JP2016185629A - 化粧材及び化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐油性等の表面物性を満足しつつ、印刷適性及び隠蔽性を損なわない化粧材及び化粧板を提供する。
【解決手段】化粧材は、フッ素系耐油剤を含有する耐油紙1上に、印刷層2と、1層以上3層以下で構成される樹脂層4とが、この順に形成されている。樹脂層4は、ウレタン系樹脂を含有し、JIS P 8208に規定されるきょう雑物計測図表を用いて測定した際に、直径が55mmの円内に1mm以上のピンホールが10点以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、内装材や家具等に使用可能な化粧材及び化粧板に関する。
床・壁・天井等の建築物内装材、扉等の建具、家具等の表面材等の用途に用いる化粧材では、通常、耐摩耗性、耐汚染性等の表面物性が要求される。更に、キッチンや食器棚等の外表面に貼る化粧材においては耐油性も要求されるため、樹脂を含浸させた薄葉紙を用いた耐油性化粧印刷シートが提案されている(特許文献1、2、3参照)。
特許第4388112号公報 特許第4735171号公報 特許第5229340号公報
しかしながら、従来技術として提案されている耐油性化粧材は、必ずしも耐油性等の表面物性を完全に満足するものではなかった。また、耐油性等の表面物性を満足するとしても、印刷適性及び隠蔽性の低下は避けなければならない。可能であれば、印刷適性及び隠蔽性を向上させることが好ましい。以上の点から、耐油性等の表面物性を満足しつつ、印刷適性及び隠蔽性を損なわない化粧材が求められている。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、耐油性等の表面物性を満足しつつ、印刷適性及び隠蔽性を損なわない化粧材及び化粧板を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様に係る化粧材は、フッ素系耐油剤を含有する耐油紙上に、印刷層と、1層以上3層以下で構成される樹脂層とが、この順に形成されている。樹脂層は、ウレタン系樹脂を含有し、JIS P 8208に規定されるきょう雑物計測図表を用いて測定した際に、直径が55mmの円内に1mm以上のピンホールが10点以下である。
本発明の一態様によれば、耐油紙上に印刷層を設け、印刷層上に樹脂層を1層から3層で構成することで、耐油性を備え、且つブロッキングが発生しない化粧材及び化粧板を得ることができるため、耐油性等の表面物性を満足しつつ、印刷適性及び隠蔽性を損なわない化粧材及び化粧板が得られる。
本発明の一実施形態に係る化粧材の積層構造を示す断面図である。(a)は樹脂層が3層の場合、(b)は樹脂層が2層の場合、(c)は樹脂層が1層の場合を示す断面図である。
<実施形態>
以下に、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(化粧材)
図1に示すように、本実施形態に係る化粧材は、耐油紙1の表面側に、印刷層2と、絵柄層3と、樹脂層4とを、この順に積層してなる。但し、実際には、本実施形態に係る化粧材として、絵柄層3の無い単色の化粧材等も適宜選択可能である。すなわち、印刷層2と樹脂層4との間に絵柄層3を配置することにも特徴はあるものの、絵柄層3は必須ではない。
(耐油紙1)
耐油紙1は、パルプ等を主原料とする紙基材をフッ素系耐油剤で処理したものである。ここでは、耐油紙1の基材となる紙基材は、入手の容易さ等から木材パルプ繊維を主成分とするが、それ以外の非木材パルプ繊維を使用しても良い。木材パルプには、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプ、リファイナーグラインドパルプの機械パルプ、又は、新聞、コート紙、上質紙等から得られる再生パルプを使用することができる。また、これらを適宜配合して使用することもできる。なお、実際には、耐油紙1の基材となる紙基材として用いられる紙類としては、特に制限はなく、例えば、パルプ以外にも、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等が使用できる。また、紙以外にプラスチックフィルム、木材、金属、布、皮革、ガラス、陶磁器等も使用可能である。
本実施形態では、耐油紙1として、例えば、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.41:2000(紙及び板紙−はつ油度試験方法−キット法)により測定した値(以下「耐油度」という)が2以上であるフッ素系耐油剤で処理した耐油紙を用いる。耐油度が2未満であると紙基材へ油分が浸透しやすくなってしまう。耐油度が4以上であると、耐油性が更に向上し好ましい。以上の点から、耐油度は5以上が好ましく、更には7以上が好ましい。耐油度の上限は特に定められないが、製造上の制約から12以下が好ましい。なお、耐油度が8を超えると、フッ素系耐油剤を多量に添加する必要があることから、製造コストが高くなる可能性がある。
