JP6411922B2 - 高強力異型ポリエステルマルチフィラメント - Google Patents

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本発明は高強力異型ポリエステルマルチフィラメントに関し、さらに詳しくは高嵩高性と高強力を高い次元で満足する産業資材用の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントに関する。
ポリエステル繊維は機械的特性をはじめ様々な優れた特性を有しており、各種産業用途・分野に利用されている。さらに最近では単純に強度を要求されるばかりではなく、低密度でありながら強度に優れた、すなわち最終的に繊維製品とした場合に、嵩高性を保ちながら高強度となる繊維製品が求められている分野がある。
例えばロープやネットの分野において、単純に繊維を高強力化した場合、同じ強力を有する最終製品は細い糸条で構成されることになる。しかしその場合には保持した部分に応力が集中し、例えば細くかつ高強力なロープを用いた場合には、太いロープを用いた場合よりも、そのロープを保持する手に食い込み、痛みや怪我をしやすいという問題があった。
そこで繊維を中空化して低密度の繊維製品を得る手法が知られている。例えば紡糸口金を中空形状にして中空繊維を得る方法が知られている。しかしこのような方法により得られる中空繊維は、産業繊維のように強い力がかかる用途ではその中空部分で潰れやすく、十分な嵩高性を発揮することができなかった。またこのような口金形状を変更することによる製糸方法では、口金吐出孔から溶融吐出されるポリマーの高い貼り合せの技術(口金設計)が必要であり、繊維が割れやすいという基本的な問題があった。
この問題を解決するために例えば特許文献1では、複合繊維装置を用いて、いわゆるコンジュゲート紡糸により、中心部にポリビニールアルコール系の樹脂などの溶出しやすい成分を添加し、紡糸捲取後にその樹脂を溶出させ、中空繊維とする方法が提案されている。しかしこのような中空繊維であっても、確かに中空を形成する剤を溶出した後の中空形成率こそ高いものの、繊維の割れやすさを十分に解消することは困難であった。さらにはそのコストが高くなるという問題もあった。
また衣料用の分野では各種の断面形状の繊維が知られているが(例えば特許文献2や特許文献3)、異形化による強度低下が大きく、また延伸工程等の途中工程における毛羽の発生や、断面の変形による空隙率の低下が大きいという課題があった。産業資材用に適した高嵩高性のマルチフィラメント繊維が待望されていたのである。
特開2002−173824号公報 特開平5−287610号公報 特開2004−218129号公報
本発明は、上記従来技術の有する問題点を解消し、嵩高性に優れながら高強力である高強力異型ポリエステルマルチフィラメントを提供することにある。
本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは、コア部とフィン部からなる異型繊維の集合体であって、該異型繊維を構成するポリマー成分の少なくとも90モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位で構成され、かつ下記要件を満足することを特徴とする。
a)繊維の強度が5cN/dtex以上であること。
b)フィン部が、コア部外表面からコア部中心点に対して交差状に突出し、かつコア部の長さ方向に沿って延在していること。
c)異型繊維の繊維軸に直交する断面における下記式(1)の空隙率が5〜25%であり、下記式(2)のコア断面積率が30〜45%であること。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積、C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積、とする)
さらには、フィン部の数が4本以上であることや、集合体が異形繊維12本以上で構成されたマルチフィラメントであることが好ましい。
そして本発明は、上記の本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントからなる繊維製品を包含するものである。
本発明によれば、嵩高性に優れながら高強力である高強力異型ポリエステルマルチフィラメントが提供される。
本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントを構成する単糸を製造する際に用いる紡糸口金の一具体例の模式図である。 本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントを構成する単糸の繊維軸に直交する断面の模式図であって、鎖線内の白地部分が「空隙面積」である。 本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントを構成する単糸の繊維軸に直交する断面の模式図であって、鎖線内の部分が「コア部の断面積」である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明で用いるポリエステルは、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリコールを主たるジオール成分とするポリエステルを90重量%以上含有するポリエステルであり、該ポリエステルには、本発明の目的を損なわない範囲内で、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分や上記とは異なる他のグリコール成分を共重合していても良い。
かかるポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定)は、通常工業繊維用素材として使用されるポリエステルと同じ範疇の0.7〜1.1範囲のものが好ましい。また、必要に応じて適宜艶消し剤、制電剤、安定剤などの添加剤またはアルカリ減量により繊維表面に微細孔やフィブリルを形成させる事の出来る添加剤などを含んでも良い。
さて本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは、上記のように繊維を構成するポリマー成分の少なくとも90モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位で構成されたポリエステル繊維からなり、マルチフィラメントを構成する各構成単糸の繊維軸に直交する断面形状がコア部とフィン部を有する異形繊維であることが必要である。
そして本発明はさらに下記要件を満たすものである。
a)繊維の強度が5cN/dtex以上であること。
b)フィン部が、コア部外表面からコア部中心点に対して交差状に突出し、かつコア部の長さ方向に沿って延在していること。
c)異型繊維の繊維軸に直交する断面における下記式(1)の空隙率が5〜25%であり、下記式(2)のコア断面積率が30〜45%であること。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積、C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積、とする)
本発明の高強力異型マルチフィラメント繊維は上記のような異型形状を取りながら繊維の高い強力を実現することにより、産業資材に適したマルチフィラメントとなったのである。
さらに本発明の高強力異型マルチフィラメントを構成する異型繊維としては、コア部外表面からコア部中心点に対して放射状に突出し、かつコア部の長さ方向に沿って延在する複数枚のフィン部が、複数枚のフィン部からなることが好ましい。フィン部の枚数が少なすぎると上記の空隙率が低くなり過ぎ、フィン部の枚数が多すぎるとコア断面率が大きくなりすぎる傾向にある。そのためフィン部の枚数としては4枚以上であることが好ましく、特には4枚であることが最も好ましい。このような繊維は図1に示されているような紡糸口金各吐出スリットを用いることにより、各吐出ポリマー同士のより高い貼り合せ性を得ることでき、安定して目的の単糸断面形状をえることができる。
本発明では、コア部外表面からコア部中心点に対して放射状に突出し且つ該コア部の長さ方向に沿って延在するフィン部を有する形状にすることでマルチフィラメント状態での単糸間の干渉による高い体積排除効果をえることができ、高い空隙形成率を得ることができるのである。
また、本発明のマルチフィラメントを構成する単糸数は好ましくは6本以上のマルチフィラメントであることが好ましく、さらには8〜500本、特には12〜250本の単糸から構成されていることが好ましい。このような本発明のマルチフィラメントはフィンを取り付けた事による体積排除効果がより有効に作用し、十分な嵩高さを得ることが可能となる。
本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは、各構成単糸の断面において、複数枚のフィン部先端で囲まれた領域内に存在する下記式(1)の単糸の空隙率が5〜25%であることが必要である。さらにはこの空隙率は15〜23%の範囲であることが好ましい。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積、とする)
このように各単糸の空隙率の値を低く抑えることにより、高強力の物性と嵩高性を両立させることができるようになったのである。なおここで空隙率は繊維軸に直交する繊維断面において、複数枚のフィン部先端を結んだ囲まれた領域(B)内に存在する、繊維を構成する高分子の面積(A)以外の空隙が占める割合である。なおこれらの領域の面積は電子顕微鏡写真から容易に得ることができる。
さらに本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは同時に、各構成単糸の断面において、複数枚のフィン部の付け根で囲まれた領域内に存在する下記式(2)の単糸のコア断面積率が30〜45%の範囲であることが必要である。さらにはこのコア断面積率は30〜40%の範囲であることが好ましい。
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
(ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積、とする)
