以下、本発明の一実施の形態を図1〜図22に基づいて説明する。
本実施形態の冷温水冷暖房システムの全体概略構成を図1に示す。図1において、この冷温水冷暖房システム100は、室外に設置される室外機1と、この室外機1と冷温水往き管2及び冷温水戻り管3を介して接続されて室内に設置される、複数の熱交換端末(この例では、冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53、の3つ)とを有する。
この例では、前記冷温水パネル51はA室、B室、C室からなる3室構造のうち前記A室に配置されており、前記暖房パネル52は前記B室に配置されており、前記床暖房パネル53は前記C室に配置されている。このとき、前記室外機1から延びる前記冷温水往き管2の途中に1つの往きヘッダ91が設けられており、冷温水往き管2のうち前記往きヘッダ91より上流側部分は、1つの共通往き管2Aとして構成され、前記室外機1からの冷温水が供給される。そして、冷温水往き管2のうち前記往きヘッダ91より下流側部分は、前記冷温水パネル51への往き管2B1と、前記暖房パネル52への往き管2B2と、前記床暖房パネル53への往き管2B3と、に分かれている。なお、前記往き管2B1,2B2,2B3が各請求項記載の個別往き管に相当し、前記共通往き管2Aと往き管2B1とが前記冷温水パネル51への導入管路に相当し、前記共通往き管2Aと往き管2B2とが前記暖房パネル52への導入管路に相当し、前記共通往き管2Aと往き管2B3とが前記床暖房パネル53への導入管路に相当している。同様に、前記室外機1へと延びる前記冷温水戻り管3の途中に1つの戻りヘッダ92が設けられており、冷温水戻り管3のうち前記戻りヘッダ92より上流側部分は、前記冷温水パネル51からの戻り管3B1と、前記暖房パネル52からの戻り管3B2と、前記床暖房パネル53からの戻り管3B3と、に分かれている。そして、冷温水戻り管3のうち前記戻りヘッダ92より下流側部分は、1つの共通戻り管3Aとして構成され、前記戻り管3B1,3B2,3B3を介し導入された冷温水を前記室外機1へと戻す。なお、前記戻り管3B1,3B2,3B3が各請求項記載の個別戻り管に相当し、前記共通戻り管3Aと戻り管3B1とが前記冷温水パネル51からの導出管路に相当し、前記共通戻り管3Aと戻り管3B2とが前記暖房パネル52からの導出管路に相当し、前記共通戻り管3Aと戻り管3B3とが前記床暖房パネル53からの導出管路に相当している。
そして、前記冷温水パネル51への往き管2B1、前記暖房パネル52への往き管2B2、及び、前記床暖房パネル53への往き管2B3には、熱動弁コントローラCVからの駆動信号により各往き管を開閉可能な熱動弁V1,V2,V3がそれぞれ設けられている。この例では、前記A室には、前記冷温水パネル51の吸熱(冷房)及び放熱(暖房)運転操作と前記暖房パネル52及び床暖房パネル53の放熱(暖房)運転操作を行うためのメインリモコン装置RMが設けられており、前記B室には前記暖房パネル52の放熱(暖房)運転操作を行うための端末用リモコン装置RAが設けられており、前記C室には前記床暖房パネル53の放熱(暖房)運転操作を行うための端末用リモコン装置RBが設けられている。
前記メインリモコン装置RMでの操作に対応して出力される制御信号SS1は、前記室外機1の制御を行う室外機制御部(後述)へと入力され、これによって前記共通往き管2Aへ供給される冷温水の流量や温度等が制御されるとともに、さらにこれに対応して前記室外機制御部から前記熱動弁コントローラCVに制御信号SS2が出力され、これに応じて熱動弁コントローラCVから出力される制御信号S1,S2,S3によって各熱動弁V1,V2,V3の開閉動作が制御される。これにより、前記メインリモコン装置RMを適宜に操作することで、前記冷温水パネル51、前記暖房パネル52、及び前記床暖房パネル53の運転状態を一括して制御可能となる(以下適宜、このような制御態様を「一括制御」と称する)。また、前記端末用リモコン装置RAでの操作に対応して出力される制御信号Saは前記熱動弁コントローラCVへと入力され、これに応じて熱動弁コントローラCVから出力される制御信号S2によって前記熱動弁V2の開閉動作が制御される。これにより、前記端末用リモコン装置RAを適宜に操作することで前記前記暖房パネル52の運転状態を個別に制御可能となる(以下適宜、このような制御態様を「個別制御」と称する)。また、前記端末用リモコン装置RBでの操作に対応して出力される制御信号Sbは前記熱動弁コントローラCVへと入力され、これに応じて熱動弁コントローラCVから出力される制御信号S3によって前記熱動弁V3の開閉動作が制御される。これにより、前記端末用リモコン装置RBを適宜に操作することで前記床暖房パネル53の運転状態を個別に制御可能となる。
次に、前記室外機1の概略的なシステム構成を図2(a)に示す。図2(a)において、室外機1は、例えばHFCなどの合成化合ガスを冷媒として循環させ室外での吸放熱を行う冷媒循環回路21と、例えば不凍液などを冷温水として循環させ前記複数の熱交換端末(前記の例では、冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53の3つ)での吸放熱を行う、(前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3からなる)冷温水循環回路22と、の間における熱交換を行うものである。
すなわち、前記冷媒循環回路21は、前記室外機1に備えられた、前記冷媒の循環方向を切り替える四方弁6と、前記冷媒を圧縮する圧縮機7と、前記冷媒と外気との熱交換を行う室外熱交換器8(空気熱交換器に相当)と、前記冷媒を減圧膨張させる膨張弁9と、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3を循環する前記冷温水と前記冷媒との熱交換を行う水−冷媒熱交換器11(水熱交換器に相当)とを、冷媒配管15で接続して形成されている。なお、前記冷媒配管15で互いに接続された前記四方弁6、前記圧縮機7、前記室外熱交換器8、前記膨張弁9によってヒートポンプ装置が構成されている。また、前記室外熱交換器8に送風する室外ファン10がさらに設けられている。
前記四方弁6は4つのポートを備える弁であり、(前記冷媒配管15の一部を構成する)冷媒主経路15a用の2つのポートのそれぞれに対して、(前記冷媒配管15の一部を構成する)他の冷媒副経路15b用の2つのポートのいずれに接続するかを切り替える。冷媒副経路15b用の2つのポートどうしはループ状に配置された冷媒副経路15bで接続されており、この冷媒副経路15b上に前記圧縮機7が設けられている。
