JP2009233958A - 防湿化粧シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原紙と、該原紙上に積層される防湿コート層と、該防湿コート層上に積層される印刷層と、該印刷層上に積層される表面保護層とを有することを特徴とする防湿化粧シートである。
【選択図】図1
Description
この防湿化粧シートにおいては、通常、ラミネーション等によりポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルムを2つの原紙の間に挟み込んだ積層体原紙(以下、「積層体原紙」という。)が用いられている。例えば、特許文献1では、Tダイ押出機で加熱溶融したポリエチレン等の熱可塑性樹脂をゴムロールとチルロールでニップされたロール間に押し出してゴムロール側から供給される紙間強化紙とチルロール側から供給される紙間強化紙とをサンドラミネーションして紙間強化紙、熱可塑性樹脂層、紙間強化紙が順に積層された積層体原紙が提案されている。
本発明は、このような状況下で、高い防湿性を有すると共に、硬さが十分で凹みにくく、且つ木質基材との密着性や耐油性に優れる防湿化粧シートを提供することを課題とする。
1.原紙と、該原紙上に積層される防湿コート層と、該防湿コート層上に積層される印刷層と、該印刷層上に積層される表面保護層とを有することを特徴とする防湿化粧シート、
2.表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものである上記1に記載の防湿化粧シート、
3.防湿コート層が、合成ゴムラテックスを含む防湿剤を塗布してなる上記1又は2に記載の防湿化粧シート、及び
4.防湿コート層が、マイカを含んでなる上記1〜3のいずれかに記載の防湿化粧シート
を提供するものである。
印刷層4は、防湿コート層3と表面保護層5との接着を高めるプライマー層としての役割を兼ね備えることが好ましい。
本発明で使用する原紙は、例えば、薄葉紙、クラフト紙、一般紙、上質紙、リンター紙、バライタ紙、硫酸紙、和紙等が挙げられる。さらには、これらの紙中に、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂やスチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、メチルメタクリレートブタジエンゴム(MBR)等の合成ゴムラテックスを添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)した樹脂含浸紙でも良く、具体的には、隠蔽性に優れる二酸化チタン(チタン白)入り一般紙、紙間強化紙、含浸紙等が挙げられる。なお、二酸化チタンは、通常、原紙成分の5〜20質量%添加される。5質量%未満であると遮蔽性に劣り、また20質量%を超えて用いると抄造原紙の機械的特性が劣る場合があるので好ましくない。原紙には、通常、他の顔料や、紙力剤等の薬品を添加することができる。
本発明で用いられる原紙は、坪量が10〜100g/m2 である。その範囲未満であると充分な遮蔽ができず、それを超えるとコストアップになる。これらの観点から、より好ましい坪量は20〜80g/m2 である。
本発明の防湿化粧シート1の防湿コート層3に使用される防湿剤としては、合成ゴムラテックス、合成樹脂系エマルジョン等が挙げられ、合成ゴムラテックス単独又は合成ゴムラテックスと合成樹脂系エマルジョンとの併用が好ましい。
合成ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(SBRラテックス)、アクリロニトリルブタジエン系ラテックス(NBRラテックス)、メチルメタクリレート−ブタジエン系ラテックス(MBRラテックス)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス(NBR系エマルジョン)、クロロプレンラテックス(CR系エマルジョン)等が好ましく、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスが特に好ましい。このスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族ビニル化合物とブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン化合物及びこれらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体を乳化重合することによって得られる共重合体ラテックスである。芳香族ビニル化合物としてはスチレン、また、共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエンが好ましい。
また、合成樹脂系エマルジョンとしては、ビニル系樹脂を、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸によって変性したエマルジョンを使用することができる。
なお、上記のような合成樹脂系エマルジョンにおいて、それを形成するポリマ−としては、防湿性、耐ブロッキング性、耐機械的損傷性、折り曲げ性、易離解性、その他等の作用効果を奏するために、ガラス転移点が、−20℃〜50℃位の範囲のものを使用することが好ましい。
また、合成樹脂系エマルジョンとして、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体系エマルジョン(新中村化学株式会社製、商標「HT−9000−2K2」)、ポリ塩化ビニリデン系エマルジョン(東亜合成株式会社製、商標「アロンD−3071」)等が挙げられる。
マイカとしては、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母等が挙げられる。
