JP2018174631A - モータ駆動用インバータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの小型化を図ることができるモータ駆動用インバータ装置を提供する。
【解決手段】d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を算出する電流制御部64と、モータに流れるd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*から、モータの回転角θを算出する回転角推定部70と、回転角推定部70により算出したモータの角速度ωと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*と、d軸電流Id及びq軸電流Iqとから、磁束φを推定する推定磁束演算部83と、を備える。インバータの電源電圧検出値Vdcを補正する電圧値補正部72を有し、電圧値補正部72は、モータの回転中に、推定磁束演算部83にて推定された磁束φを基に、補正量を決定する。
【選択図】図2
【解決手段】d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を算出する電流制御部64と、モータに流れるd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*から、モータの回転角θを算出する回転角推定部70と、回転角推定部70により算出したモータの角速度ωと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*と、d軸電流Id及びq軸電流Iqとから、磁束φを推定する推定磁束演算部83と、を備える。インバータの電源電圧検出値Vdcを補正する電圧値補正部72を有し、電圧値補正部72は、モータの回転中に、推定磁束演算部83にて推定された磁束φを基に、補正量を決定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、モータ駆動用インバータ装置に関するものである。
モータ制御の中でも回転位置を推定しながら運転するという位置センサレス制御が行われており、特許文献1においては各相コイルに正方向及び負方向に所定のパルス幅の電圧を印加して流れる電流に基づいてロータの位置を導出している。
ところで、位置センサレスで回転角を推定するときにモータ電流とインバータ出力電圧(モータ印加電圧)から回転角を推定する際に、ハードウェア、即ち、インバータから検出されてくる電圧の精度、電流の精度に起因して推定位置がずれてしまう。具体的には、例えば図5(a)に示すように、ロータ回転における制御位相が最大トルク位相に対しずれると、出力トルクが低下するため、その分を補うためのトルクマージンが必要になる。そのためモータの大型化を招いている。
本発明の目的は、モータの小型化を図ることができるモータ駆動用インバータ装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明では、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を算出する電流制御部と、モータに流れるd軸電流及びq軸電流と、前記d軸電圧指令値及び前記q軸電圧指令値から、前記モータの回転角を算出する回転角推定部と、前記回転角推定部により算出した前記モータの角速度と、前記d軸電圧指令値及び前記q軸電圧指令値と、前記d軸電流及び前記q軸電流とから、磁束を推定する推定磁束演算部と、を備えたモータ駆動用インバータ装置であって、インバータの電源電圧検出値を補正する電圧値補正部を有し、前記電圧値補正部は、前記モータの回転中に、前記推定磁束演算部にて推定された磁束を基に、補正量を決定することを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、電流制御部により、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値が算出される。回転角推定部により、モータに流れるd軸電流及びq軸電流と、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値から、モータの回転角が算出される。推定磁束演算部により、回転角推定部により算出したモータの角速度と、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値と、d軸電流及びq軸電流とから、磁束が推定される。インバータの電源電圧検出値を補正する電圧値補正部により、モータの回転中に、推定磁束演算部にて推定された磁束を基に、補正量が決定される。
このようにして、ロータ回転における制御位相が最大トルク位相にずれにくくして出力トルクの低下を抑制してトルクマージンの設定を小さくできモータの小型化を図ることができる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載の発明において、前記電圧値補正部にて決定される補正量は、前記推定磁束演算部にて推定された磁束が最大値となるように決定されるとよい。
本発明によれば、モータの小型化を図ることができる。
