JP2016185040A - 制御装置及び車載用電動圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】停止中のロータの磁極位置を精度よく把握することができる制御装置及び車載用電動圧縮機を提供すること。【解決手段】車載用三相モータを駆動するインバータの制御装置は、各相コイルのそれぞれに対して、正方向及び負方向にメインパルス幅の電圧を印加するメイン電圧印加を行い、当該メイン電圧印加によって流れる6つのピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)を把握する。そして、制御装置は、Ipu(+)〜Ipw(+)とIpu(−)〜Ipw(−)との加算値Iu(+)〜Iw(+)を算出する処理と、3つの加算値Iu(+)〜Iw(+)を三相二相変換する三相二相変換処理と、三相二相変換処理の変換結果に基づいて、停止中のロータの磁極位置である初期位置θtを導出する処理とを実行する。【選択図】図9

Description

本発明は、車載用三相モータを駆動するインバータの制御装置及び車載用電動圧縮機に関する。
従来から、例えば車載用電動圧縮機等に設けられた車載用三相モータを駆動するインバータが知られている(例えば特許文献1参照)。このような車載用三相モータにおいては、起動時等において停止中のロータの磁極位置を把握する必要が生じ得る。
ここで、停止中のロータの磁極位置を把握するための構成としては、例えば位置センサを設けることが考えられる。しかしながら、位置センサを設けることは部品点数の増加等が懸念される。また、車載用三相モータの設置環境等によっては位置センサを設けることが困難となる場合がある。これに対して、例えば、特許文献2に示すように、車載用三相モータのコイルが磁気飽和する特性を利用して、停止中のロータの磁極位置が存在する範囲を推定することが考えられる。
特開2007−318824号公報 特許第4680280号公報
ここで、車載用三相モータを精度よく制御するためには、停止中のロータの磁極位置が存在する範囲ではなく、停止中のロータの磁極位置の具体的な数値(角度)を把握したい場合がある。このため、停止中のロータの磁極位置を把握するための構成には未だ改善の余地がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、車載用三相モータを駆動するインバータの制御装置であって、停止中のロータの磁極位置を精度よく把握することができる制御装置及び車載用電動圧縮機を提供することである。
上記目的を達成する制御装置は、永久磁石付きのロータ、u相コイル、v相コイル及びw相コイルを有する車載用三相モータを駆動するインバータの制御装置であって、前記各相コイルのそれぞれに対して、正方向及び負方向に所定のパルス幅の電圧を印加する電圧印加部と、前記電圧印加部による電圧印加によって流れる、正方向のu相電流、負方向のu相電流、正方向のv相電流、負方向のv相電流、正方向のw相電流、負方向のw相電流を把握する電流把握部と、前記正方向のu相電流と前記負方向のu相電流とを加算したu相加算値と、前記正方向のv相電流と前記負方向のv相電流とを加算したv相加算値と、前記正方向のw相電流と前記負方向のw相電流とを加算したw相加算値と、を算出する加算部と、前記加算部の算出結果である3つの加算値を三相二相変換する加算変換部と、前記加算変換部の変換結果に基づいて、停止中の前記ロータの磁極位置を導出する導出部と、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、制御装置は、ロータの回転位置に対する各加算値の波形が互いに120度ずつ位相がずれていることに着目して、3つの加算値を三相二相変換し、その変換された2つの変換値に基づいて停止中のロータの磁極位置を導出する。当該導出される磁極位置は、範囲ではなく具体的な数値(角度)である。よって、磁極位置が存在する範囲を導出する構成と比較して、精度よく磁極位置を把握することができる。なお、正方向の電流は正の値であり、負方向の電流は負の値である。
上記制御装置について、前記電圧印加部は、前記各相コイルのそれぞれに対して、正方向及び負方向に第1パルス幅の電圧を印加する第1電圧印加と、前記第1電圧印加が行われた後に、再度、前記各相コイルのそれぞれに対して、正方向及び負方向に前記第1パルス幅よりも広い第2パルス幅の電圧を印加する第2電圧印加と、を行うものであり、前記制御装置は、前記第1電圧印加が行われた場合における前記電流把握部の把握結果に基づいて、前記第2パルス幅を算出するパルス幅算出部を備えているとよい。
相コイルを磁気飽和させるためには、パルス幅を、ある程度長く設定する必要がある。しかしながら、パルス幅が長くなると、ロータが回転してしまう。これに対して、本構成によれば、第2パルス幅を用いた第2電圧印加の実行前に、第2パルス幅よりも狭い第1パルス幅を用いた第1電圧印加を実行することにより、ロータが回転してしまうことを抑制しつつ、現状の相コイルの状態を把握できる。そして、第1電圧印加によって得られた電流把握部の把握結果に基づいて、第2パルス幅を算出することにより、ロータが回転しない範囲で磁気飽和するように第2電圧印加を行うことができる。よって、ロータが回転することを抑制しつつ、初期位置を精度よく導出できる。
上記制御装置について、前記インバータの入力電圧を検出する入力電圧検出部を備え、前記パルス幅算出部は、前記入力電圧に基づいて前記第1パルス幅を算出し、且つ、前記入力電圧と前記第1電圧印加が行われた場合における前記電流把握部の把握結果とに基づいて前記第2パルス幅を算出するとよい。かかる構成によれば、入力電圧の変動に起因して、電圧印加時にロータが誤って回転してしまったり、第2電圧印加時に磁気飽和が起きなかったりする不都合を抑制できる。
上記制御装置について、前記正方向のu相電流から前記負方向のu相電流を減算したu相減算値と、前記正方向のv相電流から前記負方向のv相電流を減算したv相減算値と、前記正方向のw相電流から前記負方向のw相電流を減算したw相減算値と、を算出する減算部と、前記減算部の算出結果である3つの減算値を三相二相変換する減算変換部と、を備え、前記導出部は、前記加算変換部の変換結果から導出される第1初期角度と、前記減算変換部の変換結果から導出される第2初期角度とを用いることにより、停止中の前記ロータの磁極位置を導出するとよい。
正の値である正方向の電流から、負の値である負方向の電流を減算する関係上、減算値の絶対値は、加算値の絶対値よりも大きくなる。このため、3つの減算値を三相二相変換して、その変換結果から導出される第2初期角度は、誤差が小さくなり易い。しかしながら、減算する関係上、磁気飽和特性による電流の変化が無くなるため、1つの第2初期角度に対して、180度異なる2つの磁極位置が対応することとなり、いずれの値が真値であるかを特定することができない。
これに対して、加算値は、磁気飽和特性を示すパラメータである。このため、3つの加算値を三相二相変換し、その変換結果から導出される第1初期角度と磁極位置とは1対1で対応する。また、加算値の絶対値は減算値の絶対値よりも小さいため、第1初期角度の誤差は第2初期角度の誤差と比較して大きくなり易いが、第1初期角度の誤差は、1つの第2初期角度に対応する2つの磁極位置の差である180度よりも十分に小さい。このため、第1初期角度を用いることにより、1つの第2初期角度に対応する2つの磁極位置のうち、いずれが真値であるかを特定できる。よって、より精度よく停止中のロータの磁極位置を把握できる。
