JP6854591B2 - プリプレグ、強化繊維、繊維強化複合材料、およびプリプレグの製造方法 - Google Patents
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Description
そのため、より少ない導電材により複合材料の導電性を改善することのできる、プリプレグや強化繊維が求められていた。
本発明のもう一つの態様である強化繊維は、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物が繊維表面に付着している強化繊維である。
本発明は、少なくとも、強化繊維とマトリクス樹脂とからなる繊維強化複合材料であって、さらに、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物を含む繊維強化複合材料を包含する。
本発明のプリプレグの製造方法のもう一つの態様は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させるプリプレグの製造方法であって、導電性粒子とバインダー樹脂の混合物にせん断力を与えて繊維状に賦形し繊維状物を得る工程、繊維状物をマトリクス樹脂に混合し、繊維状物を含むマトリクス樹脂を得る工程、繊維状物を含むマトリクス樹脂を強化繊維に含浸させる工程を有するプリプレグの製造方法である。
本発明の強化繊維は、導電粒子が局在化し通電効率が高いため、本発明の強化繊維を用いると、優れた導電性と機械特性とを兼ね備えた複合材料を得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、優れた導電性と機械特性とを兼ね備えているため、電磁遮蔽、静電気保護、電流リターン、及び導電性が必要な多くの用途に適用できる。
本発明のプリプレグの製造方法によれば、優れた導電性と機械特性とを兼ね備えた複合材料を与えるプリプレグを得ることができる。
上記のような本発明のプリプレグによれば、優れた導電性と機械特性とを兼ね備えた複合材料を得ることができる。
このような本発明のプリプレグは、たとえば、本発明のプリプレグの製造方法によって得ることができる。本発明のプリプレグの製造方法は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させるプリプレグの製造方法であって、導電性粒子とバインダー樹脂の混合物にせん断力を与えて繊維状に賦形し繊維状物を得る工程、繊維状物を強化繊維に付着させる工程、繊維状物が付着した強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させる工程を有するプリプレグの製造方法である。
上記のような本発明のプリプレグの製造方法によれば、優れた導電性と機械特性とを兼ね備えた複合材料を与えるプリプレグを得ることができる。
導電性粒子とバインダー樹脂の混合物にせん断力を与えて繊維状に賦形すると、微細なフィブリルを有するパルプ状の繊維状物が得られやすい。このような繊維状物は、強化繊維に付着させやすく、繊維状物同士または、繊維状物と強化繊維が接触しやすくなり、より高い通電効果を得ることができる。
本発明において、繊維状物はサイズ剤により強化繊維に付着させることが好ましい。サイズ剤に強化繊維に繊維状物を付着させる場合、用いるサイズ剤は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂やその変性物が好ましく用いられる。また、このサイズ剤は二種類以上を組み合わせて使用してもよい。サイズ剤の付着量は0.2〜4wt%であることが好ましい。
上記のような本発明の強化繊維は、導電粒子が局在化し通電効率が高いため、本発明の強化繊維を用いると、優れた導電性と機械特性とを兼ね備えた複合材料を得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、優れた導電性と機械特性とを兼ね備えているため、電磁遮蔽、静電気保護、電流リターン、及び導電性の改善が必要な多くの用途に適用できる。
(1)強化繊維
強化繊維として用いられる繊維としては、特に制限はないが、導電性を有する強化繊維であることが好ましい。導電性を有する強化繊維としては、例えば、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維が挙げられる。また、繊維表面が、例えば金属メッキ処理などの方法により、導電性物質で被覆された炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維などの強化繊維を用いることもできる。
これらの導電性繊維の中でも、比強度、比弾性率が良好で、軽量かつ高強度の複合材料が得られる点で、炭素繊維がより好ましい。引張強度に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が特に好ましい。
