供給された後、所望の層厚になるようにギャップを制御し、再び前記立体造形用粉末材料層形成手段を移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽に新たに立体造形用粉末材料層を形成する工程の一例を示す概略図である。 図2Fは、本発明の立体造形物の製造プロセスのうち、再び造形用粉末貯蔵槽の立体造形用粉末材料層上に前記立体造形用液体材料供給手段を用いて、立体造形用液体材料を滴下する工程の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の立体造形物製造装置の粉末貯蔵槽の一例を示す概略図である。 図4は、扁平粒子の模式図であり、上図はX−Y方向の平面図、下図はZ軸方向の側面図である。 図5は、粒子の面積包絡度について説明するための概略図である。
(立体造形用粉末材料)
本発明の立体造形用粉末材料は、基材を樹脂で被覆してなり、更に必要に応じてその他の成分等を含んでなる。
前記基材を被覆する材料は主に樹脂であるが、必要に応じて無機材料が含まれていてもよい。前記立体造形用粉末材料は、後述する本発明の立体造形材料セット、本発明の立体造形物製造装置、及び本発明の立体造形物の製造方法に好適に用いられる。
<基材>
前記基材としては、粉末乃至粒子の形態を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その材質としては、例えば、金属、セラミックス、カーボン、ポリマー、木材、生体親和材料、砂などが挙げられる。これらの中でも、高強度な立体造形物を得る観点から、最終的に焼結処理が可能な金属、セラミックスが好ましい。
前記基材は、水に不溶であることが好ましい。
前記水に不溶であるとは、実質的に水に不溶であることを指し、実質的に水に不溶であるとは、25℃下で24時間、大量の水中に浸漬した後、真空乾燥等の方法によって十分に乾燥した際の質量変化量が1質量%以下であることを意味する。
前記基材は、立体造形用液体材料と反応しないものが好ましい。ここで、前記反応とは、架橋反応、共有結合、イオン結合等の各種化学反応を意味する。
前記金属としては、材質として金属を含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば、Mg、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、In、Sn、Ta、W、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、ステンレス(SUS)鋼、鉄、銅、銀、チタン、ジルコニウム、又はこれらの合金などが好適に用いられる。
前記ステンレス(SUS)鋼としては、例えば、SUS304、SUS316、SUS317、SUS329、SUS410、SUS430、SUS440、SUS630などが挙げられる。
前記セラミックスとしては、例えば、酸化物、炭化物、窒化物、水酸化物などが挙げられる。前記酸化物としては、例えばシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)などが挙げられる。
前記カーボンとしては、例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが挙げられる。
前記ポリマーとしては、例えば、水に不溶な公知の樹脂などが挙げられる。
前記木材としては、例えば、ウッドチップ、セルロースなどが挙げられる。
前記生体親和材料としては、例えば、ポリ乳酸、リン酸カルシウムなどが挙げられる。
これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明においては、前記基材として、これらの材料で形成された市販品の粒子乃至粉末を使用することができる。
前記市販品としては、例えば、SUS316L(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L)、SiO(株式会社トクヤマ製、エクセリカSE−15K)、Al(大明化学工業株式会社製、タイミクロンTM−5D)、ZrO(東ソー株式会社製、TZ−B53)などが挙げられる。
なお、前記基材としては、前記樹脂との親和性を高める目的等で、公知の表面(改質)処理がされていてもよい。
前記基材の体積平均粒径としては、特に制限はなく目的に応じて、適宜選択することができるが、例えば、2μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。
前記体積平均粒径が、2μm以上100μm以下であると、立体造形物の製造効率に優れ、取扱性やハンドリング性が良好であり、得られる立体造形物、更には立体焼結物の強度が向上する。
前記基材の粒度分布としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、粒度分布はよりシャープである方が好ましい。
前記基材の体積平均粒径は、公知の粒子径測定装置を用いて測定することが可能であり、一例としては粒子径分布測定装置(マイクロトラックMT3000IIシリーズ、マイクロトラック・ベル社製)などが挙げられる。
前記基材は、特に制限はなく、従来公知の方法を用いて製造することができる。粉末乃至粒子状の基材を製造する方法としては、例えば、固体に圧縮、衝撃、摩擦等を加えて細分化する粉砕法、溶湯を噴霧させて急冷粉体を得るアトマイズ法、液体に溶解した成分を沈殿させる析出法、気化させて晶出させる気相反応法などが挙げられる。
前記基材としては、その製造方法については特に制限されないが、より好ましい製造方法としては球状の形状が得られ、粒径のバラツキが少ないアトマイズ法が挙げられる。前記アトマイズ法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、遠心アトマイズ法、プラズマアトマイズ法などが挙げられる。
<樹脂>
前記樹脂としては、立体造形用液体材料に溶解し、架橋可能な性質を有するものであればよい。
本発明において、前記樹脂の溶解性は、例えば、30℃の立体造形用液体材料を構成する溶媒100gに前記樹脂を1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
前記樹脂としては、その4質量%(w/w%)溶液の20℃における粘度が、40mPa・s以下が好ましく、1mPa・s以上35mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以上30mPa・s以下が特に好ましい。
前記粘度が、40mPa・s以下であると、前記立体造形用粉末材料に前記立体造形用液体材料を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の強度が向上し、その後の焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じ難くなる。また、前記立体造形用粉末材料に前記立体造形用液体材料を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の寸法精度が向上する傾向にある。
前記粘度は、例えば、JIS K7117に準拠して測定することができる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、取扱い性及び環境負荷等の観点から、水溶性であることが好ましく、例えば、水溶性樹脂、水溶性プレポリマー、などが挙げられる。
このような水溶性樹脂を用いた立体造形用粉末材料に対しては、立体造形用液体材料の媒体としても水性媒体を用いることができ、また、前記粉末材料を廃棄、リサイクルする際には、水処理により樹脂と基材を分離することも容易である。
前記水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、セルロース樹脂、デンプン、ゼラチン、ビニル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレングリコール、などが挙げられる。これらは、前記水溶性を示す限りにおいて、ホモポリマー(単独重合体)であってもよいし、ヘテロポリマー(共重合体)であってもよく、また、変性されていてもよいし、公知の官能基が導入されていてもよく、また塩の形態であってもよい。
よって、例えば、前記ポリビニルアルコール樹脂であれば、ポリビニルアルコールであってもよいし、アセトアセチル基、アセチル基、シリコーン等による変性ポリビニルアルコール(アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、アセチル基変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコールなど)であってもよく、また、ブタンジオールビニルアルコール共重合体等であってもよい。また、前記ポリアクリル酸樹脂であれば、ポリアクリル酸であってもよいし、ポリアクリル酸ナトリウム等の塩であってもよい。
前記セルロース樹脂であれば、例えば、セルロースであってもよいし、カルボキシメチルセルロース(CMC)等であってもよい。また、前記アクリル樹脂であれば、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸・無水マレイン酸共重合体などであってもよい。前記水溶性プレポリマーとしては、例えば、止水剤等に含まれる接着性の水溶性イソシアネートプレポリマー、などが挙げられる。
水溶性以外の樹脂としては、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
本発明においては、前記樹脂の中でも、架橋性官能基を有するものが好ましい。前記架橋性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミド基、リン酸基、チオール基、アセトアセチル基、エーテル結合、などが挙げられる。
前記樹脂が該架橋性官能基を有すると、該樹脂が容易に架橋し硬化物(立体造形物)を形成し得る点で好ましい。これらの中でも、平均重合度が400以上1,100以下のポリビニルアルコール樹脂が好ましい。
