JP2016169340A - エチレン系重合体組成物、フィルム、およびラミネート紙 - Google Patents

エチレン系重合体組成物、フィルム、およびラミネート紙 Download PDF

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Abstract

【課題】 長時間の加熱空気による処理を施しても臭気が悪化せず、揮発成分の含有量が少ないエチレン系重合体組成物、積層体、ラミネート紙を提供する。
【解決手段】 エチレン系重合体99.70〜99.98重量%と酸化防止剤0.02〜0.30重量%を含み(エチレン系重合体と酸化防止剤の合計は100重量%)、50〜80℃の空気で48時間以上処理したことを特徴とするエチレン系重合体組成物並びにこれを用いたフィルム、積層体及びラミネート紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、内容物の風味を損なうことのない容器の製造が可能なエチレン系重合体組成物に関するものである。
押出ラミネート加工によって得られる積層体のうち、エチレン系重合体を少なくとも一層積層してなる積層体は、クラフト包装、軟包装、印画紙支持体、テープ、各種容器など幅広い用途分野で用いられている。エチレン系重合体は、一般に、未反応のモノマーおよびコモノマー、低分子量の重合体、製造工程で使用される溶剤などの揮発成分を含有しており、これらの一部は押出ラミネート加工後も積層体中に残存するため、積層体を食品類の包装材料として使用した場合、内容物に揮発成分が移行して内容物の風味を損ない、商品価値を著しく損なうという欠点を有する。
エチレン系重合体の臭気を低減する方法として、エチレン系重合体ペレットを当該重合体の軟化点以下の無臭不活性気体中に滞留させる方法や(特許文献1参照)、当該重合体の軟化点以下の気体またはそれと水蒸気の混合気で処理する方法(特許文献2参照)が知られている。
しかしながら処理気体に空気を用いて加熱を行った場合、揮発成分の除去を十分に行うため長時間の処理を行うとかえってエチレン系重合体を臭気が悪化するといった問題があった。そのため、処理時間の短縮が必要となるが、その際はエチレン系重合体に含まれる揮発成分の除去が不十分となり、低臭性に優れたエチレン系重合体を得ることはできなかった。
また、処理気体に窒素や二酸化炭素を用いる方法は大量のエチレン系重合体を処理するとコストが高くなり実用的でなく、水蒸気との混合気体については揮発成分除去の効果が不十分であった。
特開昭54−52162号公報 特開昭60−231726号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、長時間の加熱空気による処理を施しても臭気が悪化せず、揮発成分の含有量が少ないエチレン系重合体組成物、フィルム、ラミネート紙を提供することを目的とするものである。
本発明は、エチレン系重合体99.70〜99.98重量%と酸化防止剤0.02〜0.30重量%を含み(エチレン系重合体と酸化防止剤の合計は100重量%)、50〜80℃の空気で48時間以上処理したことを特徴とするエチレン系重合体組成物に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のエチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、製造方法には特に制限はなく、ラジカル重合、チークラー・ナッタ触媒によるイオン重合、メタロセン触媒によるイオン重合などの方法によって製造することができる。
本発明のエチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、分子構造に特に制限はなく、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などが例示される。また本発明の積層体を構成するエチレン系重合体は、上記エチレン系重合体を2種類もしくはそれ以上を、任意の割合で混合することができる。これらの中で高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体との組成物が得られたフィルム、ラミネート紙の低臭性に優れるため好ましい。
混合の方法には特に制限はなく、ペレット同士を固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリエチレン系樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
本発明のエチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、メルマスフローレート(以下、MFRという)が2〜100g/10分の範囲であると、押出ラミネート成形が容易となるため好ましく、より好ましくは3〜50g/10分、さらに好ましくは3〜25g/10分である。
また、本発明のエチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、密度が890〜960kg/mの範囲であると、ラミネート成形品の二次加工(製函)性が良好となり好ましく、より好ましくは900〜950kg/m、さらに好ましくは905〜945kg/mである。
また、本発明のエチレン系重合体組成物を構成するエチレン系重合体は、毛管粘度計で測定した130℃における溶融張力が80〜300mNの範囲であることが、良好な押出ラミネート加工性を得るためには好ましい。
