JP2016177974A - 電極、非水電解質電池及び電池パック - Google Patents
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Abstract
【課題】高容量を示すことができると共に、寿命特性及び安全性に優れた非水電解質電池を実現することができる電極を提供すること。【解決手段】1つの実施形態によると、電極3が提供される。この電極3は、集電体3aと、集電体3a上に形成された第1の電極合材層3b1と、第1の電極合材層3b1上に形成された第2の電極合材層3b2とを具備する。第1の電極合材層3b1は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む。第2の電極合材層3b2は、スピネル構造のチタン酸リチウムを含む。【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、電極、非水電解質電池及び電池パックに関する。
近年、高エネルギー密度電池として、リチウムイオン二次電池のような非水電解質電池が開発されている。非水電解質電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車の電源として期待されている。また、非水電解質電池は、携帯電話基地局の無停電電源としても期待されている。そのため、非水電解質電池は、急速充放電性能及び長期信頼性などの他の特性を有することも要求されている。急速充放電が可能な非水電解質電池は、充電時間が大幅に短いという利点を有する。また、急速充放電が可能な非水電解質電池は、ハイブリッド自動車において動力性能を向上させることができ、さらに、動力の回生エネルギーを効率的に回収することができる。
急速充放電は、電子及びリチウムイオンが正極と負極との間を速やかに移動することによって可能となる。カーボン系負極を用いた電池は、急速充放電を繰り返すことにより電極上に金属リチウムのデンドライトが析出することがあった。デンドライドは内部短絡を生じさせ、その結果として発熱や発火のおそれがある。
そこで、炭素質物の代わりに金属複合酸化物を負極活物質として用いた電池が開発された。特に、チタン酸化物を負極活物質として用いた電池は、安定的な急速充放電が可能であり、カーボン系負極に比べて寿命も長いという特性を有する。
しかしながら、チタン酸化物は炭素質物に比べて金属リチウムに対する電位が高い(貴である)。その上、チタン酸化物は、重量あたりの容量が低い。このため、チタン酸化物を用いた電池は、エネルギー密度が低いという問題がある。
例えば、チタン酸化物の電極電位は、金属リチウム基準で約1.5Vであり、カーボン系負極の電位に比べて高い(貴である)。チタン酸化物の電位は、リチウムを電気化学的に挿入脱離する際のTi3+とTi4+との間での酸化還元反応に起因するものであるため、電気化学的に制約されている。また、1.5V程度の高い電極電位においてリチウムイオンの急速充放電が安定的に行えるという事実もある。従って、エネルギー密度を向上させるために電極電位を低下させることは実質的に困難である。
単位重量当たりの容量については、Li4Ti5O12のようなリチウムチタン複合酸化物の理論容量は175mAh/g程度である。一方、一般的な黒鉛系電極材料の理論容量は372mAh/gである。従って、チタン酸化物の容量密度はカーボン系負極のものと比較して著しく低い。これは、チタン酸化物の結晶構造中に、リチウムを吸蔵するサイトが少ないことや、構造中でリチウムが安定化し易いため、実質的な容量が低下することによるものである。
以上に鑑みて、TiやNbを含む新たな電極材料が検討されている。そのような材料は、高い充放電容量を有すると期待されている。特に、TiNb2O7で表される複合酸化物は300mAh/gを超える高い理論容量を有する。しかしながら、このような材料は、イオン伝導性、及び電子電導性やサイクル特性に乏しく、また大電流特性に劣るという問題がある。
C.M.Reich et. al., FUEL CELLS No. 3 − 4, 1 pp 249 − 255 (2001)
高容量を示すことができると共に、寿命特性及び安全性に優れた非水電解質電池を実現することができる電極と、この電極を具備する非水電解質電池と、この非水電解質電池を具備する電池パックとを提供することを目的とする。
第1の実施形態によると、電極が提供される。この電極は、集電体と、集電体上に形成された第1の電極合材層と、第1の電極合材層上に形成された第2の電極合材層とを具備する。第1の電極合材層は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む。第2の電極合材層は、スピネル構造のチタン酸リチウムを含む。
第2の実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、正極と、負極としての第1の実施形態に係る電極と、非水電解質とを具備する。
第3の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第2の実施形態に係る非水電解質電池を具備する。
以下に、実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によると、電極が提供される。この電極は、集電体と、集電体上に形成された第1の電極合材層と、第1の電極合材層上に形成された第2の電極合材層とを具備する。第1の電極合材層は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む。第2の電極合材層は、スピネル構造のチタン酸リチウムを含む。
第1の実施形態によると、電極が提供される。この電極は、集電体と、集電体上に形成された第1の電極合材層と、第1の電極合材層上に形成された第2の電極合材層とを具備する。第1の電極合材層は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む。第2の電極合材層は、スピネル構造のチタン酸リチウムを含む。
まず、第1の実施形態に係る電極は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む第1の電極合材層を具備することにより、高容量を示すことができる非水電解質電池を実現することができる。その理由について、以下に説明する。
まず、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の結晶構造の例を、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の一例である、ニオブチタン複合酸化物Nb2TiO7の結晶構造を示す模式図である。図2は、図1の結晶構造を他の方向から示す模式図である。
図1に示すように、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物Nb2TiO7の結晶構造は、金属イオン101と酸化物イオン102とが骨格構造部分103を構成している。なお、金属イオン101には、NbイオンとTiイオンとがNb:Ti=2:1の比でランダムに配置されている。この骨格構造部分103が三次元的に交互に配置されることで、骨格構造部分103同士の間に空隙部分104が存在する。この空隙部分104が、リチウムイオンのホストとなる。この空隙部分104は、図1に示すように、結晶構造全体に対して大きな部分を占めることができる。加えて、この空隙部分104は、リチウムイオンが挿入されても安定的に構造を保つことができる。
図1において、領域105及び領域106は、[100]方向と[010]方向とに2次元的なチャネルを有する部分である。それぞれ図2に示すように、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の結晶構造には、[001]方向に空隙部分107が存在する。この空隙部分107は、リチウムイオンの導電に有利なトンネル構造を有しており、領域105と領域106とを繋ぐ[001]方向の導電経路となる。この導電経路が存在することによって、リチウムイオンは領域105と領域106を行き来することが可能となる。
このように、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物Nb2TiO7の結晶構造は、リチウムイオンの等価的な挿入空間が大きく且つ構造的に安定であり、さらに、リチウムイオンの拡散が速い2次元的なチャネルを有する領域とそれらを繋ぐ[001]方向の導電経路が存在する。それにより、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物Nb2TiO7の結晶構造では、挿入空間へのリチウムイオンの挿入脱離性が向上すると共に、リチウムイオンの挿入脱離空間が実効的に増加する。これにより、高い容量と高いレート性能とを提供することが可能である。
さらに、上記の結晶構造は、リチウムイオンが空隙部分104に挿入されたとき、骨格103を構成する金属イオン101が3価に還元され、これによって結晶の電気的中性が保たれる。単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、Tiイオンが4価から3価へ還元されるだけでなく、Nbイオンが5価から3価へと還元される。このため、活物質重量あたりの還元価数が大きい。それ故、多くのリチウムイオンが挿入されても結晶の電気的中性を保つことが可能である。このため、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、4価カチオンだけを含む酸化チタンのような化合物に比べて、エネルギー密度が高い。具体的には、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の理論容量は387mAh/g程度であり、これはスピネル構造を有するチタン酸化物の2倍以上の値である。
また、ニオブチタン複合酸化物は、1.5V(対Li/Li+)程度のリチウム吸蔵電位を有する。それ故、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む活物質を用いることにより、安定した繰り返し急速充放電が可能な電池を提供することが可能である。
以上のことから、第1の実施形態に係る電極は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む第1の電極合材層を具備することにより、優れた急速充放電性能を示すことができ且つ高いエネルギー密度を有することができる非水電解質電池を実現することが可能である。
更に、第1の実施形態に係る電極は、第1の電極合材層上に形成され且つスピネル構造のチタン酸リチウムを含む第2の電極合材層を含む。スピネル構造のチタン酸リチウムは、優れた寿命特性を発揮することができる。また、スピネル構造のチタン酸リチウムは放電状態においては絶縁体として働くことができるので、第2の電極合材層は、電極表面の絶縁部材として働くことができる。そして、スピネル構造のチタン酸リチウムは1.5V(対Li/Li+)程度のリチウム吸蔵電位を有するので、充放電による電極表面のリチウムデンドライドの析出を防ぐことができる。これらのおかげで、第1の実施形態に係る電極は、非水電解質電池で用いた場合、第1の実施形態に係る電極の短絡を防止することができ、その結果、優れた安全性を付与することができる。しかも、スピネル構造のチタン酸リチウムはリチウムを吸蔵及び放出することができるので、第2の電極合材層は非水電解質電池の充電及び放電に寄与することができる。その結果、第1の実施形態に係る電極は、高容量を示すことができると共に、寿命特性及び安全性に優れた非水電解質電池を実現することができる。