更に、本実施形態では、耐油紙1として、例えば、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.1:2000(紙及び板紙−ワックスによる表面強さ試験方法)により測定した値(以下「表面強度」という)が14A以上であるフッ素系耐油剤で処理した耐油紙を用いる。JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.1:2000により測定した値が14A未満であると汚染物の残存が発生してしまう。一方、14A以上であると汚染物の残存が発生しなくなる。
また、フッ素系耐油剤としては、種々のものが挙げられ、特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルキルアクリル酸エステル、フッ素系の樹脂等が挙げられる。フッ素系耐油剤での処理方法としては、抄造後に含浸する方法や抄造時に内填する方法をとることができる。なお、これらの紙基材は、ケバ立ち防止のため、更にアクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加させたものでも良い。
フッ素系耐油剤は、水素イオン化検出器ガスクロマトグラフ(GC/FID)法により測定したパーフルオロオクタン酸(PFOA)及びパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の検出量が2ppb以下であり、且つパルプ繊維に定着して耐油機能を果たすものであれば良く、例えば、パルプ繊維への定着部位の官能基がアニオン性若しくはカチオン性の電荷を持ったリン酸塩、カルボン酸塩、ポリウレタン等であり、フッ素部位がパーフルオロポリエーテル、ポリフルオロオクチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ハイドロキシエチルメタクリレート、エチレンジオキシジエチルジメタクリレート等のポリマーからなるフッ素系樹脂から構成される。なお、フッ素系耐油剤の中には、フッ素部位自体がパルプ繊維への定着部位を持ったものもある。
フッ素系耐油剤を構成する官能基を含めたフッ素系樹脂の化学構造的な特徴としては、フッ素部位における炭素(C)数が8個未満で構成されることであるため、加熱等により分解しても、炭素(C)数が8個以上であるPFOAやPFOSが発生しないことである。
また、主に基材となる高分子に多数のフッ素部位が定着した分子構造となっているため、高分子内部にフッ素部位が取り込まれている場合が多い。
フッ素系耐油剤を構成する官能基を含めたフッ素系樹脂の分子量としては、3000以上80000以下であるのが好ましく、10000以上30000以下であるとより好ましい。
分子量が3000未満では、一般的に、水中での分散性やパルプ繊維への定着性が良く、且つ定着の際できる限り紙の最表面にフッ素部位が存在するような構造を採っているため、フッ素部位を構成する炭素(C)数が平均8個以上となり、加熱等によりPFOAや、8個以上の炭素(C)を持つ難分解性ガス(例えば、C17OH)が発生しやすくなる。
分子量80000を超えると、水中での分散性が悪くなり、抄紙時に他添加薬品との凝集物や、定着ムラが発生する等、パルプ繊維への歩留まりが大きく低下する問題が生じる。
フッ素系耐油剤の含有量は、対パルプ固形分当たり固形分として0.05質量%以上1.0質量%以下とすることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下とすることがより好ましい。
0.05質量%未満では、十分な耐油性能を得ることができず、実用時に油の浸透が発生しやすくなる。
1.0質量%を超えると、含有量に見合った効果が得られず経済的でない。
なお、耐油紙1の表面側に印刷層2を設ける前に、プリベーク(prebake)を行い、120℃以上で耐油紙1を乾燥する。耐油紙1に含有される水分を除去するためである。耐油紙1は、JIS P 8203(紙,板紙及びパルプ‐絶乾率の測定方法‐乾燥器による方法)により測定した値(以下、「含水率」という)が7%未満であることが好ましい。含水率が7%未満であれば、紙基材の内部の湿気を十分に取り除くことができているため、耐油紙1の変形に起因する化粧材の反りや亀裂等を防ぐことができる。しかし、含水率が7%以上であれば、紙基材の内部の湿気の除去が不十分であり、耐油紙1の変形に起因する化粧材の反りや亀裂等が発生する可能性がある。
(印刷層2)
印刷層2は、化粧材の意匠性を高める目的で設けられ、耐油紙1の表面に意図した色彩を与える隠蔽層若しくは全面ベタ層とも称されるものであり、耐油紙1の表面側の全面を被覆する一様均一な部材である。印刷層2は、通常は不透明色で形成することが多いが、着色透明で形成し、下地が持っている模様を活かす場合もある。また、耐油紙1が白色であることを活かす場合には無色透明で形成する場合もある。
印刷層2は、印刷インキにより形成される。印刷インキの基本構成は、色料、バインダー樹脂、溶剤、補助剤の4成分である。色料は、印刷インキに色を与える材料であり、一般に顔料と染料に分けられる。バインダー樹脂は、耐油紙1への色料の転移と固着、色料の湿潤と安定分散、印刷インキに適度な粘度を与え耐油紙1へ転移しやすくする、転移した後に皮膜を形成し耐油紙1と密着する、という4つの機能を有し、印刷インキの性能を左右する重要な材料である。溶剤は、バインダー樹脂の溶解、印刷インキへの適度な粘度の付与、乾燥速度の調整等のために使用される。代表的な溶剤として、トルエン、MEK(メチルエチルケトン)、酢酸エチル等がある。バインダー樹脂と溶剤の混合物をビヒクル(展色剤)という。補助剤は、印刷インキに種々の機能付与のために添加されており、インキ安定性付与(分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤)、印刷適性付与(消泡剤、帯電防止剤)、インキ皮膜物性向上(可塑剤、滑剤)を目的としている。