本発明のエチレン系重合体組成物を構成する酸化防止剤は特に限定されるものではなく、フェノール系、リン系、フェノール・リン系、イオウ系およびあるいはそれらの混合物等を用いることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリコールビス−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が、
チオエーテル系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が、
リン系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジーホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が、
その他に、2−(t−ブチル)−6−メチル−4−(3−((2,4,8,10−テトラキス(t−ブチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル)フェノール等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種類でも使用できるし、また、2種以上併用することもできる。
これらの中で、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、2−(t−ブチル)−6−メチル−4−(3−((2,4,8,10−テトラキス(t−ブチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル)フェノールが内容物の風味への影響が小さいため好ましく、2−(t−ブチル)−6−メチル−4−(3−((2,4,8,10−テトラキス(t−ブチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル)フェノールが最も好ましい。
また、2−(t−ブチル)−6−メチル−4−(3−((2,4,8,10−テトラキス(t−ブチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル)フェノール以外のリン系酸化防止剤は加水分解により臭気の強い成分を発することがあるため、添加しない方が好ましい。
エチレン系重合体と酸化防止剤の配合割合は、エチレン系重合体99.70〜99.98重量%と酸化防止剤0.02〜0.30重量%、好ましくはエチレン系重合体99.80〜99.97重量%と酸化防止剤0.03〜0.20重量%、更に好ましくはエチレン系重合体99.85〜99.95重量%と酸化防止剤0.05〜0.15重量%の範囲である。酸化防止剤が0.02重量%未満の場合、長時間の加熱空気処理による臭気悪化抑制効果が小さいため好ましくない。また酸化防止剤が0.3重量%を超える場合は得られたフィルムやラミネート紙の表面にブリードし、ヒートシール性を損なうため好ましくない。
本発明においてはエチレン系重合体に前記の酸化防止剤を配合することは必須であるが、必要に応じて光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般的に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明のエチレン系重合体組成物の揮発成分除去処理に用いる空気の温度は、50℃〜80℃、好ましくは55℃〜80℃、更に好ましくは60℃〜80℃である。温度が50℃未満の場合は揮発分除去の効率が悪いため好ましくなく、80℃を超えるとエチレン系重合体組成物ペレットがブロッキングするため好ましくない。
揮発成分除去処理の時間は48時間以上、好ましくは72時間以上、更に好ましくは96時間以上、最も好ましくは120時間である。処理時間が48時間未満の場合、揮発成分の除去効果が小さいため好ましくない。
本発明のエチレン系重合体組成物は、インフレーション成形やTダイ成形などの公知の成形方法によりフィルムとすることができる。この際の押出温度は160℃以下であることが低臭性に特に優れるため好ましく、更に好ましくは150℃以下である。このような押出温度においては、インフレーション成形法がフィルムの成形性に優れるため好ましい。
また、本発明のフィルムは、その両表面の表面張力が35dyn/cm以下であると低臭性に優れるため好ましく、33dyn/cm以下が更に好ましい。
また、本発明のエチレン系重合体組成物は、当該エチレン系重合体組成物からなる層を少なくとも1層有し、当該層を最外層とする形で積層体とすることができる。積層体を成形する方法は特に限定されるものではなく、公知の成形方法を用いることができ、例えば、押出ラミネート法、ドライラミネート法、共押出ラミネート法などが挙げられる。とりわけ、当該エチレン系重合体組成物を押出機のダイから押出して溶融薄膜とし、アンカーコート処理された基材に圧着する、いわゆる押出ラミネート法が成形性に優れるため好ましい。
本発明の積層体を構成する基材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、セルロース系樹脂などの高分子重合体からなるフィルム、セロファンが挙げられ、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリビニルアルコールからなる群郡より選ばれる少なくとも1種以上のフィルムであることが好ましい。これらのフィルムの中で、ポリエステルフィルムが保香性に優れるため好ましい。
また、本発明の積層体を構成するアンカーコート剤は、特に限定されるものではないが、ポリウレタン、イソシアネート化合物、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、チタネート化合物などが例示される。