第1の実施形態に係る電極は、活物質を含む電極合材層として、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物及びスピネル構造のチタン酸リチウムの混合物を含む電極合材層のみを具備する電極よりも、優れた安全性を示すことができる。この理由は、以下のとおりである。第1の実施形態に係る電極が具備する第2の電極合材層が含むスピネル構造のチタン酸リチウムは、非水電解質電池が衝突などの外的衝撃を受けた場合、又は対極と内的にショートした場合、直ちに放電して絶縁化する。絶縁化したスピネル構造のチタン酸リチウムを含む第2の電極合材層は、先に説明したように、絶縁部材として働くことができる。第1の実施形態に係る電極は、先に挙げたアクシデントなどの際に絶縁部材として働く第2の電極合材層が第1の電極合材層の上に存在することにより、第1の電極合材層に大電流が流れることを防ぐことができる。一方、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物及びスピネル構造のチタン酸リチウムの混合物を含む電極合材層のみを具備する電極では、先に挙げたアクシデントなどの際にスピネル型構造のチタン酸リチウムは絶縁化することができるものの、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物とスピネル構造のチタン酸リチウムと同一の合材層に含まれているため、当該電極合材層は完全な絶縁部材とはなりにくい。つまり、第1の実施形態に係る電極では、第2の電極合材層が先に挙げたアクシデントなどの際に大電流が流れることをより防ぐことができる。
第1の電極合材層に含まれる単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、一般式LiaTiMbNb2±βO7±σで表される複合酸化物であることが好ましい。ここで、0≦a≦5、0≦b≦0.3、0≦β≦0.3、及び0≦σ≦0.3である。Mは、Fe、V、Mo及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。また、第1の電極合材層に含まれる単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、空間群C2/mまたはP12/m1の対称性を持つことが更に好ましい。
先に説明した単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の一般式における添字aは、複合酸化物の充電状態によって上記範囲内で変化し得る変数である。また、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の一般式における添字b及びβは、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物におけるTi及び/又はNbのサイトの一部が金属元素Mと置き換わっている程度を示す変数である。そして、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の一般式における添字σは、上記金属Mによる置換に伴う電荷保障及び/又は化学量論比からの不可避的な逸脱を示す変数である。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、一次粒子の形態で第1の電極合材層中に含まれていても良いし、又は一次粒子が凝集してなる二次粒子の形態で第1の電極合材層中に含まれていても良い。単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、二次粒子の形態で第1の電極合材層中に含まれていることが望ましい。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物が二次粒子又は一次粒子であることは、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)観察によって判断することができる。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、二次粒子である場合、平均粒径が1μm以上100μm以下であることが好ましい。平均二次粒径がこの範囲内にあると、工業生産上扱い易く、また、電極を作製するための塗膜において質量及び厚さを均一にすることができ、さらに、電極の表面平滑性の低下を防ぐことができる。二次粒子の平均粒径は、3μm以上30μm以下であることがより好ましい。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物に関し、二次粒子を構成する一次粒子は、平均一次粒径が1nm以上10μm以下であることが好ましい。平均一次粒径がこの範囲内にあると、工業生産上扱いやすく、且つ単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の固体内におけるリチウムイオンの拡散を促進することができる。平均一次粒径は、10nm以上1μm以下であることがより好ましい。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物に関し、一次粒子は等方状であることが好ましい。本実施形態において、等方状の粒子とは、アスペクト比が3以下である粒子を意味する。一次粒子が等方状粒子であることは、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって確認できる。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物に関し、二次粒子は、BET法によって測定された比表面積が、5m2/g以上50m2/g以下であることが好ましい。比表面積が5m2/g以上である場合には、リチウムイオンの吸蔵及び脱離サイトを十分に確保することが可能になる。比表面積が50m2/g以下である場合には、工業生産上、扱い易くなる。
スピネル構造のチタン酸リチウムは、一般式Li4+xTi5O12(0≦x≦3)で表される複合酸化物であることが望ましい。上記一般式の添字xは、複合酸化物の充電状態によって上記範囲内で変化し得る変数である。
さらに、前記単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の一次粒子または二次粒子の少なくとも一部が炭素で被覆されることが好ましい。炭素を表面に配することで電導性を高めることができる。炭素の存在状態は、活物質断面に対する電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe MicroAnalyser)を用いて、ライン分析または炭素のマッピング等で判定することができる。
スピネル構造のチタン酸リチウムは、一次粒子の形態で第1の電極合材層中に含まれていても良いし、又は一次粒子が凝集してなる二次粒子の形態で第1の電極合材層中に含まれていても良い。スピネル構造のチタン酸リチウムは、一次粒子の形態で第1の電極合材層中に含まれていることが望ましい。
スピネル構造のチタン酸リチウムが二次粒子又は一次粒子であることは、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって判断することができる。
スピネル構造のチタン酸リチウムの粒径は、製造方法によって制御することができる。例えば、スピネル構造のチタン酸リチウムの平均一次粒径は、0.1μm以上30μm以下、より好ましくは1〜10μm程度にすることができる。
次に、第1の実施形態に係る電極をより詳細に説明する。
第1の実施形態に係る電極は、集電体を具備する。集電体は、1.0V(vs. Li/Li+)よりも貴である電位範囲において電気化学的に安定な材料から形成されることが望ましい。このような材料の例には、アルミニウム、及びアルミニウムと、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含むアルミニウム合金が含まれる。集電体の形状は、金属箔のようなシート形状にすることができる。
第1の実施形態に係る電極は、集電体上に形成された第1の電極合材層を更に具備する。第1の電極合材層は、集電体の片面に担持されていてもよいし、又は両面に担持されていてもよい。また、集電体は、第1の電極合材層を担持していない部分を含むこともできる。この部分は、例えば、電極タブとして働くことができる。
第1の電極合材層は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む。単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、活物質として働くことができる。
第1の電極合材層は、活物質以外の材料を含むこともできる。このような材料の例には、導電剤及び結着剤が含まれる。
第1の実施形態に係る電極は、第1の電極合材層上に形成された第2の電極合材層を更に具備する。第2の電極合材層は、電極の表面層を構成することができる。
第2の電極合材層は、スピネル構造のチタン酸リチウムを含む。第2の電極合材層は、アナターゼ型のチタン複合酸化物をさらに含んでいても良い。アナターゼ型のチタン複合酸化物を含むことにより、容量を高めることができる。スピネル構造のチタン酸リチウム及び任意のアナターゼ型のチタン複合酸化物は、活物質として働くことができる。第2の電極合材層は、活物質以外の材料を含むこともできる。このような材料の例には、導電剤及び結着剤が含まれる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ、活物質と集電体との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が含まれる。
結着剤は、分散された活物質の間隙を埋め、また、活物質と集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、及びスチレンブタジェンゴムが含まれる。
第1の電極合材層及び第2の電極合材層において、活物質、導電剤及び結着剤は、それぞれ70質量%以上96質量%以下、2質量%以上28質量%以下及び2質量%以上28質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤の量を2質量%以上とすることにより、負極活物質含有層の集電性能を向上させることができる。また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極活物質含有層と集電体の結着性が十分で、優れたサイクル特性を期待できる。一方、導電剤及び結着剤はそれぞれ28質量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。
第1の電極合材層及び第2の電極合材層は、それぞれ、密度が2g/cm3以上3.5g/cm3以下の範囲にあることが望ましい。密度がこの範囲にあることにより、非水電解質電池の容量及びレート性能を向上することができる。
