JP2014073018A - ソレノイド - Google Patents

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Shunsuke Mori
俊介 森
Yusei Kimura
夕成 木村
Yoshie Midorikawa
好江 緑川
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Abstract

【課題】プランジャの移動抵抗を低減することができるソレノイドを提供する。
【解決手段】第1のステータコア36とヨーク部材38とは、非磁性材料からなるリング状部材41により繋ぐ構成とする。この場合、第1のステータコア36の内周側のうちリング状部材41側の端部には、第1段差部36Cを形成する。ヨーク部材38の内周側のうちリング状部材41側の端部には、第2段差部38Cを形成する。リング状部材41は、外周側を部分的に第1、第2段差部36C,38Cで覆われるように配置し、第1、第2段差部36C,38Cの外周側からレーザ溶接により第1のステータコア36,ヨーク部材38とリング状部材41とを溶着する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力可変アクチュエータ等として好適に用いられるソレノイドに関する。
一般に、車両に搭載されるセミアクティブサスペンション等の懸架装置には、走行条件、車両の挙動等に応じて減衰力を可変に調整するようにした減衰力調整式油圧緩衝器が設けられ、該油圧緩衝器の減衰力調整装置には、減衰力可変アクチュエータとしてソレノイドを用いたものが知られている。
ここで、例えば特許文献1には、電磁弁のソレノイドとして、通電により磁力を発生するコイルと、該コイルの内周側に配され磁性材料からなる第1、第2のステータコアと、該ステータコアの内周側に配され軸方向へ移動可能に設けられるプランジャと、第1、第2のステータコアの間であって非磁性材料からなり第1、第2のステータコアを繋ぐリング状部材とにより構成したものが記載されている。
特開2012−38780号公報
特許文献1によるソレノイドは、リング状部材の軸方向両端を、第1のステータコアの端部の外周側と第2のステータコアの端部の外周側とにそれぞれ嵌合(外嵌)し、リング状部材の外周側からレーザ溶接することにより、これら第1、第2のステータコアとリング状部材とを溶着する構成としている。このような構成の場合、第1のステータコアと第2のステータコアとの同軸度を確保しにくくなり、プランジャの移動抵抗、換言すれば、プランジャを一体的に固定した作動ピン(ロッド)の摺動抵抗が大きくなる虞がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、プランジャの移動抵抗を低減することができるソレノイドを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、通電により磁力を発生するコイルと、前記コイルの内周側に軸方向に離間して配され、磁性材料からなる第1、第2のステータコアと、前記ステータコアの内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられるプランジャと、前記第1、第2のステータコアの間であって、非磁性材料からなり前記第1、第2のステータコアを繋ぐリング状部材と、を備えるソレノイドであって、前記第1のステータコアの前記リング状部材側の端部には、第1筒状部が形成され、前記第2のステータコアの前記リング状部材側の端部には、第2筒状部が形成され、前記リング状部材は前記第1、第2の筒状部の内側に嵌合されて配置され、前記第1、第2の筒状部の外周側からレーザ溶接により前記第1、第2のステータコアと前記リング状部材とを溶着することを特徴としている。
本発明によれば、プランジャの移動抵抗を低減することができる。
実施の形態によるソレノイドが組込まれた減衰力調整式油圧緩衝器を示す縦断面図である。 図1中の減衰力調整バルブとソレノイドを取出して示す拡大断面図である。 図2中のソレノイドを取出して示す拡大断面図である。 図3中の第1のステータコアと第2のステータコアとリング状部材を取出して示す断面図である。 比較例によるソレノイドを示す図3と同方向からみた断面図である。 変形例によるソレノイドを示す図3と同方向からみた断面図である。
以下、本発明の実施の形態によるソレノイドを、例えば減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力可変アクチュエータに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図4を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本実施の形態によるソレノイド33が組込まれた減衰力調整式油圧緩衝器1(以下、油圧緩衝器1とする)について、図1を参照しつつ説明する。
油圧緩衝器1の外殻をなす有底筒状の外筒2は、下端側がボトムキャップ3により溶接手段等を用いて閉塞され、上端側は、径方向内側に屈曲されたかしめ部2Aとなっている。かしめ部2Aと内筒4との間には、ロッドガイド9とシール部材10が設けられている。一方、外筒2の下部側には、後述する中間筒12の接続口12Cと同心に開口2Bが形成され、該開口2Bと対向して後述する減衰力調整装置17が取付けられている。また、ボトムキャップ3には、例えば車両の車輪側に取付けられる取付アイ3Aが設けられている。
外筒2内には、該外筒2と同軸上に内筒4が設けられている。内筒4は、下端側がボトムバルブ13に嵌合して取付けられ、上端側はロッドガイド9に嵌合して取付けられている。内筒4内には作動液としての油液が封入されている。作動液としては油液、オイルに限らず、例えば添加剤を混在させた水等でもよい。
内筒4と外筒2との間には、環状のリザーバ室Aが形成され、このリザーバ室A内には、前記油液と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。また、内筒4の長さ方向(軸方向)の途中位置には、ロッド側油室Bを環状油室Dに常時連通させる油穴4Aが径方向に穿設されている。