前記樹脂としては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。
前記市販品としては、例えば、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−205C、PVA−220C)、完全けん化ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、KL105)、ポリアクリル酸(東亞合成株式会社製、ジュリマーAC−10)、ポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製、ジュリマーAC−103P)、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−300、ゴーセネックスZ−100、ゴーセネックスZ−200、ゴーセネックスZ−205、ゴーセネックスZ−210、ゴーセネックスZ−220)、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスT−330、ゴーセネックスT−350、ゴーセネックスT−330T)、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05)、ブタンジオールビニルアルコールコポリマー(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8041)、ジプロパンジオールポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8041)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬株式会社製、セロゲン5A、セロゲン6A)、デンプン(三和澱粉工業株式会社製、ハイスタードPSS−5)、ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製、ビーマトリックスゼラチン)などが挙げられる。
前記樹脂による前記基材の被覆厚みとしては、平均厚みで、5nm以上1,000nm以下が好ましく、5nm以上500nm以下がより好ましく、50nm以上300nm以下が更に好ましく、100nm以上200nm以下が特に好ましい。
前記被覆厚みとしての平均厚みが、5nm以上であると、前記立体造形用粉末材料に前記立体造形用液体材料を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の強度が向上し、その後の焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じることがない。一方、前記平均厚みが、1,000nm以下であると、前記立体造形用粉末材料に前記立体造形用液体材料を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の寸法精度が向上する。
前記被覆厚みは、例えば、前記立体造形用粉末材料をアクリル樹脂等に包埋した後、エッチング等を行って前記基材の表面を露出させた後、走査型トンネル顕微鏡STM、原子間力顕微鏡AFM、走査型電子顕微鏡SEMなどを用いることにより、測定することができる。
前記樹脂による前記基材の表面の被覆率(面積率)は、15%以上であり、50%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
前記被覆率が、15%以上であると、前記立体造形用粉末材料に前記立体造形用液体材料を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の強度が充分に得られ、その後の焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じることがなく、また、前記立体造形用粉末材料に前記立体造形用液体材料を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の寸法精度が向上する。
前記被覆率は、例えば、前記立体造形用粉末材料の写真を観察し、二次元の写真に写る前記立体造形用粉末材料について、前記粉末材料粒子の表面の全面積に対する、前記樹脂で被覆された部分の面積の割合(%)の平均値を算出してこれを該被覆率としてもよいし、また、前記樹脂で被覆された部分をSEM−EDS等のエネルギー分散型X線分光法による元素マッピングを行うことにより、測定することができる。
前記立体造形用粉末材料の樹脂付着量は、立体造形物のハンドリングに十分耐え得る強度確保の観点から、0.5質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましい。
前記樹脂付着量は、例えば、熱重量分析装置(TGA−50、株式会社島津製作所製)を用い、400℃まで昇温し、重量減少率により求めることができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラー、レベリング剤、焼結助剤などが挙げられる。前記フィラーは、主に立体造形用粉末材料の表面に付着させたり、粉末材料間の空隙に充填させたりするのに有効な材料である。効果としては、例えば、立体造形用粉末材料の流動性の向上や、粉末材料同士の接点が増え、空隙を低減できることから、立体造形物の強度や寸法精度を高める効果が得られる場合があり有効である。前記レベリング剤は、主に立体造形用粉末材料の表面の濡れ性を制御するのに有効な材料である。効果としては、例えば、立体造形用粉末材料層への立体造形用液体材料の浸透性が高まり、立体造形物の強度アップやその速度を高めることができ、形状を安定に維持させる上で有効な場合がある。前記焼結助剤は、得られた立体造形物を焼結させる際、焼結効率を高める上で有効な材料である。効果としては、例えば、立体造形物の強度を向上でき、焼結温度を低温化できたり、焼結時間を短縮できる場合がある。
<立体造形用粉末材料の製造方法>
前記立体造形用粉末材料の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記樹脂を前記基材上に公知の被覆方法に従って被覆する方法などが好適に挙げられる。
−被覆方法−
前記樹脂の前記基材の表面への前記被覆方法としては、特に制限はなく、公知の被覆方法に従って被覆することができ、例えば、転動流動法、スプレー法、浸漬法、撹拌混合法、スプレードライ法、ニーダーコート法などが挙げられる。これらの中でも、樹脂の被覆率が高く、被覆厚みの均一性に優れる点から、転動流動法が好ましい。
前記転動流動法は、下から熱風を送り込み、粉末材料を空中に巻き上げて流動層を形成し、それに樹脂を含む液体を噴霧することによって粒子にコーティングする方法である。前記コーティングは、市販されている転動流動コーティング装置を用いて行うことができる。但し、前記樹脂の熱融着性や溶解性が顕著に高い場合は、前記流動層が不安定になり、過度の凝集を引き起こし、最悪の場合コーティングを継続できなくなることもある。
−解砕処理−
前記被覆方法で被覆された立体造形用粉末材料は、被覆時に各粉末材料同士が付着し、凝集体が発生することがある。前記凝集体は、リコート時にリコート層表面の平滑性を悪くさせるだけでなく、細密充填を阻害しリコート層間の粗密化を招き、結果として層間の強度が落ち層間剥離を起こす傾向がある。そのため、極力凝集体を減らすための解砕処理を行うことが望ましい。
前記解砕処理としては、例えば、高圧エアーを用いた衝突式解砕法(ジェットミル等)、SUS球やセラミック球等を用いたビーズ解砕法(ビーズミル等)、高速回転する羽根やピンを用いた解砕法(ピンミル等)などが挙げられる。これらの中でも、解砕時の粉末材料の形状変化が殆どなく、被覆された樹脂の脱落が少ない点から、高圧エアーを用いた衝突式解砕方法が好ましい。但し、基材自体の衝撃強度が低いものは、解砕条件を十分考慮して行わなければ、基材自身が破砕されてしまうので、解砕条件に注意が必要である。
<立体造形用粉末材料の物性等>
−アスペクト比−
前記立体造形用粉末材料のアスペクト比は、0.70以上0.90未満であり、0.80以上0.90未満が好ましい。
本発明においては、前記アスペクト比が高い(0.90以上)ほど、供給槽より造形槽へ立体造形用粉末材料を搬送する工程、つまり図1Bまでの工程においては均一な高充填の立体造形層は得られるが、立体造形用粉末材料を立体造形用液体材料にて溶解、硬化する工程、図1Bを経て得られる立体造形用粉末材料による硬化物(立体造形物)、並びに立体造形物に美観を損ねるボイドが生じることが分かった。
その原因は明らかではないが、図1Cの工程にて、ボイドが生じることが原因と考える。
即ち、アスペクト比の高い立体造形用粉末材料は均一で高密度な充填層を形成するが、立体造形用液体材料の滴下、浸透の際に移動し易く、空気の抜け、局在化に伴い、立体造形用粉末材料が再配置する。
このような再配置によるボイドは、立体造形用粉末材料の体積平均粒径が小さく、微粉を多く含み、アスペクト比が高いものほど顕著である。
そこで、本発明においては、前記アスペクト比を0.70以上0.90未満にすることで粒子の歪さによる粒子同士の引っかかりを利用し、空気が抜ける、或いは偏在する際に立体造形用粉末材料の移動を抑制し、高い美観を有する立体造形物、および立体焼結物が得られるものである。
一方、前記アスペクト比が0.70より小さい歪な粒子においては、粒子同士の引っかかりは十分得られるが、図1Bの工程において、粒子を平滑に充填することが難しくなるため好ましくない。
前記アスペクト比は、公知の粒子形状測定装置を用いて測定することが可能であり、例えば、スペクトリス社製 Morphologi G3−SEなどが挙げられる。
測定条件は、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、分散圧4bar、圧空印加時間10ms、静置時間60sec、測定粒子数50,000個、面積包絡度によるFilteringを行い、一次粒子と想定される粒子のみで解析を行う。
前記面積包絡度とは、図5に示すように、粒子17の面積17Aを、凸包で囲まれた粒子全体の面積(17A+17B)で割った値である。前記面積包絡度は、下記数式2で示すように0〜1の値で示され、粒子がどの程度ギザギザであるかを示す。Filteringは面積包絡度>0.99>100pixelsで行い、Filtering後の測定粒子数は15,000以上が好ましく、20,000以上がより好ましい。