耐炎化繊維は、従来の公知の方法を採用して炭素化することができる。例えば、窒素雰囲気下300〜800℃で第一炭素化炉で徐々に温度を高めると共に、耐炎化繊維の張力を制御して緊張下で1段目の第一炭素化をする。
炭素繊維は、電解液中で表面酸化処理を施すことが好ましい。表面処理で炭素繊維にかかる電気量は、目的の表面官能基量になるよう適時調節すればよいが、炭素繊維1gに対して10〜150クーロンになる範囲とすることが好ましい。
表面処理された炭素繊維は、サイジング液に通され、サイズ剤が付与される。本発明において、かかるサイジング液に導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物を混合し、炭素繊維束に繊維状物を付与することが好ましい。
シート状の強化繊維基材の厚さは、0.01〜3mmが好ましく、0.1〜1.5mmがより好ましい。これらの強化繊維基材シートは、公知のサイズ剤を公知の含有量で含んでいても良い。
本発明で用いる繊維状物は、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物である。本発明では、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物のアスペクト比が3以上であることが好ましく、5〜1000であることがより好ましい。繊維状物のアスペクト比がこの範囲であると、繊維状物同士または、繊維状物と強化繊維が接触しやすくなり、より高い通電効果を得ることができる。また、繊維状物の繊維径は0.5〜100μmであることが好ましい。繊維状物の繊維径は、強化繊維の繊維径よりも小さいことが好ましい。繊維状物の繊維径が強化繊維の繊維径よりも小さいと、強化繊維の単繊維間に繊維状物が入り込みやすくなり、強化繊維同士を密接させやすくなるため、得られる複合材料の導電性をより高めることができる。
このような繊維状物の製造方法は、特に限定されるものではなく、導電性粒子とバインダー樹脂の混合物から繊維状物を形成する従来公知の方法を用いることができる。例えば、導電性粒子とバインダー樹脂の混合物を紡糸する方法や、導電性粒子とバインダー樹脂の混合物を任意のアスペクト比の形状となるよう裁断する方法、導電性粒子とバインダー樹脂の混合物にせん断力を与えて繊維状に賦形する方法などがあげられる。
本発明で用いる導電性粒子としては、電気的に良好な導体として機能する導電物質であれば良く、導体のみに限定されない。好ましくは体積固有抵抗が100〜10−9Ωcmであり、より好ましくは10〜10−9Ωcmであり、さらに好ましくは1〜10−9Ωcmであり、特に好ましくは10−1〜10−9Ωcmである導電物質である。体積固有抵抗が低い方が、得られる複合材料の導電性をより効率よく向上させることができる。特に、体積固有抵抗が5.0×10−3Ωcm以下の導電性粒子であることが好ましい。
本発明で用いる導電性粒子としては、その最小径が1nm〜3μmであることが好ましく、5nm〜1μmであることがより好ましく、10nm〜0.5μmであることがさらに好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなどを使用することができ、これらを2種類以上ブレンドしたカーボンブラックも好適に用いられる。
バインダー樹脂としては、プリプレグの製造時、もしくは保管時に繊維状物の形状を保持できる、常温で固体もしくは粘稠体の有機化合物であれば特に制限はなく、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、エネルギー硬化性樹脂など制限なく用いることができるが、取り扱い性の観点から、熱硬化性樹脂が好ましい。また、得られる複合材料の物性の観点から、マトリクス樹脂と同種の樹脂を用いることが好ましい。
本発明でバインダー樹脂として用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトンや、ナイロン6、ナイロン12、非晶性ナイロンなどのポリアミド、アラミド、アリレート、ポリエステルカーボネートなどが挙げられる。
本発明のプリプレグは、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物を含むプリプレグである。繊維状物をプリプレグに添加する方法としては、特に制限がないが、プリプレグを製造する前の強化繊維に予め付着させる方法や、マトリクス樹脂に混合する方法が、繊維状物が強化繊維の繊維間に入り込みやすく、繊維層の導電性を寄り向上させやすいため好ましい。プリプレグを製造する前の強化繊維に予め付着させる方法としては、繊維状物を含む溶液に強化繊維を浸漬し付着させる方法や、強化繊維に繊維状物を振りかける方法などがあげられる。取り扱い性の観点から、繊維状物を含む溶液に強化繊維を浸漬し付着させる方法がより好ましい。