ピストン5は、内筒4内に摺動可能に挿嵌されている。ピストン5は、内筒4内をロッド側油室Bとボトム側油室Cとに画成している。ピストン5には、ロッド側油室Bとボトム側油室Cとを連通可能とする油路5A,5Bがそれぞれ複数個、周方向に離間して形成されている。
ここで、ピストン5の下端面には、伸長側のディスクバルブ6が設けられている。この伸長側のディスクバルブ6は、ピストンロッド8の伸長行程でピストン5が上向きに摺動変位するときに、ロッド側油室B内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を各油路5Aを介してボトム側油室C側にリリーフする。このリリーフ設定圧は、後述の減衰力調整装置17がハードに設定されたときの開弁圧より高い圧に設定される。
ピストン5の上端面には、ピストンロッド8の縮小行程でピストン5が下向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する縮み側逆止弁7が設けられている。この逆止弁7は、ボトム側油室C内の油液がロッド側油室Bに向けて各油路5B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止するものである。この逆止弁7の開弁圧は、後述の減衰力調整装置17がソフトに設定されたときの開弁圧より低い圧に設定され、実質的に減衰力を発生しない。この実質的に減衰力を発生しないとは、ピストン5やシール部材10のフリクション以下の力であり、車の運動に対し影響しないものである。
内筒4内を軸方向に延びるピストンロッド8は、下端側が内筒4内に挿入され、ナット8A等によりピストン5に固着して設けられている。また、ピストンロッド8の上端側は、ロッドガイド9を介して外筒2および内筒4の外部に突出している。なお、ピストンロッド8の下端をさらに延ばしてボトム部(例えば、ボトムキャップ3)側から外向きに突出させ、所謂、両ロッドとしてもよい。
内筒4の上端側には、段付円筒状のロッドガイド9が設けられている。ロッドガイド9は、内筒4の上側部分を外筒2の中央に位置決めすると共に、その内周側でピストンロッド8を軸方向に摺動可能にガイドしている。また、ロッドガイド9と外筒2のかしめ部2Aとの間には、環状のシール部材10が設けられている。シール部材10は、中心にピストンロッド8が挿通される孔が設けられた金属性の円輪板にゴム等の弾性材料を焼き付けたもので、内周がピストンロッド8の外周側に摺接することによりピストンロッド8との間をシールするものである。
また、シール部材10は、下面側にロッドガイド9と接触するように延びるチェック弁としてのリップシール10Aが形成されている。リップシール10Aは、油溜め室11とリザーバ室Aとの間に配置され、油溜め室11内の油液等がロッドガイド9の戻し通路9Aを介してリザーバ室A側に向け流通するのを許し、逆向きの流れを阻止するものである。
外筒2と内筒4との間には、中間筒12が配設されている。中間筒12は、例えば、内筒4の外周側に上,下の筒状シール12A,12Bを介して取付けられている。中間筒12は、内筒4の外周側を全周にわたって取囲むように延びた環状油室Dを内部に形成し、環状油室Dはリザーバ室Aとは独立した油室となっている。環状油室Dは、内筒4に形成した径方向の油穴4Aによりロッド側油室Bと常時連通している。また、中間筒12の下端側には、後述する減衰力調整バルブ18の筒形ホルダ20が取付けられる接続口12Cが設けられている。
ボトムバルブ13は、内筒4の下端側に位置してボトムキャップ3と内筒4との間に設けられている。ボトムバルブ13は、ボトムキャップ3と内筒4との間でリザーバ室Aとボトム側油室Cとを画成するバルブボディ14と、バルブボディ14の下面側に設けられた縮小側のディスクバルブ15と、バルブボディ14の上面側に設けられた伸び側逆止弁16とにより構成されている。バルブボディ14には、リザーバ室Aとボトム側油室Cとを連通可能する油路14A,14Bがそれぞれ周方向に間隔をあけて形成されている。
縮小側のディスクバルブ15は、ピストンロッド8の縮小行程でピストン5が下向きに摺動変位するときに、ボトム側油室C内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を各油路14Aを介してリザーバ室A側にリリーフする。このリリーフ設定圧は、後述の減衰力調整装置17がハードに設定されたときの開弁圧より高い圧に設定される。
伸び側逆止弁16は、ピストンロッド8の伸長行程でピストン5が上向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する。この逆止弁16は、リザーバ室A内の油液がボトム側油室Cに向けて各油路14B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止するものである。この逆止弁16の開弁圧は、後述の減衰力調整装置17がソフトに設定されたときの開弁圧より低い圧に設定され、実質的に減衰力を発生しない。
次に、油圧緩衝器1の発生減衰力を可変に調整するための減衰力調整装置17について、図1に加えて図2も参照しつつ説明する。なお、図2は、ソレノイド33のコイル34Aへの通電に基づいて、プランジャ46(作動ピン47)が図2の左側、即ち、パイロット弁部材32がパイロットボディ26の弁座部26Eに着座する側に移動(変位)した状態を示している。
図1中に示すように、減衰力調整装置17は、その基端側(図1の左端側)がリザーバ室Aと環状油室Dとの間に介在して配置され、先端側(図1の右端側)が外筒2の下部側から径方向外向きに突出するように設けられている。減衰力調整装置17は、環状油室Dからリザーバ室Aへの油液の流通を、減衰力調整バルブ18により制御することで、減衰力を発生する。また、減衰力調整バルブ18の開弁圧を、減衰力可変アクチュエータとして用いられる後述のソレノイド33で調整することにより、発生減衰力を可変に調整する。