これらのマイカの内、白雲母又は絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比等の点から好適である。本発明では平板性が保持されている顔料であればよいが、より好ましい平均粒子径(レーザー回折法による測定値)範囲としては1μm〜100μm、更に好ましい平均粒子径範囲としては5μm〜50μm である。平均粒子径が5μm 以下のものは塗工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりにくく、50μm 以上になると平板状顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層数が少なくなってしまうために防湿性能向上効果が減少する。また、好ましいアスペクト比(前記平均粒子径を厚さで除した値である。厚さはSEM又はTEMの電子顕微鏡の観察により測定した。)は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が10以上の平板状顔料である。アスペクト比が5以下のものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため防湿性能が劣る。アスペクト比は上限がなく、大きいほど平板状顔料の塗工層中における層数が大きくなるため高い防湿性能を発揮する。但し、工業的には、通常、アスペクト比が300以下のものが用いられる。
本発明において、防湿剤をコートする方法は、エアーナイフ塗工、グラビア塗工、ブレード塗工、バー塗工等の方法が使用できる。防湿剤の乾燥時の塗布量は3〜20g/m2 が望ましい。3g/m2 未満であると防湿性能が得られず反りが発生し、一方、20g/m2 を超えて用いても防湿性能を更に向上することはできずコスト的に不利となる。
一方、本願発明においては、たとえ、防湿コート層3上にマイクロクラックが発生した場合であっても、その防湿コート層3上に、印刷層4を設けることで、マイクロクラックを埋めることができるため、防湿性が向上する。更に、防湿コート層3自身が耐油性を持つので、原紙2と印刷層4との間に防湿コート層3を設けることにより耐油性が向上することとなる。
印刷層4は、着色インキ層又は透明インキ層であり、防湿コート層3と表面保護層5とを接着するプライマー層としての機能を併せ持つことが好ましい。着色インキ層は、全面ベタ層(隠蔽層として機能しても良い。)であり、防湿化粧シート1の表面に意図した色彩を与えることができる。一方、透明インキ層は、無着色又は着色の透明色で形成し、下地が持っている色彩や模様を活かすことができる。
また、本発明の防湿化粧シート1の印刷層4を用いた層構成としては、例えば、
(1)原紙/防湿コート層/着色インキ層/表面保護層
(2)原紙/防湿コート層/透明インキ層/表面保護層
(3)原紙/防湿コート層/透明インキ層/着色インキ層/表面保護層
(4)原紙/防湿コート層/着色インキ層/透明インキ層/表面保護層
等が挙げられ、着色インキ層又は透明インキ層上に、所望により更に絵柄インキ層を積層しても良い。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
透明インキ層に用いる透明インキとしては、着色インキと同様な上述のバインダーが用いられる。
この印刷層4は厚さ1〜20μm程度の、いわゆるベタ印刷層が好適に用いられる。
次に、表面保護層5は上述のように電離放射線硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物が架橋硬化したもので構成されることが好ましく、表面性能を向上させるためには電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化したもので構成されることが特に好ましい。ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、紫外線や電子線等の電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。本発明において、表面保護層5を好適に構成する電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂として重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマーを含有することが好ましい。ここで、重合性オリゴマーは、重合性プレポリマーをも含むものとする。
多官能性(メタ)アクリレート系モノマーとしては、2〜6官能の(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート系モノマーが特に好ましい。このような樹脂を用いることで、表面保護層として良好な保存安定性が得られると共に、表面保護層を形成するための樹脂を塗工した際の表面の状態を均一で平滑なものとすることができる。本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
この重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。重量平均分子量としては、通常250〜100,000程度のものが用いられる。
多官能シリコーンアクリレートプレポリマーとしては、従来公知のものが使用でき、有機基がアクリル基であって該有機基を複数(2官能以上)、好ましくは3つ以上を、より好ましくは4つ以上を、更に好ましくは6つ有する変性シリコーンオイルであれば、特に限定されない。また、変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限はない。
