JP2010248479A - 炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料および電子電気部品筐体 - Google Patents

炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料および電子電気部品筐体 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化性、耐熱性、力学特性および難燃性に優れる炭素繊維強化複合材料の提供、また、かかる炭素繊維強化複合材料を得るのに好適なエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料、ならびに電子電気部品筐体を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂[A]と、有機窒素化合物硬化剤[B]を含む炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物であって、成分[A]が下記式(II)で表されるエポキシ樹脂[A1](ただし、式中で、n=0)と、下記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn=1の成分[A2]と、下記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn≧2の成分[A3]とを、特定関係式を満たすように含むことを特徴とする炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
Figure 2010248479

(式中、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。また、nは整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として好適な炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物(以下、単に「エポキシ樹脂組成物」と記すこともある。)に関する。より詳しくは、硬化性、耐熱性、力学特性および難燃性に優れた炭素繊維強化複合材料を与えうる炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と炭素繊維からなる繊維強化複合材料、それを用いた電子電気部品筐体に関する。
エポキシ樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とした繊維強化複合材料、特に炭素繊維を用いた炭素繊維強化複合材料は、軽量性と優れた力学特性からゴルフクラブ、テニスラケット、釣り竿などのスポーツ分野をはじめ、航空機や車両などの構造材料、コンクリート構造物の補強など幅広い分野で使用されている。近年は、優れた力学特性のみならず、炭素繊維が導電性を有し、その複合材料が優れた電磁波遮断性を有することから、ノートパソコンやビデオカメラなどの電子電気機器の筐体などにも使用され、筐体の薄肉化、機器の重量軽減などに役立っている。このような炭素繊維強化複合材料は、熱硬化性樹脂を強化繊維に含浸して得られるプリプレグを積層して得られることが多い。
かかる用途に用いられるプリプレグに要求される諸特性としては、耐熱性、耐衝撃性といった成型物の物性が優れていることはもちろんであるが、同時に室温での貯蔵安定性に優れ、かつ硬化温度での硬化速度が速いことが挙げられる。特に、プリプレグの成形に成形型を使用する場合は、硬化速度が重要である。かかる成形法においてはプリプレグのユーザーにとってプリプレグの硬化時間が半分となれば、成形型を増やすことなく生産量を2倍にすることができ、生産性が向上するためである。
また、通常、熱硬化性樹脂は高温になると粘度が低下する。上述した成形型を使用する成形の代表的なものとしてプレス成形法があるが、硬化時間が長ければ、低粘度である時間が長くなり、大型で肉厚の成型品を成形する場合などに、熱硬化性樹脂が不必要に流れすぎ炭素繊維の乱れや寸法精度が悪くなるなどの問題が生じる場合がある。
かかる問題に対しエポキシ樹脂組成物の速硬化技術として、硬化剤にジシアンジアミド、DCMU(3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレア)に加え、エポキシ化合物とイミダゾール類の反応物を用いた技術が開示されている(例えば特許文献1)。しかしながらこの技術では硬化速度は速いものの、60℃程度の温度から反応開始温度が起こってしまうため、樹脂の混練やフィルミング、炭素繊維への含浸工程の熱履歴でエポキシの反応が開始し十分な保存安定性やプリプレグのタック性、ドレープ性が維持できないといった問題がある。また、硬化剤にジシアンジアミドと2,4’−トルエンビス(3,3−ジメチルウレア)を用いた技術が開示されているが(例えば特許文献2)、マトリックス樹脂の主成分に汎用ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いているため、十分な硬化性が得られていない。
また、炭素繊維強化複合材料の様々な用途の中で、特に航空機や車両などの構造材料や建築材料などにおいては、火災によって材料が着火燃焼しないように材料に難燃性を有することが求められている。電子電気機器においても装置内部からの発熱や外部が高温にさらされることにより、筐体や部品などが発火し燃焼する事故を防ぐために、材料の難燃化が求められている。
炭素繊維強化複合材料に難燃性を付与するために、従来臭素に代表されるハロゲンを分子中に有する化合物が広く使われてきた。これらのハロゲン含有化合物は少量の配合で優れた難燃性を有する反面、燃焼時にハロゲン化水素等の有害物質を発生する可能性があり、人体や自然環境に悪影響をおよぼす可能性があることから、ハロゲンを含有せずとも優れた難燃性を示す非ハロゲンでの難燃化が進められている。このような流れの中で、ハロゲン含有化合物に代わる難燃剤として赤リン、リン酸エステルといったリン系難燃剤が広く検討されている。
しかし、熱硬化性樹脂にリン酸エステルを配合する場合、十分な難燃性を得るには多量に添加する必要があり、硬化性および耐熱性が大きく低下する場合があり、従来の速硬化技術では、これらの樹脂特性および難燃性の両立は困難であった。
速硬化と難燃を目的として、難燃剤に赤リンまたはリン酸エステルを用い、硬化剤にジシアンジアミドと2,4’−トルエンビス(3,3−ジメチルウレア)を用い、速硬化を達成した技術が開示されているが(例えば特許文献3)、マトリックス樹脂の主成分に汎用ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いているため、エポキシの耐熱性が低下してしまうだけでなく、硬化速度が遅延するという問題がある。また、フェノールノボラック型エポキシ樹脂と硬化剤にジシアンジアミドを用いた技術が開示されているが(例えば特許文献4)、硬化に120分程度の時間を要するため、硬化性が十分でないことに加え、この技術では、プリプレグとしたときに適切なタック性、ドレープ性が得られないという問題があった。
特開平7−076626号公報 特許3985224号公報 国際公開2005−082982号パンフレット 特許3647193号公報
本発明は、上記した従来技術における問題を解決し、硬化性、耐熱性、力学特性および難燃性に優れる炭素繊維強化複合材料を提供することにあり、また、かかる炭素繊維強化複合材料を得るのに好適なエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料、ならびに電子電気部品筐体を提供することにある。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、上記目的を達成するために次の構成を有するものである。
すなわち、構成成分としてエポキシ樹脂[A]と、有機窒素化合物硬化剤[B]を含む炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物であって、成分[A]が下記式(I)で表されるエポキシ樹脂[A1]と、下記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn=1の成分[A2]と、下記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn≧2の成分[A3]とを、式(1)、式(2)、式(3)および式(4)を満たすように含むことを特徴とする炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
Figure 2010248479
(式中、R、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。)
Figure 2010248479
(式中、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。)
([A1]+[A2]+[A3])/[A]≧0.8・・・式(1)
[A1]/([A1]+[A2]+[A3])≧0.2・・・式(2)
[A2]/([A1]+[A2]+[A3])<0.1・・・式(3)
[A3]/([A1]+[A2]+[A3])≧0.5・・・式(4)。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の好ましい様態によれば、50℃における粘度が50〜3000Pa・sの範囲内である。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の好ましい様態によれば、上記有機窒素化合物硬化剤[B]は、一分子中にウレア結合を2個以上有する化合物を含むものである。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂物の好ましい様態によれば、前記成分[A]、[B]に加えて、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂を含むものである。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂物の好ましい様態によれば、成分[C]としてリン系難燃剤を含むものである。
本発明のプリプレグは、少なくとも、上記炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と炭素繊維から構成されるものである。
本発明の炭素繊維強化複合材料は、上記プリプレグを加熱硬化して得られ、その好ましい様態によれば、上記プリプレグをプレス成形法により成形して製造されるものである。
本発明の炭素繊維強化複合材料は、電子電気部品筐体の製造に好適に用いられる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、優れた硬化性、耐熱性、力学特性および難燃性を有する炭素繊維強化複合材料を得ることができる。
