JP3953417B2 - 溶融紡糸方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多葉断面形状を有する異形断面繊維を溶融紡糸するための溶融紡糸方法及びそのための溶融紡糸口金に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を使用した合成繊維に関しては、円形断面を有するものが使用されている、しかしながら、円形断面に代えて高異形断面を有する繊維を衣料用途或いは産業資材用途に使用すると、例えば、嵩高で軽くてボリューム感のある繊維素材が得られるなどの円形断面を有する繊維とは異なった特性を有することとなる。
【0003】
そこで、今日に至るまで、偏平断面、トライローバル断面、十字葉断面等の多葉異形断面を有し、しかも、その異形度が大きな繊維を溶融紡糸する紡糸口金が色々と提案されてきた。なお、前記「異形度」とは、図2に示すように、溶融紡糸によって得られた繊維の横断面を電子顕微鏡によって写真として撮影し、撮影した繊維断面から図のようにして外接円と内接円とを求め、このようにして求めた外接円の直径と内接円の直径の差をとって、この差を外接円の直径で除した値に100を乗じた値として表され、この値が大きいほど異形度が大きいと称される。
【0004】
上記のような紡糸口金としては、例えば、特開平7−173708号公報において、紡糸口金の吐出面においてポリマー流路が単連結となる放射状のスリット形状に穿設した吐出孔において、中心孔の直径、フィン孔の幅、長さ、及びフィン孔先端に連結している先端孔の直径の組み合わせにより表される各種パラメータを規定した溶融紡糸口金、及び該溶融紡糸口金を用いて溶融紡糸する際に、該吐出孔を通る溶融ポリマーの吐出線速度を規定する溶融紡糸方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、このような紡糸口金を用いることで、確かに異形度が大きい繊維を得ることができるが、長期に渡って溶融紡糸を行った場合、ポリマーが吐出孔から吐出する際、ベイラス効果により吐出孔のエッジ部にポリマーが付着し、その付着ポリマーが長時間後には酸化劣化することで付着物となるため、ポリマーの吐出が良好に行なえず、ポリマーが吐出する時にベンディング等の吐出異常が発生し、ひどい場合には断糸が発生するという問題があった。そのため、生産を一時停止し、付着物を取り除く必要が生じ、生産性が悪くなるという問題があった。
【0006】
一方、従来より、異形度が大きい繊維を衣料用途に使用する際において、ソフト感、軽量感等を出すために異形繊維を混繊することが行われているが、この混繊は、異なった断面あるいは繊度を有する繊維を別々に製糸し、これらの繊維を空気ノズル等を使用して混繊する方法である。しかしながら、このような混繊方法では、工程が余分に必要となり、コストが高くなる欠点を有している。
【0007】
また、別々の紡糸口金から異形度が異なる繊維を紡糸し、これを紡糸混繊することも行われている。しかしながら、これらの方法は、あくまでも異形度の異なる吐出孔から別々に吐出された繊維を合わせた後、これらを混繊する方法であるため、ソフト感を与えるべくデニールを細くしていくに従い紡糸が困難となり、仮に紡糸ができても繊度が小さい糸が混繊された状態では、製編織工程などいわゆる後工程において断糸の発生や取り扱い不良等が生じる。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−173708号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた従来法の欠点に鑑み、本発明は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の多葉異形断面を有する熱可塑性繊維を溶融紡糸した際に、紡出された繊維の異形度を大きくでき、溶融紡糸時に吐出孔の周囲に付着する付着物を発生を押え、長期間に渡り安定的に紡糸が行える溶融紡糸方法とその紡糸口金を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