前記圧縮機7は、低圧ガス状態の冷媒を昇圧して高圧ガス状態にするとともに、室外機1内における冷媒配管15全体の冷媒を循環させるポンプとしても機能する。
また、前記四方弁6の冷媒主経路15a用の2つのポートどうしは、ループ状に配置された前記冷媒主経路15aで接続されており、この冷媒主経路15a上に前記室外熱交換器8、前記膨張弁9、及び前記水−冷媒交換器11が順に(図2(a)に示す例では冷媒主経路15a左回りの順に)設けられている。
前記室外熱交換器8は、その内部を通過するガス状態の前記冷媒の温度が室外の外気温度より高い場合は、その冷媒の熱を放熱して液体状態に凝縮させる凝縮器として機能する。また、その内部を通過する液体状態の前記冷媒の温度が室外の外気温度より低い場合は外気の熱を冷媒に吸熱してガス状態に蒸発させる蒸発器として機能する(後述の図2(b)参照)。
前記室外ファン10は、前記室外熱交換器8に対して送風することで、室外熱交換器8の性能を向上させる。
前記膨張弁9は、高圧液体状態の前記冷媒を減圧膨張させて低圧液体状態とするよう機能する。
水−冷媒熱交換器11は、前記のように冷媒主経路15aに接続されてその内部に冷媒を通過させるとともに、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3にも接続されてその内部に冷温水を通過させる。水−冷媒熱交換器11の内部を通過する液体状態の冷媒の温度が前記冷温水の温度より低い場合は、冷媒に対して冷温水の熱を吸熱しガス状態に蒸発させる蒸発器として機能する。また、水−冷媒熱交換器11の内部を通過するガス状態の冷媒の温度が冷温水の温度より高い場合は、冷媒に対してその熱を冷温水に放熱し液体状態に凝縮させる凝縮器として機能する(後述の図2(b)参照)。
一方、前記冷温水循環回路22は、前記室外機1に備えられた、前記水−冷媒熱交換器11、前記冷温水に循環圧力を加える循環ポンプ12、及びシスターンタンク13と、前記複数の熱交換端末(前記の例では、冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53の3つ)を、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3で接続して形成されている。
前記水−冷媒熱交換器11は、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3に接続されており、前記冷温水戻り管3上に、前記シスターンタンク13及び前記循環ポンプ12が設けられている。
前記シスターンタンク13は、キャビテーションなどで冷温水中に生じた気泡の分離(気水分離機能)と、前記冷温水循環回路22における膨張冷温水の吸収及び冷温水の補給を行う。
前記循環ポンプ12は、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3全体に冷温水を循環させるよう機能する。
なお、このとき、室外機1は、当該室外機1の制御を行う室外機制御部CUを備えている。この室外機制御部は、主にCPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータで構成され、前記メインリモコン装置RMからの前記制御信号SS1に基づいて室外機1全体の制御を行うとともに、対応する前記制御信号SS2を前記熱動弁コントローラCVに出力する。
上記構成の冷媒循環回路21において、前記圧縮機7は冷媒副経路15b上において一方向に冷媒を循環させるものであり、前記四方弁6の切り替えによって冷媒主経路15a上の冷媒の循環方向を制御する。前記図2(a)は冷房運転時の循環方向を示しており、圧縮機7から吐出した冷媒が室外熱交換器8、膨張弁9、水−冷媒熱交換器11の順で流通する。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機7で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、前記室外熱交換器8(凝縮器として機能)において前記室外ファン10の送風で冷却されることで外気に熱を放出しながら高圧の液体に変化する。こうして液体になった冷媒は前記膨張弁9で減圧されて低圧の液体となり蒸発しやすい状態となる。その後、低圧の液体が前記水−冷媒熱交換器11(蒸発器として機能)において蒸発してガスに変化することで前記冷温水戻り管3からの冷水から吸熱を行う。そして冷媒は、低温・低圧のガスとして再び前記圧縮機7へと戻る。
このとき、前記のようにして水−冷媒熱交換器11で冷却された冷水は、冷温水往き管2から前記複数の熱交換端末(前記の例では、冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53の3つ)のうち前記冷温水パネル51に供給されて室内空気から吸熱して室内を冷却し、その後に前記シスターンタンク13を通過して再び前記循環ポンプ12へ戻る。以上のような冷媒循環回路21の冷凍サイクルと冷温水循環回路22との間で熱交換を行うことにより、室内空気の温度を下げる冷房運転が行われる。
一方、図2(b)は暖房運転時の循環方向を示しており、圧縮機7から吐出した冷媒が水−冷媒熱交換器11、膨張弁9、室外熱交換器8の順で流通する。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機7で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、前記水−冷媒熱交換器11(凝縮器として機能)において前記冷温水戻り管3からの温水に熱を放出しながら高圧の液体に変化する。こうして液体になった冷媒は前記膨張弁9で減圧されて低圧の液体となり蒸発しやすい状態となる。その後、低圧の液体が前記室外熱交換器8(蒸発器として機能)において蒸発してガスに変化することで外気から吸熱する。そして冷媒は、低温・低圧のガスとして再び前記圧縮機7へと戻る。
このとき、前記のようにして水−冷媒熱交換器11で加熱された温水は、冷温水往き管2から前記複数の熱交換端末(前記の例では、冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53の3つ)のうち少なくとも1つに供給されて室内空気に放熱して室内を加温し、その後に前記シスターンタンク13を通過して再び前記循環ポンプ12へ戻る。以上のような冷媒循環回路21の冷凍サイクルと冷温水循環回路22との間で熱交換を行うことにより、室内空気の温度を上げる暖房運転が行われる。