以下、本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料および電子電気部品筐体について説明する。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、下記式(I)で表されるエポキシ樹脂[A1]と、下記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn=1の成分[A2]と、下記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn≧2の成分[A3]とを、式(1)、式(2)、式(3)および式(4)を満たすエポキシ樹脂である成分[A]と、有機窒素化合物硬化剤である成分[B]を含んでなる。
Figure 2010248479
(式中、R、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。)
Figure 2010248479
(式中、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。)
([A1]+[A2]+[A3])/[A]≧0.8・・・式(1)
[A1]/([A1]+[A2]+[A3])≧0.2・・・式(2)
[A2]/([A1]+[A2]+[A3])<0.1・・・式(3)
[A3]/([A1]+[A2]+[A3])≧0.5・・・式(4)。
これにより、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を炭素繊維と組み合わせてプリプレグとし、かかるプリプレグを加熱硬化させた炭素繊維強化複合材料としたときに、高い硬化性、耐熱性、力学特性および難燃性を付与することができる。
本発明における成分[A]はエポキシ樹脂であり、上記式(I)で表されるエポキシ樹脂[A1]と、上記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn=1の成分[A2]と、上記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn≧2の成分[A3]とを、式(1)、式(2)、式(3)および式(4)を満たすものである。
本発明における成分[A]は、式(1)における([A1]+[A2]+[A3])/[A]の値が0.8以上であり、より好ましくは0.9以上である。かかる値が0.8に満たない場合、樹脂硬化物および炭素繊維強化複合材料の硬化性、耐熱性および難燃性が不足する場合がある。
本発明における成分[A1]は、上記式(I)で表されるエポキシ樹脂であり、式(2)で示した[A1]/([A1]+[A2]+[A3])≧0.2を満たすように配合することによりプリプレグとしたときに好適なタック性、ドレープ性を付与することができる。本発明において式(2)における[A1]/([A1]+[A2]+[A3])の値は0.2以上である。かかる値が0.2に満たない場合、プリプレグとしたときに好適なタック性、ドレープ性が得られない。また、式(2)における[A1]/([A1]+[A2]+[A3])の値の上限は、式(4)からも自明であるとおり0.5であり、より好ましくは0.4である。この値が0.5を超える場合、硬化性、耐熱性、力学特性および難燃性が不足する場合がある。
式(I)で表されるエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の中でも、式(I)で表されるエポキシ樹脂の含有率が高いことから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品のうち、好適なプリプレグ取扱性を与えることから、25℃の温度で液状のエポキシ樹脂が好ましく用いられる。ここで25℃の温度で液状であるとは、ガラス転移温度または融点が25℃以下であり、25℃の温度で流動性を示すエポキシ樹脂をいう。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いてJIS K7121(1987)に基づいて求めた中間点温度であり、また、結晶性の熱硬化性樹脂の融点は、JIS K7121(1987)に基づいて求めた融解ピーク温度である。
25℃の温度で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“EPON(登録商標)”825、“jER(登録商標)”826、“jER(登録商標)”827、“jER(登録商標)”828(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”850(大日本インキ化学工業(株)製)、“エポトート(登録商標)”YD−128(東都化成(株)製)、DER−331、DER−332(ダウケミカル社製)、“Bakelite(登録商標)”EPR154、“Bakelite(登録商標)”EPR162、“Bakelite(登録商標)”EPR172、“Bakelite(登録商標)”EPR173および“Bakelite(登録商標)”EPR174(以上、Bakelite AG社製)などが挙げられる。
25℃の温度で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、 “jER(登録商標)”806、“jER(登録商標)”806L、“jER(登録商標)”807、“jER(登録商標)”1750、(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”830(DIC(株)製)、“エポトート(登録商標)”YD−170、“エポトート(登録商標)”YD−175、“エポトート(登録商標)”(以上、東都化成(株)製)、“Bakelite(登録商標)”EPR169(Bakelite AG社製)、EP−4900((株)ADEKA製)、RE−303S、RE−304S、RE−404S、RE−602(以上、日本化薬(株)製)、GY281、GY282、GY285およびPY306(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)などが挙げられる。
本発明における成分[A1]としては、筐体などの用途に使用される場合、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の中でも、弾性率の高さから炭素繊維強化複合材料の剛性が向上するため、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明における成分[A2]は、上記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn=1の成分であり、式(3)における[A2]/([A1]+[A2]+[A3])の値が0.1未満となるように配合するものである。かかる値が0.1以上となると、粘度、タック、ドレープ性といった取扱性と、硬化性、耐熱性、および難燃性との良好なバランスが得られない。
本発明における成分[A3]は、上記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn≧2の成分であり、式(4)で示した[A3]/([A1]+[A2]+[A3])≧0.5を満たすように配合することにより、樹脂硬化物および炭素繊維強化複合材料に硬化性、耐熱性および難燃性を付与できる。本発明において式(4)における[A3]/([A1]+[A2]+[A3])の値は0.5以上であり、より好ましくは0.6以上である。かかる値が0.5に満たない場合、硬化性、耐熱性および難燃性が不足する場合がある。また、式(4)における[A3]/([A1]+[A2]+[A3])の値の上限は、式(2)からも自明であるとおり0.8である。成分[A3]は室温で固形である場合が多く、0.8を超えるとプリプレグとしたときに好適なタック性、ドレープ性が得られない。
式(II)で表されるエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂は、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”152、“jER(登録商標)”154(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N−740、“エピクロン(登録商標)”N−770、“エピクロン(登録商標)”N−775(以上、DIC(株)製)、PY307、EPN1179、EPN1180(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、YDPN638、YDPN638P(以上、東都化成(株)製)、DEN431、DEN438、DEN439(以上、ダウケミカル社製)、EPR600(Bakelite社製)、EPPN−201(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”180S(ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N−660、“エピクロン(登録商標)”N−665、“エピクロン(登録商標)”N−670、“エピクロン(登録商標)”N−673、“エピクロン(登録商標)”N−680、“エピクロン(登録商標)”N−695、“エピクロン(登録商標)”N−665−EXP、“エピクロン(登録商標)”N−672−EXP、“エピクロン(登録商標)”N−655−EXP−S、“エピクロン(登録商標)”N−662−EXP−S、“エピクロン(登録商標)”N−665−EXP−S、“エピクロン(登録商標)”N−670−EXP−S、“エピクロン(登録商標)”N−685−EXP−S(以上、DIC(株)製)、ECN9511、ECN1273、ECN1280、ECN1285、ECN1299(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、YDCN−701、YDCN−702、YDCN−703、YDCN−704(以上、東都化成(株)製)、CER−1020、EOCN−1020−62、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)、ESCN200L、ESCN220L、ESCN220F、ESCN220HH(以上、住友化学(株)製)、EPR650(Bakelite社製)などが挙げられる。
本発明における成分[A]としては、筐体などの用途に使用される場合、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の中でも、弾性率の高さから炭素繊維強化複合材料の剛性が向上するため、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂[A]は、上記[A1]、[A2]、および、[A3]以外のエポキシ樹脂を含有してもよい。具体的には、フェノール類、アミン類、カルボン酸類、分子内不飽和炭素などの化合物を原料とするエポキシ樹脂が挙げられる。
フェノール類を原料とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂やそれぞれの各種異性体やアルキル置換体などが挙げられる。フェノール類を原料とするエポキシ樹脂をウレタンやイソシアネートで変性したエポキシ樹脂などもこのタイプに含まれる。
