JP6641714B2 - 積層体及び化粧板 - Google Patents

積層体及び化粧板 Download PDF

Info

Publication number
JP6641714B2
JP6641714B2 JP2015072242A JP2015072242A JP6641714B2 JP 6641714 B2 JP6641714 B2 JP 6641714B2 JP 2015072242 A JP2015072242 A JP 2015072242A JP 2015072242 A JP2015072242 A JP 2015072242A JP 6641714 B2 JP6641714 B2 JP 6641714B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
protective layer
layer
surface protective
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015072242A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016190436A (ja
Inventor
陽子 鷹野
陽子 鷹野
千草 栗山
千草 栗山
達也 米崎
達也 米崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015072242A priority Critical patent/JP6641714B2/ja
Publication of JP2016190436A publication Critical patent/JP2016190436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6641714B2 publication Critical patent/JP6641714B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、積層体及び化粧板に関する。
従来、様々な物品の表面には、意匠性を付与するために、化粧シート等の積層体が積層されている。例えば、建築物の壁面に用いられる壁装材や、床面に用いられる床用化粧材、家具等の表面には、化粧シートが積層されて用いられている。
上述のような積層体には耐汚染性や耐傷性が要求され、これらの性能を付与するために、積層体の表面には表面保護層が形成される。
このような耐汚染性及び耐傷性を示す積層体として、例えば、少なくとも基材シート、絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有し、当該表面保護層が、特定の電離放射線重合性オリゴマー及び反応性シリコーンアクリレートを含む組成物により形成されている化粧シートが提案されている(特許文献1及び2参照)。
また、高い耐汚染性を示す積層体として、例えば、少なくとも基材と硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層とからなる化粧シートであって、硬化性樹脂組成物中の樹脂成分と疎水化処理を施したシリカとを特定の比率で含有し、且つ、含フッ素重合体を特定の含有量で含有する化粧シートが提案されている(特許文献3参照)。
更に、特定の含フッ素アクリレートをハードコート用の添加剤として用いることにより、撥水撥油性の硬化膜を形成することが提案されている(特許文献4及び5参照)。
特開2010−234813号公報 特開2006−123536号公報 特開2011−213002号公報 特開2010−53114号公報 特開2010−138112号公報
特許文献1及び2に記載された化粧シートも実使用上問題の無い程度の耐汚染性を示すが、近年ではCD−Rのレーベル面のようにインキの付着しにくい加工が施された面にも文字が記載できるような特殊なインキを用いたマーカーも広く用いられており、このような強力なインキによる汚れの付着を抑制するためには、表面が撥油性を示すことが必要である。特許文献1及び2に記載された化粧シートでは、撥油性を示すことができず、改良の余地がある。
また、特許文献3に記載された化粧シートも実使用上問題の無い程度の耐汚染性を示すが、撥油性については検討されておらず、上述のような強力なインキによる汚れの付着の抑制が不十分であるという問題がある。また、撥油性を向上させるために、単に含フッ素重合体の添加量を増加させても、添加量に見合った効果が期待できず、含フッ素重合体は価格が高いために経済性に劣るという問題がある。
更に、特許文献4及び5に記載された方法により、化粧シート等の積層体の表面に撥水撥油性の硬化膜を形成する場合、建材用途等の意匠性が要求される用途においては、撥油性を向上させるために含フッ素重合体の添加量を増加させると、硬化膜の外観が白濁してしまい意匠性を低下させるという問題がある。
従って、表面の撥油性が優れ、且つ、耐傷性に優れた表面保護層を有する積層体の開発が求められている。
本発明は、表面の撥油性が優れ、且つ、耐傷性に優れた表面保護層を有する積層体、及び化粧板を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、電離放射線硬化型樹脂の硬化物を含有する表面保護層を最表面に有する積層体において、表面保護層の表面のフッ素元素含有比率及び炭素元素含有比率を特定の範囲とすることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層体及び化粧板に関する。
1.電離放射線硬化型樹脂の硬化物を含有する表面保護層を最表面に有する積層体であって、
前記表面保護層は、表面のフッ素元素含有比率が30%以上であり、且つ、表面の炭素元素含有比率が28〜48%である、
ことを特徴とする積層体。
2.前記表面保護層は、表面のフッ素元素含有比率が50%以下である、項1に記載の積層体。
3.前記表面保護層は含フッ素重合体を含む電離放射線硬化型樹脂組成物を用いて形成されており、前記含フッ素重合体の含有量は、前記電離放射線硬化型樹脂組成物を100質量%として0.25〜5質量%である、項1又は2に記載の積層体。
4.前記表面保護層は、艶消し剤を含む、項1〜3のいずれかに記載の積層体。
5.基材上に、少なくとも絵柄模様層、透明性樹脂層及び前記表面保護層がこの順に積層されている、項1〜4のいずれかに記載の積層体。
6.前記基材は、ポリオレフィン系樹脂シートである、項5に記載の積層体。
7.化粧シートである、項1〜6のいずれかに記載の積層体。
8.項7に記載の積層体を被着材に貼着してなる化粧板。
本発明の積層体は、電離放射線硬化型樹脂の硬化物を含有する表面保護層を最表面に有しており、表面保護層は、表面のフッ素元素含有比率が30%以上であり、且つ、表面の炭素元素含有比率が28〜48%であるので、表面保護層が優れた撥油性を示し、且つ、耐傷性にも優れている。
本発明の積層体の層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の積層体の層構成の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の積層体及び化粧板について詳細に説明する。