第1の電極合材層の平均の厚さを第1の厚さとし、第2の電極合材層の平均厚さを第2の厚さとした場合、第2の厚さの第1の厚さに対する比は、0.01以上2以下であることが好ましい。厚さの比がこの範囲内にあることにより、容量と、寿命特性と、安全性とのより良好なバランスを達成することができる。第2の厚さの第1の厚さに対する比は、より好ましくは、0.1以上1.5以下である。
なお、第1の電極合材層の第1の厚さ及び第2の電極合材層の第2の厚さは、後ろで説明する方法によって測定することができる。
<製造方法>
第1の実施形態に係る電極は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁して第1スラリーを調製する。調製した第1のスラリーを集電体の片面又は両面に塗布し、塗膜を乾燥させて、第1の電極合材層を形成する。次いで、スピネル構造のチタン酸リチウム、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁して、第2スラリーを調製する。調製した第2スラリーを、第1の層上に塗布し、塗膜を乾燥させて、第2の電極合材層を形成する。その後、かくして得られた積層体にプレスを施すことにより、電極が得られる。なお、必要に応じてプレス前か、プレス後に裁断を行っても良い。
第1の実施形態に係る電極は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁して第1スラリーを調製する。調製した第1のスラリーを集電体の片面又は両面に塗布し、塗膜を乾燥させて、第1の電極合材層を形成する。次いで、スピネル構造のチタン酸リチウム、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁して、第2スラリーを調製する。調製した第2スラリーを、第1の層上に塗布し、塗膜を乾燥させて、第2の電極合材層を形成する。その後、かくして得られた積層体にプレスを施すことにより、電極が得られる。なお、必要に応じてプレス前か、プレス後に裁断を行っても良い。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、例えば、以下に説明する固相法によって製造することができる。
最初に、出発原料を混合する。出発原料として、Ti、Nb及びZrを任意に含む酸化物または塩を用いる。TiNb2O7を合成する場合には、出発原料として、二酸化チタン又は五酸化ニオブといった酸化物を用いることが出来る。出発原料として用いる塩は、水酸化物塩、炭酸塩及び硝酸塩といった比較的低温で分解して酸化物を生じる塩であることが好ましく、水酸化ニオブ、水酸化ジルコニウム等が適当である。
次に、得られた混合物を粉砕し、できるだけ均一な混合物を得る。次いで、得られた混合物を焼成する。焼成は、900〜1400℃の温度範囲で、延べ1〜100時間行うことができる。
以上の工程により、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を得ることができる。なお、出発原料として、炭酸リチウムのようなリチウムを含む化合物を用いることにより、リチウムを含む複合酸化物を合成することもできる。
次に、上記工程により得られた単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を粉砕して、凝集粒子を得る工程を説明する。
まず、上記のようにして得られた単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を、水、エタノール、メタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサン、2−プロパノール、1−ブタノールなどの粉砕助剤などを用いて微粒子状に粉砕する。次いで、微粒子状の複合酸化物を、スプレードライ法などを用いて凝集粒子とする。かくして得られた凝集粒子に熱処理を施すことで、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の二次粒子を得ることができる。
具体例を以下に説明する。
まず、焼成して得られたニオブ複合酸化物(150g)に対し、ポリエチレングリコール5g、純水150gを加えて、5mmΦのジルコニアビーズボールミルにて12時間粉砕及び分散処理を行い、均一なスラリーを調製する。次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒径が約10μmの造粒体を得る。このようにして得られた造粒体を、例えば大気中で900℃にて3時間焼成することで、凝集粒子を得ることができる。
まず、焼成して得られたニオブ複合酸化物(150g)に対し、ポリエチレングリコール5g、純水150gを加えて、5mmΦのジルコニアビーズボールミルにて12時間粉砕及び分散処理を行い、均一なスラリーを調製する。次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒径が約10μmの造粒体を得る。このようにして得られた造粒体を、例えば大気中で900℃にて3時間焼成することで、凝集粒子を得ることができる。
次に、第1の実施形態に係る電極についての各パラメータの測定方法を説明する。
(電池の分解方法)
第1の実施形態に係る電極は、負極として電池に組み込まれている場合、例えば以下のようにして取り出すことができる。まず、電池を放電状態にする。例えば、電池を25℃環境において0.1C電流で定格終止電圧まで放電させることで、電池を放電状態にすることができる。次に、放電状態の電池を解体し、電極(例えば負極)を取り出す。取り出した電極を例えばメチルエチルカーボネートで洗浄する。かくして、測定対象たる電極が得られる。
第1の実施形態に係る電極は、負極として電池に組み込まれている場合、例えば以下のようにして取り出すことができる。まず、電池を放電状態にする。例えば、電池を25℃環境において0.1C電流で定格終止電圧まで放電させることで、電池を放電状態にすることができる。次に、放電状態の電池を解体し、電極(例えば負極)を取り出す。取り出した電極を例えばメチルエチルカーボネートで洗浄する。かくして、測定対象たる電極が得られる。
(電極の構造の確認)
電極の構造は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により電極断面を観察することによって確認することができる。
電極の構造は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により電極断面を観察することによって確認することができる。
図3は、第1の実施形態に係る一例の電極の断面SEM像である。
図3に示す電極3は、集電体3aと、集電体3aの片面上に形成された第1の電極合材層3b1と、第1の電極合材層3b1上に形成された第2の電極合材層3b2とを具備している。第1の電極合材層3b1と、第2の電極合材層3b2とは、電極合材層3bを構成している。第2の電極合材層3b2は、電極3の表面を形成している。このように、図3に示す電極では、第1の電極合材層と第2の電極合材層との境界を視認することができる。
図3に示す電極3は、集電体3aと、集電体3aの片面上に形成された第1の電極合材層3b1と、第1の電極合材層3b1上に形成された第2の電極合材層3b2とを具備している。第1の電極合材層3b1と、第2の電極合材層3b2とは、電極合材層3bを構成している。第2の電極合材層3b2は、電極3の表面を形成している。このように、図3に示す電極では、第1の電極合材層と第2の電極合材層との境界を視認することができる。
一方、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物とスピネル構造のチタン酸リチウムとの両方を含んだ電極合材層には、図3に示すような電極合材層間の界面を確認することができない。例えば、図4は、参考例の電極合材層の断面SEM像である。図4に示す電極合材層は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物とスピネル構造のチタン酸リチウムとの両方を含んでいる。丸で囲んだ部分に単斜晶型ニオブチタン複合酸化物Nの存在を確認することができるが、電極合材層間の界面を確認することはできない。
次に、第1の電極合材層及び第2の電極合材層について、それぞれの拡大SEM像を参照しながら説明する。
図5は、第1の実施形態に係る一例の電極の第1の電極合材層の断面SEM像である。図5に示した断面SEM像には、第1の電極合材層3b1の一部が写っており、1μm程度の径を有する細かい微粒子の集合体、すなわち造粒体が示されている。図6は、第1の実施形態に係る一例の電極の第2の電極合材層の断面SEM像である。図6に示した断面SEM像には、第2の電極合材層3b2の一部が写っており、1〜3μm程度の径を有する微粒子が示されている。
(電極合材層の厚さの測定方法)
電極合材層の厚さは、以下のようにして測定することができる。
電極合材層の厚さは、以下のようにして測定することができる。
第1の電極合材層及び第2の電極合材層のそれぞれの厚さ方向の全体が写った断面SEM像を入手する。次に、第1の電極合材層の上端を断面SEM像の範囲で4等分し、得られた1/4毎にその中央における第1の電極合材層の厚さを、断面SEM像に示されたスケールバーから算出して、第1の電極合材層の平均厚さとする。第2の電極合材層の厚さも同様に測定することができる。
(第1の電極合材層及び第2の電極合材層に含まれている物質の分析)
先のように電極合材層の厚さを測定した後、第2の電極合材層の厚さを考慮しながら、第2の電極合材層の一部が露出する深さまでエッチングを行う。一部が露出した第2の電極合材層から試料をサンプリングして、その試料を以下の各分析に供することができる。
先のように電極合材層の厚さを測定した後、第2の電極合材層の厚さを考慮しながら、第2の電極合材層の一部が露出する深さまでエッチングを行う。一部が露出した第2の電極合材層から試料をサンプリングして、その試料を以下の各分析に供することができる。
次いで、第2の電極合材層の厚さ及び第1の電極合材層の厚さを考慮しながら、第1の電極合材層の一部が露出する深さまでエッチングを行う。一部が露出した第1の電極合材層から試料を取り出して、その試料を以下の各分析に供することができる。
<試料の組成分析>
試料の組成の同定は、例えば、X線回折法(X-ray Diffraction:XRD)、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy: XPS)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、オージェ電子分光法又はラマン分光測定によって行うことができる。これらの分析は、試料を取り出すことなしに、第1の電極合材層及び第2の電極合材層のそれぞれの露出した表面に対して行うこともできる。
試料の組成の同定は、例えば、X線回折法(X-ray Diffraction:XRD)、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy: XPS)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、オージェ電子分光法又はラマン分光測定によって行うことができる。これらの分析は、試料を取り出すことなしに、第1の電極合材層及び第2の電極合材層のそれぞれの露出した表面に対して行うこともできる。
