JP4946760B2 - 発泡壁紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡壁紙に関する。
建築物の壁面内装等に発泡壁紙が使用されている。
従来より、一般的な壁紙として、紙質基材上にポリ塩化ビニル(PVC)樹脂層と柄印刷層とを設けたPVC壁紙が知られている。
例えば、特許文献1には、炭酸カルシウムを含有する裏打紙の上に炭酸カルシウム微粒子を充填した水性エマルジョン層を設け、その上に塩化水素と反応性を持つ多孔質無機剤と炭酸カルシウムと発泡剤とを含有したポリ塩化ビニルからなる発泡層を設けてなることを特徴とする発泡壁紙が開示されている。
このようなポリ塩化ビニルを発泡層の樹脂成分として使用する発泡壁紙は、優れた生産性及び難燃性を有する。
しかしながら、前記発泡壁紙は、耐汚染性及び表面強度が不十分である。
この耐汚染性及び表面強度の問題を解決するために、発泡層上に、樹脂成分としてウレタン樹脂やアクリル樹脂を有する表面保護層を設けることがある。
しかしながら、前記表面保護層を設ける場合には、生産性の面で問題がある。具体的に、前記表面保護層を設ける場合、発泡壁紙の作製において、発泡やエンボス加工を行った際、厚みにムラが生じたり、該表面保護層に亀裂が生じることがある。亀裂が生じる場合、耐汚染性及び表面強度低下の原因ともなる。
よって、優れた耐汚染性及び表面強度に加え、生産性にも優れたPVC壁紙の開発が切望されている。
特開平7−217144号公報
本発明は、耐汚染性、表面強度及び生産性に優れた発泡壁紙を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ポリ塩化ビニルを樹脂成分として用いて形成された発泡樹脂層上に特定の樹脂層を形成させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙の製造方法に関する。
1. 紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙の製造方法であって、
(1)紙質基材上に、樹脂成分としてポリ塩化ビニルを含む発泡剤含有樹脂層を形成する工程と、
(2)前記発泡剤含有樹脂層上に、未硬化の電離放射線硬化型樹脂層を形成する工程と、
(3)電離放射線の照射により、前記未硬化の電離放射線硬化型樹脂層を架橋硬化して非発泡樹脂層を形成する工程と、
(4)前記発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより発泡樹脂層を得る工程と、
(5)前記非発泡樹脂層のおもて面にエンボス加工を行う工程と、
を順に有することを特徴とする製造方法
2. 前記未硬化の電離放射線硬化型樹脂層の形成に先立ち、前記発泡剤含有樹脂層上に絵柄模様層を形成する工程を有する、上記項1に記載の製造方法。
3. 前記電離放射線硬化型樹脂がウレタン(メタ)アクリレートである、上記項1又は2に記載の製造方法。
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、樹脂成分としてポリ塩化ビニルを含む発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより得られ、
(2)前記非発泡樹脂層は、電離放射線硬化型樹脂が樹脂架橋し、硬化された電離放射線硬化型樹脂層である。
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する積層体である。例えば、前記発泡樹脂層と前記非発泡樹脂層との間に、絵柄模様層等を有していてもよい。
以下、紙質基材上に、前記発泡樹脂層、絵柄模様層及び前記非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙を代表例として本発明の発泡壁紙について具体的に説明する。
紙質基材
紙質基材は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜150g/m2程度がより好ましい。
発泡樹脂層
前記発泡樹脂層は、樹脂成分としてポリ塩化ビニルを含む発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより得られる。
ポリ塩化ビニルは、過酸化物触媒存在下、塩化ビニルを懸濁重合法、乳化重合法等により重合させることにより得られる。
前記発泡剤含有樹脂層には、樹脂成分として前記ポリ塩化ビニル以外に、塩化ビニルエチレン共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルエポキシ共重合体等の塩化ビニル共重合体をさらに含有させてもよい。特に、発泡壁紙の変色や脆弱化を効果的に防止できる点で、塩化ビニルエポキシ共重合体をさらに含有させることが好ましい。前記塩化ビニル共重合体は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
発泡剤としては、特に限定されず、例えば無機系発泡剤及び有機系発泡剤といった公知の発泡剤を使用できる。
無機系発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等が挙げられる。
有機系発泡剤としては、ニトロソ化合物、アゾ化合物、スルホニルヒドラジド化合物、アジド化合物等が挙げられる。ニトロソ化合物としては、例えばN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を例示できる。アゾ化合物としては、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレート等を例示できる。スルホニルヒドラジド化合物としては、例えばベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等を例示できる。アジド化合物としては、例えばカルシウムアジド、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジド等を例示できる。これら発泡剤は、単独又は二種以上で使用できる。
また、発泡剤としては、カプセル型発泡剤を使用することもできる。
