JP2015178611A - 複合強化繊維束および成形材料 - Google Patents

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慎 平田
祐樹 三辻
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祐樹 三辻
哲也 本橋
Tetsuya Motohashi
哲也 本橋
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Toru Nishimura
西村  透
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Abstract

【課題】成形時の強化繊維の分散性が良好であり、優れた難燃性と衝撃特性を発現し得る複合強化繊維束および成形材料の提供。【解決手段】強化繊維束[A]100重量部に対し、式(1)で表される構造を有する重合体[B]を20〜200重量部含浸させてなる複合強化繊維束。(n1は4〜520;X1は単結合、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、エーテル基、チオエーテル基、フェニレン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、アルキルシリレン基、ジアルキルシリレン基又はフルオレン基;R1〜R9は同一でも異なってもよく、H、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基)【選択図】なし

Description

本発明は、複合強化繊維束およびそれを用いた成形材料に関する。さらに詳しくは、成形時の繊維分散性に優れ、優れた難燃性と衝撃特性を発現し得る複合強化繊維束および成形材料に関する。
強化繊維と熱可塑性樹脂からなる成形材料は、軽量で優れた力学特性を有するために、スポーツ用品用途、航空宇宙用途および一般産業用途に広く用いられている。これらの成形材料に使用される強化繊維は、その使用用途によって様々な形態で成形品を強化している。これらの強化繊維には、アルミニウム繊維やステンレス繊維などの金属繊維、アラミド繊維やPBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維などの有機繊維、およびシリコンカーバイド繊維などの無機繊維や炭素繊維などが使用されているが、比強度、比剛性および軽量性のバランスの観点から炭素繊維が好適であり、その中でもポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が好適に用いられる。
また、近年、これらの成形材料は、輸送機械の構造部品や、電気・電子機器筐体のような外装材用途への需要が拡大しており、高い難燃性と衝撃特性が要求されている。しかしながら、熱可塑性樹脂は一般的に熱に弱く、十分な難燃性を有していないことが多い。また、難燃剤などを用いて難燃性を付与する場合、衝撃特性の低下を引き起こす場合がある。さらに、熱可塑性樹脂は溶融粘度が高い傾向にあり、強化繊維が樹脂に均一に分散しない場合がある。
そこで、本出願人は、これまでに、ビスフェノール残基を有する化合物を溶融状態で強化繊維束に含浸せしめることで、成形時に優れた分散性を発現する複合強化繊維束の製造方法および成形材料を提案している(例えば、特許文献1参照)。かかる技術により成形品中における強化繊維の分散性は向上するものの、難燃性は不十分であった。
さらに、本出願人は、リン系難燃剤と光安定剤を強化繊維束に含浸させてなる、成形時に優れた難燃性と耐候性を発現する複合強化繊維束および成形材料を提案している(例えば、特許文献2参照)。かかる技術により、成形品の難燃性は向上するものの、さらに高い衝撃特性が求められていた。
また、難燃性、剛性、衝撃特性、耐熱性を兼ね備えた成形体を得ることを目的として、ポリカーボネート樹脂中に特定の構造を有するポリホスホネート−カーボネート共重合体、炭素繊維を含有する、炭素繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3)。しかしながら、繊維の分散性は十分とは言えず、衝撃特性がなお不十分である課題があった。
特開2012−56232号公報 特開2013−11050号公報 特開2013−166839号公報
かかる状況において、成形時の強化繊維の分散性が良好であり、優れた難燃性と衝撃特性を発現し得る複合強化繊維束および成形材料の開発が求められていた。
本発明は従来技術の有する課題に鑑み、成形時の強化繊維の分散性が良好であり、優れた難燃性と衝撃特性を発現し得る複合強化繊維束および成形材料を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる。
(1)強化繊維束[A]100重量部に対し、少なくとも下記一般式(1)で表される構造を有する重合体[B]を20〜200重量部含浸させてなる複合強化繊維束。
(上記一般式(1)中、nは重合度を示し、4〜520の範囲である。Xは単結合、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、エーテル基、チオエーテル基、フェニレン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、アルキルシリレン基、ジアルキルシリレン基またはフルオレン基を示す。R〜Rは、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。)
(2)前記成分[B]の分子量が1,000〜150,000である、(1)に記載の複合強化繊維束。
(3)前記重合体[B]が下記一般式(2)で表される構造を有する(1)または(2)に記載の複合強化繊維束。
(上記一般式(2)中、nおよびmはそれぞれ独立に重合度を示し、nの値は4〜520、mの値は0〜425の範囲であり、nとmはn>0.34mの関係を満たす。X、Xは同一でも異なってもよく、単結合、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、エーテル基、チオエーテル基、フェニレン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、アルキルシリレン基、ジアルキルシリレン基またはフルオレン基を示す。R〜RおよびR10〜R17は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。)
(4)前記成分[A]が強化繊維[a]およびサイジング剤[b]を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の複合強化繊維束。
(5)前記成分[b]と前記成分[B]の重量比[b]/[B]が、0.001/1〜0.5/1である、(4)に記載の複合強化繊維束。
(6)前記成分[b]が3官能以上の多官能脂肪族エポキシである、(4)または(5)に記載の複合強化繊維束。
(7)前記成分[A]が炭素繊維束である、(1)〜(6)いずれかに記載の複合強化繊維束。
(8)少なくとも(1)〜(7)いずれかに記載の複合強化繊維束および熱可塑性樹脂[C]を含む成形材料。
(9)前記成分[C]がポリカーボネート樹脂を含む、(8)に記載の成形材料。
本発明の複合強化繊維束および成形材料は、成形時の強化繊維の分散性が良好であり、高い難燃性と衝撃特性を兼ね備えた成形品を得ることができる。さらに、強化繊維が導電性を有する場合には、成形品の電磁波シールド性が飛躍的に向上する。本発明による複合強化繊維束および成形材料を用いて成形された成形品は、電気・電子機器、OA機器、家電機器、自動車の部品、内部部材および筐体などの各種部品・部材に極めて有用である。
本発明の複合強化繊維束の横断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例(a)および横断面形態の一例(b)を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例(a)および横断面形態の一例(b)を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例(a)および横断面形態の一例(b)を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例(a)および横断面形態の一例(b)を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい横断面形態の一例を示す概略図である。
本発明を詳細に説明する。本発明の複合強化繊維束は、少なくとも、強化繊維束[A]と、下記一般式(1)で表される構造を有する重合体[B](以下、重合体[B]ともいう)を含む。まず、これらの構成要素について説明する。
(上記一般式(1)中、nは重合度を示し、4〜520の範囲である。Xは単結合、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、エーテル基、チオエーテル基、フェニレン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、アルキルシリレン基、ジアルキルシリレン基またはフルオレン基を示す。R〜Rは、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。)