次に、前記メインリモコン装置RMの詳細について、説明する。図3にメインリモコン装置RMの外観を示す。図3において、メインリモコン装置RMには、前記複数の熱交換端末(前記図1に示した例では、冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53)の運転状態や各種設定状態を表示可能な表示部201と、メインリモコン装置RM自体の電源をON・OFFするための「電源」ボタン202と、前記熱交換端末の運転開始を指示するための「運転」ボタン203と、前記熱交換端末に対しタイマーによる運転を指示するための「タイマー」ボタン204と、前記熱交換端末の運転態様の切替を指示する「運転切替」ボタン205と、適宜の節電運転等のガイドを行うための「ecoガイド」ボタン206と、画面表示を1つ前の画面に戻すための「戻る」ボタン207と、「メニュー/決定」ボタン208と、上下左右方向への十字キー209と、が備えられている。このとき、前記「電源」ボタン202、前記「運転」ボタン203、前記「タイマー」ボタン204、前記「運転切替」ボタン205、前記「戻る」ボタン207と、前記「メニュー/決定」ボタン208、及び、前記十字キー209が、各請求項記載の操作部に相当している。なお、図示を省略しているが、リモコン装置RMには、後述する各種の表示を行うための、演算部としてのCPUや記憶部としてのメモリ等が内蔵されている。
ここで、本実施形態では、操作者による適宜の操作(詳細は後述)により、前記表示部201において、前記冷温水冷暖房システム100に備えられているすべての熱交換端末(図1に示した例では、前記冷温水パネル51、前記暖房パネル52、前記床暖房パネル53、の3つ)の数及び種類と、各熱交換端末を制御するために備えられるリモコン装置(図1に示した例では、前記メインリモコン装置RM、前記端末用リモコン装置R1、前記端末用リモコン装置R2の3つ)の数及びそれぞれの行う制御態様(後述)と、それらに対応して定まる各熱交換端末それぞれへの前記冷温水往き管(図1に示した例では、冷温水パネル51への前記往き管2B1、暖房パネル52への前記往き管2B2、床暖房パネル53への前記往き管2B3、の3つ)に対する熱動弁(図1に示した例では、往き管2B1の前記熱動弁V1、往き管2B2の前記熱動弁V2、往き管2B3の前記熱動弁V3)の設置の要否、が表示される。
次に、前記メインリモコン装置RMが、前記のような機能を備える背景を説明する。本実施形態の冷温水冷暖房システム100は、前記したように、前記冷水及び前記温水を用いて室内空気に対し吸熱及び放熱を行い冷暖房両方を実行可能な前記冷温水パネル51(冷温水端末に相当)と、前記温水を用いて室内空気に放熱し暖房のみを行う前記暖房パネル52(暖房端末に相当)と、前記温水を用いて室内の床暖房を行う前記床暖房パネル53(床暖房端末に相当)とを備えている。なお、上記以外に、前記温水を用いて室内空気に放熱し暖房のみを行う熱動弁内蔵型の暖房端末である、温水ルームヒータ等を用いても良い(後述の図8参照)。
一般に、この種の冷温水冷暖房システムでは、(本実施形態の冷温水冷暖房システム100のように)種類の異なる複数の熱交換端末が室外機の水−冷媒熱交換器に接続され得るものである。このため、場合によっては、(本実施形態のように)特定の熱交換端末への前記往き管に前記熱動弁を設置し、当該往き管を適宜に開閉制御する必要が生じる。この熱動弁設置が必要になる条件は、以下の3つである。
(i)個別制御の熱交換端末がある場合
例えば、複数の熱交換端末の中の1つの端末に対し専用のリモコン装置によって個別制御が行われる場合には、当該個別制御の実行時には他の端末への導入管路を熱動弁によって閉じ、冷水又は温水の供給を停止する必要がある。本実施形態では、前記端末用リモコン装置RA,RBにより暖房パネル52及び床暖房パネル53の個別制御が行われており、この条件に該当している。
(ii)冷温水端末と暖房専用端末が混在する場合
また例えば、複数の熱交換端末の中に、冷暖房両方が行える冷温水端末と、暖房のみが行える暖房専用端末(暖房端末・床暖房端末・熱動弁内蔵型の暖房端末等)とが混在する場合には、例えば冷房運転時には、冷温水端末以外の他の端末への導入管路を熱動弁によって閉じ、冷水の供給を停止する必要がある。本実施形態では、前記冷温水端末である冷温水パネル51と、前記暖房専用端末である暖房パネル52及び床暖房パネル53とが混在しており、この条件にも該当している。
(iii)熱動弁内蔵型暖房端末と他端末とが混在する場合
さらに例えば、複数の熱交換端末の中に前記熱動弁内蔵型の暖房端末が含まれる場合、当該暖房端末において内蔵熱動弁を操作することで個別に暖房運転制御が可能であるため、当該熱動弁内蔵型の暖房端末への導入管路に熱動弁を設ける必要はない。しかしながら、例えば、当該熱動弁内蔵型暖房端末のみの運転時には、他の端末への導入管路を熱動弁によって閉じて温水の供給を停止する必要がある(後述の図8参照)。
上記のように、熱動弁の要否及び設置必要箇所は、前記熱交換端末の数・種類や、前記リモコン装置の数・制御態様に応じて多種多様なパターンに分かれる。そのようなパターンの例を、図4に示す。
図4において、例えばパターン番号1に示す構成では、前記熱交換端末として、2つの冷温水パネル(第1冷温水パネル)が設けられ、リモコン装置としては、当該2つの第1冷温水パネルに対しそれぞれ前記個別制御を行う2つの端末用リモコン装置が設けられている。この場合、前述の条件(i)に該当するため、当該2つの第1冷温水パネルへの往き管それぞれに、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号2に示す構成では、前記熱交換端末として、2つの冷温水パネル(第2冷温水パネル)が設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって当該2つの第2冷温水パネルが制御される。この場合、前述の条件(i)(ii)(iii)のいずれにも該当しないため、熱動弁は一切不要となる。