カプセル型発泡剤としては、公知のものを用いればよい。例えば、炭化水素を内包する塩化ビニリデン等の小球を使用できる。
発泡剤の含有量は発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定すればよい。
また、前記発泡剤含有樹脂層は、発泡助剤を含んでいても良い。発泡助剤としては、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸、フタル酸、シュウ酸等が挙げられる。発泡助剤の含有量は、特に限定されず、発泡剤等に応じて適宜設定すればよい。
前記発泡剤含有樹脂層は、さらに、無機充填剤、顔料、難燃剤、熱安定剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
上記のうち、無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を用いることにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、前記樹脂層を構成する樹脂100重量部に対して、0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料、有機顔料等の公知の顔料を用いることができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。発泡剤含有樹脂層中における顔料の含有量は、特に限定されず、意匠性等の観点から適宜設定すればよい。
前記発泡剤含有樹脂層は、例えば、前記ポリ塩化ビニル、前記発泡剤等を含む樹脂組成物の塗液を前記紙質基材上に塗布することにより形成できる。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、グラビアコート法、コンマコート法等が挙げられる。この中でも特に、コンマコート法が好ましい。
前記樹脂組成物を塗布後、必要に応じて、得られた塗膜を乾燥させてもよい。乾燥条件については、前記塗膜の状態等に応じて適宜設定すればよい。
発泡剤含有樹脂層の厚みは限定的ではないが、通常は70〜150μm程度とすることが好ましい。
前記発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより、発泡樹脂層を形成させることができる。
加熱温度は、180〜240℃程度が好ましく、210〜230℃程度がより好ましい。前記発泡剤としてカプセル型発泡剤を使用する場合、加熱温度は140〜200℃程度が望ましい。
加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜調整すればよい。
発泡樹脂層の発泡倍率(発泡剤含有樹脂層からみた倍率)は、特に限定されないが、通常3倍以上、好ましくは4〜8倍程度である。発泡倍率が低すぎると優れた外観意匠を付与し難い。また、発泡倍率が高すぎると発泡樹脂層が機械的に弱くなり、耐スクラッチ性が低下しやすい。
前記発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類に応じて適宜設定できる。
なお、発泡樹脂層を形成させるための加熱は、後記絵柄模様層及び/又は非発泡樹脂層の形成前に行ってもよく、形成後に行ってもよい。特に、後記絵柄模様層及び非発泡樹脂層の形成後に前記発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることが好ましい。
前記発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、300〜800μm程度が好ましく、400〜700μm程度がより好ましい。
絵柄模様層
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、基材シートのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む公知の印刷インキが使用できる。
着色剤としては、前記顔料が使用できる。
ビヒクルは、基材シートの種類に応じて設定できるが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
印刷インキに含まれる溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは絵柄模様の種類より異なるが、0.1〜10μm程度が好ましい。
非発泡樹脂層
前記非発泡樹脂層は、電離放射線硬化型樹脂が樹脂架橋し、硬化された電離放射線硬化型樹脂層である。非発泡樹脂層として、前記電離放射線硬化型樹脂層を採用することにより、発泡壁紙の耐汚染性及び表面強度(耐スクラッチ性等)を向上させることができる。しかも、前記非発泡樹脂層を最表面に有する発泡壁紙は、生産性に優れている。
ここで、「生産性に優れている」とは、発泡壁紙の作製において発泡やエンボス加工を行った際、厚みにムラが生じたり、前記非発泡樹脂層に亀裂が生じることを効果的に回避することにより、高品質の発泡壁紙を効率よく生産できることを意味する。
また、電離放射線硬化型樹脂により非発泡樹脂層を形成する場合、発泡壁紙の耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高め易い。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
前記非発泡樹脂層は、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。耐候剤を含有する場合の種類、含有量については、透明性樹脂層における説明と同様である。
耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が好ましい。これらの耐候剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適である。これらの耐候剤の含有量は限定されないが、紫外線吸収剤・光安定剤ともに、透明性樹脂層中1000〜10000重量ppm程度とすればよい。
前記非発泡樹脂層は、例えば、前記絵柄模様層の上に前記電離放射線硬化型樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、電離放射線により前記樹脂を樹脂架橋させることにより形成できる。
