JP2016172834A - 炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、電気・電子機器用筐体 - Google Patents
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Abstract
Description
また、炭素繊維は電気伝導性を有し、その複合材料は優れた電磁波遮蔽性を有することや、優れた機械物性のため、ノートパソコン等の電気・電子機器筐体などに使用され、筐体の薄肉化および機器の軽量化に役立っている。この中で、航空機や車両などの構造材料、建築材料などにおいては、火災による構造材料が着火・燃焼し、有毒ガスなどが発生することは極めて危険であるため、材料には難燃性能を有することは強く求められており、電気・電子機器用途においても、装置内部からの発熱や外部の熱源によって、筐体や部品などが発火することによる事故を防ぐために、材料には難燃化が求められている。
以前は樹脂の難燃化にはハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモン等の難燃剤助剤とを添加する手法が一般的であったが、ハロゲン系化合物は燃焼時に有害性物質を発生させる問題があるため、近年ではハロゲン系化合物を含まない難燃化手法の検討が盛んに行われており、縮合リン酸エステル等のリン化合物を難燃剤として樹脂に配合する方法が主流となってきた。(たとえば特許文献3)
しかしリン化合物を難燃剤として樹脂に配合する手法は、1)添加量が多いと機械物性が大きく低下する、2)長期間にわったってリン化合物が表面に染み出してくる(ブルーミングあるいはブリードアウトする)、3)リン化合物が容易に加水分解を起こす、等の問題がある。一般的に、リン原子含有量が高いほど難燃性能も高くなるが、上記問題から従来技術ではリン含有量を高くすることには限界があり、リン含有量の高い(つまり難燃性能の高い)繊維強化熱可塑性プラスチックは困難であった。とりわけ、炭素繊維強化熱可塑性プラスチックにおいて、炭素繊維の含有率が高いほど機械物性は向上するが、炭素繊維の含有率が高いほど難燃性能を付与することも困難となるため、炭素繊維強化熱可塑性プラスチックにおける高い機械物性と難燃性能の両立は著しく困難であった。
(式1)
(式2)
((式2)中のxおよびyは1以上19以下の整数である)
(式1)
(式1)
本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物は、下記(式1)で表される構造単位を含むリン含有ポリマーを含有する必要がある。
(式1)
本発明に用いるリン含有ポリマーは、前記(式1)で表される構造単位を含むものであれば特に限定せず、分子構造中の主鎖、もしくは側鎖に前記(式1)で表される構造単位を含んでいればよく、ホモポリマーでもコポリマーでもよい。本発明で用いるリン含有ポリマーは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用しても良い。
(式2)
(式(2)中のxおよびyは1以上19以下の整数である)
本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物は、上記リン含有ポリマーのみから成ってもよく、または上記リン含有ポリマー以外を含有してもよい。たとえば、上記リン含有ポリマー以外の成分としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、変性ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、変性ABS樹脂、MBS樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの変性樹脂、及びこれらのポリマーアロイ樹脂が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。中でも、リン含有ポリマーとの相溶性の良いポリカーボネート樹脂が好ましく、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、電気・電子機器用筐体とした際の優れた機械物性を発現する。ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂が特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は任意の方法が採用される。例えば、前記リン含有ポリマーおよび任意のその他の成分をそれぞれV型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出し混練機などの予備混合手段を用いて十分に混合した後、場合により押出し造粒機やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行い、その後ベント式二軸ルーダーに代表される溶融混練機で溶融混練、およびペレタイザー等の機器によりペレット化する方法が挙げられる。
本発明において、機械物性および電磁波遮蔽性の観点から、炭素繊維が必須成分である。本発明で用いる炭素繊維としては、特に限定されず、ポリアクリロニトリルを原料とするものPAN系炭素繊維でもピッチを原料とするピッチ系炭素繊維でも良いが、JIS R7601(1986)に準じて測定したストランド引張強度が1.0GPa以上9.0GPa以下、ストランド引張弾性率が150GPa以上1000GPa以下のものが好ましい。より好ましくは、ストランド引張強度1.5GPa以上9.0GPa以下、ストランド引張弾性率200GPa以上1000GPa以下のものである。
