JP2016183700A - 圧力緩衝装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油圧緩衝装置1は、オイルを収容するシリンダ11と、シリンダ11内において軸方向に移動可能に設けられ、シリンダ11内の空間を第1油室Y1と第2油室Y2とに区画する第1ピストン部40と、第1ピストン部40を支持するとともに一部がシリンダ11から突出するロッド部材21と、ロッド部材21の半径方向外側に配置され、ロッド部材21を励磁するコイル部61と、ロッド部材21がコイル部61により励磁されることによって生じた磁力を用いて発生させる減衰力を変更する減衰力変更部60とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、圧力緩衝装置における減衰力変更機構の部品点数をより少なくすることを目的とする。
このような構成とすることにより、ロッド部材を利用して磁力を発生させることができ、減衰力変更機構の部品点数を少なくすることができる。
図1は、本実施形態の油圧緩衝装置1の全体構成図である。
なお、以下の説明においては、図1に示す油圧緩衝装置1の軸方向における図中下側を「一方側」と称し、図中上側を「他方側」と称する。また、油圧緩衝装置1の半径方向の中心側を「中央側」、半径方向の外側の「外側」と称する。
図1に示すように、油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)は、シリンダ部10と、他方側がシリンダ部10の外部に突出して設けられるとともに一方側がシリンダ部10の内部にスライド可能に挿入されるロッド部20と、ロッド部20の一方側の端部に設けられるピストン部30と、シリンダ部10の一方側の端部に配置されるボトムバルブ部70とを備えている。
そして、油圧緩衝装置1は、例えば四輪自動車や二輪自動車等において車体と車軸との間に設けられて、シリンダ部10に対するロッド部20の振幅運動の減衰を行う。
図1に示すように、本実施形態の油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置)は、オイル(液体)を収容するシリンダ11(シリンダ)と、シリンダ11内において軸方向に移動可能に設けられ、シリンダ11内の空間を第1油室Y1(第1室)と第2油室Y2(第2室)とに区画する第1ピストン部40(区画部)と、第1ピストン部40を支持するとともに一部がシリンダ11から突出するロッド部材21(ロッド部材)と、ロッド部材21の半径方向の外側に配置され、ロッド部材21を励磁するコイル部61(コイル部)と、ロッド部材21がコイル部61により励磁されることによって生じた磁力を用いて発生させる減衰力を変更する減衰力変更部60(変更部)とを備える。
以下、これらの構成について詳述する。
また、シリンダ部10は、シリンダ11の他方側の端部に設けられるロッドガイド14と、外筒体12の他方側の端部を閉じるシール部材15とを有している。
ロッド部材21の一方側取付部21aは、ピストン部30を保持する。また、ロッド部材21の他方側取付部21bには、油圧緩衝装置1を自動車などの車体などに連結するための連結部材(不図示)が取り付けられる。また、本実施形態のロッド部材21は、軸方向に延びる貫通孔21Hが形成される。この貫通孔21Hには、後述するコイル部61に電気的に接続する配線が通される。
また、本実施形態のロッド部材21の材料には、鉄などの磁性を帯びることが可能な磁性材料を用いることができる。
なお、ピストン部30の各構成については後に詳述する。
そして、ボトムバルブ部70は、油圧緩衝装置1の一方側の端部に設けられて、第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。
図2は、本実施形態のピストン部30の断面図である。
[第1ピストン部40]
図2に示すように、第1ピストン部40は、第1ピストン41と、第1ピストン41の他方側に設けられる第1圧側減衰バルブ42と、第1ピストン41の一方側に設けられる第1伸側減衰バルブ43と、第1ピストン41の半径方向の外側に設けられるピストンリング44と、第1伸側減衰バルブ43の一方側に設けられるナット45とを備える。