また、例えばパターン番号3に示す構成では、前記熱交換端末として、2つの冷温水パネル(第1冷温水パネル及び第2冷温水パネル)が設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって前記第2冷温水パネルが制御されるとともに、前記第1冷温水パネルに対しては端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)に該当するため、第1冷温水パネルへの往き管と第2冷温水パネルへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号4に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第1冷温水パネル)と1つの暖房パネル(第1暖房パネル)とが設けられ、前記第1冷温水パネルに対し端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われるとともに、前記第1暖房パネルに対しても端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)(iiii)に該当するため、第1冷温水パネルへの往き管と第1暖房パネルへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、パターン番号5に示す構成を、図5に示す。この例では、前記熱交換端末として、2つの冷温水パネル54,55(第2冷温水パネル)と1つの暖房パネル56(第2暖房パネル)とが設けられ、前記冷温水パネル54,55はそれぞれ前記A室及び前記B室に配置されており、前記暖房パネル56は前記C室に配置されている。前記往きヘッダ91からの前記往き管2B1,2B2はそれぞれ前記冷温水パネル54,55へ延び、前記往き管2B3は前記暖房パネル56へ延びている。これに対応して、前記戻り管3B1,3B2が前記冷温水パネル54,55から、前記戻り管3B3が前記暖房パネル56から前記戻りヘッダ92へと延びている。そして、前記一括制御を行うメインリモコン装置RMによってこれら冷温水パネル54,55及び暖房パネル56が制御される。この場合、図4に示すように前述の条件(iiii)に該当するため、暖房パネル56への前記往き管2B3に熱動弁V6が必要となって前記熱動弁コントローラCVからの駆動信号S6によって開閉制御される一方、冷温水パネル54,55への前記往き管2B1,2B2には熱動弁は不要となる。
図4に戻り、また、例えばパターン番号6に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第2冷温水パネル)と1つの暖房パネル(第1暖房パネル)とが設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって前記第2冷温水パネルが制御されるとともに、前記第1暖房パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)(ii)に該当するため、第2冷温水パネルへの往き管と第1暖房パネルへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号7に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第1冷温水パネル)と1つの暖房パネル(第2暖房パネル)とが設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって前記第2暖房パネルが制御されるとともに、前記第1冷温水パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)(ii)に該当するため、第2暖房パネルへの往き管と第1冷温水パネルへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号8に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第1冷温水パネル)と1つの床暖房パネルとが設けられ、前記第1冷温水パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われるとともに、前記床暖房パネルに対しても端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)(ii)に該当するため、第1冷温水パネルへの往き管と床暖房パネルへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号9に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第2冷温水パネル)と1つの床暖房パネルとが設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって前記第2冷温水パネルが制御されるとともに、前記床暖房パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)(ii)に該当するため、第2冷温水パネルへの往き管と床暖房パネルへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号10に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第1冷温水パネル)と1つの温水ルームヒータとが設けられ、前記第1冷温水パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる(前記温水ルームヒータでは自らに備えられる操作部により制御が行われる)。この場合、前述の条件(i)(ii)(iii)すべてに該当し、第1冷温水パネルへの往き管と温水ルームヒータへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号11に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第2冷温水パネル)と1つの温水ルームヒータとが設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって前記第2冷温水パネルが制御される(前記温水ルームヒータでは自らに備えられる操作部により制御が行われる)。この場合、前述の条件(ii)(iii)に該当し、第2冷温水パネルへの往き管と温水ルームヒータへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号12に示す構成では、前記熱交換端末として、2つの暖房パネル(第1暖房パネル)が設けられ、リモコン装置としては、当該2つの第1暖房パネルに対しそれぞれ前記個別制御を行う2つの端末用リモコン装置が設けられている。この場合、前述の条件(i)に該当するため、当該2つの第1暖房パネルへの往き管それぞれに、熱動弁が必要となる。