ここで、減衰力調整バルブ18は、その基端側が外筒2の開口2Bの周囲に固着され先端側が外筒2から径方向外向に突出するように設けられた略円筒状のバルブケース19、基端側が中間筒12の接続口12Cに固定されると共に先端側が環状のフランジ部20Aとなってバルブケース19の内側に隙間をもって配設された筒形ホルダ20、該筒形ホルダ20のフランジ部20Aに当接するバルブ部材21等を含んで構成されている。
バルブケース19の基端側は、径方向内側に向けて突出する内側フランジ部19Aとなり、バルブケース19の先端側は、該バルブケース19と後述するソレノイド33のカバー部材48とを結合する結合リング49を螺着する雄ねじ部19Bとなっている。バルブケース19の内周面と後述するバルブ部材21、パイロットボディ26等の外周面との間は、リザーバ室Aに通じる環状の油室19Cとなっている。
筒形ホルダ20の内側は、一方側が環状油室Dに連通し、他方側がバルブ部材21の位置まで延びる油路20Bとなっている。また、筒形ホルダ20のフランジ部20Aとバルブケース19の内側フランジ部19Aとの間には、円環状のスペーサ22が挟持されている。このスペーサ22には、油室19Cとリザーバ室Aとを連通するための油路となる切欠き22Aが、径方向に延びるように放射状に複数設けられている。なお、本実施の形態では、スペーサ22に油路を形成するための切欠き22Aを設ける構成としたが、バルブケース19の内側フランジ部19Aに油路を形成するための切欠きを放射状に形成するようにしてもよい。このように構成した場合は、1部品減らす(スペーサ22を省略する)ことができる。
バルブ部材21には、径方向の中心に位置して軸方向に延びる中心孔21Aが設けられている。また、バルブ部材21には、中心孔21Aの周囲に周方向に離間して複数の油路21Bが設けられ、これら各油路21Bは、その一方側(図1および図2の左側)が筒形ホルダ20の油路20B側に常時連通している。また、バルブ部材21の他方側(図1および図2の右側)の端面には、油路21Bの他側開口を取囲むように形成された環状凹部21Cと、該環状凹部21Cの径方向外側に位置して後述するメインディスクバルブ23が離着座する環状弁座21Dとが設けられている。ここで、バルブ部材21の油路21Bは、環状油室D側(となる油路20B)とリザーバ室A側(となる油室19C)との間でメインディスクバルブ23を介して油液を流通させるものである。
メインバルブを構成するメインディスクバルブ23は、内周側がバルブ部材21と後述するパイロットピン24の大径部24Aとの間に挟持され、外周側がバルブ部材21の環状弁座21Dに着座している。メインディスクバルブ23の背面側の外周部には、弾性シール部材23Aが固着されている。メインディスクバルブ23は、バルブ部材21の油路21B側(環状油室D側)の圧力を受けて環状弁座21Dから離座することにより開弁し、バルブ部材21の油路21B(環状油室D側)を油室19C(リザーバ室A側)に連通させる。
パイロットピン24は、軸方向中間部に大径部24Aを有すると共に径方向中央部に軸方向に延びる中心孔24Bを有する段付円筒状に形成され、中心孔24Bの一端部には、オリフィス24Cが形成されている。パイロットピン24は、一端側(図1および図2の左端側)がバルブ部材21の中心孔21Aに圧入され、大径部24Aとバルブ部材21との間でメインディスクバルブ23を挟持している。パイロットピン24の他端側(図1および図2の右端側)は、後述するパイロットボディ26の中心孔26Cに嵌合している。この状態で、パイロットボディ26の中心孔26Cとパイロットピン24の他端側との間には、軸方向に延びる油路25が形成され、該油路25を通じてメインディスクバルブ23とパイロットボディ26との間に形成される背圧室27に接続されている。言い換えると、パイロットピン24の他端側の側面には、軸方向に延びる油路25が周方向に複数設けられ、その他の周方向位置は、パイロットボディ26の中心孔26Cに圧入されている。
パイロットボディ26は、内側に段付き穴が形成された円筒部26Aと該円筒部26Aを塞ぐ底部26Bとを有する略有底筒状に形成され、底部26Bの中央部には、パイロットピン24の他端側が嵌合される中心孔26Cが設けられている。パイロットボディ26の底部26Bの一端側(図1および図2の左端側)には、外径側に位置して全周にわたってバルブ部材21側に突出する突出筒部26Dが設けられている。この突出筒部26Dの内周面には、メインディスクバルブ23の弾性シール部材23Aが液密に嵌合し、メインディスクバルブ23とパイロットボディ26との間に背圧室27を形成している。背圧室27の内圧は、メインディスクバルブ23に対して閉弁方向、即ち、メインディスクバルブ23をバルブ部材21の環状弁座21Dに着座させる方向に作用する。
パイロットボディ26の底部26Bの他端側(図1および図2の右端側)には、後述するパイロット弁部材32が離着座する弁座部26Eが、中心孔26Cを囲むように設けられている。また、パイロットボディ26の円筒部26Aの内側には、パイロット弁部材32をパイロットボディ26の弁座部26Eから離れる方向に付勢するリターンばね28、後述するソレノイド33が非通電状態のとき(パイロット弁部材32が弁座部26Eから最も離れたとき)のフェールセーフバルブを構成するディスクバルブ29、中心側に油路30Aが形成された保持プレート30等が配設されている。
パイロットボディ26の円筒部26Aの開口端には、該円筒部26Aの内側にリターンばね28、ディスクバルブ29、保持プレート30等を配設した状態で、キャップ31が嵌合固定される。このキャップ31には、保持プレート30の油路30Aを通じてソレノイド33側に流れた油液を油室19C(リザーバ室A側)に流通させる流路となる切欠き31Aが例えば円周方向4箇所位置に形成されている。
