JP2016164242A - メラミン化粧材およびメラミン化粧材の製造方法 - Google Patents

メラミン化粧材およびメラミン化粧材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】指紋等が目立ちにくいとともに、耐久性にも優れたメラミン化粧材およびこのようなメラミン化粧材を容易に製造することが可能なメラミン化粧材の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のメラミン化粧材100は、メラミン樹脂を含む材料で構成された表面層11を有し、前記表面層11の外表面には、JIS B 0601で表わされる算術平均粗さ(Ra)が5μm以上である凹凸が形成されており、表面積比(A)=SA/UA(式(1))で表される表面積比(A)が10以上であることを特徴とする。(SAは、前記表面層の前記外表面の任意の領域の表面積を示し、UAは、前記表面層の前記外表面の前記任意の領域を平面視した際の面積を示す。)メラミン化粧材100の平均厚さは、0.4mm以下であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メラミン化粧材およびメラミン化粧材の製造方法に関するものである。
メラミン化粧材は、メラミン樹脂を表面層に用いた化粧材であり、メラミン樹脂の特性から、高い表面硬度、耐摩耗性、耐熱性、耐熱水性、耐汚染性、耐煮沸性、耐光性等の耐久性に優れている。一方、メラミン樹脂は屈折率が高いため、メラミン樹脂よりも屈折率の低い樹脂で構成された化粧材と比較して、化粧柄を鮮明に表現できない、指紋が目立ちやすいといった問題があった。
このような問題を解決するために、メラミン樹脂の層の上に、メラミン樹脂よりも低屈折率の材料で構成された層を設けた化粧材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように、メラミン樹脂の層の上に低屈折率の材料で構成された層を設けることにより、化粧柄を鮮明に表現することができ、また、指紋も目立たなくすることができる。
しかしながら、メラミン樹脂の層の上に低屈折率の材料で構成された層を設けた場合、表面にメラミン樹脂が露出しなくなるため、メラミン樹脂の上述したような特性が得られないといった問題があった。
特開2009−233878号公報
本発明の目的は、指紋等が目立ちにくいとともに、耐久性にも優れたメラミン化粧材およびこのようなメラミン化粧材を容易に製造することが可能なメラミン化粧材の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(3)の本発明により達成される。
(1) メラミン樹脂を含む材料で構成された表面層を有し、
前記表面層の外表面には、JIS B 0601で表わされる算術平均粗さ(Ra)が5μm以上である凹凸が形成されており、
下記式(1)で表される表面積比(A)が10以上であることを特徴とするメラミン化粧材。
表面積比(A)=SA/UA … (1)
(SAは、前記表面層の前記外表面の任意の領域の表面積を示し、UAは、前記表面層の前記外表面の前記任意の領域を平面視した際の面積を示す。)
(2) 平均厚さが、0.4mm以下である上記(1)に記載のメラミン化粧材。
(3) 上記(1)または(2)メラミン化粧材の製造方法であって、
前記メラミン樹脂を含むメラミン樹脂層を形成する工程と、
前記メラミン樹脂層を腑型材により加熱しつつ加圧成形することにより、前記外表面にJIS B 0601で表される算術平均粗さ(Ra)が5μm以上である凹凸を有し、かつ、前記式(1)であらわされる表面積比(A)が10以上の関係を満足する前記表面層を形成する工程と、を有することを特徴とするメラミン化粧材の製造方法。
本発明によれば、指紋等が目立ちにくいとともに、耐久性にも優れたメラミン化粧材およびこのようなメラミン化粧材を提供することができる。
また、そのようなメラミン化粧材を容易に製造することが可能なメラミン化粧材の製造方法を提供することができる。
本発明のメラミン化粧材の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明のメラミン化粧材の製造方法の一例を示した工程図である。
以下、本発明について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
《メラミン化粧材》
まず、本発明のメラミン化粧材の好適な実施形態について説明する。
本発明のメラミン化粧材は、建築用の壁面、エレベーターや電車の車両等の内装、机や本棚等の家具等に貼り付けることで、審美性や高級感を付与することができるものである。
図1は、本発明のメラミン化粧材の好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、メラミン化粧材100は、表面層11と、基材層12とが積層した積層体で構成されている。
以下、各層について詳細に説明する。
<1.表面層>
表面層11は、意匠性や審美性に寄与する層であり、化粧紙等の表面層基材にメラミン樹脂を含浸させ、乾燥させたものである。