アミン類を原料とするグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、キシレンジアミンのグリシジル化合物、トリグリシジルアミノフェノールや、グリシジルアニリンのそれぞれの位置異性体やアルキル置換体が挙げられる。
カルボン酸を原料とするエポキシ樹脂としては、フタル酸のグリシジル化合物やヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸のグリシジル化合物の各種異性体が挙げられる。
分子内不飽和炭素結合を有する化合物を原料とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明における成分[B]は、有機窒素化合物硬化剤である。本発明において有機窒素化合物硬化剤とは分子中にアミノ基、アミド基、イミダゾール基、尿素基、ヒドラジド基などの窒素原子を含有し、エポキシ樹脂を硬化しうる化合物をいう。かかる有機窒素化合物硬化剤としては、例えば、芳香族アミン、脂肪族アミン、三級アミン、二級アミン、イミダゾール類、尿素誘導体、カルボン酸ヒドラジド、含窒素化合物のルイス酸錯体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミンなどが、脂肪族アミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ポリエチレンイミンのダイマー酸エステルなどが挙げられ、さらに、芳香族アミンおよび脂肪族アミンのように活性水素を有するアミンに、エポキシ化合物、アクリロニトリル、フェノールとホルムアルデヒド、チオ尿素などの化合物を反応させて得られる変性アミンも含まれる。
三級アミンとしては、N,N−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルアニリン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。
二級アミンとしては、ピペリジンが挙げられる。
イミダゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシル−イミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。
尿素誘導体としては、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、4,4’−メチレンビス(ジフェニルジメチルウレア)、2,4−トルエンビス(3,3−ジメチルウレア)などが挙げられる。
カルボン酸ヒドラジドとしては、アジピン酸ヒドラジドやナフタレンカルボン酸ヒドラジドなどが挙げられる。
含窒素化合物のルイス酸錯体としては、三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・トリエタノールアミン錯体、三塩化ホウ素・オクチルアミン錯体などが挙げられる。
本発明における有機窒素化合物硬化剤[B]は、樹脂調合工程での安定性や室温での保存安定性、あるいは炭素繊維への炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を含浸する工程で受ける熱履歴に対する安定性などのため、熱活性型の潜在性を有することが好ましい。ここで熱活性型の潜在性とは、そのままでは活性の低い状態であるが、一定の熱履歴を受けることにより相変化や化学変化などを起こして、活性の高い状態に変わるという性質を意味する。
上記有機窒素化合物硬化剤の中で、本発明における有機窒素化合物硬化剤[B]は、ジシアンジアミドが好ましく用いられる。ジシアンジアミドは常温で固体の硬化剤であり、25℃ではエポキシ樹脂にほとんど溶解しないが、100℃以上まで加熱すると溶解し、エポキシ基と反応する。すなわち、低温で不溶、高温で可溶であるという特性を有する潜在性硬化剤である。
また、本発明における有機窒素化合物硬化剤[B]として、アミンダクト型潜在性硬化剤、マイクロカプセル型潜在性硬化剤も好ましく用いられる。ここで、アミンダクト型潜在性硬化剤とは、一級、二級もしくは三級アミノ基をもつ化合物や、種々のイミダゾール化合物などの活性成分を、それらの化合物と反応しうる化合物と反応させることによって高分子量化し、保存温度にて不溶化したもののことをいう。マイクロカプセル型潜在性硬化剤とは、硬化剤を核とし、これをエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン系、ポリイミドなどの高分子物質やシクロデキストリンなどをシェルとして被膜することによりエポキシ樹脂と硬化剤との接触を減少させたものをいう。
アミンダクト型潜在性硬化剤の市販品としては、“アミキュア(登録商標)”PN−23、PN−H、PN−40、PN−50、PN−F、MY−24、MY−H(以上、味の素ファインテクノ(株)製)、“アデカハードナー(登録商標)”EH−3293S、EH−3615S、EH−4070S(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。マイクロカプセル型潜在性硬化剤の市販品としては、“ノバキュア(登録商標)”HX−3721、HX−3722(以上、旭化成工業(株)製)などを用いることができる。
本発明における成分[B]は1種でも複数組み合わせてもよく、成分[B]以外にも硬化活性を高めるために適当な硬化促進剤を組み合わせることもができる。
例えば、ジシアンジアミドに、尿素誘導体やイミダゾール類を組み合わせて好適に用いることができる。ジシアンジアミド単独では硬化に170〜180℃程度が必要であるのに対し、かかる組み合わせを用いた炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は80〜150℃で硬化可能になる。
この他には、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミンには、硬化を促進させる目的で三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸を組み合わせて好適に用いることができる。また、“アミキュア(登録商標)”PN−23のようなアミンダクト型潜在性硬化剤には、硬化を促進させる目的でアジピン酸ジヒドラジドなどのカルボン酸ジヒドラジドを組み合わせて好適に用いることができる。
上記の組み合わせの中で、特に、硬化性と安定性の点から、ジシアンジアミドと一分子中にウレア結合を2個以上有する化合物との組み合わせ、またはジシアンジアミドとイミダゾール類との組み合わせが好ましい。一分子中にウレア結合を2個以上有する化合物としては、4,4’−メチレンビス(ジフェニルジメチルウレア)あるいは2,4−トルエンビス(3,3−ジメチルウレア)が好ましく、イミダゾール類としては、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールあるいは2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらの化合物を用いた場合、140〜160℃の温度で2〜30分程度で硬化可能である。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、粘弾性制御や靱性付与のために熱可塑性樹脂を含有するものであっても良い。
このような熱可塑性樹脂の例としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、芳香族ビニル単量体・シアン化ビニル単量体・ゴム質重合体から選ばれる少なくとも2種類を構成成分とする重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、フェノキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂と良好な相溶性を有し、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の流動性制御の効果が大きい点から、ポリビニルホルマールおよびフェノキシ樹脂が好ましく用いられ、この中でも下記式(I)および下記式(II)で表される化合物との相溶性が良く、難燃性が高い点から、フェノキシ樹脂が特に好ましく用いられる。
Figure 2010248479
(式中、R、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。)
Figure 2010248479
(式中、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。)
ここで用いられるフェノキシ樹脂としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型・F型混合型フェノキシ樹脂などのビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂のほか、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。
ビスフェノールA型フェノキシ樹脂の市販品としては、YP−50、YP−50S、YP−55U(以上、東都化成(株)製)が挙げられる。ビスフェノールF型フェノキシ樹脂の市販品としては、FX−316(東都化成(株)製)が挙げられる。ビスフェノールA型・F型混合型フェノキシ樹脂の市販品としては、YP−70、ZX−1356−2(以上、東都化成(株)製)が挙げられる。この中でも、より優れた相溶性、難燃性を示すことから、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂やビスフェノールA型・F型混合型フェノキシ樹脂が好ましい。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含有するものである場合において、含有する熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましい。0.5質量部より少ないと流動性制御の効果が現れないことがあり、20質量部以上であるとプリプレグのドレープ性が損なわれたり、炭素繊維強化複合材料の難燃性が低下する場合がある。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物において、熱可塑性樹脂成分の分子量は、使用する熱可塑性樹脂の種類によって好ましい分子量は異なるため、特に限定されないが、通常、重量平均分子量が10000以上であるものを用いることが好ましい。さらに好ましくは30000〜80000である。これにより上記特性を効果的に発現できる。ここでいう重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって得られるポリスチレン換算重量平均分子量のことを指す。重量数平均分子量の測定方法としては、カラムに、“Shodex(登録商標)”80M(昭和電工製)2本と、Shodex802(昭和電工製)1本を用い、サンプルを0.3μL注入し、流速1mL/minで測定したサンプルの保持時間を、ポリスチレンの校正用サンプルの保持時間を用いて分子量に換算して求める方法などが使用できる。なお、液体クロマトグラフィーで複数のピークが観測される場合は、目的成分を分離して個々のピークについて分子量の換算を行うことができる。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、難燃性を必要とする場合、難燃剤としてリン系難燃剤が好適に配合される。ここで、リン系難燃剤としては、分子中にリン原子を含むものであれば特に限定されることはなく、例えば、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物、ポリリン酸塩などの有機リン化合物や赤リンなどが挙げられる。