パイロット弁部材32は、パイロットボディ26と共にパイロットバルブを構成するものである。パイロット弁部材32は、略円筒状に形成され、パイロットボディ26の弁座部26Eに離着座する先端部は、先細りのテーパ状となっている。パイロット弁部材32の内側には、後述するソレノイド33の作動ピン47が嵌合固定され、該ソレノイド33への通電に応じて、パイロット弁部材32の開弁圧が調節される構成となっている。パイロット弁部材32の基端側には、ばね受となるフランジ部32Aが全周にわたって形成されている。フランジ部32Aは、ソレノイド33が非通電状態のとき、即ち、パイロット弁部材32が弁座部26Eから最も離れたときに、ディスクバルブ29と当接することにより、フェールセーフバルブを構成するものである。
次に、減衰力調整バルブ18と共に減衰力調整装置17を構成するソレノイド33に就いて、図1および図2に加えて図3および図4も参照しつつ説明する。
減衰力調整装置17の減衰力可変アクチュエータとして用いられるソレノイド33は、モールドコイル34、第1のステータコア36,ヨーク部材38、リング状部材41、アンカ部材43、プランジャ46、作動ピン(ロッド)47、カバー部材48等により構成されている。このヨーク部材38とアンカ部材43とで、本発明の第2のステータコアを構成する。
モールドコイル34は、コイル34Aを熱硬化性樹脂等の樹脂部材34Bで一体的に覆う(モールド成形する)ことにより略円筒状に形成され、その周方向の一部は、径方向外側に突出したケーブル取出部(図示せず)となって該ケーブル取出部にケーブル(図示せず)が接続されている。コイル34Aは、ケーブルを通じた電力の供給(通電)により、磁力を発生するものである。樹脂部材34Bのうち後述のカバー部材48(のプレート48B)と対向する側面には、シールリング35が装着されるシール溝34Cが全周にわたって形成され、シールリング35によりモールドコイル34とカバー部材48(のプレート48B)とが液密に封止されている。これにより、雨や泥などがカバー部材48とモールドコイル34の間を介して第1、第2のステータコア側に侵入することを防止することができる。
第1のステータコア(ヨークトップ)36とヨーク部材(ヨークボトム)38は、それぞれ磁性材からなり、コイル34Aの内周側に軸方向に離間して配置されている。ここで、第1のステータコア36は、有底筒状に形成され、ヨーク部材38は段付き円筒状に形成されている。これら第1のステータコア36とヨーク部材38は、後述するリング状部材41により接続(連結)され、ヨーク部材38の内周側には、後述するアンカ部材43が圧入、かしめにより嵌着(固定)されている。
第1のステータコア36は、内側に段付穴を有する円筒状の筒部36Aと、該筒部36Aの一端側(図1ないし図3の右端側)を閉塞する底部36Bとにより大略構成されている。そして、第1のステータコア36の筒部36Aの開口側となる他側(図1ないし図3の左側)の端部、換言すれば、第1のステータコア36の内周側のうち後述するリング状部材41側の端部には、該リング状部材41の一端側が嵌合(内嵌)される第1段差部36C(本発明の第1筒状部に相当)が形成されている。
このために、筒部36Aのうち後述するプランジャ46と径方向に対向する部位は、内径寸法がプランジャ46の外径寸法よりも若干大きく該プランジャ46を軸方向の移動を可能に挿通する小径穴部36Dと、該小径穴部36Dよりも開口側(後述のヨーク部材38側)に位置して該小径穴部36Dよりも内径寸法が大きい大径穴部36Eとにより構成され、これら大径穴部36Eと小径穴部36Dは、段差面36Fを介して連続している。そして、大径穴部36Eと小径穴部36Dとを段差面36Fで連続することにより構成された第1段差部36Cには、後述するリング状部材41の一側(図1ないし図3の右側)の端面が段差面36Fに当接するように嵌合(内嵌)されている。これにより、リング状部材41は、その外周側のうち一側の端部が、第1段差部36C(の大径穴部36E)により覆われるように配置されている。
一方、筒部36Aのうち小径穴部36Dよりも底部36B側には、後述する作動ピン47の一端側を支持するブッシュ(軸受)37が嵌着されるブッシュ取付部36Gが設けられている。また、第1のステータコア36の底部36Bの端面は、後述するカバー部材48(のプレート48B)に対し、軸方向の隙間をもって対向している。これにより、カバー部材48(のプレート48B)から第1のステータコア36に軸方向の力が直接加わることを抑制している。
ヨーク部材38は、第1のステータコア36の筒部36Aと同径(同じ外径)の筒部38Aと、該筒部38Aの他端側(図1ないし図3の左端側)に位置して径方向外側に全周にわたって突出するフランジ部38Bとにより大略構成されている。そして、ヨーク部材38の筒部38Aの一側(図1ないし図3の右側)の端部、換言すれば、ヨーク部材38の内周側のうち後述するリング状部材41側の端部には、該リング状部材41の他端側が嵌合(内嵌)される第2段差部38C(本発明の第2筒状部に相当)が形成されている。
このために、筒部38Aのうち後述するアンカ部材43が嵌着される部位は、内径寸法がアンカ部材43の外径寸法と略等しく該アンカ部材を嵌着可能な小径穴部38Dと、該小径穴部38Dよりも第1のステータコア36側に位置して該小径穴部38Dよりも内径寸法が大きい大径穴部38Eとにより構成され、これら大径穴部38Eと小径穴部38Dは、段差面38Fを介して連続している。そして、大径穴部38Eと小径穴部38Dとを段差面38Fで連続することにより構成された第2段差部38Cには、後述するリング状部材41の他側(図1ないし図3の左側)の端面が段差面38Fに当接するように嵌合(内嵌)されている。これにより、リング状部材41は、その外周側のうち他側の端部が、第2段差部38C(の大径穴部38E)により覆われるように配置されている。
一方、フランジ部38Bの外周側は、後述するカバー部材48(筒状ケース48A)の開口側が嵌合している。また、フランジ部38Bのうちモールドコイル34と対面する側面には、シールリング39が装着されるシール溝38Gが全周にわたって形成され、シールリング39によりモールドコイル34とフランジ部38Bとが液密に封止されている。これにより、雨や泥などがフランジ部38Bとモールドコイル34との間を介して第1、第2のステータコア側に侵入することを防止することができる。