以下、本発明を車載用電動圧縮機に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態の車載用電動圧縮機は例えば車両空調装置に用いられる。つまり、本実施形態において車載用電動圧縮機の圧縮対象の流体は冷媒である。
本実施形態の車載用電動圧縮機は例えば車両空調装置に用いられる。つまり、本実施形態において車載用電動圧縮機の圧縮対象の流体は冷媒である。
図1に示すように、車両空調装置10は、車載用電動圧縮機20と、車載用電動圧縮機20に対して冷媒を供給する外部冷媒回路100とを備えている。外部冷媒回路100は、例えば熱交換器及び膨張弁などを有している。車両空調装置10は、車載用電動圧縮機20によって冷媒が圧縮され、且つ、外部冷媒回路100によって冷媒の熱交換及び膨張が行われることによって、車両の室内の冷暖房を行う。
なお、車両空調装置10は、当該車両空調装置10の全体を制御する空調ECU101を備えている。空調ECU101は、車内温度や設定温度等を把握可能に構成されており、これらのパラメータに基づいて、車載用電動圧縮機20に対してオン/オフ指令等といった各種指令を送信する。
車載用電動圧縮機20は、外部冷媒回路100から冷媒が吸入される吸入口21aが形成されたハウジング21と、ハウジング21に収容された圧縮部22及び三相モータ23とを備えている。
ハウジング21は、全体として略円筒形状である。ハウジング21には、冷媒が吐出される吐出口21bが形成されている。
圧縮部22は、吸入口21aからハウジング21内に吸入された冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出口21bから吐出させるものである。なお、圧縮部22の具体的な構成は、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。
圧縮部22は、吸入口21aからハウジング21内に吸入された冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出口21bから吐出させるものである。なお、圧縮部22の具体的な構成は、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。
三相モータ23は、圧縮部22を駆動させるものである。三相モータ23は、例えばハウジング21に対して回転可能に支持された円柱状の回転軸26と、当該回転軸26に対して固定された円筒形状のロータ24と、ハウジング21に固定されたステータ25とを有する。ロータ24は、磁石24aが埋設された円筒形状のロータコア24bを有している。磁石24aは永久磁石である。回転軸26の軸線方向と、円筒形状のハウジング21の軸線方向とは一致している。ステータ25は、円筒形状のステータコア25aと、当該ステータコア25aに形成されたティースに捲回されたコイル25bとを有している。ロータ24及びステータ25は、回転軸26の径方向に対向している。
車載用電動圧縮機20は、三相モータ23を駆動させるモータ駆動用インバータ装置31と、当該モータ駆動用インバータ装置31が収容されたケース32とを有するインバータユニット30を備えている。三相モータ23のコイル25bとモータ駆動用インバータ装置31とは電気的に接続されている。ケース32は、固定具としてのボルト33によってハウジング21に固定されている。すなわち、本実施形態の車載用電動圧縮機20には、モータ駆動用インバータ装置31が一体化されている。
モータ駆動用インバータ装置31は、回路基板34と、当該回路基板34と電気的に接続されたパワーモジュール35とを備えている。回路基板34には、各種電子部品が実装されている。ケース32の外面にはコネクタ36が設けられており、回路基板34とコネクタ36とが電気的に接続されている。コネクタ36を介してモータ駆動用インバータ装置31に電力供給が行われるとともに、空調ECU101とモータ駆動用インバータ装置31とが電気的に接続されている。
このようにして、車載用電動圧縮機20は、ハウジング21内に、圧縮部22と、圧縮部22を駆動する三相モータ23が配置されるとともにモータ23に電力を供給するモータ駆動用インバータ装置31が一体化されている。
図2に示すように、モータ駆動用インバータ装置31は、インバータ回路40とインバータ制御装置50を備えている。インバータ制御装置50は、ドライブ回路55と、PWM制御部60を備えている。
インバータ回路40は、6つのスイッチング素子Q1〜Q6と6つのダイオードD1〜D6を有する。スイッチング素子Q1〜Q6としてIGBTを用いている。正極母線と負極母線との間に、U相上アームを構成するスイッチング素子Q1と、U相下アームを構成するスイッチング素子Q2が直列接続されている。正極母線と負極母線との間に、V相上アームを構成するスイッチング素子Q3と、V相下アームを構成するスイッチング素子Q4が直列接続されている。正極母線と負極母線との間に、W相上アームを構成するスイッチング素子Q5と、W相下アームを構成するスイッチング素子Q6が直列接続されている。スイッチング素子Q1〜Q6にはダイオードD1〜D6が逆並列接続されている。正極母線、負極母線には平滑コンデンサCを介して直流電源としてのバッテリBが接続されている。
スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の間が三相モータ(以下、モータという)23のU相端子に接続されている。スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4の間がモータ23のV相端子に接続されている。スイッチング素子Q5とスイッチング素子Q6の間がモータ23のW相端子に接続されている。上下のアームを構成するスイッチング素子Q1〜Q6を有するインバータ回路40は、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング動作に伴いバッテリBの電圧である直流電圧を交流電圧に変換してモータ23に供給することができるようになっている。
各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート端子にはドライブ回路55が接続されている。ドライブ回路55は、制御信号に基づいてインバータ回路40のスイッチング素子Q1〜Q6をスイッチング動作させる。
スイッチング素子Q2のエミッタと負極母線との間に電流センサ41が設けられている。スイッチング素子Q4のエミッタと負極母線との間に電流センサ42が設けられている。スイッチング素子Q6のエミッタと負極母線との間に電流センサ43が設けられている。電圧センサS1によりバッテリBの両端電圧(バッテリ電圧)、即ち、電源電圧が直流電圧として検出される。
本実施形態では回転位置センサを用いておらず位置センサレス化が図られている。モータの回転角(回転位置)θは後記する回転角推定部70においてモータに流れるd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*から算出される。
PWM制御部60は、速度制御部61と、減算部62,63,68と、電流制御部64と、座標変換部65,66と、PWM発生部67と、回転角推定部70と、電圧値補正部72と、推定磁束演算部83と、電圧値補正部72を備えている。
座標変換部65は、電流センサ41,42,43による電流検出値からモータに流れるU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwを検知する。また、座標変換部65は、U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iw、及び、回転角推定部70により算出されるモータの推定回転角(回転位置)θに基づいて、U相電流Iu、V相電流Iv及びW相電流Iwをd軸電流(励磁成分電流)Id及びq軸電流(トルク成分電流)Iqに変換する。なお、d軸電流(励磁成分電流)Idはモータ23に流れる電流において、界磁を発生させるための電流ベクトル成分であり、q軸電流(トルク成分電流)Iqはモータ23に流れる電流において、トルクを発生させるための電流ベクトル成分である。
減算部68は、外部から入力される回転数指令値と推定回転数との差を算出する。なお、推定回転数は、回転角推定部70において演算される推定角速度ωに基づいて得られる。
速度制御部61は、外部から入力される回転数指令値と推定回転数との差を、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に変換する。例えば、速度制御部61は、記憶部(図示略)に予め記憶される回転数指令値と推定回転数との差とd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*とが対応付けられたテーブルを用いて回転数/電流指令値変換を行う。
減算部62は、d軸電流指令値Id*とd軸電流Idとの差ΔIdを算出する。減算部63は、q軸電流指令値Iq*とq軸電流Iqとの差ΔIqを算出する。電流制御部64は、差ΔId及び差ΔIqに基づいてd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を算出する。座標変換部66は、回転角推定部70により算出されるモータの推定回転角(回転位置)θに基づいて、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*をモータへの印加電圧である電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換する。
PWM発生部67は、電圧指令値Vu,Vv,Vwをインバータの電源電圧値で規格化し、三角波との比較結果に基づいてインバータ回路40の各スイッチング素子Q1〜Q6をオン、オフさせるためのPWM制御信号を出力する。
つまり、PWM制御部60は、モータ23に流れるU、V、Wの各相の電流Iu,Iv,Iwに基づいてモータ23におけるd軸電流(励磁成分電流)とq軸電流(トルク成分電流)が目標値となるようにモータ23の電流経路に設けられたスイッチング素子Q1〜Q6を制御する。PWM発生部67からの信号はドライブ回路55に送られる。
回転角推定部70は、d軸電流Id、q軸電流Iq、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*に基づき、モータの推定回転角θおよび推定角速度ωを演算(推定)する。
推定磁束演算部83は、推定角速度ω、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、d軸電流Id、q軸電流Iqとから、推定磁束φを演算(推定)する。