[数式2]
粒子の面積包絡度=粒子の面積17A/粒子全体の面積(17A+17B)
前記アスペクト比(平均値)は、解析に用いた粒子のそれぞれのアスペクト比(短径/長径)を求め、前記アスペクト比の粒子が解析した粒子全体の中でどの程度存在しているかで重み付けした値であり、以下の数式1により算出することができる。
[数式1]
アスペクト比(平均値)=X1*Y1/100+X2*Y2/100+・・・+Xn*Yn/100
ただし、Y1+Y2+・・・+Yn=100(%)であり、Xnは、アスペクト比(短径/長径)を表し、Ynは、アスペクト比がXnである粒子の存在率(%)を表す。nは、15,000以上である。
−扁平粒子含有率−
前記立体造形用粉末材料が扁平粒子を含むことで、前述した空気が抜ける、或いは空気が偏在する際に立体造形用粉末材料の移動を抑制することができる。
前記扁平粒子含有率は、1%以上40%未満が好ましく、1%以上30%以下がより好ましく、1%以上20%以下が更に好ましい。
前記扁平粒子含有率が1%以上であると、粉末材料同士の引っかかりで抑制する効果が十分に得られる。また、前記扁平粒子含有率が40%未満であると、粉末材料の流動性が適正であるため、供給槽から造形槽へ立体造形用粉末材料を供給するとともに均す際に、リコーターのすじ跡が生じない。
前記扁平粒子の含有率とは、立体造形用粉末材料中の扁平粒子を含む割合であり、例えば、Carl zeiss社製 Ultra55を用い画像を撮影し、重なり合い、形状の判別が難しいものは除外し、50粒子以上をカウントすることにより求めることができる。
ここで、前記扁平粒子とは、縦横高さ方向の均一性が著しく低く、元の粒径の1/3以下に潰されて、一方向に平滑面をもつ粒子のことを指す。図4は、扁平粒子の模式図であり、上図はX−Y方向の平面図、下図はZ軸方向の側面図である。
平滑面を持つ場合には立体的でなくなるため、判断可能であるが、難しい場合には、SEM観察ステージを傾けてSEM像を取得する、又はSEM観察中のフォーカス深度などより判別可能である。また、別の方法としては、Lasertec社製 OPTELICS C130を用い、Z方向画像合成をすることで、各粒子のXYZ寸法を計測可能であり、ある一方向が残りの2方向に比べて1/3である場合を扁平粒子とした。
−体積平均粒径−
前記立体造形用粉末材料の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が5μm以上であると、リコート時の粒子の制御が適正に行え、リコーターへの付着、舞上りなどが防止でき、平滑なリコート層が得られ易い。更に、立体造形用粉末材料に立体造形用液体材料が滴下され、前記液体材料が浸透する際に、立体造形用粉末材料間に含まれる空気が抜ける、或いは特定の箇所に偏在することが少なくなり、立体造形用粉末層の内部にボイド発生低減に寄与し得る。
また、前記体積平均粒径が100μm以下であると、立体造形物の焼結が円滑に進み、密度が高く、高強度の立体焼結物が得られる傾向にある。
前記立体造形用粉末材料の体積平均粒径は、公知の粒径測定装置を用いて測定することが可能であり、例えば、前述の粒子径分布測定装置マイクロトラックMT3000IIシリーズ(マイクロトラック・ベル社製)などを用いて測定することができる。
−形状及び円形度−
前記立体造形用粉末材料の形状や円形度については、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができるが、形状は球形が、円形度が高い(1.0に近い)方がより好ましい。これにより、立体造形用粉末材料が最密充填され、得られる立体造形物並びに立体焼結物の空隙を低減することができ、強度アップに有効な場合がある。円形度の測定は、公知の円形度測定装置を用いて測定することが可能であり、一例としてはフロー式粒子像分析装置FPIA−3000(マルバーンインストゥルメンツ社製)などが挙げられる。
−流動性−
前記立体造形用粉末材料の流動性については、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。立体造形用粉末材料の流動性は、従来公知の方法を用いて測定することが可能であり、例えば、安息角、圧縮度、流出速度、せん断セル試験といった方法が挙げられる。安息角は、一定の高さから粉体を落下させ、自発的に崩れることなく安定を保つ時の粉体の山の斜面と水平面との角度で表され、一般的に広く用いられている。一例としては、粉体特性測定装置(パウダテスタPT−N型、ホソカワミクロン社製)などを用いて測定することができる。
本発明の立体造形用粉末材料の安息角としては、55°以下が好ましく、40°以下がより好ましく、35°以下が特に好ましい。
前記立体造形用粉末材料は、各種の立体造形物の簡便かつ効率的な製造に好適に用いることができ、後述する本発明の立体造形材料セット、本発明の立体造形物の製造方法、及び本発明の立体造形物製造装置に特に好適に用いることができる。
(立体造形材料セット)
本発明の立体造形材料セットは、本発明の前記立体造形用粉末材料と、立体造形用液体材料とを有し、更に必要に応じてその他の成分等を有してなる。
本発明は、例えば、前記立体造形用粉末材料の層を形成し、その上に前記立体造形用液体材料を供与し、前記立体造形用液体材料に含有される液体成分が、前記立体造形用粉末材料の表面に形成された被覆樹脂を溶解あるいは膨潤させ、これにより隣接する前記立体造形用粉末材料同士が接着する。これらの操作を繰り返し、乾燥することにより、立体造形物を得ることができる。この時使用される、前記立体造形用粉末材料及び前記立体造形用液体材料を、本発明において立体造形材料セットと称する。
また、本発明の立体造形材料セットは、例えば、単に前記立体造形用粉末材料と前記立体造形用液体材料を所望の比率で混合し、得られたスラリーを型に注入したり、立体的に形づくることによっても立体造形物を得ることができ、これらのスラリーも立体造形材料セットに含まれる。すなわち、本発明の立体造形材料セットは、立体造形物を製造する方法に限らず、前記立体造形用粉末材料と前記立体造形用液体材料との組み合わせがすべて含まれる。
<立体造形用液体材料>
前記立体造形用液体材料は、前記立体造形用粉末材料に含有される前記樹脂を溶解可能な液体成分を含み、架橋剤を含有することが好ましく、必要に応じてその他の成分等を含んでいてもよい。
前記立体造形用液体材料は、立体造形用粉末材料を硬化させるために用いる。なお、前記「硬化」とは、基材同士が被覆樹脂を介して固着乃至凝集した状態を意味し、前記硬化により立体造形用粉末材料が一定の立体形状を保つことが可能となる。
前記立体造形用粉末材料に含まれる樹脂に前記立体造形用液体材料が付与されると、前記樹脂は前記立体造形用液体材料に含まれる前記液体成分により溶解すると共に、好ましくは前記立体造形用液体材料に含まれる前記架橋剤の作用により架橋する。
−液体成分−
前記立体造形用液体材料は、常温において液状であることから液体成分が含まれる。
前記液体成分としては、前記立体造形用粉末材料に含有される前記樹脂を溶解させることが可能であれば、如何なる液体を用いることもできるが、水及び水溶性溶剤が好適に用いられ、特に水が主成分として用いられる。これにより、前記樹脂の溶解性が高まり、高強度の立体造形物を製造することが可能になる。立体造形用液体材料全体に占める水の割合は、40質量%以上85質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。
前記水の割合が、40質量%以上85質量%以下であると、立体造形用粉末材料の前記樹脂の溶解性が良好であり、立体造形物の強度を維持でき、待機時にインクジェットノズルが乾燥せず、液詰まりやノズル抜けが発生するのを防止できる。
前記水溶性溶剤は、特にインクジェットノズルを用いて前記立体造形用液体材料を吐出させる際、水分保持力や吐出安定性を高める上で有効である。これらが低下すると、ノズルが乾燥して、吐出が不安定になったり、液詰まりが発生し、立体造形物の強度や寸法精度の低下を引き起こす場合がある。これらの水溶性溶剤は、水よりも粘度や沸点が高いものが多く、これらは特に立体造形用液体材料の湿潤剤や乾燥防止剤、粘度調整剤としても機能させることができ、有効である。
前記水溶性溶剤は、特にインクジェットノズルを用いて前記立体造形用液体材料を吐出させる際、水分保持力や吐出安定性を高める上で有効である。これらが低下すると、ノズルが乾燥して、吐出が不安定になったり、液詰まりが発生し、立体造形物の強度や寸法精度の低下を引き起こす場合がある。これらの水溶性溶剤は、水よりも粘度や沸点が高いものが多く、これらは特に立体造形用液体材料の湿潤剤や乾燥防止剤、粘度調整剤としても機能させることができ、有効である。
−水溶性溶剤−
前記水溶性溶剤としては、水溶性を示す液体材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクタム、エチレングリコール、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、プロピルプロピレンジグリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、脂肪族炭化水素、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、グリコールエーテル等のエーテル系溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性溶剤の含有量は、吐出安定性、樹脂の溶解性、及び立体造形物の乾燥性等の観点から、立体造形用液体材料全体に対して、5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましく、15質量%以上40質量%以下が更に好ましい。
−架橋剤−
前記架橋剤は、前記立体造形用粉末材料の基材の表面に被覆した樹脂と架橋させることで、得られる立体造形物の強度をより一層高めることが可能になるため有効である。
