JP6701822B2 - 溶融紡糸用パック - Google Patents

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本発明は熱可塑性樹脂を溶融紡糸する繊維の製造工程に用いられる溶融紡糸用パック(以下パックと記す)に関するものである。さらに詳しくは、パックのポリマー流入部と濾過部の間をシールするガスケットと整流板とを一体で構成することで、安価に、溶融ポリマーが濾過部に流入する箇所での異常滞留を抑制し、均質な品質で良好な製糸性を得ることを可能とした溶融紡糸用パックに関するものである。
溶融紡糸に用いられる従来の溶融紡糸用パックとしては、図5に示すような構造のもが一般的である。この溶融紡糸パックは、ボデー(1)の中に下部から順に口金(2)、濾層ブロック(3)、ポリマー流入ブロック(4)を積層し、ロッキングリング(5)で固定するように構成されている。口金(2)と濾層ブロック(3)の間および濾層ブロック(3)とポリマー流入ブロック(4)の間には、それぞれガスケット(6)、(7)が備わっている。また、濾層ブロック(3)の内側には、下部から順に濾過フィルター(8)、細粒砂等の濾材(9)とその上に整流板(10)が置かれている。
一般に熱可塑性樹脂を溶融紡糸する繊維の製造に関しては、原料であるチップを押出機で溶融混練し原料ポリマーとなし、配管を経由して溶融紡糸用パックに導く。ポリマー入り口(11)から導入されたポリマーは整流板(10)で濾層上に分配され、異物を除去するための濾過フィルター・濾材から成る濾層を通り、ポリマーを口金(2)の吐出孔から紡糸して繊維を得る。
しかし、上記構成の溶融紡糸用パックでは、ポリマーがポリマー流入ブロック下部から濾層上に分配されるとき、濾層上端部(12)において異常滞留を発生する場合が多く認められる。
一般に濾材は粒度、粒径などの異なるサンドを積層させ、例えば、粗い粒径のサンドを上部に、そして、順次粒径の細かいサンドを重ねることでポリマーに混入した不純物の粗大異物から順番に異物を捕捉し、急激な濾圧上昇を抑える工夫をしている。ここにおいて、何らかの要因、例えば、組み立てや締め付け時の不備、紡糸機等への運搬時の不具合、パック取り付け時の傾き、さらにはポリマーが流入する際の流動の影響等により濾材が傾くと、これに伴い濾材の上に載置した整流板も同様に傾くことになる。このように、整流板が規定の位置から傾いた状態になることで、ポリマー流入ブロックと整流板の隙間に偏りが生じる。隙間の大きい箇所では、ポリマーの流速が低下するため、異常滞留が発生しやすくなる。この異常滞留はポリマーの劣化を促進するので時間の経過とともにポリマーを変質させる。この変質ポリマーが糸条に混入することで糸切れを誘発したり、糸条の品質ムラが生じていた。
ポリマーの異常滞留を最小限に抑え、高品質で製糸性が良好な溶融紡糸用パックに関しては従来から種々の検討がなされてきている。
例えば、特許文献1には、整流孔が多孔板の中心から同心円を描くように配置された多孔板において、その配置を規定することで、ポリマーの異常滞留と劣化に起因する糸切れなど、糸質斑の発生を低減することのできる溶融紡糸パックが開示されている。しかしながら該技術では孔の無い外周部は異常滞留になりやすく、ポリマー孔の圧損が大きく、初期圧が大きくなり過ぎ、このため初期圧をさげるために濾過を甘くせざるを得ない。濾過強化する場合には、部材を大きくする必要があり、取り扱い性が低下し、繰り返し使用する場合には洗浄が困難になる等の問題が生じる。
特許文献2は、濾砂の傾斜やくぼみが生じてポリマーが異常滞留することを防ぐために、下方向に末広がりのテーパを有するガスケットを濾砂の上部に濾過板を載置して、濾砂を押さえ、傾きを解決する技術が開示されている。しかしながら、濾過板はガスケットと結合されていないため、濾過板が動きやすく、また、濾砂が少ないと濾過板を固定できない欠点がある。
また、特許文献3には、ポリマーの異常滞留と劣化に起因する糸切れなどの工程トラブルと、糸質斑の発生とを低減させるために、溶融ポリマー流路の間隔を常に一定に維持するための流路間隔形成部材を設けて異常滞留を減少させる技術が開示されている。しかしながら該技術は、流路間隔を一定にするために複雑な形状をした部材を使用することとなり、製作費用が高く、かつ解体性が劣るなどの課題が多く認められる。