本発明において、強化繊維束[A]とは、強化繊維[a](以下、単繊維ともいう)がある一定以上の本数の束となったものを指す。本発明における強化繊維束[A]は、繊維補強効果により、成形品の衝撃特性などの力学特性を向上し得るものである。さらに、強化繊維[a]が導電性や熱伝導性など、固有の特性を有する場合、成形品にそれらの性質も付与することができる。ここで、強化繊維束[A]を構成する強化繊維[a]は特に限定されないが、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、金属繊維などの高強度、高弾性率繊維が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。中でも、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が力学特性の向上、成形品の軽量化効果の観点から好ましく、得られる成形品の強度と弾性率とのバランスの観点から、PAN系炭素繊維がさらに好ましい。また、導電性を付与する目的では、ニッケルや銅やイッテルビウムなどの金属を被覆した強化繊維を用いることもできる。
さらに炭素繊維としては、X線光電子分光法により測定される繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度比[O/C]が0.05〜0.5であるものが好ましい。表面酸素濃度比が0.05以上であることにより、炭素繊維表面の官能基量を確保し、マトリックス樹脂とより強固な接着を得ることができ、成形品の強度をより向上させることができる。0.08以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましい。一方、表面酸素濃度比の上限には特に制限はないが、炭素繊維の取扱い性、生産性のバランスから一般的に0.5以下とすることが例示できる。0.4以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。
炭素繊維の表面酸素濃度比は、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めることができる。まず、炭素繊維表面にサイジング剤などが付着している場合には、溶剤で炭素繊維表面に付着しているサイジング剤などを除去した炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10−8Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせる。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。
ここで、表面酸素濃度比とは、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出する。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用いる場合には、感度補正値を1.74とする。
表面酸素濃度比[O/C]を0.05〜0.5に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解酸化処理、薬液酸化処理および気相酸化処理などの手法を挙げることができ、中でも電解酸化処理が好ましい。
また、強化繊維束[A]を構成する強化繊維[a]の平均繊維径は特に限定されないが、得られる成形品の力学特性と表面外観の観点から、1〜20μmの範囲内であることが好ましく、3〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
強化繊維束[A]を構成する強化繊維[a]の単繊維数には、特に制限はないが、100〜350,000本の範囲内で好ましく使用することができる。とりわけ1,000〜250,000本の範囲内で使用することが好ましい。また、本発明によれば、単繊維数が多い強化繊維束[A]であっても、十分に含浸された複合強化繊維束を得ることができるため、10,000〜100,000本の範囲で使用することが、生産性の観点からも好ましい。
また、本発明に用いられる強化繊維束[A]はサイジング剤[b]を含むことが、集束性、耐屈曲性や耐擦過性を改良し、高次加工工程において、毛羽、糸切れの発生を抑制でき、いわゆる糊剤、集束剤として高次加工性を向上させることもできることから、好ましい。特に、炭素繊維の場合、サイジング剤[b]を付与することで、炭素繊維表面の官能基等の表面特性に適合させて接着性およびコンポジット総合特性を向上させることができる。
サイジング剤[b]の付着量は特に限定しないが、強化繊維[a]とサイジング剤[b]を含む強化繊維束[A]100重量%中、0.01〜10重量%が好ましい。サイジング剤[b]付着量が0.01重量%以上であれば、接着性向上効果が十分に奏される。0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましい。一方、サイジング剤[b]付着量が10重量%以下であれば、成形材料として用いた場合にマトリックス樹脂の物性を十分維持することができる。5重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらに好ましい。
本発明において用いられるサイジング剤[b]の成分としては特に限定されず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ポリエステル、乳化剤あるいは界面活性剤などが挙げられる。中でもマトリックス樹脂との接着性を発揮しやすいエポキシ樹脂が好ましい。これらは1種または2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、機械特性をより向上させる観点から、脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。通常、エポキシ樹脂はエポキシ基を多数有すると、架橋反応後の架橋密度が高くなるために、靭性の低い構造になりやすい傾向にあるが、脂肪族エポキシ樹脂は、柔軟な骨格のため、架橋密度が高くとも靭性の高い構造になりやすい。このため、脂肪族エポキシ樹脂を強化繊維とマトリックス樹脂間に介在させた場合、柔軟で剥離しにくくさせるため、繊維強化による強度向上効果が発現しやすく、好ましい。
脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、ジグリシジルエーテル化合物、ポリグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。ジグリシジルエーテル化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類等が挙げられる。また、ポリグリシジルエーテル化合物としては、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、アラビトールポリグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパングリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂の中でも、3官能以上の多官能脂肪族エポキシ樹脂を用いることが好ましく、さらには、反応性の高いグリシジル基を3個以上有する脂肪族のポリグリシジルエーテル化合物を用いることがより好ましい。これらの中でも、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル類がさらに好ましい。脂肪族のポリグリシジルエーテル化合物は、柔軟性、架橋密度、マトリックス樹脂との相溶性のバランスがよく、効果的に接着性を向上させることから好ましい。
サイジング剤の付与手段としては特に限定されるものではないが、例えばサイジング剤を溶媒(分散させる場合の分散媒含む)中に溶解(分散も含む)したサイジング処理液を調製し、該サイジング処理液を強化繊維束に付与した後に、溶媒を乾燥・気化させ、除去することにより、サイジング剤を強化繊維束に付与することが一般的に行われる。サイジング処理液を強化繊維束に付与する方法としては、例えば、ローラーを介して強化繊維束[A]をサイジング処理液に浸漬する方法、サイジング処理液の付着したローラーに強化繊維束を接する方法、サイジング処理液を霧状にして強化繊維束に吹き付ける方法などがある。また、バッチ式、連続式いずれでもよいが、生産性がよくバラツキが小さくできる連続式が好ましい。この際、強化繊維束に対するサイジング剤有効成分の付着量が適正範囲内で均一に付着するように、サイジング処理液濃度、温度、糸条張力などをコントロールすることが好ましい。また、サイジング剤付与時に強化繊維束[A]を超音波で加振させることはより好ましい。
乾燥温度と乾燥時間は化合物の付着量によって調整すべきであるが、サイジング剤の付与に用いる溶媒の完全な除去、乾燥に要する時間を短くし、一方、サイジング剤の熱劣化を防止し、サイジング処理された強化繊維束[A]が固くなって束の拡がり性が悪化することを防止する観点から、乾燥温度は、150℃以上350℃以下であることが好ましく、180℃以上250℃以下であることがより好ましい。