前記架橋剤としては、前記樹脂を架橋可能な性質を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属塩、金属錯体、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、キレート剤などが挙げられ、金属元素を含む金属化合物であることが好ましい。
前記有機ジルコニウム化合物としては、例えば、酸塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、乳酸ジルコニウムアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機チタン化合物としては、例えば、チタンアシレート、チタンアルコキシドなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属化合物としては、例えば、2価以上の陽イオン金属を水中で電離するものなどが好適に挙げられる。前記金属化合物の具体例としては、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(4価)、水酸化アルミニウム(3価)、水酸化マグネシウム(2価)、チタンラクテートアンモニウム塩(4価)、塩基性酢酸アルミニウム(3価)、炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(4価)、チタントリエタノールアミネート(4価)、グリオキシル酸塩、ジルコニウムラクテートアンモニウム塩などが好適に挙げられる。これらの中でも、得られる立体造形物の強度が優れる点から、ジルコニウム化合物が好ましく、炭酸ジルコニウムアンモニウムが特に好ましい。
また、これらは市販品を使用することができ、該市販品としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(第一稀元素化学工業株式会社製、酸塩化ジルコニウム)、水酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製)、水酸化マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)、チタンラクテートアンモニウム塩(マツモトファインケミカル株式会社製、オルガチックスTC−300)、ジルコニウムラクテートアンモニウム塩(マツモトファインケミカル株式会社製、オルガチックスZC−300)、塩基性酢酸アルミニウム(和光純薬工業株式会社製)、ビスビニルスルホン化合物(富士ファインケミカル株式会社製、VS−B(K−FJC))、炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(第一稀元素化学工業株式会社製、ジルコゾールAC−20)、チタントリエタノールアミネート(マツモトファインケミカル株式会社製、オルガチックスTC−400)、グリオキシル酸塩(Safelink SPM−01、日本合成化学工業株式会社製)、アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学株式会社製)などが挙げられる。
なお、本発明における前記「架橋剤」とは、架橋対象(樹脂)の官能基と架橋反応可能な部位を有する化合物であり、架橋反応することで、自ら架橋対象間の架橋結合の結合部位の構成要素となるものである。したがって、例えば、パーオキサイド(有機過酸化物)や還元性物質のように、熱や光によって自らが分解することでフリーラジカルを発生し、不飽和単量体に付加し、二重結合を開くと同時に、新たなラジカル反応を発生しその工程を繰り返すことで高分子化を促進させたり、飽和化合物の炭素に結合している水素を引き抜いて、新たなラジカルを生成し生成したラジカル同士が再結合することで、この飽和化合物間の橋かけが形成されるといった、自らは架橋結合部位の構成要素にはならない、ラジカル反応を開始乃至促進させるための、所謂「開始剤」とは異なる概念であり、本発明における「架橋剤」とは明確に区別される。
前記立体造形用液体材料における前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記立体造形用粉末材料における前記樹脂に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.5質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記含有量が0.1質量%以上50質量%以下であると、前記液体材料が増粘したり、あるいはゲル化することがなく、得られる立体造形物の強度が向上する。
−その他の成分−
前記立体造形用液体材料は、その他の成分として、例えば、界面活性剤、湿潤剤、乾燥防止剤、粘度調整剤、浸透剤、消泡剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、着色剤、保存剤、安定化剤など、従来公知の材料を制限なく添加することができる。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤は、主に前記立体造形用液体材料の前記立体造形用粉末材料への濡れ性や浸透性、表面張力を制御する目的で使用される。
前記立体造形用液体材料に対する界面活性剤の含有量は、界面活性剤総量として、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましく、0.5質量%〜3質量%が更に好ましい。
前記界面活性剤の総量がこれよりも少ないと、立体造形用液体材料の立体造形用粉末材料への浸透性が低下し、立体造形物の強度が低下する場合がある。一方、界面活性剤の総量がこれよりも多いと、立体造形用液体材料の浸透性を適切に制御できなくなり、立体造形用液体材料が所望の領域を超えて染みわたり、得られる立体造形物の寸法精度が低下する場合がある。
前記立体造形用液体材料の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記水や水溶性溶剤などの液体成分に必要に応じて前記その他の成分を添加し、混合撹拌する方法が挙げられる。
(立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造方法は、従来公知の方法を用いることが可能であるが、例えば以下の方法を用いることが好ましい。即ち、立体造形用粉末材料層形成工程により、前記立体造形用粉末材料の層を形成し、その層に前記立体造形用液体材料供給工程により、前記立体造形用液体材料を供給し、これらの工程を繰り返し、更に必要に応じて乾燥工程により乾燥することによって立体造形物を製造する製造方法である。
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の前記立体造形材料セットを用いて立体造形物を製造することができれば、如何なる方法を用いて製造することも可能であり、従来公知の方法も有効に使用することができる。
ここで、図1A〜図1Fに、本発明の前記立体造形材料セットを用いて、立体造形物を製造するためのプロセスの概略図の一例を示す。
図1A〜図1Fに示される立体造形物製造装置は、造形用粉末貯蔵槽1と供給用粉末貯蔵槽2とを有し、これらの粉末貯蔵槽は、それぞれ上下に移動可能なステージ3を有し、該ステージ3上に本発明の立体造形用粉末材料を載置し、前記立体造形用粉末材料からなる層を形成する。造形用粉末貯蔵槽1の上には、前記粉末貯蔵槽内の立体造形用粉末材料に向けて立体造形用液体材料6を吐出する立体造形用液体材料供給手段5を有し、更に、供給用粉末貯蔵槽2から造形用粉末貯蔵槽1に立体造形用粉末材料を供給すると共に、造形用粉末貯蔵槽1の立体造形用粉末材料(層)表面を均すことが可能な立体造形用粉末材料層形成手段4(以下、「リコーター」とも称する)を有する。
図1A及び図1Bは、供給用粉末貯蔵槽2から造形用粉末貯蔵槽1に立体造形用粉末材料を供給するとともに、平滑な表面を有する立体造形用粉末材料層を形成する工程を示す。造形用粉末貯蔵槽1及び供給用粉末貯蔵槽2の各ステージ3を制御し、所望の層厚になるようにギャップを調整し、前記立体造形用粉末材料層形成手段4を供給用粉末貯蔵槽2から造形用粉末貯蔵槽1に移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽1に立体造形用粉末材料層が形成される。
図1Cは、造形用粉末貯蔵槽1の立体造形用粉末材料層上に前記立体造形用液体材料供給手段5を用いて、立体造形用液体材料6を滴下する工程を示す。この時、立体造形用粉末材料層上に立体造形用液体材料6を滴下する位置は、立体造形物を幾層もの平面にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
図1D及び図1Eは、供給用粉末貯蔵槽2のステージ3を上昇させ、造形用粉末貯蔵槽1のステージ3を降下させ、所望の層厚になるようにギャップを制御し、再び前記立体造形用粉末材料層形成手段4を供給用粉末貯蔵槽2から造形用粉末貯蔵槽1に移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽1に新たに立体造形用粉末材料層が形成される。
図1Fは、再び造形用粉末貯蔵槽1の立体造形用粉末材料層上に前記立体造形用液体材料供給手段5を用いて、立体造形用液体材料6を滴下する工程である。
これらの一連の工程を繰り返し、必要に応じて乾燥させ、立体造形用液体材料が付着していない立体造形用粉末材料を除去することによって、立体造形物を得ることができる。
図2A〜図2Fは、本発明の前記立体造形材料セットを用いて、立体造形物を製造するためのプロセス概略図の他の一例を示す。図2A〜図2Fの立体造形物製造装置は、原理的には図1A〜図1Fと同じものであるが、立体造形用粉末材料の供給機構が異なる。
図2A及び図2Bは、供給用粉末貯蔵槽2から造形用粉末貯蔵槽1に立体造形用粉末材料を供給するとともに、平滑な表面を有する立体造形用粉末材料層を形成する工程を示す。造形用粉末貯蔵槽1に立体造形用粉末材料が供給された後、所望の層厚になるようにギャップを調整し、立体造形用粉末材料層形成手段4を移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽1に立体造形用粉末材料層が形成される。