第1伸側減衰バルブ43は、ロッド部材21を通す開口部43Hを有する円盤状の金属板材により構成される。そして、第1伸側減衰バルブ43は、第1ピストン41の第1伸側油路412の一方側を開閉可能にするとともに、第1圧側油路411の一方側を常に開放する。
ナット45は、第1ピストン41、第1圧側減衰バルブ42および第1伸側減衰バルブ43を、ロッド部材21に押し付けて固定する。
図2に示すように、第2ピストン部50は、第2ピストン51(流路形成部)と、第2ピストン51の他方側に設けられる第2減衰バルブ52(バルブ)と、第2ピストン51の半径方向の外側に設けられる第2ピストンリング53とを有している。
さらに、本実施形態の第2ピストン51は、他方側の端部において、半径方向に形成される半径方向流路51Rを有している。半径方向流路51Rは、半径方向の中央側にて後述する軸方向流路632に連絡し、半径方向の外側にて第2油路511に連絡する。
なお、図3(A)は、減衰力変更部60の側面図である。図3(B)は、固定部材62を他方側からみた上面図である。図3(C)は、回転部64を他方側からみた上面図である。
図2に示すように、減衰力変更部60は、ロッド部材21の半径方向の外側に設けられるコイル部61と、コイル部61の他方側に設けられる固定部材62と、コイル部61の一方側に設けられるバイパス形成部63(バイパス路形成部)と、コイル部61およびバイパス形成部63の半径方向の外側に設けられる回転部64と、回転部64の一方側に設けられるカム部65と、カム部65の一方側に設けられるウェーブワッシャ66とを有している。
コイル部61は、螺旋状に巻かれた導電線により構成される。また、コイル部61は、図示しない配線によって制御部(電源)に接続している。そして、コイル部61は、通電状態においてロッド部材21を励磁させ、ロッド部材21と共に磁力を発生させる。
図3(B)に示すように、固定部材62は、円環状に形成された部材である。そして、固定部材62は、半径方向の中央側に設けられる環状部621と、環状部621から半径方向の外側に延びる固定極部622と、環状部621および固定極部622を覆うカバー部623とを有している。
以上のように構成される固定部材62は、コイル部61がロッド部材21を励磁することにより生じた磁力によって一時的に磁化される。そして、本実施形態では、磁化された固定部材62の固定極部622は、回転部64の後述する回転極部644を吸引するように作用する。
バイパス形成部63は、略円筒状に形成される部材である。そして、バイパス形成部63は、半径方向の中央側にロッド部材21の一方側の端部が挿入される。
また、バイパス形成部63は、半径方向に形成される開口部631と、軸方向に形成される軸方向流路632と、半径方向の外側にて軸方向に形成される案内溝633と、一方側に設けられるバルブ保持部634と、バルブ保持部634の他方側に設けられるバルブ対向部635とを有している。
そして、本実施形態では、開口部631と、軸方向流路632と、回転部64の第1開口部6431または第2開口部6432と、第2ピストン51の半径方向流路51Rとは、第2ピストン部50の第2減衰バルブ52(バルブ)を開きながら第2油路511(第1流路)を流れるオイルの流れとは別にオイルが流れるバイパス路を形成する。
バルブ対向部635は、第2減衰バルブ52の開口部52Hを覆うことが可能な面を有する。そして、バルブ対向部635は、第2減衰バルブ52がバルブ対向部635に押し付けられた状態においては、開口部52Hの他方側を塞ぐ。
回転部64は、円筒形状に形成される部材である。回転部64の内径は、コイル部61の外径およびバイパス形成部63の外径よりも若干大きく形成される。また、本実施形態の回転部64の材料には、鉄などの磁性を帯びることが可能な磁性材料を用いることができる。そして、回転部64(可動部)は、コイル部61の半径方向の外側に配置される。また、回転部64は、ロッド部材21に対して軸方向および周方向に移動可能に設けられる。つまり、回転部64は、軸方向の移動動作と回転動作とが生じるように構成される。