サイジング処理液に使用する溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン等が挙げられるが、取扱いが容易である点および防災の観点から、水が好ましい。従って、水に不溶、もしくは難溶の化合物をサイジング剤として用いる場合には、乳化剤、界面活性剤を添加し、水分散して用いることが好ましい。具体的には、乳化剤、界面活性剤としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、オレフィン−無水マレイン酸共重合体、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリアクリル酸ソーダ等のアニオン系乳化剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾリン等のカチオン系乳化剤、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステル共重合体、ソルビタンエステルエチルオキサイド付加物等のノニオン系乳化剤等を用いることができるが、相互作用の小さいノニオン系乳化剤が、サイジング剤に含まれる官能基の接着性効果を阻害しにくく好ましい。
本発明の複合強化繊維束は、前述の強化繊維束[A]に、少なくとも下記一般式(1)で表される構造を有する重合体[B]を含浸させてなる。かかる構造を有する重合体[B]を強化繊維束[A]に含浸することにより、成形材料として用いた場合に、重合体[B]がマトリックス樹脂と高い相溶性を発現し、強化繊維の分散性を向上することができる。また、成形品の燃焼時には、重合体[B]に含有されるリン成分に起因した脱水炭化促進作用により、成形品表面に緻密なチャーが形成され、熱や酸素を遮断し、炎の伝播を阻止する効果を奏する。また、熱分解におけるラジカル連鎖反応に対し、ラジカルトラップ効果により燃焼場において活性なHラジカルやOHラジカルを安定化することで難燃性を発現する。さらに、重合体[B]が有する構造によって、優れた衝撃特性を発現し得る。
(上記一般式(1)中、nは重合度を示し、4〜520の範囲である。Xは単結合、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、エーテル基、チオエーテル基、フェニレン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、アルキルシリレン基、ジアルキルシリレン基またはフルオレン基を示す。R〜Rは、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。)
上記一般式(1)において、Xは、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキリデン基、炭素数5〜8のシクロアルキレン基、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキリデン基がさらに好ましい。炭素数1〜6のアルキリデン基の一例として、メチリデン(メチレン)基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基等が挙げられる。その中でもイソプロピリデン基がさらに好ましい。
また、上記一般式(1)において、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、水素原子がさらに好ましい。なお、炭素数1〜12のアルキル基の好ましい一例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等が挙げられる。
上記一般式(1)において、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がさらに好ましい。炭素数1〜12のアルキル基の好ましい一例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等が挙げられ、中でもメチル基がさらに好ましい。
上記一般式(1)において、重合度nの値は4〜520の範囲である。nは5以上が好ましい。一方、nは200以下が好ましく、100以下がより好ましく、50以下がさらに好ましく、18以下がさらに好ましい。かかる範囲の値において、成形時の強化繊維束[A]の繊維分散性をより向上させることができ、さらに成形品の衝撃特性をより向上させることができる。
上記一般式(1)で表される構造としては、下記一般式(3)で表されるような、ビスフェノールA残基とホスホン酸残基からなる、いわゆるホスホネート骨格を有する構造が特に好ましい。
(上記一般式(3)中、重合度nの値は4〜520の範囲である。)
上記一般式(3)において、nは5以上が好ましい。一方、nは200以下が好ましく、100以下がより好ましく、50以下がさらに好ましく、18以下がさらに好ましい。かかる範囲の値において、成形時の強化繊維束[A]の繊維分散性をより向上させることができ、さらに成形品の衝撃特性をより向上させることができる。
本発明において、重合体[B]は、下記一般式(2)で表される構造を有する共重合体であることが好ましく、成形品の衝撃特性をより向上させることができる。
(上記一般式(2)中、nおよびmはそれぞれ独立に重合度を示し、nの値は4〜520、mの値は0〜425の範囲であり、nとmはn>0.34mの関係を満たす。X、Xは同一でも異なってもよく、単結合、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、エーテル基、チオエーテル基、フェニレン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、アルキルシリレン基、ジアルキルシリレン基またはフルオレン基を示す。R〜RおよびR10〜R17は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。)
上記一般式(2)においてX、Xは、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキリデン基、炭素数5〜8のシクロアルキレン基、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキリデン基がさらに好ましい。炭素数1〜6のアルキリデン基の一例として、メチリデン(メチレン)基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基等が挙げられる。その中でもイソプロピリデン基がさら好ましい。
また、上記一般式(2)においてR〜RおよびR10〜R17は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、水素原子がさらに好ましい。なお、炭素数1〜12のアルキル基の好ましい一例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等が挙げられる。
また、上記一般式(2)において、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がさらに好ましい。炭素数1〜12のアルキル基の好ましい一例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等が挙げられ、中でもメチル基がさらに好ましい。
上記一般式(2)において、重合度nの値は10〜100が好ましく、20〜50がより好ましい。重合度mの値は30〜300が好ましく、70〜150がより好ましい。かかる値において、成形時の強化繊維束[A]の繊維分散性をより向上させることができ、さらに成形品の難燃性と衝撃特性のバランスを確保しつつ、それぞれの特性をより向上させることができる。
上記一般式(2)で表される構造としては、下記一般式(4)で表されるような、ビスフェノールA残基とホスホン酸残基からなる、いわゆるホスホネート骨格と、ポリカーボネート骨格との共重合構造が好ましい。
(上記一般式(4)中、nおよびmはそれぞれ独立に重合度を示し、nの値は4〜520、mの値は0〜425の範囲であり、nとmはn>0.34mの関係を満たす。)
上記一般式(4)において、重合度nの値は10〜100が好ましく、20〜50がより好ましい。重合度mの値は30〜300が好ましく、70〜150がより好ましい。かかる値において、成形時の強化繊維束[A]の繊維分散性をより向上させることができ、さらに成形品の難燃性と衝撃特性のバランスを確保しつつ、それぞれの特性をより向上させることができる。
本発明に用いられる重合体[B]の重量平均分子量は、1,000〜150,000であることが好ましい。重合体[B]の重量平均分子量が1,000以上であれば、成形品の衝撃特性をより向上させることができる。1,500以上がより好ましい。一方で、重合体[B]の重量平均分子量が150,000以下であれば、重合体[B]を強化繊維束[A]に容易に含浸することができ、成形時の強化繊維束[A]の繊維分散性をより向上させることができる。100,000以下がより好ましく、70,000以下がより好ましく、50,000以下がより好ましく、5,000以下がさらに好ましい。なお、重合体[B]の重量平均分子量は、構造体[B]を塩化メチレン中に溶解し、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