熱可塑性樹脂を溶融紡糸する繊維の製造工程においては、紡糸配管、特に紡糸パック内にポリマーの滞留が発生すると、熱的に変質して粘度ムラが生じる。これらの粘度ムラを有するポリマーが糸条に混入すると微少な粘度ムラであっても糸条は極めて細いために、品質ムラが顕在化し、紡糸時の糸切れを誘発することになる。このようなパック内のポリマー滞留、粘度ムラを軽減、解消すべく種々の検討がなされてきたが未だ満足の出来る状況に至っていないのが実状である。
近年、化学繊維の多糸条化、細繊度化、高強力化、高品質化の要求が益々高くなってきている。これらの要求を満足する、品質が均一で、良好な製糸性の得られる技術が待ち望まれていた。
特開2000−265316号公報 実用新案公告昭50−16082号公報 特開2003−342827号公報
溶融紡糸用パックにおいて、パックのポリマー流入部と濾過部の間をシールするガスケットと整流板とを一体で構成することで、濾層の形状にかかわらず濾層の傾きが無く適用が可能となり、ポリマーの異常滞留と劣化に起因する糸切れなど、品質ムラの発生を低減する。
すなわち、本発明の課題は、以下の構成により解決できる。
1.ポリマー流入部、濾過部、および紡糸口金部の順で構成された溶融紡糸用パックにおいて、ポリマー流入部と濾過部の間をシールするガスケットを備え、かつ該ガスケットが整流板と一体で構成されたガスケット一体整流板であり、該整流板部分の板厚tが0.1〜5.0mmであることを特徴とする溶融紡糸用パック。
2.ガスケット一体整流板の整流板部分が2箇所以上の結合部を有する分配部と2箇所以上のポリマー通路部で構成されていることを特徴とする上記1に記載の溶融紡糸用パック。
.ポリマー通路部が円弧で構成され、かつ円弧の最小半径が板厚tに対して0.25t以上であることを特徴とする上記2記載の溶融紡糸用パック。
.ガスケット一体整流板のガスケット部、結合部の最小幅が板厚tに対して0.5t以上であることを特徴とする上記2または3に記載の溶融紡糸用パック
.ガスケット一体整流板の材質がアルミ材、ステンレス材、鋼材のいずれかであることを特徴とする上記1〜のいずれか一項に記載の溶融紡糸用パック。
本発明の溶融紡糸用パックは、パックのポリマー流入部と濾過部の間をシールするガスケットと整流板とを一体で構成することで、濾層の形状にかかわらず濾層の傾きが生じることが無く適用が可能となり、ポリマーの異常滞留と劣化に起因する糸切れなど、品質ムラの発生を低減することができる。
図1は、本発明の一実施態様の紡糸パックにおける概略正面断面図である。 図2は、本発明の一実施態様の内、2つのポリマー通路部を有するガスケット一体整流板の模式図である。 図3は、本発明の一実施態様の内、4つのポリマー通路部を有するガスケット一体整流板の模式図である。 図4は、本発明のガスケット一体整流板における、ガスケット部、分配部、結合部、ポリマー通路部を説明するための模式図である。 図5は、従来の紡糸パックにおける概略正断面図である。 図6は、従来の紡糸パックにおける整流板の模式図である。 図7は、実施例1で採用したガスケット一体整流板である。 図8は、実施例2で採用したガスケット一体整流板である。 図9は、比較例1で採用したガスケットである。 図10は、比較例1で採用した整流板である。
次に、本発明の実施形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の溶融紡糸用パックの一実施態様例を示す模式図である。
図1において、1はボデー、2は口金、3は濾層ブロック、4はポリマー流入ブロック、5はロッキングリング、6はガスケット(口金直上)、13はガスケット一体整流板、8は濾過フィルター、9は濾材、11はポリマー入り口である。
次にポリマーの流れを説明する。パック部に供給された溶融ポリマーは、ポリマー流入ブロック(4)内のポリマー入り口(11)からガスケット一体整流板(13)を通過する。そして、濾層ブロック(3)に設けられた不純物を濾過するため微細なサンドで構成された濾層部の濾材(9)を通過する。さらに、サンド層で捕獲できずに通過した不純物を濾過フィルター(8)で最終的に捕捉する。クリーンになったポリマーは濾層ブロック(3)下部の多孔部(14)に送られる。ここでポリマーは多孔部(14)に複数穿設された貫通孔の導入口から排出口へ通過する。多孔部(14)を通過したポリマーは、ポリマー溜めに一旦集められた後、口金(2)へと導かれる。なお、5はボデー(1)とポリマー流入ブロック(4)とを嵌合するロッキングリングである。