1.積層体
本発明の積層体は、電離放射線硬化型樹脂の硬化物を含有する表面保護層を最表面に有する積層体であって、上記表面保護層は、表面のフッ素元素含有比率が30%以上であり、且つ、表面の炭素元素含有比率が28〜48%であることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の積層体は、表面保護層を最表面に有しており、当該表面保護層の表面のフッ素元素含有比率及び炭素元素含有比率が特定の範囲であるので、表面の撥油性が優れ、且つ、耐傷性に優れている。
以下、積層体を構成する各層について説明する。なお、本明細書では、積層体の層構成において、表面保護層が形成されている方向を「上」、「表面」又は「おもて面」と称し、積層体の層構成において表面保護層が形成されている方向とは逆側を「下」又は「裏面」と称する。
表面保護層
本発明の積層体は、電離放射線硬化型樹脂の硬化物を含有する表面保護層を最表面に有しており、上記表面保護層は、表面のフッ素元素含有比率が30%以上であり、且つ、表面の炭素元素含有比率が28〜48%である。
表面保護層の表面のフッ素元素含有比率が30%未満であると、撥油性を十分に発揮できない。フッ素元素含有比率の好ましい下限は35%である。また、表面保護層の表面のフッ素元素含有比率の上限は、50%が好ましく、40%がより好ましい。表面のフッ素元素含有比率の上限が上述の値であることにより、優れた撥油性を発揮するとともに、製造コストを低減することができ、且つ、表面保護層の白濁を抑制することができる。
上記表面保護層は、表面の炭素元素含有比率が28〜48%である。表面の炭素元素含有比率が28%未満であると、塗膜を維持することが難しい。また、表面の炭素元素含有比率が48%を超えると、相対的に表面のフッ素元素含有比率が少なくなり、積層体の表面が十分な撥油性を発揮できない。上記炭素元素含有比率は、30〜45%が好ましく、33〜40%がより好ましい。
なお、本明細書において、表面保護層の表面のフッ素元素含有比率及び炭素元素含有比率は、表面分析装置であるX線光電子分光装置(XPS、ULVAC−PHI社製 PHI 5600(型番))を用い、X線源:非単色Mg Kα 300W(12KV/20mA)、測定面積:800μmφ、光電子取込角:45度の条件により表面保護層の表面の元素分析を行う測定方法により測定される値である。
本発明の積層体の表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂の硬化物を含有する。電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線及び/又は電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、1〜15Mrad程度が好ましく、1〜10Mrad程度がより好ましく、3〜5Mrad程度が更に好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂を溶媒で溶解させて調製した電離放射線硬化型樹脂組成物をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布し、乾燥させた後電離放射線を照射し、硬化させて形成する方法が挙げられる。
本発明の積層体の表面保護層の表面のフッ素元素含有比率を30%以上とする方法としては特に限定されないが、例えば、表面保護層が含フッ素重合体を含む構成とする方法が挙げられる。
上記含フッ素重合体は、撥油性を向上し得る含フッ素重合体であればよく、特に制限されないが、含フッ素(メタ)アクリレート重合体及びフッ化アルキル基含有アルコキシシラン重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体であることが好ましい。
上記含フッ素重合体の含有量は、表面保護層を形成するための電離放射線硬化型樹脂組成物を100質量%として0.25〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。含フッ素重合体の含有量が少な過ぎると、表面保護層のフッ素元素含有比率を30%以上にすることが困難になるおそれがあり、多過ぎると、配合量の増加に比べてフッ素元素含有比率の向上が鈍化し、経済性の点で不利となるおそれがある。
上記の含フッ素(メタ)アクリレート重合体としては、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、これらと共重合可能な他の単量体とを乳化重合して得られる共重合体であることが好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの一方又は双方をいう。
上記のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、フルオロアルキル基の炭素数が3〜21であることが好ましく、フルオロアルキル基の炭素数が6〜18であることがより好ましい。このようなフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Rf−XOCOCR=CH ・・・(1)
〔式中、Rfはフルオロアルキル基である。Rは水素原子又はメチル基である。Xは炭素数1〜10、好ましくは1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、一般式(2):
−SONR−R− ・・・(2)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜10、好ましくは1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、Rは炭素数1〜10、好ましくは1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である)で表される基、及び一般式(3):
−CHCH(OR)CH− ・・・(3)
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアシル基である)からなる群から選ばれる二価の有機基である。〕
上記Rfで示されるフルオロアルキル基としては、例えば、CF(CF−、CF(CF− 、CF(CF− 、CF(CF− 、CF(CF− 、CF(CF− 、(CFCFCF− 、(CFCF(CF− 、(CFCF(CF− 、(CFCF(CF− 、(CFCF(CF− 、(CFCF(CF− 、(CFCF(CF10− 、H(CF10− 及び CFCl(CF10− が挙げられる。
上記Xで示される二価の有機基のうちのアルキレン基及びRで示されるアルキレン基としては、具体的にはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、2−メチルプロピレン基等が挙げられる。
前記Rで示されるアルキル基は、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
前記一般式(3)中のRは、具体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基等が挙げられる。