上記目的を達成する車載用電動圧縮機は、前記車載用三相モータと、前記車載用三相モータによって駆動されるものであって流体を圧縮する圧縮部と、上述した制御装置と、を備えていることを特徴とする。かかる構成によれば、車載用電動圧縮機において、停止中のロータの磁極位置を精度よく把握できる。
この発明によれば、停止中のロータの磁極位置を精度よく把握することができる。
制御装置、車載用電動圧縮機及び車両空調装置の概要を示す模式図。 インバータ及び制御装置の電気的構成を示す回路図。 正方向に電流を流した場合におけるu相コイルのインダクタンスの特性を示すグラフ。 負方向に電流を流した場合におけるu相コイルのインダクタンスの特性を示すグラフ。 パルス電圧を印加した場合の相電流を示すグラフ。 初期位置把握処理のフローチャート。 6つのパターンを説明するための概念図。 (a)〜(f)は6つのパワースイッチング素子の状態を示すタイミングチャートであり、(g)〜(i)は3つの相電流の時間変化を示すタイミングチャート。 初期位置導出処理のフローチャート。 加算値を示すグラフ。 第1初期角度の計算結果を示すグラフ。 第1初期角度の誤差を示すグラフ。 減算値を示すグラフ。 第1初期角度及び第2初期角度の計算結果を示すグラフ。 初期位置の誤差を示すグラフ。
以下、制御装置及び当該制御装置が搭載された車載用電動圧縮機の一実施形態について説明する。本実施形態の車載用電動圧縮機は例えば車両空調装置に用いられる。つまり、本実施形態において車載用電動圧縮機の圧縮対象の流体は冷媒である。
図1に示すように、車両空調装置100は、車載用電動圧縮機10と、車載用電動圧縮機10に対して冷媒を供給する外部冷媒回路101とを備えている。外部冷媒回路101は、例えば熱交換器及び膨張弁などを有している。車両空調装置100は、車載用電動圧縮機10によって冷媒が圧縮され、且つ、外部冷媒回路101によって冷媒の熱交換及び膨張が行われることによって、車両の室内の冷暖房を行う。
なお、車両空調装置100は、当該車両空調装置100の全体を制御する空調ECU102を備えている。空調ECU102は、車内温度や設定温度等を把握可能に構成されており、これらのパラメータに基づいて、車載用電動圧縮機10に対してON/OFF指令等といった各種指令を送信する。
車載用電動圧縮機10は、外部冷媒回路101から冷媒が吸入される吸入口11aが形成されたハウジング11と、ハウジング11に収容された圧縮部12及び電動モータとしての車載用三相モータ13とを備えている。
ハウジング11は、全体として略円筒形状である。ハウジング11には、冷媒が吐出される吐出口11bが形成されている。
圧縮部12は、吸入口11aからハウジング11内に吸入された冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出口11bから吐出させるものである。なお、圧縮部12の具体的な構成は、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。
車載用三相モータ13は、圧縮部12を駆動させるものである。車載用三相モータ13は、例えばハウジング11に対して回転可能に支持された円柱状の回転軸21と、当該回転軸21に対して固定された円筒形状のロータ22と、ハウジング11に固定されたステータ23とを有する。ロータ22は、磁石22aが埋設された円筒形状のロータコア22bを有している。磁石22aは永久磁石である。回転軸21の軸線方向と、円筒形状のハウジング11の軸線方向とは一致している。ステータ23は、円筒形状のステータコア24と、当該ステータコア24に形成されたティースに捲回されたコイル25とを有している。ロータ22及びステータ23は、回転軸21の径方向に対向している。
図1に示すように、車載用電動圧縮機10は、車載用三相モータ13を駆動させる駆動回路としてのインバータ31と、当該インバータ31が収容されたケース32とを有するインバータユニット30を備えている。車載用三相モータ13のコイル25とインバータ31とは図示しないコネクタ等によって接続されている。ケース32は、固定具としてのボルト41によってハウジング11に固定されている。すなわち、本実施形態の車載用電動圧縮機10には、インバータ31が一体化されている。
インバータ31は、例えば回路基板51と、当該回路基板51と電気的に接続されたパワーモジュール52とを備えている。回路基板51には、各種電子部品及び配線パターンが実装されており、例えばインバータ31の入力電圧Vdを検出する入力電圧検出部としての電圧センサ53等が実装されている。ケース32の外面にはコネクタ54が設けられており、回路基板51とコネクタ54とが電気的に接続されている。コネクタ54を介して、DC電源Eからインバータ31に電力供給が行われるとともに、空調ECU102とインバータ31とが電気的に接続されている。
ここで、DC電源Eとは例えば車両に搭載された蓄電装置である。蓄電装置は、例えばバッテリや電気二重層キャパシタ等である。この場合、インバータ31に入力電圧Vdは、蓄電装置の状態(例えばバッテリのSOC)に応じて変動する。
図2に示すように、車載用三相モータ13のコイル25は、例えばu相コイル25u、v相コイル25v及びw相コイル25wを有する三相構造となっている。各相コイル25u〜25wは例えばY結線されている。
パワーモジュール52は、u相コイル25uに対応するu相パワースイッチング素子Qu1,Qu2と、v相コイル25vに対応するv相パワースイッチング素子Qv1,Qv2と、w相コイル25wに対応するw相パワースイッチング素子Qw1,Qw2と、を備えている。つまり、インバータ31は、所謂三相インバータである。
各パワースイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2(以降単に各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2と示す)は例えばIGBTで構成されている。なお、これに限られず、パワー型のMOSFET等であってもよい。
インバータ31は、DC電源Eに接続された2つの電力線EL1,EL2と、両電力線EL1,EL2に接続され、且つ、両u相パワースイッチング素子Qu1,Qu2が設けられたu相配線ELuと、を備えている。各u相パワースイッチング素子Qu1,Qu2はu相配線ELuを介して互いに直列に接続されており、u相配線ELuにおける両u相パワースイッチング素子Qu1,Qu2の接続部分とu相コイル25uとが接続されている。
同様に、インバータ31は、両電力線EL1,EL2に接続され、且つ、両v相パワースイッチング素子Qv1,Qv2が設けられたv相配線ELvを備えている。v相配線ELvにおける両v相パワースイッチング素子Qv1,Qv2の接続部分とv相コイル25vとが接続されている。インバータ31は、両電力線EL1,EL2に接続され、且つ、両w相パワースイッチング素子Qw1,Qw2が設けられたw相配線ELwを備えている。w相配線ELwにおける両w相パワースイッチング素子Qw1,Qw2の接続部分とw相コイル25wとが接続されている。