本実施形態では、バインダー樹脂として、種々のフィルムに対して優れた接着性と柔軟性のあるフィルムに追従する弾性に富んだポリウレタンを使用する。ポリウレタンは、ポリウレタンは、ポリオール成分とイソシアネート成分(硬化剤)とを重付加反応で硬化することによって得られる。ポリウレタンは、ウレタン結合やウレア結合という極性基を有しており、優れた接着性を有する。また、酢酸エチル、MEK等の非芳香族系溶剤にも優れた溶解性を示す。このように、ポリウレタンを使用したバインダー樹脂は、優れた接着性、溶剤溶解性を有する。このように、本実施形態に係る印刷層2は、ウレタン系樹脂を含有する。
現在、ポリオール成分としてはアクリルポリオールが主流となっており、アクリルポリオールを主成分とするポリウレタンはアクリルウレタンと呼ばれる。すなわち、印刷層2は、アクリル系樹脂組成物で構成することが可能である。例えば、印刷層2の形成に用いられるインキ中のバインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用いることができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等を用いることができる。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの意味である。また、耐油性を向上させるために、上記樹脂を親水性となるように表面処理することも好適である。これらの樹脂は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、上記アクリル系樹脂として、ポリオール成分を含む2液硬化型アクリル系樹脂を用いることが、耐油性を向上させる点から好ましい。2液硬化型アクリル系樹脂の主剤としては、通常、ヒドロキシル基やカルボキシル基等のイソシアネート基と反応性を有する1種又は2種以上の官能基を、分子中に2以上の複数導入したアクリル系樹脂が使用される。例えば、上記官能基が2以上のヒドロキシル基の場合、アクリル樹脂はアクリルポリオールともよばれる。このようなヒドロキシル基含有アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体等の1種又は2種以上と、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の1種又は2種以上と、更に必要に応じ、スチレン単量体等の他のビニルモノマーとを共重合させて得られた共重合体が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸の意味である。
また、カルボキシル基を導入する場合には、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマーを共重合した共重合体等が使用される。
また、隠蔽性を出すために、上記アクリル系樹脂組成物中に、チタニア(二酸化チタン)を含有させるようにしても良い。特に、JIS K5101(アマニ油)により測定した吸油量が17〜36g/100gのチタニアを含有することが好ましい。チタニアを含有させることにより耐油性は低下するが、吸油量がこの範囲内であると耐油性の低下が少なく、且つ良好な隠蔽性を得ることができる。以上の点から、吸油量は17〜22g/100gの範囲であることが更に好ましい。
チタニアの含有量については、樹脂組成物中に乾燥状態で40〜85質量%の範囲であることが好ましい。40質量%以上であると十分な隠蔽性が得られ、一方85質量%以下であると層としての十分な強度が得られ、また印刷適性も良好である。以上の点から、50〜80質量%の範囲が更に好ましい。
なお、印刷層2の隠蔽性については、隠蔽性試験紙上に化粧材を置いて分光測色計で測定を行ったときに、以下の計算式で算出された値(以下「隠蔽率」という)が80%以上であると好ましい。隠蔽率が80%以上であれば、下地が見えない(又は非常に見えにくい)ため、隠蔽性は良好である。なお、隠蔽率が75%以上80%未満であっても、下地が見えにくいため、隠蔽性は十分であり、実用上は問題ない。しかし、隠蔽率が75%未満では、下地が見えやすく、隠蔽性が不十分である。
[計算式]
隠蔽率=(隠蔽性試験紙の黒色部で測色したY値/隠蔽性試験紙の白色部で測色したY値)×100
Y値:刺激値(明るさ)
アクリル系樹脂組成物中には、その他に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合することができる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
硬化剤となるイソシアネート成分としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが好適に用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、若しくはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートが用いられる。