上記の一般式(1)で表されるフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記のような化合物を挙げることができる。
CF(CFCHOCOC(CH)=CH
CF(CF(CHOCOC(CH)=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CFCHOCOC(CH)=CH
CF(CFCHOCOCH=CH
(CFCF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CFSON(C)(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CFSON(CH)(CHOCOC(CH)=CH
CF(CFSON(C)(CHOCOCH=CH
CF(CFCONH(CHOCOCH=CH
(CFCF(CF(CHOCOCH=CH
(CFCF(CFCHCH(OCOCH)OCOC(CH)=CH
(CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOC(CH)=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
(CFCF(CH(CHOCOC(CH)=CH
(CFCF(CH(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOC(CH)=CH
CF(CFCONH(CHOCOC(CH)=CH
CFCF(CFCl)(CFCONH(CHOCOCH=CH
(CFCF(CF)CHCH(OCOCH)CHOCOC(CH)=CH
(CFCF(CF)CHCH(OCOCH)CHOCOCH=CH
H(CF10CHOCOCH=CH
CFCl(CF10CHOCOC(CH)=CH
CF(CF(CHO(CHOCOCH=CH
CFCF(CFCl)(CFCONH(CHOCOC(CH)=CH
CFCFCHCH(OH)CHOCHCHOCOCH=CH
上記の一般式(1)で表されるフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートと共重合可能な他の単量体としては、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アルキレンジオール(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチルロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化ジアセトン(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸アルキルエステル、フタル酸アルキルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、アルキルビニルケトン、シクロへキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、無水マレイン酸、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができる。
上記含フッ素(メタ)アクリレート重合体において、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、これらと共重合可能な他の単量体の量比は、共重合に用いる全単量体の中で、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの合計が40質量%以上であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、これらと共重合可能な他の単量体とは、通常、乳化重合により、共重合体である含フッ素(メタ)アクリレート重合体が得られる。
上記含フッ素(メタ)アクリレート重合体として好適な共重合体は、常法に従った乳化重合、すなわち、上記フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、これらと共重合可能な他の単量体とを、界面活性剤を用いて水性媒体中に乳化させ(好ましくは、撹拌しつつ超音波を伝達することにより単量体混合物を乳化分散させ)、重合開始剤を添加して撹拌しながら重合させる方法により得ることができる。上記界面活性剤としては、陰イオン性、陽イオン性又は非イオン性界面活性剤として公知のものを特に制限なく使用することができ、特に陽イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との併用が好ましい。上記重合開始剤としては、公知の重合開始剤を使用することができ、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の過酸化物;アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩等のアゾ系化合物;並びに(NH、K等の過硫酸系化合物が挙げられる。重合時の反応温度は、通常、10〜150℃でよく、好ましくは40〜100℃である。反応時間は、製造規模、界面活性剤及び重合開始剤の種類に応じて適宜決めればよい。
乳化重合する際の媒体に特に制限はないが、水に水溶性有機溶媒を添加した水性溶媒を用いることが好ましい。水に水溶性有機溶媒を添加した水性溶媒を用いると、単量体や共重合体が凝集しにくく、安定した乳化物を得ることができる。
上記含フッ素重合体として好適なフッ化アルキル基含有アルコキシシラン重合体は、例えば、下記一般式(4)で示されるフッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物を、過剰の水中、又は含フッ素系溶媒中で加水分解・縮合反応することにより得られる。
[式中、Rfは、
(pは1〜20の整数、mは1以上、好ましくは1〜20、特に1〜10の整数)で表されるエーテル結合を1個以上含んでいても良いポリフルオロアルキル基を示し、X1は−CH−、−CHO−、−NR−、−COO−、−CONR−、−S−、−SO−又はSONR−(Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基)の1種又は2種以上の結合基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。aは0〜3の整数、bは1〜3の整数、cは0又は1である。]
上記一般式(4)のRfにおいて、C2p+1としては、CF−、C−、C−、C−、C13−、C17−、C1021−、C1225−、C1429−、C1633−、C1837−、C2041−等が挙げられる。
上記一般式(4)で示されるフッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物としては、下記のものを例示することができる。
Rf(CHSi(OCH
Rf(CHSiCH(OCH
Rf(CHSi(CH(OCH)、
Rf(CHSi(OCHCH
Rf(CHSiCH(OCHCH
Rf(CHSi(CH(OCHCH)、
Rf(CHSi(OCH
Rf(CHSiCH(OCH
Rf(CHSi(CH(OCH)、
