JP2016169452A - 異型合成繊維マルチフィラメント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コア部とフィン部からなる異型合成繊維の集合体であって、該異型合成繊維の比重が1.3以下であり、かつ繊維のa)フィン部が、コア部外表面からコア部中心点に対して交差状に突出し、かつコア部の長さ方向に沿って延在し、b)繊維軸に直交する断面における空隙率が5〜20%であり、コア断面積率が30〜45%であり、c)強度が5cN/dtex以上、を満足する異型合成繊維マルチフィラメント。さらには、フィン部の数が4本以上であることや、集合体が異形繊維12本以上で構成されたマルチフィラメントであることが好ましく、上記のマルチフィラメントからなる繊維製品を包含する。さらには、繊維がポリオレフィン系繊維であることや、フィン部の数が4本以上であること、集合体が異形繊維12本以上で構成されたマルチフィラメントであることが好ましく、上記の異型合成繊維マルチフィラメントからなる繊維製品を包含する。
【選択図】図2
Description
a)フィン部が、コア部外表面からコア部中心点に対して交差状に突出し、かつコア部の長さ方向に沿って延在していること。
b)異型繊維の繊維軸に直交する断面における下記式(1)の空隙率が5〜20%であり、下記式(2)のコア断面積率が30〜45%であること。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積、C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積、とする)
c)繊維の強度が5cN/dtex以上であること。
そして本発明は、上記の本発明の異型合成繊維マルチフィラメントからなる繊維製品を包含するものである。
本発明の異型合成繊維マルチフィラメントは、コア部とフィン部からなる異型合成繊維の集合体であって、該異型合成繊維の比重が1.3以下であることを必要とする。このように比重が低い合成繊維からなる異型繊維であることにより、軽量性と嵩高性に優れたマルチフィラメントとなるのである。
さらに合成繊維を形成するポリマー中に必要に応じて、UV吸収剤、難燃剤、原着マスターチップを添加し機能性を持たせることも、好ましい態様である。
a)フィン部が、コア部外表面からコア部中心点に対して交差状に突出し、かつコア部の長さ方向に沿って延在していること。
b)異型繊維の繊維軸に直交する断面における下記式(1)の空隙率が5〜20%であり、下記式(2)のコア断面積率が30〜45%であること。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積、C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積、とする)
c)繊維の強度が5cN/dtex以上であること。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積、とする)
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積、とする)
さらにマルチフィラメントの総繊度としては50〜1700dtexであることが好ましく、80〜1600dtexの範囲であることがさらに好ましい。またマルチフィラメントを構成する単糸の繊度としては0.5〜20dtexの範囲であることが好ましく、特には1〜10dtexの範囲であることが好ましい。
この本発明の異型合成繊維マルチフィラメントは、産業資材用ロープ、土木作業シート、ネット、漁網等の幅広い分野に最適に使用することができる。
JIS K7210に準拠し、温度230℃、載荷荷重2.160kgの条件下で、ダイを用いた測定を行い、メルトフローインデックス(MFR)の値を得た。
空隙率は、紡糸捲取したマルチフィラメントのセクションを切り、単糸1本の繊維軸に直交する横断面写真(560倍以上35000倍以下)をSEM(走査電顕写真)により撮影し、写真画像の各単糸の繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積を面積Aとした。またフィラメント糸の繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積を面積Bとした。
そしてフィラメント糸の繊維軸に直交する断面の、繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積を面積Cとした。
これら面積A〜Cを用い、以下の式により単糸空隙率およびコア部断面積率を求めた。測定は5箇所の繊維断面にて行い、その平均値を用いた。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積
B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積
C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだ領域の面積
ポリプロピレン樹脂(MFR=22、比重 0.9)を235℃で溶融し、図1に示す吐出孔を72個有する紡糸口金より吐出した。吐出された糸条は、口金下で長さ45mm、温度235℃の加熱紡糸筒にて加熱、その後25℃、0.1Nm/分の風速で冷却しオイリングローラーにてオイル付与し500m/分の速度にて巻き取った。得られた未延伸糸を温度70℃〜100℃で延伸負荷率85%延伸し、次いで温度160℃で熱セットを施し94dtex、強度7.4cN/dtex、伸度25%の異型合成繊維(ポリプロピレン繊維)を得た。フィンの数は4枚であり、コア部中空中心点に対してのフィンの向きは交差状であった。得られた繊維は空隙率11%の軽量感に優れたものであった。繊維軸断面のコア部断面積率が35%であり、延伸ローラー上での単糸切れも少なく、安定性の高い高強力異型マルチフィラメントであった。
延伸負荷率を85%から80%に変更した以外は、実施例1と同様に行い、異型合成繊維を得た。得られた繊維は、99dtex、強度6.3cN/dtex、伸度26%であって、空隙率も7%であった。繊維軸断面のコア部断面積率は39%であり、延伸ローラー上での単糸切れも少なく、安定性の高い高強力異型マルチフィラメントであった。
延伸負荷率を85%から90%に変更した以外は、実施例1と同様に行い、異型合成繊維を得た。得られた繊維は、85dtex、強度7.6cN/dtex、伸度20.0%の物性を有し、空隙率は15%であった。しかし繊維軸断面のコア部断面積率は29%であり、延伸ローラー上での単糸切れが多く安定的な生産には支障があるものとなった。
B;フィン部の頂点を直線(鎖線)で結んだ領域
C;フィン部の付け根を直線(鎖線)で結んだコア部
Claims (5)
- コア部とフィン部からなる異型合成繊維の集合体であって、該異型合成繊維の比重が1.3以下であり、かつ下記要件を満足することを特徴とする異型合成繊維マルチフィラメント。
a)フィン部が、コア部外表面からコア部中心点に対して交差状に突出し、かつコア部の長さ方向に沿って延在していること。
b)異型繊維の繊維軸に直交する断面における下記式(1)の空隙率が5〜20%であり、下記式(2)のコア断面積率が30〜45%であること。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積、C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積、とする)
c)繊維の強度が5cN/dtex以上であること。 - 合成繊維がポリオレフィン系繊維である請求項1記載の異型合成繊維マルチフィラメント。
- フィン部の数が4本以上である請求項1または2記載の異型合成繊維マルチフィラメント。
- 集合体が異形繊維12本以上で構成されたマルチフィラメントである請求項1〜3のいずれか1項記載の異型合成繊維マルチフィラメント。
- 請求項1ないし4のいずれか1項記載の異型合成繊維マルチフィラメントからなる繊維製品。
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