図2Cは、造形用粉末貯蔵槽1の立体造形用粉末材料層上に前記立体造形用液体材料供給手段5を用いて、立体造形用液体材料6を滴下する工程を示す。この時、立体造形用粉末材料層上に立体造形用液体材料6を滴下する位置は、立体造形物を幾層もの平面にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
図2D及び図2Eは、造形用粉末貯蔵槽1のステージ3を降下させ、再び供給用粉末貯蔵槽2より造形用粉末貯蔵槽1に立体造形用粉末材料を供給し、所望の層厚になるようにギャップを制御し、再び前記立体造形用粉末材料層形成手段4を移動させることにより、造形用粉末貯蔵槽1に新たに立体造形用粉末材料層が形成される。
図2Fは、再び造形用粉末貯蔵槽1の立体造形用粉末材料層上に前記立体造形用液体材料供給手段5を用いて、立体造形用液体材料6を滴下する工程である。
これらの一連の工程を繰り返し、必要に応じて乾燥させ、立体造形用液体材料が付着していない立体造形用粉末材料を除去することによって、立体造形物を得ることができる。
図2A〜図2Fに示す構成の立体造形物製造装置は、よりコンパクトにできるメリットを有する。なお、これらは立体造形物を製造するプロセスを示す一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
(立体造形物製造装置)
本発明の立体造形物の製造装置は、従来公知の装置を用いることが可能であるが、例えば以下の装置を用いることが好ましい。即ち、立体造形用粉末材料の層を形成する粉末材料層形成手段と、前記立体造形用粉末材料の層に前記立体造形用液体材料を供給する液体材料供給手段とを有し、更に必要に応じて粉末材料収容部、液体材料収容部、乾燥手段等のその他の手段を有していてもよい。
<立体造形用粉末材料層形成手段>
前記立体造形用粉末材料層形成手段は、支持体上、あるいは立体造形用粉末材料の上に、前記立体造形用粉末材料を用いて所定の厚みの立体造形用粉末材料層を形成する手段である。
前記支持体は、立体造形用粉末材料を載置させるベースプレートであり、従来公知のものを使用することができる。前記支持体の表面は、平滑であってもよいし、粗面であってもよく、また平面であってもよいし、曲面であってもよいが、表面の離形性に優れる方が好ましい。
前記立体造形用粉末材料を前記支持体上に載置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。従来公知の方法も使用することができ、例えば、特許第3607300号公報に記載されているカウンタ回転機構(カウンターローラ)を用いる方法や、前記立体造形用粉末材料をブラシ、ローラ、あるいはブレード等の部材を用いて層を形成する方法、前記立体造形用粉末材料の表面を押圧部材を用いて押圧して層を形成する方法などが好適に用いられる。上記の方法によって形成される前記立体造形用粉末材料の層は、表面が平滑でかつ高密度に充填されることが好ましい。これにより、層間剥離を低減でき、得られる立体造形物の強度や寸法精度を向上させることができる場合がある。そのような観点から見ると、上記の粉末材料層形成手段の中でも、ローラやブレードが好ましく用いられる。
前記立体造形用粉末材料層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一層当たりの平均厚みで、20μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上300μm以下がより好ましい。前記立体造形用粉末材料層の平均厚みが20μm以上であると、立体造形用液体材料の付与が適正に行え、寸法精度が良好となる。造形時間が適正となり、立体造形物の製造効率が向上する。また、前記立体造形用粉末材料層の平均厚みが500μm以下であると、得られる立体造形物の層間剥離が生じず、寸法精度や強度が良好である。これは、立体造形物を焼結することによって得られる立体焼結物の空隙が生じず、強度低下を引き起こさないことに繋がる。
前記立体造形用粉末材料層の平均厚みは、公知の方法に従って測定することができ、例えば立体造形物の断面を走査型電子顕微鏡やレーザー顕微鏡等を用いて観察する方法が挙げられる。
<立体造形用液体材料供給手段>
前記立体造形用液体材料供給手段は、前記立体造形用粉末材料層に、前記立体造形用液体材料を供給する工程である。前記立体造形用液体材料の前記立体造形用粉末材料への供給手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
前記ディスペンサ方式は、液体を精度よく定量供給することが可能な装置の総称である。液滴の定量性に優れるが、塗布面積が狭く、立体造形物のサイズが制約される場合がある。前記スプレー方式は、圧縮した空気や高圧ガス等を用いて液体を微小液滴化して噴霧する装置を言う。塗布面積が広く、塗布性に優れるが、液滴の定量性が低く、スプレー流による粉末の飛散が発生するため、得られる立体造形物の寸法精度が低下する場合がある。
前記インクジェット方式は、圧電素子やヒーターを用いて非常に微細な液滴を吐出することが可能な装置である。微量な液滴を吐出でき、しかもその定量性が高く、複雑な立体形状を有する立体造形物を高精度にかつ高効率に製造することが可能である。
以上のことから、本発明における立体造形用液体材料供給手段としては、インクジェット方式が特に好ましく用いられる。本発明においては、樹脂が立体造形用粉末材料の基材に被覆されているため、立体造形用液体材料に必ずしも含有させる必要はない。そのため、立体造形用液体材料は粘度を低く保つことができ、乾燥して皮膜化することによるノズル詰まりの発生を抑制することが可能であるため、インクジェットヘッドを有効に使用することができる。また、前記立体造形用粉末材料層に吐出された際、立体造形用液体材料が効率よく浸透可能であるため、立体造形物の製造効率に優れ、強度や寸法精度の高い立体造形物を製造する上で有利である。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、必要に応じて、例えば、粉末材料収容部、液体材料収容部、乾燥手段等を有していてもよい。
前記粉末材料収容部は、前記立体造形用粉末材料を収容することが可能な部材であり、その大きさ、形状、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貯蔵槽、袋、カートリッジ、タンクなどが挙げられる。
前記液体材料収容部は、前記立体造形用液体材料を収容することが可能な部材であり、その大きさ、形状、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貯蔵槽、袋、カートリッジ、タンクなどが挙げられる。
前記乾燥手段は、立体造形物に含まれる立体造形用液体材料を蒸発させ、立体造形物を乾燥させる手段であり、立体造形物製造装置に一体化されていてもよいし、別体としてもよい。また、立体造形用粉末材料層をすべて積層させてから乾燥してもよいし、一層毎積層させる過程でその都度乾燥させてもよい。前記乾燥手段を設けることにより、早期に立体造形物の強度を高めることができるため、立体造形物が型崩れしたり、変形したりするリスクを低減することができる。また、立体造形用液体材料に架橋剤を含有させる場合には、前記乾燥手段を設けることにより、立体造形物の強度を早期に高めることが可能になる場合があり、有効である。一方、乾燥を過剰に行うと、立体造形用液体材料が付着していない立体造形用粉末材料までもが熱融着し、立体造形物の寸法精度が低下する場合がある。
本発明の立体造形物製造装置は、具体的には、供給用粉末貯蔵槽(以下、「供給槽」と称することもある)、及び造形用粉末貯蔵槽(以下、「造形槽」と称することもある)と、ローラと粉末除去板からなる立体造形用粉末材料層形成手段と、ヘッド及びヘッドクリーニング機構からなる立体造形用液体材料供給手段を備えており、更に必要に応じて、粉末材料収容部等のその他の部材を備えている。
前記粉末貯蔵槽は、供給用・造形用を備えたタンク状又は箱型を成しており、その底面部のステージが鉛直方向に昇降自在となっている。また、前記供給槽と前記造形槽は隣接して設けられており、前記造形槽のステージ上で立体造形物が形成される。前記供給槽のステージを上げ、充填されている粉末材料を、平坦化ローラからなる立体造形用粉末材料層形成手段を利用して前記供給槽のステージ上に粉末材料を供給する。前記立体造形用粉末材料層形成手段は、前記供給槽と前記造形槽のステージ上に積載された粉末材料の上面を平坦化し、粉末材料層を形成する。
ヘッドを用いた立体造形用液体材料供給手段を利用して、ステージ上に形成された立体造形用粉末材料層に立体造形用液体材料を吐出する。ヘッドクリーニング機構は、ヘッドに密着して立体造形用液体材料を吸引し、吐出口をワイプする。
ここで、図3に立体造形物製造装置の粉末貯蔵槽100の概略図を示す。前記粉末貯蔵槽100は、箱型形状を成し、供給槽102と造形槽101の2つの上面が開放された槽を備えている。
前記供給槽102と前記造形槽101のそれぞれの内側には、ステージが昇降可能に保持される。ステージの側面はそれぞれの槽の枠に接するようにして配置され、ステージの上面は水平に保たれている。これらの粉末貯蔵槽100の周りには上面が開放された凹形状である粉末落下口103が設けられている。前記粉末落下口103には、粉末材料層を形成する際に平坦化ローラによって集積された余剰粉末材料が落下する。粉末落下口103に落下した余剰粉末は、必要に応じて作業者もしくは吸引機構などによって、造形槽101の上方に位置する粉末供給部内に戻される。
粉末材料収容部(図示を省略)は、タンク状を成しており、前記供給槽102の上方に配置されている。造形の初期動作時や前記供給槽102の粉末材料量が減少した場合、タンク内の粉末を前記供給槽102に供給する。粉末供給のための粉末搬送方法としては、スクリューを利用したスクリューコンベア方式や、エアーを利用した空気輸送方式などが挙げられる。