本発明で用いるサイジング剤(1)は、前述の通り、「分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とのエステルであって、分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物(A)(以下(A)成分ということがある。)」と、「硬化物の引張伸び率が40%以上の2官能タイプのウレタンアクリレートオリゴマー(B)(以下(B)成分ということがある。)」とを含有し、(A)成分と(B)成分との含有量の比(質量比)が、(B)成分/(A)成分=1/3〜2/1の範囲内であり、全サイジング成分中に占める(A)成分と(B)成分の合計量の割合が20質量%以上であるサイジング剤である。
本発明で用いるサイジング剤(1)は、(A)成分を含有する必要がある。本発明において、エポキシ基とは、環骨格が2個の炭素原子と1個の炭素原子とから構成される3員環をその構造中に有する基を意味する。エポキシ基としては、例えば、下記式(e1)で表される基、下記式(e2)で表される基(グリシジル基)、その他の環式脂肪族エポキシ基などが挙げられる。その他の環式脂肪族エポキシ基としては、前記3員環と、単環または多環式の脂肪族環とで形成される環状構造をその構造中に有する基が挙げられ、たとえば下記式(e3)〜(e5)で表される基が例示できる。
本発明で用いるサイジング剤(1)は、(B)成分を含有する必要がある。
本発明で用いるサイジング剤(1)においては、(A)成分と(B)成分との含有量の比(質量比)が、(B)成分/(A)成分=1/3〜2/1の範囲内であることが必要である。(B)成分の含有量が、(A)成分の含有量の1/3未満であると、界面相の柔軟化・高靭性化が不充分となり、一方、2/1を越えると、(A)成分の機能である良接着性発現効果が阻害され、炭素繊維の、マトリックス樹脂との接着性向上効果が充分に得られない。(A)成分と(B)成分との含有量の比は、(B)成分/(A)成分=1/2〜3/2であることが好ましく、2/3〜1/1がより好ましい。また、本発明のサイジング剤(1)においては、全サイジング成分中に占める(A)成分および(B)成分の合計量の割合が20質量%以上であることが必要である。20質量%未満では、この2つの成分の機能が充分に発揮されず、本発明の効果が得られない。ここで、「全サイジング成分」とは、当該サイジング剤に含まれる成分のうち、サイジング処理後に炭素繊維に付与される全成分の合計量であり、たとえば水や有機溶剤等の、サイジング後に除去される成分は含まれない有効成分を表す。すなわち、「全サイジング成分」は、上述した(A)成分および(B)成分と、任意成分として後述する(C)成分、(D)成分、(E)成分およびその他の成分との合計量として求められる。(A)成分および(B)成分の合計量の割合は、全サイジング成分中、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。
本発明で用いるサイジング剤(1)は、上記(A)成分および(B)成分に加えて、さらに、(C)成分を含有することが好ましい。
本発明で用いるサイジング剤(1)は、さらに、(D)成分および後述するノニオン系界面活性剤(E)を含有することが好ましい。
(E)成分としては、特に限定はされないが、特に、反応活性低下作用が非常に優れることから、脂肪族系ノニオン系界面活性剤が好ましい。脂肪族ノニオン系界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらエチレンオキサイド付加物においては、ポリエチレンオキサイド鎖中の一部にプロピレンオキサイドユニットをランダムあるいはブロック状に含有したタイプも好適に用いられる。
本発明で用いるサイジング剤(1)は、(D)成分と(E)成分とを含有する場合、(D)成分と(E)成分との含有量の比(質量比)が、(E)成分/(D)成分=1/10〜1/5の範囲内であることが好ましい。(E)成分の含有量が(D)成分の1/10以上であると、(D)成分由来のアンモニウムイオンの、(A)成分のエポキシ基に対する反応活性を低下させることができ、その結果、サイジング剤を付着させた炭素繊維の硬さの経時変化を著しく抑制することができる。(E)成分の含有量が(D)成分の1/5以下であると、(D)を含有することによる効果が充分に発揮され、当該サイジング剤を、水等を媒体として乳化させた際の乳化安定性や、サイジング処理された炭素繊維表面の、樹脂に対する濡れ性が向上する。
本発明のサイジング剤(1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート化合物、エポキシメタクリレート化合物、エステル化合物、ウレタン化合物、ポリアミド化合物、ポリイミド化合物などを含有してもよい。
本発明のサイジング剤(1)は、各成分を常法により混合、撹拌することにより製造できる。サイジング剤は、炭素繊維のサイジング処理においては、通常、水または有機溶剤に分散または溶解させたサイジング剤液として炭素繊維に塗布される。本発明のサイジング処理とは、サイジング剤をその表面に付与させることである。