本発明で用いるマトリクス樹脂には特に制限はなく、例えば硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができる。本発明のプリプレグにおいて、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物は、マトリクス樹脂組成物に混合しても良い。
マトリクス樹脂として硬化性樹脂を用いる場合、熱硬化性樹脂は、高い耐熱性を有する複合材料を製造できるので、好ましい。熱硬化性樹脂としては、耐熱性および機械特性の観点から、熱により架橋反応が進行して、少なくとも部分的に三次元架橋構造を形成する熱硬化性樹脂が好ましい。
これらの硬化性樹脂の中でも、耐熱性、機械特性および炭素繊維との接着性のバランスに優れているエポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂が好ましく、機械特性の面からはエポキシ樹脂がさらに好ましく、耐熱性の面からはビスマレイミド樹脂がより好ましい。
中でも、分子内に芳香族基を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましく、グリシジルアミン構造、グリシジルエーテル構造の何れかを有するエポキシ樹脂がより好ましい。また、脂環族エポキシ樹脂も好適に用いることができる。
これらのエポキシ樹脂は、必要に応じて、芳香族環構造などに非反応性置換基を有していても良い。非反応性置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基、フェニルなどの芳香族基、アルコキシル基、アラルキル基、塩素や臭素などのハロゲン基などが例示される。
脂環型エポキシ樹脂としては、ハンツマン社製社製アラルダイトCY−179(商品名)、CY−178(商品名)、CY−182(商品名)、CY−183(商品名)等が例示される。
これらのエポキシ樹脂は、適宜選択して1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。この中で、ビスフェノール型に代表される2官能エポキシ樹脂は、分子量の違いにより液状から固形まで種々のグレードの樹脂がある。従って、これらの樹脂はプリプレグ用マトリクス樹脂の粘度調整を行う目的で配合すると好都合である。
[硬化剤]
マトリクス樹脂として硬化性樹脂を用いる場合は、必要に応じて樹脂を硬化させる硬化剤がマトリクス樹脂組成物に配合されていてもよい。硬化剤としては、マトリクス樹脂を硬化させる公知の硬化剤が用いられる。
例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合に使用される硬化剤としては、ジシアンジアミド、芳香族アミン系硬化剤の各種異性体、アミノ安息香酸エステル類が挙げられる。ジシアンジアミドは、プリプレグの保存安定性に優れるため好ましい。また、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン化合物及びそれらの非反応性置換基を有する誘導体は、耐熱性の良好な硬化物を与えるという観点から特に好ましい。ここで、非反応性置換基は、エポキシ樹脂の説明において述べた非反応性置換基と同様である。
マトリクス樹脂として、低粘度の樹脂を用いる場合、樹脂組成物に適切な粘度を与えるために、熱可塑性樹脂を配合してもよい。この樹脂組成物に粘度調節のために配合する熱可塑性樹脂には、最終的に得られる複合材料の耐衝撃性などの機械特性を向上させる効果もある。
マトリクス樹脂組成物に配合する上記熱可塑性樹脂の量は、樹脂組成物に用いるマトリクス樹脂の種類に応じて異なり、樹脂組成物の粘度が後述する適切な値になるように適宜調節すればよい。通常、樹脂組成物に含まれるマトリクス樹脂100質量部に対して、熱可塑性樹脂は5〜100質量部となるように配合することが好ましい。
マトリクス樹脂可溶性熱可塑性樹脂の具体的例としては、例えば、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
マトリクス樹脂可溶性熱可塑性樹脂の形態は、特に限定されないが、粒子状であることが好ましい。粒子状のマトリクス樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、樹脂組成物中に均一に配合することができる。また、得られるプリプレグの成形性が高い。マトリクス樹脂可溶性熱可塑性樹脂の平均粒子径は、1〜50μmであることが好ましく、3〜30μmであることが特に好ましい。
マトリクス樹脂不溶性熱可塑性樹脂やマトリクス樹脂可溶性熱可塑性樹脂の一部(硬化後のマトリクス樹脂において溶解せずに残存したエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂)は、その粒子がFRPのマトリクス樹脂中に分散する状態となる(以下、この分散している粒子を「層間粒子」ともいう)。この層間粒子は、FRPが受ける衝撃の伝播を抑制する。その結果、得られるFRPの耐衝撃性が向上する。
