JP2016187069A - 画像処理装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】画像データに対する補正処理を利用するユーザの負担を軽減する。【解決手段】画像処理装置は、元画像を表す元画像データと、元画像データに対して特定の補正処理を実行することによって生成される補正済画像を表す補正済画像データと、を取得する取得部と、元画像データを用いて元画像の色分布に関する第1の指標値を算出するとともに、補正済画像データを用いて補正済画像の色分布に関する第2の指標値を算出する算出部と、第1の指標値と第2の指標値との比較に基づいて、画像処理装置が実行可能な複数種類の候補処理の中から、特定の補正処理に対応する処理を推定する推定部と、を備える。【選択図】 図7

Description

本明細書は、原稿を光学的に読み取ることによって生成される画像データに対して補正処理を実行する画像処理に関する。
スキャナなどの読取装置を用いて、原稿を光学的に読み取ることによって生成される画像データに対して補正処理を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、画像内の特定色を示す画素の値を、白色を示す画素の値に変更する技術が開示されている。この技術では、複合機のカラー液晶パネルに、カラーパレットを表示して、ユーザから特定色の指示を受け取っている。
特開2006−339874号公報
しかしながら、補正処理には、上述のように特定色を白色に変更する処理に限らず、多様な種類の補正処理がある。これらの複数種類の処理の中から、適切な補正処理をユーザが選択することは、容易であるとは言えなかった。特に、補正処理に関する知識に乏しいユーザにとっては、適切な補正処理を選択することは困難である場合があった。このように、補正処理を利用するユーザの負担を軽減することが望まれていた。
本明細書は、画像データに対して実行される補正処理を利用するユーザの負担を軽減できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]画像処理装置であって、元画像を表す元画像データと、前記元画像データに対して特定の補正処理を実行することによって生成される補正済画像を表す補正済画像データと、を取得する取得部と、前記元画像データを用いて前記元画像の色分布に関する第1の指標値を算出するとともに、前記補正済画像データを用いて前記補正済画像の色分布に関する第2の指標値を算出する算出部と、前記第1の指標値と前記第2の指標値との比較に基づいて、前記画像処理装置が実行可能な複数種類の候補処理の中から、前記特定の補正処理に対応する処理を推定する推定部と、を備える、画像処理装置。
上記構成によれば、元画像の色分布と補正済画像の色分布に応じて、元画像データに対して実行された特定の補正処理が、画像処理が実行可能な複数種類の候補処理のうちのどの処理に対応するのかを適切に推定することができる。この結果、例えば、推定された補正処理をユーザに対して通知することや、推定された補正処理を自動的に実行することが可能になり、補正処理を利用するユーザの負担を軽減することができる。
[適用例2]画像処理装置であって、元画像を表す元画像データと、前記元画像データに対して特定の補正処理を実行することによって生成される補正済画像を表す補正済画像データと、補正対象の画像を表す対象画像データと、を取得する取得部と、前記元画像データと前記補正済画像データとの比較に基づいて、前記画像処理装置が実行可能な複数種類の候補処理の中から、前記特定の補正処理に対応する処理を推定する推定部と、前記複数種類の候補処理の中から推定された処理のためのパラメータを決定する決定部と、前記決定済のパラメータを用いて、前記複数種類の候補処理の中から推定された処理を、前記対象画像データに対して実行する補正部と、を備える、画像処理装置。
上記構成によれば、元画像データと補正済画像データとの比較に基づいて、元画像データに対して実行された特定の補正処理が、画像処理が実行可能な複数種類の候補処理のうちのどの処理に対応するのかを適切に推定することができる。そして、推定された処理のためのパラメータが決定されて、該パラメータを用いて対象画像データに対して推定された処理が実行される。この結果、パラメータや補正処理の種類を画像処理装置に設定するユーザの負担を軽減することができる。
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、画像読取装置の制御装置、画像処理方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
第2の複合機200と第1の複合機100との構成を示すブロック図である。 補正処理の概要を示すフローチャートおよび表である。 トーンカーブの一例を示す図である。 元画像と補正済画像の一例を示す図である。 補正情報登録処理のフローチャートである。 結果通知画面WI1の一例を示す図である。 補正種推定処理のフローチャートである。 元画像IAのヒストグラムと元画像IAの分布領域との一例を示す図である。 補正済画像IBのヒストグラムの一例を示す図である。 補正済画像IBのヒストグラムの一例を示す図である。 補正済画像IBの分布領域の一例を示す図である。 背景除去推定処理のフローチャートである。 裏写り除去推定処理のフローチャートである。 全体明度補正推定処理のフローチャートである。 コントラスト補正推定処理のフローチャートである。 補正レベル決定処理のフローチャートである。 スキャン処理のフローチャートである。 指示入力画面WI2と詳細設定画面WI3の一例とを示す図である。
A.実施例:
A−1:複合機の構成
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本実施例の画像処理装置としての第2の複合機200と、他の画像処理装置としての第1の複合機100との構成を示すブロック図である。
第2の複合機200は、第2の複合機200のコントローラとしてのCPU210と、ハードディスクドライブやEEPROMなどの不揮発性記憶装置220と、RAMなどの揮発性記憶装置230と、所定の方式(例えば、インクジェット方式、レーザー方式)で画像を印刷するプリンタ部240と、スキャナ部250と、タッチパネルやボタンなどの操作部260と、タッチパネルと重畳された液晶パネルなどの表示部270と、図示しないユーザの端末装置やUSBメモリなどの外部装置とデータ通信を行うためのインターフェースを含む通信部280と、を備えている。
スキャナ部250は、例えば、イメージセンサを用いて、光学的に原稿を読み取ることによってスキャンデータを生成する読取装置である。スキャンデータは、RGBの3個の色成分の階調値(例えば、0〜255の256階調)を含むRGB値で画素ごとの色を表すRGB画像データである。RGBの3個の色成分の階調値を、それぞれ、R値、G値、B値とも呼ぶ。
不揮発性記憶装置220は、コンピュータプログラムPG2を格納している。コンピュータプログラムPG2は、例えば、第2の複合機200の製造時に、予め不揮発性記憶装置220に記憶されている。これに代えて、コンピュータプログラムPG2は、CD−ROMやDVD−ROMなどに格納された形態、または、ネットワークを介して第2の複合機200に接続されたサーバ(図示省略)からダウンロードされる形態で提供される。揮発性記憶装置230には、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231が設けられている。
CPU210は、コンピュータプログラムPG2を実行することにより、第2の複合機200の全体を制御する機能や、スキャンデータに対する複数種類の補正処理(後述)を実行する機能を実現する。
第1の複合機100は、第2の複合機200とは異なる機種の複合機である。本実施例では、第1の複合機100の製造者と、第2の複合機200の製造者とも、異なっている。
第1の複合機100は、第2の複合機200と同様に、CPU110と、不揮発性記憶装置120と、揮発性記憶装置130と、プリンタ部140と、スキャナ部150と、操作部160と、表示部170と、通信部180と、を備えている。不揮発性記憶装置120には、コンピュータプログラムPG1が格納されている。スキャナ部150は、光学的に原稿を読み取ることによってスキャンデータを生成する読取装置である。スキャナ部150によって生成されるスキャンデータは、スキャナ部250によって生成されるスキャンデータと同様のRGB画像データである。
A−2:補正処理:
本実施例では、第2の複合機200のCPU210は、処理対象のスキャンデータに対して複数種類の補正処理を実行することができる。複数種類の補正処理は、背景除去処理と、裏写り除去処理と、全体明度補正処理と、コントラスト補正処理と、を含む。背景除去処理と裏写り除去処理とは、画像内の背景の色を補正する処理である。また、全体明度補正処理とコントラスト補正処理とは、画像の明度を補正する処理である。
図2は、補正処理の概要を示すフローチャートおよび表である。S1では、CPU210は、補正処理の種類に応じた補正パラメータを取得する。ここで、補正パラメータは、ユーザの指示に基づいて変更が可能な補正処理に関する設定値である。図2の表に示すように、実行すべき補正処理が、背景除去処理である場合には、補正パラメータはない。実行すべき補正処理が、裏写り除去処理、全体明度補正処理、コントラスト補正処理、である場合には、補正パラメータは、それぞれ、補正レベルL2、L3、L4である。補正レベルL3、L3、L4は、例えば、所定範囲内の整数で表される。例えば、裏写り除去処理の補正レベルL2は、0〜+20の整数で表される。例えば、全体明度補正処理の補正レベルL3と、コントラスト補正処理の補正レベルL4とは、それぞれ、−10〜+10の整数で表される。補正レベルL2〜L4を示す整数の絶対値が大きいほど、補正レベルが高いことを示す。
S2では、CPU210は、処理対象のスキャンデータによって表されるスキャン画像内の複数個の画素の中から、1個の注目画素を選択する。S3では、CPU210は、注目画素が、補正対象の画素であるか否かを判断する。
実行すべき補正処理が、背景除去処理である場合には、スキャン画像の背景の色に近似した背景近似範囲RA1内の色値(本実施例ではRGB値)が、処理対象の画素である。本実施例では、背景近似範囲RA1は、背景色を示すRGB値である背景色値(Rg、Gg、Bg)を中心とし、特定幅ΔV1を有する範囲である。特定幅ΔV1は、固定値である。例えば、本実施例では、背景近似範囲RA1は、(Rg−ΔV1)≦R≦(Rg+ΔV1)、かつ、(Gg−ΔV1)≦G≦(Gg+ΔV1)、かつ、(Bg−ΔV1)≦B≦(Bg+ΔV1)を満たすRGB値の範囲である。背景色値(Rg、Gg、Bg)には、例えば、スキャン画像内の複数個の画素のR値、G値、B値のそれぞれの最頻値Rm、Gm、Bmによって示される色値が用いられる((Rg、Gg、Bg)=(Rm、Gm、Bm))。
実行すべき補正処理が、裏写り除去処理である場合には、スキャン画像の背景の色に近似した背景近似範囲RA2内の色値が、処理対象の画素である。本実施例では、背景近似範囲RA2は、上述した背景色値(Rg、Gg、Bg)を中心として、特定幅ΔV2を有する範囲である。したがって、背景近似範囲RA2は、背景近似範囲RA1と類似した範囲、例えば、(Rg−ΔV2)≦R≦(Rg+ΔV2)、かつ、(Gg−ΔV2)≦G≦(Gg+ΔV2)、かつ、(Bg−ΔV2)≦B≦(Bg+ΔV2)を満たすRGB値の範囲である。ただし、背景近似範囲RA2の特定幅ΔV2は、固定値ではなく、補正レベルL2に応じて変動する値である。例えば、特定幅ΔV2は、補正レベルL2が高いほど、大きな値に設定され、例えば、ΔV2=L2×Kと表される(Kは所定の係数)。
実行すべき補正処理が、全体明度補正処理またはコントラスト補正処理である場合にはスキャン画像内の全ての画素が、処理対象の画素である。
図2のS3にて、注目画素が、補正対象の画素である場合には(S3:YES)、S4にて、CPU210は、注目画素の色値(Rt、Gt、Bt)を変更する。注目画素が、補正対象の画素でない場合には(S3:NO)、注目画素の色値(Rt、Gt、Bt)は変更されない。
実行すべき補正処理が、背景除去処理である場合には、S4にて、注目画素の色値(Rt、Gt、Bt)は、背景色とは異なる特定色、本実施例では、白色を示す特定の色値である白色値(Rwh、Gwh、Bwh)に変更される(例えば、(Rwh、Gwh、Bwh)=(255、255、255))。