印刷層2の厚さは全体で10μm以上25μm以下の範囲である。一般紙を用いる場合は、一旦油成分が基材に到達すると、油の広がりが早いために、印刷層2にある程度の厚さを持たせ、油が耐油紙1に到達することを防ぐことが肝要である。
印刷層2の厚さが10μm以上であると、油成分の耐油紙1への浸透を防止することができ、十分な耐油性及び隠蔽性が確保される。一方、印刷層2の厚さが25μm以下であると、印刷適性、意匠性、製造コスト、及び加工適性の点で有利である。また、耐油紙1として耐油紙を用いる場合には、基材自体にある程度の耐油性があるため、印刷層2の厚さには特に制限はない。
印刷層2は、王建式透気度が4000秒以上であると好ましい。すなわち、印刷層2の王建式透気度の下限を4000秒とする。王研式透気度の上限は特に定められないが、製造上の制約に応じて決まるものとする。王建式透気度を4000秒以上にするためには、印刷層2の全体(印刷層2が多層の場合は各印刷層の合計)の塗布量が30g/m以下であることが好ましい。また、印刷層2の表面を棒やシリンダ等で均して滑らか(平滑)にする処理を行うことが好ましい。印刷層2は、塗布量が30g/m以下であり、印刷層2の表面が平滑であれば、王研式透気度が4000秒以上となり、層間の密着性が良好である。塗布量が30g/mを超えている場合や、印刷層2の表面が平滑でない場合には、王研式透気度が4000秒以上とならない可能性がある。なお、王研式透気度が3000秒以上4000秒未満であっても、層間の密着性は十分であり、実用上は問題ない。しかし、王研式透気度が3000秒未満であれば、層間の密着性が不十分となる可能性がある。
(絵柄層3)
絵柄層3は、印刷層2の表面側に所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄層3の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法等により形成すれば良い。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。例えば、イソインドリノン、ポリアゾ、フタロシアニン等の顔料を配合して所望の色調を発現するように添加しても良い。更に、これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等を配合しても良い。
結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄層3の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄層3を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしても良い。
(樹脂層4)
樹脂層4は、印刷層2又は絵柄層3の表面を保護する表面保護層又はコート層(コーティング層)とも称されるものであり、印刷層2又は絵柄層3の表面側の全面を被覆する一様均一な部材である。樹脂層4は限定的ではないが、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂を含有することが好ましい。実質的には、これらの樹脂から形成されているものが好ましい。電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂により樹脂層4を形成する場合には、化粧材の耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高め易い。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常は250以上100000以下程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いれば良いが、可視光線、X線、イオン線等を用いても良い。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常は190nm以上380nm以下の範囲内が好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100keV以上1000keV以下、好ましくは100keV以上300keV以下のエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
樹脂層4は、必要に応じて、耐候剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでいても良い。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が好ましい。これらの耐候剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適である。これらの耐候剤の含有量は限定されないが、紫外線吸収剤・光安定剤ともに、樹脂層4中1000ppm以上10000ppm以下程度とすれば良い。
樹脂層4は、例えば、電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。電離放射線硬化型樹脂の場合には、電子線照射により樹脂硬化する。