フランジ部38Bの外径側には、減衰力調整バルブ18側に向けて突出する筒状の嵌合部38Hが設けられている。嵌合部38Hの内径側には、減衰力調整バルブ18のキャップ31が嵌合(内嵌)され、嵌合部38Hの外径側には、減衰力調整バルブ18のバルブケース19が嵌合(外嵌)されている。ここで、嵌合部38Hの外周面には、シール溝38Jが全周にわたって設けられている。シール溝38Jには、シールリング40が装着され、該シールリング40によりヨーク部材38と減衰力調整バルブ18のバルブケース19との間が液密に封止されている。
リング状部材41は、第1のステータコア36とヨーク部材38との間に配置され、これら第1のステータコア36とヨーク部材38と(言い換えると第1、第2のステータコア間)を繋ぐものである。リング状部材41は、例えばステンレス鋼等の非磁性材料からなり、円筒状(管状)に形成されている。リング状部材41は、その軸方向両端を、第1のステータコア36とヨーク部材38の第1、第2の段差部36C,38Cの内側に嵌合(内嵌)し、これにより、リング状部材41は、その外周側を径方向外側から部分的に第1、第2の段差部36C,38Cで覆われるように配置される。この状態で、第1、第2の段差部36C,38Cの外周側からレーザ溶接を施すことにより、第1、第2の段差部36C,38Cとリング状部材41との間に溶接部42を形成し、第1のステータコア36とヨーク部材38とリング状部材41とにより圧力容器を構成している。
換言すれば、リング状部材41は、外周側を部分的に第1、第2の段差部36C,38Cで覆われるように配置され、これら第1、第2の段差部36C,38Cの外周側からレーザ溶接により第1のステータコア36とヨーク部材38とリング状部材41とを溶着する構成としている。これにより、第1のステータコア36とヨーク部材38との同軸度を確保することができる。この点に関しては、後で詳しく述べる。
アンカ部材(固定鉄心)43は、ヨーク部材38の内周側に圧入、かしめにより嵌着(固定)されている。アンカ部材43は、コイル34Aにより磁力を発生したときに後述のプランジャ46を吸着するもので、内側に作動ピン47が挿通される筒部43Aと、該筒部43Aの外周面から径方向に突出するフランジ部43Bとを有する段付き円筒状に形成されている。筒部43Aうちプランジャ46と対向する端面には、該プランジャ46が吸着したときに該プランジャ46が入り込む穴部43Cが設けられている。また、アンカ部材43の内側には、後述の作動ピン47を支持するブッシュ(軸受)44が嵌着されるブッシュ取付部43Dが設けられている。
アンカ部材43のうちプランジャ46側となる一側(図1ないし図3の右側)の端部は、リング状部材41の内側に嵌合(内嵌)されている。また、アンカ部材43の一側の端部は、その外周面が他側(フランジ部43B側、図1ないし図3の左側)に向かう程外径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい面状となった環状のコニカル部43Eとなっている。コニカル部43Eは、アンカ部材43とプランジャ46との間の磁気特性をリニア(直線的)にするためのものである。
可動鉄心とも呼ばれるプランジャ46は、ステータコア36,38の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられている。このために、プランジャ46は、後述の作動ピン47に一体的に固定され、該作動ピン47は、第1のステータコア36とアンカ部材43とにそれぞれブッシュ37,44を介して支持されている。プランジャ46は、例えば鉄系の磁性体により略円筒状に形成され、コイル34Aにより磁力を発生したときに、アンカ部材43に吸着されることにより推力を発生するものである。プランジャ46には、該プランジャ46の変位に対してステータコア36,38の油液が過度の抵抗とならないように連通路46Aが形成されている。
プランジャ46の推力を伝達する部材である作動ピン47は、その中間部にプランジャ46が圧入等の手段を用いて一体的に固定(サブアッセンブリ)されている。作動ピン47の軸方向の両側は、第1のステータコア36とヨーク部材38(アンカ部材43)とにブッシュ37,44を介して軸方向の変位を可能に支持されている。作動ピン47の一端側(図1ないし図3の左側)は、アンカ部材43から突出すると共に、その突出端には、減衰力調整バルブ18のパイロット弁部材32が固定されている。従って、パイロット弁部材32は、プランジャ46と作動ピン47と共に一体的に移動(変位)する。換言すれば、パイロット弁部材32の開弁圧は、コイル34Aへの通電に基づくプランジャ46の推力に対応したものとなる。これにより、プランジャ46は、その軸方向の移動により、油圧緩衝器1のパイロットバルブ、即ち、パイロットボディ26に対するパイロット弁部材32の開閉弁を行う構成となっている。
カバー部材48は、コイル34Aの外周を覆うものである。カバー部材48は、磁性体を用いたヨークとして形成され、モールドコイル34(コイル34A)の外周側で磁気回路(磁気経路)を形成するものである。ここで、カバー部材48は、全体として有底筒状に形成されたもので、円筒状の筒状ケース48Aと、該筒状ケース48Aの一端側(図1ないし図3の右端側)を閉塞するプレート48Bとにより大略構成されている。筒状ケース48Aの周方向の一部でモールドコイル34のケーブル取出部(図示せず)と対応する部位には、該ケーブル取出部をカバー部材から露出させるための切欠き(図示せず)が設けられている。
ここで、カバー部材48のプレート48Bには、第1のステータコア36と対応する位置に、嵌合凹部48Cが設けられ、該嵌合凹部48Cには、第1のステータコア36の一側の端部が嵌着されている。これにより、カバー部材48のプレート48Bと第1のステータコア36との間で磁束の受け渡しを行うことができるように構成している。
一方、カバー部材48の筒状ケース48Aの内周面は、モールドコイル34の外周面に対して隙間を持って対向している。これにより、カバー部材48に加わる径方向の力がモールドコイル34に直接加わらないように構成している。また、ヨーク部材38のフランジ部38Bの外周面は、筒状ケース48Aの内周面に対して例えば軽圧入により当接し、カバー部材48とヨーク部材38との間で磁束の受け渡しを行うことができるように構成している。