実行すべき補正処理が、裏写り除去処理である場合には、S4にて、注目画素の色値(Rt、Gt、Bt)は、背景内の画素の値に基づく背景の代表色、本実施例では、上述した背景色値(Rg、Gg、Bg)として用いられる最頻値(Rm、Gm、Bm)に変更される。
実行すべき補正処理が、全体明度補正処理である場合には、S4にて、注目画素の色値(Rt、Gt、Bt)は、例えば、全体明度補正用のトーンカーブC3に従う色値(Ra3、Ga3、Ba3)に、変更される。すなわち、変換後の色値(Ra3、Ga3、Ba3)は、注目画素の色値(Rt、Gt、Bt)を成分値ごとにトーンカーブC3を用いて変換して得られる値である。
実行すべき補正処理が、コントラスト補正処理である場合には、S4にて、注目画素の色値(Rt、Gt、Bt)は、例えば、全体明度補正用のトーンカーブC4に従う色に色値(Ra4、Ga4、Ba4)に、変更される。すなわち、変換後の色値(Ra4、Ga4、Ba4)は、注目画素の色値(Rt、Gt、Bt)を成分値ごとにトーンカーブC4を用いて変換して得られる値である。
図3は、トーンカーブの一例を示す図である。図3(A)には、全体明度補正用のトーンカーブC3の一例として、補正レベルL3が異なる3個のトーンカーブC3(3)、C3(6)、C3(−3)が示されている。図3(B)には、コントラスト補正用のトーンカーブC4の一例として、補正レベルL4が異なる3個のトーンカーブC4(3)、C4(6)、C4(−3)が示されている。なお、トーンカーブの符号の括弧内の数字は、補正レベルL3、L4を示している。これらのトーンカーブは、横軸をVinとし縦軸をVoutとする座標系(Vin、Vout)において、入力階調値Vinと出力階調値Voutとの対応関係を規定している。これらのトーンカーブは、以下の式(1)〜(3)によって表される。
Vout=(Vc/Va)×Vin (0≦Vin<Va)...(1)
Vout=(Vin−Va)×{(Vd−Vc)/(Vb−Va)}+Vc
(Va≦Vin<Vb)...(2)
Vout=(Vin−Vb)×{(Vm−Vd)/(Vm−Vb)}+Vd
(Vb≦Vin≦Vm)...(3)
ここで、Vmは、階調値が取り得る最大値であり、本実施例では、Vm=255である。Va〜Vdは、トーンカーブの形状を規定するパラメータである。図3(A)には、全体明度補正のトーンカーブC3(3)を規定するパラ−メータVa〜Vdが、図3(B)には、コントラスト補正のトーンカーブC4(3)を規定するパラメータVa〜Vdが図示されている。
パラメータVa、Vcは、トーンカーブの第1点Pacの位置を設定し、パラメータVb、Vdは、トーンカーブの第2点Pbdの位置を設定する。本実施例のトーンカーブは、始点P0(0、0)、第1点Pac(Va、Vc)、第2点Pbd(Vb、Vd)、終点Pm(Vm、Vm)を直線で結んだ線である。
全体明度補正処理では、図3(A)のトーンカーブC3(3)について示すように、第1点Pacと第2点Pbdとの両方が、無変換線(図3における始点P0と終点Pmとを結ぶ直線LN)から見て同じ側に位置している。また、第1点Pacと第2点Pbdとを結ぶ直線Lmが、無変換線と平行になる。
全体明度補正処理では、補正レベルL3が正の値である場合には、画像の全体の明度を増加させる補正が行われ、補正レベルL3が負の値である場合には、画像の全体の明度を減少させる補正が行われる。このために、トーンカーブC3(3)、C3(6)のように、補正レベルL3が正の値である場合には、第1点Pacと第2点Pbdが無変換線LNより上側に配置され、トーンカーブC3は、全体として上に凸の形状となる。トーンカーブC3(−3)のように、補正レベルL3が負の値である場合には、第1点Pacと第2点Pbdが、無変換線LNより下側に配置され、トーンカーブC3は、全体として下に凸の形状となる。
また、補正レベルL3が高いほど、すなわち、補正レベルL3の絶対値が大きいほど、補正量ΔV3が大きくなるように、第1点Pacと第2点Pbdが設定される。例えば、図3(A)のトーンカーブC3(6)の補正量ΔV3(6)は、トーンカーブC3(3)、C3(−3)の補正量ΔV3(3)、ΔV3(−3)より約2倍大きい。
コントラスト補正処理では、図3(B)のトーンカーブC4(3)について示すように、第1点Pacは、無変換線LNから見て一方の側に位置し、第2点Pbdは、無変換線LNから見て他方の側に位置している。第1点Pacと第2点Pbdとを結ぶ直線Lmは、無変換線LNの中点と交差する。
コントラスト補正処理では、補正レベルL4が正の値である場合には、画像のコントラストを高くする補正、すなわち、画像内の比較的暗い領域と比較的明るい領域との明度の差を増加させる補正が行われる。また、補正レベルL4が負の値である場合には、画像のコントラストを低くする補正、すなわち、画像内の比較的暗い領域と比較的明るい領域との明度の差を減少させる補正が行われる。このために、トーンカーブC4(3)、C4(6)のように、補正レベルL4が正の値である場合には、低階調側の領域LAに位置する第1点Pacは、無変換線LNより下側に配置され、高階調側の領域HAに位置する第2点Pbdは、無変換線LNより上側に配置される。トーンカーブC4(−3)のように、補正レベルL4が負の値である場合には、低階調側の領域LAに位置する第1点Pacは、無変換線LNより上側に配置され、高階調側の領域HAに位置する第2点Pbdは、無変換線LNより下側に配置される。高階調側の領域HAは、例えば、階調値が取り得る範囲(例えば、0〜255)の中央値(例えば、128)以上の値の範囲(例えば、128〜255)である。低階調側の領域LAは、例えば、階調値が取り得る範囲の中央値未満の値の範囲(例えば、0〜128)である。
また、補正レベルL4が高いほど、すなわち、補正レベルL4の絶対値が大きいほど、補正量ΔV4が大きくなるように、第1点Pacと第2点Pbdが設定される。例えば、図3(B)のトーンカーブC4(6)の補正量ΔV4(6)は、トーンカーブC4(3)、C4(−3)の補正量ΔV4(3)、ΔV4(−3)より約2倍大きい。
図2のS5では、CPU210は、処理対象の画像内の全ての画素を注目画素として処理したか否かを判断する。未処理の画素がある場合には (S5:NO)、CPU410は、S2に戻って、未処理の画素を注目画素として選択する。全ての画素が処理された場合には(S5:YES)、 CPU210は、補正処理を終了する。
なお、本実施例の第1の複合機100のCPU110は、スキャンデータに対して、上述した第2の複合機200によって実行可能な4種類の補正処理と対応する4種類の補正処理を実行することができる。第1の複合機100のCPU110によって、実行可能な4種類の補正処理のそれぞれは、第2の複合機200によって実行可能な4種類の補正処理のうちの対応する処理と同等の結果を得ることができる処理であり、以下では、同じ名称(例えば、背景除去処理、裏写り除去処理)を用いて表現する。
A−3.第2の複合機200の動作
本実施例では、第1の複合機100のユーザが、利用する複合機を、第1の複合機100から第2の複合機200に切り替える場面を想定する。現在、ユーザは、第1の複合機100に、スキャンデータを生成させ、第1の複合機100に、スキャンデータに対する補正処理を実行させている。
第2の複合機200は、第2の複合機200の設定を行うユーザの負担を軽減するための補正情報登録処理を実行することができる。補正情報登録処理は、第1の複合機100のCPU110が実行する補正処理と同等の結果が得られる補正処理を、第2の複合機200にて実行できるように、ユーザが第2の複合機200の設定を行うことをサポートするための処理である。
A−3−1.解析用の画像データ等の準備
第2の複合機200による補正情報登録処理の実行に先立って、ユーザは、解析用の画像データとして元画像データと補正済画像データとを準備する。
図4は、元画像と補正済画像の一例を示す図である。図4(A)の元画像IAは、元画像データによって表される画像である。元画像データは、第1の複合機100のスキャナ部150を用いて、原稿OP1を光学的に読み取ることによって生成されるRGB画像データである。図4(A)は、元画像IAを示す図であるとともに、原稿OP1を示す図でもある。
原稿OP1は、例えば、白とは異なる色(例えば、薄い赤や青)の地色を有する用紙上に、文字Tx1を含むオブジェクトOb1と、描画を含むオブジェクトOb2と、を含む画像が印刷された原稿である。したがって、元画像IAは、オブジェクトOb1、Ob2を除いた部分に、用紙の地色を有する背景GAを含んでいる。なお、背景GAには、裏写りOFが含まれている。裏写りOFは、原稿OP1の表面がスキャナ部150で読み取られる際に、原稿OP1の裏面の画像が意図せず読み取られることによって、元画像IAに含まれる画像である。裏写りOFは、一般的に、背景GAの色に近似した色を有する画像となる。
補正済画像データは、第1の複合機100のCPU110が、元画像データに対して、特定の補正処理を実行することによって生成される。例えば、ユーザは、第1の複合機100に実行させていた特定の補正処理について、第2の複合機200にも同等の補正処理を実行させることを望む場合に、該特定の補正処理が元画像データに対して実行されることによって生成された補正済画像データを準備する。補正済画像データによって示される補正済画像IBとしては、例えば、以下に説明する補正済画像IB1〜IB4などがある。
例えば、元画像データに対して、背景除去処理を実行することによって生成される第1の補正済画像データが準備され得る。第1の補正済画像データによって表される図4(B)の第1の補正済画像IB1は、オブジェクトOb1、Ob2と、白色に変更された背景GB1と、を含んでいる。白色に変更された背景GB1には、裏写りOFは、含まれていない。裏写りOFは、背景GAの色に近似した色を有するので、背景除去処理によって、裏写りOFを構成する複数個の画素の色は、白色値に変更されるからである。
また、元画像データに対して、裏写り除去処理を実行することによって生成される第2の補正済画像データが準備され得る。第2の補正済画像データによって表される図4(C)の第2の補正済画像IB2は、オブジェクトOb1、Ob2と、背景GB2と、を含んでいる。背景GB2は、元画像IAの背景GAと同じ色を有しているが、裏写りOFを含んでいない。裏写り除去処理によって、裏写りOFを構成する複数個の画素の色は、背景色値に変更されるからである。
また、元画像データに対して、全体明度補正処理を実行することによって生成される第3の補正済画像データや、元画像データに対して、コントラスト補正処理を実行することによって生成される第4の補正済画像データが、準備され得る。第3の補正済画像データによって表される第3の補正済画像IB3および第4の補正済画像データによって表される第4の補正済画像IB4の図示は省略する。
ユーザは、例えば、過去に第1の複合機100によって生成された元画像データおよび補正済画像データを、第1の複合機100の不揮発性記憶装置120、あるいは、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの端末からUSBメモリなどのリムーバブルメモリに格納する。
このように、元画像データと補正済画像データは、本実施例の画像処理装置としての第2の複合機200とは異なる第1の複合機100によって生成される。
A−3−2.補正情報登録処理
補正情報登録処理では、元画像データと補正済画像データとを解析して、元画像データに対して実行されている特定の補正処理を、第2の複合機200にて実行できるように、第2の複合機200に対して設定が行われる。補正情報登録処理は、例えば、ユーザからの実行指示が操作部260を介して入力された場合に、第2の複合機200のCPU210によって実行される。ユーザは、例えば、元画像データと補正済画像データとを格納したリムーバブルメモリを、第2の複合機200の通信部280に接続した状態で、実行指示を入力する。
図5は、補正情報登録処理のフローチャートである。S10では、CPU210は、通信部280に接続されたリムーバブルメモリから、元画像データを取得して、バッファ領域231に格納する。S20では、CPU210は、同様に、リムーバブルメモリから、補正済画像データを取得して、バッファ領域231に格納する。
S30では、CPU210は、元画像データと補正済画像データとを用いて、補正種推定処理を実行する。補正種推定処理では、元画像IAの色分布に関する第1の指標値と補正済画像IBの色分布に関する第2の指標値とが算出され、これらの指標値の比較に基づいて、複数種類の候補処理の中から、元画像データに対して実行された特定の補正処理に対応する処理が推定される。複数種類の候補処理は、本実施例では、第2の複合機200が実行可能な上述した4種類の補正処理である。補正種推定処理の詳細は、後述する。