マトリクス樹脂組成物は、必要に応じて、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物以外の導電材を含んでいても良い。導電材としては、前述の導電性粒子と同じものを用いることができる。導電材の配合量は、マトリクス樹脂組成物に含まれる主剤樹脂100質量部に対して、0.0001〜20質量部となるように配合することが好ましく、0.0005〜10質量部がより好ましく、0.001〜5質量部が特に好ましい。
マトリクス樹脂組成物は、上記成分以外に、本発明の目的・効果を阻害しない限り、必要に応じて、適宜、酸無水物、ルイス酸、ジシアンジアミド(DICY)やイミダゾール類の如く塩基性硬化剤、尿素化合物、有機金属塩、反応希釈剤、充填剤、酸化防止剤、難燃剤、顔料などの各種添加剤を含むことができる。
具体的には、酸無水物としては、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、無水ピロメリット酸等が例示される。ルイス酸としては、三フッ化ホウ素塩類が例示され、更に詳細には、BF3モノエチルアミン、BF3ベンジルアミン等が例示される。イミダゾール類としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールが例示される。また、尿素化合物である3−[3,4−ジクロロフェニル]−1,1−ジメチル尿素(DCMU)等や、有機金属塩であるCo[III]アセチルアセトネート等を例示することができる。反応性希釈剤としては、例えば、ポリプロピレンジグリコール・ジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等の反応性希釈剤が例示される。
マトリクス樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いてもよい。例えば、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合は、樹脂組成物製造時に適用される混練温度としては、10〜160℃の範囲が例示できる。160℃を超える場合は、エポキシ樹脂の熱劣化や、部分的に硬化反応が開始し、得られる樹脂組成物並びにそれを用いて製造されるプリプレグの保存安定性が低下する場合がある。10℃より低い場合は、エポキシ樹脂組成物の粘度が高く、実質的に混練が困難となる場合がある。好ましくは20〜130℃であり、更に好ましくは30〜110℃の範囲である。
本発明の製造方法により得られるプリプレグは、マトリクス樹脂組成物を、強化繊維基材を構成する各繊維基材の間隙に含浸させてなる。
マトリクス樹脂組成物の含有率は、プリプレグの全質量を基準として、15〜60質量%であることが好ましい。含有率が15質量%よりも少ない場合は、得られる複合材料に空隙などが発生し、機械特性を低下させる場合がある。含有率が60質量%を超える場合は、強化繊維による補強効果が不十分となり、実質的に質量対比機械特性が低いものになる場合がある。好ましくは、含有率は、20〜50量%であり、より好ましくは25〜50質量%である。
ここで、マトリクス樹脂がエポキシ樹脂の場合は、組成物の含有率は、プリプレグを硫酸に浸漬し、必要により加熱し、エポキシ樹脂が分解して質量を減少させるために生じる質量変化量から算出される割合を樹脂組成物の含有量として求めることが出来る。
プリプレグの形態は、強化繊維基材に、マトリクス樹脂組成物が含浸されている形状であれば、特に制限はないが、強化繊維と、前記強化繊維間に含浸されたマトリクス樹脂組成物とからなる強化繊維層と、前記強化繊維層の表面に被覆された樹脂層とからなるプリプレグであることが好ましい。樹脂層の厚みは2〜100μmが好ましい。樹脂層の厚みは、5〜50μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
上記方法を用いて得られるプリプレグは、目的に応じて積層され、成形並びに硬化されて繊維強化複合材料が製造される。この製造方法自体は公知である。本発明を用いて得られるプリプレグによれば、優れた導電性と機械特性とを兼ね備えた繊維強化複合材料を得ることができる。
繊維強化複合材料は、プリプレグを目的に応じて積層し、成形並びに硬化させることで、従来公知の方法により製造することができる。複合材料の製造方法としては、例えば、マニュアルレイアップ、自動テープレイアップ(ATL)、自動繊維配置、真空バギング、オートクレーブ硬化、オートクレーブ以外の硬化、流体援用加工、圧力支援プロセス、マッチモールドプロセス、単純プレス硬化、プレスクレーブ硬化、又は連続バンドプレスを使用する方法が適用される。