非発泡樹脂層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常0.1〜50μm、好ましくは0.5〜10μm程度である。
エンボス
本発明の発泡壁紙のおもて面には、必要に応じてエンボス模様を付してもよい。
エンボス模様は、例えば、公知のエンボス版により付与できる。例えば、前記非発泡樹脂層のおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明の発泡壁紙は、発泡樹脂層上に、電離放射線硬化型樹脂を樹脂架橋させることにより得られる非発泡樹脂層を積層することにより、優れた耐汚染性及び表面強度を有する。
しかも、本発明の発泡壁紙は、生産性に優れている。具体的に、本発明の発泡壁紙を作製する際(発泡やエンボス加工を行った際)、厚みにムラが生じたり、表面の保護層に亀裂が生じることを効果的に回避できる。
さらに、本発明の発泡壁紙は、ポリ塩化ビニルを発泡層の樹脂成分として使用するため、優れた生産性及び難燃性を有する。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
発泡剤含有樹脂層を形成するために、下記表1に記載の成分を含む樹脂組成物を用意した。
Figure 0004946760
前記樹脂組成物を、コンマコーターを用いて、厚み110μmの紙質基材(坪量70g)上に塗工することにより膜厚100μmの塗膜を形成した。その後、得られた塗膜を90〜130℃で乾燥させることにより、発泡剤含有樹脂層を形成した。
次いで、前記発泡剤含有樹脂層上に、水性アクリルインキ(商品名「ハイドリック」大日精化工業製」を用いて布目模様をグラビア印刷機で印刷した。
そして、前記絵柄模様層上に、ウレタンアクリレート系電子線硬化型樹脂をロールコート法により固形分が15g/m2となるように塗工・乾燥して未硬化の電子線硬化型樹脂層を形成した。その後、酸素濃度200ppmの環境下において、未硬化樹脂層に加速電圧125KeV、5Mradの条件で電子線を照射して樹脂を硬化させることにより、15μm厚の電子線硬化型樹脂層(非発泡樹脂層)を有する積層体を得た。
得られた積層体を150〜190℃で加熱した。これにより、発泡剤が膨張し、発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とした。
さらに、発泡体のおもて側にエンボス加工を施して、布目模様パターンを賦型した。
以上の過程を経て、発泡壁紙を作製した。
比較例1
上記電子線硬化型樹脂層を形成する代わりに、上記絵柄模様層の上に、2液硬化型ウレタン系樹脂の塗液を塗工し(塗布量:3g/m)、乾燥させた以外は、実施例1と同様の方法により、発泡壁紙を作製した。
比較例2
上記電子線硬化型樹脂層を形成する代わりに、上記絵柄模様層の上に、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂によるフィルムを60メッシュのグラビアロールで押圧しながら、接着剤(商品名「90A14」ソニーケミカル株式会社製)を用いて貼着した以外は、実施例1と同様の方法により発泡壁紙を作製した。
試験例1(耐汚染性)
実施例1及び比較例1〜2で得られた発泡壁紙の耐汚染性を調べた。
具体的には、日本ビニル工業会ビニル建装部会制定の「汚れ防止壁紙性能規定」に準拠して行った。汚染物(コーヒー、醤油、水性サインペン、赤クレヨン)を試験片表面に付着させ24時間放置後に拭取り、汚れの残り具合を目視にて確認し、汚れがほとんど残らないものを「○」、汚れが少量残るものを「△」、汚れがかなり残るものを「×」と評価した。
結果を表2に示す。
試験例2(表面強度)
実施例1及び比較例1〜2で得られた発泡壁紙の耐スクラッチ性を確認することにより、該発泡壁紙の表面強度を評価した。
試験・評価は、日本ビニル工業会ビニル建装部会制定の「表面強化壁紙性能規定」に準拠して行った。具体的には、次の手順に従って試験・評価を行った。
学振摩耗試験機(JIS L0849 摩耗試験機II型)に試験片(発泡壁紙)を取り付けた。試験機の摩擦子として同部会指定の金属製爪を用いて、金属爪先端に200g荷重をかけて試験片上を5往復させた。試験片の試験後の表面状態を肉眼観察した。
前記規定における耐スクラッチ性の評価は、5級:変化なし、4級:表面に少し変化あり、3級:表面が破けて見える、2級:表面が破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm未満)、1級:表面が破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm以上)の5段階である。
試験例3では、上記5〜4級に該当するものを○と評価し、3級に該当するものを△と評価し、2〜1級に該当するものを×と評価した。
結果を表2に示す。
Figure 0004946760

Claims (3)

  1. 紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に有する発泡壁紙の製造方法であって、
    (1)紙質基材上に、樹脂成分としてポリ塩化ビニルを含む発泡剤含有樹脂層を形成する工程と、
    (2)前記発泡剤含有樹脂層上に、未硬化の電離放射線硬化型樹脂層を形成する工程と、
    (3)電離放射線の照射により、前記未硬化の電離放射線硬化型樹脂層を架橋硬化して非発泡樹脂層を形成する工程と、
    (4)前記発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより発泡樹脂層を得る工程と、
    (5)前記非発泡樹脂層のおもて面にエンボス加工を行う工程と、
    を順に有することを特徴とする製造方法
  2. 前記未硬化の電離放射線硬化型樹脂層の形成に先立ち、前記発泡剤含有樹脂層上に絵柄模様層を形成する工程を有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記電離放射線硬化型樹脂がウレタン(メタ)アクリレートである、請求項1又は2に記載の製造方法。
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