S40では、CPU210は、元画像データと補正済画像データとを用いて、補正レベル決定処理を実行する。補正レベル決定処理では、補正種推定処理によって推定された対応処理のための補正パラメータである補正レベルL2〜L4が決定される。詳細は、後述するが、補正レベルは、推定された対応処理に応じた方法を用いて決定される。ただし、推定された対応処理が、背景除去処理である場合には、上述したように補正レベルがないので、補正レベル決定処理は、行われない。
S50では、CPU210は、推定結果をユーザに通知するためのユーザインタフェース(UI)画面である結果通知画面WI1を表示部170に表示する。図6は、結果通知画面WI1の一例を示す図である。この結果通知画面WI1は、推定された対応処理を示すテキストANと、決定された補正レベルを示すスライドバーSBと、補正情報の登録名を入力するためのフィールドF1と、を含んでいる。
テキストANは、本実施例では、背景除去処理、裏写り除去処理、全体明度補正処理、コントラスト補正処理、のいずれかを示す。
スライドバーSBは、補正レベルの指定のために用いられるUIエレメントである。スライドバーSBは、バーBRと、ユーザの操作に応じてバーBRに沿って移動するスライダSDと、を含んでいる。スライダSDは、例えば、バーBRに沿った所定個数(例えば20個)の位置のいずれかに、移動することができる。移動可能な所定個数の位置のそれぞれは、設定可能な補正レベルのそれぞれに、1対1で対応している。例えば、図6の例では、所定個数の位置のうち、バーBRの右端に近い位置ほど高い補正レベルに対応し、バーBRの左端に近い位置ほど低い補正レベルに対応している。
結果通知画面WI1が表示されたときに、スライダSDは、補正レベル決定処理によって決定された補正レベルに対応する位置に配置される。これによって、ユーザに、決定された補正レベルが通知される。ユーザは、所望の補正レベルに対応する位置に、スライダSDを移動させることによって、補正レベルを調整することができる。すなわち、ユーザは、結果通知画面WI1を介して、補正レベルの調整指示を入力することができる。CPU210は、ユーザの調整指示に基づいて、補正レベルを調整する。この結果、自動的に決定された補正レベルをユーザの指示に基づいて、調整することができるので、ユーザに過度の負担をかけることなく、適切な補正レベルを決定できる。
S60では、CPU210は、結果通知画面WI1を介して補正情報の登録指示が入力されたか否かを判断する。例えば、ユーザが登録ボタンBT1を押下した場合には、登録指示が入力されたと判断され、ユーザがキャンセルボタンBT2を押下した場合には、登録指示が入力されなかったと判断される。
登録指示が入力された場合には(S60:YES)、S70にて、CPU210は、登録指示が入力された時点でのスライダSDの位置に対応する補正レベルと、4種類の補正処理のうちの1個の種類を示す情報と、を含む補正情報を、登録名と対応付けて不揮発性記憶装置220に登録して、補正情報登録処理を終了する。登録名には、登録指示が入力された時点でフィールドF1に入力されているテキストが用いられる。登録指示が入力されなかった場合には(S60:NO)、CPU210は、S70をスキップして、補正情報登録処理を終了する。
この補正情報登録処理は、ユーザの実行指示に基づいて、例えば、元画像データと補正済画像データとの組み合わせを別の2個の画像データの組み合わせに変更して、複数回実行され得る。この場合には、複数組の組み合わせについて、それぞれ、補正情報が決定されて、登録される。例えば、複数の種類の原稿のそれぞれのために、複数個の補正情報が登録され得る。
以上説明した登録処理によれば、元画像IAの色分布に関する第1の指標値と、補正済画像IBの色分布に関する第2の指標値との比較に基づいて、特定の補正処理の対応処理が推定される(図5のS40)。この結果、元画像IAの色分布と補正済画像IBの色分布に応じて、元画像データに対して実行された特定の補正処理が、画像処理が実行可能な複数種類の候補処理のうちのどの処理に対応するのかを適切に推定することができる。この結果、例えば、推定された補正処理をユーザに対して通知することや、推定された補正処理を自動的に実行することが可能になり、補正処理を利用するユーザの負担を軽減することができる。
より具体的に説明する。第1の複合機100にて行われていた補正処理と同等の処理結果を得られるように、第2の複合機200にて行うべき補正処理をユーザがUI画面を介して手動で設定するのは、容易ではない場合がある。例えば、複合機によって、UI画面内で用いられる補正処理の名称が異なる場合がある。例えば、裏写り除去処理は、「カラークリーンアップ」と呼ばれる場合もある。また、複合機によって、UI画面の構成や、UI画面を表示させる順序等も異なる。特に、複数種類の原稿に対して、それぞれ異なる補正処理を行う場合のように、複数個の補正情報を登録する必要がある場合もあり、ユーザの負担が大きくなりがちであった。本実施例では、第1の複合機100によって実行されている補正処理に対応する処理が、第2の複合機200にて実行可能な複数個の候補処理の中から自動的に推定されるので、第2の複合機200に補正処理に関する設定(例えば、補正情報の登録)を行うユーザの負担を軽減できる。
さらに、推定された対応処理のためのパラメータである補正レベルが、推定された対応処理に応じた方法を用いて決定される(S40)。この結果、補正レベルを自動的に適切に決定することができる。したがって、第2の複合機200に補正処理の補正レベルの設定を行うユーザの負担を軽減できる。例えば、補正レベルL2、L3、L4値と上述した特定幅ΔV2、補正量ΔV3、ΔV4との関係は、例えば、複合機によって異なる場合がある。このために、ユーザが、第1の複合機100にて行われていた補正処理と同等の処理結果を得られるように、第2の複合機200に適切な補正レベルを設定することは、簡単とは言えない。特に、上述したように複数個の補正情報を登録する必要がある場合などには、ユーザの負担が大きくなりがちであった。本実施例では、推定された対応処理に応じた方法を用いて、補正レベルを決定することができるので、容易に適切な補正レベルを自動的に決定できる。したがって、補正レベルを第2の複合機200に設定するユーザの負担を軽減できる。
さらに、S50にて、結果通知画面WI1が表示されることによって、推定された対応処理がユーザに通知される。この結果、ユーザの負担を軽減できる。具体的には、ユーザは、推定された対応処理を容易に、第2の複合機200に登録することができる。また、ユーザは、過去に利用していた第1の複合機100にて実行可能な補正処理に対応する処理を認識できるので、マニュアルなどを参照せずとも第2の複合機200に対する理解を容易に深めることができる。
また、結果通知画面WI1にて、推定された補正レベルがユーザに通知されるので、さらに、ユーザの負担が軽減される。具体的には、ユーザは、推定された対応処理と補正レベルとを示す補正情報を、容易に第2の複合機200に登録することができる。また、ユーザは、過去に利用していた第1の複合機100にて設定していた補正レベル対応する補正レベルを認識できるので、第2の複合機200に対する理解をより容易に深めることができる。
A−3−3. 補正種推定処理
図5のS30の補正種推定処理について説明する。図7は、補正種推定処理のフローチャートである。S100では、元画像データを用いて、元画像IAの色の分布を示すヒストグラムを生成する。ヒストグラムは、元画像データの各画素を、その画素のRGB値に応じて、複数個のクラスに分類することによって得られるデータである。本実施例では、256階調の階調値のそれぞれを、1個のクラスとして、RGB値の3個の色成分についてそれぞれヒストグラムが生成される。
図8は、元画像IAのヒストグラムと元画像IAの分布領域との一例を示す図である。図8(A)には、RGBの3個の色成分のそれぞれの元画像IAのヒストグラムが示されている。図8(A)のヒストグラムは、説明用に簡略化されている。
3個のヒストグラムは、それぞれ、図4(A)の元画像IA内の背景GAに対応するピークPBr、PBg、PBbと、オブジェクトOb1、Ob2に対応するピークPOr、POg、PObと、を含んでいる。ピークの位置の階調値をピーク階調値とも呼ぶ。
S105では、CPU210は、元画像IAの色分布に関する第1の指標値を算出する。本実施例では、第1の指標値として、3個の色成分のそれぞれについて、最頻値Rm、Gm、Bmと、最頻値Rm、Gm、Bmを有する画素の個数(最頻画素数とも呼ぶ)RmN、GmN、BmNと、反対側最頻値Ro、Go、Boと、分布領域の幅Rw、Gw、Bwと、が算出される。最頻画素数RmN、GmN、BmNは、最頻値に対応するピークの高さとも言うことができる。R成分の反対側最頻値Roは、高階調側の領域HAと低階調側の領域LAとのうち、R成分の最頻値Rmが存在する領域とは反対側の領域における最頻値である。GおよびB成分の反対側最頻値Go、Boも同様である。
図8(A)に示すように、一般的な画像では、最頻値Rm、Gm、Bmは、背景GAに対応するピークPBr、PBg、PBbのピーク階調値となる。通常は、背景GAは、オブジェクトOb1、Ob2と比較して、均一であり、かつ、広い領域であるので、背景GAに対応するピークPBr、PBg、PBbが、各色成分のヒストグラムにおいて最も高いピークとなるからである。反対側最頻値Ro、Go、Boは、例えば、オブジェクトOb1、Ob2に対応するピークPOr、POg、PObのピーク階調値となる。
R成分の分布領域の幅Rwは、R成分の256個の階調値のうち、基準の個数THn以上の個数の画素が有する階調値の範囲の幅である。基準の個数THnは、例えば、画像内の総画素数の3%の個数である。図8(A)には、基準の個数THnが、水平な破線で示されている。図8(B)には、基準の個数THn以上の個数の画素が有する階調値の分布領域RDo、RDb、GDo、GDb、BDo、BDbが示されている。図8(A)の例では、R成分の分布領域の幅Rwは、2つの分布領域RDo、RDbの幅Rw1、Rw2の合計値である(Rw=Rw1+Rw2)。GおよびB成分の分布領域の幅Gw、Bwも同様である。
図7のS110では、補正済画像データを用いて、補正済画像IBの色の分布を示すヒストグラムを生成する。図8の元画像IAのヒストグラムと同様に、RGB値の3個の色成分についてそれぞれヒストグラムが生成される。
図9、図10は、補正済画像IBのヒストグラムの一例を示す図である。図11は、補正済画像IBの分布領域の一例を示す図である。図9(A)、図9(B)には、第1の補正済画像データを用いて生成される第1の補正済画像IB1のヒストグラムと、第2の補正済画像データを用いて生成される第2の補正済画像IB2のヒストグラムと、が示されている。図10(A)、図10(B)には、第3の補正済画像データを用いて生成される第3の補正済画像IB3のヒストグラムと、第4の補正済画像データを用いて生成される第4の補正済画像IB4のヒストグラムと、が示されている。また、図11には、補正済画像IB1〜IB4の分布領域がそれぞれ示されている。これらの図に示すように、処理対象の補正済画像データがいずれの補正済画像データであるか、すなわち、元画像データに対して実行された特定の補正処理が、背景除去処理、裏写り除去処理、全体明度補正処理、コントラスト補正処理のいずれであるかによって、ヒストグラムや分布領域が異なる。
生成される各色成分のヒストグラムは、それぞれ、図4(A)の元画像IA内のヒストグラムと同様に、背景に対応するピークと、オブジェクトに対応するピークと、を含んでいる。例えば、図9(A)の第1の補正済画像IB1の3個のヒストグラムは、それぞれ、背景GB1(図4(B))に対応するピークPBr1、PBg1、PBb1と、オブジェクトOb1、Ob2に対応するピークPOr1、POg1、POb1と、を含んでいる。なお、図9、図10のヒストグラムにおいて、破線で示されたピークは、図8(A)の元画像IAのヒストグラムのピークであり、補正済画像IBのヒストグラムのピークとの比較のために、図示されている。