なお、インバータ31は、DC電源Eに対して並列に接続された平滑コンデンサC1を有している。また、パワーモジュール52は、パワースイッチング素子Qu1〜Qw2に対して並列に接続された還流ダイオードDu1〜Dw2を有している。還流ダイオードDu1〜Dw2は、パワースイッチング素子Qu1〜Qw2の寄生ダイオードであってもよいし、パワースイッチング素子Qu1〜Qw2とは別に設けられている構成でもよい。
車載用電動圧縮機10は、インバータ31(詳細には各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング動作)を制御する制御装置55を備えている。制御装置55は、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2のゲートに接続されている。また、制御装置55は、空調ECU102と情報のやり取りが可能となっている。制御装置55は、空調ECU102から始動指令等を受信したことに基づいて、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2に対して所定のパルス幅δTを有する電圧を周期的に印加することにより、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2を周期的にON/OFFさせ、DC電源Eからの直流電力を交流電力に変換する。そして、変換された交流電力が車載用三相モータ13に入力されることにより、車載用三相モータ13が駆動、すなわち回転する。
制御装置55は、インバータ31の入力電圧Vdと、相コイル25u〜25wに流れる相電流Iu〜Iwとを把握可能に構成されている。詳細には、図2に示すように、電圧センサ53は、その検出結果を制御装置55に送信する。また、インバータ31には、相配線ELu〜ELwを流れる電流を検出する電流検出部としての電流センサ61〜63が設けられている。電流センサ61〜63は、例えば相配線ELu〜ELwにおける下アームのパワースイッチング素子Qu2〜Qw2と第2電力線EL2との間の部分に設けられている。電流センサ61〜63は、その検出結果を制御装置55に送信する。制御装置55は、各電流センサ61〜63の検出結果に基づいて、u相コイル25uに流れる電流であるu相電流Iu、v相コイル25vに流れる電流であるv相電流Iv及びw相コイル25wに流れる電流であるw相電流Iwを把握する。
制御装置55は、ロータ22の停止中に車載用電動圧縮機10(詳細には車載用三相モータ13)を始動する場合には、ロータ22を回転させることなく、停止中のロータ22の磁極位置である初期位置θtを把握する初期位置把握処理を実行する。初期位置θtとは、ロータ22の磁極位置ともd軸の位置とも言える。
初期位置把握処理では、各相コイル25u〜25wの突極性と磁気飽和特性とを利用する。以下、各相コイル25u〜25wの突極性と磁気飽和特性、及び、初期位置把握処理について説明する。
まず、相コイル25u〜25wの突極性について説明すると、ロータコア22bに埋設された磁石22aはロータコア22bに比べて透磁率が低い。このため、磁束が磁石22aを通るようにu相コイル25uに通電した場合、磁束が磁石22aを通らないようにu相コイル25uに通電した場合に比べて、u相コイル25uに通電した時の相コイル25u〜25wの合成インダクタンスが低下する。
次に、相コイル25u〜25wの磁気飽和特性について説明すると、ロータ22に埋設された磁石22aによって形成される磁束と同一方向の磁束が発生するようにu相コイル25uに通電すると、磁気飽和が起こり、u相コイル25uのインダクタンスLuが低下する。これら突極性と磁気飽和特性のため、図3及び図4に示すように、u相コイル25uのインダクタンスLuは、ロータ22の回転位置rに応じて変動しており、詳細には振幅が異なる谷を有する略正弦波形となっている。
特に、図3及び図4に示すように、u相コイル25uのインダクタンスLuは、回転位置rが0度である場合と180度である場合とで異なっている。詳細には、図3に示すように、u相コイル25uに対して正方向に電流を流した場合には、回転位置rが0度である場合のインダクタンスLuが、回転位置rが180度である場合のインダクタンスLuよりも低くなっている。
一方、図4に示すように、u相コイル25uに対して正方向とは逆方向の負方向に電流を流した場合には、正方向に電流を流した場合と比較して電流によって発生する磁束の向きが反転するため、回転位置rが180度である場合のインダクタンスLuが、回転位置rが0度である場合のインダクタンスLuよりも低くなっている。
また、回転位置rに対する相電流Iu〜Iwの特性について図5を用いて説明する。図5は、相コイル25u〜25wに対して、磁気飽和するように設定されたパルス幅δTの電圧を正方向に印加した場合の相電流Iu〜Iwのピーク値Ipu(+)〜Ipw(+)と、磁気飽和するように設定されたパルス幅δTの電圧を負方向に印加した場合の相電流Iu〜Iwのピーク値Ipu(−)〜Ipw(−)とを示すグラフである。
なお、以降の説明において、正方向のu相電流Iuのピーク値Ipu(+)を単にIpu(+)とも示し、負方向のu相電流Iuのピーク値Ipu(−)を単にIpu(−)とも示す。同様に、正方向のv相電流Ivのピーク値Ipv(+)を単にIpv(+)とも示し、負方向のv相電流Ivのピーク値Ipv(−)を単にIpv(−)とも示し、正方向のw相電流Iwのピーク値Ipw(+)を単にIpw(+)とも示し、負方向のw相電流Iwのピーク値Ipw(−)を単にIpw(−)とも示す。
図5に示すように、Ipu(+)、Ipv(+)及びIpw(+)は、正の値であって、回転位置rに対して振幅が異なる山を有する略正弦波形となっている。そして、Ipu(+)、Ipv(+)及びIpw(+)は、互いに位相が120度ずつずれている。
また、Ipu(−)、Ipv(−)及びIpw(−)は、負の値であって、回転位置rに対して振幅が異なる谷を有する略正弦波形となっている。そして、Ipu(−)、Ipv(−)及びIpw(−)は、互いに位相が120度ずつずれている。
ちなみに、Ipu(+)とIpu(−)とは逆位相であり、Ipv(+)とIpv(−)とは逆位相であり、Ipw(+)とIpw(−)とは逆位相である。なお、以降の説明において、Ipu(+)、Ipu(−)、Ipv(+)、Ipv(−)、Ipw(+)及びIpw(−)を単にIpu(+)〜Ipw(−)とも言う。
なお、図示の都合上、図5においては、測定誤差等の誤差(バラつき)を省略して示しているが、実際には誤差が生じている。同様に、後述する図10、図11、図13及び図14においても、誤差を省略して示す。
次に、初期位置把握処理について説明する。
図6に示すように、制御装置55は、まずステップS101にて、規定数Nの初期値として「0」を設定する。規定数Nは、後述する電圧印加の6つのパターン1〜6のうちいずれのパターン1〜6を実行するのかを決定する数値であるとともに、ステップS102〜ステップS106までの処理の繰り返し回数を規定する数値である。続くステップS102では、制御装置55は、規定数Nを1加算する。