図2、3はガスケット一体整流板の一実施態様示した模式図である。
図4は、2つのポリマー通路部を有するガスケット一体整流板の構成を説明するための模式図である。
以下、図1〜4を用いてポリマーの流れを詳細に説明する。
溶融されたポリマーはポリマー流入部に備えられたポリマー入り口(11)から流入し、ポリマー流入部直下の濾層部をシールするガスケット一体整流板(13)に到達する。ガスケット一体整流板(13)は濾層部壁面のポリマーが異常滞留を起こさないように濾層部の外周形状に沿った形状のポリマー通路部(18)を有することで、ポリマーは濾層部の外周を経由するように整流され、濾層部に充填された濾材(9)へと流れる。
本発明のガスケット一体整流板は周囲に濾層ブロック(3)とポリマー流入ブロック(4)に挟まれ、押圧されることでシール性を発揮するガスケット部(15)と整流板部分から構成される。整流板部分は、ガスケット部(15)と2箇所以上で結合する結合部(17)を有する分配部(16)と、2箇所以上のポリマー通路部(18)から構成されることが好ましい。2ヶ所以上の結合部とすることで、十分な強度で分配部(16)を維持することができる。そして、2ヶ所以上の結合部を有することで、おのずとポリマー通路部は2ヶ所以上となるのである。仮に1ヶ所の結合部、1ヶ所のポリマー通路部で十分な強度を維持した構成とするためには、結合部の幅を大きくする必要があるので、その結果として結合部の下部のポリマーは異常滞留となる不具合を生じるので好ましくない。
本発明のガスケット一体整流板の整流板部分は板厚tが0.1〜5.0mmの板材であることが好ましい。板厚tが0.1mm〜5.0mmの範囲であれば、十分な強度を保つことが可能となり、かつ、打ち抜き加工が容易にできるため、寸法精度の再現性がよく、また、大量生産に向いているのでコスト的にも好ましい。板厚tが0.1mm以上であると打ち抜き加工性が良好となるばかりでなく、シール性も良好であり、かつ分配部の強度が充分となる。加工性の観点、および材料費コストの観点から板厚tは5.0mm以下が好ましい。
本発明のガスケット一体整流板は、ポリマー通路部を構成する形状の内、円弧の最小半径が板厚tに対して0.25t以上であることが好ましい。
これは、前述したように打ち抜き加工における金型の刃の強度の維持、金型の刃の消耗抑制、寸法精度の再現性の観点から望ましい。なお、直線形状を構成することも可能なため、上限は規定されない。結合部の幅も金型の刃の強度の維持、金型の刃の消耗抑制、寸法精度の再現性の観点から0.5t以上とすることが望ましい。なお、上限は結合部下部の異常滞留抑制の観点から5.0mm程度である。
本発明のガスケット一体整流板の材質はアルミ材、ステンレス材、鋼材のいずれかであることが好ましい。ガスケット一体整流板にかかるポリマーの圧力は30MPa程度の高圧になり、かつポリマーが付着した紡糸終了後の部材は加水分解装置等で分解・洗浄して再利用するためには400℃程度の高温にも耐える必要があるので前記材質の採用が好適である。また、これらの材質はガスケットとしてのシール性も良好である。さらに、打ち抜き加工性、加工の精度、品質を維持しやすく、高温・高圧の使用条件にも十分耐えうるので好ましい。
本発明で適用する熱可塑性樹脂は、溶融紡糸可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリエチレンナフタレート、などに代表されるポリエステル、あるいはナイロン6、ナイロン66などに代表されるポリアミド、ポリフェニレンサルファイドなどを例示することができる。その中でも特に、本発明の溶融紡糸用パックは、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル繊維とナイロン6、ナイロン66を主成分とするナイロン繊維の製造において良好な結果が得られる。前記熱可塑性樹脂は本発明の効果を損なわない限り共重合成分を加えてもよい。