本発明において、強化繊維束[A]に含浸される重合体[B]の量は、強化繊維束[A]100重量部に対し、20〜200重量部である。重合体[B]の含浸量が20重量部未満では、成形時の強化繊維束[A]の分散性や成形品の難燃性が低下する。30重量部以上が好ましく、40重量部以上がさらに好ましい。一方、重合体[B]の含浸量が200重量部を超えると、成形品の衝撃特性が低下する。また、成形品表面から重合体[B]がブリードアウトする場合がある。180重量部以下が好ましく、160重量部以下がさらに好ましい。なお、重合体[B]の量は、後述の方法により求める複合強化繊維束中の重合体[B]量Wの値から、強化繊維束[A]100重量部に対する量を換算することにより求めることができる。
本発明に用いられる強化繊維束[A]がサイジング剤[b]を含む場合、サイジング剤[b]と重合体[B]との重量比[b]/[B]が0.001/1〜0.5/1であることが好ましい。重量比[b]/[B]が0.001/1以上であると、界面接着性がより向上し、成形品の衝撃特性をより向上させることができる。0.005/1以上がより好ましく、0.01/1以上がさらに好ましい。一方、重量比[b]/[B]が0.5/1以下であると、繊維分散性および難燃性をより向上させることができる。0.1/1以下がより好ましく、0.05/1以下がさらに好ましい。
なお、サイジング剤[b]と重合体[B]との重量比[b]/[B]は、以下の式により求めることができる。
重量比[b]/[B]=WSz/W
ここで、WSzは、強化繊維束[A]に塗布されたサイジング剤[b]の付着量を表し、強化繊維束[A]の秤量値wと、秤量した強化繊維束[A]を窒素雰囲気中450℃で15分間加熱した後の秤量値wとから、以下の式により求めることができる。
Sz(単位:重量%)={(w−w)/w}×100
また、Wは、強化繊維束[A]に含浸された重合体[B]の量を表し、複合強化繊維束の秤量値Wと、秤量した複合強化繊維束を窒素雰囲気中450℃で15分間加熱した後の秤量値Wとから、以下の式により求めることができる。
(単位:重量%)={(W−W)/W}×100
なお、複合強化繊維束中の強化繊維束[A]にサイジング剤[b]が付与されてなる場合、重合体[B]の含浸量Wは以下の式により求めることができる。
(単位:重量%)={(W−W−wSz)/W}×100
ここで、wSzは次式で表される複合強化繊維束中のサイジング剤[b]の付着重量である。
Sz=WSz/(100−WSz) 。
また、本発明における強化繊維束[A]には、重合体[B]の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の添加剤を含んでもよい。添加剤の例としては、後述の熱可塑性樹脂[C]以外の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、強化繊維束[A]以外の無機充填材、導電性フィラー、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、カップリング剤などが挙げられる。
本発明の複合強化繊維束は、強化繊維束[A]に重合体[B]を含浸させることにより得ることができる。強化繊維束[A]に重合体[B]を含浸させる方法としては、例えば、重合体[B]を溶融状態で強化繊維束[A]と接触させる方法が挙げられる。この際、重合体[B]の溶融温度は特に限定されないが、好ましくは150〜350℃の範囲である。溶融温度が150℃以上であれば、重合体[B]の粘度を適度に抑え、強化繊維束[A]により均一に付着・含浸させることができる。一方、溶融温度が350℃以下であれば、長時間にわたり製造した場合にも、重合体[B]の熱分解を抑制することができる。重合体[B]の融点や後述する溶融粘度を考慮して、上記温度範囲の中から溶融温度を設定することが好ましい。重合体[B]を強化繊維束[A]と接触させる際の温度を調整する手法は、重合体[B]を強化繊維束[A]と接触させる方法に合わせて適当な手法を選択することができ、例えば、重合体[B]を溶融する溶融バスの温度や、コーティングロールの表面温度を調節する手法が挙げられる。
また、本発明において、重合体[B]を溶融状態で強化繊維束[A]と接触させる工程において、重合体[B]の溶融粘度が0.01〜1,000Pa・sであることが好ましい。溶融粘度が0.01Pa・s以上であれば、成形品において重合体[B]を起点とする破壊を低減し、成形品の力学特性をより向上させることができる。0.05Pa・s以上がより好ましい。一方、溶融粘度が1,000Pa・s以下であれば、重合体[B]を強化繊維束[A]の内部まで含浸させやすい。100Pa・s以下がより好ましく、50Pa・s以下がより好ましく、10Pa・s以下がさらに好ましい。
本発明において、重合体[B]の溶融粘度を調整する手法としては、前記好ましい温度範囲において、所望の溶融粘度になるように温度を調整する方法が挙げられる。その他の手法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、溶融粘度調整剤を添加する方法が挙げられる。溶融粘度調整剤は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ポリエステル、可塑剤などが例示できる。中でもマトリックス樹脂との接着性を発現し得るエポキシ樹脂が好ましい。重合体[B]の溶融粘度は、40mmのパラレルプレートを使用し、0.5Hzの条件下で、粘弾性測定器を用いて測定することができる。
重合体[B]を強化繊維束[A]と接触させる方法について特に限定はないが、強化繊維束[A]に油剤、サイジング剤、マトリックス樹脂を付与する場合に用いられる公知の方法を用いることができる。中でも、ディッピングもしくはコーティングが好ましい。
ここで、ディッピングとは、ポンプにて重合体[B]を溶融バスに供給し、該溶融バス内に強化繊維束[A]を通過させる方法をいう。強化繊維束[A]を重合体[B]の溶融バスに浸すことで、確実に重合体[B]を強化繊維束[A]に付着させることができる。また、コーティングとは、例えば、リバースロール、正回転ロール、キスロール、スプレイ、カーテンなどのコーティング手段を用いて、強化繊維束[A]に重合体[B]を塗布する方法をいう。ここで、リバースロール、正回転ロール、キスロールとは、ポンプで溶融させた重合体[B]をロールに供給し、強化繊維束[A]に重合体[B]の溶融物を塗布する方法をいう。さらに、リバースロールは、2本のロールが互いに逆方向に回転し、ロール上に溶融した重合体[B]を塗布する方法であり、正回転ロールは、2本のロールが同じ方向に回転し、ロール上に溶融した重合体[B]を塗布する方法である。通常、リバースロール、正回転ロールでは、強化繊維束[A]を挟み、さらにロールを設置し、重合体[B]を確実に付着させる方法が用いられる。一方で、キスロールは、強化繊維束[A]とロールが接触しているだけで、重合体[B]を付着させる方法である。そのため、キスロールは比較的粘度の低い場合の使用が好ましいが、いずれのロール方法を用いても、加熱溶融した重合体[B]の所定量を塗布させ、強化繊維束[A]を接着させながら走らせることで、繊維束の単位長さ当たりに所定量の重合体[B]を付着させることができる。スプレイは、霧吹きの原理を利用したもので、溶融した重合体[B]を霧状にして強化繊維束[A]に吹き付ける方法であり、カーテンは、溶融した重合体[B]を小孔から自然落下させ塗布する方法、または溶融槽からオーバーフローさせ塗布する方法である。塗布に必要な量を調節しやすいため、重合体[B]の損失を少なくできる。
本発明における複合強化繊維束の製造方法において、前記の重合体[B]を溶融状態で強化繊維束[A]と接触させる工程に続いて、さらに加熱して重合体[B]を強化繊維束[A]に含浸させる工程を設けることが、重合体[B]が均一に含浸した複合強化繊維束を得る観点から好ましい。
具体的には、重合体[B]と接触した状態の強化繊維束[A]に対して、重合体[B]が溶融する温度において、ロールやバーで張力をかける、拡幅、集束を繰り返す、圧力や振動を加えるなどの操作により、重合体[B]を強化繊維束[A]の内部まで含浸するようにする工程である。より具体的な例として、加熱された複数のロールやバーの表面に強化繊維束[A]を接触するように通して拡幅などを行う方法を挙げることができ、中でも、絞り口金、絞りロール、ロールプレス、ダブルベルトプレスを用いて含浸させる方法が好適に用いられる。ここで、絞り口金とは、進行方向に向かって、口金径の狭まる口金のことであり、強化繊維束を集束させながら、余分に付着した重合体[B]を掻き取ると同時に、含浸を促す口金である。また、絞りロールとは、ローラーで強化繊維束に張力をかけることで、余分に付着した重合体[B]を掻き取ると同時に、含浸を促すローラーのことである。また、ロールプレスは、2つのロール間の圧力で連続的に強化繊維束内部の空気を除去するのと同時に、含浸を促す装置であり、ダブルベルトプレスとは、強化繊維束の上下からベルトを介してプレスすることで、含浸を促す装置である。
また、上記加熱方法としては特に限定しないが、具体的には、加熱したチャンバーを用いる方法や、ホットローラーを用いて加熱と加圧を同時に行う方法が例示できる。