リン酸エステルは、リン酸とアルコール化合物またはフェノール化合物とのエステル化合物をいう。本発明においてはリン酸エステルを配合することにより、炭素繊維強化複合材料に難燃性を付与することができる。
リン酸エステルの具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物などの縮合リン酸エステルを挙げることができる。縮合リン酸エステルとしては、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)などが挙げられる。レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェートの市販品としては、PX−200(大八化学工業(株)製)が挙げられる。レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の市販品としては、CR−733S(大八化学工業(株)製)が挙げられる。ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)の市販品としては、CR−741(大八化学工業(株)製)が挙げられる。中でも、硬化性および耐熱性に優れる点から、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェートが好ましく用いられる。
ホスファゼン化合物は、分子中にリン原子と窒素原子とを含有することにより、炭素繊維強化複合材料に難燃性を付与することができる。ホスファゼン化合物は、ハロゲン原子を含まず、分子中にホスファゼン構造を持つ化合物であれば特に限定されない。ここでいうホスファゼン構造とは、式:−P(R2)=N−[式中、Rは有機基]で表される構造を表す。ホスファゼン化合物は一般的に下記式(III)、(IV)で表される。
Figure 2010248479
Figure 2010248479
(式中、X、X、X、Xは、水素、水酸基、アミノ基、またはハロゲン原子を含まない有機基を表す。また、nは3〜10の整数を表す)。
上記式(III)、(IV)中、X、X、X、Xで表されるハロゲン原子を含まない有機基としては、例えば、アルコキシ基、フェニル基、アミノ基、アリル基等が挙げられる。
ホスファゼン化合物の市販品としては、SPR−100、SA−100、SPB−100、SPB−100L(以上、大塚化学(株)製)、FP−100、FP−110(以上、伏見製薬所製)が挙げられる。
また、リン酸、ポリリン酸と周期律表I族〜II族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンとの塩からなるリン酸塩、ポリリン酸塩、リン酸エステルアミドを挙げることができる。ポリリン酸塩の塩としては、金属塩としてリチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄(II)塩、鉄(III)塩、アルミニウム塩など、脂肪族アミン塩としてメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ピペラジン塩などがあり、芳香族アミン塩としては、ピリジン塩、トリアジン塩、メラミン塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
赤リンとしては、未処理の赤リンのみでなく、赤リンの表面を金属水和物および樹脂を用いて被膜し安定性を高めたものも用いられる。金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンなどが挙げられる。樹脂の種類、被膜量について特に限定はないが、樹脂としては、本発明で用いられるエポキシ樹脂との親和性が高いフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレートなどが好ましい。また、被膜量は、赤リンに対して1質量%以上が好ましい。1質量%に満たない場合には、被膜効果が十分ではなく、高温の混練時などにホスフィンガスが発生する場合がある。かかる被膜量は安定性という意味では多ければ多いほど好ましいが、難燃性の観点から20質量%を超えないことが好ましい。
リン原子の難燃効果はリン原子の炭化物形成の促進効果によるものと考えられており、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物中のリン原子含有率に影響を受ける。本発明において、全樹脂組成物中のリン原子の含有率が1.2〜4.0質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、1.4〜4.0質量%である。リン原子含有率が1.2質量%未満であると、難燃効果が十分に得られないことがあり、4.0質量%を超えると炭素繊維強化複合材料の耐熱性や力学特性、特に剛性やシャルピー衝撃値が低下する場合がある。ここでいうリン含有率(質量%)は、リン原子の質量(g)/全炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の質量(g)×100で求められる。なお、エポキシ樹脂組成物中のリン原子含有率は、上述の計算方法により求めることも、エポキシ樹脂組成物や樹脂硬化物の有機元素分析やICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析)などにより求めることもできる。
上記リン系難燃剤の中でも、取扱性が良好であり、かつ透明な色味の樹脂硬化物が得られることから、リン酸エステルおよびホスファゼン化合物が好ましく用いられる。
これらのリン系難燃剤[C]は、硬化反応中にエポキシ骨格に取り込まれても、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物に分散または相溶していてもよく、これらのリン原子含有化合物[C]は単独で用いても、複数種を併用してもよい。
また、本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物には、難燃性向上のために他の難燃剤を1種もしくは2種以上組み合わせて用いてもよい。
他の難燃剤としては、メラミンシアヌレート、硫酸メラミン、スルファミン酸グアニジンなどの窒素原子を含有する化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化スズなどの金属水和物、硼酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、シリコーン樹脂、シリコーンオイルなどが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる化合物の構造、および配合割合は、以下の方法により特定できる。すなわち、エポキシ樹脂組成物をクロロホルム、次いでメタノールを用いて超音波抽出により、各成分を抽出し、得られた抽出物について、IR、H−NMR、13C−NMRスペクトルにより分析し、式(I)、式(II)で示される化合物、有機窒素化合物硬化剤の構造を特定することできる、さらに、このようにして得られたクロロホルム抽出液を用いて、移動相をクロロホルム/アセトニトリルとした順相HPLCの測定を行い、得られたクロマトグラフのピーク強度比を既知のエポキシ樹脂市販品のピーク強度比と比較する。各化合物の比率を変えながらサンプル調整と順相HPLCの測定を繰り返すことにより、各化合物の配合割合を特定することができる。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、炭素繊維に含浸させ、プリプレグとして好ましく用いることができる。かかるプリプレグ用途で用いる場合、タックやドレープなどのプロセス性の観点から、50℃における粘度が50〜3000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは、50〜2000Pa・sの範囲にあることが好ましい。50℃における粘度が50Pa・sに満たない場合、プリプレグを保存するためにロール状に巻いたり、プリプレグ同士を積層する工程で離型紙から剥がして持ち上げたりする際にプリプレグの形状保持性が不十分となり割れが生じる場合があり、また成型時の樹脂フローが多く発生し、繊維含有量にばらつきを生じたりする場合がある。また、50℃における粘度が3000Pa・sを超える場合、後述のホットメルト法における炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のフィルム化工程でかすれを生じたり、炭素繊維への含浸工程で未含浸部が発生する場合がある。ここでいう50℃における粘度は、次の方法によって求められる。すなわち、ARES(TA Instruments Japan社製)などの動的粘弾性測定装置を用い、パラレルプレートを用い、昇温速度2℃/minで昇温し、歪み100%、周波数0.5Hz、プレート間隔1mmで50℃にて測定を行い、複素粘度η*を求めるものとする。
本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、短時間で硬化することが好ましく、具体的には、成形温度におけるゲル化時間が3分以下であることが好ましい。また、生産性を向上する目的においては、より短時間でゲル化することが望ましい。ここでいう炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は次のようにして測定することができる。すなわち、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を2cmサンプルとして採取し、キュラストメータを用いて150℃に加熱したダイスにサンプルを入れ、ねじり応力をかけてサンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇をダイスに伝わるトルクとして測定し、測定開始後、トルクが0.005N・mに達するまでの時間をゲル化時間とする。
本発明のプリプレクは、強化繊維として炭素繊維を用いる。炭素繊維を強化繊維として用いることにより、繊維強化複合材料に優れた強度、耐衝撃性を発現させることができる。