ここに、以上に述べた課題を解決するために、請求項1に記載の本発明として、「中心部に中心孔、前記中心孔の中心方向から半径方向へ向って放射状に延びて形成された3〜5個のスリット状フィン孔群、及び前記フィン孔の各先端部に形成された先端孔群を有し、且つ前記中心孔、前記フィン孔群及び前記先端孔群が連通する吐出孔から熱可塑性ポリマーを紡出して異型断面繊維を溶融紡糸する方法において、
前記中心孔部から吐出されるポリマーの吐出流量をQ1(mm3/min)、前記フィン孔部から吐出されるポリマーの吐出流量をQ2(mm3/min)、そして、前記先端孔部から吐出されるポリマーの吐出流量をQ3(mm3/min)とし、これらQ1、Q2及びQ3を下記式(1)〜(3)で定義した場合に、1.0≦Q1/(Q2+Q3)≦3.5という条件で溶融紡糸することを特徴とする溶融紡糸方法。
Q1=πD 1 4 ΔP/(128Lμ) ・・・・ (1)
Q2=HW 3 ΔP/(12Lμ) ・・・・ (2)
Q3=πD 2 4 ΔP/(128Lμ) ・・・・ (3)
ただし、上記(1)〜(3)式において、πは円周率であって、吐出孔長をL(mm)、前記中心孔の直径をD 1 (mm)、前記フィン孔の長さをH(mm)、前記フィン孔の幅をW(mm)、及び前記先端孔の直径をD 2 (mm)、そして、前記吐出孔での入側と出側とで生じるポリマーの圧力降下値をΔPとする。」が提供される。
【0011】
その際、請求項2に記載の本発明のように、「前記吐出孔から吐出されるポリマーの全吐出流量Q(mm 3 /min)である(Q1+Q2+Q3)を吐出孔の断面積A(mm 2 )で除した値である吐出速度V(mm/min)に関して、ポリマーの吐出線速度V(mm/min)が 1000≦V≦4000 であることを特徴とする請求項1記載の溶融紡糸方法」とすることが好ましい。
【0012】
さらに、請求項3に記載の本発明のように、「前記吐出孔の形状が、1.0≦0.025D1 4/(0.083HW3+0.025D2 4)≦3.5」という関係式を満足する請求項1又は請求項2に記載の溶融紡糸方法とすることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明で言う熱可塑性ポリマーについては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ナイロン66およびナイロン6等のポリアミド類、及びそのようなポリマーの共重合体及び混合物を例示でき、その中でも、ポリエステルが特に好ましい。なお、ここで言うポリエステルとは、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリコールを主たるジオール成分とするポリエステルを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含有するポリエステルであり、該ポリエステルには、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分や上記とは異なる他のグリコール成分を共重合していても良い。
【0014】
以下、前記ポリマーを使用する本発明の溶融紡糸方法とその装置に関する実施の態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
ここで、図1は、本発明の高異形度を有する多葉形状断面を有する繊維を溶融紡糸するために、紡糸口金に穿設された吐出孔形状について2つの実施形態を例示した模式平面図であって、図(a)は、4葉形状断面を有する異型断面繊維、図(b)は3葉形状断面を有する異型断面繊維をそれぞれ示す。
【0016】
ここで、前記図1において、1は円形形状を有する中心孔、2はフィン孔、そして、3は円形形状を有する先端孔それぞれ表している。なお、D1は中心孔の直径(mm)、Hはフィン孔の長さ(mm)、Wはフィン孔の幅(mm)、そして、D2は先端孔の直径(mm)それぞれ表し、図1(a)では4個のフィン孔2群、そして、図1(b)では3個のフィン孔2群が前記中心孔1の中心方向から半径方向へ向って放射状に延びて形成されており、更に、前記各フィン孔2に対応して、先端孔3が前記各フィン孔2の先端部にそれぞれ穿設されている。
【0017】