Rf(CHSi(OCHCH
Rf(CHSiCH(OCHCH
Rf(CHSi(CH(OCHCH)、
RfNH(CHSi(OCH
RfNH(CHSiCH(OCH
RfNH(CHSi(CH(OCH)、
RfNH(CHSi(OCHCH
RfNH(CHSiCH(OCHCH
RfNH(CHSi(CH(OCHCH)、
RfNH(CHNH(CHSi(OCH
RfNH(CHNH(CHSiCH(OCH
RfNH(CHNH(CHSi(CH(OCH)、
RfNH(CHNH(CHSi(OCHCH
RfNH(CHNH(CHSiCH(OCHCH
RfNH(CHNH(CHSi(CH(OCHCH)、
RfCONH(CHSi(OCH
RfCONH(CHSiCH(OCH
RfCONH(CHSi(CH(OCH)、
RfCONH(CHSi(OCHCH
RfCONH(CHSiCH(OCHCH
RfCONH(CHSi(CH(OCHCH)、
RfSONH(CHSi(OCH
RfSONH(CHSiCH(OCH
RfSONH(CHSi(CH(OCH)、
RfSONH(CHSi(OCHCH
RfSONH(CHSiCH(OCHCH
RfSONH(CHSi(CH(OCHCH
好ましいものとして下記のものが挙げられる。
CF(CHSi(OCH
CF(CHSiCH(OCH
CF(CHSi(CH(OCH)、
CF(CHSi(OCHCH
CF(CHSiCH(OCHCH
CF(CHSi(CH(OCHCH)、
17(CHSi(OCH
17(CHSiCH(OCH
17(CHSi(CH(OCH)、
17(CHSi(OCHCH
17(CHSiCH(OCHCH
17(CHSi(CH(OCHCH)、
(CF(CF)CFO)CF(CF)CHO(CHSi(OCH
これらのアルコキシシラン化合物は1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記のフッ化アルキル基含有アルコキシシラン重合体は、上記一般式(4)で示されるフッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物と下記一般式(5)で示されるシラン化合物との混合物を、過剰の水中、又は含フッ素系溶媒中で加水分解・縮合反応することにより得られるものであっても良い。
Si(OR104−d ・・・(5)
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又はアルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基置換アルキル基、アリール基又はアルケニル基を示す。R10は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシアルキル基又はアシル基を示す。dは0〜3の整数、好ましくは0〜2の整数である。)
ここで、Rは、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、フェネチル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、9−デセニル基、p−ビニルベンジル基等のアルケニル基、3−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、9,10−エポキシデシル基等のエポキシ基含有有機基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−アクリロイルオキシプロピル基等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有有機基、γ−メルカプトプロピル基、p−メルカプトメチルフェニルエチル基等のメルカプト基含有有機基、γ−アミノプロピル基、(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基等のアミノ基含有有機基、β−シアノエチル基等のシアノ基含有有機基等を例示することができる。
また、R10 は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、イソプロペニル基、メトキシエチル基、アセチル基等が例示される。
上記一般式(5)で示されるシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシ又はトリアシルオキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジイソプロペノキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン又はジアシルオキシシラン類;メチルシリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシリケート及びt−ブチルシリケート等のテトラアルコキシシラン類等を挙げることができる。
上記のフッ化アルキル基含有アルコキシシラン重合体は、フッ化アルキル基含有アルコキシシラン−(メタ)アクリロイル基含有シラン共重合体であることが好ましい。すなわち、上記一般式(5)で示されるシラン化合物として(メタ)アクリロイル基含有シラン化合物が好ましく、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。なお、これらのシラン化合物を部分加水分解したものを使用してもよい。
更にこれらのシラン化合物或いは部分加水分解物は1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記含フッ素重合体として好適なフッ化アルキル基含有アルコキシシラン重合体を、上記一般式(4)で示されるフッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物[以下、成分(M)と略称することがある。]と上記一般式(5)で示されるシラン化合物[以下、成分(N)と略称することがある。]との混合物により得る場合の配合比率は、成分(M)100質量部に対し、成分(N)0〜1,000質量部であることが好ましい。より好ましくは、成分(N)が0〜300質量部である。なお、成分(N)を配合する場合、その効果を有効に発揮させるためには、5質量部以上配合することが好ましい。
上記のフッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物単独、又はフッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物とシラン化合物との混合物を、過剰の水中、又は含フッ素系溶媒中で加水分解・縮合反応する場合の条件(溶媒、触媒、温度、時間等)の詳細は、例えば、特開2002−53805、特開2007−9216に記載されている。
表面保護層は、耐摩耗性フィラーとして、無機粒子を含有していてもよい。無機粒子を含有することで、表面保護層の耐傷性が、より向上する。
無機粒子としては特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモンド、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク等が挙げられる。