そして、回転部64の回転極部644は、コイル部61がロッド部材21を励磁することにより生じた磁力によって一時的に磁化される。そして、本実施形態の回転部64は、固定部材62の固定極部622に、回転極部644が吸引されることによって回転を生じる。
カム部65は、円筒状に形成される部材である。また、カム部65は、半径方向の中央側に向けて突出する突起(不図示)を有している。カム部65の突起(不図示)は、バイパス形成部63の案内溝633(図2参照)に嵌め込まれる。そして、カム部65は、案内溝633によって軸方向に沿った移動が案内される。このように構成されるカム部65(回転固定部)は、回転部64に接触して回転部64の回転位置を固定する。
図2に示すように、ウェーブワッシャ66は、一方側にてバイパス形成部63に接触し、他方側にてカム部65に接触する。そして、ウェーブワッシャ66は、カム部65に対して、カム部65が他方側に移動する力を付与する。
図4(A)〜図4(C)は、減衰力変更部60の動作の説明図である。
以下では、減衰力変更部60において、コイル部61に通電を行い回転部64が回転する際の動作について説明する。
図4(A)に示すように、回転部64およびカム部65は、固定状態になっている。また、図4(A)の例では、開口部631に対して、第1開口部6431が対向した状態(第1開状態)になっている。
これに伴って、回転部64は、ウェーブワッシャ66を圧縮させながら、カム部65を一方側に変位させる。そして、回転部64の凸部640が、カム部65の凹部650の第2傾斜部652を乗り越えて第1傾斜部651に達する。
また、コイル部61に通電を行っていない状態であっても、カム部65が回転部64に接触して回転部64を固定状態にする。従って、コイル部61に通電を行っていない状態においても減衰力変更部60の状態が安定的に維持される。
続いて、本実施形態の油圧緩衝装置1のオイルの流れについて詳細に説明する。
図5(A)〜図5(C)は、本実施形態の油圧緩衝装置1の圧縮行程時における動作の説明図である。
また、図6(A)〜図6(C)は、本実施形態の油圧緩衝装置1の伸張行程時における動作の説明図である。
まず、圧縮行程時におけるオイルの流れを説明する。また、以下では減衰力変更部60の状態として、第1開状態、第2開状態、閉状態の順に説明する。
ピストン部30がシリンダ11に対して軸方向の一方側へ移動すると、第1油室Y1内の圧力が上昇する。そうすると、図5(A)の実線の矢印で示すように、第1油室Y1のオイルは、第1圧側油路411に流れ込む。そして、第1圧側油路411に流れたオイルは、第1圧側減衰バルブ42を開きながら、第3油室Y3に流れ出る。
次に、圧縮行程時であって第2開状態について説明する。
第2開状態におけるオイルの流れは、基本的には、上述した第1開状態と同様である。ただし、図5(B)に示すように、第2開状態では、開口部631に対して第2開口部6432が対向した状態になっている。
そして、第2開口部6432の流路断面積は、第1開口部6431よりも小さい。従って、第2開状態においては、第2開口部6432をオイルが流れる際、第1開口部6431をオイルが流れる場合よりもオイルの流れが絞られることになる。そのため、第2開状態において発生する減衰力は、第1開状態の場合よりも大きくなる。
続いて、圧縮行程時であって閉状態について説明する。
閉状態において、第1ピストン部40におけるオイルの流れは、上述した第1開状態と同様である。ただし、閉状態では、第2ピストン部50におけるオイルの流れが異なる。すなわち、図5(C)に示すように、閉状態では、開口部631に対して閉塞部6433が対向した状態になっている。これにより、半径方向流路51R、軸方向流路632および開口部631を介した第3油室Y3から第2油室Y2へのオイルの流れは生じない。従って、閉状態においては、第3油室Y3のオイルは、第2油路511に流れ込み、第2減衰バルブ52を開きながら第2油室Y2に流れ出る。