また、重合体[B]の分解反応などの好ましくない副反応の発生を抑制する観点から、非酸化性雰囲気下で加熱することが好ましい。ここで、非酸化性雰囲気とは酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、さらに好ましくは酸素を含有しない雰囲気、すなわち、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性および取り扱いの容易さの面から、窒素雰囲気が好ましい。
本発明において、重合体[B]を強化繊維束[A]と接触させる際の引取速度および含浸させる際の引取速度は、いずれも工程速度に直接影響するため、経済性、生産性の観点から高いほど好ましい。具体的には、引取速度としては、10〜100m/分が好ましい。より好ましくは、20〜100m/分であり、さらに好ましくは30〜100m/分である。一方、重量平均分子量や溶融粘度の比較的高い重合体[B]を含浸させる場合には、含浸性をより向上させ、成形時の強化繊維束[A]の繊維分散性をより向上させる観点から、80m/分以下が好ましく、より好ましくは50m/分以下である。
引取方法としては、ニップローラーで引き出す方法や、ドラムワインダーで巻き取る方法や、直接ストランドカッターなどで、一定長に切断しながら複合強化繊維束を引き取る方法が挙げられる。
また、前記重合体[B]を強化繊維束[A]と接触させる工程の前段階で、強化繊維束[A]を予め開繊してもよい。開繊とは収束された強化繊維束[A]を分繊させる操作であり、溶融した重合体[B]の含浸性をさらに高める効果が期待できる。開繊により、強化繊維束[A]の厚みは薄くなり、開繊前の強化繊維束[A]の幅をw1(mm)、厚みをt1(μm)、開繊後の強化繊維束(A)の幅をw2(mm)、厚みをt2(μm)とした場合、開繊比=(w2/t2)/(w1/t1)を2.0以上とすることが好ましく、2.5以上とすることがさらに好ましい。
前記強化繊維束[A]の開繊方法としては、特に制限はなく、例えば凹凸ロールを交互に通過させる方法、太鼓型ロールを使用する方法、軸方向振動に張力変動を加える方法、垂直に往復運動する2個の摩擦体による強化繊維束[A]の張力を変動させる方法、強化繊維束[A]にエアを吹き付ける方法を利用できる。
図1は、本発明の複合強化繊維束の横断面形態の一例を示す概略図である。なお、本発明において、横断面とは、軸心方向に直交する面での断面を意味する。本発明の複合強化繊維束は、強化繊維束[A]に重合体[B]を含浸せしめた複合体として形成されている(以下、複合強化繊維束を複合体とも称す)。この複合体の形態は図1に示すようなものであり、強化繊維束[A]の各単繊維1間に重合体[B]2が満たされている。すなわち、重合体[B]2の海に、強化繊維束[A]の各単繊維1が島のように分散している状態である。
上記複合体において、重合体[B]が強化繊維束[A]に良好に含浸した複合体とすることで、例えば、後述の熱可塑性樹脂組成物[C]と共に射出成形すると、射出成形機のシリンダー内で溶融混練された重合体[B]が熱可塑性樹脂組成物[C]に拡散し、強化繊維束[A]が熱可塑性樹脂組成物[C]に分散することを助け、同時に熱可塑性樹脂組成物[C]が強化繊維束[A]に置換、含浸することを助ける、いわゆる含浸助剤・分散助剤としての役割を持つ。
次に、本発明の成形材料について説明する。本発明の成形材料において、複合強化繊維束と組み合わせて用いられるマトリックス樹脂は特に限定されないが、繊維分散性や、成形材料の加工性の観点から、熱可塑性樹脂[C]が好ましく用いられる。熱可塑性樹脂[C]に加えてその他の種々の添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を用いてもよい。本発明において熱可塑性樹脂[C]を用いることにより、重合体[B]と高い親和性を示し、成形時に強化繊維束[A]の分散性をより向上させることができる。これにより、成形品において強化繊維[a]による補強効果をより均一かつ効果的に得ることができる。ここで、本発明において成形材料とは、成形品を射出成形などで成形する際に用いる原材料を意味する。
本発明において、熱可塑性樹脂[C]としては、特に限定されないが、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)、ポリアセタール樹脂(POM樹脂)、液晶ポリエステル、ポリアリーレート、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)などのアクリル樹脂、塩化ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、エチレン/一酸化炭素/ジエン共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエーテルエーテルエラストマー、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリエステルアミドエラストマー、ポリエステルエステルエラストマーなどの各種エラストマー類などが挙げられ、これらの1種または2種以上を併用してもよい。特に汎用性の高い、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂が好ましく、重合体[B]と高い親和性を有し、衝撃特性、難燃性の向上効果が大きいことから、ポリカーボネート樹脂がさらに好ましい。
本発明において、好ましく用いられるポリカーボネート樹脂とは、主鎖中に炭酸エステル構造を有する重合体であり、例えば、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族−芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリカーボネートなどが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。衝撃特性により優れるといった観点から、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン(ビスフェノールA)の炭酸エステル構造を有する芳香族ポリカーボネートが特に好ましく用いられる。
また、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、10,000〜50,000が好ましい。粘度平均分子量(M)が10,000以上であると、衝撃特性などの力学特性により優れることから好ましい。15,000以上がより好ましく、18,000以上がさらに好ましい。一方、粘度平均分子量(M)が50,000以下であると、成形時の流動性に優れ、成形性が高いことから好ましい。40,000以下がより好ましく、35,000以下がさらに好ましい。
ここで、粘度平均分子量(M)は、以下の方法により求めることができる。まず、塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液について、次式にて算出される比粘度(ηSP)を、20℃でオストワルド粘度計を用いて求める。
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
続いて、求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出することができる。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4
c=0.7 。
ポリカーボネート樹脂を得る手法としては特に限定されるものではなく、公知の製造方法を用いることができ、例えば、ホスゲン法、エステル交換法あるいは固相重合法などが挙げられる。また、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製「ユーピロン」(登録商標)、「ノバレックス」(登録商標)、帝人化成(株)製「パンライト」(登録商標)、出光石油化学(株)製「タフロン」(登録商標)などとして上市されているものを入手して用いることもできる。
また、熱可塑性樹脂組成物に配合され得る添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲で任意のものを選択できる。添加剤として、例えば、強化繊維束[A]以外の無機充填材、導電性付与剤、結晶核剤、難燃助剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、あるいは、カップリング剤が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用してもよい。
本発明の成形材料において、熱可塑性樹脂[C]およびそれを含む組成物の含有量は、難燃性と力学特性をよりバランスよく向上させる観点から、複合体100重量部に対し、10〜1000重量部が好ましい。50重量部以上がより好ましく、100重量部以上がさらに好ましい。一方、800重量部以下がより好ましく、600重量部以下がさらに好ましい。
ここで、強化繊維束[A]100重量部に対する重合体[B]の含浸量、および複合体100重量部に対する熱可塑性樹脂[C]およびそれを含む組成物の含有量を、それぞれ前記好ましい範囲で調整し、成形品中の強化繊維[a]の重量含有率が3〜40重量%になるように調整することが、成形品の力学特性や、成形性のバランスから好ましく、5〜30重量%になるように調整することがさらに好ましい。