カバー部材48の開口側の端部、即ち、筒状ケース48Aの他側の端部には、他の部位よりも径方向外方に突出した係合凸部48Dが(全周にわたって、または、周方向に離間して複数個所に)設けられている。係合凸部48Dは、減衰力調整バルブ18のバルブケース19に螺着される結合リング49に係合するものである。
結合リング49は、略円筒状に形成され、その内側には、バルブケース19の雄ねじ部19Bに螺合する雌ねじ部49Aと、内径寸法が筒状ケース48Aの係合凸部48Dの外径寸法よりも小さい内向き鍔状の係合部49Bが設けられている。結合リング49は、係合部49Bを筒状ケース48Aの係合凸部48Dに当接した状態で、雌ねじ部49Aとバルブケース19の雄ねじ部19Bとを螺合することにより、減衰力調整バルブ18とソレノイド33とを一体的に結合する構成となっている。
コイル34Aにより発生した磁力(磁束)は、第1のステータコア36から非磁性体であるリング状部材41を避けてプランジャ46に伝わり、プランジャ46からアンカ部材43のコニカル部43Eに伝わり、アンカ部材43からヨーク部材38、カバー部材48の筒状ケース48A、プレート48B、第1のステータコア36へと戻り、磁気回路を構成する。この場合、摺動抵抗を嫌うプランジャ46と第1のステータコア36との間、同じくプランジャ46とアンカ部材43との間の磁束の受け渡し以外は、全て当接部(面接触した部位)により磁束の受け渡しを行うことができ、高い磁気効率を確保することができる。
本実施の形態によるソレノイド33および該ソレノイド33が組込まれた油圧緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、油圧緩衝器1を自動車等の車両に実装するときには、例えば、ピストンロッド8の上端側が車両の車体側に取付けられ、ボトムキャップ3に設けられた取付アイ3A側が車輪側に取付けられる。また、ソレノイド33のケーブル(図示せず)は、車両のコントローラ等に接続される。
車両の走行時には、路面の凹凸等により、上,下方向の振動が発生すると、ピストンロッド8が外筒2から伸長、縮小するように変位し、減衰力調整装置17等により減衰力を発生することができ、車両の振動を緩衝することができる。このとき、コントローラによりソレノイド33のコイル34Aへの電流値を制御し、パイロット弁部材32の開弁圧を調整することにより、油圧緩衝器1の発生減衰力を可変に調整することができる。
例えば、ピストンロッド8の伸び行程時には、内筒4内のピストン5の移動によってピストン5の縮み側逆止弁7が閉じる。ピストン5のディスクバルブ6の開弁前には、ロッド側油室Bの油液が加圧され、内筒4の油穴4A、環状油室D、中間筒12の接続口12Cを通じて減衰力調整バルブ18の筒形ホルダ20の油路20Bに流入する。このとき、ピストン5が移動した分の油液は、リザーバ室Aからボトムバルブ13の伸び側逆止弁16を開いてボトム側油室Cに流入する。なお、ロッド側油室Bの圧力がディスクバルブ6の開弁圧力に達すると、該ディスクバルブ6が開き、ロッド側油室Bの圧力をボトム側油室Cにリリーフする。
減衰力調整装置17では、筒形ホルダ20の油路20Bに流入した油液は、メインディスクバルブ23の開弁前(ピストン速度低速域)においては、図2に矢印Xで示すように、バルブ部材21の中心孔21A、パイロットピン24の中心孔24B、パイロットボディ26の中心孔26Cを通り、パイロット弁部材32を押し開き、パイロットボディ26の内側に流入する。そして、パイロットボディ26の内側に流入した油液は、パイロット弁部材32のフランジ部32Aとディスクバルブ29との間、保持プレート30の油路30A、キャップ31の切欠き31A、バルブケース19の油室19Cを通ってリザーバ室Aへ流れる。ピストン速度の上昇に伴って、筒形ホルダ20の油路20Bの圧力、即ち、ロッド側油室Bの圧力が、メインディスクバルブ23の開弁圧力に達すると、筒形ホルダ20の油路20Bに流入した油液は、図2に矢印Yで示すように、バルブ部材21の油路21Bを通り、メインディスクバルブ23を押し開き、バルブケース19の油室19Cを通ってリザーバ室Aへ流れる。
一方、ピストンロッド8の縮み行程時には、内筒4内のピストン5の移動によってピストン5の縮み側逆止弁7が開き、ボトムバルブ13の伸び側逆止弁16が閉じる。ボトムバルブ13(ディスクバルブ15)の開弁前には、ボトム側油室Cの油液がロッド側油室Bに流入する。これと共に、ピストンロッド8が内筒4内に浸入した分に相当する油液が、ロッド側油室Bから減衰力調整バルブ18を介してリザーバ室Aに、伸び行程時と同様の経路で流れる。なお、ボトム側油室C内の圧力がボトムバルブ13(ディスクバルブ15)の開弁圧力に達すると、ボトムバルブ13(ディスクバルブ15)が開き、ボトム側油室Cの圧力をリザーバ室Aにリリーフする。
これにより、ピストンロッド8の伸び行程時と縮み行程時に、減衰力調整バルブ18のメインディスクバルブ23の開弁前は、パイロットピン24のオリフィス24Cとパイロット弁部材32の開弁圧力とによって減衰力が発生し、メインディスクバルブ23の開弁後は、該メインディスクバルブ23の開度に応じて減衰力が発生する。この場合、ソレノイド33のコイル34Aへの通電によってパイロット弁部材32の開弁圧力を調整することにより、ピストン速度に拘わらず、減衰力を直接制御することができる。
具体的には、コイル34Aへの通電電流を小さくしてプランジャ46の推力を小さくすると、パイロット弁部材32の開弁圧力が低下し、ソフト側の減衰力が発生する。一方、コイル34Aへの通電電流を大きくしてプランジャ46の推力を大きくすると、パイロット弁部材32の開弁圧力が上昇し、ハード側の減衰力が発生する。このとき、パイロット弁部材32の開弁圧力によって、その上流側の油路25を介して連通する背圧室27の内圧が変化する。これにより、パイロット弁部材32の開弁圧力を制御することにより、メインディスクバルブ23の開弁圧力を同時に調整することができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