表面保護層中の無機粒子の含有量は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜40質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましい。また、無機粒子の平均粒子径は、2〜20μmが好ましく、3〜14μmがより好ましい。無機粒子の平均粒子径を上述の範囲とすることで、表面保護層の耐傷性が、より向上する。なお、本明細書において、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法の方法により測定される値である。
表面保護層は、艶消し剤を含んでいてもよい。表面保護層が艶消し剤を含むことで、表面保護層にマット感が付与され、本発明の積層体が優れた意匠性を示すことができる。
表面保護層に添加する艶消し剤としては、本発明の積層体の撥油性を損ねないものであれば特に限定されず、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、未処理シリカ、シリコーン樹脂等の無機粒子;架橋アルキル、架橋スチレン、インゾグアナミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ナイロン等の有機物粒子等が挙げられる。
上記表面保護層に添加する艶消し剤の添加量は、表面保護層を形成する樹脂の樹脂固形分100質量部に対して10〜50質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。
艶消し剤の平均粒子径は2〜20μmが好ましく、3〜14μmがより好ましい。艶消し剤の平均粒子径をかかる範囲とすることにより、表面保護層の表面が低艶感を示すことができる。
本発明の積層体の表面保護層は、上記電離放射線硬化型樹脂を含有する電離放射線硬化型樹脂組成物により形成される。当該電離放射線硬化型樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
上記溶媒としては特に限定されないが、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテルなどの非水溶性有機溶媒や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトンなどの水溶性有機溶媒、水、またはこれらの混合溶媒等が好ましく挙げられる。これらの中でも、フッ素系重合体の添加量が少なくても表面保護層の表面のフッ素元素含有比率を高くすることができる点で、エタノール又はDMFを含む溶媒を用いることが好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂組成物中の上記溶媒の含有量は、電離放射線硬化型樹脂を100質量部として50〜70質量部が好ましい。
表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、染料、顔料等の着色剤、増量剤等の充填剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤等の各種添加剤を加えることができる。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましく、3〜10μm程度がより好ましい。
(積層体の層構成)
本発明の積層体は、上述のように表面のフッ素元素含有比率が30%以上であり、且つ、表面の炭素元素含有比率が28〜48%である表面保護層を最表面に備えていれば、その具体的構成(層構成)については限定されない。例えば、基材上に、少なくとも絵柄模様層、プライマー層及び前記表面保護層がこの順に積層されている積層体が挙げられる。図1に本発明の積層体の層構成の上記一例を示す。図1において、本発明の積層体1は、基材2上に、絵柄模様層3、プライマー層7がこの順に積層されておりプライマー層7上に表面保護層5が形成されている。更に、本発明の積層体は、図2のように、基材2と絵柄模様層3との間に、更に着色隠蔽層6が形成されていてもよく、絵柄模様層3とプライマー層7との間に、接着剤層9及び透明性樹脂層4が形成されていてもよく、更に、基材2の裏面に、裏面プライマー層8が形成されている層構成であってもよい。
以下、かかる層構成のシートを代表例として、各層について具体的に説明する。
基材
基材としては限定されず、繊維質シート、プラスチック基材、金属基材、木質系基材等を用いることができる。
繊維質シートとしては、薄紙、紙間強化紙、含浸紙、チタン紙、コート紙、段ボール紙、リンター紙、クラフト紙、上質紙等の公知の繊維質シートなどが利用できる。
具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)などが挙げられる。なお、本発明に使用される繊維質シートには、分類上、不織布に該当しているものも包含される。
プラスチック基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シート;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂シート;アクリロニトリルブタジエンスチレン;ポリ塩化ビニル等の各種のプラスチックシート、フィルム等が使用できる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。また、プラスチック基材は、着色してある事が望ましい。金属基材としては、鋼板、アルミニウム、ステンレス等の上に、着色剤のアンダーコートを行ったものを基材として製品化する事ができる。木質系基材としては、合板、パーティクルボード、中密度ファイバーボード等が挙げられる。
基材の厚みは限定的ではないが、樹脂の浸透性や電離放射線硬化性の観点から、30〜200μm程度が好ましく、50〜150μm程度がより好ましい。
絵柄模様層
本発明の積層体は、基材又は後述する着色隠蔽層の上には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、積層体に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様等が挙げられ、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては特に限定されず、公知の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
結着材樹脂は、基材の種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
透明性樹脂層
本発明の積層体は、絵柄模様層上に艶調整等を目的として、透明性樹脂層を形成してもよい。透明性樹脂層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。前記透明性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合体、珪素樹脂、ポリシロキサン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。また、上述の電離放射線硬化型樹脂を用いてもよい。これら樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