推定磁束演算部83は、推定角速度ω、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、d軸電流Id、q軸電流Iqとから、推定磁束φを演算(推定)する。
電圧値補正部72は、電圧センサS1による直流電圧検出値を入力値Vinとして入力したのちインバータの電源電圧検出値Vdcを補正して出力値Voutとして出力する。この補正後の直流電圧(Vout)はPWM発生部67に送られて、電圧指令値Vu,Vv,Vwを規格化し、三角波との比較結果に基づいてPWM制御信号が算出される。
図3には電圧値補正部72の構成を示す。
電圧値補正部72は、乗算部80と補正係数決定部81と補正係数生成部82を有する。乗算部80は、直流電圧(入力値Vin)を入力して補正係数Kaを乗算して、即ち、Ka×Vinを補正後の直流電圧(出力値Vout)として出力する。補正係数決定部81は、乗算部80において使用される補正係数Kaを決定する機能を有する。
電圧値補正部72は、乗算部80と補正係数決定部81と補正係数生成部82を有する。乗算部80は、直流電圧(入力値Vin)を入力して補正係数Kaを乗算して、即ち、Ka×Vinを補正後の直流電圧(出力値Vout)として出力する。補正係数決定部81は、乗算部80において使用される補正係数Kaを決定する機能を有する。
補正係数生成部82は図4に示す補正係数Kを生成する。図4に示すように、補正係数Kは、時間の経過とともに値が階段状に大きくなる。
図4に示すように、推定磁束φは、時間の経過とともに値が略サイン波状に変化する。補正係数決定部81は、推定磁束φが最大となる時の補正係数Kを、乗算部80における補正係数Kaとして決定する。このように決定された補正係数Kaを用いて乗算部80においてKa×Vinが補正後の直流電圧(出力値Vout)として算出される。
図4に示すように、推定磁束φは、時間の経過とともに値が略サイン波状に変化する。補正係数決定部81は、推定磁束φが最大となる時の補正係数Kを、乗算部80における補正係数Kaとして決定する。このように決定された補正係数Kaを用いて乗算部80においてKa×Vinが補正後の直流電圧(出力値Vout)として算出される。
次に、作用について説明する。
モータ23の回転中において、補正係数生成部82において、予め定めた一定時間の間(掃引期間)、補正係数Kを予め定めた初期値から最終値まで、時間経過とともに階段状に変化させる。補正係数Kに応じて、モータへの印加電圧である電圧指令値Vu、Vv、Vwが補正され、モータの推定回転角θと実角度との偏差に変化が生じる。これにより各々の補正係数Kに応じた推定磁束φが算出される。そして、上記掃引期間で算出された推定磁束φが最大となる時の補正係数Kが、最適値、即ち、最大トルク位相補正係数Kaとして決定される。以後、このように決定された補正係数Kaを用いてモータ制御が行われる。
モータ23の回転中において、補正係数生成部82において、予め定めた一定時間の間(掃引期間)、補正係数Kを予め定めた初期値から最終値まで、時間経過とともに階段状に変化させる。補正係数Kに応じて、モータへの印加電圧である電圧指令値Vu、Vv、Vwが補正され、モータの推定回転角θと実角度との偏差に変化が生じる。これにより各々の補正係数Kに応じた推定磁束φが算出される。そして、上記掃引期間で算出された推定磁束φが最大となる時の補正係数Kが、最適値、即ち、最大トルク位相補正係数Kaとして決定される。以後、このように決定された補正係数Kaを用いてモータ制御が行われる。
この電圧値補正部72での処理、即ち、補正係数Kを変化させて推定磁束φが極大となるときの補正係数Kを、乗算部80で使用するゲイン(補正係数Ka)として決定する処理は、例えば、初回起動直後とする。詳しくは、車両のキースイッチ・オンにより初めて電力が供給された後における車両ECUから指令を受けて初回の電動圧縮機(モータ)が起動された時に、補正を開始してから終了するまでの期間(例えば100msec)に実行される。
よって、制御位相のずれによる出力トルク低下を解消できる。そのため、モータのトルクマージンを削減して小型化・低コスト化が可能となる。
図5(a),(b)を用いて説明する。
図5(a),(b)を用いて説明する。
本実施形態のような調整を行わないと、図5(a)に示すように、モータ特性と電流位相との関係において推定角度が正しいとモータ特性のピークに持っていくことができるが推定がずれるとモータ特性のピーク、即ち、最大トルク位相(トルクピークとなる電流位相)を狙えずに左右にずれてしまう。これはインバータのハードウェアだったりモータの磁石の公差によってずれ方が変わる。
これに対し、図5(b)に示すように初期のハードウェアの状態では推定値にずれが生じており、初期にどのようなばらつきを持っているのか分からないが、本実施形態のような調整を行うことにより最適ポイントが分かるのでその位置までパラメータをずらしてピーク位置にシフトすることができる。即ち、初期の電流位相からオートチューニングにより最大トルク位相(トルクピークとなる電流位相)に対する推定ずれを補正することができる。