S115では、CPU210は、補正済画像IBの色分布に関する第2の指標値を算出する。本実施例では、第2の指標値として、第1の指標値と同様に、3個の色成分のそれぞれについて、最頻値と、最頻画素数と、反対側最頻値と、分布領域の幅と、が算出される。例えば、処理対象の補正済画像データが第1の画像データである場合には、第2の指標値として、最頻値Rm1、Gm1、Bm1と、最頻画素数RmN1、GmN1、BmN1と、反対側最頻値Ro1、Go1、Bo1と、分布領域の幅Rw1、Gw1、Bw1と、が算出される(図9(A)、図11(A))。なお、図11において、破線で示された分布領域は、図8(A)の元画像IAの分布領域であり、補正済画像IBの分布領域との比較のために、図示されている。
図7のS120では、CPU210は、算出済の第1の指標値と第2の指標値とを用いて、元画像データに対して実行された特定の補正処理の対応処理が、背景除去処理であるか否かを推定する背景除去推定処理を実行する。S125では、CPU210は、背景除去推定処理の結果、対応処理が背景除去処理であると推定されたか否かを判断する。対応処理が背景除去処理であると推定された場合には(S125:YES)、補正種推定処理は終了され、対応処理が背景除去処理でないと推定された場合には(S125:NO)、S130に処理が進められる。
S130では、CPU210は、算出済の第1の指標値と第2の指標値とを用いて、特定の補正処理の対応処理が、裏写り除去処理であるか否かを推定する裏写り除去推定処理を実行する。S135では、CPU210は、裏写り除去推定処理の結果、対応処理が裏写り除去処理であると推定されたか否かを判断する。対応処理が裏写り除去処理であると推定された場合には(S135:YES)、補正種推定処理は終了され、対応処理が裏写り除去処理でないと推定された場合には(S135:NO)、S140に処理が進められる。
S140では、CPU210は、算出済の第1の指標値と第2の指標値とを用いて、特定の補正処理の対応処理が、全体明度補正処理であるか否かを推定する全体明度補正推定処理を実行する。S145では、CPU210は、全体明度補正推定処理の結果、対応処理が全体明度補正処理であると推定されたか否かを判断する。対応処理が全体明度補正処理であると推定された場合には(S145:YES)、補正種推定処理は終了され、対応処理が全体明度補正処理でないと推定された場合には(S145:NO)、S150に処理が進められる。
S150では、CPU210は、算出済の第1の指標値と第2の指標値とを用いて、特定の補正処理の対応処理が、コントラスト補正処理であるか否かを推定するコントラスト補正推定処理を実行する。S155では、CPU210は、コントラスト補正推定処理の結果、対応処理がコントラスト補正処理であると推定されたか否かを判断する。対応処理がコントラスト補正処理であると推定された場合には(S155:YES)、補正種推定処理は終了され、対応処理がコントラスト補正処理でないと推定された場合には(S155:NO)、S150にて、CPU210は、対応処理の推定は不可であると決定して、補正種推定処理を終了する。
以上説明した補正種推定処理によれば、元画像データを用いて、元画像IAのヒストグラムが生成されて(S100)、当該ヒストグラムを用いて第1の指標値が算出される(S105)。補正済画像データを用いて、補正済画像IBのヒストグラムが生成されて(S110)、当該ヒストグラムを用いて第2の指標値が算出される(S115)。そして、これらの第1の指標値および第2の指標値を用いて、対応処理を推定する処理が行われる(S120、S130、S140、S150)。この結果、元画像IAのヒストグラムと補正済画像IBのヒストグラムとを用いて、2個の画像の比較を精度良く行うことができるので、対応処理を適切に推定することができる。
A−3−4.背景除去推定処理
図7のS120の背景除去推定処理について説明する。図12は、背景除去推定処理のフローチャートである。S210では、CPU210は、元画像IAの最頻値が示す色が、白色であるか否かを判断する。具体的には、最頻値Rm、Gm、Bmを含むRGB値(Rm、Gm、Bm)が、白色値(255、255、255)であるか否かが判断される。これに代えて、白色であると判断する色値に幅を持たせて、RGB値(Rm、Gm、Bm)が、白色を示す範囲、例えば、(250〜255、250〜255、250〜255)の範囲内であるか否かが判断されても良い。上述したように、最頻値Rm、Gm、Bmを含むRGB値(Rm、Gm、Bm)は、元画像IAの背景GAの色を示す背景色値であると考えられる。したがって、本ステップでは、元画像IAの背景GAの色が白であるか否かが判断されている、と言うことができる。例えば、図4(A)の例では、元画像IAの背景GAの色は、白ではないので、図8(A)に示すように、RGB値(Rm、Gm、Bm)は、白色値(255、255、255)ではない。従って、この場合には、本ステップにて、元画像IAの最頻値Rm、Gm、Bmが示す色が、白色でないと判断される。
元画像IAの最頻値Rm、Gm、Bmが示す色が、白色でない場合には(S210:NO)、S220にて、CPU210は、補正済画像IBの最頻値が示す色が、白色であるか否かを判断する。例えば、第1の補正済画像データが処理対象である場合には、図9(A)に示すように、最頻値Rm1、Gm1、Bm1を含むRGB値(Rm1、Gm1、Bm1)=白色値(255、255、255)であるので、第1の補正済画像IB1の最頻値が示す色が、白色であると判断される。一方、第2の補正済画像データが処理対象である場合には、図9(B)に示すように、最頻値Rm2、Gm2、Bm2を含むRGB値(Rm2、Gm2、Bm2)は、白色値(255、255、255)ではないので、第2の補正済画像IB2の最頻値が示す色が、白色でないと判断される。本ステップでは、補正済画像IBの背景の色が白であるか否かが判断されている、と言うことができる。
補正済画像IBの最頻値が示す色が、白色である場合には(S220:YES)、S230にて、CPU210は、対応処理は背景除去処理であると推定する。
元画像IAの最頻値Rm、Gm、Bmが示す色が白色である場合(S210:YES)、または、補正済画像IBの最頻値が示す色が、白色でない場合(S220:NO)には、S240にて、CPU210は、対応処理は、背景除去処理でないと推定する。
以上説明した本実施例の背景除去推定処理によれば、元画像IAの背景色値、具体的には、最頻値を含む色値が、特定色(本実施例では白色)とは異なる色を示し(S210:NO)、かつ、補正済画像IBの背景色値が特定色を示す場合に(S220:YES)、対応処理は、背景除去処理であると推定される。この結果、背景の色を示す画像の代表値である最頻値を用いて、対応処理が背景除去処理であるか否かを適切に推定することができる。例えば、背景除去処理では、元画像IAの背景が白とは異なる色である場合であっても、補正済画像IBの背景が白となる。これに対して、裏写り除去処理、コントラスト補正処理、全体明度補正処理では、元画像IAの背景が白とは異なる色である場合には、補正済画像IBの背景が白にはならない。このように、上述した背景除去推定処理によって、対応処理が背景除去処理であるか否かを精度良く推定できることが解る。
A−3−5.裏写り除去推定処理
図7のS130の裏写り除去推定処理について説明する。図13は、裏写り除去推定処理のフローチャートである。S310では、CPU210は、元画像IAの最頻値に対して、補正済画像IBの最頻値がシフトしているか否かを判断する。
ここで、本実施例では、CPU210は、第1の値V1と第2の値V2がシフト条件を満たす場合に、第1の値V1に対して第2の値V2がシフトしていると判断し、第1の値V1と第2の値V2がシフト条件を満たさない場合に、第1の値V1に対して第2の値V2がシフトしていないと判断する。シフト条件は、第1のV1と第2の値との差分の絶対値|V1−V2|がシフト判定用の閾値THsより大きいことである(|V1−V2|>THs)。シフト判定用の閾値THsは、第1のV1と第2の値との取り得る値の範囲が0〜255である場合に、例えば、「5」である。
S310では、3個の色成分のそれぞれについて、元画像IAの最頻値と補正済画像IBの最頻値とがシフト条件を満たす場合に、元画像IAの最頻値に対して、補正済画像IBの最頻値がシフトしていると判断される。そして、3個の色成分のいずれかについて、元画像IAの最頻値と補正済画像IBの最頻値とがシフト条件を満たさない場合に、元画像IAの最頻値に対して、補正済画像IBの最頻値がシフトしていないと判断される。
例えば、第2の補正済画像データが処理対象である場合には、図9(B)から解るように、第2の補正済画像IB2の最頻値Rm2、Gm2、Bm2が、シフトしていないと判断される。一方、第1の補正済画像データが処理対象である場合には、図9(A)から解るように、第1の補正済画像IB1の最頻値Rm1、Gm1、Bm1が、シフトしていると判断される。
元画像IAの最頻値に対して、補正済画像IBの最頻値がシフトしていない場合には(S310:NO)、S320にて、CPU210は、元画像IAの最頻画素数に対して、補正済画像IBの最頻画素数が増加しているか否かを判断する。具体的には、3個の色成分のそれぞれについて、補正済画像IBの最頻画素数から元画像IAの最頻画素数を減じた差が、閾値THi以上である場合に、元画像IAの最頻画素数に対して、補正済画像IBの最頻画素数が増加していると判断される。そして、3個の色成分のいずれかについて、補正済画像IBの最頻画素数から元画像IAの最頻画素数を減じた差が、閾値THi未満である場合に、元画像IAの最頻画素数に対して、補正済画像IBの最頻画素数が増加していないと判断される。閾値THiは、例えば、元画像のIAの最頻画素数の1倍から2倍程度の値とされる。このために、本ステップでは、元画像IAの最頻画素数に対して補正済画像IBの最頻画素数が2倍から3倍以上に大幅に増加している場合に、補正済画像IBの最頻画素数が増加していると判断される。
例えば、第2の補正済画像データが処理対象である場合には、図9(B)から解るように最頻値に対応するピーク高さが、全ての色成分において元画像データより高くなっている。このために、この場合には、元画像IAの最頻画素数に対して、補正済画像IBの最頻画素数が増加していると判断される。
元画像IAの最頻画素数に対して、補正済画像IBの最頻画素数が増加している場合には(S320:YES)、S330にて、CPU210は、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少しているか否かを判断する。
ここで、本実施例では、CPU210は、1個の色成分について、第1の分布領域の幅W1と第2の分布領域の幅W2が減少条件を満たす場合に、当該色成分について、第1の分布領域の幅W1に対して第2の分布領域の幅W2が減少していると判断し、第1の分布領域の幅W1と第2の分布領域の幅W2が減少条件を満たさない場合に、第1の分布領域の幅W1に対して第2の分布領域の幅W2が減少していないと判断する。減少条件は、第1の分布領域の幅W1から第2の分布領域の幅W2を減じた差分(W1−W2)が、幅判定用の閾値THwより大きいことである((W1−W2)>THw)。幅判定用の閾値THwは、RGBの各成分の階調値が取り得る値の範囲が0〜255である場合に、例えば、「5」である。
S330では、3個の色成分のそれぞれについて、分布領域の幅が減少している場合に、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少していると判断される。そして、3個の色成分のいずれかについて、分布領域の幅が減少していない場合に、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少していないと判断される。
例えば、第2の補正済画像データが処理対象である場合には、図8(B)と図11(B)から解るように、第2の補正済画像IB2の背景に対応する分布領域の幅Rwb2、Gwb2、Bwb2が、元画像IAの背景に対応する分布領域の幅Rwb、Gwb、Bwbより、大幅に減少している。このために、この場合には、本ステップにおいて、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少していると判断される。
元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少している場合には(S330:YES)、S340にて、CPU210は、対応処理は裏写り除去処理であると推定する。
元画像IAの最頻値に対して、補正済画像IBの最頻値がシフトしている場合(S310:YES)、または、元画像IAの最頻画素数に対して、補正済画像IBの最頻画素数が増加していない場合(S320:NO)、または、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少していない場合(S330:NO)には、S350にて、CPU210は、対応処理は、裏写り除去処理でないと推定する。