同様に、強化繊維束[A]100重量部に対する重合体[B]の含浸量、および複合体100重量部に対する熱可塑性樹脂[C]およびそれを含む組成物の含有量を、それぞれ前記好ましい範囲で調整し、成形品中の重合体[B]の重量含有率が2〜40重量%になるように調整することが、成形品の力学特性や、成形性、難燃性のバランスから好ましく、3〜20重量%になるように調整することがさらに好ましい。
また、本発明の成形材料の形態は特に限定されず、例えば、複合体を切断してチョップドストランドとしたものと熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物とをドライブレンドして得られる成形材料や、複合体に熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物が接着されて一体化された成形材料などが挙げられる。成形時の流動性、成形品の力学特性の均一性や、成形工程におけるブロッキング抑制の観点から、複合体に熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物が接着されて一体化された成形材料がより好ましい。具体的には、押出機と電線被覆法用のコーティングダイを用いて、連続的に複合体の周囲に熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物を被覆するように配置したものや、ロール等で扁平化した複合体の片面あるいは両面から押出機とTダイを用いて溶融したフィルム状の熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物を配置し、ロール等で一体化させたものを挙げることができる。
図2は、本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。なお、本発明において、縦断面とは、軸心方向を含む面での断面を意味する。本発明の成形材料の一例は、図2に示すように、強化繊維束[A]の各繊維が成形材料の軸心方向にほぼ平行に配列され、かつ強化繊維束[A]の長さは成形材料の長さと実質的に同じ長さである。
ここで言う、「ほぼ平行に配列されている」とは、強化繊維束[A]の長軸の軸線と、成形材料の長軸の軸線とが、同方向を指向している状態を示し、軸線同士のなす角度が、好ましくは20°以下であり、より好ましくは10°以下であり、さらに好ましくは5°以下である。また、「実質的に同じ長さ」とは、例えばペレット状の成形材料において、ペレット内部の途中で強化繊維束[A]が切断されていたり、ペレット全長よりも有意に短い強化繊維束[A]が実質的に含まれたりしないことである。特に、そのペレット全長よりも短い強化繊維束[A]の量について規定されているわけではないが、ペレット全長の50%以下の長さの強化繊維束[A]の含有量が30質量%以下である場合には、ペレット全長よりも有意に短い強化繊維束[A]が実質的に含まれていないと評価する。さらに、ペレット全長の50%以下の長さの強化繊維束[A]の含有量は20質量%以下であることが好ましい。なお、ペレット全長とはペレット中の強化繊維束[A]配向方向の長さである。強化繊維束[A]が成形材料と同等の長さを持つことで、成形品中の強化繊維長を長くすることができるため、優れた力学特性を得ることができる。
図3a、4a、5a、6aはそれぞれ、本発明の成形材料の縦断面形態の一例を模式的に表したものであり、図3b、4b、5b、6bはそれぞれ、前記図3a〜6aに対応する成形材料の横断面形態の一例を模式的に表したものである。
成形材料の断面形態は、強化繊維束[A]と重合体[B]からなる複合体に、熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物が接着するように配置されていれば図に示されたものに限定されないが、図3a〜5aの縦断面形態に示されるように、複合体が芯材となり熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物で層状に挟まれて配置されている構成が好ましい。
また、図3b〜5bの横断面形態に示されるように、複合体を芯構造として、その周囲を熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物が被覆するような芯鞘構造に配置されている構成が好ましい。また、図7に示されるような複数の複合体を熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物が被覆するように配置する場合、複合体の数は2〜6程度が望ましい。
複合体と熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物の境界は接着され、境界付近で部分的に熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物が複合体の一部に入り込み、複合体を構成する重合体[B]と相溶しているような状態、あるいは強化繊維に含浸しているような状態になっていてもよい。
本発明の成形材料は、例えば射出成形やプレス成形などの手法により混練されて最終的な成形品となる。成形材料の取扱性の点から、複合体と熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物は成形が行われるまでは接着されたまま分離せず、前述したような形状を保っていることがより好ましい。複合体と熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物では、形状(サイズ、アスペクト比)、比重、質量が全く異なるため、成形までの材料の運搬、取り扱い時、成形工程での材料移送時に分級し、成形品の力学特性にバラツキを生じたり、流動性が低下して金型詰まりを起こしたり、成形工程でブロッキングする場合があるが、図3b〜5bに例示されるような芯鞘構造の配置であれば、熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物が複合体を拘束し、より強固な複合化ができる。また、図3b〜5bに例示されるような芯鞘構造にするか、図6bに例示されるような層状配置とするか、いずれが有利であるかについては、製造の容易さと、材料の取り扱いの容易さから、芯鞘構造とすることがより好ましい。
本発明の成形材料は、その軸心方向には、ほぼ同一の断面形状を保っていれば、連続であってもよいし、成形方法によっては連続のものをある長さに切断されてなっていてもよい。好ましくは1〜50mmの範囲の長さに切断されてなっていることが好ましい。かかる長さに調整することにより、成形時の流動性、取扱性を十分に高めることができる。このように適切な長さに切断されてなる成形材料としてとりわけ好ましい態様は、射出成形用の長繊維ペレットが例示できる。
また、本発明の成形材料は、連続、長尺のままでも成形法によっては使用可能である。例えば、熱可塑性ヤーンプリプレグとして、加熱しながらマンドレルに巻き付け、ロール状成形品を得たりすることができる。このような成形品の例としては、液化天然ガスタンクなどが挙げられる。また本発明の成形材料を、連続のまま、複数本一方向に引き揃えて加熱・融着させることにより一方向熱可塑性プリプレグを作製することも可能である。このようなプリプレグは、軽量性、高強度、弾性率、衝撃特性が要求されるような分野、例えば自動車部材などに適用が可能である。
本発明の成形材料の成形方法としては、特に限定しないが、射出成形、オートクレーブ成形、プレス成形、フィラメントワインディング成形、スタンピング成形などの生産性に優れた成形方法を挙げることができる。これらを組み合わせて用いることもできる。また、インサート成形、アウトサート成形などの一体化成形にも適用することができる。さらに、成形後にも加熱による矯正処置や、熱溶着、振動溶着、超音波溶着などの生産性に優れた接着工法を活用することもできる。
上記成形方法により得られる成形品の用途としては、例えば、インストルメントパネル、ドアビーム、アンダーカバー、ランプハウジング、ペダルハウジング、ラジエータサポート、スペアタイヤカバー、フロントエンドなどの各種モジュール、シリンダーヘッドカバー、ベアリングリテーナ、インテークマニホールド、ペダル等の自動車部品、部材および外板、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、部材および外板、モンキー、レンチ等の工具類、電話、ファクシミリ、VTR、コピー機、テレビ、電子レンジ、音響機器、トイレタリー用品、レーザーディスク(登録商標)、冷蔵庫、エアコンなどの家庭・事務電気製品部品等が挙げられる。また、パーソナルコンピューター、携帯電話などに使用されるような筐体や、パーソナルコンピューターの内部でキーボードを支持する部材であるキーボード支持体に代表されるような電気・電子機器用部材も挙げられる。本発明において、強化繊維束[A]として、導電性を有する炭素繊維束を使用した場合、このような電気・電子機器用部材では、電磁波シールド性が付与されるためにより好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定するものではない。
(1)重合体[B]、化合物[D]の溶融粘度測定