また、パターン番号13に示す構成を、図6に示す。この例では、前記熱交換端末として、3つの暖房パネル57,58,59(第2暖房パネル)が設けられ、前記暖房パネル57,58,59は前記A室、前記B室、前記C室にそれぞれ配置されている。前記往きヘッダ91からの前記往き管2B1,2B2,2B3はそれぞれ前記暖房パネル57,58,59へ延びている。これに対応して、前記戻り管3B1,3B2,3B3が前記暖房パネル57,58,59から前記戻りヘッダ92へと延びている。そして、前記一括制御を行うメインリモコン装置RMによってこれら暖房パネル57,58,59が制御される。この場合、前述の条件(i)(ii)(iii)のいずれにも該当しないため、熱動弁は一切不要となる。
また、パターン番号14に示す構成を、図7に示す。この例では、前記熱交換端末として、1つの暖房パネル62(第1暖房パネル)と2つの暖房パネル60,61(第2暖房パネル)が設けられ、それら暖房パネル60,61,62は前記A室、前記B室、前記C室にそれぞれ配置されている。前記往きヘッダ91からの前記往き管2B1,2B2,2B3はそれぞれ前記暖房パネル60,61,62へ延びている。これに対応して、前記戻り管3B1,3B2,3B3が前記暖房パネル60,61,62から前記戻りヘッダ92へと延びている。そして、前記一括制御を行うメインリモコン装置RMによって2つの前記第2暖房パネル60,61が制御されるとともに、1つの前記第1暖房パネル62に対して端末用リモコン装置RBによって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)に該当するため、各暖房パネル60,61,62への往き管2B1,2B2,2B3それぞれに熱動弁V1,V2,V3が必要となり、前記端末用リモコン装置RBからの制御信号Sb及び前記室外機制御部CUからの制御信号SS2に基づく熱動弁コントローラCVからの制御信号S1,S2,S3によって、前記熱動弁V1,V2,V3がそれぞれ開閉制御される。
図4に戻り、また、例えばパターン番号15に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの暖房パネル(第1暖房パネル)と1つの床暖房パネルとが設けられ、前記第1暖房パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われるとともに、前記床暖房パネルに対しても端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)に該当するため、第1暖房パネルへの往き管と床暖房パネルへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号16に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの暖房パネル(第2暖房パネル)と1つの床暖房パネルとが設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって前記第2暖房パネルが制御されるとともに、前記床暖房パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)に該当するため、第2暖房パネルへの往き管と床暖房パネルへの往き管との両方に、熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号17に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの暖房パネル(第1暖房パネル)と1つの温水ルームヒータとが設けられ、前記第1暖房パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる(前記温水ルームヒータでは自らに備えられる操作部により制御が行われる)。この場合、前述の条件(i)(iii)に該当し、第1暖房パネルへの往き管に、熱動弁が必要となる。なお、前述の条件(ii)には該当しない(冷房機能を備えた冷温水パネルは存在しない)ことから、温水ルームヒータへの往き管には熱動弁は必要ない。
また、パターン番号18に示す構成を、図8に示す。この例では、前記熱交換端末として、2つの暖房パネル63,64(第2暖房パネル)と温水ルームヒータ65が設けられ、前記暖房パネル63,64は前記A室及び前記B室にそれぞれ配置され、前記温水ルームヒータ65は前記C室に配置されている。前記往きヘッダ91からの前記往き管2B1,2B2,2B3はそれぞれ前記暖房パネル63,64及び前記温水ルームヒータ65へ延びている。これに対応して、前記戻り管3B1,3B2,3B3が前記暖房パネル63,64及び前記ルームヒータ65から前記戻りヘッダ92へと延びている。そして、前記一括制御を行うメインリモコン装置RMによって2つの前記第2暖房パネル63,64が制御される(前記温水ルームヒータ65では自らに備えられる操作部65aにより制御が行われる)。この場合、前述の条件(iii)に該当するため、2つの前記第2暖房パネル63,64への往き管2B1,2B2それぞれに熱動弁V1,V2が必要となり、前記室外機制御部CUからの制御信号SS2に基づく熱動弁コントローラCVからの制御信号S1,S2によって、それぞれ開閉制御される。なお、前述の条件(ii)には該当しない(冷房機能を備えた冷温水パネルは存在しない)ことから、前記温水ルームヒータ65への往き管2B3には熱動弁は必要ない。
図4に戻り、また、例えばパターン番号19に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第1冷温水パネル)と1つの暖房パネル(第1暖房パネル)と1つの温水ルームヒータとが設けられ、前記第1冷温水パネル及び前記第1暖房パネルに対してそれぞれ端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる(前記温水ルームヒータでは自らに備えられる操作部により制御が行われる)。この場合、前述の条件(i)(ii)(iii)にすべて該当し、第1冷温水パネルへの往き管、第1暖房パネルへの往き管、及び温水ルームヒータへの往き管すべてに、それぞれ熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号20に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第2冷温水パネル)と1つの暖房パネル(第2暖房パネル)と1つの温水ルームヒータとが設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって前記第2冷温水パネル及び前記第2暖房パネルが制御される (前記温水ルームヒータでは自らに備えられる操作部により制御が行われる)。