このように各単糸のコア断面積率の値を高く設定することにより、上記の空隙率との組み合わせにより、本発明のマルチフィラメントは、高強力の物性と嵩高性をより高い次元で両立させることができるようになったのである。特には空隙率は15〜23%の範囲、コア断面積率は30〜40%の範囲の組み合わせで有ることが好ましい。なおここでコア断面積率は繊維軸に直交する繊維断面において、複数枚のフィン部のコア部に接する根本を結んで囲まれた領域(C)が、繊維を構成する高分子が占める面積(A)に対する割合である。なおこのコア部のC領域の面積は電子顕微鏡写真から容易に得ることができる。
この本発明の高強力異型マルチフィラメントの強度としては5cN/dtex以上であることが必要である。さらには5.5〜7.5cN/dtexの範囲であることが好ましい。このように高強力と高中空を両立させることは極めて困難であり、本発明では後に述べる高強力中空マルチフィラメントの製造方法により始めて得られたのである。
さらにマルチフィラメントの総繊度としては100〜1700dtexであることが好ましく、200〜1670dtexの範囲であることがさらに好ましい。またマルチフィラメントを構成する単糸の繊度としては2〜20dtexの範囲であることが好ましく、特には3〜15dtexの範囲であることが好ましい。
さて、このような本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは、例えば次のような方法にて製造することができる。
すなわち、ポリマー成分の少なくとも90モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位であるポリマーを口金から溶融吐出し、延伸する製造方法であって、図1に模式的に示された吐出形状を有する口金と口金下ヒーターを用いて紡糸する方法であり、吐出速度としては200〜800m/分で一旦巻き取りまたは巻き取ることなく、引き続き温度80〜150℃で、延伸負荷率80〜95%の延伸する製造方法である。
さらには口金下ヒーター条件としては、紡糸口金から吐出した繊維を加熱紡糸筒を使って遅延冷却させる条件が好ましく、より具体的な加熱紡糸筒としては、温度範囲が300〜400℃であることが好ましい。また加熱紡糸筒の長さは紡糸速度とも関係するのであるが、紡糸速度が200〜800m/分の場合、長さとしては40〜200mmの範囲であることが好ましい。なお紡糸速度としては400〜550m/分の範囲であることがさらに好ましい。
延伸することは、繊維の強力を発現させるために必要であり、上記のような延伸負荷率となるように具体的な延伸倍率としては2.0倍以上が好ましく、特には5.0〜6.0倍の範囲であることが好ましい。
このようにして得られる本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは、高強力であるにも関わらず、繊維横断面中に複数の単繊維の間に多くの空隙が多く形成させることができ、その結果繊維の見かけ比重が下がったマルチフィラメントとなる。例えばこの本発明の高強力異型マルチフィラメントを用いてロープやネットとした場合、適度な嵩や太さが有り取扱い易い製品を得ることが可能となった。高強力繊維を用いた場合、ロープやネットが細くなりすぎて視認性が低下する場合や、人に接する部分において切傷を生じるなどの問題があった。本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは嵩高とすることによりこれらの問題を有効に解消しうるのである。
また本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは、海苔の養殖用ネットなどにも有効に適用される。繊維の表面積が増え、よりその有効性が向上するのである。さらにはこの表面積の向上効果は接着性の向上にも寄与するため、各種のゴムや樹脂に対する補強用の繊維としても有効である。
この本発明の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントは、産業資材用ロープ、土木作業シート、ネット、漁網等の幅広い分野に最適に使用することができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で求めた。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用して35℃で測定した。
(2)空隙率(%)、コア部断面積率(%)
空隙率は、紡糸捲取したポリエステルマルチフィラメントのセクションを切り、単糸1本の繊維軸に直交する横断面写真(560倍以上35000倍以下)をSEM(走査電顕写真)により撮影し、写真画像の各単糸の繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積を面積Aとした。
またポリエステルフィラメント糸の繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積を面積Bとした。
そしてポリエステルフィラメント糸の繊維軸に直交する断面の、繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積を面積Cとした。
これら面積A〜Cを用い、以下の式により単糸空隙率およびコア部断面積率を求めた。測定は5箇所の繊維断面にて行い、その平均値を用いた。