以上説明した本実施例の裏写り除去推定処理によれば、元画像IAの背景色値(具体的には、最頻値を含む色値)に対して補正済画像IBの背景色値がシフトしておらず(S310:NO)、かつ、元画像IAの背景色を有する画素数(具体的には、最頻画素数)に対して補正済画像IBの背景色を有する画素数が増加しており(S320:YES)、かつ、元画像IAの分布領域の幅に対して補正済画像IBの分布領域の幅が減少している場合に(S330:YES)、対応処理は、裏写り除去処理であると推定される。この結果、背景の色を示す画像の代表値である最頻値と、最頻画素数と、分布領域の幅を用いて、対応処理が背景除去処理であるか否かを適切に推定することができる。例えば、背景除去処理、コントラスト補正処理、全体明度補正処理の場合には、背景色値がシフトする(図9(A)、図10(A)、(B))のに対して、裏写り除去処理の場合には、背景色値がシフトしない(図9(B))。また、コントラスト補正処理、全体明度補正処理では、最頻画素数が大幅に増加することはないが、裏写り除去処理では、最頻画素数が大幅に増加する。また、全体明度補正処理では、分布領域の幅は、ほとんど変わらないが、背景除去処理では、分布領域の幅が減少する。このように、上述した裏写り除去推定処理によって、対応処理が裏写り除去処理であるか否かを精度良く推定できることが解る。
また、上述した背景除去推定処理と、裏写り除去推定処理と、の説明から解るように、本実施例では、元画像IAと補正済画像IBとのそれぞれの最頻値を用いて、対応処理が推定される。最頻値は、画像内の背景の色を表すと考えられる。このために、本実施例によれば、背景の色を補正する複数種類の候補処理(例えば、背景除去処理と裏写り除去処理)から、対応処理を適切に推定することができる。
A−3−6.全体明度補正推定処理
図7のS140の全体明度補正推定処理について説明する。図14は、全体明度補正推定処理のフローチャートである。S410では、CPU210は、元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域がシフトしているか否かを判断する。例えば、元画像IAの最頻値に対して補正済画像IBの最頻値がシフトしており、かつ、元画像IAの反対側最頻値に対して補正済画像IBの反対側最頻値がシフトしている場合には、元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域がシフトしていると、判断される。ただし、元画像IAの最頻値Rm、Gm、Bmが、階調値が取り得る範囲の最大値(本実施例では、255)である場合には、当該最頻値は、正の方向にシフトしないので、この場合には、反対側最頻値がシフトしていれば、補正済画像IBの分布領域がシフトしていると、判断されても良い。
例えば、第3の補正済画像データが処理対象である場合には、図11(C)から解るように、元画像IAの各分布領域RDo、RDb、GDo、GDb、BDo、BDbに対して、第3の補正済画像IB3の対応する分布領域RDo3、RDb3、GDo3、GDb3、BDo3、BDb3は、シフトしている。このために、図10(C)から解るように、元画像IAの最頻値Rm、Gm、Bmに対して第3の補正済画像IB3の最頻値Rm3、Gm3、Bm3がシフトしており、かつ、元画像IAの反対側最頻値Ro、Go、Boに対して第3の補正済画像IB3の反対側最頻値Ro3、Go3、Bo3がシフトしている。したがって、第3の補正済画像データが処理対象である場合には、補正済画像IBの分布領域がシフトしていると、判断される。
例えば、第2の補正済画像データが処理対象である場合には、図11(B)から解るように、元画像IAのオブジェクトに対応する分布領域RDo、GDo、BDoに対して、第2の補正済画像IB2の対応する分布領域RDo2、GDo2、BDo2は、シフトしていない。このために、第2の補正済画像データが処理対象である場合には、補正済画像IBの分布領域がシフトしていないと、判断される。
元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域がシフトしている場合には(410:YES)、S420にて、CPU210は、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が変化しているか否かを判断する。
ここで、本実施例では、CPU210は、1個の色成分について、第1の分布領域の幅W1と第2の分布領域の幅W2が変化条件を満たす場合に、当該色成分について、第1の分布領域の幅W1に対して第2の分布領域の幅W2が変化していると判断し、第1の分布領域の幅W1と第2の分布領域の幅W2が変化条件を満たさない場合に、第1の分布領域の幅W1に対して第2の分布領域の幅W2が変化していないと判断する。変化条件は、第1の分布領域の幅W1と第2の分布領域の幅W2との差分の絶対値|W1−W2|が、上述した幅判定用の閾値THwより小さいことである(|W1−W2|<THw)。
S420では、3個の色成分のそれぞれについて、分布領域の幅が変化していない場合に、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が変化していないと判断される。そして、3個の色成分のいずれかについて、分布領域の幅が変化している場合に、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が変化していると判断される。
例えば、第3の補正済画像データが処理対象である場合には、図8(B)と図11(C)から解るように、元画像IAの分布領域の幅Rw、Gw、Bwに対して、第3の補正済画像IB3の背景に対応する分布領域の幅Rw2、Gw2、Bw2が変化していない。このために、この場合には、本ステップにおいて、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が変化していないと判断される。
元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が変化していない場合には(S420:NO)、S430にて、CPU210は、元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域が、階調値に拘わらずに、同一方向にシフトしているか否かを判断する。例えば、低階調側の領域LAのシフト方向と、高階調側の領域HAのシフト方向と、が同一方向であると判断できる場合には、補正済画像IBの分布領域が、階調値に拘わらずに、同一方向にシフトしていると判断される。本実施例では、CPU210は、元画像IAの最頻値Rm、Gm、Bmに対する補正済画像IBの対応する最頻値のシフト方向と、元画像IAの反対側最頻値Ro、Go、Boに対する補正済画像IBの対応する反対側最頻値のシフト方向と、が同一方向である場合に、補正済画像IBの分布領域が、階調値に拘わらずに、同一方向にシフトしていると判断する。最頻値と反対側最頻値とは、低階調側の領域LAと高階調側の領域HAとのうちの一方と他方にそれぞれ位置するので、最頻値と反対側最頻値とのシフト方向を用いることで、補正済画像IBの分布領域が、階調値に拘わらずに、同一方向にシフトしているか否かを適切に判断することができる。
例えば、第3の補正済画像データが処理対象である場合には、図10(A)に示すように、第3の補正済画像IB3の最頻値Rm3、Gm3、Bm3と、反対側最頻値Ro3、Go3、Bo3とは、同じ方向(図10(A)の右方向)にシフトしている。このために、第3の補正済画像データが処理対象である場合には、補正済画像IBの分布領域が、階調値に拘わらずに、同一方向にシフトしていると判断される。
補正済画像IBの分布領域が、階調値に拘わらずに、同一方向にシフトしている場合には(S430:YES)、S440にて、CPU210は、対応処理は全体明度補正処理であると推定する。
元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域がシフトしていない場合(S410:NO)、または、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が変化している場合(S420:YES)、または、補正済画像IBの分布領域が、同一方向にシフトしていない場合(S430:NO)には、S450にて、CPU210は、対応処理は、全体明度補正処理でないと推定する。
以上説明した本実施例の全体明度補正推定処理によれば、元画像IAの複数個の代表値としての最頻値と反対側最頻値とのそれぞれに対して、補正済画像IBの対応する代表値としての最頻値と反対側最頻値とが同一方向にシフトし(S430:YES)、かつ、補正済画像IBの分布領域の幅が元画像IAの分布領域の幅に対して変化していない場合に(S420:NO)、対応処理は、全体明度補正処理であると推定される。この結果、元画像IAと補正済画像IBの複数個の代表値と、分布領域の幅と、を用いて、対応処理が、全体明度補正処理であるか否かを適切に推定することができる。
背景除去処理の場合には、例えば、背景に対応する高階調側の領域HAの分布領域はシフトするが、オブジェクトに対応する低階調側の領域LAの分布領域はシフトしない(図9(A)、図11(A))。また、裏写り除去処理の場合には、背景に対応する分布領域もオブジェクトに対応する分布領域もシフトしない(図9(B)、図11(B))。また、コントラスト補正処理は、低階調側の領域LA内の分布領域と、高階調側の領域HAとは、互いに反対方向にシフトする(図10(B)、図11(D))。これに対して全体明度補正処理では、低階調側の領域LA内の分布領域と、高階調側の領域HAとは、同一方向にシフトする(図10(A)、図11(C))。
また、全体明度補正処理では、分布領域の幅が変化しない。この理由を説明する。補正に用いられるトーンカーブ(図3)の傾きが、「1」である場合には、補正によって分布領域の幅は変化しない。一方、トーンカーブ(図3)の傾きが、1より小さい場合には、補正によって分布領域の幅は減少し、1より大きい場合には、補正によって分布領域の幅が増加する。全体明度補正処理では、トーンカーブの傾きは、平均すれば、ほぼ「1」であるので、補正によって分布領域の幅はほとんど変化しない。例えば、本実施例の全体明度補正処理に用いられる図3(A)のトーンカーブC3(3)では、0≦Vin<Vaの範囲では、傾きが1より大きく、Va≦Vin<Vbの範囲では、傾きが1であり、Vb≦Vin<Vmの範囲では、傾きが1より小さい。したがって、トーンカーブC3(3)の傾きは、平均すれば、ほぼ「1」であることが解る。
このように、上述した全体明度補正推定処理によって、対応処理が全体明度補正処理であるか否かを精度良く推定できることが解る。
A−3−7.コントラスト補正推定処理
図7のS150のコントラスト補正推定処理について説明する。図15は、コントラスト補正推定処理のフローチャートである。S510では、CPU210は、元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域がシフトしているか否かを判断する。この判断は、上述した図14のS410の判断と同じであるので、図14のS410での判断結果がそのまま用いられる。
元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域がシフトしている場合には(510:YES)、S520にて、CPU210は、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少しているか否かを判断する。この判断は、上述した図13のS330の判断と同じであるので、図13のS330での判断結果がそのまま用いられる。
元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少している場合には(S520:YES)、S530にて、CPU210は、元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域が、階調値に応じて異なる方向にシフトしているか否かを判断する。例えば、低階調側の領域LAのシフト方向と、高階調側の領域HAのシフト方向と、が反対方向であると判断できる場合には、補正済画像IBの分布領域が、階調値に応じて異なる方向にシフトしていると判断される。本実施例では、CPU210は、元画像IAの最頻値Rm、Gm、Bmに対する補正済画像IBの対応する最頻値のシフト方向と、元画像IAの反対側最頻値Ro、Go、Boに対する補正済画像IBの対応する反対側最頻値のシフト方向と、が反対方向である場合に、階調値に応じて異なる方向にシフトしていると判断する。最頻値と反対側最頻値とは、低階調側の領域LAと高階調側の領域HAとのうちの一方と他方にそれぞれ位置するので、最頻値と反対側最頻値とのシフト方向を用いることで、低階調側の領域LAのシフト方向と、高階調側の領域HAのシフト方向と、が反対方向であるか否かを、適切に判断することができる。