この場合、前述の条件(ii)(iii)に該当し、第1冷温水パネルへの往き管、第1暖房パネルへの往き管、及び温水ルームヒータへの往き管すべてに、それぞれ熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号21に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第1冷温水パネル)と1つの暖房パネル(第1暖房パネル)と1つの床暖房パネルとが設けられ、前記第1冷温水パネル及び前記第1暖房パネルに対して端末用リモコン装置によってそれぞれ前記個別制御が行われるとともに、前記床暖房パネルに対しても端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)(ii)に該当するため、第1冷温水パネルへの往き管、第1暖房パネルへの往き管、床暖房パネルへの往き管のすべてに、それぞれ熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号22に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの冷温水パネル(第2冷温水パネル)と1つの暖房パネル(第2暖房パネル)と1つの床暖房パネルとが設けられ、前記一括制御を行うメインリモコン装置によって前記第2冷温水パネル及び前記第2暖房パネルが制御されるとともに、前記床暖房パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる。この場合、前述の条件(i)(ii)に該当するため、第2冷温水パネルへの往き管、第2暖房パネルへの往き管、床暖房パネルへの往き管のすべてに、それぞれ熱動弁が必要となる。
また、例えばパターン番号23に示す構成では、前記熱交換端末として、1つの床暖房パネルと1つの温水ルームヒータとが設けられ、前記床暖房パネルに対して端末用リモコン装置によって前記個別制御が行われる(前記温水ルームヒータでは自らに備えられる操作部により制御が行われる)。この場合、前述の条件(i)(iii)に該当し、床暖房パネルへの往き管に、熱動弁が必要となる。なお、前述の条件(ii)には該当しない(冷房機能を備えた冷温水パネルは存在しない)ことから、温水ルームヒータへの往き管には熱動弁は必要ない。
なお、パターン番号24に示す構成は、図1及び図2に示した本実施形態の冷温水冷暖房システム100の構成である。前記したように、本実施形態では前述の条件(i)(ii)に該当し、前記冷温水パネル51への往き管2B1、前記暖房パネル52への往き管2B2、前記床暖房パネル53への往き管2B3のすべてに、熱動弁V1,V2,V3がそれぞれ必要となる。
以上説明したような、熱動弁の要否及び設置必要箇所が多種多様なパターンに分かれるという事情に鑑み、本実施形態においては、例えばこの冷温水冷暖房システム100の施工後のメンテナンス時やサービス時において、例えば施工会社のサービスマン等の操作者が、各熱交換端末(すなわち冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53)に対し必要な前記熱動弁V1,V2,V3が正しく設置されているかを確認する便宜を図るための表示(詳細は後述)を、前記メインリモコン装置RMの前記表示部201において表示するものである。以下、そのような表示を表示させるための流れを順を追って説明する。
本実施形態では、前記の確認を前記操作者が行う際には、システムに使用されている熱交換端末の種類をひとつひとつ前記メインリモコン装置RMに対し入力することで、当該メインリモコン装置RMに自動的に表示される、各熱交換端末に対する熱動弁の要否表示を見て確認を行う。すなわち、まず、前記「電源」ボタン202を用いてメインリモコン装置RMの電源をONにした後、予め定められている適宜の操作を行うと、図9に示す画面201Aが表示される。
図9に示すように、この画面201Aには、8つの熱交換端末(この例では各熱交換端末の前記往き管及び前記戻り管の流れ制御という意味で「回路」と表示している。以下の各画面でも同様)の種類をそれぞれ入力可能となるように、「回路(1)(但し図中は丸文字で表示。以下同様)」「回路(2)」「回路(3)」・・「回路(8)」の各行がそれぞれ用意され、表示されている。なお、後述するように、各熱交換端末に対し使用するリモコン装置の種類(言い換えれば制御態様)を併せて入力するために、各行の「回路○」の右側には「■未使用■」の欄も併せて用意され、表示される。この画面201Aにおいて、例えば前記「メニュー/決定」ボタン208を操作することで、図10に示す画面201Bに移る。
図10に示すように、この画面201Bでは、まず、1つめの前記熱交換端末の種類の選択入力を促すように、最上段の前記「回路(1)■未使用■」の行にカーソルKが合った状態が表示される。この状態で、前記「メニュー/決定」ボタン208を操作すると、図11に示す画面201Cに移る。
図11に示すように、この画面201Cでは、「回路(1)に接続する負荷を設定します」のメッセージが表示され、1つめの熱交換端末(図中では「回路(1)」)に対しどのような種類を選択するか、の入力が促される。図示のように「接続負荷」にカーソルKが合った状態で前記十字キー209により上方へのスクロール操作を行うと、図12の画面201Dに示すように「接続負荷」の下に次々に熱交換端末の名称(予め用意されている)が表示される。この例では、前記十字キー209の上方スクロール操作により、例えば、「冷温水パネル」→「暖房パネル」→「床暖房パネル」→「温水ルームヒータ」→・・の順で表示させる。図12では、図1に示した前記の構成(前記A室に冷温水パネル51が配置されている)に合わせて、まず「冷温水パネル」を選択した状態を表している。この状態で前記十字キー209の右方へのスクロール操作を行うと、図13に示す画面201Eに移る。