また、試料の組成は、フーリエ変換型赤外吸収分光法(Fourier-Transform Infrared Spectroscopy:FTIR)により確認することもできる。
<広角X線回折測定>
活物質の結晶構造は、広角X線回折(XRD)により検出することができる。
活物質の結晶構造は、広角X線回折(XRD)により検出することができる。
活物質の広角X線回折測定は、次のように行う。まず、対象試料を平均粒子径が5μm程度となるまで粉砕する。平均粒子径はレーザー回折法によって求めることができる。粉砕した試料を、ガラス試料板上に形成された深さ0.2mmのホルダー部分に充填する。このとき、試料が十分にホルダー部分に充填されるように留意する。また、試料の充填不足によりひび割れ、空隙等がないように注意する。次いで、外部から別のガラス板を使い、充分に押し付けて平滑化する。充填量の過不足により、ホルダーの基準面より凹凸が生じることのないように注意する。次いで、試料が充填されたガラス板を広角X線回折装置に設置し、Cu−Kα線を用いて回折パターンを取得する。
なお、試料の配向性が高い場合は、試料の充填の仕方によってピークの位置がずれたり、強度比が変化したりする可能性がある。そのような試料は、ペレットの形状にして測定する。ペレットは、例えば直径10mm、厚さ2mmの圧粉体であってよい。該圧粉体は、試料に約250MPaの圧力を15分間かけて製作することができる。得られたペレットをX線回折装置に設置し、その表面を測定する。このような方法で測定することにより、オペレータによる測定結果の違いを排除し、再現性を高くすることができる。
電極に含まれる活物質について広角X線回折測定を行う場合は、例えば以下のように行うことができる。
活物質の結晶状態を把握するために、活物質からリチウムイオンが完全に離脱した状態にする。例えば負極として使う場合、電池を完全に放電状態にする。但し、放電状態でも残留したリチウムイオンが存在することがある。次に、アルゴンを充填したグローブボックス中で電池を分解し、適切な溶媒で洗浄する。たとえばエチルメチルカーボネートなどを用いると良い。洗浄した電極を、広角X線回折装置のホルダーの面積と同程度切り出し、直接ガラスホルダーに貼り付けて測定してもよい。このとき、電極集電体の金属箔の種類に応じてあらかじめXRDを測定しておき、どの位置に集電体由来のピークが現れるかを把握しておく。また、導電剤や結着剤といった合剤のピークの有無もあらかじめ把握しておく。集電体のピークと活物質のピークが重なる場合、集電体から活物質を剥離して測定することが望ましい。これは、ピーク強度を定量的に測定する際、重なったピークを分離するためである。もちろん、これらを事前に把握できているのであれば、この操作を省略することができる。電極を物理的に剥離しても良いが、溶媒中で超音波をかけると剥離しやすい。このようにして回収した電極を測定することで、活物質の広角X線回折測定を行うことができる。
このようにして得られた広角X線回折の結果は、リートベルト法によって解析する。リートベルト法では、あらかじめ推定した結晶構造モデルから計算された回折パターンを実測値と全フィッティングして、結晶構造に関するパラメータ(格子定数、原子座標、占有率等)を精密化することができ、合成した材料の結晶構造の特徴を調べることができる。
<活物質中の元素含有量の測定>
活物質中の元素含有量は、以下の手順により測定することができる。
活物質中の元素含有量は、以下の手順により測定することができる。
まず、先のようにして第1の電極合材層及び第2の電極合材層からそれぞれ得られた試料を遠心分離に供して、活物質を単離する。このようにして単離した試料を、測定対象試料とする。
活物質中の元素の含有量は、ICP発光分光法によって測定できる。ICP発光分光法による元素含有量の測定は、例えば以下の方法で実行できる。先に説明したようにして抽出した活物質を容器に測り取り、これを酸融解又はアルカリ融解して、測定溶液を得る。この測定溶液を測定装置(例えばエスアイアイ・ナノテクノロジー社製:SPS−1500V)でICP発光分光を行なうことにより、元素含有量を測定する。
先に説明した活物質は、先に説明した元素の他に製造上不可避な不純物を1000質量ppm以下で含むことを許容する。
<固溶状態の確認>
先に説明した広角X線回折分析を用いて、結晶相の状態を確認することにより、添加した元素Mが置換固溶されているか否かを判断することができる。具体的には、不純物相の出現の有無、格子定数の変化(添加した元素のイオン半径が反映される)などである。但し、微量に添加した場合は、これらの方法では判断できない場合がある。そのときには、TEM観察及びEPMA測定を行うことにより、添加元素の分布状態を知ることができる。これにより添加元素が固体中に均一に分布しているか、偏析しているかを判断できる。
先に説明した広角X線回折分析を用いて、結晶相の状態を確認することにより、添加した元素Mが置換固溶されているか否かを判断することができる。具体的には、不純物相の出現の有無、格子定数の変化(添加した元素のイオン半径が反映される)などである。但し、微量に添加した場合は、これらの方法では判断できない場合がある。そのときには、TEM観察及びEPMA測定を行うことにより、添加元素の分布状態を知ることができる。これにより添加元素が固体中に均一に分布しているか、偏析しているかを判断できる。
<二次粒子径の測定方法>
活物質の平均二次粒子径は、例えば、以下の手順で測定することができる。測定には、レーザー回折式分布測定装置(島津SALD-300)を用いる。まず、ビーカーに試料を約0.1gと界面活性剤と1〜2mLの蒸留水とを添加して十分に攪拌して混合物を得る。この混合物を攪拌水槽に注入して、ここで試料溶液を調製する。この試料溶液を用いて、2秒間隔で64回光度分布を測定し、粒度分布データを解析する。
活物質の平均二次粒子径は、例えば、以下の手順で測定することができる。測定には、レーザー回折式分布測定装置(島津SALD-300)を用いる。まず、ビーカーに試料を約0.1gと界面活性剤と1〜2mLの蒸留水とを添加して十分に攪拌して混合物を得る。この混合物を攪拌水槽に注入して、ここで試料溶液を調製する。この試料溶液を用いて、2秒間隔で64回光度分布を測定し、粒度分布データを解析する。
<一次粒子径の測定方法>
活物質の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって確認できる。典型的な視野から抽出される典型的な粒子10個の平均を求め、平均一次粒子径を決定する。
活物質の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって確認できる。典型的な視野から抽出される典型的な粒子10個の平均を求め、平均一次粒子径を決定する。
<BET比表面積の測定>
活物質粒子の比表面積の測定には、粉体粒子表面に吸着占有面積が既知である分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法を用いる。最も良く利用されるのが不活性気体の低温低湿物理吸着によるBET法であり、単分子層吸着理論であるLangmuir理論を多分子層吸着に拡張した、比表面積の計算方法として最も有名な理論である。これにより求められた比表面積のことをBET比表面積と称する。
活物質粒子の比表面積の測定には、粉体粒子表面に吸着占有面積が既知である分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法を用いる。最も良く利用されるのが不活性気体の低温低湿物理吸着によるBET法であり、単分子層吸着理論であるLangmuir理論を多分子層吸着に拡張した、比表面積の計算方法として最も有名な理論である。これにより求められた比表面積のことをBET比表面積と称する。
以上に説明した第1の実施形態によると、電極が提供される。この電極は、集電体と、集電体上に形成された第1の電極合材層と、第1の電極合材層上に形成された第2の電極合材層とを具備する。第1の電極合材層は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む。第2の電極合材層は、スピネル構造のチタン酸リチウムを含む。それにより、第1の実施形態に係る電極は、高容量を示すことができると共に、寿命特性及び安全性に優れた非水電解質電池を実現することができる。
第1の実施形態に係る電極は、非水電解質電池の負極又は正極として用いることができ、どちらで用いた場合にも、高容量を示すことができると共に、寿命特性及び安全性に優れた非水電解質電池を実現することができる。
第1の実施形態に係る電極を負極として用いた非水電解質電池の例を、以下の第2の実施形態として説明する。
一方、第1の実施形態に係る電極を正極として用いた非水電解質電池の場合、対極としての負極の活物質は、金属リチウム、リチウム合金、又はグラファイト若しくはコークスといった炭素系材料を用いることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、正極と、負極と、非水電解質とを具備する。負極は、第1の実施形態に係る電極である。
第2の実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、正極と、負極と、非水電解質とを具備する。負極は、第1の実施形態に係る電極である。
第2の実施形態に係る非水電解質電池は、正極と負極との間に配されたセパレータを更に具備することもできる。正極、負極及びセパレータは、電極群を構成することができる。非水電解質は、電極群に保持され得る。
また、第2の実施形態に係る非水電解質電池は、電極群及び非水電解質を収容する外装部材を更に具備することができる。
さらに、第2の実施形態に係る非水電解質電池は、正極に電気的に接続された正極端子及び負極に電気的に接続された負極端子を更に具備することができる。正極端子の少なくとも一部及び負極端子の少なくとも一部は、外装部材の外側に延出し得る。
以下、第1の実施形態に係る電池用活物質を負極において用いる非水電解質電池が具備することができる、負極、正極、非水電解質、セパレータ、外装部材、正極端子及び負極端子について詳細に説明する。
(1)負極
負極は、第1の実施形態に係る電極である。
負極は、第1の実施形態に係る電極である。
(2)正極
正極は、正極集電体と、この正極集電体の片面もしくは両面に担持された正極合材層(正極活物質含有層)とを有することができる。
正極は、正極集電体と、この正極集電体の片面もしくは両面に担持された正極合材層(正極活物質含有層)とを有することができる。
正極合材層は、正極活物質及び結着剤を含むことができる。