このようなポリウレタン接着剤は、分子内に少なくとも2個以上の水酸基を有するポリオール成分と分子内に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物から構成される。ポリオール成分としては、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオールなどが挙げられ、このようなポリオール成分を2種以上混合して用いても構わない。中でも、ガラス転移温度と貯蔵弾性率の制御が容易なポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールが好ましい。また、ポリウレタンポリオールやポリエステルポリオールを構成するジカルボン酸成分、ジオール成分、ジエステル成分の30重量%以上が脂肪族系であることが、易開封性に優れるため好ましい。
一方、イソシアネート化合物としては、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、1、3−又は1、4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、1、3−又は1、4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物、ω、ω′−ジイソシアナト−1、4−ジエチルベンゼン等を挙げることができる。脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1、5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1、5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。脂環族ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、イソシアネート化合物として、前記ジイソシアネートのビウレット体、ダイマー体、トリマー体、ダイマー・トリマー体、ウレトンイミン変性体などのポリメリック体や、2官能以上のポリオール等と前記ジイソシアネート或いはそのポリメリック体との反応で得られるポリイソシアネートのアダクト体などの有機ポリイソシアネート変性体が挙げられる。
このようなポリウレタン接着剤は、適宜市販品の中から選択することができ、東ソー(株)から、ニッポラン、コロネートなどの商品名で各々市販されている。
アンカーコート剤の厚みは、特に限定されるものではなく0.01〜1μmの範囲にあると低臭性に優れるため好ましく、0.1〜0.7μmの範囲がさらに好適であり、さらに好ましくは0.1〜0.5μmである。
押出ラミネート加工に供する際、良好な接着性を得るため、ダイより押出されエチレン系重合体組成物よりなる溶融薄膜の少なくともアンカーコート剤と接する面は、空気もしくはオゾンガスにより酸化されることが好ましい。空気による酸化反応を進行させる場合、ダイより押出された本発明のエチレン系重合体組成物の温度は290℃以上であることが好ましく、オゾンガスによる酸化反応を進行させる場合は、ダイより押出された本発明のエチレン系重合体組成物の温度は200℃〜250℃であることが優れた接着性と低臭性を両立できるため好ましい。またオゾンガスの処理量としては、ダイより押出された本発明のエチレン系重合体組成物よりなる溶融薄膜1m当たり0.5mg以上であることが好ましい。
本発明の積層体は、本発明のエチレン系重合体組成物からなる層を少なくとも1層有し、当該層を最外層とするものであることが好ましい。このような積層体を用いて容器を作製する場合、本発明のエチレン系重合体組成物からなる層を容器内側に配することによって、低臭性に優れた容器を得ることができる。
また、本発明のエチレン系重合体組成物は、押出機のダイから押出して溶融薄膜とし、これをアンカーコート処理された基材と本発明のエチレン系重合体組成物からなるフィルムとで挟んで圧着する、いわゆるサンドイッチ押出ラミネート法により積層体とすることができる。
溶融薄膜のエチレン系重合体組成物とこれを挟み込むフィルムのエチレン系重合体組成物は同一のものであってもよく、本発明のエチレン系重合体組成物に属するものであれば相互に異なった性状を有するものであってもよい。
本構成でサンドイッチ押出ラミネート法により積層体を製造する場合、ダイより押出された本発明のエチレン系重合体組成物の溶融薄膜の温度を200℃〜250℃とし、なおかつオゾンガスによって溶融薄膜を酸化させると、優れた接着性と低臭性が両立できるため好ましい。
このような積層体は、坪量が200g/m以上の紙と貼り合わせることにより、飲料用等に用いられる紙容器に好適なラミネート紙とすることができる。
紙と本発明の積層体との貼り合わせは、特に限定されるものではなく、押出ラミネート成形やドライラミネート成形等の公知の方法を用いることができるが、本発明のエチレン系重合体組成物を樹脂温度200〜250℃で押出ラミネート成形する方法が低臭性に優れるため好ましい。その際、エチレン系重合体としてエチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体を用いる方法、又はエチレン系重合体組成物を押出した溶融薄膜の表面をオゾンガスにより酸化する方法が好ましい。
本発明のエチレン系重合体組成物、それよりなるフィルム及び積層体、ラミネート紙は、飲料容器に好適に使用することができる。飲料容器の形状としては、基材にポリエチレンテレフタレートやポリアミド等の合成高分子重合体フィルムを用いエチレン系重合体層が容器の内面になるように成形された袋状容器、ラミネート紙を用いた紙カップ、箱型紙容器などを例示できる。