その後、制御装置55は、ステップS103にて、電圧センサ53の検出結果から現在の入力電圧Vd1を把握する。そして、制御装置55は、ステップS104にて、ステップS103にて把握された入力電圧Vd1に基づいて、第1パルス幅としてのテストパルス幅δT1を算出する。
ここで、テストパルス幅δT1は、車載用三相モータ13の状態に関わらず、ロータ22が回転しないように設定されたパルス幅δTである。例えば一例としてu相について説明すると、u相コイル25uのインダクタンスLuとIpu(+)との乗算値は、入力電圧Vdとパルス幅δTとの乗算値と等しい(Lu×Ipu(+)=Vd×δT)。そして、u相コイル25uのインダクタンスLuは、回転位置r及びu相コイル25uの温度等によって変動する。
かかる構成において、例えばu相コイル25uが磁気飽和し、且つ、ロータ22が回転しないu相電流Iuの最大値を最大許容電流Imとする。テストパルス幅δT1は、想定されるu相コイル25uのインダクタンスLuの変動(換言すれば回転位置rの変動や想定されるu相コイル25uの温度変動)に関わらず、Ipu(+)又はIpu(−)の絶対値が最大許容電流Imよりも高くならないように、ステップS103にて把握された入力電圧Vd1に対応させて設定されている。この場合、テストパルス幅δT1は、入力電圧Vd1と反比例の関係であり、入力電圧Vd1が高くなるほど狭く設定される。
なお、上記関係は、u相に限られず、v相及びw相においても同様である。すなわち、テストパルス幅δT1は、想定される相コイル25u〜25wのインダクタンスLu〜Lwの変動に関わらず、テストパルス幅δT1の電圧印加によって得られるピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)の絶対値の最大値が最大許容電流Imよりも高くならないように、入力電圧Vd1に対応させて設定されている。
制御装置55は、ステップS104にてテストパルス幅δT1を算出した後は、ステップS105に進み、6つのパターン1〜6のうちパターンNの電圧を印加する。パターンNの「N」とは、ステップS102にて更新された規定数Nが設定(代入)される。例えば、規定数Nが「1」である場合には、制御装置55は、パターン1の電圧印加を行う。
図7及び図8に示すように、制御装置55は、Ipu(+)〜Ipw(−)という6つのパラメータを取得するために、6つのパターン1〜6の電圧印加を行う。
パターン1は、Ipu(+)に対応するものである。パターン1は、第1u相パワースイッチング素子Qu1、第2v相パワースイッチング素子Qv2及び第2w相パワースイッチング素子Qw2がON状態であり、第2u相パワースイッチング素子Qu2、第1v相パワースイッチング素子Qv1及び第1w相パワースイッチング素子Qw1がOFF状態であるパターンである。
パターン2は、Ipv(+)に対応するものである。パターン2は、第2u相パワースイッチング素子Qu2、第1v相パワースイッチング素子Qv1及び第2w相パワースイッチング素子Qw2がON状態であり、第1u相パワースイッチング素子Qu1、第2v相パワースイッチング素子Qv2及び第1w相パワースイッチング素子Qw1がOFF状態であるパターンである。
パターン3は、Ipw(+)に対応するものである。パターン3は、第2u相パワースイッチング素子Qu2、第2v相パワースイッチング素子Qv2及び第1w相パワースイッチング素子Qw1がON状態であり、第1u相パワースイッチング素子Qu1、第1v相パワースイッチング素子Qv1及び第2w相パワースイッチング素子Qw2がOFF状態であるパターンである。
パターン4は、Ipu(−)に対応するものである。パターン4は、第2u相パワースイッチング素子Qu2、第1v相パワースイッチング素子Qv1及び第1w相パワースイッチング素子Qw1がON状態であり、第1u相パワースイッチング素子Qu1、第2v相パワースイッチング素子Qv2及び第2w相パワースイッチング素子Qw2がOFF状態であるパターンである。
パターン5は、Ipv(−)に対応するものである。パターン5は、第1u相パワースイッチング素子Qu1、第2v相パワースイッチング素子Qv2及び第1w相パワースイッチング素子Qw1がON状態であり、第2u相パワースイッチング素子Qu2、第1v相パワースイッチング素子Qv1及び第2w相パワースイッチング素子Qw2がOFF状態であるパターンである。
パターン6は、Ipw(−)に対応するものである。パターン6は、第1u相パワースイッチング素子Qu1、第1v相パワースイッチング素子Qv1及び第2w相パワースイッチング素子Qw2がON状態であり、第2u相パワースイッチング素子Qu2、第2v相パワースイッチング素子Qv2及び第1w相パワースイッチング素子Qw1がOFF状態であるパターンである。
図6に示すように、制御装置55は、ステップS105にて、今回の規定数Nに対応するパターンNの電圧印加を行った後は、ステップS106に進み、今回のパターンNの電圧印加で検出されたピーク値IpNを把握する。例えば、制御装置55は、パターン2の電圧印加が行われた場合にはIpv(+)を把握する。
その後、制御装置55は、ステップS107に進み、規定数Nが「6」であるか否かを判定する。制御装置55は、規定数Nが「6」でない場合には、ステップS102に戻る。すなわち、制御装置55は、ステップS102〜ステップS106の処理を合計6回実行する。この場合、制御装置55は、ステップS102が実行される度に規定数Nを更新するため、更新されたパターンNで電圧印加を行う。これにより、図8(a)〜(f)に示すように、t1〜t6のタイミングにて、パターン1〜6の電圧印加が行われる。そして、図8(g)〜(i)に示すように、パターン1〜6に対応するピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)が検出される。すなわち、各相コイル25u〜25wのそれぞれに対して、正方向及び負方向にテストパルス幅δT1の電圧印加が行われ、テストパルス幅δT1に対応した6つのピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)が把握される。なお、以降の説明において、6つのパターン1〜6でのテストパルス幅δT1の電圧印加をテスト電圧印加という。テスト電圧印加が「第1電圧印加」に対応する。
図6に示すように、制御装置55は、ステップS102〜ステップS106の処理を6回実行した後は、ステップS108に進み、テストパルス幅δT1に対応した6つのピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)のうち絶対値が最大の最大テストピーク値Itpmを把握する。
その後、制御装置55は、ステップS109にて、最大テストピーク値Itpmの絶対値に基づいて、メインパルス幅δT2を規定するパルス幅係数kを算出する。詳細には、制御装置55は、パルス幅係数kとして、6回目のステップS103にて把握された入力電圧Vd1に対する6回目のステップS104にて算出されたテストパルス幅δT1の比率と、最大テストピーク値Itpmの絶対値に対する最大許容電流Imの比率との乗算値を算出する(k=(δT1/Vd1)×(Im/|Itpm|))。