本発明において、炭素繊維は、用途に応じてあらゆる種類のものを用いることが可能であり、通常引張強度が1.0GPa〜9.0GPaである炭素繊維が好ましく使用可能である。炭素繊維本来の引張強度や複合材料としたときの耐衝撃性が高いという面から、引張強度は高ければ高いほど好ましく、より好ましい引張強度は2.0GPa〜9.0GPaである。
また、用いられる炭素繊維は、通常その引張弾性率は150GPa〜1000GPa程度であるが、引張弾性率が高い炭素繊維を用いることは、繊維強化複合材料としたときに高弾性率を得ることに繋がる。また、引張弾性率は、電子電気部品筐体など、より薄肉化・軽量化を重視する場合には、高い剛性が求められ、より好ましくは200GPa〜1000GPaである。ここでいう炭素繊維の引張強度と弾性率は、JIS R7601(1986)にしたがって測定されるストランド引張強度とストランド引張弾性率を意味する。
本発明で用いられる炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系およびピッチ系等の炭素繊維に分類される。中でも、引張強度の高いポリアクリロニトリル系炭素繊維が好ましく用いられる。ポリアクリロニトリル系炭素繊維は、例えば、次に述べる工程を経て製造することができる。アクリロニトリルを主成分とするモノマーから得られるポリアクリロニトリルを含む紡糸原液を、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法、または溶融紡糸法により紡糸する。紡糸後の凝固糸は、製糸工程を経て、プリカーサーとし、続いて耐炎化および炭化などの工程を経て炭素繊維を得ることができる。
炭素繊維の市販品としては、“トレカ(登録商標)”T700SC−12000(引張強度:4.9GPa、引張弾性率:230GPa、東レ(株)製)、“トレカ(登録商標)”T800HB−12000(引張強度:5.5GPa、引張弾性率:294GPa、東レ(株)製)、 “トレカ(登録商標)”T800SC−24000(引張強度:5.9GPa、引張弾性率:294GPa、東レ(株)製)、“トレカ(登録商標)”M40JB−12000(引張強度:4.4GPa、引張弾性率:377GPa、東レ(株)製)などが挙げられる。
次に、本発明のプリプレグを得るために好適な製造方法について説明する。
本発明のプリプレグは、上記の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を炭素繊維に含浸させてなるものである。含浸させる方法としては、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物をメチルエチルケトンやメタノールなど溶媒に溶解させて、低粘度化し炭素繊維に含浸させるウェット法、あるいは、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を、溶媒を用いずに加熱により低粘度化し炭素繊維に含浸させるホットメルト法などの方法により、プリプレグを製造することができる。
上記のウェット法では、炭素繊維を、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を含む液体に浸漬した後、引き上げ、オーブンなどを用いて溶媒を蒸発させてプリプレグを得ることができる。
また上記のホットメルト法では、加熱により低粘度化した炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を、直接、炭素繊維に含浸させる方法、あるいは一旦炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を離型紙などの上にコーティングした樹脂フィルム付きの離型紙シート(以降、単に「樹脂フィルム」と記すこともある)をまず作製し、次いで炭素繊維の両側あるいは片側からその樹脂フィルム付きの離型紙シートの樹脂フィルム面を炭素繊維側にして重ね、加熱加圧することにより炭素繊維に炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を含浸させる方法である。
本発明のプリプレグの製造方法としては、プリプレグ中に残留する溶媒が実質的に皆無となるため、溶媒を用いずに炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を炭素繊維に含浸させるホットメルト法が好ましい。
また、プリプレグの取り扱い性を適切な範囲とするためには、炭素繊維に炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を含浸する工程において、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物が到達する最高温度は、好ましくは60℃〜150℃の範囲であり、より好ましくは80℃〜130℃の範囲である。かかる最高温度が高すぎると、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物中で硬化反応が部分的に進行し、未硬化樹脂のガラス転移温度Tgが上昇してしまい、得られるプリプレグにおいて適当なタック性およびドレープ性を達成できない場合があり、また、かかる最高温度が低すぎると、炭素繊維への十分な含浸が困難となる場合がある。
本発明のプリプレグは、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物が必ずしも繊維束の内部まで含浸されている必要はなく、シート状に一方向に引き揃えた繊維や繊維織物の表面付近に炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物が局在化している態様であっても良い。
本発明のプリプレグにおける炭素繊維の形態としては、一方向に引き揃えられた長繊維、二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組み紐などが挙げられるが、これに限定されるものではない。ここでいう長繊維とは、実質的に10mm以上連続な単繊維もしくは繊維束を意味する。
一方向に引き揃えられた長繊維を用いた、いわゆる一方向プリプレグは、繊維の方向が揃っており、繊維の曲がりが少ないため繊維方向の強度利用率が高い。また、一方向プリプレグは、複数のプリプレグを適切な積層構成で積層した後成形すると、炭素繊維強化複合材料の各方向の弾性率と強度を自由に制御できる。
また、各種織物を用いた織物プリプレグも、強度と弾性率の異方性が少ない材料が得られること、表面に繊維織物の模様が浮かび意匠性に優れることから好ましい態様である。複数種のプリプレグ、例えば、一方向プリプレグと織物プリプレグの両方を用いて炭素繊維強化複合材料を成形することも可能である。
本発明のプリプレグは、プリプレグ全質量に対する炭素繊維の質量含有率(以下、Wfと表す。)が50〜90質量%であることが好ましく、さらに好ましくは60〜85質量%であり、特に好ましくは65〜85質量%である。Wfが50質量%未満の場合、マトリックス樹脂である炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の量が多すぎて、難燃性が不足したり、比弾性率と比強度に優れる炭素繊維強化複合材料に要求される諸特性を満たすことができない場合がある。また、Wfが90質量%を超えると、炭素繊維とマトリックス樹脂の接着性が低下し、プリプレグを積層した際にプリプレグ同士が接着せず、得られる炭素繊維強化複合材料において層間で剥離してしまう場合がある。ここでいうWfは、JIS K7071(1988)にしたがって測定される繊維質量含有率を意味する。
本発明において、プリプレグを用いて炭素繊維強化複合材料を成形するには、プリプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながら、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させる方法などを好ましく用いることができる。
圧力を付与しながら炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させる方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、および内圧成形法などがある。前記成形法の中でも、設備費用が安く、操作が簡便であり、かつ短時間で成形が可能であり量産性に優れる点から、とりわけプレス成形法が好ましく用いられる。
炭素繊維強化複合材料を成形する温度としては、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤の種類などよるが、通常80〜220℃の温度が好ましい。かかる成形温度が低すぎると、十分な速硬化性が得られない場合があり、逆に高すぎると、熱歪みによる反りが発生しやすくなったりする場合がある。
また、炭素繊維強化複合材料をプレス成形法で成形する圧力としては、プリプレグの厚みやWfなどにより異なるが、通常0.1〜1MPaの圧力が好ましい。かかる成形圧力が低すぎると、プリプレグの内部まで十分に熱が伝わらず、局所的に未硬化となったり、反りが発生する場合がある。逆に高すぎると、樹脂が硬化する前に周囲に流れ出してしまい、炭素繊維強化複合材料中にボイドが発生したり、目的とするWfが得られない場合がある。
本発明のプリプレグを硬化して得られた炭素繊維強化複合材料のガラス転移温度は、90〜250℃であることが好ましく、より好ましくは90〜220℃であり、更に好ましくは95〜200℃である。ガラス転移温度が90℃に満たない場合、硬化物の耐熱性が不十分となり、炭素繊維強化複合材料にゆがみが発生する場合があり、また高温環境下で使用の際、変形を起こす場合がある。ガラス転移温度が250℃を超える場合、硬化物が脆いものとなりがちであり、炭素繊維強化複合材料の引張強度や耐衝撃性が低くなる場合がある。ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いてJIS K7121(1987)に基づいて求めた中間点温度である。
本発明のプリプレグを積層し硬化して得られた炭素繊維強化複合材料の積層板は、2mm以下の厚さで測定される難燃性が、UL94規格による測定で、V−1以上であり、好ましくはV−0である。本発明の炭素繊維強化複合材料を電子電気部品筐体として用いる場合、さらに薄い肉厚で使用される場合がある可能性を想定すれば、厚さ1.5mm以下で、難燃性がV−1以上であり、好ましくはV−0という高い難燃性を有したものや、より薄い肉厚である、厚さ1.0mm以下、さらには厚さ0.7mm以下という場合でも、難燃性がV−1以上であり、とりわけV−0という高い難燃性を有したものが好ましい。
ここでV−0およびV−1の難燃性とは、UL94規格(Underwriters Laboratories Inc.で考案された米国燃焼試験法)において、燃焼時間やその状態、延焼の有無、滴下(ドリップ)の有無やその滴下物の燃焼性などにより規定されているV−0およびV−1の条件を満たした難燃性を示す。