[エポキシ樹脂組成物]
(エポキシ樹脂)
・グリシジルアミン型エポキシ樹脂(3官能基)[ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製アラルダイトMY0600(商品名)](MY0600)
・グリシジルアミン型エポキシ樹脂(4官能基)[ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製アラルダイトMY721(商品名)](MY721)
(エポキシ樹脂硬化剤)
・4,4’−ジアミノジフェニルスルホン[和歌山精化社製の芳香族アミン系硬化剤](4,4’−DDS)
(熱可塑性樹脂)
・熱可塑性樹脂A
平均粒子径20μmのポリエーテルスルホン[住友化学工業(株)製PES−5003P(商品名)](エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂)
・熱可塑性樹脂B
平均粒子径20μmのグリルアミド[エムスケミージャパン社製TR−55(商品名)](エポキシ樹脂に不溶な熱可塑性樹脂)
(導電材ペースト)
・銀ペースト
サンユレック株式会社製エレクトロニクス用導電性接着剤 GA−6278(商品名)(GA−6278)
(導電材:銀微粒子(平均粒子径:2μm)、バインダー樹脂:エポキシ樹脂 電気抵抗値:5×10−4Ωcm 導電材含有率:75wt%)
<サイジング剤付着量(溶剤抽出法)>
炭素繊維束10gを取り出し、溶剤としてアセトンを用い、JIS R7604 A法(溶剤抽出法)に基づいてサイジング剤の付着量を求めた。
(1)平均粒子径
導電材ペーストに含まれる導電材の平均粒子径は、導電材ペーストを有機溶媒で希釈した後、走査型電子顕微鏡にて粒子を10000倍に拡大して写真撮影し、無作為に30個の粒子を選定し、その粒子径を測定し平均値を求めた。
本発明において、複合材料の導電性は、Z方向(厚さ方向)の体積抵抗率を用いて評価した。体積抵抗率とは、所与の材料の固有抵抗である。三次元材料の導電率の測定の単位はオーム−cm(Ωcm)である。材料のZ方向体積抵抗率ρは、通常下式により定義される。
ρ=RA/L
R:試験片の電気抵抗値(デジタルオームメーターで測定)
L:試験片の厚さ(m)
A:試験片の断面積(m2)
本発明においては、体積抵抗はZ方向にのみ(複合材料の厚み方向)測定する。計算においては厚みが常に考慮されるので、すべての場合において、この値は「体積」抵抗率となる。
プリプレグをカット、積層し、積層構成[+45/0/−45/90]2Sの積層体を得た。真空オートクレーブ成形法を用い、0.49MPaの圧力下、180℃で120分間成形した。得られた成形物を幅40mm×長さ40mmの寸法に切断し、サンドペーパーを用いて、成形物の表面を炭素繊維が露出するまで研磨した。最後に、2000番のサンドペーパーを用いて表面仕上げを行い、試験片を得た。得られた試験片を、幅50mm×長さ50mmの金メッキを施した2枚の電極間に挟んだ。
両電極間に0.06MPaの荷重をかけた状態で、デジタルオームメーター(ADEX社製 AX−114N)でZ方向の試験片の抵抗値を測定し、上式から体積抵抗率を求めた。10枚の試験片について抵抗値を測定し、体積抵抗率を算出し、その平均値を用いて評価した。
導電材である平均粒子径2μmの銀微粒子と、バインダー樹脂であるエポキシ樹脂からなる導電材ペーストGA−6278を、導電材ペーストを70%割合で含むようエタノールで希釈した。ホモジナイザー(IKA社製 ULTRA-TURRAX T50 basic(商品名))で攪拌(回転数:7000rpm)している10Lの純水の中に、希釈した導電材ペーストを3mLずつスポイトで投入し、パルプ状の繊維状物を採取した。得られた繊維状物を分級し、平均繊維長68mm、アスペクト比13の繊維状物を採取した。
前駆体繊維であるPAN繊維ストランド(単繊維繊度0.7dtex、フィラメント数12000)を、空気中250℃で、繊維比重1.35になるまで耐炎化処理を行い、次いで窒素ガス雰囲気下、最高温度500℃で低温炭素化させた。その後、窒素雰囲気下1650℃で高温炭素化させ炭素繊維を得た。得られた炭素繊維を、硫酸アンモニウム水溶液を電解液として用い、炭素繊維1g当り100クーロンの電気量で表面処理した。
得られた表面処理炭素繊維に、前記繊維状物を5%の割合で含むエポキシ系サイジング剤を付与し、120℃で乾燥させ、サイジング剤付着炭素繊維を得た。サイジング剤の付着量は2.0%であった。得られたサイジング剤付着炭素繊維を一方向に引き揃えて並べ、炭素繊維シート(目付け190g/m2)を得た。
炭素繊維シートの両面に、含浸用樹脂フィルムを貼り合わせ、ホットメルト法により、樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させプリプレグを作製した。