表面層11は、外表面に、JIS B 0601で表される算術平均粗さ(Ra)が5μm以上である凹凸が形成されており、かつ、下記式(1)で表される表面積比(A)が10以上である。
表面積比(A)=SA/UA … (1)
(SAは、前記表面層の前記外表面の任意の領域の表面積を示し、UAは、前記表面層の前記外表面の前記任意の領域を平面視した際の面積を示す。)
ところで、メラミン樹脂は、屈折率が1.6〜1.7と比較的高いため、化粧材表面における反射光が増加する。その結果、化粧材内部への入射光が減少し、化粧柄からの反射光(人が感知する色情報)が減るため、化粧柄を鮮明に表現できないといった問題があった。また、指紋等の原因である油脂成分の屈折率は1.5程度で反射率が低い上、付着した油脂成分の凹凸形状等の原因により、指紋等の汚れが目立つといった問題もあった。
これに対して、本発明のメラミン化粧材は、上述したような関係を満足する外表面(意匠面)を有している点に特徴を有している。言い換えると、本発明のメラミン化粧材は、外表面が、上記関係を満足するような比較的急峻な凹凸を有している。このような特徴を有することにより、指などで外表面に触れた場合であっても、指等と外表面との接触面積を小さいものとすることができ、指紋等の汚れの付着を抑制することができる。さらに、メラミン化粧材の外表面にはメラミン樹脂が露出しているため、メラミン化粧材は、高い表面硬度、耐摩耗性、耐熱性、耐熱水性、耐汚染性、耐煮沸性、耐光性等の耐久性を効果的に発揮することができる。
なお、本発明では、外表面のJIS B 0601で表される算術平均粗さ(Ra)が、5μm以上であるが、15μm以下であるのがより好ましい。これにより、本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
また、本発明では、上記式(1)で表される表面積比(A)が10以上であるが、10以上20以下であるのがより好ましい。これにより、本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
メラミン樹脂としては、特に限定されず、例えば、メラミンとホルムアルデヒドを中性または弱アルカリ下において反応させて得られるものを用いることができる。
メラミンに対するホルムアルデヒドの反応モル比((ホルムアルデヒドのモル量)/(メラミンのモル量)の値であり、以下、単に「反応モル比」ということがある。)は、特に限定されないが、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.0、さらに好ましくは1.1〜1.8として、反応させて得られたものを好適に用いることができる。反応モル比が前記下限値未満であると、未反応成分が増加し保存性低下、コスト高となる場合がある。また、前記上限値を超えると、硬化後の樹脂柔軟性低下が著しくなる場合がある。なお、メラミン樹脂としては、1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、反応モル比や重量平均分子量等が異なる2種類以上のメラミン樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、メラミン樹脂としては、住友化学(株)製のメラミン樹脂等、市販のものを用いることもできる。
メラミン樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、200〜500であるのが好ましく、250〜350であるのがより好ましい。分子量が前記下限値よりも小さいと、未反応分が多くなり、保存性が低下する場合がある。また、前記上限値よりも大きいと、基材への含浸性が低下する場合がある。なお、前記重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
表面層基材は、意匠面が形成されたシート状の基材である。表面層基材の材質は特に限定されず、例えば、パルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維等を用いることができる。また、必要に応じて、酸化チタンなどの顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙などを用いることができる。
表面層基材の坪量は、特に限定されないが、40〜150g/mであることが好ましい。坪量が前記下限値未満であると、樹脂含浸工程での切れ、しわの問題から、塗工処理が困難である。一方、坪量が前記上限値を超えると、表面層基材が担持する樹脂の含浸量にムラが生じ、メラミン化粧材100の柔軟性を低下させると共に、生産性低下、コスト高の原因となる場合がある。
<2.基材層>
基材層12は、表面層11を支持する層であり、表面層11の意匠面とは反対の面側に、接合されている。
基材層12としては、例えば、各種金属シート(金属箔、金属板を含む)、各種樹脂シート(樹脂板を含む)、各種布、各種紙、各種木板、石膏ボード等や、これらの複合体、積層体等が挙げられる。