平坦化ローラ(図示を省略)は、粉末材料を前記供給槽102から前記造形槽101へと搬送させ、所定の厚み(例えば、厚み(Δt1−Δt2))の粉末材料層を形成する機能を有している。前記平坦化ローラは、図示するように、前記造形槽101及び前記供給槽102の内寸(即ち、「粉末材料が供される部分又は仕込まれている部分」の幅)よりも長い棒材であり、両端が往復動装置に支持されている。前記平坦化ローラは、回転しながら前記供給槽102の外側から前記供給槽102及び前記造形槽101の上方を通過するようにして水平移動し、これにより粉末材料を前記造形槽101上へと供給できる。具体的には、前記供給槽102のステージを上昇、前記造形槽101のステージを下降させる。
この際、前記造形槽101の最上粉末材料層と前記平坦化ローラの下部(下方接線部)との間隔がΔt1となるようにステージの下降距離を設定することが好ましい。本実施形態では、前記Δt1が50μm〜300μmであることが好ましく、例えば、約150μmである。
次いで、前記供給槽102の上面レベルよりも上方に位置する粉末を、前記平坦化ローラを回転・移動することで造形槽へと供給し、造形槽101のステージ上に所定の厚みΔt1の粉末層を形成する。ここで、前記平坦化ローラは、造形槽101及び供給槽102の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できる結果、平坦化ローラで粉末を造形槽101の上へと搬送させつつ、造形槽101上、又は既に形成された造形層101の上に均一厚みの粉末材料層を形成できる。
前記平坦化ローラは、粉末材料の搬送のためには、水平移動する方向に対してカウンタ方向(逆回転)に回転することが好ましいが、粉末材料の密度向上のためにカウンタ方向とは反対方向(順回転)に回転することも可能である。また、一度ローラを逆回転しながら水平移動した後、造形槽101のステージをΔt2上昇させ、ローラを順回転しながら水平移動することで、粉末の搬送と密度向上効果を得ることもできる。本実施形態では、Δt2が50μm〜100μmであることが好ましく、例えば、約50μmである。この(Δt1−Δt2)が造形層101の厚み、つまり積層ピッチに相当する。
また、前記平坦化ローラには付着した粉末材料を除去するための粉末除去板を設けることが好ましい。前記粉末除去板は、平坦化した領域にローラに付着した粉末の飛散を防止するために、粉末未平坦化領域であり、かつローラ回転中心以下の位置でローラに接するように設けるのが望ましい。なお、前記平坦化部材はローラだけではなく、角材のブレードでも可能である。前記粉末材料の特性(例えば、粒子の凝縮度合いや流動性など)や、粉末材料の保存状態(例えば、高湿度環境での保存)に応じて、平坦化部材の選定や駆動条件を変更できる。また、高密度化条件も同様に駆動条件を変更できる。
ヘッドは、シアンヘッド、マゼンタヘッド、イエローヘッド、ブラックヘッド、及びクリアヘッドを備えている。立体造形物製造装置の内部には、シアン造形液体材料、マゼンタ造形液体材料、イエロー造形液体材料、ブラック造形液体材料、及びクリア造形液体材料の各々を収容した複数のタンクが装着されている。ヘッドが備える各色のヘッドの各々は、可撓性を有するチューブ(図示せず)によって、対応する色の液体材料を収容したタンクに接続されている。ヘッドは制御によって、各色の液体材料を粉末材料層に吐出する。なお、ヘッド数や吐出する液体材料の種類は変更できる。
例えば、立体造形物に色づけが不要である場合は、クリアヘッドのみをセットし、クリア造形液体材料のみを吐出してもよい。ヘッドは、ガイドレールを利用してY軸、Z軸方向に移動することができる。そして、前記平坦化ローラによって供給槽及び造形槽の表面を平坦化、高密度化している場合、ヘッドは干渉しない位置に退避することができる。
ヘッドによって吐出された液体材料が粉末材料と混合されると、粉末材料に含まれる樹脂が溶解し、隣接する粉末材料同士が結合する。その結果、厚み(Δt1−Δt2)の造形層が形成される。
次いで、上述した粉末供給工程、平坦化工程、高密度化工程、及びヘッドによる液体材料吐出工程を繰り返して新たな造形層を形成する。この際、新たな造形層とその下層の造形層とは一体化して立体造形物の一部を構成する。以後、粉末材料の供給・平坦化工程、高密度化工程、ヘッドによる液体材料吐出工程を必要な回数繰り返すことによって、立体造形物を完成させる。
ヘッドクリーニング機構は、主にキャップとワイパーブレードで構成されている。キャップをヘッド下方のノズル面に密着させ、ノズルから造形液を吸引する。ノズルに詰まった粉末材料の排出や高粘度化した液体材料を排出するためである。その後、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイプ(拭き取り)する。また、ヘッドクリーニング機構は、液体材料の吐出が行われない場合にヘッドのノズル面を覆い、粉末材料がノズルに混入することや液体材料が乾燥することを防止する。
なお、使用する粉末材料の材質や粒径、要求される精度に応じて、粉末材料層の厚みや平坦化手段の駆動条件や、高密度化駆動条件は適宜変更してよい。
<立体造形物の脱脂及び焼結>
得られた立体造形物は、必要に応じて脱脂、及び焼結される。
前記脱脂とは、樹脂分を除去する処理のことを示す。前記脱脂処理において、樹脂分を十分に除去しておかなければ、その後の焼結処理において、立体焼結物に変形や亀裂が生じる場合がある。前記脱脂する方法としては、昇華法、溶剤抽出法、自然乾燥法、加熱法などが挙げられる。これらの中でも、加熱法が好ましい。
前記加熱法は、得られた立体造形物を脱脂が可能な温度で熱処理する方法である。大気雰囲気で行うほか、必要に応じて、真空又は減圧雰囲気、非酸化性雰囲気、加圧雰囲気、あるいは窒素ガス、アルゴンガス、水素ガス、アンモニア分解ガス等のガス雰囲気で熱処理する方法も用いられる。脱脂処理の温度や時間は、基材や樹脂によって適宜設定することが可能であるが、本発明の立体造形用粉末材料は、樹脂に前記ポリビニルアルコールを使用しているため、比較的脱脂処理温度が低く、時間を短縮することが可能であり、立体焼結物の製造効率が高まる点で有効である。
また、このような熱処理による脱脂は、複数の工程に分けて行うことも可能であり、有効である。例えば、前半と後半で熱処理温度を変えたり、低温と高温を繰り返し行ったりすることも可能である。
なお、樹脂は脱脂処理によって完全に除去されなくてもよく、脱脂処理の完了時点で、その一部が残存していてもよい。一方、焼結とは、粉末を高温で固結する方法を言う。前述の脱脂処理によって得られた脱脂物を焼結炉で焼結させることにより、立体焼結物を得ることができる。焼結することにより、立体造形用粉末材料の基材は拡散並びに粒成長し、全体として緻密で空隙の少ない高強度の立体焼結物を得ることができる。
焼結時の温度や時間、雰囲気、昇温速度などの条件は、基材の組成や立体造形物の脱脂状態、サイズや形状等により適宜設定される。但し、焼結温度が低すぎると、焼結が十分に進行せず、立体焼結物の強度や密度が低下する場合がある。一方、焼結温度が高すぎると、立体焼結物の寸法精度が低下する場合がある。焼結雰囲気は、特に限定されないが、大気雰囲気の他、真空又は減圧雰囲気、非酸化性雰囲気、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気で行うことも可能である。
また、焼結は、2段階又はそれ以上で行ってもよい。例えば、焼結条件の異なる1次焼結と2次焼結とを行ったり、1次焼結と2次焼結の焼結温度や時間、焼結雰囲気を変更したりすることも可能である。
得られる立体焼結物の空間率は、特に制限はなく、用途等によって異なるが、立体焼結物の強度の点から、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
前記立体焼結物の空間率は、立体焼結物の寸法、及び体積より空間率を以下の式で算出することができる。
空間率(%)=1−密度
=1−{(重量/比重)/体積}
本発明の立体造形用粉末材料は、基材を樹脂で被覆しているため、樹脂量が少なくでき、脱脂及び焼結の前後における立体造形物の変形や収縮等が生じにくく、緻密で高強度の立体焼結物を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<基材(芯材)>
−基材1−
山陽特殊製鋼株式会社製ステンレス鋼(SUS316L)
体積平均粒径 45μm
比重 8
−基材2−
山陽特殊製鋼株式会社製ステンレス鋼(SUS316L)
体積平均粒径 13μm
比重 8
−基材3−
サンドビック株式会社製ステンレス鋼(SUS316L)
体積平均粒径 11μm
比重 8
−基材4−
ヘガネスジャパン株式会社製ステンレス鋼(SUS316L)
体積平均粒径 41μm
比重 8
−基材5−
大同特殊鋼株式会社製ステンレス鋼(SUS316L)
体積平均粒径 15μm
比重 8
−基材6−
大明化学工業株式会社製アルミナ粒子
タイミクロンTM−5D
体積平均粒径 0.3μm
−基材7−
株式会社トクヤマ製シリカ粒子
エクセリカSE−15K
体積平均粒径 24μm
<コート液の調製>
−コート液1の調製−
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、Z−100、平均重合度:500)5.4質量部と、メチルセルロース(信越化学工業株式会社製、SMC−25)0.6質量部にイオン交換水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、BL600)を用いて2時間攪拌し、その状態で3時間冷却することで、5質量%のアセトアセチル基ポリビニルアルコールとメチルセルロース水溶液120質量部を作製した。こうして得られた調製液をコート液1とした。
−コート液2の調製−
ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)5.4質量部と、メチルセルロース(信越化学工業株式会社製、SMC−25)0.6質量部にイオン交換水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、BL600)を用いて2時間攪拌し、その状態で3時間冷却することで、5質量%のダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールとメチルセルロース水溶液120質量部を作製した。こうして得られた調製液をコート液2とした。