正極活物質としては、酸化物、硫化物、ポリマーなどを用いることができる。例えば、リチウムを吸蔵した二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4又はLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCoyO2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-yO2)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiyO4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(LixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4など)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2O5)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物などが挙げられる。上記式において、0<x≦1であり、0<y≦1である。正極活物質としては、これらのうちの1種の化合物を単独で用いてもよいし、又は複数種の化合物を組み合わせて用いてもよい。
ポリマーは、例えばポリアニリンやポリピロールのような導電性ポリマー材料、又はジスルフィド系ポリマー材料を用いることができる。硫黄(S)、フッ化カーボンもまた活物質として使用できる。
より好ましい活物質の例としては、正極電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCoyO2)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLixMn2-yNiyO4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-yO2)、リチウムリン酸鉄(例えばLixFePO4)、及びリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物などが挙げられる。上記式において、0<x≦1であり、0<y≦1である。
中でも、常温溶融塩を含む非水電解質を用いる場合には、リチウムリン酸鉄LixVPO4F(0<x≦1)、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物及びリチウムニッケルコバルト複合酸化物から選択される少なくとも1種を用いることがサイクル寿命の観点から好ましい。これは、正極活物質と常温溶融塩との反応性が少なくなるためである。
正極活物質の比表面積は、0.1m2/g以上10m2/g以下であることが好ましい。0.1m2/g以上の比表面積を有する正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出サイトを十分に確保できる。10m2/g以下の比表面積を有する正極活物質は、工業生産の上で取り扱い易く、かつ良好な充放電サイクル性能を確保できる。
結着剤は、正極活物質と集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム等が挙げられる。
集電性能を高め、かつ集電体との接触抵抗を抑えるために必要に応じて導電剤を正極層に配合することができる。導電剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質物を挙げることができる。
正極合材層において、正極活物質及び結着剤の配合割合は、正極活物質は80質量%以上98質量%以下、結着剤は2質量%以上20質量%以下の範囲にすることが好ましい。結着剤の量を2質量%以上にすることにより十分な電極強度が得られる。また、結着剤の量を20質量%以下にすることにより電極の絶縁体の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
導電剤を加える場合には、正極活物質、結着剤及び導電剤はそれぞれ77質量%以上95質量%以下、2質量%以上20質量%以下、及び3質量%以上15質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤を3質量%以上の量にすることにより、上述した効果を十分に発揮することができる。また、導電剤を15質量%以下にすることにより、高温保存下での正極導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。
正極集電体は、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、Ni、Cr、Mn、Fe、Cu及びSiから選択される1種以上の元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の厚さは、5μm以上20μm以下、より好ましくは15μm以下にすることが望ましい。アルミニウム箔の純度は99質量%以上が好ましい。アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に含まれる鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は、1質量%以下にすることが好ましい。
正極は、例えば、正極活物質、結着剤及び必要に応じて配合される導電剤を適当な溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを正極集電体に塗布し、乾燥し、正極合材層を形成した後、プレスを施すことにより作製される。
また、正極は、正極活物質、結着剤及び必要に応じて配合される導電剤をペレット状に形成して正極合材層とし、これを正極集電体上に配置することにより作製することもできる。
(3)非水電解質
非水電解質は、例えば、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質、又は液状電解質と高分子材料とを複合化したゲル状非水電解質であってもよい。
非水電解質は、例えば、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質、又は液状電解質と高分子材料とを複合化したゲル状非水電解質であってもよい。
液状非水電解質は、電解質を0.5モル/L以上2.5モル/L以下の濃度で有機溶媒に溶解したものであることが好ましい。
電解質の例には、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CF3SO2)2)のようなリチウム塩、及びこれらの混合物が含まれる。電解質は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましい。LiPF6が最も好ましい。
有機溶媒の例としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、及びビニレンカーボネートのような環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びメチルエチルカーボネート(MEC)のような鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、及びジオキソラン(DOX)のような環状エーテル、ジメトキシエタン(DME)及びジエトキシエタン(DEE)のような鎖状エーテル、γ-ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、並びにスルホラン(SL)が含まれる。これらの有機溶媒は、単独で、又は混合溶媒として用いることができる。
高分子材料の例には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)が含まれる。
或いは、非水電解質には、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)、高分子固体電解質、無機固体電解質等を用いてもよい。
常温溶融塩(イオン性融体)は、有機物カチオンとアニオンとの組合せからなる有機塩のうち、常温(15〜25℃)で液体として存在しうる化合物を指す。常温溶融塩には、単体で液体として存在する常温溶融塩、電解質と混合させることで液体となる常温溶融塩、有機溶媒に溶解させることで液体となる常温溶融塩が含まれる。一般に、非水電解質電池に用いられる常温溶融塩の融点は、25℃以下である。また、有機物カチオンは、一般に4級アンモニウム骨格を有する。
高分子固体電解質は、電解質を高分子材料に溶解し、固体化することによって調製される。
無機固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する固体物質である。
無機固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する固体物質である。
(4)セパレータ
セパレータは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、若しくはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、又は、合成樹脂製不織布から形成されてよい。中でも、ポリエチレン又はポリプロピレンから形成された多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であるため、安全性を向上できる。
セパレータは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、若しくはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、又は、合成樹脂製不織布から形成されてよい。中でも、ポリエチレン又はポリプロピレンから形成された多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であるため、安全性を向上できる。
(5)外装部材
外装部材としては、例えば、厚さ0.5mm以下のラミネートフィルム又は厚さ1mm以下の金属製容器を用いることができる。ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下であることがより好ましい。金属製容器は、厚さ0.5mm以下であることがより好ましく、厚さ0.2mm以下であることがさらに好ましい。
外装部材としては、例えば、厚さ0.5mm以下のラミネートフィルム又は厚さ1mm以下の金属製容器を用いることができる。ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下であることがより好ましい。金属製容器は、厚さ0.5mm以下であることがより好ましく、厚さ0.2mm以下であることがさらに好ましい。
外装部材の形状の例としては、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、ボタン型等が挙げられる。外装部材は、電池寸法に応じて、例えば携帯用電子機器等に積載される小型電池用外装部材、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池用外装部材であってもよい。
ラミネートフィルムは、樹脂層間に金属層が介在した多層フィルムを用いることができる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂層は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装部材の形状に成形することができる。