このような多官能シリコーンアクリレートプレポリマーとしては、電離放射線硬化性樹脂との相溶性を高める観点より、分子量3,000〜100,000、より好ましくは10,000〜30,000、官能基当量(分子量/官能基数)750〜25,000、より好ましくは3,000〜6,000の条件を有するものが用いられる。
上記多官能シリコーンアクリレートプレポリマーの含有量は、透明性を維持する観点より、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して1〜5質量部、より好ましくは1〜2質量部である。
上記の微粒子シリカの粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール等が、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等が用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が用いられる。
着色剤としては、例えばキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボンブラック等の公知の着色用顔料等が用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
また、照射線量に関しては、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy、好ましくは10〜100kGy、更に好ましくは30〜70kGyの範囲で選定される。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
本発明において、表面保護層5として熱硬化性樹脂組成物を用いる場合は、上記のように形成された未硬化樹脂層を、40〜100℃にて加熱圧着することが好ましい。
本発明においては、所望により、印刷層4と表面保護層5との間に絵柄インキ層を積層しても良い。
絵柄インキ層は防湿化粧シート1に装飾性を与えるものであり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、竹目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
絵柄インキ層に用いる絵柄インキとしては、上述の着色インキと同様に、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。バインダー及び着色剤としては特に制限はなく、着色インキと同様のものが用いられる。
防湿コート層3と表面保護層5との接着を高めるプライマー層としての役割を印刷層4が兼ね備えることが好ましいが、印刷層4又は絵柄インキ層と表面保護層5との接着、あるいは防湿コート層3と印刷層4との接着を高めるため、必要に応じそれらの層間にプライマー層を積層しても良い。プライマー層としては、通常、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール等の樹脂が用いられるが、本発明の防湿化粧シート1においては、プライマー層としてアクリル系の樹脂を用いることが好ましい。アクリル系樹脂を用いることで、耐油性が更に向上する。
アクリル系樹脂としては、前述のものと同様のものを使用することができる。
なお、印刷層4又はプライマー層は、表面保護層5を構成する電離放射線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂組成物が、原紙2中に浸透することを抑制する機能をも併せ持つものである。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基板の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また被着体となる該基板はプライマー層を形成する等の処理を施しても良い。
窯業系素材としては、石膏板、珪酸カルシウム板、木片セメント板等の窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル、火山灰を主原料とした板等が例示される。
これらの他、繊維強化プラスチック(FRP)の板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂を挟んだもの等、各種の素材の複合体も基板として使用できる。
金属板としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等からなるものを用いることができ、またこれらの金属をめっき等によって施したものを使用することもできる。
(評価方法)
各実施例及び比較例において、透湿度、温水浸漬剥離性、鉛筆硬度及び耐油性を以下の方法で評価した。
(1)透湿度
JIS Z0208(カップ法による測定)に準拠し、40℃、90%RHの条件下で透湿度を測定して、評価した。なお、透湿度の単位は、g/m2・24時間である。各実施例及び比較例において、原紙単体、原紙+防湿コート層、及び防湿化粧シートにつき評価した。
(2)浸漬剥離性
JAS 2類 浸漬剥離試験に準拠し、試験片を70±3℃の温水中に2時間浸漬した後、60±3℃で3時間乾燥した後測定し、剥離の有無を評価した。
(3)鉛筆硬度
JIS K5400 鉛筆引っ掻き試験に準拠し、1kg荷重にて測定した。鉛筆硬度が高い程、凹みにくく耐傷つき性が良好である。
(4)耐油性
ろ紙にサラダ油を十分に染み込ませ、そのろ紙を実施例及び比較例で得られた防湿化粧シートの表面に置き、24時間、室温で放置した。次いで、ろ紙を取り除き、防湿化粧シート表面に残存するアルコール分を中性洗剤で除去後、目視にて観察した(ろ紙法)。また、サラダ油を直接滴下して24時間、室温で放置した場合についても同様に観察した(直接滴下法)。判定基準を以下のようにしてろ紙法の場合と直接滴下法の場合とを総合評価した。