本発明で得られる炭素繊維強化複合材料は、電子電気部品筐体として好ましく用いられ、特に、本発明で得られる電子電気部品筐体は、強度、軽量性および難燃性が要求されるものに好適である。
また、その様態としては、用途によって異なるため特に限定されるものではないが、炭素繊維強化複合材料を単独で用いても良いし、さらに別の部材と接合させて用いてもよい。別の部材としては前記炭素繊維強化複合材料同士でも良いし、例えば、金属材料からなるもの、熱可塑性樹脂からなるものでも良い。
別の部材として接合させる金属材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、マグネシウム、チタンおよびこれらの合金などが挙げられる。
別の部材として接合させる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PENP)、液晶ポリエステル等のポリエステルやポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンやスチレン系樹脂や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂や、これらの共重合体、変性体および2種類以上ブレンドした樹脂などが挙げられる。
特に、別の部材として接合させる熱可塑性樹脂として強化繊維で強化された熱可塑性樹脂を用いると、別の部材として接合させる金属材料を接合させた場合には実現できない軽量性が得られるので好ましい。
本発明で得られる炭素繊維強化複合材料の積層板と別の部材を接合させる目的で、接着剤を用いたり、熱可塑性樹脂組成物層を介して溶着させたりしても良い。また、嵌合や嵌め込み、ボルト、ネジなどの機械接合などを行っても良い。
本発明で得られる炭素繊維強化複合材料の積層板を電子電気部品筐体として用いる場合には、上下面および側面といった外面からの負荷に対し変形しにくいことが望まれるため、剛性が高い材料が好ましく用いられる。ここでいう剛性とは、次の方法によって求められる。例えば、インストロン万能試験機(インストロン社製)などの材料試験機を用い、試験片サイズ100mm×70mm、圧子直径20mm、クロスヘッド速度5mm/分にて測定を行い、50Nの荷重をかけたときのたわみ量を求めるものとし、たわみ量が低ければ、剛性が高いと評価した。本発明の炭素繊維強化複合材料は、50Nの荷重をかけたときのたわみ量が1.5mm以下であることが望ましい。
本発明で得られる炭素繊維強化複合材料の積層板を電子電気部品筐体として用いる場合には、落下時に材料の衝撃吸収が大きい方が好ましいため、シャルピー衝撃値が高い材料が好ましく用いられる。プリプレグが一方向プリプレグであった場合、シャルピー衝撃値が100J/m以上であることが望ましい。ここでいうシャルピー衝撃値とは、JIS K7077(1991)記載の方法に準じて測定される。
以下、実施例により、本発明の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料、電子電気部品筐体についてさらに具体的に説明する。実施例で用いられる各成分と炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の調合方法は、下記の(1)と(2)に、プリプレグの作製方法は、下記の(5)に示すとおりである。また、実施例では、各種特性(物性)を次の(3)、(4)、(6)〜(10)に示す方法で測定した。これらの物性の測定は、特に断りのない限り、温度23℃、相対湿度50%の環境下で行った。
(1)各樹脂(の調合)と炭素繊維
エポキシ樹脂(成分[A])
・“エピクロン(登録商標)”N−770(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、[A1]:[A2]:[A3]:[その他エポキシ樹脂]=9:7:84:0、DIC(株)製)
・“jER(登録商標)”154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、[A1]:[A2]:[A3]:[その他エポキシ樹脂]=17:15:68:0、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・“jER(登録商標)”152(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、[A1]:[A2]:[A3]:[その他エポキシ樹脂]=38:23:39:0、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・“jER(登録商標)”806(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、[A1]:[A2]:[A3]:[その他エポキシ樹脂]=85:0:0:15、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・“jER(登録商標)”828(ビスフェニールA型エポキシ樹脂、[A1]:[A2]:[A3]:[その他エポキシ樹脂]=86:0:0:14、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・“jER(登録商標)”1001(ビスフェニールA型エポキシ樹脂、[A1]:[A2]:[A3]:[その他エポキシ樹脂]=14:0:0:86、ジャパンエポキシレジン(株)製)。
有機窒素化合物硬化剤(成分[B])
・Dicy7(ジシアンジアミド、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・“オミキュア(登録商標)”24(2,4’−トルエンビス(3,3−ジメチルウレア)、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)
・“オミキュア(登録商標)”52(4,4’−メチレンビス(ジフェニルジメチルウレア)、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)
・DCMU−99(3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレア、保土谷化学工業(株)製)
・2P4MHZ(2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成工業(株)製)。
リン系難燃剤(成分[C])
・SPB−100(ホスホニトリル酸フェニルエステル、リン含有率13.4%、大塚化学(株)製)
・PX−200(レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェート、リン含有率9.0%、大八化学工業(株)製)
・“ノーバレッド(登録商標)”120(赤リン、リン含有率75%、燐化学工業(株)製)。
熱可塑性樹脂
・FX−316(ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、東都化成(株)製)
・YP−70(ビスフェノールA型・F型共重合フェノキシ樹脂、東都化成(株)製)
・“ビニレック(登録商標)”K(ポリビニルホルマール、チッソ(株)製)。
炭素繊維
・“トレカ(登録商標)”T700SC−12000(引張強度4.9GPa、引張弾性率230GPa、東レ(株)製)。
(2)炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の調整
ニーダー中に、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂、リン系難燃剤を所定量加え、混錬しつつ、160℃の温度まで昇温させ、固形成分を完全に溶解させることにより透明な粘調液を得た。混錬を続けたまま50〜60℃の温度まで降温させた後、有機窒素化合物硬化剤を所定量加えて均一に分散するように30分撹拌し、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を得た。
(3)炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の粘度測定
炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の粘度は、動的粘弾性測定装置(ARES:TA Instruments Japan社製)を用い、直径40mmのパラレルプレートを用い、昇温速度1.5℃/minで昇温し、歪み100%、周波数0.5Hz、プレート間隔1mmで測定を行った。
(4)炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間
炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物から2cm3をサンプルとして準備し、樹脂の硬化を追跡するためにキュラストメータV型(日合商事(株)製)を用いて、150℃の温度でゲル化時間を測定した。測定開始後、トルクが0.005N・mに達した時間をゲル化時間とした。
(5)プリプレグの作製
本発明において、プリプレグは、下記のようにして作製した。リバースロールコーターを用いて、離型紙上に、上記(2)で得られた炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を塗布して25g/m目付の樹脂フィルムを作製した。次に、単位面積当たりの繊維重量が100g/mとなるようにシート状に一方向に整列させた炭素繊維に上記の樹脂フィルムを両面から重ね、温度95℃、圧力0.2MPaの条件で加熱加圧して炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を含浸させ、Wfが67%の一方向プリプレグを作製した。
(6)タック性(粘着性)
上記(5)で作製したプリプレグのタック値をタックテスタ(PICMAタックテスタII:東洋精機(株)製)を用い、18×18mmのカバーガラスを0.4kgfの力で5秒間プリプレグに圧着し、30mm/分の速度にて引張り、剥がれる際の抵抗力にて測定した。ここで、タック性は、以下の3段階で評価した。測定数はn=7とし、最大及び最小の2点を外した5点の平均値で評価した。
○:タック値が0.3kg以上、2.0kg以下であり、程良い粘着性を示す。
△:タック値が0.1kg以上、0.3kg未満、または2.0kgより大きく3.0kg以下であり、粘着性がやや強すぎる、もしくはやや弱い。
×:タック値が0.0kg以上0.1kg未満、または3.0kgより大きく、粘着性が強すぎる、もしくは粘着性がない。
(7)炭素繊維強化複合材料のガラス転移温度
上記(5)で作製した一方向プリプレグを、繊維方向に揃えて積層し、加熱プレスによる成形を150℃の温度で3分、0.6MPaの圧力下で行い、炭素繊維強化複合材料を得た。得られた炭素繊維強化複合材料から質量10mgの試験片をカットしてサンプルを準備し、JIS K7121(1987)にしたがって、示差走査熱量計(DSC)を用いて中間点ガラス転移温度を測定した。測定条件は、窒素雰囲気下で、昇温速度は40℃/minとし、DSC曲線が階段状変化を示す部分の中間点ガラス転移温度を求めた。示差走査熱量計として、Pyris DSC(パーキンエルマー・インスツルメント社製)を用いた。