透明性樹脂層には、艶調整の為に、シリカ、アルミナ、カオリン等の微粒子、ウレタンビーズ、アクリルビーズ等のビーズを添加してもよい。
なお、透明性樹脂層は、透明性を有する限り着色されていても良いが、特に着色剤を配合しない方が望ましい。
透明性樹脂層の厚みは、通常は20〜200μm程度であるが、積層体の用途等に応じて上記範囲を超えてもよい。
着色隠蔽層
基材上には、必要に応じて着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、基材上に全面ベタ印刷層として形成される。着色隠蔽層は、例えば、顔料及び結着材樹脂を含む層とすることができる。この着色隠蔽層は、例えば、着色材、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキを使用し、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の既知の印刷法により形成できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色材、結着剤樹脂及び溶剤は、上述の絵柄模様層に用いられるものを用いることができる。
着色隠蔽層の厚みは、1〜4μm程度が好ましい。
接着剤層
絵柄模様層と透明性樹脂層との間には、接着剤層を形成してもよい。接着剤層で使用する接着剤は、絵柄模様層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等を含む各種接着剤を使用できる。また、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等の接着剤でもよい。
接着剤層は、絵柄模様層が視認できるように、透明又は半透明であることが好ましい。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層の厚みは、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすればよい。
プライマー層
基材、着色隠蔽層、絵柄模様層又は透明性樹脂層の上には、必要に応じてプライマー層を形成してもよい。
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を使用することができるが、特にアクリル、塩素化ポリプロピレン等が望ましい。
アクリルとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂が挙げられる。
ポリウレタンとはポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする組成物である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2−4トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4−4ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが用いられる。
プライマー層の厚さは限定的ではないが、0.1〜10μm程度が好ましく、0.1〜5μm程度がより好ましい。
裏面プライマー層
基材の裏面には、必要に応じて、裏面プライマー層を設けてもよい。裏面プライマー層は、本発明の積層体と被着材とを積層して化粧板を作製する際に効果的である。
裏面プライマー層は、公知のプライマー剤を基材に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m程度、好ましくは0.1〜50g/m程度である。また、裏面プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm程度、好ましくは0.1〜1μm程度である。
2.化粧板
上記本発明の積層体は、化粧シートとして用いることができる。上記化粧シートとしての積層体を被着材上に貼着することにより、化粧板とすることができる。被着材は、限定的でなく、公知の化粧板に用いられるものと同様のものを用いることができる。上記被着材としては、例えば、木質材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、上記積層体は、木質材に好適に使用することができる。木質材としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、チップボード、又はチップボードが積層された複合基材等が挙げられる。上記木質材としては、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)を用いることが好ましい。
積層体を被着材上に貼着する方法は限定的でなく、例えば接着剤により積層体を被着材に貼着する方法等を採用することができる。接着剤は、被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すればよい。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。これら接着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
このようにして製造された化粧板は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材;バルコニー、ベランダ等の外装材;窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧板や家具;又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板等に用いることができる。
3.積層体の製造方法
積層体の製造方法としては、例えば、基材、絵柄模様層、透明性樹脂層等の表面保護層の直下の層の上に表面保護層を積層する製造方法が挙げられる。表面保護層を積層する方法としては特に限定されないが、例えば、上述の溶媒を含む電離放射線硬化型樹脂組成物をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で基材上に塗布し、乾燥させて溶媒を除去し、電離放射線を照射して硬化させる方法が挙げられる。この際、溶媒としてエタノール又はDMFを用いることにより、表面保護層の表面のフッ素元素含有比率を特に高くすることができ、本発明の積層体に優れた撥油性を付与することができる。
本発明の化粧シートが着色隠蔽層、絵柄模様層、接着剤層、プライマー層及び透明性樹脂層を有する場合には、これらの層を形成するための樹脂組成物を、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の既知の印刷法により塗布したり、押出成形により形成した後、その上に表面保護層を形成すればよい。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
合成例1(含フッ素重合体の合成)