作製したプリプレグを用いて体積抵抗率測定試料を成形し、複合材料の導電性を評価した。得られた複合材料の体積抵抗率は、6Ωcmと低い値を示した。
エポキシ系サイジング剤への繊維状物の添加量を変更し、炭素繊維への繊維状物の付着量を変更した以外は実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。
作製したプリプレグを用いて体積抵抗率測定試料を成形し、複合材料の導電性を評価した。得られた複合材料の体積抵抗率は、いずれも低い値を示した。
エポキシ系サイジング剤に繊維状物を添加せず、炭素繊維に繊維状物を付着させなかった以外は実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。
作製したプリプレグを用いて体積抵抗率測定試料を成形し、複合材料の導電性を評価した。得られた複合材料の体積抵抗率は、90Ωcmと高く、導電性の低い複合材料であった。
導電材ペーストの代わりに、エポキシ樹脂であるMY721を用いて繊維状物を作成し、炭素繊維に繊維状物を付着させた以外は実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。
作製したプリプレグを用いて体積抵抗率測定試料を成形し、複合材料の導電性を評価した。得られた複合材料の体積抵抗率は、120Ωcmと高く、導電性の低い複合材料であった。
導電材ペーストを硬化させ粉砕した粒子状物を繊維状物の代わりに炭素繊維に付着させた以外は実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。
作製したプリプレグを用いて体積抵抗率測定試料を成形し、複合材料の導電性を評価した。得られた複合材料の体積抵抗率は、50Ωcmと高く、導電性の低い複合材料であった。
導電材ペーストの希釈率を変更し、繊維状物の形態を表2に記載の値に変更した以外は実施例2と同様にしてプリプレグを作製した。
作製したプリプレグを用いて体積抵抗率測定試料を成形し、複合材料の導電性を評価した。得られた複合材料の体積抵抗率は、いずれも低い値を示した。
繊維状物を調整する際のホモジナイザーの回転率を変更し、繊維状物の形態を表2に記載の値とした以外は実施例2と同様にしてプリプレグを作製した。
作製したプリプレグを用いて体積抵抗率測定試料を成形し、複合材料の導電性を評価した。得られた複合材料の体積抵抗率は、いずれも低い値を示した。
Claims (6)
- 少なくとも、強化繊維とマトリクス樹脂とからなるプリプレグであって、
さらに、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物を含み、該繊維状物が、アスペクト比が3以上、繊維長が4.5〜75mm、繊維径が0.5〜100μmであることを特徴とするプリプレグ。 - 導電性粒子の体積固有抵抗が5.0×10−3Ωcm以下である請求項1に記載のプリプレグ。
- 導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物が繊維表面に付着している強化繊維であって、該繊維状物が、アスペクト比が3以上、繊維長が4.5〜75mm、繊維径が0.5〜100μmであることを特徴とする強化繊維。
- 少なくとも、強化繊維とマトリクス樹脂とからなる繊維強化複合材料であって、さらに、導電性粒子とバインダー樹脂からなる繊維状物を含み、該繊維状物が、アスペクト比が3以上、繊維長が4.5〜75mm、繊維径が0.5〜100μmであることを特徴とする繊維強化複合材料。
- 強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させるプリプレグの製造方法であって、
導電性粒子とバインダー樹脂の混合物にせん断力を与えて繊維状に賦形し繊維状物を得る工程、
繊維状物を強化繊維に付着させる工程、
繊維状物が付着した強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させる工程
を有することを特徴とする、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。 - 強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させるプリプレグの製造方法であって、
導電性粒子とバインダー樹脂の混合物にせん断力を与えて繊維状に賦形し繊維状物を得る工程、
繊維状物をマトリクス樹脂に混合し、繊維状物を含むマトリクス樹脂を得る工程、
繊維状物を含むマトリクス樹脂を強化繊維に含浸させる工程
を有することを特徴とする、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
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