(8)難燃性
上記(5)で作製した一方向プリプレグを、繊維方向に揃えて積層し、加熱プレスによる成形を150℃の温度で3分、0.6MPaの圧力下で行い、それぞれ厚さ0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmの炭素繊維強化複合材料板を得て、それぞれの難燃性を測定した。
難燃性は、UL94規格に基づき、垂直燃焼試験により難燃性を評価した。成形された繊維強化複合材料から、幅12.7±0.1mm、長さ127±1mmの試験片5本を切り出した。バーナーの炎の高さを19mmに調整し、垂直に保持した試験片中央下端を炎に10秒間さらした後、炎から離し燃焼時間を記録した。消炎後は、ただちにバーナー炎を更に10秒間当てて炎から離し燃焼時間を計測した。有炎滴下物(ドリップ)がなく、1回目、2回目とも消火までの時間が10秒以内、かつ5本の試験片に10回接炎した後の燃焼時間の合計が50秒以内ならばV−0と判定し、燃焼時間が30秒以内かつ5本の試験片に10回接炎した後の燃焼時間の合計が250秒以内であればV−1と判定した。また、V−1と同じ燃焼時間でも有炎滴下物がある場合はV−2と判定し、燃焼時間がそれより長い場合、あるいは試験片保持部まで燃焼した場合はV−outと判定した。
(9)剛性試験
上記(5)で作製した一方向プリプレグを(0/90/45)sの構成で積層し、加熱プレスによる成形を150℃の温度で3分、0.6MPaの圧力下で行い、厚さ0.6±0.05mm厚の炭素繊維強化複合材料板を得た。得られた炭素繊維強化複合材料から45°方向が長さ方向になるように試験片を切り出して枠型に固定し、固定部分を除く試験片の大きさが幅70mm、長さ100mmとなるようにした。インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、圧子直径20mm、クロスヘッド速度5mm/分にて測定を行い、50Nの荷重をかけたときのたわみ量を求めた。試験数はn=5とし、平均値をたわみ量とした。
(10)シャルピー衝撃試験
上記(5)で作製した一方向プリプレグを、繊維方向に揃えて積層し、オートクレーブによる成形を150℃の温度で3分、0.6MPaの圧力下で行い、3±0.05mm厚の一方向の炭素繊維強化複合材料板を得た。得られた炭素繊維強化複合材料から、0°方向が長さ方向になるように幅10±0.2mm、長さ80±1mmの試験片を切り出し、JIS K7077記載の方法に準じて試験片支持台間の距離60mm、ハンマーの回転軸まわりのモーメント295N・m、持上角度134.5°として試験片中央に衝撃を与え、試験片破談後のハンマーの振り上がり角度からシャルピー衝撃値を求めた。なお、シャルピー衝撃試験機としては米倉製作所(株)製シャルピー衝撃試験機を用いた。
実施例1〜11の結果を表1に、比較例1〜8の結果を表2に示す。表1および表2中の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の数字は、質量部を表す。
(実施例1)
表1に示す通り、成分[A]としてN−770および“jER”806、成分[B]としてDicy7および“オミキュア”52、成分[C]としてSPB−100、熱可塑性樹脂としてFX−316を用いて、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.97、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.25、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.06、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.69となるように調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は80秒となり3分で硬化可能であり、樹脂粘度、プリプレグのタックも良好であった。また、炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでV−0を達成し十分な難燃性を得た。複合材料の150℃3分硬化後のTg、成型品の剛性、シャルピー衝撃値も良好であった。
(実施例2)
成分[A]としてN−770および“jER”828を用い、成分[B]としてDicy7および“オミキュア”24、成分[C]としてSPB−100、熱可塑性樹脂としてFX−316を用いて、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.96、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.34、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.05、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.61となるように調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は100秒となり3分で硬化可能であり、樹脂粘度、プリプレグのタックも良好であった。また、炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでV−0を達成した。成形品の特性については、たわみ量がやや大きくなったものの問題のないレベルであり、シャルピー衝撃値は実施例1同等で良好であった。
(実施例3)
成分[A]で“jER”828のうち20質量部を“jER”806に置き代え、熱可塑性樹脂としてFX−316に代えてYP−70を用いた以外は実施例2と同様にして、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.96、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.33、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.05、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.62となるように調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は95秒となり3分で硬化可能であり、樹脂粘度、プリプレグのタックも良好であった。また、炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでV−0を達成し、複合材料の150℃3分硬化後のTg、成型品のシャルピー衝撃値も良好であった。
(実施例4)
成分[B]として“オミキュア”52に代えて“オミキュア”24を用い、熱可塑成分として“ビニレック”Kを用いた以外は実施例1と同様にして調整し、樹脂硬化物、炭素繊維強化複合材料を作製した。特性を評価したところ、実施例1と比較して150℃ゲル化時間が若干遅くなり、複合材料のTgおよびシャルピー衝撃値がやや低い値を示したものの問題のないレベルであり、その他の特性については良好であった。
(実施例5)
成分[A]としてN−770、“jER”154および“jER”828を用いて、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.97、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.27、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.07、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.66となるようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は100秒となり3分で硬化可能であり、樹脂粘度、プリプレグのタックも良好であった。また、炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでV−0を達成し、複合材料の150℃3分硬化後のTg、成型品のシャルピー衝撃値も良好であった。
(実施例6)
成分[A]としてN−770、“jER”806および“jER”1001を用いて、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.84、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.36、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.05、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.59となるようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は130秒となり、実施例3と比較してやや遅くなったものの3分で硬化可能であり、樹脂粘度、プリプレグのタックも良好であった。また、実施例3と比較して炭素繊維強化複合材料のTgが120℃とやや低く、成型品のたわみ量が大きくなり、シャルピー衝撃値も低い値を示したが、問題のないレベルであり、難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでV−0を達成した。
(実施例7)
成分[B]としてDicy7およびDCMU−99を用い、成分[C]として “ノーバレッド”120を用い、熱可塑性樹脂としてYP−70を用いた以外は実施例1と同様にして調整し、樹脂硬化物、炭素繊維強化複合材料を作製した。特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり、プリプレグのタックは若干低めであったが、取扱に支障のないレベルであった。ゲル化時間も135秒となり実施例1と比べるとやや遅くなったものの、3分で硬化可能であった。その他の特性については実施例1と同等で良好であった。
(実施例8)
成分[B]としてDicy7および2P4MHZを用い、熱可塑性樹脂としてYP−70を用いた以外は実施例1と同様にして調整し、樹脂硬化物、炭素繊維強化複合材料を作製した。特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は110秒と3分で硬化可能であり、その他の特性についても実施例1と同等で良好であった。
(実施例9)
成分[A]中の “jER”806および“jER”828の配合比を代え、成分[C]としてPX−200を用いて、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.96、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.34、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.05、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.61となるようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は145秒となり、実施例3と比較してやや遅くなったものの3分で硬化可能であり、樹脂粘度、プリプレグのタックも良好であった。また、実施例5と比較して炭素繊維強化複合材料のTgが129℃とやや低くなったものの問題のないレベルであり、その他の特性については実施例3と同等で良好であった。