本実施形態に係る樹脂層4は、1層以上3層以下で構成される。図1では、1層以上3層以下で構成される樹脂層4として、第1樹脂層4aと、第2樹脂層4bと、第3樹脂層4cとを図示している。ここでは、下層から順に、第1樹脂層4aは1層目、第2樹脂層4bは2層目、第3樹脂層4cは3層目である。例えば、図1(a)に示すように、樹脂層4が3層で構成される場合、化粧材は、樹脂層4として、第1樹脂層4aと、第2樹脂層4bと、第3樹脂層4cとを有する。また、図1(b)に示すように、樹脂層4が2層で構成される場合、化粧材は、樹脂層4として、第1樹脂層4aと第2樹脂層4bとを有する。また、図1(c)に示すように、樹脂層4が1層で構成される場合、化粧材は、樹脂層4として、第1樹脂層4aのみを有する。
本実施形態に係る樹脂層4の形成方法については、まず、印刷層2又は絵柄層3の表面側に第1樹脂層4aを塗布し、乾燥させる。次に、第2樹脂層4bを設ける場合には、第1樹脂層4aが乾燥した後、第1樹脂層4aの表面側に第2樹脂層4bを塗布し、乾燥させる。次に、第3樹脂層4cを設ける場合には、第2樹脂層4bが乾燥した後、第2樹脂層4bの表面側に、第3樹脂層4cを塗布し、乾燥させる。
樹脂を重ねて塗布する場合、下層の樹脂が乾く前に、上層に樹脂を重ねてしまうと、樹脂の盛り過ぎや、いったん乾燥した樹脂の戻り(再粘着現象)等の原因により、ブロッキングが発生することがある。ブロッキングが発生した場合、くっついた上層の樹脂がはがれる際に下層の樹脂がむけて傷ついてしまう。
本実施形態では、上記のように樹脂層4を形成することで、ブロッキングの発生を抑えることができる。
本実施形態に係る樹脂層4は、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を使用している。また、本実施形態に係る樹脂層4は、JIS P 8208(パルプ―きょう雑物測定方法)に規定されるきょう雑物計測図表を用いて測定した際に、直径が55mmの円内に1mm以上のピンホールが10点以下である。そのため、光沢値(光沢度)は3%以上60%以下であることが意匠として望ましい。光沢値は、光沢計(グロスチェッカー)等により計測した値である。
(本実施形態の効果)
(1)本実施形態に係る化粧材は、フッ素系耐油剤を含有する耐油紙上に、印刷層と、1層以上3層以下で構成される樹脂層とが、この順に形成されている。樹脂層は、ウレタン系樹脂を含有し、JIS P 8208に規定されるきょう雑物計測図表を用いて測定した際に、直径が55mmの円内に1mm以上のピンホールが10点以下である。
このように、耐油紙上に印刷層を設け、印刷層上に樹脂層を1層から3層で構成することで、耐油性を備え、且つブロッキングが発生しない化粧材及び化粧板を得ることができるため、耐油性等の表面物性を満足しつつ、印刷適性及び隠蔽性を損なわない化粧材及び化粧板が得られる。
(2)フッ素系耐油剤は、PFOSとPFOAとを含まず、官能基を含めたフッ素樹脂の分子量が3000以上80000以下であり、且つフッ素部位における炭素数が8個未満の構成である。
分子量が3000未満では、一般的に、水中での分散性やパルプ繊維への定着性が良く、且つ定着の際できる限り紙の最表面にフッ素部位が存在するような構造を採っているため、フッ素部位を構成する炭素(C)数が平均8個以上となり、加熱等によりPFOAや、8個以上の炭素(C)を持つ難分解性ガス(例えば、C17OH)が発生しやすくなる。
分子量80000を超えると、水中での分散性が悪くなり、抄紙時に他添加薬品との凝集物や、定着ムラが発生する等、パルプ繊維への歩留まりが大きく低下する問題が生じる。
(3)耐油紙は、耐油度としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.41:2000により測定した値が2以上であり、且つ表面強度としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.1:2000により測定した値が14A以上である。
JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.41:2000により測定した値が2未満であると紙基材へ油分が浸透しやすくなってしまうが、2以上であると紙基材へ油分が浸透しにくくなる。また、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.1:2000により測定した値が14A未満であると汚染物の残存が発生してしまうが、14A以上であると汚染物の残存が発生しなくなる。
(4)耐油紙は、含水率としてJIS P 8203により測定した値が7%未満である。
含水率が7%未満であれば、紙基材の内部の湿気を十分に取り除くことができているため、耐油紙1の変形に起因する化粧材の反りや亀裂等を防ぐことができる。しかし、含水率が7%以上であれば、紙基材の内部の湿気の除去が不十分であり、耐油紙1の変形に起因する化粧材の反りや亀裂等が発生する可能性がある。
(5)樹脂層は、光沢値が3%以上60%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧材。
樹脂層は、JIS P 8208に規定されるきょう雑物計測図表を用いて測定した際に、直径が55mmの円内に1mm以上のピンホールが10点以下であるため、光沢値を3%以上60%以下とすることが好ましい。その結果、化粧材の意匠性を向上させることができる。
(6)本発明の一態様に係る化粧材は、更に、印刷層と樹脂層との間に絵柄層が形成されている。印刷層は、隠蔽率として隠蔽性試験紙上において分光測色計で測定を行ったときに以下の計算式で算出された値が80%以上である。