粘弾性測定器(アントンパールジャパン製)を用い、40mmのパラレルプレートを使用して、0.5Hzの条件下で、温度範囲150〜300℃において重合体[B]または化合物[D]の溶融粘度を測定した。
(2)サイジング剤[b]と重合体[B]の重量比[b]/[B]の算出
複合体を連続的に作製している中から1分間採取し、耐熱ガラス製の容器に投入した。次に、この容器を3時間真空乾燥し、吸湿しないように注意しながら室温まで冷却後、秤量した値をW(g)とした。次いで、容器ごと窒素雰囲気中450℃で15分間加熱後、吸湿しないように注意しながら室温まで冷却し、秤量した値をW(g)とした。これらの値と、サイジング剤の付着重量wSzの値を用いて、重合体[B]の含浸量Wを以下の式により求めた。
={(W−W−wSz)/W}×100(単位:重量%)
なお、上記式wSzは後述の参考例2によって求められるWSzの値を用いて、次式によって求めた。
Sz=WSz/(100−WSz)(単位:g)
算出したWと後述の参考例2によって求められるWSzの値を用いて、次式によって[b]/[B]を算出した。
[b]/[B]=WSz/W
(3)曲げ強度
ISO 178に準拠し、3点曲げ試験冶具(圧子半径5mm)を用いて支点距離を64mmに設定し、試験速度2mm/minの試験条件にて曲げ強度を測定した。試験機として、“インストロン”(登録商標)万能試験機5566型(インストロン社製)を用いた。
(4)ノッチ付きシャルピー衝撃強度
ISO179−1に準拠し、1.0Jのハンマーを用いて、ノッチ付きシャルピー衝撃強度を測定した。なお、試験片は、80mm×10mm×4mmtの成形品に、ISO2818に準拠して、ノッチ角度45°、深さ2mmのノッチ加工を施したものを用いた。
(5)難燃性
125mm×13mm×3mmtの成形品(試験片)を用いて、UL−94に準拠して難燃性評価を実施した。具体的には、垂直に支持した上記試験片の下端にバーナー炎をあてて10秒間保ち、その後バーナー炎を試験片から離した。炎が消えた後、再びバーナー炎をあて、同様の操作を行った。そして、1回目の接炎終了後の有炎燃焼持続時間、2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼持続時間の合計、ならびに燃焼落下物の有無により判定を行った。UL−94における各等級の基準は概略下記の通りである。
V−0:1回目、2回目の有炎燃焼持続時間が各10秒以内、5本の試験片の1、2回目の有炎燃焼持続時間の合計が50秒以内、2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼持続時間の合計が30秒以内であり、燃焼落下物がなかった。
V−1:1回目、2回目の有炎燃焼持続時間が各10秒超30秒以内、5本の試験片の1、2回目の有炎燃焼持続時間の合計が250秒以内、2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼持続時間の合計が30秒超60秒以内であり、燃焼落下物がなかった。
V−2:1回目、2回目の有炎燃焼持続時間が各10秒超30秒以内、5本の試験片の1、2回目の有炎燃焼持続時間の合計が250秒以内、2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼持続時間の合計が30秒超60秒以内であり、燃焼落下物があった。
(6)成形品の繊維分散性
80mm×80mm×3mmtの成形品の表裏それぞれの面に存在する未分散の強化繊維束の個数を目視でカウントした。評価は50枚の成形品について行い、以下の基準に基づき、その合計個数について繊維分散性の判定を行った(A〜Cが合格)。
A:未分散CF束が1個未満
B:未分散CF束が1個以上5個未満
C:未分散CF束が5個以上10個未満
D:未分散CF束が10個以上。
(参考例1)炭素繊維束の作製
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面酸化処理を行い、総単糸数24,000本、単繊維径7μm、単位長さ当たりの質量1.6g/m、比重1.8g/cm、表面酸素濃度[O/C]0.12の炭素繊維を得た。この炭素繊維のストランド引張強度は4880MPa、ストランド引張弾性率は225GPaであった。
ここで、表面酸素濃度比は、表面酸化処理を行ったあとの炭素繊維を用いて、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めた。まず、炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10−8Torrに保った。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせた。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出した。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。
(参考例2)サイジング剤[b]の付与
サイジング剤として、グリセロールポリグリシジルエーテル(エポキシ当量:140g/eq)を水に溶解させたサイジング処理液を調製し、ローラーを介して、サイジング剤母液に浸漬する方法により炭素繊維束にサイジング剤を付与し、230℃で乾燥を行った。
サイジング剤[b]の付着量WSzは、以下の方法により測定した。サイジング剤[b]を付与した炭素繊維束約5gを採取し、耐熱ガラス製の容器に投入した。次に、この容器を3時間真空乾燥し、吸湿しないように注意しながら室温まで冷却後、秤量した値をw(g)とした。次いで、容器ごと、窒素雰囲気中、450℃で15分間加熱後、吸湿しないように注意しながら室温まで冷却し、秤量した値をw(g)とした。以上の処理を経て、サイジング剤[b]の付着量を次式により求め、その平均値を付着量WSzとした。
Sz={(w−w)/w}×100(単位:重量%)。
(参考例3)複合体の作製
塗布温度に加熱されたロール上に、重合体[B]または化合物[D]を加熱溶融した液体の被膜を形成させた。ロール上に一定した厚みの被膜を形成するためリバースロールを用いた。このロール上を連続した炭素繊維束を接触させながら通過させて、重合体[B]または化合物[D]を付着させた。次に、窒素雰囲気下において、含浸温度に加熱されたチャンバー内にて、5組の直径50mmのロールプレス間を通過させた。この操作により、重合体[B]または化合物[D]を炭素繊維束の内部まで含浸させ、所定の配合量とした複合体を形成した。
(参考例4)ポリカーボネート樹脂組成物の作製
JSW製TEX−30α型2軸押出機(スクリュー直径30mm、ダイス直径5mm、バレル温度300℃、スクリュー回転数150rpm)を使用し、重合体[B]、熱可塑性樹脂[C]をドライブレンドしたものをメインホッパーから供給し、下流の真空ベントより脱気を行いながら、溶融樹脂をダイス口から吐出し、得られたストランドを冷却後、カッターで切断してポリカーボネート樹脂組成物の溶融混練ペレットを得た。
(参考例5)成形材料−1の作製
参考例3で得られた複合体を、日本製鋼所(株)TEX−30α型2軸押出機(スクリュー直径30mm、L/D=32)の先端に設置された電線被覆法用のコーティングダイ中に通し、押出機からダイ内に熱可塑性樹脂[C]を溶融した状態で吐出させて、複合体の周囲を被覆するように連続的に配置した。この際、所望の強化繊維[a]の重量含有率になるよう、複合体と、熱可塑性樹脂[C]の供給量を調整した。得られた連続状の成形材料を冷却後、カッターで切断して7mmの長繊維ペレット状の成形材料−1とした。
(参考例6)成形材料−2の作製
強化繊維束[A]を、日本製鋼所(株)TEX−30α型2軸押出機(スクリュー直径30mm、L/D=32)の先端に設置された電線被覆法用のコーティングダイ中に通し、押出機からダイ内に参考例4で得られたポリカーボネート樹脂組成物を溶融した状態で吐出させて、強化繊維束[A]の周囲を被覆するように連続的に配置した。この際、所望の強化繊維含有率になるよう、強化繊維束[A]と、参考例4で得られたポリカーボネート樹脂組成物の供給量を調整した。得られた連続状の成形材料を冷却後、カッターで切断して7mmの長繊維ペレット状の成形材料−2とした。
[使用原料]
・強化繊維束[A]
[A−0]参考例1に従い得られた炭素繊維束に、サイジング剤[b]を付与せずに用いた。
[A−1]参考例1および参考例2に従い得られたサイジング剤[b]を付与した炭素繊維束を用いた。この際、強化繊維束[A]100重量部に対して、重合体[B]100重量部を含浸させた複合体において、サイジング剤[b]と重合体[B]の重量比[b]/[B]が0.02/1となるよう、サイジング剤処理液の濃度を調整し、サイジング剤[b]の付着量を調整した。
[A−2]参考例1および参考例2に従い得られたサイジング剤[b]を付与した炭素繊維束を用いた。この際、強化繊維束[A]100重量部に対して、重合体[B]200重量部を含浸させた複合体において、サイジング剤[b]と重合体[B]の重量比[b]/[B]が0.02/1となるよう、サイジング剤処理液の濃度を調整し、サイジング剤[b]の付着量を調整した。
[A−3]参考例1および参考例2に従い得られたサイジング剤[b]を付与した炭素繊維束を用いた。この際、強化繊維束[A]100重量部に対して、重合体[B]20重量部を含浸させた複合体において、サイジング剤[b]と重合体[B]の重量比[b]/[B]が0.02/1となるよう、サイジング剤処理液の濃度を調整し、サイジング剤[b]の付着量を調整した。