なお、前記フィン孔2の穿設数量については、3〜5個とするのが好ましい。何故ならば、フィン孔2の穿設個数が1〜2個の場合は、紡出された異型断面繊維の横断面形状が扁平形状となってしまい、嵩高で軽くてボリューム感がある繊維素材を得ることが難しいため好ましくない。また、6個以上になると、隣接するフィン孔2から吐出されたポリマー同士が接触しやすくなって、安定した紡糸ができなくなり、また、得られる異型断面繊維の異形度も小さくなるため、好ましくない。
【0018】
したがって、本発明においては、前記フィン孔2の穿設個数は、3〜5とすることが好ましいが、このような吐出孔を有する異型断面繊維を溶融紡糸するには、更に、前述のように吐出孔を構成する中心孔、フィン孔、そして、先端孔のそれぞれから吐出されるポリマーの吐出流量を特定の関係に維持することがきわめて重要である。そこで、この点について、以下に図2を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図2は、吐出孔を構成する中心孔1、各4フィン孔2、及び各先端孔3のそれぞれから吐出される吐出量を参照符号Q1、Q2、及びQ3でそれぞれ表したことを説明するための図である。つまり、この図2によれば、中心孔1から吐出流量がQ1(mm3/min)のポリマーが吐出され、4個のフィン孔2群のそれぞれから吐出流量Q2(mm3/min)のポリマーが吐出され、また、4個の先端孔3群のそれぞれから吐出流量Q3(mm3/min)のポリマーが吐出されることを表している。
【0020】
以上に述べたような吐出孔形状を有する紡糸口金を使用して、溶融された熱可塑性ポリマーが吐出孔から吐出されると、その後、繊維化するために、冷却、細化されるが、このとき、得られる繊維の異形度は口金の吐出孔形状より小さくなる。このため、得られる繊維の異形度を予測して、経験的に口金の吐出孔形状を決定する必要がある。具体的には、必要とされる異型断面繊維の異形度に比べ、口金の吐出孔の異形度を大きくすることで、所要の異形度を有する繊維を得るのである。ただし、吐出孔の異形度を大きくするだけでは、希望する異形度を有する繊維を得ることは難しく、吐出孔内の吐出量分布を制御することが重要である。
【0021】
そこで、本発明者等は、異形度が大きな異型断面繊維を安定に溶融紡糸するために様々な実験を繰り返し行っている中で、その理由は詳細には分らないが、驚くべきことに、各フィン孔2からのポリマーの吐出量Q2と各先端孔3からのポリマーの吐出量Q3とを加算したポリマー吐出量(Q2+Q3)と、中心孔1からのポリマーの吐出量Q1との間で、1.0≦Q1/(Q2+Q3)≦3.5という条件を満足させれば良いことを究明したのである。なお、以下、Q1/(Q2+Q3)で表される値をSと定義して説明を行う。
【0022】
つまり、本発明においては、S値が1.0未満の場合とは、その定義式から明らかなように、中心孔1から吐出されるポリマーの吐出流量と比較して、一つのフィン孔2とその先端孔3とから吐出されるポリマーの吐出流量が多いことを意味している。したがって、このような場合には、得られる繊維の異形度は大きくなるが、その反面で、異形度が大きすぎて、かえって、紡糸時に異型断面繊維のフィン部に折れや曲がりが発生し、繊維の均一性が得られなくなる。したがって、このような場合は、安定紡糸と良好な異型断面が得られず、好ましくない。また、前記S値が3.5を超えると、中心孔1から吐出されるポリマーの吐出量に比べ、一つのフィン孔2とその先端孔3とから吐出されるポリマーの吐出流量がかなり少なくなるため、得られる繊維の異形度が小さくなり、好ましくない。つまり、1.0≦S≦3.5を満たす範囲でのみ、所要の異形度を有する異型断面繊維を安定的に製造することが可能となるのである。
【0023】
本発明における吐出孔に関して、その中心孔1、フィン孔2群、及び先端孔3群とにおいて、前記中心孔の直径:D1(mm)、前記フィン孔の長さ:H(mm)、前記フィン孔の幅:W(mm)、及び前記先端孔の直径:D2(mm)が、1.0≦0.025D1 4/(0.083HW3+0.025D2 4)≦3.5という関係式を満足することを一大特徴とする。そこで、このような関係が成立する理由について、以下に説明する。
【0024】