ポリエステル系の熱可塑性樹脂の場合には共重合成分の例として、酸成分にはイソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルキシエンタンカルボン酸、オキシエトキシ安息香酸等の二官能性芳香族カルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸等の二官能性脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。グリコール成分にはプロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAや、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールが挙げられる。さらに、添加物として酸化防止剤、制電剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤等を適宜添加してもよい。
次に一例として本発明を用いたナイロン66フィラメントの製造方法について説明する。ナイロン66フィラメントの製造工程は、主にナイロン66を溶融させ、口金より吐出、冷却させた上、一定速度のローラーで引き取る紡糸工程、引き取った未延伸糸を延伸・熱処理する延伸工程、延伸した糸条を巻き取る巻取工程、の3つ工程に分かれる。
紡糸工程は公知の溶融紡糸方法を採用すればよく、押出機によって溶融させたナイロン66を所望の繊度となるように計量ポンプを用いて本発明の溶融紡糸用パックに供給し糸条を吐出させる。
冷却方式はチムニーエアーによる冷却を採用することが好ましい。チムニーエアーによる冷却は、例えば糸条の走行方向に対して略直角方向かつ一方向から吹き付ける方式や糸条の走行と略直角方向かつ全周方向から吹き付ける方式を用いることができる。
冷却した糸条をローラーで引き取る前に、紡糸油剤を付与することが好ましい。油剤は給油ガイドやオイリングローラーによって糸条に付与すればよい。
給油した糸条は、好ましくは表面速度300〜5000m/分の引取りローラーで引取る。その後、一旦未延伸糸として巻き取ってから延伸する二工程法、そのまま延伸工程に給糸する直接紡糸延伸法のどちらを採用してもよい。
延伸工程では、均一延伸を目的に、冷ローラーまたは糸条をガラス転移点以上に加熱するホットローラーと、このホットローラーよりも表面速度が速く、結晶化温度以上に加熱するホットローラーに順次引き回し延伸を施す方法が好ましい。ホットローラーの温度や延伸倍率は目標とする物性によって選択すればよい。また、そのホットローラー間に、さらにホットローラーを設置し、いわゆる多段延伸とすれば延伸均一性が向上するためより好ましい。延伸された糸条がモノフィラメントであればそのまま巻き取り工程へと進む。マルチフィラメントの場合は糸条の収束性を増しバラケをなくし、取り扱い性を向上させ、糸切れを減少させるためにエアーノズルにて交絡処理を行うのが一般的である。
巻き取り工程では、延伸されたフィラメントを巻き取るが、所望のパッケージが得られれば、特に巻き取り方法については限定されるものではない。
以下本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1
常法によって重合およびペレット化した98%硫酸相対粘度ηr=2.64のナイロン66をエクストルーダーによって溶融させた。
その後、溶融したポリマーを、1パックあたりの吐出量50.0g/分、紡糸温度280℃、紡糸速度4000m/分で溶融紡糸し、ナイロン66フィラメントのパッケージを得た。その際の詳細条件は以下の通りである。
本発明の溶融紡糸用パックは、濾過部の直径が62.0mm、濾過には最下部に50メッシュの金網フィルターと濾過精度10μmの不織布フィルター(一般に濾過精度とは、フィルターを通すことにより除去できる粒子の大きさをいう。)、粒径の異なるモランダムサンドを20メッシュ140g/180メッシュを濾層ブロックに満杯になるよう順次積層させた。
次に本発明のガスケット一体整流板は図7の形状のものを採用した。すなわち、板厚1.0mm、外径70.0mm、ガスケット部の幅が4.0mm、ポリマー通路部はガスケット部の内側に円周方向に幅2.0mmで2穴とし、また整流板の中心に内径2.0mmを設けて合計3穴とした。ここにおいて、幅2.0mmの結合部が2ヶ所、かつポリマー分配部を配したものを用いた。また、ガスケット一体整流板の材質はSUS304とした。
72時間連続紡糸した結果、糸切れはなく、14日間連続紡糸した結果も糸切れ回数1回と良好な紡糸結果を得た。