次に、制御装置55は、各相コイル25u〜25wのそれぞれに対して、正方向及び負方向にメインパルス幅δT2の電圧を印加するメイン電圧印加を行う。当該メイン電圧印加が「第2電圧印加」に対応する。
詳細には、制御装置55は、まずステップS110にて、規定数Nの初期値として「0」を設定し、ステップS111にて、規定数Nを「1」加算する更新を行う。
その後、制御装置55は、ステップS112にて、電圧センサ53の検出結果に基づいて現在の入力電圧Vd2を把握し、ステップS113では、入力電圧Vd2に対応したメインパルス幅δT2を算出する。メインパルス幅δT2は、当該メインパルス幅δT2の電圧印加が行われた場合に、6つのピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)の絶対値の最大値が最大許容電流Imを超えない範囲内で最大許容電流Imに近づく(好ましくは一致する)ように入力電圧Vd2に対応させて設定される。詳細には、制御装置55は、ステップS112にて把握された入力電圧Vd2に対してステップS109にて算出されたパルス幅係数kを乗算した値をメインパルス幅δT2とする(δT2=k×Vd2)。
そして、制御装置55は、ステップS114にて、規定数Nに対応するパターンNの電圧印加を行い、ステップS115にて、当該パターンNに対応したピーク値IpNを把握する。例えば規定数Nが「3」である場合には、制御装置55は、パターン3の電圧印加を行い、パターン3に対応するIpw(+)を把握する。
その後、制御装置55は、ステップS116にて、規定数Nが「6」であるか否かを判定し、規定数Nが「6」でない場合にはステップS111に戻る。つまり、制御装置55は、ステップS111〜ステップS115の処理を6回実行する。これにより、パターン1〜6の電圧印加が行われ、メインパルス幅δT2に対応する6つのピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)が把握される。
なお、ステップS104及びステップS113の処理を実行する制御装置55が「パルス幅算出部」に対応し、ステップS105及びステップS114の処理を実行する制御装置55が「電圧印加部」に対応し、ステップS106及びステップS115の処理を実行する制御装置55が「電流把握部」に対応する。
ここで、メインパルス幅δT2は、上記の通り、6つのピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)の絶対値の最大値が最大許容電流Imを超えない範囲内で最大許容電流Imに一致するように設定されているため、メイン電圧印加が行われた場合、ロータ22が回転することなく磁気飽和が起きる。このため、メイン電圧印加によって得られたピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)は、磁気飽和特性の影響を受けている。
制御装置55は、規定数Nが「6」である場合、すなわちステップS111〜ステップS115の処理を6回実行した場合には、ステップS116を肯定判定してステップS117に進み、メイン電圧印加によって得られたピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)を用いて初期位置θtを導出する初期位置導出処理を実行する。
初期位置導出処理について図9を用いて説明する。
図9に示すように、制御装置55は、まずステップS201にて、メイン電圧印加によって得られたピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)のうち同一相の正負同士を加算する。詳細には、制御装置55は、Ipu(+)とIpu(−)とを加算したu相加算値Iu(+)(Iu(+)=Ipu(+)+Ipu(−))を算出する。同様に、制御装置55は、Ipv(+)とIpv(−)とを加算したv相加算値Iv(+)(Iv(+)=Ipv(+)+Ipv(−))を算出し、Ipw(+)とIpw(−)とを加算したw相加算値Iw(+)(Iw(+)=Ipw(+)+Ipw(−))を算出する。ステップS201の処理を実行する制御装置55が「加算部」に対応する。
ここで、図10に示すように、加算値Iu(+)〜Iw(+)は、回転位置rに対して略正弦波形となっており、各加算値Iu(+)〜Iw(+)は互いに120度ずつ位相がずれている。
また、正の値であるIpu(+)〜Ipw(+)と、負の値であるIpu(−)〜Ipw(−)とを加算している関係上、加算値Iu(+)〜Iw(+)の絶対値は、Ipu(+)〜Ipw(−)の絶対値と比較して小さくなっている。但し、加算値Iu(+)〜Iw(+)は、磁気飽和特性による角度依存性(換言すれば磁気飽和特性に起因する回転位置rに対する電流変化特性)を示している。なお、加算値Iu(+)〜Iw(+)は、Ipu(+)〜Ipw(+)の絶対値とIpu(−)〜Ipw(−)の絶対値との減算とも言える。
次に、制御装置55は、回転位置rに対する各加算値Iu(+)〜Iw(+)の波形が互いに120度ずつ位相がずれた略正弦波であることに着目して、各加算値Iu(+)〜Iw(+)を用いて第1初期角度θ1を導出するための処理を実行する。
図9に示すように、制御装置55は、ステップS202にて、加算値Iu(+)〜Iw(+)を三相二相変換する三相二相変換処理を実行する。詳細には、制御装置55は、各加算値Iu(+)〜Iw(+)を用いて第1変換値αを算出する(α=√(2/3)×(Iu(+)−Iv(+)/2−Iw(+)/2)。また、制御装置55は、各加算値Iu(+)〜Iw(+)を用いて第2変換値βを算出する(β=√(2/3)×(√3/2×Iv(+)−√3/2×Iw(+))。ステップS202の処理を実行する制御装置55が「加算変換部」に対応する。
その後、制御装置55は、ステップS203にて、第1初期角度θ1を導出する。詳細には、制御装置55は、ステップS202の三相二相変換処理によって得られた両変換値α,βに対応するベクトルの位相である加算位相角θ0(+)を算出する(θ0(+)=arctan(α/β))。加算位相角θ0(+)は、−π〜πの値である。
そして、制御装置55は、加算位相角θ0(+)を、0〜2πの第1初期角度θ1に変換する。詳細には、制御装置55は、加算位相角θ0(+)が負の値であれば、加算位相角θ0(+)に対して2πを加算した値を第1初期角度θ1とする一方、加算位相角θ0(+)が正の値であれば、加算位相角θ0(+)をそのまま第1初期角度θ1とする。
第1初期角度θ1について図11及び図12を用いて説明する。図11は、回転位置r(初期位置θtの真値)に対する第1初期角度θ1の計算結果のグラフであり、図12は、第1初期角度θ1の誤差を示すグラフである。
図11に示すように、初期位置θtの真値と第1初期角度θ1とは、0度〜360度の範囲でリニアな関係となっており、初期位置θtの真値と第1初期角度θ1とは1対1で対応している。しかしながら、実際には、加算値Iu(+)〜Iw(+)の絶対値が小さい関係上、ノイズ等の影響を受けやすいため、図12に示すように、第1初期角度θ1の誤差は大きくなり易い。すなわち、第1初期角度θ1の誤差範囲A1は広くなり易い。
これに対して、本実施形態の制御装置55は、第1初期角度θ1と、ノイズの影響を受けにくい減算値Iu(−)〜Iw(−)を用いて導出される第2初期角度θ2とを用いて初期位置θtを導出する。