なお、コイル34Aの断線等によりプランジャ46の推力が失われた場合には、パイロット弁部材32がリターンばね28により後退(弁座部26Eから離れる方向に変位)し、パイロット弁部材32のフランジ部32Aとディスクバルブ29とが当接する。この状態では、ディスクバルブ29の開弁圧によって減衰力を発生することができ、コイルの断線等の不調時にも、必要な減衰力を得ることができる。
ところで、前述の特許文献1によるソレノイドは、リング状部材の軸方向両端を、第1のステータコアの端部の外周側と第2のステータコアの端部の外周側とにそれぞれ嵌合(外嵌)し、リング状部材の外周側からレーザ溶接することにより、これら第1、第2のステータコアとリング状部材とを溶着する構成としている。このような構成の場合、レーザ溶接のエネルギにより、ステンレス鋼等の非磁性体で構成されているリング状部材は、溶接部位が径方向に貫通するように溶融され、当該部位が変形し易い状態のまま、第1、第2のステータコアと共に回転しつつレーザ溶接される。
このとき、第1、第2のステータコアの自重、クランプ荷重および冷却による収縮等に伴う荷重が、リング状部材の円周方向に不均一に加わることにより、リング状部材は、第1のステータコアの中心軸線と第2のステータコアの中心軸線とが不一致となる(ずれる)ように変形する虞がある。これにより、一方のステータコアが他方のステータコアに対して倒れ(両者が倒れた位置関係で接続され)、第1のステータコアと第2のステータコアとの同軸度を確保しにくくなる虞がある。
ここで、図5は、比較例によるソレノイド101を示している。このソレノイド101は、リング状部材102の軸方向両端を、第1のステータコア103の端部の外周側と第2のステータコアをアンカ部106と共に構成するヨーク部材104の端部の外周側とにそれぞれ嵌合(外嵌)し、リング状部材102の外周側から内周側まで全て溶融させてレーザ溶接することにより、これら第1のステータコア103,ヨーク部材104とリング状部材102とを溶着する構成としている。
この場合、プランジャ46が一体的に固定された作動ピン(ロッド)47は、第1のステータコア103と第2のステータコア104とにそれぞれブッシュ37,44を介して軸方向の移動を可能に支持している。この構成の場合は、リング状部材102が溶融することで倒れることにより第1のステータコア103の中心軸線とヨーク部材104の中心軸線とがずれると、プランジャ46の移動抵抗、即ち、作動ピン47とブッシュ37,44との摺動抵抗が大きくなる虞がある。このように摺動抵抗が大きくなることは、ソレノイド101のヒステリシス特性に悪影響を及ぼす等、好ましくない。
これに対し、本実施の形態では、図3に詳示するように、リング状部材41の軸方向両端を、第1のステータコア36とヨーク部材38の第1、第2の段差部36C,38C(第1、第2の筒状部)の内側に嵌合(内嵌)した状態で、第1、第2の段差部36C,38Cの外周側からレーザ溶接を施すことにより、第1、第2の段差部36C,38Cとリング状部材41との間に溶接部42を形成する構成としている。即ち、リング状部材41は、外周側を部分的に第1、第2の段差部36C,38Cで覆われるように配置され、これら第1、第2の段差部36C,38Cの外周側からレーザ溶接により第1のステータコア36とヨーク部材38とリング状部材41とを溶着する構成としている。
この場合、リング状部材41は、レーザ溶接のエネルギにより溶融しても、内周側に溶融しない部分が残る(径方向に貫通するように溶融しない)。このため、リング状部材41の変形を抑制することができ、一方のステータコアが他方のステータコアに対して倒れること、即ち、第1のステータコア36の中心軸線とヨーク部材38の中心軸線とがずれることを低減することができる。
なお、第1、第2の段差部36C,38Cの先端側(開口側)は、レーザ溶接のエネルギにより溶接部位が径方向に貫通するように溶融されるため、当該部位が変形し易い状態となる。しかし、第1、第2の段差部36C,38Cが変形したとしても、リング状部材41は変形しにくいため、第1のステータコア36,ヨーク部材38とリング状部材41とは、それぞれの中心軸線が一致した所望の位置関係を維持することができる。これにより、第1のステータコア36とヨーク部材38との同軸度、すなわち、第1のステータコアと第2のステータコアとの同軸度を確保することができ、プランジャ46の移動抵抗、即ち、作動ピン47とブッシュ37,44との摺動抵抗を低減することができる。これにより、プランジャ46の可動効率(機械効率)の向上、ヒステリシス特性の向上を図ることができる。
本実施の形態では、図5に示す比較例の構成と同等の磁気特性と強度とを確保しつつ、コストの増大を伴わずに摩擦特性を向上することができる。この場合、本実施の形態では、第1のステータコア36とプランジャ46との径方向の重なり長さ(ラップ長さ)L1(図3)は、図5に示す比較例による第1のステータコア103とプランジャ46との重なり長さ(ラップ長さ)L2と同じにしている。また、本実施の形態では、プランジャ46がコニカル部43Eに対して最も離れたときの両者間の距離をL3とし、第1のステータコア36(の第1段差部36C)とヨーク部材38(の第2段差部38C)との間の距離をL4とした場合、L4をL3よりも大きく(L4>L3)している。これにより、第1のステータコア36とヨーク部材38との間の磁束の漏れを低減し、プランジャ46に磁束を集中させることができ、図5に示す比較例の構成と同等の性能を得ることができる。
本実施の形態によれば、第1のステータコア36とヨーク部材38との同軸度を確保することができることにより、第1のステータコア36のカバー部材48に対するずれも低減することができる。これにより、第1のステータコア36とカバー部材48のプレート48Bとの接触面積を確保し易くでき、磁気効率の向上を図ることができる。さらに、図5に示す比較例では、ヨーク部材104にコニカル部105を設ける構成としているのに対して、本実施の形態では、ヨーク部材38に固定されるアンカ部材43にコニカル部43Eを設ける構成としている。