紡糸終了後、パック部材を解体して濾層部を確認した結果、モランダムサンドの傾きは認められず良好な状態を保っていた。また、濾層上部をブラックライト下で観察した結果、濾層上部に残留した劣化ポリマーによる蛍光物は見られなかった。
実施例2
ガスケット一体整流板を図8の形状のものに変更した以外は、実施例1と同様の条件にて紡糸を行った。すなわち、ガスケット一体整流板は外径70.0mm、ガスケット部の幅が4.0mm、ポリマー通路部はガスケット部の内側に円周方向に幅2.0mmで4穴、幅2.0mmの結合部が4ヶ所、かつポリマー分配部を配したものを用いた。
72時間連続紡糸した結果、糸切れはなく、14日間連続紡糸した結果も糸切れ回数2回と良好な紡糸結果を得た。
紡糸終了後、パック部材を解体して濾層部を確認した結果、モランダムサンドの傾きは認められず良好な状態を保っていた。また、濾層上部をブラックライト下で観察した結果、濾層上部に残留した劣化ポリマーによる蛍光物は見られなかった。
比較例1
ガスケット(濾層ブロック上)(7)と整流板(10)が各々別々の部材より成り立っている従来タイプのパック部材を用い、それ以外は実施例と同様の条件でナイロン66フィラメントの紡糸を行った。
なお、ガスケット(7)、および整流板(10)は図9,10の形状のものを採用した。すなわち、ガスケットの板厚は1.0mm、外径は70.0mm、内径は濾過部の直径と同じ62.0mmとした。整流板は板厚1.0mm、外径58.0mm、中心に内径2.0mmの穴を配し、外周部に直径方向に長さ1.8mm、幅2.0mmの突起を等間隔に3箇所配した。
72時間連続紡糸した結果、糸切れ3回であり、14日間連続紡糸した結果も糸切れ回数11回と糸切れが多発し、紡糸性は不良であった。
紡糸終了後、パック部材を解体して濾層部を確認した結果、整流板とモランダムサンドの傾きが認められた。また、濾層上部をブラックライト下で観察した結果、濾層上端部(12)に残留した劣化ポリマーによる蛍光物が見られた。その箇所は、整流板とモランダムサンドが傾き、整流板が沈み込んだ部分と一致した。
これは、整流板とモランダムサンドが傾き、ポリマーが流れる空間が一方で狭く、一方が反対に広くなったことにより、空間の広くなった箇所でのポリマー流速が低下し、異常滞留が発生したために起こった現象である。
本発明のガスケット一体整流板を組み込んだ溶融紡糸用パックを用いることで、濾層の形状にかかわらず濾層の傾きが無く適用可能となり、ポリマーの異常滞留と劣化に起因する糸切れなど、品質斑の発生を低減することができる。
1. ボデー
2. 口金
3. 濾層ブロック
4. ポリマー流入ブロック
5. ロッキングリング
6. ガスケット(口金直上)
7. ガスケット(濾層ブロック上)
8. 濾過フィルター
9. 濾材
10. 整流板
11. ポリマー入り口
12. 濾層上端部
13. ガスケット一体整流板
14. 多孔部
15. ガスケット部
16. 分配部
17. 結合部
18. ポリマー通路部

Claims (5)

  1. ポリマー流入部、濾過部、および紡糸口金部の順で構成された溶融紡糸用パックにおいて、ポリマー流入部と濾過部の間をシールするガスケットを備え、かつ該ガスケットが整流板と一体で構成されたガスケット一体整流板であり、該整流板部分の板厚tが0.1〜5.0mmであることを特徴とする溶融紡糸用パック。
  2. ガスケット一体整流板の整流板部分が2箇所以上の結合部を有する分配部と2箇所以上のポリマー通路部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶融紡糸用パック。
  3. ポリマー通路部が円弧で構成され、かつ円弧の最小半径が板厚tに対して0.25t以上であることを特徴とする請求項2記載の溶融紡糸用パック。
  4. ガスケット一体整流板のガスケット部、結合部の最小幅が板厚tに対して0.5t以上であることを特徴とする請求項2または3に記載の溶融紡糸用パック
  5. ガスケット一体整流板の材質がアルミ材、ステンレス材、鋼材のいずれかであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の溶融紡糸用パック。
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