図9に示すように、制御装置55は、ステップS204にて、メイン電圧印加によって得られたピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)のうち同一相の正負同士を減算する。詳細には、制御装置55は、Ipu(+)からIpu(−)を減算したu相減算値Iu(−)(Iu(−)=Ipu(+)−Ipu(−))を算出する。同様に、制御装置55は、Ipv(+)からIpv(−)を減算したv相減算値Iv(−)(Iv(−)=Ipv(+)−Ipv(−))を算出し、Ipw(+)からIpw(−)を減算したw相減算値Iw(−)(Iw(−)=Ipw(+)−Ipw(−))を算出する。ステップS204の処理を実行する制御装置55が「減算部」に対応する。
ここで、図13に示すように、減算値Iu(−)〜Iw(−)は、回転位置rに対して略正弦波形となっており、各減算値Iu(−)〜Iw(−)は互いに120度ずつ位相がずれている。
また、正の値であるIpu(+)〜Ipw(+)と、負の値であるIpu(−)〜Ipw(−)とを減算している関係上、減算値Iu(−)〜Iw(−)の絶対値は、加算値Iu(+)〜Iw(+)の絶対値と比較して大きくなっている。しかしながら、減算によって、磁気飽和特性による電流の変化が打ち消し合うため、減算値Iu(−)〜Iw(−)は、磁気飽和特性による角度依存性を示さない。なお、減算値Iu(−)〜Iw(−)は、Ipu(+)〜Ipw(+)の絶対値とIpu(−)〜Ipw(−)の絶対値との加算とも言える。
次に、制御装置55は、回転位置rに対する各減算値Iu(−)〜Iw(−)の波形が互いに120度ずつ位相がずれた略正弦波であることに着目して、各減算値Iu(−)〜Iw(−)を用いて第2初期角度θ2を導出するための処理を実行する。
詳細には、図9に示すように、制御装置55は、ステップS205にて、減算値Iu(−)〜Iw(−)を三相二相変換する三相二相変換処理を実行する。詳細には、制御装置55は、各減算値Iu(−)〜Iw(−)を用いて第1変換値αを算出する(α=√(2/3)×(Iu(−)−Iv(−)/2−Iw(−)/2)。また、制御装置55は、各減算値Iu(−)〜Iw(−)を用いて第2変換値βを算出する(β=√(2/3)×(√3/2×Iv(−)−√3/2×Iw(−))。ステップS205の処理を実行する制御装置55が「減算変換部」に対応する。
その後、制御装置55は、ステップS206にて、ステップS205の三相二相変換処理によって得られた両変換値α,βに対応するベクトルの位相である減算位相角θ0(−)を算出する(θ0(−)=arctan(α/β))。減算位相角θ0(−)は、−π〜πの値である。
ここで、ピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)のうち同一相の正負同士を減算した関係上、減算位相角θ0(−)は、2周期分を含むとともに逆回転に対応したパラメータとなっている。このため、制御装置55は、ステップS207にて、減算位相角θ0(−)に対して、−1/2を乗算する。減算位相角θ0(−)に対して−1/2乗算した値をθzとする。
そして、制御装置55は、ステップS208にて、θzを、0〜πの第2初期角度θ2に変換する。詳細には、制御装置55は、θzが負の値であれば、θzに対してπを加算した値を第2初期角度θ2とする一方、θzが正の値であれば、θzをそのまま第2初期角度θ2とする。
算出された第2初期角度θ2について説明すると、図14の実線に示すように、第2初期角度θ2は、初期位置θtの真値が0〜180度まではリニアに増加しており、初期位置θtの真値が180度付近で0となる。そして、第2初期角度θ2は、初期位置θtの真値が180度〜360度までは再びリニアに増加している。このため、1つの第2初期角度θ2に対して、2つの初期位置θtが対応している。例えば120度の初期位置θtに対応する第2初期角度θ2と、300度の初期位置θtに対応する第2初期角度θ2とは同一となっている。
そこで、制御装置55は、ステップS209では、第1初期角度θ1と第2初期角度θ2とを用いて初期位置θtを算出して、本初期位置導出処理(換言すれば初期位置把握処理)を終了する。詳細には、制御装置55は、第1初期角度θ1から第2初期角度θ2を減算する。そして、制御装置55は、その減算値がπ/2〜3π/2又は−π/2未満であれば、第2初期角度θ2にπを加算した値を初期位置θtとする一方、それ以外の場合には第2初期角度θ2をそのまま初期位置θtとする。ステップS203及びステップS206〜ステップS209の処理を実行する制御装置55が「導出部」に対応する。
ちなみに、制御装置55は、初期位置把握処理によって初期位置θtが導出された場合には、ロータ22にトルクが発生するように、導出された初期位置θtに対応するパターンで電圧を印加することにより、車載用三相モータ13を起動する。
次に本実施形態の作用について説明する。
両初期角度θ1,θ2を用いることによって、初期位置θtが一義的に導出される。この場合、減算値Iu(−)〜Iw(−)の絶対値は、加算値Iu(+)〜Iw(+)の絶対値と比較して大きくなっている関係上、減算値Iu(−)〜Iw(−)から導出される第2初期角度θ2の誤差は小さい。このため、図15に示すように、第2初期角度θ2から導出される初期位置θtは、第1初期角度θ1と比較して、誤差が小さくなっている。詳細には、第2初期角度θ2から導出される初期位置θtの誤差範囲は、第1初期角度θ1の誤差範囲A1よりも狭くなっている。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)永久磁石22a付きのロータ22及び相コイル25u〜25wを有する車載用三相モータ13を駆動するインバータ31の制御装置55は、各相コイル25u〜25wのそれぞれに対して、正方向及び負方向に所定のパルス幅δTの電圧を印加する電圧印加を行う処理を実行する。制御装置55は、上記電圧印加によって流れるIpu(+)〜Ipw(−)を把握する処理と、Ipu(+)〜Ipw(+)とIpu(−)〜Ipw(−)との加算値Iu(+)〜Iw(+)を算出する処理とを実行する。そして、制御装置55は、3つの加算値Iu(+)〜Iw(+)を三相二相変換する三相二相変換処理と、三相二相変換処理の変換結果に基づいて、停止中のロータ22の磁極位置である初期位置θtを導出する処理を実行する。これにより、精度よく初期位置θtを把握できる。
詳述すると、本発明者は、加算値Iu(+)〜Iw(+)が回転位置rに対して互いに120度ずつ位相がずれた波形であることに着目して、これらを三相二相変換処理を実行することで、初期位置θt(第1初期角度θ1)を、範囲ではなく、具体的な数値(角度)として導出できることを見出した。これにより、初期位置θtが存在する範囲を導出する構成と比較して、精度の向上を図ることができる。
(2)相コイル25u〜25wを磁気飽和させるためには、パルス幅δTを、ある程度長く設定する必要がある。しかしながら、パルス幅δTが長くなると、ロータ22が回転してしまう。これに対して、例えばパルス幅δTを、磁気飽和し、且つ、ロータ22が回転しない固定値に予め設定することも考えられる。しかしながら、相コイル25u〜25wのインダクタンスLu〜Lwは、ロータ22の回転位置rや相コイル25u〜25wの温度等によって変動するため、パルス幅δTを上記固定値に設定することは困難である。