本発明の炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法としては、炭素繊維に前記熱可塑性樹脂組成物を含浸させた構造を有する炭素繊維強化熱可塑性プラスチックを得ることができる方法であれば特に限定されず、公知の方法を適用することができる。具体的には、例えば以下の方法を用いることができる。
本発明の電気・電子機器用筐体は、前記本発明の炭素繊維強化熱可塑性プラスチックで一部または全部が構成されたものである。「電子・電気機器」は、電子機器および電気機器の総称で、電気・電子機器としては、たとえば、パーソナルコンピュータ(ノート型、デスクトップ型、タブレット型)、携帯電話、電子手帳、ポータブル音楽プレーヤー、電子書籍ディスプレイ等が挙げられる。
<熱可塑性樹脂組成物1>
Nofia CO3000:ホスフォネートとカーボネートのランダム共重合体、重量平均分子量(Mw)30,000、リン原子含有率3.8質量%、エフアールエックスポリマーズ社製
<製造例1:熱可塑性樹脂組成物2の製造例>
同方向二軸押出機(株式会社池貝製:PCM−30)を用いて、下記条件で原料1〜3に示す組成の溶融混練を行い、リン原子含有率3.8質量%の熱可塑性樹脂組成物2を得た。
スクリューフォーメーション:2箇所のニーディングゾーンを設置
スクリュー回転数:250rpm
吐出量:20kg/h
原料1:エフアールエックスポリマーズ社製Nofia HM1100、ポリホスフォネート、重量平均分子量(Mw)80,000〜120,000、リン原子含有率10.8質量%、(28質量部)
原料2:エフアールエックスポリマーズ社製Nofia CO6000、ホスフォネートとカーボネートのランダム共重合体、重量平均分子量(Mw)50,000、リン原子含有率6.5質量%(12質量部)
原料3:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製NOVAREX M7022A、ビスフェノールA型ポリカーボネート(60質量部)
[サイジング液およびサイジング剤付着炭素繊維束の製造例]
ミキサー(特殊機化工業(株)製、商品名:ハイビスディスパーミックス、ホモミキサー仕様:型式3D−5型)を用い、以下の手順で、転相乳化することでサイジング液を調製した。
下記の種類と配合量の(A)成分、(B)成分、(C)成分を、80〜100℃にてプラネタリーミキサーとホモミキサーで混練、混合した。その後、混練を維持した状態で80℃に降温し、引き続き、(D)成分および(E)成分の水溶液を少量ずつ添加した。この工程で、内容物の粘度は徐々に上昇した。(D)成分および(E)成分の水溶液を全て投入した後、10分間、充分に混練しながら60℃まで降温した。次に、脱イオン水を少量ずつ滴下して転相点を通過した後、滴下する水量を増加した。最終的に有効成分含量40質量%程度のサイジング剤水分散液1を得た。得られたサイジング剤水分散液1を固形分濃度2.0質量%に調製し、樹脂組成物等が付着していない炭素繊維束(三菱レイヨン(株)製パイロフィルTR 50S15L)を浸漬させて、ニップロールを通過させた後に、表面の温度を140℃とした加熱ロールに10秒間接触させることにより乾燥して、イジング剤付着炭素繊維束1を得た。
(B)サートマー社製CN871、脂肪族系ウレタンアクリレートオリゴマー(25質量部)
(C)三菱レイヨン(株)製、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物無水フマル酸エステル(30質量部)
(D)日本乳化材(株)製、ニューコール723SF、ポリオキシエチレン多環置換フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(15質量部)
(E)青木油脂工業(株)製、ISEO、イソステアリルアルコールエチレンオキサイド6モル付加物(2質量部)
ビスフェノールAエチレンオキサイド60モル付加物(松本油脂製薬(株)製)50質量部、ビスフェノールAエチレンオキサイド30モル付加物(松本油脂製薬(株)製)50質量部の混合物を脱イオン水に投入して攪拌し、最終的に樹脂組成物濃度が70質量%のサイジング液2を得た。得られたサイジング剤水分散液2を固形分濃度2.0質量%に調製し、樹脂組成物等が付着していない炭素繊維束(三菱レイヨン(株)製パイロフィルTR 50S15L)を浸漬させて、ニップロールを通過させた後に、表面の温度を140℃とした加熱ロールに10秒間接触させることにより乾燥して、イジング剤付着炭素繊維束2を得た。
エポキシ樹脂jER828(三菱化学(株)製)40質量部、エポキシ樹脂jER1001(三菱化学(株)製)40質量部、ノニオン系界面活性剤プルロニックF88(BASF製)20質量部の混合物を、90℃にてプラネタリーミキサーとホモミキサーで混練・混合した。次に、この混練・混合物に脱イオン水を少量ずつ滴下して転相点を通過した後、滴下する水量を増加した。最終的に樹脂組成物濃度40質量%のサイジング液3を得た。得られたサイジング剤水分散液3を固形分濃度2.0質量%に調製し、樹脂組成物等が付着していない炭素繊維束(三菱レイヨン(株)製パイロフィルTR 50S15L)を浸漬させて、ニップロールを通過させた後に、表面の温度を140℃とした加熱ロールに10秒間接触させることにより乾燥して、イジング剤付着炭素繊維束3を得た。
<製造例5:炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造例1>