図13に示すように、この画面201Eでは、1つめの熱交換端末(この例では「冷温水パネル」)に対しどのような種類のリモコンを選択するか(言い換えれば制御態様を前述の一括制御とするのか個別制御とするのか)、の入力が促される。図示のように初期設定として「メイン」が表示され、「リモコン」にカーソルKが合った状態で前記十字キー209により上方へのスクロール操作を行うと、図14の画面201Gに示すように、「リモコン」の下にリモコン装置の名称(予め用意されている)が表示される。この例では、前記十字キー209の上方スクロール操作により、例えば、「メイン」(前記一括制御に対応)→「No.1」(前記個別制御に対応)→「No.2」(前記個別制御に対応)→「No.3」(前記個別制御に対応)→・・の順で表示させる。いずれかのリモコン装置を表示させた状態で、前記「メニュー/決定」ボタン208を操作し、当該選択を確定することができる。この例では、図1に示した前記の構成(前記冷温水パネル51は、メインリモコン装置RMにより制御される)に合わせて、図13の画面201Eのように「冷温水パネル」と「メイン」を表示した状態で「メニュー/決定」ボタン208を操作すると、1つめの熱交換端末(この例では前記冷温水パネル51)に関する入力が終了し、図15に示す画面201Hに移る。
次に、前記同様にして、2つめの熱交換端末に係わる選択入力を行う。すなわち、図15に示す画面201Hにおいて前記同様に十字キー209を操作してスクロール表示させ、図1に示した前記の構成(前記B室に暖房パネル52が配置されている)に合わせて「接続負荷」は「暖房パネル」、「リモコン」は「No.1」を表示させた状態(図16)で「メニュー/決定」ボタン208を操作すると、2つめの熱交換端末(この例では前記暖房パネル52)に関する入力が終了する。
図17は、図16の画面201Iから適宜の操作(例えば前記「戻る」ボタン207の操作)により表示される、前記図10の画面201B相当の、画面201Jを示している。図示のように、この状態で、前記冷温水パネル51に対しメインリモコン装置RMによる前記一括制御が行われ、さらに前記暖房パネル52に対し端末用リモコン装置RAにより前記個別制御が行われることが、入力済みとなっている。
その後さらに、前記同様にして、3つめの熱交換端末に係わる選択入力を行う。すなわち、図1に示した前記の構成(前記C室に床暖房パネル53が配置されている)に合わせて「接続負荷」は「床暖房パネル」、「リモコン」は「No.2」を表示させた状態で「メニュー/決定」ボタン208を操作すると、3つめの熱交換端末(この例では前記床暖房パネル53)に関する入力が終了する(図示省略)。図18は、この入力終了後、前記適宜の操作(例えば前記「戻る」ボタン207の操作)により表示される、前記同様の画面201Kを示している。図示のように、この状態で、前記冷温水パネル51に対しメインリモコン装置RMによる前記一括制御が行われ、さらに前記暖房パネル52に対し端末用リモコン装置RAにより前記個別制御が行われ、さらに前記床暖房パネル53に対し端末用リモコン装置RBにより前記個別制御が行われることが、入力済みとなっている。
この後、前記十字キー209を用いて前記画面201Kの最下段までスクロールすると、図19に示すように「設定を確定し完了する」のメッセージの行が表示される。図示のようにこのメッセージにカーソルKを合わせて前記「メニュー/決定」ボタン208を操作すると、図20に示す画面201Lに移る。
図20において、この画面201Lでは、前述までの入力結果に対応した、各熱交換端末(前記の例では冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53)ごとに、熱動弁が必要か否かの判定結果が表示される。図示の例では、既に述べたように、前記端末用リモコン装置RA,RBにより暖房パネル52及び床暖房パネル53の個別制御が行われ、前記条件(i)に該当していることと、冷温水端末である冷温水パネル51と暖房専用端末である暖房パネル52及び床暖房パネル53とが混在し前記条件(ii)にも該当していることに基づき、冷温水パネル51、暖房パネル52、床暖房パネル53すべてへの前記往き管2B1,2B2,2B3それぞれに熱動弁V1,V2,V3が必要であることが、「熱動弁が必要」のメッセージで表示されている。
なお、図21の画面201Mには、別の例として、前記図8を用いて説明した、パターン番号18の構成を入力したときの判定結果の表示を示している。この画面201Mでは、図8に示したように、暖房パネル63、64が前記メインリモコン装置RMにより一括制御される一方で、温水ルームヒータ65が設けられており、前記条件(iii)に該当する(但し前記条件(ii)には該当しない)ことに基づき、暖房パネル63,64(但し暖房パネルが2つあることから区別するために「暖房パネル(1)」「暖房パネル(2)」のように表示されている)への前記往き管2B1,2B2にはそれぞれ熱動弁V1,V2が必要であり、温水ルームヒータ65への前記往き管2B3には熱動弁は不要であることが、「熱動弁が必要」「熱動弁は不要」のメッセージでそれぞれ表示されている。
次に、以上説明した表示を実行するために、リモコン装置RMの前記CPUが実行する制御手順を、図22により説明する。まず、前記表示部201に前述の各画面を表示させつつ、前記熱交換端末の種類(名称)の選択入力を受け付ける(S5)。前述の例では、「冷温水パネル」「暖房パネル」「床暖房パネル」「温水ルームヒータ」・・の各表示の中からの、操作者の選択入力を受け付ける。なお、このS5の手順を実行する上記CPUが、各請求項記載の端末種類受付手段として機能する。
その後、前記受け付けた熱交換端末ごとに、前記リモコン装置の種類(名称)の入力を受け付ける(S10)。前述の例では、前記メインリモコン装置に対応した「メイン」の表示と、前記端末用リモコン装置にそれぞれ対応した「No.1」「No.2」・・等の各表示の中からの、操作者の選択入力を受け付ける。なお、このS10の手順を実行する上記CPUが、各請求項記載の制御態様受付手段として機能する。
その後、すべての熱交換端末について、前記熱交換端末の種類(名称)及び前記リモコン装置の種類(名称)の入力が完了したか否かを判定する(S15)。入力が完了していない場合は判定が満たされず(S15:No)S5に戻って同様の手順を繰り返し、入力が完了した場合は判定が満たされ(S15:Yes)、S20へ進む。
S20では、前記S5及び前記S10の手順でのすべての入力結果に基づき、前記端末用リモコン装置によって前記個別制御を行う熱交換端末が1つでも含まれているか否か、を判定する。すべての熱交換端末について前記メインリモコン装置による前記一括制御を行う場合は判定が満たされず(S20:No)、後述のS40に進む。いずれか1つの熱交換端末において前記個別制御が行われる場合は判定が満たされ(S20:Yes)、S25に進む。