これに対して、本実施形態では、制御装置55は、まず、各相コイル25u〜25wのそれぞれに対して、正方向及び負方向にテストパルス幅δT1の電圧を印加するテスト電圧印加を行う。その後、制御装置55は、テスト電圧印加が行われた場合におけるピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)に基づいて、テストパルス幅δT1よりも広いメインパルス幅δT2を算出する処理を実行する。そして、制御装置55は、当該テスト電圧印加が行われた後に、再度、各相コイル25u〜25wのそれぞれに対して、正方向及び負方向にメインパルス幅δT2の電圧を印加するメイン電圧印加を行う。
かかる構成によれば、メインパルス幅δT2を用いたメイン電圧印加の実行前に、メインパルス幅δT2よりも狭いテストパルス幅δT1を用いたテスト電圧印加を実行することにより、ロータ22が回転してしまうことを抑制しつつ、現状の相コイル25u〜25wの状態を把握できる。そして、テスト電圧印加によって得られたピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)に基づいて、メインパルス幅δT2を算出することにより、ロータ22が回転しない範囲で磁気飽和するようにメイン電圧印加を行うことができる。よって、ロータ22が回転することを抑制しつつ、初期位置θtを精度よく導出できる。
(3)制御装置55は、インバータ31の入力電圧Vdを検出する電圧センサ53を備えており、電圧センサ53によって検出された入力電圧Vd1に基づいてテストパルス幅δT1を算出する。同様に、制御装置55は、入力電圧Vd2及びテスト電圧印加によって得られたピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)に基づいてメインパルス幅δT2を算出する。これにより、入力電圧Vdの変動に好適に対応できる。
詳述すると、車両に搭載されているDC電源Eは蓄電装置で構成されている。蓄電装置は、その特性上、入力電圧Vdが変動し易い。そして、入力電圧Vdが変動すると、電圧印加時にロータ22が誤って回転してしまったり、メイン電圧印加時に磁気飽和が起きなかったりする不都合が生じ得る。これに対して、本実施形態では、テストパルス幅δT1及びメインパルス幅δT2は、入力電圧Vdに対応させて設定されるため、上記不都合を抑制できる。
(4)テストパルス幅δT1は、テスト電圧印加によってロータ22が回転しないように、入力電圧Vd1に対応させて設定されている。そして、メインパルス幅δT2は、メイン電圧印加によってロータ22が回転しない範囲で各相コイル25u〜25wが磁気飽和するように、入力電圧Vd2とテスト電圧印加によって得られたピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)とに対応させて設定されている。
詳細には、相コイル25u〜25wが磁気飽和し、且つ、ロータ22が回転しない相電流Iu〜Iwの最大値を最大許容電流Imとする。かかる構成において、テストパルス幅δT1は、想定される相コイル25u〜25wのインダクタンスLu〜Lwの変動に関わらず、テスト電圧印加によって把握されるピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)の絶対値の最大値が最大許容電流Imよりも高くならないように、入力電圧Vd1に対応させて設定されている。
また、テスト電圧印加によって把握されたピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)のうち絶対値が最大のものを最大テストピーク値Itpmとする。メインパルス幅δT2は、メイン電圧印加が行われた場合に、6つのピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)の絶対値の最大値が最大許容電流Imを超えない範囲内で最大許容電流Imに近づく(好ましくは一致する)ように、最大テストピーク値Itpmの絶対値及び入力電圧Vd2に対応させて設定される。これにより、現状の相コイル25u〜25wの状態と入力電圧Vd2との双方に対応したメインパルス幅δT2を設定することができるため、ロータ22を回転させることなく、磁気飽和させることができる。
(5)制御装置55は、テスト電圧印加の実行後にメイン電圧印加を行う際に、入力電圧Vd2を再度把握し、その把握結果に対応させてメインパルス幅δT2を算出する。これにより、テスト電圧印加時とメイン電圧印加時とで入力電圧Vdが変動している場合であっても、当該入力電圧Vdの変動に好適に追従できる。
(6)制御装置55は、テスト電圧印加及びメイン電圧印加において、6つのパターン1〜6の電圧印加を行うことにより6つのピーク値Ipu(+)〜Ipw(−)を把握する。この場合、制御装置55は、パターンを変更する度に入力電圧Vdを再度把握し、その把握結果に対応させてパルス幅δT1,δT2を更新する。これにより、より好適に入力電圧Vdの変動に追従できる。
(7)制御装置55は、メイン電圧印加によって得られたIpu(+)〜Ipw(+)からIpu(−)〜Ipw(−)を減算した減算値Iu(−)〜Iw(−)を算出する処理を実行し、3つの減算値Iu(−)〜Iw(−)を三相二相変換する三相二相変換処理を実行する。そして、制御装置55は、加算値Iu(+)〜Iw(+)から導出される第1初期角度θ1と、減算値Iu(−)〜Iw(−)から導出される第2初期角度θ2とに基づいて、初期位置θtを導出する。これにより、初期位置θtの精度の向上を図ることができる。
詳述すると、本発明者は、回転位置rに対する各減算値Iu(−)〜Iw(−)の波形が互いに120度ずつ位相がずれた波形であることに着目して、これらを三相二相変換処理を実行することで、具体的な数値である第2初期角度θ2を導出することを見出した。この場合、正の値であるIpu(+)〜Ipw(+)から、負の値であるIpu(−)〜Ipw(−)を減算する関係上、減算値Iu(−)〜Iw(−)の絶対値は、加算値Iu(+)〜Iw(+)の絶対値よりも大きくなる。このため、減算値Iu(−)〜Iw(−)を用いて導出される第2初期角度θ2は、誤差が小さくなり易い。しかしながら、減算する関係上、磁気飽和特性による電流の変化が無くなるため、1つの第2初期角度θ2に対して、180度異なる2つの初期位置θtが対応することとなり、いずれが真値であるかを特定することができない。
これに対して、加算値Iu(+)〜Iw(+)は、磁気飽和特性による角度依存性を示すパラメータであるため、加算値Iu(+)〜Iw(+)を用いて導出される第1初期角度θ1と初期位置θtとは1対1で対応する。また、加算値Iu(+)〜Iw(+)の絶対値は減算値Iu(−)〜Iw(−)の絶対値よりも小さいため、第1初期角度θ1の誤差は大きくなり易いが、当該誤差は、1つの第2初期角度θ2に対応する2つの初期位置θtの差である180度よりも十分に小さい。このため、第1初期角度θ1を用いることにより、1つの第2初期角度θ2に対応する2つの初期位置θtのうちいずれが真値であるかを特定できる。よって、第1初期角度θ1のみを用いる構成と比較して、誤差の小さい初期位置θtを導出することができる。