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、C17(CHSi(OCHで示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキシシラン50g(0.088モル)、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン41.2g(0.176モル)、m−キシレンヘキサフロライド(MXHF)30g及びペルフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン(PBTF)70gを仕込んで攪拌を行い、撹拌中に、0.25規定の酢酸水溶液7.1gを仕込んだ滴下ロートにより、当該酢酸水溶液を5分間で滴下した。3時間室温下にて反応させ、続けて80℃で2時間反応させた。反応後、反応液は2層に分離していた。これを分液し、上層をボウ硝により乾燥させた。得られた液を濾過し、減圧下でMXHF及びPBTFを揮発させ、透明液状樹脂である含フッ素重合体を67g調製した。調製された含フッ素重合体のGPCにより測定した分子量は約2,200であり、また、屈折率は1.3733であった。
実施例1
基材として、厚さ80μmの着色ポリエチレン基材を用意し、この表面及び裏面にコロナ放電処理を施した。基材の表面にウレタン樹脂及びアクリルポリオール樹脂をバインダーとし、酸化チタン、酸化鉄、及びカーボンブラックを主成分とする着色剤を含有するインキを用いて、グラビア印刷にて着色隠蔽層(厚さ2μm)を形成した。着色隠蔽層上に、着色隠蔽層と同様のインキを用いて、グラビア印刷にて絵柄模様層(厚さ2μm)を形成した。一方、基材の裏面には、ウレタン系樹脂をバインダーとした裏面プライマー層(厚さ2μm)をグラビア印刷により形成した。
次いで、絵柄模様層の上に2液硬化型ウレタン樹脂からなる塗液を塗工して接着剤層(乾燥状態での厚さ15μm)を形成した。
次いで、透明樹脂層を形成するための樹脂組成物をTダイで溶融して透明性樹脂層(厚さ60μm)を形成し、接着剤層上にドライラミネート法により積層した。透明性樹脂層の上に、主剤としてウレタンアクリル共重合体100質量部にイソシアネート系硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)を5質量部添加したプライマー層形成用2液硬化型樹脂組成物を、1.5g/mの塗布量で塗布した。
次いで、樹脂成分として、6官能ウレタンアクリレート35質量部及び2官能ウレタンオリゴマー65質量部からなる電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、艶消し剤としてシリカ(未処理シリカ、平均粒子径5μm)を10質量部、耐摩耗性フィラーとして、平均粒子径4μmのシリカ粒子を5質量部、希釈溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を60質量部添加した。更に、フッ素系添加剤として合成例1で調製した含フッ素重合体を電離放射線硬化型樹脂組成物100質量%に対して1質量%となるように添加して、表面保護層を形成するための電離放射線硬化型樹脂組成物を調製した。このようにして調製した電離放射線硬化型樹脂組成物を、グラビアダイレクトコータ法により塗工して乾燥させた。
乾燥後、加速電圧165kV、照射線量50kGyの電子線を照射して、電離放射線硬化型樹脂を硬化させて、厚みが5μmの表面保護層を形成した。
実施例2〜7、比較例1〜5
表面保護層を形成するための電離放射線硬化型樹脂組成物のフッ素系添加剤の含有量、希釈溶媒の種類及び配合を表1に示すように変更することにより、表面保護層の表面のフッ素元素含有比率及び炭素元素含有比率を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、化粧シートである積層体を調製した。なお、比較例1は、シリコーンを電離放射線硬化型樹脂組成物100質量%に対して1質量%添加した。
上記実施例及び比較例で調製された化粧シートの表面のフッ素元素含有比率及び炭素元素含有比率は、以下の方法により測定した。具体的には、表面分析装置であるX線光電子分光装置(XPS、ULVAC−PHI社製 PHI 5600(型番))を用い、X線源:非単色Mg Kα 300W(12KV/20mA)、測定面積:800μmφ、光電子取込角:45度の条件により表面保護層の元素分析を行う測定方法により測定した。
上記実施例及び比較例について、下記評価を行った。
接触角
接触角測定機(協和界面科学製 接触角計CA−X型)を用いて、JIS R3257:1999で規定される測定方法に準拠して、水温又は液温25℃の条件で接触角度を測定した。
マジックはじき性
油性マジックインキの一般品として、ゼブラ社製 マッキー(商品名)を用意した。また、CD−R用油性マジックインキとして、三菱鉛筆社製 CDRマーカー メディアックス(商品名)を用意した。各実施例及び比較例の化粧シートの表面に、これらのマジックインキを塗布し、乾拭きした後のマジックインキの残存具合を目視にて観察し、下記評価基準に従って評価した。
○:マジックインキの残存が認められないか、残存はあるものの軽微なもので実使用上問題がない
△:マジックインキの残存が認められる
×:マジックインキの残存が著しい
油滴による撥油性試験
常温下で化粧シートの表面にオリーブ油を2ml滴下し、化粧シートの表面上で油滴を指で広げ、凝集して再度油滴となるまでの状態又は速度を観察し、下記評価基準に従って評価した。
◎:油滴となるまでの時間が速いと感じる
○:油滴となるまでの時間が普通であると感じる
△:油滴となるまでの時間が遅いと感じる
×:油滴とならず、広がる
油滴拭き取り後の外観
常温下で化粧シートの表面にオリーブ油を2ml滴下し、ティッシュペーパーで拭き取って、拭き取り後の化粧シートの表面の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価において、△以上の評価であれば実使用上問題がないと評価できる。
○:油が残らず、きれいに拭き取れる
△:油が残らず、拭き取れる
×:油残りがあり、拭き取れない
指紋の拭き取り除去性
化粧シートの表面に指を押し付けて指紋を付着させ、スコッティカシミヤ(日本製紙クレシア製)により拭き取って、拭き取り後の化粧シートの表面の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。なお、下記評価において、△以上の評価であれば実使用上問題がないと評価できる。
○:指紋が残らず、きれいに拭き取れる
△:指紋が残らず、拭き取れる
×:指紋が残り、拭き取れない
耐傷性
実施例及び比較例で調製した化粧シートについて、スチールウールを用いて、300g/cmの荷重をかけて5往復擦り、外観を目視で観察した。下記評基準に従って評価した。
○:外観に殆ど変化がなかった
×:傷付きが生じ、外観が変化した
結果を表1に示す。
実施例1〜7の化粧シートは、比較例1〜5の化粧シートと比較して、油をはじきやすく、マジックインキや油滴をふき取りやすく、撥油性に優れていた。また、実施例1〜7の化粧シートの表面保護層の塗工面は全て平滑であり、耐傷性も従来品と同様に良好であった。以上より、実施例1〜7の化粧シートは、優れた面状態や耐傷性を維持しつつ、撥油性にも優れていた。
1.積層体