本発明のエチレン系重合体組成物は、低臭性に優れるため、当該エチレン系重合体組成物を用いて製造したフィルム、積層体およびラミネート紙は、内容物の風味を損なわない飲料容器として使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に、各物性の評価方法を示す。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997年)に準拠し、測定した。
(2)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠し、測定した。
(3)低臭性
評価するラミネート紙を300mm×300mmの大きさに切り出したものを2枚作製し、紙が外側になるように2枚を重ね合せて、端から10mmの幅で三方をヒートシールして袋状に成形した。なお、ヒートシールは温度150℃、圧力0.2MPaで1秒間行った。
次にこの三方袋の内部に30mm角のステンレス製のスペーサーを挿入して袋内に空隙を形成し、その状態で開口部をヒートシールして空気を密封した袋を作製した。
この空気が密封された袋を60℃に保持されたギアオーブンに入れて、24時間加熱した。
ギアオーブンから取り出した袋は直ちにその一端を切断して開封し、内部の空気を評価者が嗅いでその臭気を評価した。
臭気の評価は、以下の基準による5段階評価で実施した。
1 全くあるいはほとんど臭気を感じない
2 わずかに臭気を感じる
3 直ちに臭気を感じるが、さほど不快ではない
4 強い臭気を感じるが、我慢できる程度である
5 非常に強く我慢できない不快な臭気を感じる
実施例1
MFRが3.0g/10分、密度が924kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205、以下、LD−1と記す場合がる。)を99.97重量%、酸化防止剤として2−(t−ブチル)−6−メチル−4−(3−((2,4,8,10−テトラキス(t−ブチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル)フェノール(住友化学製 スミライザーGP、以下、AO−1と記す場合がある。)を0.03重量%となるよう配合し、φ50mm単軸押出機(プラコー製)にて150℃の温度で溶融混練後、造粒することによりエチレン系重合体組成物のペレットを得た。該ペレットを乾燥装置に10kg充填し、60℃の空気を流入させて72時間処理し、揮発成分を除去した。
揮発成分を除去したペレットをφ50mmの押出機を有するインフレーション成形機(プラコー製)を用い、押出温度150℃にて厚み40μm、幅320mmのインフレーションフィルムを得た。
また、MFRが24.0g/10分、密度が917kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン202K、以下、LD−2と記す場合がある。)を99.97重量%、酸化防止剤としてAO−1を0.03重量%となるよう配合し、φ50mm単軸押出機(プラコー製)にて150℃の温度で溶融混練後、造粒することによりエチレン系重合体組成物のペレットを得た。該ペレットを乾燥装置に40kg充填し、60℃の空気を流入させて72時間処理し、揮発成分を除去した。
揮発成分を除去したペレットをφ90mmの押出機を有する押出ラミネーター(ムサシノキカイ製)に供し、Tダイより230℃の温度で押出して溶融薄膜とし、その片側の表面に2.7g/mのオゾンガスを吹き付けた。
その後、アンカーコート剤(三井化学(株)製、商品名タケラックA−3210と三井化学(株)製、商品名タケネートA−3072の混合物、混合比3/1)を固形分として0.5μmとなるよう塗布した基材(二軸延伸PETフィルム、東洋紡製 エステルフィルムE5100)と実施例により得たインフレーションフィルムの間に、オゾンガス吹き付け面がアンカーコート剤表面と接するように溶融薄膜を挟むことにより、積層体を得た。
この積層体と坪量が250g/mである紙とをφ90mmの押出機を有する押出ラミネーター(ムサシノキカイ製)にてサンドウィッチラミネート成形することにより[積層体]/[LD−2]/[紙]の順に積層されたラミネート紙を得た。LD−2の押出温度は230℃、ライン速度は100m/分であり、押出した溶融薄膜の両表面に2.7g/mのオゾンガスを吹き付けた。
得られたラミネート紙の評価結果を表1に示す。
実施例2
LD−1を99.97重量%、AO−1を0.03重量%の代わりにLD−1を99.94重量%、AO−1を0.06重量%と配合し、また、LD−2を99.97重量%、AO−1を0.03重量%の代わりにLD−2を99.94重量%、AO−1を0.06重量%と配合した以外は実施例1と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表1に示す。
実施例3
LD−1を99.97重量%、AO−1を0.03重量%の代わりにLD−1を99.90重量%、AO−1を0.10重量%と配合し、また、LD−2を99.97重量%、AO−1を0.03重量%の代わりにLD−2を99.90重量%、AO−1を0.10重量%と配合した以外は実施例1と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表1に示す。
実施例4
LD−1とAO−1からなるエチレン系重合体組成物およびLD−2とAO−1からなるエチレン系重合体組成物の揮発成分を除去する際の空気の温度を60℃から80℃に変更したこと以外は実施例2と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表1に示す。