(実施例10)
成分[A]としてN770および“jER”806、成分[C]としてPX−200を用いて、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.94、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.42、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.04、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.54となるようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は150秒となり、実施例3と比較してやや遅くなったものの3分で硬化可能であり、樹脂粘度、プリプレグのタックも良好であった。また、実施例5と比較して炭素繊維強化複合材料のTgが115℃と低くなり、シャルピー衝撃値がやや低くなったものの問題のないレベルであり、難燃性は厚み0.6−0.7mmでV−1、厚み0.19−0.21mmでV−0を達成した。
(実施例11)
成分[B]としてDicy7およびDCMU−99の配合量を5質量部に減らし、成分[C]を加えない以外は、実施例7と同様にして調整し、樹脂硬化物、炭素繊維強化複合材料を作製した。特性を評価したところ、複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmともにV−outとなったものの、その他の特性については良好であった。
(比較例1)
表2に示す通り、成分[A]として“jER”152および“jER”1001を用い、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.66、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.43、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.21、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.36となるようにした以外は実施例1と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂塑性物のゲル化時間が195秒となり、硬化性が不十分であった。複合材料のTgも95℃と低くなった。炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでともにV−1であった。また、成型品のたわみ量が大きく、剛性が不十分であった。
(比較例2)
成分[A]として“jER”154、“jER”828および“jER”1001を用い、成分[C]としてPX−200を用いて、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.73、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.60、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.07、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.33となるようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料のゲル化時間が190秒となり、硬化性が不十分であった。複合材料のTgも80℃と低くなった。炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでともにV−outであった。
(比較例3)
成分[A]として“jER”828および“jER”1001を用い、成分[B]としてPX−200を用いて、成分[A2]および成分[A3]を含まないようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間が220秒となり、硬化性が不十分であった。複合材料のTgも67℃と低くなった。炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでともにV−outであった。
(比較例4)
成分[A]としてN−770を単独で用い、成分[C]としてPX−200を用いた以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、プリプレグのタックがなく、取扱性が不十分であった。成型品のシャルピー衝撃値も低い値を示した。
(比較例5)
成分[A]として“jER”154を単独で用い、成分[C]としてPX−200を用いた以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物のゲル化時間が181秒となり、硬化性が不十分であった。炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでともにV−outであり、成型品のシャルピー衝撃値も低い値を示した。
(比較例6)
成分[A]としてN−770、“jER”806および“jER”1001を用い、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.71、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.36、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.05、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.59となるようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂塑性物のゲル化時間が185秒となり、硬化性が不十分であった。複合材料のTgも103℃と低くなった。炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmおよび0.19−0.21mmでともにV−outであった。
(比較例7)
成分[A]としてN−770、“jER”152および“jER”1001を用い、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.83、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.31、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.17、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.51となるようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂塑性物のゲル化時間が200秒となり、硬化性が不十分であった。
(比較例8)
成分[A]として“jER”154および“jER”828を用い、([A1]+[A2]+[A3])/[A]=0.93、[A1]/([A1]+[A2]+[A3])=0.55、[A2]/([A1]+[A2]+[A3])=0.08、[A3]/([A1]+[A2]+[A3])=0.37となるようにした以外は実施例3と同様にして調整し、特性を評価したところ、炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂塑性物のゲル化時間が205秒となり、硬化性が不十分であった。炭素繊維強化複合材料の難燃性は厚み0.6−0.7mmでV−outとなった。
Figure 2010248479
Figure 2010248479

Claims (8)

  1. 構成成分としてエポキシ樹脂[A]と、有機窒素化合物硬化剤[B]を含む炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物であって、成分[A]が下記式(I)で表されるエポキシ樹脂[A1]と、下記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn=1の成分[A2]と、下記式(II)で表されるエポキシ樹脂のうちn≧2の成分[A3]とを、式(1)、式(2)、式(3)および式(4)を満たすように含むことを特徴とする炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010248479
    (式中、R、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。)
    Figure 2010248479
    (式中、R、R、Rは、水素原子またはメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。)
    ([A1]+[A2]+[A3])/[A]≧0.8・・・式(1)
    [A1]/([A1]+[A2]+[A3])≧0.2・・・式(2)
    [A2]/([A1]+[A2]+[A3])<0.1・・・式(3)
    [A3]/([A1]+[A2]+[A3])≧0.5・・・式(4)
  2. 50℃における粘度が、50〜3000Pa・sの範囲内である、請求項1に記載の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記成分[A]、[B]に加えて、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂を含む、請求項1または2に記載の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  4. 成分[C]として、リン系難燃剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  5. 少なくとも、請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と炭素繊維から構成されるプリプレグ。
  6. 請求項5に記載のプリプレグを硬化せしめてなる炭素繊維強化複合材料。
  7. 請求項5に記載のプリプレグを成形する炭素繊維強化複合材料の製造方法であって、前記成形がプレス成形である炭素繊維強化複合材料の製造方法。
  8. 請求項6に記載の炭素繊維強化複合材料を用いて製造された電子電気部品筐体。
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