−コート液3の調製−
完全けん化ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、KL105、平均重合度:500)5.4質量部と、メチルセルロース(信越化学工業株式会社製、SMC−25)0.6質量部にイオン交換水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、BL600)を用いて2時間攪拌し、その状態で3時間冷却することで、5質量%の完全けん化ポリビニルアルコールとメチルセルロース水溶液120質量部を作製した。こうして得られた調製液をコート液3とした。
−コート液4の調製−
ジプロパンジオールポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8041)5.4質量部と、メチルセルロース(信越化学工業株式会社製、SMC−25)0.6質量部にイオン交換水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、BL600)を用いて2時間攪拌し、その状態で3時間冷却することで、5質量%のジプロパンジオールポリビニルアルコールとメチルセルロース水溶液120質量部を作製した。こうして得られた調製液をコート液4とした。
<立体造形用粉末材料の製造方法1>
−コーティング条件1:転動流動層コート−
転動流動コーティング装置(MP−01、パウレック社製)
・基材粒子投入量1,000g
・スプレー設定
ノズル口径 1.2mm
コート液吐出圧力 4.7Pa・s
コート液吐出速度 3g/min
アトマイズ空気量 50NL/min
・ローター設定
回転速度 60rpm
回転数 400%
・気流設定
給気温度 80℃
給気風量 0.8m/min
バグフィルター払落し圧 0.2MPa
バグフィルター払落し時間 0.3秒間
バグフィルターインターバル 5秒間
・コーティング時間 80分間
<立体造形用粉末材料の製造方法2>
−コーティング条件2:浸漬コート−
・基材粒子投入量3,000g〜8,000g(処理素材の比重で変更)
・コーティング方法:滴下、浸漬(必要時、スプレー被覆)
・アジテータ(混合羽根)/チョッパ(解砕羽根)回転設定
1)アジテータ回転
回転速度 160rpm〜250rpm
2)チョッパ回転
回転速度 1,200rpm〜2,000rpm
・他設定条件
ジャケット設定温度 50〜80℃
層内真空度 −0.05MPa〜−0.08MPa
・コーティング時間 60分間〜180分間
<解砕処理>
−解砕条件1−
直径1mmのジルコニアボール100g、粉砕対象粉30gを200mL軟膏ビンに計量し、浅田鉄鋼株式会社製ペイントシェイカーにて解砕処理を行い、目開き150μm、線径100μmメッシュにて粉とビーズを分離し、解砕品を得た。なお、解砕時間は任意に設定できる。
−解砕条件2−
超音速乾燥エアーによる衝突解砕法
0.4MPaのエアー圧力でセラミックス板の衝突板に衝突させ凝集体を解砕した。
開回路にて処理フィード量は30g/minで供給し、サイクロンにて解砕品を回収し、1パス解砕品とする手法である。なお、パス回数は任意に設定できる。
(実施例1)
<立体造形用粉末材料1の作製>
前記基材1に前記コート液1を、前記立体造形用粉末材料の製造方法1により樹脂コーティングを行い、前記解砕条件1にて解砕処理を行い、立体造形用粉末材料1を製作した。前記基材1及び前記コート液1の処方量は表1に記載した。
次に、得られた立体造形用粉末材料1について、以下のようにして、アスペクト比、樹脂付着量、体積平均粒径、被覆厚み、樹脂被覆率、及び扁平粒子含有率を測定した。結果を表1及び表2に示した。
−アスペクト比−
前記アスペクト比は、粒子形状測定装置(スペクトリス社製、Morphologi G3−SE)を用い、測定条件として、分散圧4bar、圧空印加時間10ms、静置時間60sec、測定粒子数50,000個、面積包絡度によるFilteringを行い、一次粒子と想定される粒子のみで解析を行った。
前記面積包絡度とは、図5に示すように、粒子17の面積17Aを、凸包で囲まれた粒子全体の面積(17A+17B)で割った値である。前記面積包絡度は、下記数式2で示すように0〜1の値で示され、粒子がどの程度ギザギザであるかを示す。Filteringは面積包絡度>0.99>100pixelsで行い、Filtering後の測定粒子数は15,000以上であった。
[数式2]
粒子の面積包絡度=粒子の面積17A/粒子全体の面積(17A+17B)
前記アスペクト比(平均値)は、解析に用いた粒子のそれぞれのアスペクト比(短径/長径)を求め、前記アスペクト比の粒子が解析した粒子全体の中でどの程度存在しているかで重み付けした値であり、具体的には以下の数式1により算出した。
[数式1]
アスペクト比(平均値)=X1*Y1/100+X2*Y2/100+・・・+Xn*Yn/100
ただし、Y1+Y2+・・・+Yn=100(%)であり、Xnは、アスペクト比(短径/長径)を表し、Ynは、アスペクト比がXnである粒子の存在率(%)を表す。nは、15,000以上である。
−樹脂付着量−
得られた立体造形用粉末材料1の樹脂付着量は、熱重量分析装置(TGA−50、株式会社島津製作所製)を用い、400℃まで昇温し、重量減少率により求めた。
−体積平均粒径−
得られた立体造形用粉末材料1の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3000II、マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定し、累積体積分布曲線を得た。得られた累積体積分布曲線より、体積平均粒径(D50)を求めた。
−被覆厚み(平均厚み)−
被覆厚み(平均厚み)は、前記立体造形用粉末材料1の表面をエメリー紙で研磨を行った後、水を含ませた布で表面を軽く磨き樹脂部位を溶解し、観察用サンプルを作製した。次に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて表面に露出した、基材部と樹脂部の境界部を観察し、前記樹脂部表面と前記境界部との長さを被覆厚みとして測定した。測定箇所10箇所の平均値を求め、これを被覆厚み(平均厚み)とした。
−樹脂被覆率−
電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用い、前記立体造形用粉末材料1が10個程度画面内に収まる視野設定にて、下記条件で反射電子像(ESB)を撮影し、ImageJソフトにより画像処理にて2値化を実施した。黒色部が被覆部、白色部が基材部とし、1粒子中の黒色部面積/(黒色部面積+白色部面積)×100で比率を求めた。10粒子の測定を行い、その平均値を樹脂被覆率(%)とした。
−SEM観察条件−
・Signal:ESB(反射電子像)
・EHT:0.80kV
・ESB Grid:700V
・WD:3.0mm
・Aperture Size:30.00μm
・コントラスト:80%
・倍率:画面横方向に10個程度収まるようにサンプル毎に設定
−扁平粒子含有率−
Carl zeiss社製 Ultra55を用い画像を撮影し、重なり合い、形状の判別が難しいものは除外し、カウントすることにより、扁平粒子含有率を求めた。
前記扁平粒子とは、縦横高さ方向の均一性が著しく低く、元の粒径の1/3以下に潰されて、一方向に平滑面をもつ粒子のことを指す(図4参照)。平滑面を持つ場合には立体的でなくなるため、判断可能であるが、難しい場合には、SEM観察ステージを傾けてSEM像を取得する、又はSEM観察中のフォーカス深度などより判別可能である。
<立体造形用液体材料1の作製>
水60質量部と、水溶性溶剤(湿潤剤)として1,2−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)40質量部を混合撹拌し、立体造形用液体材料1を作製した。
<立体造形物の作製>
立体造形用粉末材料層形成手段としてカウンターローラーを用い、立体造形用液体材料供給手段としてインクジェットヘッドを用いた図3に示される立体造形物製造装置により、以下の方法に従って立体造形物1を作製した。
前記立体造形物製造装置の粉末材料収容部に、前記立体造形用粉末材料1を、同様の液体材料収容部に前記立体造形用液体材料1を入れ、3Dデータを入力し、図1A〜図1Fに示すプロセスを繰り返して、短冊形状を有する立体造形物1を作製した。なお、立体造形用粉末材料層の一層の平均厚みは、約100μmになるように調整し、合計30層積層した。
次いで、約2時間風乾した後、乾燥器に入れ、70℃で3時間乾燥を行った。その後、立体造形用液体材料が付着していない立体造形用粉末材料を刷毛等で取り除き、再び乾燥器に入れ、100℃で12時間乾燥を行い、そのまま室温まで放冷し、立体造形物1を作製した。
<立体造形物の脱脂及び焼結>
得られた立体造形物1を乾燥機に入れ、窒素雰囲気下、500℃まで4時間かけて昇温し、次いで、400℃に4時間維持した後、4時間かけて30℃まで昇温させて、脱脂工程を行った。得られた脱脂物を、焼結炉内で真空下、1,200℃で焼結処理を行い、立体焼結物1を作製した。
<立体焼結物のボイド評価>
得られた立体焼結物1の断面、或いは側面を5倍率で撮影した。得られた画像から500μm*500μm範囲内での大ボイド、小ボイドの個数をカウントした。同様の評価を8視野で行い、大ボイド、小ボイドの平均個数を算出し、以下基準にて評価した。
なお、大ボイドは長径が100μm以上である。小ボイドは長径が100μm未満50μm以上である。
[大ボイドの評価基準]
◎:0個
○:2個以下
△:3個以上5個未満
×:5個以上
「測定不能」:大ボイドが測定できず、立体造形物の形状維持が難しく判断できない
[小ボイドの評価基準]
◎:5個未満
○:5個以上10個未満
△:10個以上20個未満
×:20個以上
「測定不能」:小ボイドが測定できず、立体造形物の形状維持が難しく判断できない
<立体焼結物の空間率>
得られた立体焼結物1の寸法、及び体積より空間率を以下の式で算出した。
空間率(%)=1−密度
=1−{(重量/比重)/体積}
なお、焼結時に立体造形物が崩れてしまったサンプルは「測定不能」とした。
(実施例2〜25及び比較例1〜5)
