JP5686511B2 - 発泡化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、発泡化粧シートに関する。
従来、発泡化粧シート(発泡壁紙)としては、基材(例えば、裏打紙)に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮して発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂などの、ハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
例えば、アクリル樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とを含むエマルションに、マイクロカプセル型発泡剤を添加した塗料を、基材に塗工・乾燥後、表面に絵柄模様を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる発泡化粧シートが知られている。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に熱分解型発泡剤を添加した樹脂組成物からなる未発泡樹脂層を、Tダイ押出機を用いて基材上に形成後、表面に絵柄模様層を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる発泡化粧シートが知られている。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
ところで、従来のオレフィン系の化粧シートでは、表面強度が弱いため、その補強が必要となる。その方法として、例えば1)発泡樹脂層の発泡倍率を低めに抑える方法、2)発泡樹脂層上にフィルム層や厚い塗工膜を設ける方法等が提案されている。
しかしながら、前記1)の方法では、化粧シート施工時に下地の不陸を隠蔽することができない。また、前記2)の方法では、化粧シート自体が硬くなるため、折れシワやカールが発生しやすいという問題がある。
従って、本発明は、これらの欠点が改善され、表面強度に優れた発泡化粧シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の発泡樹脂層を採用することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の発泡化粧シートに係る。
1.基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡化粧シートであって、
(1)前記発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層が、
(i)メタクリル酸の含有量が4〜20重量%であるエチレン−メタクリル酸共重合体及びアクリル酸の含有量が4〜20重量%であるエチレン−アクリル酸共重合体の少なくとも1種、並びに
(ii)2:1型構造であって、かつ、単位組成当たりの層電荷の値が0.2以上であるスメクタイト族の層状珪酸塩鉱物
を含む樹脂組成物によって形成された層であ
(3)前記樹脂組成物中、前記層状珪酸塩鉱物が、前記(i)で表される重合体100重量部に対して5〜20重量部含有し、
(4)前記樹脂組成物中における前記(i)で表される重合体の含有量が、80〜100重量%の範囲内である、
ことを特徴とする発泡化粧シート。
2.前記発泡剤含有樹脂層が、電子線照射により架橋されている、上記項1に記載の発泡化粧シート。
3.基材上に、非発泡樹脂層B、前記発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に形成されている、上記項1又は2に記載の発泡化粧シート。
4.発泡化粧シートの最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項1〜のいずれかに記載の発泡化粧シート。
5.上記項1〜のいずれかに記載の発泡化粧シートからなる発泡壁紙。
以下、本発明の発泡化粧シートについて詳細に説明する。
1.発泡化粧シート
本発明の発泡化粧シートは、基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡化粧シートであって、
(1)前記発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層が、
(i)アクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種をモノマーとして得られる重合体、並びに
(ii)2:1型構造であって、かつ、単位組成当たりの層電荷の値が0.2以上である層状珪酸塩鉱物
を含む樹脂組成物によって形成された層である、
ことを特徴とする。
上記した特徴を有する本発明の発泡化粧シートは、発泡樹脂層中において、前記重合体と前記層状珪酸塩鉱物が相互作用するため、優れた耐傷性及び表面強度を達成することができる。
基材
基材の材質は、化粧シート基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されない。例えば、繊維質シートなどが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
本発明では、必要に応じて基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、基材と発泡樹脂層との優れた密着性が得られる。
非発泡樹脂層Bとしては、例えば、低密度ポリエチレン重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を好適に用いることができる。
非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、10〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。
発泡剤含有樹脂層は、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層である。
アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体(本発明重合体)としては、例えばアクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体を好適に用いることができる。より具体的には、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが好ましい。
前記共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は4〜20重量%程度であることが好ましい。このような樹脂に関して、市販品を使用することもできる。