例えば、第4の補正済画像データが処理対象である場合には、図10(B)に示すように、第4の補正済画像IB4の最頻値Rm4、Gm4、Bm4は、右方向にシフトし、反対側最頻値Ro4、Go4、Bo4は、左方向にシフトしている。このために、第4の補正済画像データが処理対象である場合には、階調値に応じて異なる方向にシフトしていると判断される。
補正済画像IBの分布領域が、階調値に応じて異なる方向にシフトしている場合には(S530:YES)、S540にて、CPU210は、対応処理はコントラスト補正処理であると推定する。
元画像IAの分布領域に対して、補正済画像IBの分布領域がシフトしていない場合(S510:NO)、または、元画像IAの分布領域の幅に対して、補正済画像IBの分布領域の幅が減少していない場合(S520:NO)、または、補正済画像IBの分布領域が、階調値に応じて異なる方向にシフトしていない場合(S530:NO)には、S550にて、CPU210は、対応処理は、コントラスト補正処理でないと推定する。
以上説明した本実施例のコントラスト補正推定処理によれば、補正済画像IBの低階調側の領域LA長内の代表値としての反対側最頻値が、元画像IAの対応する代表値としての反対側最頻値に対して、第1の方向(図10(B)の例では左方向)にシフトし、かつ、補正済画像IBの高階調側の領域HA内の代表値としての最頻値が、元画像IAの対応する代表値として最頻値に対して、第1の方向とは反対の第2の方向(図10(B)の例では右方向)にシフトし(S530:YES)、かつ、補正済画像IBの分布領域の幅が元画像IAの分布領域の幅に対して減少している場合に(S520:YES)、対応処理は、コントラスト補正処理であると推定される。この結果、元画像IAと補正済画像IBの複数個の代表値と、分布幅値と、を用いて、対応処理が、コントラスト補正処理であるか否かを適切に推定することができる。
背景除去処理の場合には、例えば、背景に対応する高階調側の領域HAの分布領域はシフトするが、オブジェクトに対応する低階調側の領域LAの分布領域はシフトしない(図9(A)、図11(A))。また、裏写り除去処理の場合には、背景に対応する分布領域もオブジェクトに対応する分布領域もシフトしない(図9(B)、図11(B))。また、全体明度補正処理では、低階調側の領域LA内の分布領域と、高階調側の領域HAとは、同一方向にシフトする(図10(A)、図11(C))。これに対してコントラスト補正処理では、低階調側の領域LA内の分布領域と、高階調側の領域HA内の分布領域とは、互いに反対方向にシフトする(図10(B)、図11(D))。
また、全体明度補正処理では、分布領域の幅が変化しないが、コントラスト補正処理では、分布領域の幅が減少し得る。この理由を説明する。コントラスト補正処理のトーンカーブは、傾きが1より小さい部分が比較的広い。例えば、本実施例のコントラスト補正処理に用いられる図3(B)のトーンカーブC4(3)では、傾きが1より小さい範囲(0≦Vin<Va、Vb≦Vin<Vm)が、傾きが1より大きい範囲(Va≦Vin<Vb)より広い。また、図3(B)のトーンカーブC4(−3)でも、傾きが1より小さい範囲(Va≦Vin<Vb)が、傾きが1より大きい範囲(0≦Vin<Va、Vb≦Vin<Vm)より広い。このために、コントラスト補正処理では、全体明度補正処理とは異なり、分布領域の幅が減少し得る。なお、本実施例では、対応処理がコントラスト補正であると推定するための条件は、「分布領域の幅が減少していること」を含んでいるが、「分布領域の幅が減少していること」を含まなくても良い。ただし、一般的には、コントラスト補正処理が行われる場合には、分布領域の幅が減少する場合が比較的多いので、本実施例のように「分布領域の幅が減少していること」を推定の条件に含むことによって、推定精度を向上できる。
このように、上述したコントラスト補正推定処理によって、対応処理がコントラスト補正処理であるか否かを精度良く推定できることが解る。
また、上述した全体明度補正推定処理と、コントラスト補正推定処理と、の説明から解るように、本実施例では、元画像IAの複数個の代表値(例えば、最頻値と反対側最頻値)のそれぞれに対して、補正済画像IBの対応する複数個の代表値がシフトする方向を用いて、対応処理が推定される。全体明度補正処理やコントラスト補正処理のような画像の明度を補正する処理では、補正の種類に応じて、画像内の分布領域がシフトする。このために、本実施例によれば、画像の明度を補正する複数種類の候補処理(例えば、全体明度補正推定処理とコントラスト補正推定処理)から、対応処理を適切に推定することができる。
また、上述した4種類の推定処理の説明から解るように、本実施例では、第1の指標値および第2の指標値として、画像内の複数個の画素の値の代表値(例えば、3個の色成分の3個の最頻値)と、代表値を有する画素の個数を示す代表画素数(例えば、最頻画素数)と、分布領域の幅とが算出され、元画像IAと補正済画像IBとの間の代表値のシフト、代表画素数の増減、および、分布領域の幅の増減に基づいて、対応処理が推定される。
この結果、これらの代表値、代表画素数、分布領域の幅に基づいて、対応処理を精度良く推定することができる。
A−3−8.補正レベル決定処理
図5のS40の補正レベル決定処理について説明する。図16は、補正レベル決定処理のフローチャートである。S610では、CPU210は、S30の補正種推定処理によって、対応処理が背景除去処理であると推定されたか否かを判断する。
対応処理が背景除去処理であると推定された場合には(S610:YES)、CPU210は、補正レベル決定処理を終了する。上述したように、背景除去処理には、補正レベルはないからである。
対応処理が背景除去処理でないと推定された場合には(S610:NO)、S620にて、CPU210は、S30の補正種推定処理によって、対応処理が裏写り除去処理であると推定されたか否かを判断する。
対応処理が裏写り除去処理であると推定された場合には(S620:YES)、S630にて、CPU210は、最頻画素数の増加量を用いて、裏写り除去処理のためのパラメータである補正レベルL2を決定する。具体的には、元画像IAの各色成分の最頻画素数RmN、GmN、BmNに対する第2の補正済画像IB2の最頻画素数RmN2、GmN2、BmN2の増加量(RmN2−RmN)、(GmN2−GmN)、(BmN2−BmN)がそれぞれ算出される。そして、これらの増加量の平均値ADが算出され、増加量の平均値ADが大きいほど補正レベルL2が高くなるように、補正レベルL2が決定される。例えば、予め増加量の平均値ADと補正レベルL2との対応関係を規定したテーブルを参照して、補正レベルL2が決定される。
このように、本実施例の補正レベル決定処理によれば、最頻画素数の増加量、すなわち、元画像IAの背景色値を有する画素の個数を示す値である最頻画素数RmN、GmN、BmNと、補正済画像IBの背景色値を有する画素の個数を示す最頻画素数RmN2、GmN2、BmN2と、の差分を用いて、補正レベルL2を決定する。この結果、裏写り除去処理のための補正レベルL2を適切に決定することができる。より詳しく説明すると、裏写り除去処理では、上述したように、補正レベルL2が高いほど、背景近似範囲RA2(図2)の広さを示す特定幅ΔV2が大きくなる。このために、補正レベルL2が高いほど、補正対象とされる画素の個数が増加するので、最頻画素数の増加量が大きくなる。このために、特定の補正処理による補正済画像IBの最頻画素数の増加量が大きいほど、対応処理として推定された裏写り除去処理の補正レベルL2を高くすることが好ましい。これによって、推定された対応処理としての裏写り除去処理を第2の複合機200にて実行した場合に、第1の複合機100にて実行されていた特定の補正処理を精度良く再現することができる。
対応処理が裏写り除去処理でないと推定された場合には(S620:NO)、S640にて、CPU210は、S30の補正種推定処理によって、対応処理が全体明度補正処理であると推定されたか否かを判断する。
対応処理が全体明度補正処理であると推定された場合には(S640:YES)、S650にて、CPU210は、分布領域のシフト量を用いて、全体明度補正処理のためのパラメータである補正レベルL3を決定する。具体的には、CPU210は、元画像IAの各色成分の最頻値Rm、Gm、Bmと、反対側最頻値Ro、Go、Boと、のうち、補正レベルL3の決定に用いるのに好ましい1個の値を選択する。例えば、図3(A)のトーンカーブC3から解るように、取り得る階調値の範囲の最小値(本実施例では0)の近傍や、最大値(本実施例では255)の近傍では、補正量が一定ではないので、最小値や最大値近傍の値は、補正レベルL3の決定に用いるのに好ましくない。このために、取り得る階調値の範囲の中央値(本実施例では128)に最も近い値が、選択される。CPU210は、元画像IAの選択された値と、補正済画像IBの対応する値と、の差分をシフト量として算出する。そして、算出されたシフト量が大きいほど補正レベルL3が高くなるように、補正レベルL3が決定される。例えば、予めシフト量と補正レベルL3との対応関係を規定したテーブルを参照して、補正レベルL3が決定される。
対応処理が全体明度補正処理でないと推定された場合には(S640:NO)、S660にて、CPU210は、S30の補正種推定処理によって、対応処理がコントラスト補正処理であると推定されたか否かを判断する。
対応処理がコントラスト補正処理であると推定された場合には(S660:YES)、S670にて、CPU210は、分布領域のシフト量を用いて、コントラスト補正処理のためのパラメータである補正レベルL4を決定する。具体的には、CPU210は、元画像IAの各色成分の最頻値Rm、Gm、Bmと、反対側最頻値Ro、Go、Boと、のうち、補正レベルL4の決定に用いるのに好ましい1個の値を選択する。例えば、図3(B)のトーンカーブC4から解るように、取り得る階調値の範囲の最小値(本実施例では0)の近傍や、最大値(本実施例では255)の近傍と、取り得る階調値の範囲の中央値(本実施例では128)の近傍では、補正量の変化が大きいので、最小値、最大値、中央値の近傍の値は、補正レベルL4の決定に用いるのに好ましくない。このために、取り得る階調値の範囲の最小値から25%および75%の値(本実施例では、64および192)のいずれかに最も近い値が、選択される。CPU210は、元画像IAの選択された値と、補正済画像IBの対応する値と、の差分をシフト量として算出する。そして、算出されたシフト量が大きいほど補正レベルL4が高くなるように、補正レベルL4が決定される。例えば、予めシフト量と補正レベルL4との対応関係を規定したテーブルを参照して、補正レベルL4が決定される。
このように、本実施例の補正レベル決定処理によれば、元画像IAの特定の代表値(本実施例では、最頻値Rm、Gm、Bmと反対側最頻値Ro、Go、Boから選択された1個の値)に対する補正済画像IBの対応する代表値のシフト量を用いて、補正レベルL3、L4が決定される。この結果、全体明度補正処理およびコントラスト補正処理のため補正レベルL3、L4を適切に決定することができる。より詳しく説明すると、全体明度補正処理およびコントラスト補正処理では、上述したように、補正レベルL3、L4が高いほど、補正量ΔV3、ΔV4が大きくなる(図3)。この結果、補正レベルL3、L4が高いほど、補正による画素の値のシフト量が大きくなる。このために、特定の補正処理による補正済画像IBの画素の値のシフト量が大きいほど、対応処理として推定された全体明度補正処理およびコントラスト補正処理の補正レベルL3、L4を高くすることが好ましい。これによって、推定された対応処理としての全体明度補正処理およびコントラスト補正処理を第2の複合機200にて実行した場合に、第1の複合機100にて実行されていた特定の補正処理を精度良く再現することができる。
対応処理がコントラスト補正処理であると推定された場合には(S660:NO)、S30の補正種推定処理によって対応処理が推定できなかった場合であるので、補正レベルを決定することなく、補正レベル決定処理は終了される。
A−3−9.スキャン処理:
次に、補正情報登録処理の後に、第2の複合機200のCPU210によって実行されるスキャン処理について説明する。スキャン処理では、補正情報登録処理によって登録された補正情報を利用して、スキャンデータに対して補正処理を実行することができる。スキャン処理は、ユーザの指示に基づいて開始される。図17は、スキャン処理のフローチャートである。
S810では、CPU210は、スキャン処理に関する指示をユーザが入力するための指示入力画面WI2を表示部270に表示する。図18は、指示入力画面WI2と、詳細設定画面WI3の一例と、を示す図である。図18(A)の指示入力画面WI2は、プルダウンメニューPMと、ボタンBT3〜BT4と、を含んでいる。プルダウンメニューPMは、登録済の複数個の補正情報の中から、スキャンデータに対して実行するべき補正処理を示す1個の補正情報を選択する選択指示を入力するための入力要素である。
プルダウンメニューPMにて選択できる複数個の項目のそれぞれは、対応する補正情報の登録名を示している。ユーザは、プルダウンメニューPMにて1個の登録名を選択することによって、1個の補正情報の選択指示を容易に入力できる。選択可能な複数個の補正情報は、図5の補正情報登録処理をN回(Nは、2以上の整数)実行することによって登録されたN個の補正情報含む。N回の補正情報登録処理では、元画像データと補正済画像データとN組の組み合わせが用いられる。N組の組み合わせのそれぞれは、例えば、N個の互いに異なる第1の元画像データのうちの一の画像データと、一の画像データに対応する1個の第1の補正済画像データと、の組み合わせである。したがって、1個の補正情報の選択指示は、N組の組み合わせについて推定されたN個の対応処理の中から、実行すべき一の処理を選択する選択指示である、と言うことができる。また、選択可能な複数個の補正パラメータは、予め登録されたデフォルトの1個以上の補正情報を含み得る。なお、CPU210は、図5のS70にて補正情報を登録する際に、用いられた元画像データと補正済画像データ、または、元画像IAと補正済画像IBとのそれぞれのサムネイル画像を表す画像データと、補正情報とを、対応付けて揮発性記憶装置230に記憶しても良い。この場合には、CPU210は、図18(A)の指示入力画面WI2に、プルダウンメニューPMにて選択されている補正情報に対応する元画像IAと補正済画像IB、または、これらの画像のサムネイル画像を、含めて表示しても良い。こうすれば、ユーザは、登録済の補正情報を選択した場合に、実行される補正処理の内容を、指示入力画面WI2によって容易に確認できる。特に、補正情報を登録したユーザと、その補正情報に基づく補正処理を実行するユーザと、が異なる場合や、多数の補正情報が登録されている場合などには、便利である。
詳細設定ボタンBT5が押下されると、CPU210は、図18(B)の詳細設定画面WI3を、表示部270に表示する。具体的には、詳細設定画面WI3は、チェックボックスCB1と、3個のスライドバーSB2〜SB3と、2個のボタンBT5、BT6と、を含んでいる。チェックボックスCB1は、背景除去処理を行うか否かを入力するための
UIエレメントである。スライドバーSB2は、裏写り除去処理の補正レベルL2を入力するためのUIエレメントである。スライドバーSB2のスライダが左端の位置に有る状態は、裏写り除去処理を行わないことを示す(すなわち、補正レベルL2=0)。スライドバーSB3、SB4は、全体明度補正処理、コントラスト補正処理の補正レベルL3、L4を入力するためのUIエレメントである。スライドバーSB3、SB4のスライダが中央部の位置にある状態は、全体明度補正処理、コントラスト補正処理を行わないことを示す(すなわち、補正レベルL3、L4=0)。詳細設定画面WI3には、直前に表示されていた指示入力画面WI4のプルダウンメニューPMにて選択されている補正情報に基づく設定内容が示されている。例えば、図18(B)の例では、背景除去処理、裏写り除去処理、全体明度補正処理が行われず、コントラストを高くするコントラスト補正が行われる設定が示されている。ユーザは、詳細設定画面WI3を見ることによって、登録済の補正情報に基づく補正処理、すなわち、元画像データに対して第1の複合機100によって実行された特定の補正処理と同様の補正処理を行うための手動での設定方法を認識することができる。さらに、ユーザは、チェックボックスCB1やスライドバーSB2〜SB4を操作することによって、補正処理の設定の調整を行うことができる。
ユーザが詳細設定ボタンBT5を押下すると、CPU210は、その時点で詳細設定画面WI3に設定されている補正処理の設定を有効にして、指示入力画面WI2が表示された状態に戻る。ユーザがキャンセルボタンBT6を押下すると、CPU210は、指示入力画面WI2が表示された状態に戻る。
指示入力画面WI2の開始ボタンBT3が押下されると、CPU210は、S820に処理を進める。指示入力画面WI2のキャンセルボタンBT4が押下されると、CPU210は、スキャン処理を終了する。
S820では、CPU210は、スキャナ部250を用いて原稿を読み取って処理対象のスキャンデータを生成することによって、処理対象のスキャンデータを取得する。これに代えて、例えば、予め原稿をスキャナ部250によって読み取ることによって生成され、不揮発性記憶装置220に格納済の1個以上のスキャンデータから、処理対象のスキャンデータが取得されても良い。取得されたスキャンデータは、バッファ領域231に格納される。
S830では、CPU210は、指示入力画面WI2の開始ボタンBT3が押下された時点でプルダウンメニューPMにて選択されている補正情報を、揮発性記憶装置230から取得する。すなわち、プルダウンメニューPMを介してユーザから入力された選択指示に基づいて選択された1個の補正情報が取得される。補正情報は、上述したように、補正処理の種類(本実施例では、背景除去処理、裏写り除去処理、全体明度補正処理、コントラスト補正処理のいずれか)を示す情報と、補正レベルを示す情報と、を含む。
S840では、CPU210は、取得された補正情報に基づいて、実行すべき補正処理の種類を決定する。S840では、CPU210は、取得された補正情報に基づいて、実行すべき補正処理の補正レベルを決定する。
S860では、CPU210は、S840で決定された種類の補正処理を、S850で決定された補正レベルで、処理対象のスキャンデータに対して実行して、補正済スキャンデータを生成する。具体的な補正処理は、図2、図3を参照して上述したとおりである。
S870では、CPU210は、補正済画像データを出力する。具体的には、CPU210は、補正済画像データを揮発性記憶装置230に出力して、揮発性記憶装置230に第2の補正済画像データを保存する。これに代えて、補正済画像データの出力は、ユーザの端末に補正済画像データを送信することであっても良いし、補正済画像データを用いてプリンタ部240を制御することよって補正済画像を印刷することであっても良い。
以上説明した本実施例のスキャン処理によれば、補正対象の画像を表すスキャンデータが取得される(S820)。そして、上述した補正種推定処理によって推定された対応処理、すなわち、登録済の補正情報に基づいてS840で決定される補正処理が、スキャンデータに対して実行される(S860)。この結果、第1の元画像データに対して実行された特定の補正処理の対応処理を、スキャンデータに対して容易に実行することができる。したがって、補正処理を利用するユーザの負担を軽減できる。
さらに、実行すべき一の補正処理を選択する選択指示を入力するためのプルダウンメニューPMを含む指示入力画面WI2が表示部270に表示される(S810)。そして、選択指示に基づいて選択された一の補正処理が、スキャンデータに対して実行される(S840〜S860)。したがって、図5の補正情報登録処理によって推定された複数個の対応処理の中から、ユーザの指示に基づいて、適切な処理をスキャンデータに対して実行することができる。
また、上記実施例によれば、図5の登録処理において、元画像データと補正済画像データとの比較に基づいて、第1の複合機100が実行可能な複数種類の候補処理の中から、元画像データに対して実行された特定の補正処理の対応処理が推定され(図5のS30)、推定された対応処理のためのパラメータである補正レベルが決定される(図5のS40)。そして、図17のスキャン処理において、決定済の補正レベルを用いて、推定された対応処理が、スキャンデータに対して実行される。この結果、補正レベルや補正処理の種類を画像処理装置に設定するユーザの負担を軽減することができる。
B.変形例:
(1)上記実施例の図14のS410および図15のS510にて、分布領域のシフトの有無を判断するために用いられる元画像IAおよび補正済画像IBの代表値は、各色成分の最頻値と反対側最頻値であるが、これに限られない。例えば、元画像IAの各色成分の2個の分布領域(例えば、図8(B)のR成分の2個分布領域RDo、RDb)の中央値、最小値、最大値が、元画像IAおよび補正済画像IBの代表値として用いられても良い。あるいは、元画像IAおよび補正済画像IBのそれぞれの輝度のヒストグラムが生成され、輝度のヒストグラムの最頻値と反対側最頻値が、元画像IAおよび補正済画像IBの代表値として用いられても良い。
(2)上記実施例の補正種推定処理では、最頻値や反対側最頻値のシフト、最頻画素数の増減、および、分布領域の幅の増減の全部を用いて、対応処理の推定を行っている。これに代えて、例えば、反対側最頻値のシフト、最頻画素数の増減、および、分布領域の幅の増減のうちの1つだけに基づいて、対応処理の推定が行われても良い。例えば、対応処理の候補となる処理が、全体明度処理とコントラスト補正処理だけである場合などには、最頻値と反対側最頻値のシフト方向が同一方向であるか互いに反対方向であるかを判断することだけで、対応処理が、全体明度処理であるかコントラスト補正処理であるかを推定し得る。例えば、対応処理の候補となる処理が、背景除去処理と裏写り除去処理だけである場合には、最頻値がシフトしていないか、最頻値が白色を示す位置にシフトしているか、を判断することだけで、対応処理が、背景除去処理であるか裏写り除去処理であるかを推定し得る。
(3)図13の裏写り除去推定処理では、最頻画素数が増加していること、および、分布領域の幅が減少していること、の両方が満たされることを、対応処理が裏写り除去処理であると推定するための必要条件としている。これに代えて、最頻画素数が増加していること、および、分布領域の幅が減少していること、のいずれか一方についてのみ判断し、いずれか一方が満たされることを、対応処理が裏写り除去処理であると推定するための必要条件としても良い。一般的に、最頻画素数が増加すれば、分布領域の幅は減少し、分布領域の幅が減少すれば、最頻画素数は増加する関係にあるので、いずれか一方を条件とすれば十分である場合もあるからである。
(4)上記実施例では、補正レベル決定処理において、補正レベルL2〜L4が、補正パラメータとして決定されているが、他のパラメータが決定されても良い。例えば、補正レベルL2に代えて、上述した裏写り除去処理の特定幅ΔV2が、補正パラメータとして決定されても良い。また、補正レベルL3、L4に代えて、全体明度補正処理やコントラスト補正処理の補正量ΔV3、ΔV4が、補正パラメータとして決定されても良い。
(5)上記実施例では、元画像データを生成する読取装置と、元画像データに特定の補正処理を実行して補正済画像データを生成する装置とは、同一の装置(すなわち、第1の複合機100)であるが、異なる装置であっても良い。例えば、第1の複合機100によって生成される元画像データが、ユーザの端末(例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン)に供給され、該端末のCPUが特定の補正処理を実行しても良い。この場合には、例えば、元画像データと補正済画像データは、端末から第2の複合機200に通信部180を介して送信されることによって、第2の複合機200によって取得されても良い。
(6)上記各実施例では、図18のS820で取得される補正対象のスキャンデータを生成する読取装置と、該スキャンデータに、推定された対応処理を実行する装置とは、同一の装置(すなわち、第2の複合機200)であるが、異なる装置であっても良い。例えば、第2の複合機200によって生成される補正対象のスキャンデータが、ユーザの端末に供給され、該端末のCPUが、推定された対応処理を実行しても良い。この場合には、端末のCPUが、元画像データと補正済画像データとを第1の複合機100から取得して、補正情報登録処理を実行し、補正対象のスキャンデータを第2の複合機200から取得して、推定された対応処理を実行しても良い。