実施例1において、基材の種類、処方量、立体造形用粉末材料の製造方法、立体造形用液体材料、及び解砕条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、立体造形物を作製し、同様にして評価した。結果を表1及び表2に示した。
<立体造形用液体材料2の作製>
水60質量部と、水溶性溶剤(湿潤剤)として1,2−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)40質量部と、架橋剤として炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(第一稀元素化学工業株式会社製、ジルコゾール AC−20)3質量部とを混合撹拌し、立体造形用液体材料2を作製した。
<立体造形用液体材料3の作製>
水60質量部と、水溶性溶剤(湿潤剤)として1,2−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)40質量部と、架橋剤としてグリオキシル酸エステル(SPM02、日本合成化学工業株式会社製)0.5質量部とを混合撹拌し、立体造形用液体材料3を作製した。
<立体造形用液体材料4の作製>
水60質量部と、水溶性溶剤(湿潤剤)として1,2−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)40質量部と、架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジド(ADH、日本ヒドラジン工業株式会社製)0.8質量部とを混合撹拌し、立体造形用液体材料4を作製した。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 基材を樹脂で被覆してなる立体造形用粉末材料であって、
前記粉末材料の下記数式1で算出されるアスペクト比が0.70以上0.90未満であり、かつ前記樹脂の被覆率が15%以上であることを特徴とする立体造形用粉末材料である。
[数式1]
アスペクト比(平均値)=X1*Y1/100+X2*Y2/100+・・・+Xn*Yn/100
ただし、Y1+Y2+・・・+Yn=100(%)であり、Xnは、アスペクト比(短径/長径)を表し、Ynは、アスペクト比がXnである粒子の存在率(%)を表す。nは、15,000以上である。
<2> 前記粉末材料のアスペクト比が、0.80以上0.90未満である前記<1>に記載の立体造形用粉末材料である。
<3> 前記粉末材料の前記樹脂の被覆率が、50%以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形用粉末材料である。
<4> 前記粉末材料の扁平粒子含有率が、1%以上40%未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形用粉末材料である。
<5> 前記粉末材料の体積平均粒径が、5μm以上100μm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形用粉末材料である。
<6> 前記粉末材料の樹脂付着量が、0.5質量%以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形用粉末材料である。
<7> 前記粉末材料の樹脂が、水溶性樹脂である前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形用粉末材料である。
<8> 前記水溶性樹脂が、変性ポリビニルアルコールである前記<7>に記載の立体造形用粉末材料である。
<9> 前記基材が、水に不溶な基材である前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形用粉末材料である。
<10> 前記基材が、金属及びセラミックスの少なくともいずれかである前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形用粉末材料である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の立体造形用粉末材料と、前記樹脂を溶解可能な立体造形用液体材料と、有することを特徴とする立体造形材料セットである。
<12> 前記液体材料が、水及び水溶性溶剤の少なくともいずれかを含有する前記<11>に記載の立体造形材料セットである。
<13> 前記液体材料が、架橋剤を含有する前記<11>から<12>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<14> 前記架橋剤が、金属化合物である前記<13>に記載の立体造形材料セットである。
<15> 前記<11>から<14>のいずれかの立体造形材料セットを有し、更に前記粉末材料の層を形成する粉末材料層形成手段と、前記粉末材料の層に前記液体材料を供給する液体材料供給手段を有することを特徴とする立体造形物製造装置である。
<16> 前記液体材料供給手段が、インクジェット方式である前記<15>に記載の立体造形物製造装置である。
<17> 前記<11>から<14>のいずれかの立体造形材料セットを用い、前記粉末材料の層に、前記液体材料を供給することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<18> 前記粉末材料の層に、前記液体材料を供給する方法が、インクジェット方式である前記<17>に記載の立体造形物の製造方法である。
<19> 更に、焼成する工程を含む前記<17>から<18>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<20> 前記<11>から<14>のいずれかの立体造形材料セットを用いて造形された立体造形物を焼成してなることを特徴とする立体焼結物である。
1 造形用粉末貯蔵槽(造形槽)
2 供給用粉末貯蔵槽(供給槽)
3 ステージ
4 立体造形用粉末材料層形成手段
5 立体造形用液体材料供給手段(インクジェットヘッド)
6 立体造形用液体材料
特表2006−521264号公報 特開2005−297325号公報

Claims (20)

  1. 基材を樹脂で被覆してなる立体造形用粉末材料であって、
    前記粉末材料の下記数式1で算出されるアスペクト比が0.70以上0.90未満であり、かつ前記樹脂の被覆率が15%以上であることを特徴とする立体造形用粉末材料。
    [数式1]
    アスペクト比(平均値)=X1*Y1/100+X2*Y2/100+・・・+Xn*Yn/100
    ただし、Y1+Y2+・・・+Yn=100(%)であり、Xnは、アスペクト比(短径/長径)を表し、Ynは、アスペクト比がXnである粒子の存在率(%)を表す。nは、15,000以上である。
  2. 前記粉末材料のアスペクト比が、0.80以上0.90未満である請求項1に記載の立体造形用粉末材料。
  3. 前記粉末材料の前記樹脂の被覆率が、50%以上である請求項1から2のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
  4. 前記粉末材料の扁平粒子含有率が、1%以上40%未満である請求項1から3のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
  5. 前記粉末材料の体積平均粒径が、5μm以上100μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
  6. 前記粉末材料の樹脂付着量が、0.5質量%以上である請求項1から5のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
  7. 前記粉末材料の樹脂が、水溶性樹脂である請求項1から6のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
  8. 前記水溶性樹脂が、変性ポリビニルアルコールである請求項7に記載の立体造形用粉末材料。
  9. 前記基材が、水に不溶な基材である請求項1から8のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
  10. 前記基材が、金属及びセラミックスの少なくともいずれかである請求項1から9のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の立体造形用粉末材料と、前記樹脂を溶解可能な立体造形用液体材料と、有することを特徴とする立体造形材料セット。
  12. 前記液体材料が、水及び水溶性溶剤の少なくともいずれかを含有する請求項11に記載の立体造形材料セット。
  13. 前記液体材料が、架橋剤を含有する請求項11から12のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  14. 前記架橋剤が、金属化合物である請求項13に記載の立体造形材料セット。
  15. 請求項11から14のいずれかの立体造形材料セットを有し、更に前記粉末材料の層を形成する粉末材料層形成手段と、前記粉末材料の層に前記液体材料を供給する液体材料供給手段を有することを特徴とする立体造形物製造装置。
  16. 前記液体材料供給手段が、インクジェット方式である請求項15に記載の立体造形物製造装置。
  17. 請求項11から14のいずれかの立体造形材料セットを用い、前記粉末材料の層に、前記液体材料を供給することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  18. 前記粉末材料の層に、前記液体材料を供給する方法が、インクジェット方式である請求項17に記載の立体造形物の製造方法。
  19. 更に、焼成する工程を含む請求項17から18のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  20. 請求項11から14のいずれかの立体造形材料セットを用いて造形された立体造形物を焼成してなることを特徴とする立体焼結物。
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