隠蔽率=(隠蔽性試験紙の黒色部で測色したY値/隠蔽性試験紙の白色部で測色したY値)×100
このように、隠蔽率が80%以上であれば、下地が見えない(又は非常に見えにくい)ため、隠蔽性は良好である。
(7)本実施形態に係る化粧板は、上記の要件のいずれか又は全てを満たす化粧材を基板に貼付した化粧板である。
その結果、上記の本実施形態に係る化粧材の特徴を有する化粧板を得ることができる。
<その他実施形態>
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。すなわち、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
以下に、本発明の実施例1〜4(表1参照)と、その比較例1〜5(表2参照)について説明する。
Figure 2016185629
Figure 2016185629
(実施例1)
フッ素系耐油剤を使用する坪量30g/mの耐油紙1を120℃で3秒乾燥した。次に、印刷層2として、固形分中に二酸化チタンを70%含むインキを塗布量が17.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第1樹脂層4aとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第2樹脂層4bとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工して、光沢値が5.2%で、隠蔽率が90.8%となる化粧材を得た。
(実施例2)
フッ素系耐油剤を使用する坪量30g/mの耐油紙1上を120℃で3秒乾燥した。次に、印刷層2として、固形分中に二酸化チタンを70%含むインキを塗布量が17.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第1樹脂層4aとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第2樹脂層4bとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第3樹脂層4cとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工して、光沢値が5.3%で、隠蔽率が91.2%となる化粧材を得た。
(実施例3)
フッ素系耐油剤を使用する坪量30g/mの耐油紙1上を120℃で3秒乾燥した。次に、印刷層2として、固形分中に二酸化チタンを70%含むインキを塗布量が17.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、絵柄層3をグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第1樹脂層4aとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第2樹脂層4bとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥して、光沢値が14.3%で、隠蔽率が90.7%となる化粧材を得た。
(実施例4)
フッ素系耐油剤を使用する坪量30g/mの耐油紙1上を120℃で3秒乾燥した。次に、印刷層2として、固形分中に二酸化チタンを70%含むインキを塗布量が17.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第1樹脂層4aとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥して、光沢値が15.6%で、隠蔽率が85.2%となる化粧材を得た。
(比較例1)
耐油紙1にフッ素系耐油剤を使用しないこと以外は実施例1と同様にした化粧材を得て、同様の評価を行った。
(比較例2)
フッ素系耐油剤を使用する坪量30g/mの耐油紙1上を120℃で3秒乾燥した。次に、印刷層2として、固形分中に二酸化チタンを70%含むインキを塗布量が17.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第1樹脂層4aとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第2樹脂層4bとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第3樹脂層4cとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で後、120℃で温風乾燥した。次に、図示しない第4樹脂層4d(樹脂層4の4層目)として、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥して、光沢値が35.6%で、隠蔽率が90.2%となる化粧材を得た。
(比較例3)
フッ素系耐油剤を使用する坪量30g/mの耐油紙1上に、印刷層2として、固形分中に二酸化チタンを70%含むインキを塗布量が17.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第1樹脂層4aとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥した。次に、第2樹脂層4bとして、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を塗布量が3.0g/mとなるようグラビア印刷で塗工後、120℃で温風乾燥して、光沢値が64.5%で、隠蔽率が91.3%となる化粧材を得た。