金属製容器は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金などから形成することができる。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。合金中に鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は1質量%以下にすることが好ましい。これにより、高温環境下での長期信頼性及び放熱性を飛躍的に向上させることができる。
(6)正極端子及び負極端子
負極端子は、上述の負極活物質のLi吸蔵放出電位にて電気化学的に安定であり、かつ導電性を備える材料から形成することができる。具体的には、銅、ニッケル、ステンレス又はアルミニウムが挙げられる。接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料が好ましい。
負極端子は、上述の負極活物質のLi吸蔵放出電位にて電気化学的に安定であり、かつ導電性を備える材料から形成することができる。具体的には、銅、ニッケル、ステンレス又はアルミニウムが挙げられる。接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料が好ましい。
正極端子は、リチウムイオン金属に対する電位が3V以上5V以下、好ましくは3V以上4.25V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料から形成することができる。具体的には、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金、アルミニウムが挙げられる。接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料が好ましい。
次に、第2実施形態に係る非水電解質電池の一例を、図7及び図8を参照しながらより具体的に説明する。
図7は、第2の実施形態に係る一例の非水電解質電池の概略断面図である。図8は、図7のA部の拡大図である。
図7に示す扁平型非水電解質電池10は、扁平状の捲回電極群1及びこれを収納した袋状外装部材2を具備している。袋状外装部材2は、2枚の樹脂フィルムの間に金属層を介在したラミネートフィルムからなる。
扁平状の捲回電極群1は、外側から負極3、セパレータ4、正極5、セパレータ4の順で積層した積層物を渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成される。最外層の負極3は、図8に示すように負極集電体3aの内面側の片面に負極合材層3bを形成した構成を有し、その他の負極3は、負極集電体3aの両面に負極合材層3bを形成して構成されている。正極5は、正極集電体5aの両面に正極合材層5bを形成して構成されている。
捲回電極群1の外周端近傍において、負極端子6は最外層の負極3の負極集電体3aに接続され、正極端子7は内側の正極5の正極集電体5aに接続されている。これらの負極端子6及び正極端子7は、袋状外装部材2の開口部から外部に延出されている。例えば液状非水電解質は、袋状外装部材2の開口部から注入されている。袋状外装部材2の開口部を負極端子6及び正極端子7を挟んでヒートシールすることにより捲回電極群1及び液状非水電解質を完全密封している。
第2の実施形態に係る非水電解質電池は、前述した図7及び図8に示す構成のものに限らず、例えば、図9及び図10に示す構成を有することもできる。
図9は、第2の実施形態に係る他の例の非水電解質電池を模式的に表す一部切欠き斜視図である。図10は、図9のB部の拡大図である。
図9は、第2の実施形態に係る他の例の非水電解質電池を模式的に表す一部切欠き斜視図である。図10は、図9のB部の拡大図である。
図9及び図10に示す扁平型非水電解質電池10は、積層型電極群11と、これを収容した外装部材12とを具備している。外装部材12は、2枚の樹脂フィルムの間に金属層を介在したラミネートフィルムからなる。
積層型電極群11は、図10に示すように正極13と負極14とをその間にセパレータ15を介在させながら交互に積層した構造を有する。正極13は複数枚存在し、それぞれが集電体13aと、集電体13aの両面に担持された正極合材層13bとを備える。負極14は複数枚存在し、それぞれが集電体14aと、集電体14aの両面に担持された負極合材層14bとを備える。各負極14の集電体14aは、一辺が正極13から突出している。突出した集電体14aは、帯状の負極端子16に電気的に接続されている。帯状の負極端子16の先端は、外装部材12から外部に引き出されている。また、図示しないが、正極13の集電体13aは、集電体14aの突出辺と反対側に位置する辺が負極14から突出している。負極14から突出した集電体13aは、帯状の正極端子17に電気的に接続されている。帯状の正極端子17の先端は、負極端子16とは反対側に位置し、外装部材12の辺から外部に引き出されている。
第2の実施形態に係る非水電解質電池は、第1の実施形態に係る電池用活物質を含んでいるので、高容量を示すことができると共に、優れた寿命特性及び安全性を示すことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第2の実施形態に係る非水電解質電池を含む。
第3の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第2の実施形態に係る非水電解質電池を含む。
第3の実施形態に係る電池パックは、複数の非水電解質電池を備えることもできる。複数の非水電解質電池は、電気的に直列に接続することもできるし、又は電気的に並列に接続することもできる。或いは、複数の非水電解質電池を、直列及び並列の組み合わせで接続することもできる。
以下に、第3の実施形態に係る電池パックの一例を、図11及び図12を参照しながら説明する。
図11は、第3の実施形態に係る一例の電池パックの分解斜視図である。図11は、図12の電池パックの電気回路を示すブロック図である。
図11及び図12に示す電池パック20は、複数個の単電池21を備える。単電池21は、図7及び図8を参照しながら説明した第2の実施形態に係る一例の扁平型非水電解質電池である。
複数の単電池21は、外部に延出した負極端子6及び正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することにより組電池23を構成している。これらの単電池21は、図12に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、単電池21の負極端子6及び正極端子7が延出する側面に対向して配置されている。プリント配線基板24には、図12に示すようにサーミスタ25、保護回路26及び外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向するプリント配線基板24の面には組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子7に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子6に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29及び31は、プリント配線基板24に形成された配線32及び33を通して保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出し、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34a及びマイナス側配線34bを遮断できる。所定の条件の一例とは、例えば、サーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件の他の例とは、例えば、単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは組電池23全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図11及び図12の電池パック20の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35が接続されている。これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子7及び負極端子6が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36及びプリント配線基板24と共に収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36及びプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮チューブを周回させた後、熱収縮チューブを熱収縮させて組電池を結束させる。
図11及び図12では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。組み上がった電池パックを直列及び/又は並列に接続することもできる。
また、第3の実施形態に係る電池パックの態様は用途により適宜変更される。第3の実施形態に係る電池パックの用途としては、大電流特性でのサイクル特性が望まれるものが好ましい。具体的な用途としては、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。第3の実施形態に係る電池パックは、特に、車載用が好適である。
第3の実施形態に係る電池パックは、第2の実施形態に係る非水電解質電池を備えているので、高容量を示すことができると共に、優れた寿命特性及び安全性を示すことができる。
[実施例]
以下に実施例を説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に記載される実施例に限定されるものではない。
以下に実施例を説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に記載される実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、以下の手順により、実施例1の電極を作製した。
実施例1では、以下の手順により、実施例1の電極を作製した。
<単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の調製>
まず、以下の手順で、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を調製した。
まず、以下の手順で、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を調製した。
出発原料として、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタンTiO2の粉末と、五酸化ニオブNb2O5の粉末とを用意した。これらの粉末を混合し、混合物を調製した。得られた混合物を、1100℃の温度で24時間に亘って焼成した。
以上のようにして得られた焼成物をICP分析に供したところ、得られた生成物が、組成式TiNb2O7(以下、場合により「NTO」と称す。)を有する単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末であることが分かった。
<第1の電極合材層の形成>