○:汚染物の残存は全くない
△:汚染物の残存はあるものの軽微なもので実用上特に問題がない
×:汚染物がスポットで残存し、実用上問題となる
原紙として、坪量30g/m2の一般紙を使用し、その一方の面に、水50質量部、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(ラテックス固形分50質量%;スチレン/ブタジエン/メタクリル酸(質量比)=34/47/19;Naイオンとして0.2質量%;アンモニウムイオンとして0.4質量%;ゲル分率93質量%;ガラス転移点(Tg)21℃)100質量部及びマイカ(湿式粉砕雲母粉;商品名「A−21」、山口雲母工業所(株)製;平均粒子径22μm、平均アスペクト比70)6質量部からなる防湿剤をバーコ−ト法で乾燥時の塗布量が3.6g/m2になるようにコ−ティングし、防湿コート層を形成した。
次に、形成された防湿コート層の上に、アクリル樹脂と硝化綿をバインダーとし、チタン白、弁柄、黄鉛を着色剤とする着色インキを用いて、塗工量20g/m2の全面ベタ層をグラビア印刷にて施して印刷層とした。
次いで、この印刷層の上に、3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、シリコーンアクリレートプレポリマー2質量部及び平均粒子径5.0μmのシリカ粒子10質量部とからなる電離放射線硬化性樹脂組成物を、塗工量5g/m2でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧150kV、照射線量30kGy(3Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層とした。次いで、70℃で24時間の養生を行い、図1に示す層構成である実施例1の防湿化粧シートを得た。この防湿化粧シートについて上記評価を行った結果を表1に示す。
防湿剤の乾燥時の塗布量を6.2g/m2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の防湿化粧シートを得た。この防湿化粧シートについて上記評価を行った結果を表1に示す。
実施例3
防湿剤の乾燥時の塗布量を12.4g/m2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の防湿化粧シートを得た。この防湿化粧シートについて上記評価を行った結果を表1に示す。
原紙として、坪量30g/m2の一般紙を使用し、その一方の面に、実施例1と同じ防湿剤をグラビアロ−ルコ−ト法で乾燥時の塗布量が12.4g/m2になるようにコ−ティングし、防湿コート層を形成した。
次に、原紙の、防湿コート層を形成した面とは反対側の面に、実施例1と同じ着色インキを用いて、塗工量20g/m2の全面ベタ層をグラビア印刷にて施して印刷層とした。
次いで、この印刷層の上に、実施例1と同じ電離放射線硬化性樹脂組成物を、塗工量5g/m2でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧150kV、照射線量30kGy(3Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層とした。次いで、70℃で24時間の養生を行い、図2に示す層構成である比較例1の防湿化粧シートを得た。この防湿化粧シートについて上記評価を行った結果を表1に示す。
比較例2
防湿コート層を形成しなかったこと以外は、比較例1と同様にして、図3に示す層構成である比較例2の防湿化粧シートを得た。この防湿化粧シートについて上記評価を行った結果を表1に示す。
2枚の紙間強化紙(坪量23g/m2及び坪量30g/m2)の一方がチルロール(冷却ロール)側から供給されるようにしてTダイ押出機から加熱溶融した高密度ポリエチレンを40μm厚さとなるように押し出して、上記の2枚の紙間強化紙を、高密度ポリエチレンを介して貼合して、図4に示すポリエチレン樹脂層6を有する積層体原紙を作製した。この積層体原紙の一方の面(2' 側:坪量30g/m2)に、実施例1と同じ着色インキを用いて、塗工量20g/m2の全面ベタ層をグラビア印刷にて施して印刷層とした。
次いで、この印刷層の上に、実施例1と同じ電離放射線硬化性樹脂組成物を、塗工量5g/m2でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧150kV、照射線量30kGy(3Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層とした。次いで、70℃で24時間の養生を行い、図4に示す層構成である比較例3の防湿化粧シートを得た。この防湿化粧シートについて上記評価を行った結果を表1に示す。
2、2' .原紙
3.防湿コート層
4.印刷層
5.表面保護層
6.ポリエチレン樹脂層
Claims (4)
- 原紙と、該原紙上に積層される防湿コート層と、該防湿コート層上に積層される印刷層と、該印刷層上に積層される表面保護層とを有することを特徴とする防湿化粧シート。
- 表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものである請求項1に記載の防湿化粧シート。
- 防湿コート層が、合成ゴムラテックスを含む防湿剤を塗布してなる請求項1又は2に記載の防湿化粧シート。
- 防湿コート層が、マイカを含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の防湿化粧シート。
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