空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積
B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積
C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだ領域の面積
[実施例1]
固有粘度が1.00のポリエチレンテレフタレートに295℃で溶融し、図1に示す吐出孔を72個有する紡糸口金より吐出した。吐出された糸条は、口金下で長さ45mm、温度320℃の加熱紡糸筒にて加熱、その後25℃、0.1Nm/分の風速で冷却し、オイリングローラーにてオイル付与し500m/分の速度にて巻き取った。得られた未延伸糸を温度90℃〜120℃で延伸負荷率88%延伸し、次いで温度180℃で熱セットを施し218dtex、強度6.9cN/dtex、伸度12.2%のポリエステル繊維を得た。フィンの数は4枚であり、コア部中空中心点に対してのフィンの向きは交差状であった。得られた繊維は空隙率22%の軽量感に優れたものであった。繊維軸断面のコア部断面積率が32%であり、延伸ローラー上での単糸切れもなく延伸に耐えうる高強力異型マルチフィラメントであった。
[実施例2]
延伸負荷率を88%から85%に変更した以外は、実施例1と同様に行い、異型ポリエステル繊維を得た。得られた繊維は、222dtex、強度6.7cN/dtex、伸度11.6%の産業用繊維としては十分な物性を有し、空隙率も20%と軽量感に優れたものであった。繊維軸断面のコア部断面積率は31%であり、延伸ローラー上での単糸切れもなく延伸に耐えうる高強力異型マルチフィラメントであった。
[比較例1]
延伸負荷率を88%から90%に変更した以外は、実施例1と同様に行い、異型ポリエステル繊維を得た。得られた繊維は、208dtex、強度7.6cN/dtex、伸度10.0%の物性を有したものの、空隙率は30%であった。しかし繊維軸断面のコア部断面積率は26%であり、延伸ローラー上での単糸切れが多く安定的な生産には支障があるものとなった。
[比較例2]
固有粘度が0.99のポリエチレンテレフタレートに305℃で溶融し、図1に示す吐出孔を72個有する紡糸口金より吐出した。吐出された糸条は、口金下で長さ100mm、温度330℃の加熱紡糸筒にて加熱、その後冷却しオイリングローラーにてオイル付与し500m/分の速度にて巻き取った。得られた未延伸糸を温度80℃〜100℃で延伸負荷率88%延伸し、次いで温度140℃で熱セットを施し149dtex、強度6.1cN/dtex、伸度8.3%のポリエステル繊維を得た。フィンの数は4枚であり、コア部中空中心点に対してのフィンの向きは交差状であった。得られた繊維の空隙率39%であったものの、繊維軸断面のコア部断面積率が20%であり、延伸ローラー上での単糸切れが多く安定的な生産には支障があるものとなった。
[比較例3]
延伸負荷率を88%から86%に変更した以外は、比較例2と同様に行い、異型ポリエステル繊維を得た。得られた繊維は、149dtex、強度6.4cN/dtex、伸度10.0%の物性であった。得られた繊維の空隙率32%であったものの、繊維軸断面のコア部断面積率が27%であり、延伸ローラー上での単糸切れが多く安定的な生産には支障があるものとなった。
A;繊維軸に直交する断面のポリマー部
B;フィン部の頂点を直線(鎖線)で結んだ領域
C;フィン部の付け根を直線(鎖線)で結んだコア部

Claims (4)

  1. コア部とフィン部からなる異型繊維の集合体であって、該異型繊維を構成するポリマー成分の少なくとも90モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位で構成され、かつ下記要件を満足することを特徴とする高強力異型ポリエステルマルチフィラメント。
    a)繊維の強度が5cN/dtex以上であること。
    b)フィン部が、コア部外表面からコア部中心点に対して交差状に突出し、かつコア部の長さ方向に沿って延在していること。
    c)異型繊維の繊維軸に直交する断面における下記式(1)の空隙率が5〜25%であり、下記式(2)のコア断面積率が30〜45%であること。
    空隙率(%)={(B−A)/B}×100 (1)
    コア断面積率(%)=(C/A)×100 (2)
    (ここで、A;繊維軸に直交する断面のポリマー部の面積、B;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の頂点を直線で結んだ領域の面積、C;繊維軸に直交する断面の、繊維軸長さ方向に延在するフィン部の付け根を直線で結んだコア部の面積、とする)
  2. フィン部の数が4本以上である請求項1記載の高強力異型ポリエステルマルチフィラメント。
  3. 集合体が異形繊維12本以上で構成されたマルチフィラメントである請求項1または2記載の高強力異型ポリエステルマルチフィラメント。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の高強力異型ポリエステルマルチフィラメントからなる繊維製品。
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