また、電圧値補正部72を用いることなく、U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iw及び直流電圧に基づいて回転角θを演算すると図5(a)に示すようにモータ特性と必要出力トルクとの関係において次のようになる。図5(a)においてモータ特性はピーク値を有しており、必要出力トルクは一定値である。ここで、制御位相がモータ特性のピーク値(最大トルク位相)とずれると、必要出力トルクを確保するためには、より出力の大きなモータを使用する必要がある。
これに対し、図5(b)に示す本実施形態では、電圧値補正部72を用いて初期の電流位相とモータ特性のピーク値とのずれを補正して、制御位相とモータ特性のピーク値とを一致させることができる。そのため、必要出力トルクを確保できるモータとして、より出力の小さなモータを使用することができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)モータ駆動用インバータ装置31の構成として、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を算出する電流制御部64を備える。モータに流れるd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*から、モータの回転角θを算出する回転角推定部70を備える。回転角推定部70により算出したモータの角速度ωと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*と、d軸電流Id及びq軸電流Iqとから、磁束φを推定する推定磁束演算部83を備える。インバータの電源電圧検出値Vdcを補正する電圧値補正部72を有し、電圧値補正部72は、モータの回転中に、推定磁束演算部83にて推定された磁束φを基に、補正量(K)を決定する。
(1)モータ駆動用インバータ装置31の構成として、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を算出する電流制御部64を備える。モータに流れるd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*から、モータの回転角θを算出する回転角推定部70を備える。回転角推定部70により算出したモータの角速度ωと、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*と、d軸電流Id及びq軸電流Iqとから、磁束φを推定する推定磁束演算部83を備える。インバータの電源電圧検出値Vdcを補正する電圧値補正部72を有し、電圧値補正部72は、モータの回転中に、推定磁束演算部83にて推定された磁束φを基に、補正量(K)を決定する。
よって、ロータ回転における制御位相が最大トルク位相にずれにくくして出力トルクの低下を抑制してトルクマージンを小さく設定できモータの小型化を図ることができる。
(2)電圧値補正部72にて決定される補正量は、推定磁束演算部83にて推定された磁束φが最大値となるように決定されるので、簡易に制御位相と最大トルク位相を合わせることができ実用的である。
(2)電圧値補正部72にて決定される補正量は、推定磁束演算部83にて推定された磁束φが最大値となるように決定されるので、簡易に制御位相と最大トルク位相を合わせることができ実用的である。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 車載用電動圧縮機に具体化したが、これに限るものではない。
○ 車載用電動圧縮機に具体化したが、これに限るものではない。
23…モータ、31…モータ駆動用インバータ装置、64…電流制御部、70…回転角推定部、72…電圧値補正部、83…推定磁束演算部、Vd*…d軸電圧指令値、Vq*…q軸電圧指令値、Id…d軸電流、Iq…q軸電流、θ…モータの回転角、ω…モータの角速度、φ…磁束、Vdc…インバータの電源電圧検出値。
Claims (2)
- d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を算出する電流制御部と、
モータに流れるd軸電流及びq軸電流と、前記d軸電圧指令値及び前記q軸電圧指令値から、前記モータの回転角を算出する回転角推定部と、
前記回転角推定部により算出した前記モータの角速度と、前記d軸電圧指令値及び前記q軸電圧指令値と、前記d軸電流及び前記q軸電流とから、磁束を推定する推定磁束演算部と、
を備えたモータ駆動用インバータ装置であって、
インバータの電源電圧検出値を補正する電圧値補正部を有し、
前記電圧値補正部は、前記モータの回転中に、前記推定磁束演算部にて推定された磁束を基に、補正量を決定することを特徴とするモータ駆動用インバータ装置。 - 前記電圧値補正部にて決定される補正量は、前記推定磁束演算部にて推定された磁束が最大値となるように決定されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動用インバータ装置。
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2017
- 2017-03-31 JP JP2017070272A patent/JP2018174631A/ja active Pending
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