(7)上記各実施例では、元画像データを生成する読取装置(すなわち、第1の複合機100)と、補正対象のスキャンデータを生成する読取装置(すなわち、第2の複合機200)と、は異なる装置であるが、同じ装置であっても良い。例えば、元画像データが第2の複合機200で生成され、該元画像データが、ユーザの端末に供給され、該端末のCPUが特定の補正処理を実行しても良い。この場合に、第2の複合機200で生成される補正対象のスキャンデータに対して、特定の補正処理と同様の処理を、第2の複合機200のCPU210が実行できるようにするために、CPU210が補正情報登録処理を実行しても良い。
(8)上記各実施例では、特定の補正処理を実行する装置(すなわち、第1の複合機100)と、推定された対応処理を実行する装置(すなわち、第2の複合機200)と、は異なる装置であるが、同じ装置であっても良い。例えば、過去に生成された元画像データに対して第2の複合機200で実行されていた特定の補正処理の補正情報が、削除されていたとする。この場合に、過去に実行されていた特定の補正処理と同様の処理を、補正対象のスキャンデータに対して、第2の複合機200のCPU210が実行できるようにするために、CPU210が補正情報登録処理を実行しても良い。
(9)上記実施例では、元画像データは、スキャナ部250によって生成されるスキャンデータである。これに限らず、光学的に読み取られた画像を表す種々の画像データを採用可能である。例えば、デジタルカメラによる撮影によって、原稿が光学的に読み取られることによって生成される画像データであっても良い。また、元画像データは、読取装置(スキャナやデジタルカメラ)によって生成された画像データに限らず、描画作成や文書作成などのアプリケーションプログラムを用いて作成された画像データであっても良い。
(10)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...第1の複合機、110...CPU、120...不揮発性記憶装置、130...揮発性記憶装置、140...プリンタ部、150...スキャナ部、160...操作部、170...表示部、180...通信部、200...第2の複合機、210...CPU、220...不揮発性記憶装置、230...揮発性記憶装置、231...バッファ領域、240...プリンタ部、250...スキャナ部、260...操作部、270...表示部、280...通信部

Claims (18)

  1. 画像処理装置であって、
    元画像を表す元画像データと、前記元画像データに対して特定の補正処理を実行することによって生成される補正済画像を表す補正済画像データと、を取得する取得部と、
    前記元画像データを用いて前記元画像の色分布に関する第1の指標値を算出するとともに、前記補正済画像データを用いて前記補正済画像の色分布に関する第2の指標値を算出する算出部と、
    前記第1の指標値と前記第2の指標値との比較に基づいて、前記画像処理装置が実行可能な複数種類の候補処理の中から、前記特定の補正処理に対応する処理を推定する推定部と、
    を備える、画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記算出部は、
    前記元画像データを用いて、前記元画像内の複数個の画素の値の分布を示す第1のヒストグラムを生成して、前記第1のヒストグラムを用いて前記第1の指標値を算出し、
    前記補正済画像データを用いて、前記補正済画像内の複数個の画素の値の分布を示す第2のヒストグラムを生成して、前記第2のヒストグラムを用いて前記第2の指標値を算出する、画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記算出部は、前記第1の指標値および前記第2の指標値として、画像内の複数個の画素の値の代表値と、画像内の複数個の画素のうちの前記代表値を有する画素の個数を示す代表画素数と、画像内の複数個の画素のうちの基準以上の個数の画素が有する値の範囲の幅を示す分布幅値と、のうちの少なくとも1つを算出し、
    前記推定部は、前記元画像と前記補正済画像との間の前記代表値のシフト、前記代表画素数の増減、および、前記分布幅値の増減のうちの少なくとも1つに基づいて、前記特定の補正処理に対応する処理を推定する、画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置であって、
    前記複数種類の候補処理は、画像内の背景の色を補正する複数種類の処理を含み、
    前記算出部は、前記元画像と前記補正済画像とのそれぞれについて、画像内の複数個の画素の値の最頻値を前記代表値として算出し、
    前記推定部は、前記元画像と前記補正済画像とのそれぞれの前記最頻値を用いて、前記特定の補正処理に対応する処理を推定する、画像処理装置。
  5. 請求項3または4に記載の画像処理装置であって、
    前記複数種類の候補処理は、画像内の背景の色を、背景の色とは異なる特定色に変更する第1処理を含み、
    前記算出部は、前記元画像と前記補正済画像とのそれぞれについて、画像の背景の色を示す前記代表値である背景色値を算出し、
    前記推定部は、前記元画像の前記背景色値が前記特定色とは異なる色を示し、かつ、前記補正済画像の前記背景色値が前記特定色を示す場合に、前記特定の補正処理に対応する処理は、前記第1処理であると推定する、画像処理装置。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記複数種類の候補処理は、画像内の背景の色を、前記背景内の画素の値に基づく代表色に変更する第2処理を含み、
    前記算出部は、前記元画像と前記補正済画像とのそれぞれについて、画像の背景の色を示す前記代表値である背景色値と、前記背景色値の前記代表画素数である背景色画素数および前記分布幅値のうちの少なくとも一方と、を算出し、
    前記推定部は、
    (a)前記元画像の前記背景色値に対して前記補正済画像の前記背景色値がシフトしておらず、かつ、前記元画像の前記背景色画素数に対して前記補正済画像の前記背景色画素数が増加している場合と、
    (b)前記元画像の前記背景色値に対して前記補正済画像の前記背景色値がシフトしておらず、かつ、前記元画像の前記分布幅値に対して前記補正済画像の前記分布幅値が減少している場合と、
    の少なくとも一方の場合に、前記特定の補正処理に対応する処理は、前記第2処理であると推定する、画像処理装置。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記複数種類の候補処理は、画像の明度を補正する複数種類の処理を含み、
    前記算出部は、前記元画像と前記補正済画像とのそれぞれについて、複数個の前記代表値を算出し、
    前記推定部は、前記元画像の複数個の前記代表値のそれぞれに対して、前記補正済画像の対応する前記代表値がシフトする方向を用いて、前記特定の補正処理に対応する処理を推定する、画像処理装置。
  8. 請求項7に記載の画像処理装置であって、
    前記複数種類の候補処理は、画像全体の明度を増加または減少させる第3処理を含み、
    前記算出部は、前記元画像と前記補正済画像とのそれぞれについて、複数個の前記代表値と、前記分布幅値と、を算出し、
    前記推定部は、前記元画像の複数個の前記代表値のそれぞれに対して、前記補正済画像の対応する前記代表値が同一方向にシフトし、かつ、前記補正済画像の前記分布幅値が前記元画像の前記分布幅値に対して変化していない場合に、前記特定の補正処理に対応する処理は前記第3処理であると推定する、画像処理装置。
  9. 請求項7または8に記載の画像処理装置であって、
    前記複数種類の候補処理は、画像のコントラストを変更する第4処理を含み、
    前記算出部は、前記元画像と前記補正済画像とのそれぞれについて、複数個の前記代表値と、前記分布幅値と、を算出し、
    前記推定部は、前記補正済画像の複数個の前記代表値のうちの比較的明度が低い第1の範囲内の第1の値が、前記元画像の複数個の前記代表値のうちの対応する値に対して、第1の方向にシフトし、かつ、前記補正済画像の複数個の前記代表値のうちの比較的明度が高い第2の範囲内の第2の値が、前記元画像の複数個の前記代表値のうちの対応する値に対して、前記第1の方向とは反対の第2の方向にシフトしている場合に、前記特定の補正処理に対応する処理は前記第4処理であると推定する、画像処理装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記複数種類の候補処理の中から推定された前記特定の補正処理に対応する処理のための補正パラメータを、前記特定の補正処理に対応する処理に応じた方法を用いて決定する決定部を備える、画像処理装置。
  11. 請求項10に記載の画像処理装置であって、
    前記複数種類の候補処理は、画像内の背景の色を、前記背景内の画素の値に基づく代表色に変更する第2処理を含み、
    前記決定部は、前記元画像の背景の色を示す代表値を有する画素の個数を示す代表画素数と、前記補正済画像の背景の色を示す代表値を有する画素の個数を示す代表画素数と、の差分を用いて、前記第2処理のための補正パラメータを決定する、画像処理装置。
  12. 請求項10または11に記載の画像処理装置であって、
    前記複数種類の候補処理は、画像全体の明度を増加または減少させる第3処理および画像のコントラストを変更する第4処理の少なくとも一方を含み、
    前記決定部は、前記元画像の特定の代表値に対する前記補正済画像の対応する代表値のシフト量を用いて、前記第3処理および前記第4処理の一方のための補正パラメータを決定する、画像処理装置。
  13. 請求項10〜12のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記決定済の補正パラメータをユーザに対して示すパラメータ表示画面を表示する表示制御部と、
    前記パラメータ表示画面を介して入力される調整指示に基づいて、前記決定済の補正パラメータを調整する調整部と、
    を備える、画像処理装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記複数種類の候補処理の中から推定された前記特定の補正処理に対応する処理をユーザに通知する通知部を備える、画像処理装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記取得部は、さらに、補正対象の画像を表す対象画像データを取得し、
    前記画像処理装置は、さらに、前記複数種類の候補処理の中から推定された前記特定の補正処理に対応する処理を、前記対象画像データに対して実行する補正処理部を備える、画像処理装置。
  16. 請求項15に記載の画像処理装置であって、
    前記推定部は、前記元画像データと前記補正済画像データとのN組(Nは2以上の整数)の組み合わせに対応するN個の前記特定の補正処理について、それぞれ、対応する処理を推定し、
    前記画像処理装置は、さらに、前記N組の組み合わせについて推定されたN個の処理の中から一の処理を選択する選択指示を入力するための指示入力画面を表示する表示制御部を備え、
    前記補正処理部は、前記選択指示に基づいて選択された前記一の処理を、前記対象画像データに対して実行する、画像処理装置。
  17. 請求項15に記載の画像処理装置であって、
    前記元画像データおよび前記補正済画像データは、前記画像処理装置とは異なる装置によって生成され、
    前記対象画像データは、前記画像処理装置によって生成される、画像処理装置。
  18. コンピュータプログラムであって、
    元画像を表す元画像データと、前記元画像データに対して特定の補正処理を実行することによって生成される補正済画像を表す補正済画像データと、を取得する取得機能と、
    前記元画像データを用いて前記元画像の色分布に関する第1の指標値を算出するとともに、前記補正済画像データを用いて前記補正済画像の色分布に関する第2の指標値を算出する算出機能と、
    前記第1の指標値と前記第2の指標値との比較に基づいて、前記画像処理装置が実行可能な複数種類の候補処理の中から、前記特定の補正処理に対応する処理を推定する推定機能と、
    をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
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