[A−4]参考例1および参考例2に従い得られたサイジング剤[b]を付与した炭素繊維束を用いた。この際、強化繊維束[A]100重量部に対して、重合体[B]100重量部を含浸させた複合体において、サイジング剤[b]と重合体[B]の重量比[b]/[B]が0.002/1となるよう、サイジング剤処理液の濃度を調整し、サイジング剤[b]の付着量を調整した。
[A−5]参考例1および参考例2に従い得られたサイジング剤[b]を付与した炭素繊維束を用いた。この際、強化繊維束[A]100重量部に対して、重合体[B]100重量部を含浸させた複合体において、サイジング剤[b]と重合体[B]の重量比[b]/[B]が0.5/1となるよう、サイジング剤処理液の濃度を調整し、サイジング剤[b]の付着量を調整した。
・重合体[B]
[B−1]FRX Polymers社製 “Nofia OL1001”(下記一般式(3)の構造を有する。重合度n=4〜6、重量平均分子量:2,000〜3,000、前記(1)記載の方法により測定した200℃における溶融粘度:0.9Pa・s)を使用した。
[B−2]FRX Polymers社製 “Nofia OL3001”(下記一般式(3)の構造を有する。重合度n=7〜10、重量平均分子量:3,500〜4,500、前記(1)記載の方法により測定した250℃における溶融粘度:1.0Pa・s)を使用した。
[B−3]FRX Polymers社製 “Nofia CO6000”(下記一般式(4)の構造を有する。重合度n=25〜30、m=75〜85、重量平均分子量:50,000、前記(1)記載の方法により測定した320℃における溶融粘度:25Pa・s)を使用した。
・熱可塑性樹脂[C]
[C−1]出光(株)製 ビスフェノールAの炭酸エステル構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂“タフロン A2600”(粘度平均分子量:26500)を使用した。
・化合物[D]
[D−1]大八化学工業(株)製 縮合リン酸エステル系難燃剤“PX−200”(重量平均分子量:686)を用いた。
(実施例1)
表1に記載の強化繊維束[A]、重合体[B]の組み合わせ、配合量にて、参考例3に従い、表1に記載の塗布温度および引取速度にて、複合体を作製した。
次いで、得られた複合体と表1に記載の熱可塑性樹脂[C]を用いて、参考例5に従い、長繊維ペレット状の成形材料−1を得た。この際、熱可塑性樹脂[C]の配合量が、複合体100重量部に対して、表1に記載の値になるよう、吐出量を調整した。また、2軸押出機はバレル温度290℃に設定した。
得られた長繊維ペレット状の成形材料−1を、住友重機械工業社製SE75DUZ−C250型射出成形機を用いて、シリンダー温度:300℃、金型温度:80℃の条件で、特性評価用試験片(成形品)を成形した。得られた試験片を、温度23℃、50%RHに調整された恒温恒湿室に24時間静置した後、上記(3)〜(6)に示した評価方法に従い評価した。評価結果をまとめて表1に示した。
(実施例2〜8)
表1に記載の強化繊維束[A]、重合体[B]の組み合わせ、配合量にて、参考例3に従い、表1に記載の塗布温度および引取速度にて複合体を作製した。上記(2)に示した評価法に従い、サイジング剤[b]と重合体[B]の重量比[b]/[B]を算出した。得られた複合体と表1に記載の熱可塑性樹脂[C]を、表1に記載の配合量で用いたこと以外は実施例1と同様にして成形材料および成形品を作製し、評価した。評価結果をまとめて表1に示した。
(比較例1〜3)
表2に記載の強化繊維束[A]、重合体[B]または化合物[D]の組み合わせ、配合量にて、参考例3に従い、表2に記載の塗布温度および引取速度にて複合体を作製した。得られた複合体と表2に記載の熱可塑性樹脂[C]を、表2に記載の配合量で用いたこと以外は実施例1と同様にして成形材料および成形品を作製し、評価した。評価結果をまとめて表2に示した。
(比較例4)
表2に記載の重合体[B]、熱可塑性樹脂[C]の組み合わせにて、参考例4に従い、ポリカーボネート樹脂組成物の溶融混練ペレットを得た。次いで、表2に記載の強化繊維束[A]と、得られたポリカーボネート樹脂組成物の溶融混練ペレットを用いて、参考例6に従い、長繊維ペレット状の成形材料−2を得た。ここで、成形品中の強化繊維束[A]および重合体[B]の重量含有率が表2に示す値になるよう、溶融混練ペレット作製時の重合体[B]と熱可塑性樹脂[C]とのドライブレンド比率および成形材料作製時の熱可塑性樹脂組成物の吐出量を調整した。
得られた長繊維ペレット状の成形材料−2を用いたこと以外は実施例1と同様にして成形品を作製し、評価した。評価結果をまとめて表2に示した。
(実施例9〜12)
表3に記載の強化繊維束[A]、重合体[B]の組み合わせ、配合量にて、参考例3に従い、表3に記載の塗布温度および引取速度にて複合体を作製した。上記(2)に示した評価法に従い、サイジング剤[b]と重合体[B]の重量比[b]/[B]を算出した。得られた複合体と表1に記載の熱可塑性樹脂[C]を、表1に記載の配合量で用いたこと以外は実施例1と同様にして成形材料および成形品を作製し、評価した。評価結果をまとめて表3に示した。
以上のように、実施例1〜12においては、本発明における複合強化繊維束および成形材料から得られた成形品は、優れた難燃性と衝撃特性を示した。
一方、比較例1では、重合体[B]の含浸量が不十分であったために、十分な難燃性が発現しなかった。また、比較例2では重合体[B]の含浸量が多すぎたために、高い難燃性が発現したものの、衝撃特性が大きく低下した。
比較例3では、強化繊維束[A]に含浸する化合物が、上記一般式(1)に示される構造を有していなかったために、難燃性や繊維分散性は発現したものの、衝撃特性の低下がみられた。
比較例4では、重合体[B]を強化繊維束[A]に含浸せずに、熱可塑性樹脂[C]中にコンパウンドしたため、難燃性は発現したものの、強化繊維束[A]の分散性が不十分であり、力学特性を評価するに値する試験片を得ることができなかった。
られた。
本発明の複合強化繊維束および成形材料は、優れた難燃性と衝撃特性および繊維分散性を兼ね備えた成形品を与え得るものであり、電気・電子機器、OA機器、家電機器、または自動車の部品、内部部材および筐体などの各種部品・部材に極めて有用である。
1:強化繊維[a](強化繊維束[A]を構成する単繊維)
2:重合体[B]
3:複合強化繊維束
4:熱可塑性樹脂[C]またはそれを含む組成物

Claims (9)

  1. 強化繊維束[A]100重量部に対し、少なくとも下記一般式(1)で表される構造を有する重合体[B]を20〜200重量部含浸させてなる複合強化繊維束。
    (上記一般式(1)中、nは重合度を示し、4〜520の範囲である。Xは単結合、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、エーテル基、チオエーテル基、フェニレン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、アルキルシリレン基、ジアルキルシリレン基またはフルオレン基を示す。R〜Rは、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。)
  2. 前記成分[B]の重量平均分子量が1,000〜150,000である、請求項1に記載の複合強化繊維束。
  3. 前記重合体[B]が下記一般式(2)で表される構造を有する請求項1または2に記載の複合強化繊維束。
    (上記一般式(2)中、nおよびmはそれぞれ独立に重合度を示し、nの値は4〜520、mの値は0〜425の範囲であり、nとmはn>0.34mの関係を満たす。X、Xは同一でも異なってもよく、単結合、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、エーテル基、チオエーテル基、フェニレン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、アルキルシリレン基、ジアルキルシリレン基またはフルオレン基を示す。R〜RおよびR10〜R17は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはアリールオキシ基を示す。)
  4. 前記成分[A]が強化繊維[a]およびサイジング剤[b]を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の複合強化繊維束。
  5. 前記成分[b]と前記成分[B]の重量比[b]/[B]が、0.001/1〜0.5/1である、請求項4に記載の複合強化繊維束。
  6. 前記成分[b]が3官能以上の多官能脂肪族エポキシである、請求項4または5に記載の複合強化繊維束。
  7. 前記成分[A]が炭素繊維束である、請求項1〜6いずれかに記載の複合強化繊維束。
  8. 少なくとも請求項1〜7いずれかに記載の複合強化繊維束および熱可塑性樹脂[C]を含む成形材料。
  9. 前記成分[C]がポリカーボネート樹脂を含む、請求項8に記載の成形材料。
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