(8)車載用電動圧縮機10は、車載用三相モータ13と、当該車載用三相モータ13によって駆動されるものであって流体としての冷媒を圧縮する圧縮部12と、制御装置55とを備えている。これにより、初期位置θtを精度よく把握することを通じて、車載用三相モータ13の起動の初期段階にて十分なトルクを付与することができるため、車載用電動圧縮機10の迅速な起動を実現できる。また、車載用電動圧縮機10が車両空調装置100に用いられている場合には、車両空調装置100の迅速な起動を実現できるため、快適性の向上を図ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 電圧印加の6つのパターン1〜6は、図7,8に示すものに限られない。例えば、2つのパワースイッチング素子をON状態にして、二相のみに電流が流れるようにしてもよい。この場合、相コイル25u〜25wに流れる電流の位相がπ/6だけ進んでいるため、上述した制御によって求められた初期角度θ1(又は初期角度θ2)からπ/6だけ引いた値が初期位置θtとなる。
○ 制御装置55は、第1初期角度θ1を初期位置θtとし、ステップS204〜ステップS209の処理を省略してもよい。但し、精度の観点に着目すれば、第1初期角度θ1と第2初期角度θ2とから初期位置θtを導出する構成の方が好ましい。
○ テスト電圧印加では、相コイル25u〜25wが磁気飽和してもよいし磁気飽和しなくてもよい。要は、テスト電圧印加では、ロータ22が回転しない範囲で最大テストピーク値Itpmが取得できればよい。
○ テストパルス幅δT1は、入力電圧Vd1に応じて変動しない固定値であってもよい。この場合、メインパルス幅δT2は、可変値であってもよいし、入力電圧Vd2に応じて変動しない固定値であってもよい。但し、入力電圧Vdの変動や相コイル25u〜25wのインダクタンスLu〜Lwの変動に追従できる点に着目すれば可変値の方が好ましい。
○ パルス幅係数kは、最大テストピーク値Itpmの絶対値に対する最大許容電流Imの比率であってもよい(k=Im/|Itpm|)。この場合、メインパルス幅δT2は、パルス幅係数kと6回目のテストパルス幅δT1との乗算値であってもよい(δT2=k×δT1)。かかる構成においては、ステップS112の処理を省略してもよい。
○ テスト電圧印加を省略してもよい。
○ 電流センサ61〜63は、相電流Iu〜Iwを検出できれば、その具体的な取付位置は任意である。
○ 車載用電動圧縮機10の搭載対象は、車両に限られず、任意である。
○ 車載用電動圧縮機10は、車両空調装置100に用いられていたが、これに限られず、他の装置に用いられてもよい。例えば、車両が燃料電池を搭載した燃料電池車両(FCV)である場合には、当該車載用電動圧縮機10は、上記燃料電池に空気を供給する供給装置に用いられてもよい。要は、圧縮対象の流体は、任意であり、冷媒であってもよいし空気などであってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記第1パルス幅は、前記第1電圧印加によって前記ロータが回転しないように、前記入力電圧に対応させて設定されており、前記第2パルス幅は、前記第2電圧印加によって前記ロータが回転しない範囲で前記各相コイルが磁気飽和するように、前記入力電圧と前記第1電圧印加が行われた場合における前記電流把握部の把握結果とに対応させて設定されている請求項3に記載の制御装置。
10…車載用電動圧縮機、12…圧縮部、13…車載用三相モータ、22…ロータ、25u…u相コイル、25v…v相コイル、25w…w相コイル、31…インバータ、53…電圧センサ(入力電圧検出部)、55…制御装置、θ1…第1初期角度、θ2…第2初期角度、θt…初期位置、Iu(+)〜Iw(+)…加算値、Iu(−)〜Iw(−)…減算値、δT1…テストパルス幅(第1パルス幅)、δT2…メインパルス幅(第2パルス幅)。

Claims (5)

  1. 永久磁石付きのロータ、u相コイル、v相コイル及びw相コイルを有する車載用三相モータを駆動するインバータの制御装置において、
    前記各相コイルのそれぞれに対して、正方向及び負方向に所定のパルス幅の電圧を印加する電圧印加部と、
    前記電圧印加部による電圧印加によって流れる、正方向のu相電流、負方向のu相電流、正方向のv相電流、負方向のv相電流、正方向のw相電流、負方向のw相電流を把握する電流把握部と、
    前記正方向のu相電流と前記負方向のu相電流とを加算したu相加算値と、前記正方向のv相電流と前記負方向のv相電流とを加算したv相加算値と、前記正方向のw相電流と前記負方向のw相電流とを加算したw相加算値と、を算出する加算部と、
    前記加算部の算出結果である3つの加算値を三相二相変換する加算変換部と、
    前記加算変換部の変換結果に基づいて、停止中の前記ロータの磁極位置を導出する導出部と、
    を備えていることを特徴とする制御装置。
  2. 前記電圧印加部は、
    前記各相コイルのそれぞれに対して、正方向及び負方向に第1パルス幅の電圧を印加する第1電圧印加と、
    前記第1電圧印加が行われた後に、再度、前記各相コイルのそれぞれに対して、正方向及び負方向に前記第1パルス幅よりも広い第2パルス幅の電圧を印加する第2電圧印加と、
    を行うものであり、
    前記制御装置は、前記第1電圧印加が行われた場合における前記電流把握部の把握結果に基づいて、前記第2パルス幅を算出するパルス幅算出部を備えている請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記インバータの入力電圧を検出する入力電圧検出部を備え、
    前記パルス幅算出部は、前記入力電圧に基づいて前記第1パルス幅を算出し、且つ、前記入力電圧と前記第1電圧印加が行われた場合における前記電流把握部の把握結果とに基づいて前記第2パルス幅を算出する請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記正方向のu相電流から前記負方向のu相電流を減算したu相減算値と、前記正方向のv相電流から前記負方向のv相電流を減算したv相減算値と、前記正方向のw相電流から前記負方向のw相電流を減算したw相減算値と、を算出する減算部と、
    前記減算部の算出結果である3つの減算値を三相二相変換する減算変換部と、
    を備え、
    前記導出部は、前記加算変換部の変換結果から導出される第1初期角度と、前記減算変換部の変換結果から導出される第2初期角度とを用いることにより、停止中の前記ロータの磁極位置を導出する請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記車載用三相モータと、
    前記車載用三相モータによって駆動されるものであって流体を圧縮する圧縮部と、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置と、
    を備えていることを特徴とする車載用電動圧縮機。
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