以上のようにして得られた単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末、導電剤としての気相成長炭素繊維、及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合物を得た。投入量は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:気相成長炭素繊維:ポリフッ化ビニリデンの質量比が100:10:10になるように調整した。このようにして得られた混合物を撹拌して、第1のスラリーを調製した。このスラリーを12μmの厚さを有するアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥させた。かくして、第1の電極合材層を得た。
以上のようにして得られた単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末、導電剤としての気相成長炭素繊維、及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合物を得た。投入量は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:気相成長炭素繊維:ポリフッ化ビニリデンの質量比が100:10:10になるように調整した。このようにして得られた混合物を撹拌して、第1のスラリーを調製した。このスラリーを12μmの厚さを有するアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥させた。かくして、第1の電極合材層を得た。
<第2の電極合材層の形成>
次に、スピネル構造のチタン酸リチウムLi4Ti5O12(以下、場合により「LTO」と称す)の粉末を準備した。このチタン酸リチウム粉末及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合物を得た。投入量は、チタン酸リチウム粉末:PVdFの質量比が100:20となるように調整した。このようにして得られた混合物を撹拌して、第2のスラリーを調製した。この第2のスラリーを、スプレードライ方式で、第1の電極合材層上に塗布し、乾燥させた。かくして、第2の電極合材層を得た。
次に、スピネル構造のチタン酸リチウムLi4Ti5O12(以下、場合により「LTO」と称す)の粉末を準備した。このチタン酸リチウム粉末及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合物を得た。投入量は、チタン酸リチウム粉末:PVdFの質量比が100:20となるように調整した。このようにして得られた混合物を撹拌して、第2のスラリーを調製した。この第2のスラリーを、スプレードライ方式で、第1の電極合材層上に塗布し、乾燥させた。かくして、第2の電極合材層を得た。
<電極の完成>
次に、第2の電極合材層の表面を、集電体に向けてプレスすることにより、電極合材層の密度が2.8g/cm3である実施例1の電極を得た。第2の電極合剤層の厚さ(T2)の第1の電極合剤層(T1)に対する電極層の膜厚比(T2/T1)を表1に示す。
次に、第2の電極合材層の表面を、集電体に向けてプレスすることにより、電極合材層の密度が2.8g/cm3である実施例1の電極を得た。第2の電極合剤層の厚さ(T2)の第1の電極合剤層(T1)に対する電極層の膜厚比(T2/T1)を表1に示す。
(比較例1)
比較例1では、第2の電極合材層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様の手順により、比較例1の電極を得た。
比較例1では、第2の電極合材層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様の手順により、比較例1の電極を得た。
(比較例2)
比較例2では、以下の手順により、比較例2の電極を得た。
比較例2では、以下の手順により、比較例2の電極を得た。
まず、実施例1と同様の手順により、第2のスラリーを調製した。このスラリーを、12μmの厚さを有するアルミニウム箔からなる集電体の両面上に塗布し、乾燥させた。かくして、LTO含有層を得た。
このLTO含有層を実施例1と同様にプレスして、電極密度が2.8g/cm3である比較例2の電極を得た。
(比較例3)
比較例3では、以下の手順により、比較例3の電極を得た。
比較例3では、以下の手順により、比較例3の電極を得た。
まず、実施例1と同様の手順により、第2のスラリーを調製した。このスラリーを、12μmの厚さを有するアルミニウム箔からなる集電体の両面上に塗布し、乾燥させた。かくして、LTO含有層を得た。
次に、実施例1と同様の手順により、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末を調製した。この単斜晶型ニオブチタン複合酸化物粉末、導電剤としてのグラファイト、及び結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)を、溶媒としての水に加えて混合物を得た。投入量は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:グラファイト:スチレンブタジエンゴムの質量比が100:15:2になるように調整した。このようにして得られた混合物を撹拌して、第3のスラリーを調製した。
この第3のスラリーを先に形成したLTO含有層に塗布し、乾燥させた。かくして、NTO含有層を得た。
次に、NTO含有層の表面を集電体に向けてプレスすることにより、電極密度が2.8g/cm3である比較例3の電極を得た。第2の電極合剤層の厚さ(T2)の第1の電極合剤層(T1)に対する電極層の膜厚比(T2/T1)を表1に示す。
(実施例2)
実施例2では、以下の手順により、実施例2の電極を得た。
実施例2では、以下の手順により、実施例2の電極を得た。
まず、以下の手順で、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を調製した。
出発原料として、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタンTiO2の粉末と、五酸化ニオブNb2O5の粉末と、三酸化鉄Fe2O3の粉末とを用意した。これらの粉末を混合し、混合物を調製した。得られた混合物を、1100℃の温度で24時間に亘って焼成した。
以上のようにして得られた焼成物をICP分析に供したところ、得られた焼成物が、組成式Ti0.9Nb2.05Mo0.05O7を有する鉄を含む単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末であることが分かった。
以上のようにして得られた鉄を含む単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末、導電剤としての気相成長炭素繊維、及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合物を得た。投入量は、鉄を含む単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:気相成長炭素繊維:ポリフッ化ビニリデンの質量比が100:10:10になるように調整した。このようにして得られた混合物を撹拌して、第1のスラリーを調製した。このスラリーを12μmの厚さを有するアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥させた。かくして、第1の電極合材層を得た。
次に、実施例1と同様にして第2のスラリーを調製した。このスラリーを、スプレードライ方式で、第1の電極合材層上に塗布し、乾燥させた。かくして、第2の電極合材層を得た。
次に、第2の電極合材層の表面を、集電体に向けてプレスすることにより、電極密度が2.8g/cm3である実施例2の電極を得た。第2の電極合剤層の厚さ(T2)の第1の電極合剤層(T1)に対する電極層の膜厚比(T2/T1)を表1に示す。
(実施例3)
実施例3では、以下の手順により、実施例2の電極を得た。
実施例3では、以下の手順により、実施例2の電極を得た。
まず、以下の手順で、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を調製した。
出発原料として、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタンTiO2の粉末と、五酸化ニオブNb2O5の粉末と、二酸化モリブデンMoO2の粉末とを用意した。これらの粉末を混合し、混合物を調製した。得られた混合物を、1100℃の温度で24時間に亘って焼成した。
以上のようにして得られた焼成物をICP分析に供したところ、得られた焼成物が、組成式Ti1.05Nb1.9Mo0.05O7を有する鉄を含む単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末であることが分かった。
以上のようにして得られたモリブデンを含む単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末、導電剤としての気相成長炭素繊維、及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合物を得た。投入量は、鉄を含む単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:気相成長炭素繊維:ポリフッ化ビニリデンの質量比が100:10:10になるように調整した。このようにして得られた混合物を撹拌して、第1のスラリーを調製した。このスラリーを12μmの厚さを有するアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥させた。かくして、第1の電極合材層を得た。
次に、実施例1と同様にして第2のスラリーを調製した。このスラリーを、スプレードライ方式で、第1の電極合材層上に塗布し、乾燥させた。かくして、第2の電極合材層を得た。
次に、第2の電極合材層の表面を、集電体に向けてプレスすることにより、電極密度が2.8g/cm3である実施例3の電極を得た。第2の電極合剤層の厚さ(T2)の第1の電極合剤層(T1)に対する電極層の膜厚比(T2/T1)を表1に示す。
(比較例4)
比較例4では、以下の手順により、比較例4の電極を得た。
比較例4では、以下の手順により、比較例4の電極を得た。
まず、実施例1と同様にして、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物粉末を得た。この粉末、スピネル型構造のチタン酸リチウム粉末、導電剤としての気相成長炭素繊維、及び結着剤としてのPVdFを、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合物を得た。投入量は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:スピネル型構造のチタン酸リチウム:気相成長炭素繊維:PVdFの質量比が90:10:10:10となるように調整した。このようにして得られた混合物を撹拌して、第4のスラリーを調製した。このスラリーを12μmの厚さを有するアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥させた。かくして、第3の電極合材層を得た。