また、樹脂成分のメルトフローレート値(JIS K7210:190℃,2.16kg)は、用いる重合体の種類等によるが、通常は3〜200g/10分とすることが好ましい。
樹脂組成物中における本発明重合体の含有量は限定的ではないが、通常80〜100重量%の範囲内で適宜設定することが好ましい。
発泡剤は、特に限定されないが、熱分解型発泡剤を好適に用いることができる。熱分解型発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率(発泡剤含有樹脂層の厚さに対する発泡樹脂層の厚さ)等に応じて適宜設定できる。発泡倍率は1.5倍以上が好ましく、3〜8倍程度がより好ましい。この観点からは、熱分解型発泡剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して1〜20重量部程度が好ましい。
なお必要に応じて、一層の発泡効果を挙げるために発泡剤の分解を促進する発泡助剤を併用することができる。その発泡助剤としては使用する発泡剤の種類により異なるが、例えば発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いる場合には発泡助剤として、アジピン酸ジヒドラジド、酸化亜鉛、硫酸鉛、尿素、ステアリン酸亜鉛等が用いられる。発泡助剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部程度がより好ましい。
本発明の発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物には、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含有するだけでなく、層状珪酸塩鉱物も含有する。前記樹脂組成物により形成された発泡含有樹脂層が発泡した後、前記重合体は層状珪酸塩鉱物と相互作用する。その結果、耐傷性に優れた、高い表面強度を有する発泡化粧シートが得られる。
前記層状珪酸塩鉱物は、2:1型構造であり、かつ、単位組成当たりの層電荷の値が0.2以上である。2:1型構造とは、Si−O四面体の2次元的な繋がりによって形成される四面体シート(ここではTとする)と、この四面体シートの網状の繋がりによって形成される八面体シート(ここではO’とする)が、「T−O’−T」のように組み合わさって2:1層が形成され、この2:1層が積み重なって形成される構造を意味する。
層電荷とは、2:1層における負の荷電を意味し、単位組成式(X2−3(Si,Al)10(OH))当たりの電荷の絶対値で表される。尚、層電荷は、鉱物の結晶全体を結びつける力の強さを表すものとみることができる。層電荷の値が大きければ、層間の陽イオンを保持する力が強い。
層状珪酸塩鉱物は、層内の陽イオン置換のために単位構造である2:1層が負の荷電を帯びている。層状珪酸塩鉱物は、上記2:1層が負の荷電を帯びることによって、層間に含まれる陽イオン等による正の荷電とバランスを保っている。
層状珪酸塩鉱物が、前記重合体と相互作用する理由は、負の荷電を帯びた層状珪酸塩鉱物の構造単位である2:1層が、重合体中のカルボキシル基(−COOH)と結合、配位等の相互作用をするためと解される。上記した相互作用によって、本発明の発泡化粧シートが、優れた耐傷性及び高い表面強度を有するものと解される。
2:1型構造の層状珪酸塩鉱物であり、かつ、単位組成当たりの層電荷の値が0.2以上である層状珪酸塩鉱物としては、例えば、スメクタイト族、雲母族、バーミキュライト族、脆雲母族及び緑泥石族からなる群から選ばれる少なくとも一種の層状珪酸塩鉱物が挙げられる。
スメクタイト族としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ボルコンスコアイト、スチーブンサイト、スインホルダイト、ベントナイト(モンモリロナイトを主成分とし、石英、雲母、長石、ゼオライト等を含む粘土)等が挙げられる。
雲母(マイカ)族としては、鉄雲母、金雲母、黒雲母、イーストナイト、シデロフィライト、テトラフェリ鉄雲母、鱗雲母、ポリリシオナイト、白雲母、セラドン石、鉄セラドン石、鉄アルミノセラドン石、アルミノセラドン石、砥部雲母、ソーダ雲母等が挙げられる。
バーミキュライト族としては、3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライト等が挙げられる。
脆雲母族としては、クリントナイト、木下、ビテ雲母、アナンダ石、真珠雲母等が挙げられる。
緑泥石族としては、クリノクロア、シャモサイト、ペナンタイト、ニマイト、ベイリクロア、ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイト等が挙げられる。
上記した層状珪酸塩鉱物の中でも、スメクタイト族及び雲母族からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
なお、2:1型構造ではない層状珪酸塩鉱物、又は単位組成当たりの層電荷の値が0.2未満である層状珪酸塩鉱物では、本発明の効果が得られない。例えば、カオリナイトは1:1型構造の鉱物であって、2:1型とは異なり、1:1層内で電気的にバランスを保っており、層電荷は0である。また、タルクは、2:1型構造の鉱物であるが、層電荷は0である。これらのような層状珪酸塩鉱物では、本発明の効果が得られない。
層状珪酸塩鉱物の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、5〜20重量部が好ましい。
層状珪酸塩鉱物は、特に限定されないが、粉末状であることが好ましい。層状珪酸塩鉱物が粉末状である場合、平均粒径は特に限定されないが、0.1〜1000μmが好ましく、1〜100μmがより好ましい。
尚、層状珪酸塩鉱物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
樹脂組成物には、各種添加剤を加えてもよい。例えば、無機充填剤、顔料などである。その他、安定剤、滑剤等も添加剤として用いることができる。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡化粧シートの種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜40重量部程度が好ましい。
顔料については、例えば二酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
非発泡樹脂層A
発泡樹脂層のおもて面には、更に非発泡樹脂層Aを形成してもよい。