各種金属シートの構成材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、マグネシウム、亜鉛等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、金属シートとしては、金属材料以外の材料で構成されたシート状の基材に、上記金属材料をめっきしたもの等であってもよい。
各種樹脂の構成材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等の熱硬化性樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
各種紙としては、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等が挙げられる。また、これらの紙基材を単独で基材層12として用いてもよいし、これらの紙基材に樹脂を含浸させた樹脂含浸紙や、酸化チタンなどの顔料を含有する酸化チタン含有紙等を基材層12として用いてもよい。
各種布として、多数の繊維を集めて薄い板状に加工した織布、不織布等を用いることができる。
繊維としては、特に限定されず、例えば、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維等の無機繊維、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の化学合成繊維等が挙げられる。
また、各種布としては、織布、不織布等に樹脂や顔料等を含有させたもの等であってもよい。
上述した中でも、基材層12としては、特に、ガラス繊維で構成された布(ガラスクロス)またはガラスクロスを基材とするプリプレグからなる材料を用いるのが好ましい。これにより、メラミン化粧材100に、耐熱性、不燃性、剛性などを付与することができる。
また、ガラスクロスを構成するガラスとしては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもTガラスが好ましい。これにより、ガラスクロスの熱膨張係数を小さくすることができる。
ガラスクロスの重量は、特に限定するものではないが、建築基準法第2条第9号の不燃性適合要件である「燃焼後の亀裂・貫通があってはならない」を満たす必要がある場合は、坪量100g/m以上とする事が好ましい。また、重量の上限は特に制約を必要としないが、材料コストと加工性の面から坪量250g/m以下が好ましい。
プリプレグとしては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を含有する樹脂組成物を上述のガラスクロスに含浸してなるものを用いることができる。
プリプレグ中に含まれる樹脂組成物の含有量としては、表面層11との層間接着強度が、メラミン化粧材100を形成するために十分であれば、特に限定されないが、樹脂組成物として熱可塑性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上、20質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上、10質量%以下含有することがより好ましい。また、樹脂組成物として熱硬化性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上、20質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上、10質量%以下含有することがより好ましい。これにより、表面層11と基材層12との層間接着強度を向上させることができる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。中でも、アクリル樹脂および/またはウレタン樹脂を用いるのが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ユリア樹脂、マレイミド樹脂などが挙げられる。中でも、不燃性、耐熱性、密着性の観点からフェノール樹脂が好ましい。これらの樹脂は、単独または混合して用いることができる。
プリプレグは、従来公知の方法により製造することができ、例えば、上述したガラスクロスと同様のガラスクロスに、樹脂組成物を溶剤に溶解させたワニスを含浸、乾燥させることにより得られる。
基材層12の厚みは、100μm以上とすることが好ましい。これにより、メラミン化粧材100に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。また、厚みの上限については、特に限定されないが、厚みが大きいほどメラミン化粧材100の厚みと重量が増大すると共に、コストも嵩むため、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、350μm以下にすることがより好ましい。