この場合、図5に示す比較例では、コニカル部105のコニカル高さL5は、ヨーク部材104に対するアンカ部材106の嵌合位置に応じて設定されるのに対して、本実施の形態では、アンカ部材43とコニカル部43Eとを一体にできるため、コニカル部43Eのコニカル高さL6は、アンカ部材43に形成する穴部43Cの深さにより設定することができる。これにより、本実施の形態では、比較例に比べ、コニカル部43Eのコニカル高さL6の精度を確保し易くでき(コニカル高さL6の管理を容易にでき)、リニア特性のばらつきを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態では、リング状部材41を、直径(外径)寸法が軸方向のいずれの位置でも一定の単一円筒状に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、図6に示す変形例のように、リング状部材51を、軸方向一端側と他端側とで直径(外径)を変化させた段付き円筒状に形成してもよい。この場合には、磁気特性の自由度、例えば、コニカル部43Eによるリニア特性の自由度や、アンカ部材43の形状の自由度等を向上することができる。
上述した実施の形態では、カバー部材48をヨーク(磁性体)により構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、カバー部材を非磁性体により構成することにより、ヨークのないコイル開放型のソレノイドとしてもよい。
上述した実施の形態では、ソレノイド33を比例ソレノイドとして構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ON/OFFソレノイドとして構成してもよい。
上述した実施の形態では、ソレノイド33を油圧緩衝器1の減衰力可変アクチュエータとして用いる場合、即ち、減衰力調整バルブ18のパイロットバルブを構成するパイロット弁部材32を駆動対象物とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、油圧回路に用いるバルブ等の各種機械装置に組み込まれるアクチュエータ、即ち、直線的に駆動すべき駆動対象物を駆動する駆動装置として広く用いることができる。
上述した実施の形態では、第2のステータコアをヨーク部材38とアンカ部材43の2体としたが、製作性はよくないが、一体物としてもよい。
以上の実施の形態によれば、プランジャの移動抵抗を低減することができる。
即ち、リング状部材は、第1、第2の筒状部の内側に嵌合されて配置され、これら第1、第2の筒状部の外周側からレーザ溶接により第1、第2のステータコアとリング状部材とを溶着する構成としている。この場合、リング状部材は、レーザ溶接のエネルギにより溶融しても、内周側に溶融しない部分が残る(径方向に貫通するように溶融しない)。
このため、リング状部材の変形を抑制することができ、一方のステータコアが他方のステータコアに対して倒れること、即ち、第1のステータコアの中心軸線と第2のステータコアの中心軸線とがずれることを低減することができる。この結果、第1のステータコアと第2のステータコアとの同軸度を確保することができ、プランジャの移動抵抗、換言すれば、プランジャを一体的に固定した作動ピン(ロッド)の摺動抵抗を低減することができる。この結果、プランジャの可動効率(機械効率)の向上、ヒステリシス特性の向上を図ることができる。
実施の形態によれば、プランジャは、その軸方向の移動により、減衰力調整式緩衝器のパイロットバルブの開閉弁を行う構成としている。この場合、減衰力調整式緩衝器の減衰力を車両の挙動等に応じて所望に調節することができる。
1 油圧緩衝器
17 減衰力調整装置
18 減衰力調整バルブ
33 ソレノイド
34A コイル
36 第1のステータコア
36C 第1段差部(第1筒状部)
38 ヨーク部材(第2のステータコア)
38C 第2段差部(第2筒状部)
41,51 リング状部材
42 溶接部
43 アンカ部材(第2のステータコア)
46 プランジャ

Claims (3)

  1. 通電により磁力を発生するコイルと、
    前記コイルの内周側に軸方向に離間して配され、磁性材料からなる第1、第2のステータコアと、
    前記ステータコアの内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられるプランジャと、
    前記第1、第2のステータコアの間であって、非磁性材料からなり前記第1、第2のステータコアを繋ぐリング状部材と、
    を備えるソレノイドであって、
    前記第1のステータコアの前記リング状部材側の端部には、第1筒状部が形成され、
    前記第2のステータコアの前記リング状部材側の端部には、第2筒状部が形成され、
    前記リング状部材は前記第1、第2の筒状部の内側に嵌合されて配置され、前記第1、第2の筒状部の外周側からレーザ溶接により前記第1、第2のステータコアと前記リング状部材とを溶着することを特徴とするソレノイド。
  2. 前記第1のステータコアは、前記リング状部材と反対側が閉塞された有蓋筒状であり、
    前記第2のステータコアは、前記プランジャに接続された作動ピンが貫通する筒状であり、
    前記第1のステータコアと前記リング状部材と第2のステータコアとで、一端が開口した圧力容器を形成したことを特徴とする請求項1に記載のソレノイド。
  3. 前記第2のステータコアは、筒状で前記リング状部材側の端部に前記第2筒状部が形成されたヨーク部材と、該ヨーク部材内に挿入されたアンカ部材とからなり、
    該アンカ部材の前記リング状部材側の端部には、内周側に前記プランジャが挿入可能な環状のコニカル部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のソレノイド。
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