本発明においては、一つの吐出孔には同一のポリマーが導入され、かつ、その際の吐出孔内温度は同一に保たれていると仮定することができるため、吐出孔を構成する中心孔1、フィン孔2群、及び先端孔3群におけるポリマーの溶融粘度は同一と考えることができる。また、吐出孔の入側圧力と出側圧力は、中心孔1、フィン孔2群、及び先端孔3群においてもそれぞれ一定値に保たれていると仮定すると、これらの各部で圧力降下値(ΔPで表す)も同一とみなすことができると考えて良い。更に、ポリマーの流れは、おおよそハーゲン・ポアズイユの式を満足するものと考えられる。なお、吐出孔長L(mm)は、一般にランド長と呼ばれるが、このランド長Lも中心孔1、各フィン孔2、及び先端孔3において同一としている。
【0025】
前述のように考えると、中心孔1、各フィン孔2、及び先端孔3から吐出されるポリマー流量Q1(mm3/min)、Q2(mm3/min)、及びQ3(mm3/min)はそれぞれ下記式(1)〜(3)のように表される。
Q1=πD1 4ΔP/(128Lμ) ・・・・ (1)
Q2=HW3ΔP/(12Lμ) ・・・・ (2)
Q3=πD2 4ΔP/(128Lμ) ・・・・ (3)
【0026】
次に、上記(1)〜(3)式より求められる、Q1、Q2、及びQ3をS=Q1/(Q2+Q3)に代入すると、S=(π/128)D1 4/((1/12)HW3+(π/128)D2 4)となる。なお、ここで、(π/128)と(1/12)の値をそれぞれ0.025と0.083で近似すると、S=0.025D1 4/(0.083HW3+0.025D2 4)となる。また、S値は1.0≦S≦3.5を満足するから、1.0≦0.025D1 4/(0.083HW3+0.025D2 4)≦3.5という吐出孔形状を定義することができる。
【0027】
したがって、前記の1.0≦0.025D1 4/(0.083HW3+0.025D2 4)≦3.5という式を満足する中心孔1、フィン孔2群、及び先端孔3群を有する吐出孔形状とすることによって、紡糸調子が安定し、かつ異形度が大きな異型断面繊維を得るという本発明目的を達成することができるのである。
【0028】
ところが、本発明の溶融紡糸方法において、更に、紡糸調子の安定化を図ろうとするならば、ポリマーの吐出の妨げとなる吐出孔周辺の付着物を抑制しつつ、品質の良好な繊維を得ることが好ましい。したがって、これを具現化するためには、吐出孔から吐出されるポリマーの吐出流量Q(mm3/min)を吐出孔の断面積A(mm2)で除した値である吐出速度V(mm/min)を1000以上4000以下とすることが好ましい。
【0029】
なぜなら、4000を超える場合は、ポリマーが吐出孔から吐出する際、ベイラス効果により吐出孔のエッジ部にポリマーが付着し、その付着ポリマーが長時間経過後に酸化劣化して付着物となるため、ポリマーの吐出を良好に行えない。逆に、前記Vが1000より小さい場合には、付着物の生成は十分抑制できるものの、繊維特性を決定するポリマーの配向結晶化が促進されすぎるため、好ましくない。また、配向結晶化が促進されるのを防止するためには、巻取速度を低くする必要があるが、巻取り速度が低下すると、生産性が低下する。更に、Vが1000より小さい場合には、溶融ポリマーの吐出圧力も低くなるため、各吐出孔へのポリマー分配が良好に行えなくなくなって、マルチフィラメントを溶融紡糸する場合には、紡出された単繊維間の太さ斑(繊度斑)が発生するので好ましくない。
【0030】
【実施例】
[実施例1〜5、比較例1〜4]
艶消し剤として0.35wt%の酸化チタンを含む固有粘度[η]0.630のポリエチレンテレフタレートを中心孔から放射状にフィン孔、先端孔を4個づつ有する吐出孔を24個備えた紡糸口金から290℃で溶融後吐出し、横吹き紡糸筒内で冷却しながら、捲取を実施した。その際、吐出孔の中心孔の直径D1(mm)、フィン孔のスリット長さH(mm)、スリット幅W(mm)、先端孔の直径D2(mm)を変更することで、形状パラメータS、及び吐出速度(m/min)を種々変更し、口金面清掃なしで3日間の連続紡糸を行った。
なお、吐出孔各部の寸法および各式の値を表1に示す。得られた繊維の断面形状、異形度、紡糸安定性の良否を表2に示す。
【0031】
また、ここで、ポリマーの固有粘度、繊維断面の異形度算出方法、及び繊維の断面形状、紡糸安定性の評価方法について、以下に示す。