(比較例4)
耐油紙1の含水率の値が7.5%であること以外は、実施例1と同様にして化粧材を得て、同様の評価を行った。
(比較例5)
耐油紙1のJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.41:2000法により測定した値が1であり、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.1:2000により測定した値が12Aであること以外は実施例1と同様にして化粧材を得て、同様の評価を行った。
(性能評価)
以下に、本実施形態に係る化粧材の性能評価について説明する。
本発明の実施例1〜4と、その比較例1〜5のいずれも、樹脂層4として、シリカを10%含有するウレタン系樹脂を使用している。
[含水率評価]
JIS P 8203により含水率を測定し、含水率7%を基準に評価した。ここでは、含水率が7%未満であれば良好、含水率が7%以上であれば不良とした。
○:7%未満
×:7%以上
[ピンホール評価]
実施例及び比較例にて得られた化粧材表面にズダンブラック(C29H24N6)にて染色したキャノーラ油 約1mlを滴下し、その上からφ55mmのろ紙で被覆し、30分間静置した後、ろ紙を取り除き、化粧材表面に残存したキャノーラ油をキムワイプで除去する。化粧材上にピンホールが存在していた場合、染色されたキャノーラ油が静置時間の間にピンホールを通り化粧材内部に浸透し、該当箇所が青く染色される。目視にて確認された印刷紙上の染色部位の大きさはJIS P 8208に規定されるきょう雑物計測図表を用いて測定し、その大きさと数により本性能を以下のようにして評価した。
○ :1mm2以上のピンホールが合計10点以上存在しない
× :1mm2以上のピンホールが合計10点以上存在する
[光沢値評価]
60度反射の光沢計で光沢値を測定し、光沢値を評価した。ここでは、光沢値が3%以上60%以下の場合を意匠として良好とし、3%未満又は60%超の場合を意匠として不良とした。
○:3%以上60%以下
×:3%未満又は60%超
[ブロッキング評価]
30mm角の樹脂層で樹脂層を重ねた状態で10kgの加重を加え、60℃の環境で3日間放置した。次に、重ねた樹脂層を剥がした状態を確認し、以下の判断基準で評価した。
○:ブロッキングがなく、樹脂層が容易にはがれる
×:ブロッキングが発生し、樹脂層が容易にはがれない
[判定]
以上の評価から判定を行った。
判定○:全て○である
判定△:△が1つ以上ある
判定×:×が1つ以上ある
(結果)
このように、本発明の実施例1〜4は、比較例1〜5よりも耐油紙と印刷層の密着性が良好であり、耐油性等の表面物性を満足し、且つ印刷適性及び隠蔽性に優れている。
1 耐油紙
2 印刷層
3 絵柄層
4 樹脂層
4a 第1樹脂層
4b 第2樹脂層
4c 第3樹脂層

Claims (7)

  1. フッ素系耐油剤を含有する耐油紙上に、印刷層と、1層以上3層以下で構成される樹脂層とが、この順に形成され、
    前記樹脂層は、ウレタン系樹脂を含有し、JIS P 8208に規定されるきょう雑物計測図表を用いて測定した際に、直径が55mmの円内に1mm以上のピンホールが10点以下であることを特徴とする化粧材。
  2. 前記フッ素系耐油剤は、PFOSとPFOAとを含まず、官能基を含めたフッ素樹脂の分子量が3000以上80000以下であり、且つフッ素部位における炭素数が8個未満の構成である請求項1に記載の化粧材。
  3. 前記耐油紙は、耐油度としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.41:2000により測定した値が2以上であり、且つ表面強度としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.1:2000により測定した値が14A以上である請求項1又は2に記載の化粧材。
  4. 前記耐油紙は、含水率としてJIS P 8203により測定した値が7%未満である請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧材。
  5. 前記樹脂層は、光沢値が3%以上60%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧材。
  6. 更に、前記印刷層と前記樹脂層との間に絵柄層が形成され、
    前記印刷層は、隠蔽率として隠蔽性試験紙上において分光測色計で測定を行ったときに以下の計算式で算出された値が80%以上である請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧材。
    隠蔽率=(隠蔽性試験紙の黒色部で測色したY値/隠蔽性試験紙の白色部で測色したY値)×100
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の化粧材を基板に貼付した化粧板。
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