2.基材
3.絵柄模様層
4.透明性樹脂層
5.表面保護層
6.着色隠蔽層
7.プライマー層
8.裏面プライマー層
9.接着剤層

Claims (7)

  1. 電離放射線硬化型樹脂の硬化物を含有する表面保護層を最表面に有する化粧シートであって、
    前記表面保護層は、表面のフッ素元素含有比率が30%以上であり、且つ、表面の炭素元素含有比率が28〜48%であり、
    基材上に、少なくとも絵柄模様層、透明性樹脂層及び前記表面保護層がこの順に積層されている、
    ことを特徴とする化粧シート
  2. 前記表面保護層は、表面のフッ素元素含有比率が50%以下である、請求項1に記載の化粧シート
  3. 前記表面保護層は含フッ素重合体を含む電離放射線硬化型樹脂組成物を用いて形成されており、前記含フッ素重合体の含有量は、前記電離放射線硬化型樹脂組成物を100質量%として0.25〜5質量%である、請求項1又は2に記載の化粧シート
  4. 前記表面保護層は含フッ素重合体を含む電離放射線硬化型樹脂組成物を用いて形成されており、前記含フッ素重合体は、フッ素アルキル基含有アルコキシシラン重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート
  5. 前記表面保護層は、艶消し剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート
  6. 前記基材は、ポリオレフィン系樹脂シートである、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シートを被着材に貼着してなる化粧板。
JP2015072242A 2015-03-31 2015-03-31 積層体及び化粧板 Active JP6641714B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072242A JP6641714B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 積層体及び化粧板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072242A JP6641714B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 積層体及び化粧板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016190436A JP2016190436A (ja) 2016-11-10
JP6641714B2 true JP6641714B2 (ja) 2020-02-05

Family

ID=57246121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015072242A Active JP6641714B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 積層体及び化粧板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6641714B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3756886A4 (en) * 2018-02-23 2021-03-31 Toppan Printing Co., Ltd. DECORATIVE SHEET, DECORATIVE MATERIAL AND PROCESS FOR THE PRODUCTION OF A DECORATIVE MATERIAL

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4597019B2 (ja) * 2004-09-30 2010-12-15 大日本印刷株式会社 化粧シート
JP2011043606A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルム
JP5471730B2 (ja) * 2010-03-31 2014-04-16 大日本印刷株式会社 化粧シート
EP2711182B1 (en) * 2011-05-16 2021-06-23 Toray Industries, Inc. Laminated film and molded body
JP6036490B2 (ja) * 2013-03-29 2016-11-30 大日本印刷株式会社 化粧シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016190436A (ja) 2016-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5003086B2 (ja) 化粧シート
JP4659752B2 (ja) 化粧材
JP4867179B2 (ja) 高光沢化粧シート
JP6015837B2 (ja) コーティング剤組成物及びこれを用いたシート
JP5471730B2 (ja) 化粧シート
JP5700100B2 (ja) 床材用化粧シート及び床用化粧材
JP2015227437A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、その硬化膜を用いた積層体及び成形体
JP4735171B2 (ja) 化粧材
JP6307792B2 (ja) 化粧シート及びその製造方法
JP6641714B2 (ja) 積層体及び化粧板
JP5012106B2 (ja) 化粧シート
JP6679834B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP2006272737A (ja) 化粧材
JP6627249B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
WO2018070356A1 (ja) 化粧シート及びその製造方法、並びに化粧材
WO2016158903A1 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP6582497B2 (ja) 化粧シート
JP5761393B2 (ja) 化粧シート
JP2014188744A (ja) 化粧シート
JP4347936B2 (ja) 化粧シート
JP6503829B2 (ja) 化粧材及び化粧板
JP6716877B2 (ja) 化粧板
JP5169694B2 (ja) 化粧シート
JP5796326B2 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP2016089483A (ja) 内装用化粧材、及び内装用化粧材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190212

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6641714

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150