熱可塑性樹脂組成物を単軸押出機(IKG(株)社製、製品名:PMS30)を用いて、厚み30μmである樹脂フィルムを得た。
繊維方向が[0°/90°/0°/0°/90°/0°]となるように6枚重ねた以外は、製造例5と同様にして繊維体積含有率約48体積%、厚さ0.7mmの繊維強化熱可塑性プラスチックを得た。
[1]難燃性試験
得られた厚さ0.7mmの炭素繊維強化熱可塑性プラスチックをUL94燃焼試験に準じて測定を行った。評価結果を記録した。
得られた厚さ2mmの炭素繊維強化熱可塑性プラスチックをASTM D790に準じて、曲げ試験片の繊維方向が試験片長手方向と90°になる向きに曲げ試験を行った。曲げ試験での最大荷重より90°曲げ曲げ強度を算出して記録した。
熱可塑性樹脂組成物1とサイジング剤付着炭素繊維束1を用いて、厚さ0.7mmの炭素繊維強化熱可塑性プラスチックおよびを厚さ2mmの炭素繊維強化熱可塑性プラスチックを得た。得られた炭素繊維強化熱可塑性プラスチックを用いて難燃性試験および90°曲げ試験を実施した。評価の結果を表2に記す。評価の結果、優れた難燃性能と機械物性を示した。
熱可塑性樹脂組成物1とサイジング剤付着炭素繊維束2を用いて、厚さ2mmの炭素繊維強化熱可塑性プラスチックを得た。得られた炭素繊維強化熱可塑性プラスチックを用いて90°曲げ試験を実施した。評価の結果を表2に記す。評価の結果、90°曲げが10MPa未満と接着性が不十分であった。
サイジング剤付着炭素繊維束2の代わりにサイジング剤付着炭素繊維束3を用いた以外は比較例1と同様に90°曲げ試験を実施した。評価の結果を表2に記す。評価の結果、90°曲げが10MPa未満と接着性が不十分であった。
熱可塑性樹脂組成物1の代わりに熱可塑性樹脂組成物2を用いた以外は、実施例1と同様に難燃性試験および90°曲げ試験を実施した。評価の結果を表2に記す。評価の結果、優れた難燃性能と機械物性を示した。
Claims (10)
- 下記(式1)で表される構造単位を含むリン含有ポリマーを含有する熱可塑性樹脂組成物と、炭素繊維からなり、該炭素繊維が下記サイジング剤(1)によりサイジング処理されている炭素繊維強化熱可塑性プラスチック。
(式1)
サイジング剤(1):分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とのエステルであって、分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物(A)と、硬化物の引張伸び率が40%以上の2官能タイプのウレタンアクリレートオリゴマー(B)とを含有し、前記化合物(A)と前記ウレタンアクリレートオリゴマー(B)との含有量の比(質量比)が、ウレタンアクリレートオリゴマー(B)/化合物(A)=1/3〜2/1の範囲内であり、全サイジング成分中に占める前記化合物(A)および前記ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の合計量の割合が20質量%以上であるサイジング剤。 - 前記(式1)で表される構造単位を含むリン含有ポリマーが、下記(式2)で表される部分構造を有するリン含有ポリマーである請求項1に記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチック。
(式2)
((式2)中のxおよびyは1以上19以下の整数である) - 前記リン含有ポリマーの重量平均分子量Mwが10,000以上160,000以下である請求項1または2に記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチック。
- 熱可塑性樹脂組成物中に、前記リン含有ポリマーが占める割合が20質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチック。
- 熱可塑性樹脂組成物が、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチック。
- 熱可塑性樹脂組成物中の前記ビスフェノールA型ポリカーボネートおよび前期リン含有ポリマーの合計量が占める割合が70質量%以上である請求項5に記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチック。
- サイジング剤(1)が、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物とジカルボン酸化合物とのエステルで、その酸価が50以上であるエステル化合物(C)を含有している、請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチック。
- サイジング剤(1)が、アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤(D)、およびノニオン系界面活性剤(E)を含有している、請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチック。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチックからなり、厚さが0.4mm以上1.6mm以下であり、UL94に基づく難燃性能がV−0を満たす成形材料。
- 請求項9に記載の成形材料で一部または全部が構成される電気・電子機器用筐体。
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