次に、第3の電極合材層の表面を、集電体に向けてプレスすることにより、電極密度が2.8g/cm3である比較例4の電極を得た。
(比較例5)
比較例5では、第4のスラリーの調製の際に、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:スピネル型構造のチタン酸リチウム:気相成長炭素繊維:PVdFの質量比が50:50:10:10となるように調整した以外は比較例4と同様にして、比較例5の電極を得た。
比較例5では、第4のスラリーの調製の際に、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:スピネル型構造のチタン酸リチウム:気相成長炭素繊維:PVdFの質量比が50:50:10:10となるように調整した以外は比較例4と同様にして、比較例5の電極を得た。
(比較例6)
比較例6では、第4のスラリーの調製の際に、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:スピネル型構造のチタン酸リチウム:気相成長炭素繊維:PVdFの質量比が10:90:10:10となるように調整した以外は比較例4と同様にして、比較例5の電極を得た。
比較例6では、第4のスラリーの調製の際に、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物:スピネル型構造のチタン酸リチウム:気相成長炭素繊維:PVdFの質量比が10:90:10:10となるように調整した以外は比較例4と同様にして、比較例5の電極を得た。
(実施例4〜7)
実施例4〜7では、以下の手順により、実施例4〜7の電極をそれぞれ得た。
実施例4〜7では、以下の手順により、実施例4〜7の電極をそれぞれ得た。
まず、実施例1と同様の単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の粉末よりなる第1のスラリーを用い、このスラリーを12μmの厚さを有するアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥させた。かくして、第1の電極合材層を得た。次に、実施例1と同様のチタン酸リチウム粉末よりなる第2のスラリーを用い、この第2のスラリーを、卓上塗工機で、第1の電極合材層上に塗布し、乾燥させた。かくして、第2の電極合材層を得た。
次に、第2の電極合材層の表面を、集電体に向けてプレスすることにより、電極合材層の密度が2.8g/cm3である実施例4〜7の電極を得た。第2の電極合剤層の厚さ(T2)の第1の電極合剤層(T1)に対する電極層の膜厚比(T2/T1)を表1に示す。
<ビーカーセルの製造>
実施例1〜7並びに比較例1〜5の電極をそれぞれ用いて、以下の手順で、実施例1〜7、並びに比較例1〜5のビーカーセルを製造した。
実施例1〜7並びに比較例1〜5の電極をそれぞれ用いて、以下の手順で、実施例1〜7、並びに比較例1〜5のビーカーセルを製造した。
<液状非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)を1:2の体積比率で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒に、電解質であるLiPF6を1Mの濃度で溶解させて、液状非水電解質を得た。
<ビーカーセルの製造>
実施例1で作製した電極を作用極とし、対極および参照極としてリチウム金属を用いたビーカーセルを組み立て、先に説明した液状非水電解質を注入して、実施例1のビーカーセルを完成させた。
エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)を1:2の体積比率で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒に、電解質であるLiPF6を1Mの濃度で溶解させて、液状非水電解質を得た。
<ビーカーセルの製造>
実施例1で作製した電極を作用極とし、対極および参照極としてリチウム金属を用いたビーカーセルを組み立て、先に説明した液状非水電解質を注入して、実施例1のビーカーセルを完成させた。
同様の手順で、実施例2〜7並びに比較例1〜5のビーカーセルをそれぞれ製造した。
(電池性能の評価)
実施例1〜7並びに比較例1〜5のビーカーセルについて、以下の手順で電池性能の評価を行った。
実施例1〜7並びに比較例1〜5のビーカーセルについて、以下の手順で電池性能の評価を行った。
まず、評価対象たるビーカーセルを、45℃の環境下において、1C及び1Vでの3時間に亘る定電流−定電圧充電(リチウム挿入)に供した。次いで、評価対象たるビーカーセルを、1C定電流放電(リチウム放出)に供した。この充電は、電池電圧が3Vに達するまで行った。この充電及び放電を1充放電サイクルとして、この充放電サイクルを50回行った。
初回容量に対する50回サイクル後容量を容量維持率(%)として算出した。その結果を、表1〜表3に記す。また、以下の表1には、各実施例及び比較例においての、第1及び第2の電極層の組成、作製方法、及び電極層の膜厚比を合わせて示す。
実施例1、比較例1及び比較例2の電池特性を、図13に示す。図13及び表1から、実施例1は、比較例2よりも高い容量を示すことができたことが分かる。また、図13及び表1から、実施例1は、比較例1よりも優れた容量維持率を示すことができることが分かる。
また、実施例2及び3は、表1から比較例1〜3に対し初回容量および容量維持率の双方の特性に優れていることがわかる。
また、比較例4〜6は、表1および表2から、実施例1〜3よりも初回容量または容量維持率のいずれかが低いことが分かる。
また、実施例4〜5は、表3から表1に示す比較例1〜3に対し初回容量および容量維持率の双方の特性に優れていることが分かり、その初回容量および容量維持率はその電極層の膜厚比により適宜設定可能であることが分かる。
(電極の断面分析)
実施例2の電極の断面SEM像を図14に示す。なお、図14は、実施例2の電極から、集電体の一方の面上に形成した第1及び第2電極合材層を剥がしてから観察したものである。
実施例2の電極の断面SEM像を図14に示す。なお、図14は、実施例2の電極から、集電体の一方の面上に形成した第1及び第2電極合材層を剥がしてから観察したものである。
図14に示すように、実施例2の電極3は、厚さが12μmである集電体3a上に、厚さが30μmである第1の電極合材層3b1が形成されており、第1の電極合材層3b1上に厚さが40μmである第2の電極合材層3b2が形成されている。図14から明らかなように、第1の電極合材層3b1と第2の電極合材層3b2との間には、明確な境界を視認することができる。
(安全性の評価)
以上に説明したそれぞれの実施例の電極を負極として用いて、実施例の非水電解質電池を作製した。また溶剤系NTOを負極として用いて、比較例の非水電解質電池を作製した。これらの非水電解質電池に対して安全性試験を実施した。その結果、実施例の非水電解質電池は、故意に短絡を起こした際の温度上昇率が、比較例の非水電解質電池よりも小さかった。
以上に説明したそれぞれの実施例の電極を負極として用いて、実施例の非水電解質電池を作製した。また溶剤系NTOを負極として用いて、比較例の非水電解質電池を作製した。これらの非水電解質電池に対して安全性試験を実施した。その結果、実施例の非水電解質電池は、故意に短絡を起こした際の温度上昇率が、比較例の非水電解質電池よりも小さかった。
以上に説明した少なくとも一つの実施形態及び実施例に係る電極は、集電体と、集電体上に形成された第1の電極合材層と、第1の電極合材層上に形成された第2の電極合材層とを具備する。第1の電極合材層は、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む。第2の電極合材層は、スピネル構造のチタン酸リチウムを含む。それにより、第1の実施形態に係る電極は、高容量を示すことができると共に、寿命特性及び安全性に優れた非水電解質電池を実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、11…電極群、2、12…外装部材、3、14…電極(負極)、3a、14a…集電体(負極集電体)、3b、14b…電極(負極)合材層、3b1…第1の電極(負極)合材層、3b2…第2の電極(負極)合材層、4、15…セパレータ、5、13…正極、6、16…負極端子、7、17…正極端子、10…非水電解質電池、20…電池パック、21…単電池、22…粘着テープ、23…組電池、24…プリント配線基板、25…サーミスタ、26…保護回路、37…収納容器、101…金属イオン、102…酸化物イオン、103…骨格構造部分、104…空隙部分、105及び106…二次元的なチャネルを有する部分、107…空隙部分。
Claims (9)
- 集電体と、
前記集電体上に形成され且つ単斜晶型ニオブチタン複合酸化物を含む第1の電極合材層と、
前記第1の電極合材層上に形成され且つスピネル構造のチタン酸リチウムを含む第2の電極合材層と
を具備する電極。 - 前記単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、一般式LiaTiMbNb2±βO7±σ(0≦a≦5、0≦b≦0.3、0≦β≦0.3、0≦σ≦0.3、MはFe、V、Mo及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の元素である)で表される複合酸化物である請求項1に記載の電極。
- 前記スピネル構造のチタン酸リチウムは、Li4+xTi5O12(−1≦x≦3)で表される請求項1又は2に記載の電極。
- 前記第1の電極合材層は第1の厚さを有し、前記第2の電極合材層は第2の厚さを有し、前記第2の厚さの前記第1の厚さに対する比は、0.01以上2以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の電極。
- 前記第2の電極合材層は、前記スピネル構造のチタン酸リチウムを含む活物質粒子を含み、前記活物質粒子は平均粒径が0.1μm以上30μm以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の電極。
- 前記第1の電極合材層は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム及びポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種の結着剤を更に含む請求項1〜5の何れか1項に記載の電極。
- 前記第2の電極合材層は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム及びポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種の結着剤を更に含む請求項1〜6の何れか1項に記載の電極。
- 正極と、
負極としての、請求項1〜7の何れか1項に記載の電極と、
非水電解質と
を具備する非水電解質電池。 - 請求項8の非水電解質電池を具備する電池パック。
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