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。例えば、本発明では、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体、ポリプロピレン重合体、高密度ポリエチレン重合体、硬質塩化ビニル重合体、ポリカーボネート重合体等、硬質性を有する樹脂成分を含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層とすることが好ましい。なかでも、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体がより好ましい。より具体的には、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが望ましい。アイオノマー樹脂としては、エチレン−メタクリル酸共重合体及び/又はエチレン−アクリル酸共重合体の分子間をナトリウム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂が使用できる。このような樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。これらは、公知又は市販のものを使用することができる。
前記共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は4〜15重量%程度であることが好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。前記樹脂組成物には、公知の添加剤を配合することもできる。
非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、10〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
また、樹脂組成物中の前記樹脂成分の含有量は限定的ではないが、通常70〜100重量%の範囲内で適宜設定することが好ましい。
絵柄模様層
本発明では、非発泡樹脂層Aのおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡化粧シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡化粧シートの種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Aのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層を形成しても良い。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
表面保護層(オーバーコート層)
本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
発泡化粧シートの表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。またその配合は、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度とすることが好ましく、特に1〜4重量部とすることがより好ましい。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
エンボス
本発明では、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、発泡化粧シートの最表面層(基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
2.発泡化粧シートの製造方法
発泡化粧シートの製造方法は特に限定されない。
例えば、上記発泡剤含有樹脂層の各材料を樹脂の融点以上、発泡剤が発泡しない条件下でバンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール、単軸押出機、二軸押出機当の公知の混錬機で溶融混錬し、カレンダー、Tダイ等の公知のシート成形機にてシート状にした後、基材上に発泡剤含有シートをラミネートする。この際、必要に応じて発泡剤含有シートの上下、若しくは一方に非発泡層を積層してもよい。次に、発泡剤含有樹脂層又は非発泡樹脂層上に絵柄層模様層と表面保護層を形成し、その後、発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。(加熱温度は200〜220℃程度、加熱時間は30〜45秒程度である。)
なお、前記加熱処理の前に、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋できるため、発泡化粧シートの表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
また、電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を形成した場合には、発泡剤含有樹脂層あるいは非発泡樹脂層の樹脂成分を電子線照射によって架橋させると同時(同処理)に表面保護層を硬化させることができる。つまり、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層、絵柄模様層及び電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を順に形成後、電子線照射を行って、発泡剤含有樹脂層および非発泡樹脂層に含まれる樹脂成分を架橋するとともに表面保護層に含まれる樹脂を硬化させることができる。
ここで、上記電離放射線硬化型樹脂は、表面保護層樹脂組成物に限らず、発泡樹脂層樹脂組成物、非発泡層樹脂組成物のいずれか、もしくはその全てに添加することができる。発泡樹脂層樹脂組成物および非発泡層樹脂組成物に電離放射線硬化型樹脂を添加することにより、その樹脂成分の架橋を促進させることが可能となる。
本発明の発泡化粧シートは、発泡樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種をモノマーとして得られる重合体、並びに2:1型構造であって、かつ、単位組成当たりの層電荷の値が0.2以上である層状珪酸塩鉱物を含む樹脂組成物によって形成された発泡剤含有樹脂層を発泡させることによって、前記重合体と前記層状珪酸塩鉱物が相互作用し、優れた耐傷性及び表面強度を達成することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
発泡剤含有樹脂組成物を、以下のような配合で110℃にて10分間混練した後、厚みが100μmとなるように製膜し、裏打紙と貼り合わせた。その後、電子線照射を行い、発泡剤含有樹脂組成物中の樹脂成分を架橋させた。最終的に、発泡剤含有樹脂層上に平板印刷機(GP−II)によりOP「AL−TOP402B、大日精化製」コートを行い、ギアオーブンにて加熱(220℃×45秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を5〜7倍程度発泡させ、所望の発泡化粧シートを作製した。