次に、伸張行程時におけるオイルの流れを説明する。また、以下では減衰力変更部60の状態として、第1開状態、第2開状態、閉状態の順に説明する。
ピストン部30がシリンダ11に対して軸方向の他方側へ移動すると、第2油室Y2内の圧力が上昇する。そうすると、図6(A)の実線の矢印で示すように、第2油室Y2のオイルは、第1開口部6431、開口部631、軸方向流路632、半径方向流路51Rおよび第2油路511を介して、第3油室Y3に流れ出る。このように、第1開状態では、第2ピストン部50の第2減衰バルブ52を開く流れを迂回するオイルの流れが生じる。
次に、伸張行程時であって第2開状態について説明する。
第2開状態におけるオイルの流れは、基本的には、上述した第1開状態と同様である。第2開状態では、開口部631に対して第2開口部6432が対向した状態になっている。
そして、第2開口部6432の流路断面積は、第1開口部6431よりも小さい。従って、第2開状態においては、第2開口部6432をオイルが流れる際に、第2開口部6432をオイルが流れる場合よりもオイルの流れが絞られることになる。そのため、第2開状態において発生する減衰力は、第1開状態の場合よりも大きくなる。
続いて、伸張行程時であって閉状態について説明する。
閉状態において、第1ピストン部40におけるオイルの流れは、上述した第1開状態と同様である。ただし、閉状態では、第2ピストン部50におけるオイルの流れが異なる。すなわち、閉状態では、開口部631に対して閉塞部6433が対向した状態になっている。これにより、開口部631、軸方向流路632および半径方向流路51Rを介した第2油室Y2から第3油室Y3へのオイルの流れは生じない。
従って、閉状態では、第2油室Y2のオイルは、第2減衰バルブ52の半径方向の中央側を一方側に向けて変形させながら第3油室Y3に流れ出る。詳細には、第2油室Y2のオイルは、第2減衰バルブ52の中央側であって開口部52Hを通って第3油室Y3に流れ込む。
また、本実施形態の油圧緩衝装置1は、サイズの小型化が図られるため、ロッド部材21の軸方向におけるストローク量がより長く確保される。
また、回転部64に設けられる第1開口部6431等の形状は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、回転部64において、周方向に沿って形成されるとともに、その開口の幅が周方向において変化するような溝を形成しても構わない。
Claims (6)
- 液体を収容するシリンダと、
前記シリンダ内において軸方向に移動可能に設けられ、前記シリンダ内の空間を第1室と第2室とに区画する区画部と、
前記区画部を支持するとともに一部が前記シリンダから突出するロッド部材と、
前記ロッド部材の半径方向外側に配置され、前記ロッド部材を励磁するコイル部と、
前記ロッド部材が前記コイル部により励磁されることによって生じた磁力を用いて発生させる減衰力を変更する変更部と、
を備える圧力緩衝装置。 - 前記変更部は、前記コイル部の半径方向外側に配置され、前記ロッド部材に対して移動可能に設けられる可動部を有する請求項1に記載の圧力緩衝装置。
- 前記変更部は、前記液体が流れる流路が形成されるとともに、前記磁力により回転する回転部を有する請求項1に記載の圧力緩衝装置。
- 前記変更部は、前記回転部に接触して前記回転部の回転位置を固定する回転固定部を有する請求項3に記載の圧力緩衝装置。
- 前記回転部は、前記液体の流路断面積が異なる複数の流路を有する請求項3に記載の圧力緩衝装置。
- 前記区画部の移動に伴って前記液体が流れる第1流路を形成する流路形成部と、
前記第1流路における前記液体の流れを制御するバルブと、
前記バルブを開きながら前記第1流路を流れる前記液体の流れとは別に前記液体が流れるバイパス路を形成するバイパス路形成部と、
を更に備え、
前記変更部は、前記磁力を用いて前記第1流路と前記バイパス路とのいずれかに前記液体の流れを切り替える請求項1に記載の圧力緩衝装置。
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