(1)固有粘度[η]
0.6g/50mlのオルソクロロフェノール溶液により35℃で測定した値から算出した。
(2)繊維断面の異形度(%)
外接円と内接円とを求め、外接円の直径と内接円の直径の差を外接円の直径で除した値に100乗じた値で表し、この値が大きいほど異形度が大きいと称する。
(3)繊維断面形状
◎:非常に良好。異型度が大きく、繊維方向に渡って変動がない。
○:良好。異型度は大きいが、繊維方向に渡って若干の変動がある。
△:やや不良。異型度が小さいか、繊維方向に渡って変動がある。
×:不良。異型度が小さく、繊維方向に渡って変動がある。
(4)紡糸安定性
◎:非常に良好。紡糸中の断糸がない。
○:良好。若干のベンディングは見られるが、紡糸中の断糸がない。
△:やや不良。紡糸中に2〜3回の断糸が発生。
×:不良。紡糸中に4回以上の断糸が発生。
【0032】
【表1】
Figure 0003953417
【0033】
【表2】
Figure 0003953417
【0034】
実施例1〜5については、本発明の溶融紡糸口金、及び溶融紡糸方法を採用したため、異形度、繊維断面形状、紡糸安定性とも良好であった。一方比較例1〜4においては、それらのうちの一つ、或いは全てを許容できるものではなかった。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の溶融紡糸方法とそれに用いる溶融紡糸口金を用いて、異形断面繊維を製造することにより、異形度が高い繊維を得ることができると共に、吐出孔周辺での「付着物」の付着の発生を抑えることができるため、断糸を抑え、長期にわたり安定な製糸が可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶融紡糸口金の吐出孔形状に関し、その2つの実施形態を模式的に例示した平面図である。
【図2】本発明の溶融紡糸口金に穿設された吐出孔の各部から吐出されるポリマーの吐出流量の説明図である。
【図3】異形断面繊維の異形度の定義を説明するための説明図面である。
【符号の説明】
1 中心孔
2 フィン孔
3 先端孔

Claims (3)

  1. 中心部に中心孔、前記中心孔の中心方向から半径方向へ向って放射状に延びて形成された3〜5個のスリット状フィン孔群、及び前記フィン孔の各先端部に形成された先端孔群を有し、且つ前記中心孔、前記フィン孔群及び前記先端孔群が連通する吐出孔から熱可塑性ポリマーを紡出して異型断面繊維を溶融紡糸する方法において、
    前記中心孔部から吐出されるポリマーの吐出流量をQ1(mm3/min)、前記フィン孔部から吐出されるポリマーの吐出流量をQ2(mm3/min)、そして、前記先端孔部から吐出されるポリマーの吐出流量をQ3(mm3/min)とし、これらQ1、Q2及びQ3を下記式(1)〜(3)で定義した場合に、1.0≦Q1/(Q2+Q3)≦3.5という条件で溶融紡糸することを特徴とする溶融紡糸方法。
    Q1=πD 1 4 ΔP/(128Lμ) ・・・・ (1)
    Q2=HW 3 ΔP/(12Lμ) ・・・・ (2)
    Q3=πD 2 4 ΔP/(128Lμ) ・・・・ (3)
    ただし、上記(1)〜(3)式において、πは円周率であって、吐出孔長をL(mm)、前記中心孔の直径をD 1 (mm)、前記フィン孔の長さをH(mm)、前記フィン孔の幅をW(mm)、及び前記先端孔の直径をD 2 (mm)、そして、前記吐出孔での入側と出側とで生じるポリマーの圧力降下値をΔPとする。
  2. 前記吐出孔から吐出されるポリマーの全吐出流量Q(mm 3 /min)である(Q1+Q2+Q3)を吐出孔の断面積A(mm 2 )で除した値である吐出速度V(mm/min)に関して、ポリマーの吐出線速度V(mm/min)が 1000≦V≦4000 であることを特徴とする請求項1記載の溶融紡糸方法。
  3. 前記吐出孔の形状が、1.0≦0.025D1 4/(0.083HW3+0.025D2 4)≦3.5」という関係式を満足する請求項1又は請求項2に記載の溶融紡糸方法。
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