発泡剤含有樹脂組成物:
樹脂 EMAA「ニュクレルN1560(メタクリル酸含有量=15重量%、メルトフローレート値(MFR)=60)、三井・デュポン ポリケミカル製」100重量部、
二酸化チタン「タイペーク CR−63、石原産業製」40重量部、
発泡剤 ADCA(アゾジカルボンアミド)「AZウルトラ3050I、大塚化学製」7.1重量部、
層状珪酸塩鉱物 ベントナイト「ベンゲルA、日本有機粘土製」20重量部、
発泡助剤 アジピン酸ジヒドラジド「ADHS、大塚化学製」4.7重量部、
安定剤 低分子量ポリエチレン「エクセレックスDM01、三井化学製」2.5重量部。
実施例2
樹脂成分として、EMAAの代わりに、EAA「レスクパールAS211S(アクリル酸含有量=8.5重量%、MFR=25)、日本ポリエチレン製」を用いる以外は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
実施例3
層状珪酸塩鉱物の含有量を、20重量部に代えて、5重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
実施例4
層状珪酸塩鉱物として、ベントナイトの代わりに、マイカ「A−11、山口雲母工業所製」を用いる以外は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例1
樹脂成分として、EMAAの代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)「エバフレックスV406(酢酸ビニル含有量=20重量%、MFR=20)、三井・デュポン ポリケミカル製」を用いる以外は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例2
樹脂成分として、EMAAの代わりに、ポリエチレン樹脂(PE)「サンプルD、日本ポリエチレン製」を用いる以外は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例3
樹脂成分として、EMAAの代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)「エバフレックスV406、三井・デュポン ポリケミカル製」を用いる以外は、実施例4と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例4
層状珪酸塩鉱物として、ベントナイトの代わりに、カオリナイト「Eckalite 1、イメリス製」を用いる以外は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例5
層状珪酸塩鉱物として、ベントナイトの代わりに、タルク「TTタルク、竹原化学工業製」を用いる以外は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例6
層状珪酸塩鉱物を使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例7
層状珪酸塩鉱物を使用しない以外は、実施例2と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例8
層状珪酸塩鉱物を使用しない以外は、比較例1と同様にして発泡化粧シートを作製した。
比較例9
層状珪酸塩鉱物を使用しない以外は、比較例2と同様にして発泡化粧シートを作製した。
試験例(耐スクラッチ試験)
耐スクラッチ試験は、日本ビニル工業会建装部会制定の「表面強化壁紙性能規定」に準拠して行った。即ち、学振摩耗試験機(JIS L0849 摩耗試験機II型)に試験片を取り付け、その試験機の摩擦子に同部会指定の金属製爪を用い、金属爪先端に200gの荷重をかけ、試験片上を5往復させて、試験片の試験後の表面状態を観察し、表面の傷つき具合で判断した。上記規定によれば、1級〜5級の5段階で評価され、
5級:変化なし
4級:表面に少し変化あり
3級:表面が破けて見える
2級:表面が破けて紙などの裏打材が見える(長さ1cm未満)
1級:表面が破けて紙などの裏打材が見える(長さ1cm以上)
とされている。本評価では、それを◎、○、△、×で示し、
◎:5級
○:4級
△:3級
×:2〜1級
とした。
実施例及び比較例で得られたシートに関して、耐スクラッチ性について調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0005686511
以上の結果からも明らかなように、本発明の発泡化粧シートは、発泡樹脂層に特定の樹脂成分と特定の層状珪酸塩鉱物の組み合わせを採用することによって、発泡成型後においても優れた耐傷性及び表面強度が奏される。

Claims (5)

  1. 基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡化粧シートであって、
    (1)前記発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
    (2)前記発泡剤含有樹脂層が、
    (i)メタクリル酸の含有量が4〜20重量%であるエチレン−メタクリル酸共重合体及びアクリル酸の含有量が4〜20重量%であるエチレン−アクリル酸共重合体の少なくとも1種、並びに
    (ii)2:1型構造であって、かつ、単位組成当たりの層電荷の値が0.2以上であるスメクタイト族の層状珪酸塩鉱物
    を含む樹脂組成物によって形成された層であ
    (3)前記樹脂組成物中、前記層状珪酸塩鉱物が、前記(i)で表される重合体100重量部に対して5〜20重量部含有し、
    (4)前記樹脂組成物中における前記(i)で表される重合体の含有量が、80〜100重量%の範囲内である、
    ことを特徴とする発泡化粧シート。
  2. 前記発泡剤含有樹脂層が、電子線照射により架橋されている、請求項1に記載の発泡化粧シート。
  3. 基材上に、非発泡樹脂層B、前記発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に形成されている、請求項1又は2に記載の発泡化粧シート。
  4. 発泡化粧シートの最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項1〜のいずれかに記載の発泡化粧シート。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の発泡化粧シートからなる発泡壁紙。
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