実施例5
LD−1とAO−1からなるエチレン系重合体組成物およびLD−2とAO−1からなるエチレン系重合体組成物の揮発成分を除去する際の時間を72時間から120時間に変更したこと以外は実施例2と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表1に示す。
実施例6
LD−1の代わりに、MFRが2.0g/10分、密度が920kg/mであるエチレン−1−ヘキセン共重合体(東ソー製 商品名ニポロンZ ZF330、以下、LL−1と記す場合がある。)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表1に示す。
実施例7
LD−1およびLD−2に添加するAO−1の代わりに、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(BASF製 商品名Irganox1010、以下、AO−2と記す場合がある。)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表1に示す。
実施例8
インフレーションフィルムの一方の表面(押出ラミネート成形の際に溶融薄膜と接する面)にフィルムの表面張力が38dyn/cmとなるようコロナ放電処理(春日電機製)を施したこと以外は実施例2と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表1に示す。
比較例1
LD−1を99.97重量%、AO−1を0.03重量%の代わりにLD−1を100重量%とし、AO−1を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表2に示すが、低臭性に劣っていた。
比較例2
LD−1とAO−1からなるエチレン系重合体組成物およびLD−2とAO−1からなるエチレン系重合体組成物の揮発成分を除去する際の時間を72時間から24時間に変更したこと以外は実施例2と同様にしてラミネート紙を得た。得られたラミネート紙の評価結果を表2に示すが、残留揮発成分が多く低臭性に劣っていた。
比較例3
LD−1とAO−1からなるエチレン系重合体組成物およびLD−2とAO−1からなるエチレン系重合体組成物の揮発成分を除去する際の空気の温度を60℃から90℃に変更した以外は実施例3と同様にして実施したが、ペレットのブロッキングが発生し、インフレーションフィルム成形および押出ラミネート成形に供することができなかった。
Figure 2016169340
Figure 2016169340

Claims (10)

  1. エチレン系重合体99.70〜99.98重量%と酸化防止剤0.02〜0.30重量%を含み(エチレン系重合体と酸化防止剤の合計は100重量%)、50〜80℃の空気で48時間以上処理したことを特徴とするエチレン系重合体組成物。
  2. 酸化防止剤が 2−(t−ブチル)−6−メチル−4−(3−((2,4,8,10−テトラキス(t−ブチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル)フェノールであることを特徴とする請求項1に記載のエチレン系重合体組成物。
  3. エチレン系重合体が2−(t−ブチル)−6−メチル−4−(3−((2,4,8,10−テトラキス(t−ブチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル)フェノール以外のリン系酸化防止剤を含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載のエチレン系重合体組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系重合体組成物からなるフィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系重合体組成物を160℃以下の温度でインフレーション成形したフィルム。
  6. フィルム両表面の濡れ張力が35dyn/cm以下であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のフィルム。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系重合体組成物からなる層を少なくとも1層有し、当該層を最外層とする積層体。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系重合体組成物を押出機のダイから樹脂温度200〜250℃で押出して溶融薄膜とし、当該溶融薄膜にオゾン処理を施した後、当該オゾン処理面をアンカーコート処理された基材に圧着したことを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン系重合体組成物を押出機のダイから樹脂温度200〜250℃で押出して溶融薄膜とし、当該溶融薄膜にオゾン処理を施した後、アンカーコート処理された基材と請求項4〜6に記載のフィルムとで当該溶融薄膜を挟み圧着したことを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  10. 坪量が200g/m以上の紙と請求項7〜9のいずれかに記載の積層体とを貼り合わせたことを特徴とするラミネート紙。
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