S25では、前記入力結果に、冷温水パネルと暖房専用端末(前記の暖房パネル、床暖房パネル、温水ルームヒータ等)との両方が含まれているか否か、を判定する。両方が含まれている場合は判定が満たされ(S25:Yes)、S30に進んで、すべての熱交換端末に対し(詳細には熱交換端末への前記往き管に対し。以下同様)熱動弁が必要である、と判定する。両方が含まれていない場合は判定が満たされず(S25:No)、S35に進んで、温水ルームヒータが含まれている場合における当該温水ルームヒータにのみ熱動弁は不要であり、それ以外のすべての熱交換端末に対し熱動弁が必要である、と判定する。
一方、前記S20の判定が満たされず進んだS40では、前記S25と同様、前記入力結果に、冷温水パネルと暖房専用端末(前記の暖房パネル、床暖房パネル、温水ルームヒータ等)との両方が含まれているか否か、を判定する。両方が含まれていない場合は判定が満たされず(S40:No)、後述のS60に進む。両方が含まれている場合は判定が満たされ(S40:Yes)、S45に進む。
S45では、前記入力結果に、温水ルームヒータが含まれているか否か、を判定する。温水ルームヒータが含まれている場合は判定が満たされ(S45:Yes)、S50に進んで、すべての熱交換端末に対し熱動弁が必要である、と判定する。温水ルームヒータが含まれていない場合は判定が満たされず(S45:No)、S55に進んで、暖房専用端末(前記の暖房パネル、床暖房パネル)にのみ熱動弁が必要であり、それ以外の熱交換端末に対しては熱動弁は不要である、と判定する。
一方、前記S40の判定が満たされず進んだS60では、前記入力結果において、温水ルームヒータと他端末が含まれているか否か、を判定する。温水ルームヒータが含まれている場合は判定が満たされ(S60:Yes)、S65に進んで、温水ルームヒータには熱動弁は不要であり、それ以外のすべての熱交換端末に対しては熱動弁が必要である、と判定する。温水ルームヒータが含まれていない場合は判定が満たされず(S60:No)、S70に進んで、すべての熱交換端末について熱動弁は不要である、と判定する。
なお、前記S20〜S70の手順を実行する上記CPUが、各請求項記載の判定手段として機能する。
前記S30,S35,S50,S55,S65,S70において前記の判定を行った後は、それぞれS65に進む。S65では、それぞれの判定結果を、前記表示部201に表示させ(図19、図20参照)、このフローを終了する。なお、S65の手順を実行する上記CPUが、各請求項記載の表示制御手段として機能する。
以上説明したように、本実施形態のメインリモコン装置RMによれば、前記表示部201において、各熱交換端末ごとに定まる前記往き管2B1,2B2,2B3への熱動弁の設置の要否が表示される。これにより、前記したようなシステム施工後のメンテナンス時やサービス時において、各熱交換端末に対し必要な熱動弁V1,V2,V3が正しく設置されているかどうかを、容易に確認することができるものである。また施工前に、施工ミスがないように上記の表示を行わせることも可能なものである。
また、本実施形態では特に、操作者が、前記熱交換端末の種類を入力し、さらにそれぞれの端末に対するリモコン装置の制御態様を選択する(言い換えれば前記メインリモコン装置RMを使用するか前記端末用リモコン装置RA等を使用するかを選択する)ことで、各端末ごとに熱動弁V1等の設置の要否が判定され、表示部201に表示される。このように、操作者が所定の順序で入力・選択を行うだけで判定結果が表示されるので、熱動弁の要否を確実に容易に確認でき、利便性を向上できるものである。
また、本実施形態では特に、前記熱交換端末の種類が、前記冷温水パネル、暖房パネル、床暖房パネル、温水ルームヒータのいずれであるかを入力し、さらにそれぞれの端末に対して端末用リモコン装置RA等の個別制御を行うのかメインリモコン装置RMで一括制御を行うのかを選択することで、各端末ごとに前記判定結果が表示される。これにより、各端末ごとの熱動弁の要否をさらに確実に確認できるものである。
また、本実施形態では特に、システム中に、前記個別制御が行われる端末が含まれるか否かに応じて、前記熱動弁の設置の要否が判定される(図22のS20参照)。これにより、例えば複数の熱交換端末中に個別制御の端末が含まれる場合に、当該個別制御実行時には他の端末への冷水又は温水の供給を停止する必要があり前記熱動弁設置の必要性があることを、確実に操作者に報知できるものである。
また、本実施形態では特に、システム中に、前記冷温水パネルと、前記暖房パネル、床暖房パネル、温水ルームヒータのうちいずれか1つと、が含まれるか否かに応じて、前記熱動弁の設置の要否が判定される(図22のS25,S40参照)。これにより、複数の熱交換端末中に冷暖房兼用端末である冷温水パネルと暖房専用端末(暖房パネル、床暖房パネル、温水ルームヒータ)とが混在する場合に、冷房運転時には前記暖房専用端末への冷水の供給を停止する必要があり前記熱動弁設置の必要性があることを、確実に操作者に報知できるものである。
また、本実施形態では特に、システム中に、前記温水ルームヒータとそれ以外の端末との両方が含まれるか否かに応じて、前記熱動弁の設置の要否が判定される(図22のS45,S60参照)。これにより、複数の熱交換端末中に前記温水ルームヒータとそれ以外の端末とが混在する場合に、当該温水ルームヒータのみの運転時には他の端末への温水の供給を停止する必要があり前記熱動弁設置の必要性があることを、確実に操作者に報知できるものである。
また、本実施形態では特に、冷温水往き管2の上流側が、往きヘッダ91を用いて1つの共通往き管2Aとなっている構成において、往きヘッダ91よりも下流側に位置する複数の往き管2B1,2B2,2B3等においてそれぞれ必要に応じて熱動弁V1,V2,V3等を設けることで、各往き管2B1,2B2,2B3等をそれぞれ個別に閉じて前記温水又は前記冷水の供給を停止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態では、冷暖房可能な端末として冷温水パネルのみを例にとって説明したが、これに限られず、冷暖房機能を備えた他の端末(吸放熱端末)を適用してもよい。また暖房専用端末として、暖房パネル、床暖房パネル、温水ルームヒータのみを例にとって説明したが、これに限られず、暖房機能を備えた他の専用端末(放熱端末)を適用してもよい。また、以上説明した前記メインリモコン装置RMの各種表示・判定機能を、端末用リモコン装置RA,RB等に設けてもよい。