なお、表面層11と基材層12との間には、これらを接合する中間層を有していてもよい。中間層を構成する材料としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂は、粒子状、バルク状、またはこれらを組み合わせた形態であってもよいが、粒子状の形態で含まれているのが好ましい。なお、粒子状の熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂粒子)は、熱可塑性樹脂が溶剤に分散してエマルジョン状態となった熱可塑性エマルジョン樹脂(樹脂ワニス)を原料として用い、これを乾燥させることにより容易かつ確実に得ることができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂は、熱可塑性樹脂粒子として存在する成分を含み、金属や各種素材との接着特性を有し、メラミン化粧材100に柔軟性を付与する。その結果、メラミン化粧材100の曲げ加工性を向上させることができる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ウレタンアクリル複合樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。本明細書中において、ウレタンアクリル複合樹脂とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを意味する。なお、本明細書中において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。
上述したようなメラミン化粧材100は、常温(通常20〜30℃程度)での最小曲げ半径が10mmR以下の曲げ加工が可能であるが、特に限定はされない。最小曲げ半径Rとは、半径Rの湾曲部を有する型に沿わせて、一方方向に行う常温曲げ加工を繰り返し実施しても、割れ等の不具合を生じず、100%の良品が得られる最小の型の半径Rを意味する。
また、メラミン化粧材100は、全体の厚みが0.4mm以下であるのが好ましい。これにより、メラミン化粧材100は、曲げ加工をより容易に行うことができるものとなる。
《メラミン化粧材の製造方法》
次に、上述したメラミン化粧材の製造方法について説明する。
図2は、本発明のメラミン化粧材の製造方法の一例を示した工程図である。
まず、図2(a)に示すように、表面層基材にメラミン樹脂を含浸させたメラミン樹脂層11’を用意する。なお、メラミン樹脂層11’の意匠面側とは反対の面には、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を含浸させてもよい。
表面層基材にメラミン樹脂を含浸させる方法としては、特に限定されず、例えば、樹脂を溶剤に溶解した樹脂ワニスを、例えば、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の公知の装置を用いて塗工した後、80〜130℃程度で加熱乾燥する方法等が挙げられる。
次に、基材層を形成するための基材層形成材料12’を用意し、上記メラミン樹脂層11’と基材層形成材料12’が接するように重ね合わせる(図2(b)参照)。
一方、腑型材を用意する。
腑型材としては、例えば、アルミ、鉄、SUS等の金属で構成された金属板、当該金属板とポリエチレン、ポリプロピレン、PET等のプラスチックで構成されたあるいはアルミ、鉄等の金属で構成されたフィルムで構成されたもの、最表面にメラミン樹脂層を有する樹脂板と前記フィルムで構成されたもの等が挙げられる。
次に、メラミン樹脂層11’と基材層形成材料12’とを加熱しながら、腑型材を用いて加圧する。これにより、外表面にJIS B 0601で表される算術平均粗さ(Ra)が5μm以上である凹凸を有し、かつ、前述した式(1)であらわされる表面積比(A)が10以上の関係を満足する表面層11が形成され、図1に示すようなメラミン化粧材100が得られる。
メラミン樹脂層11’と基材層形成材料12’とを加熱加圧(熱圧成形)する条件としては、特に限定されないが、加熱温度130〜150℃、圧力1〜8MPaで行うのが好ましい。また、熱圧着する時間は、10〜90分間であるのが好ましい。
以上、本発明のメラミン化粧材の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明のメラミン化粧材は、基材層12が無くてもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.メラミン化粧材の製造
(実施例1)
表面層基材として坪量80g/mの酸化チタン含有化粧紙(大日本印刷(株)製)を用い、前記酸化チタン含有化粧紙の意匠面とは反対側に、ウレタンアクリル複合粒子のエマルジョン(中央理化工業(株)製、商品名「SU−100」、平均粒径:84nm、分散媒:水)を固形分で40g/mとなるように塗工し、続いて前記化粧紙の意匠面側に、メラミン樹脂ワニス(反応モル比1.4、樹脂固形分50質量%)を50g/mとなる様に塗工した後、120℃の熱風乾燥機にて90秒乾燥し、樹脂比率が53%、揮発分率3%のメラミン樹脂層を得た。
なお、前記メラミン樹脂ワニスは、反応釜に原料メラミンとホルマリンを所定配合比率で仕込み触媒添加後、沸点まで昇温して還流反応し、メラミン溶解が完了した事を確認した上で、反応終点に達したら脱水処理にて樹脂固形分を調整し冷却する方法により合成した。
得られたメラミン樹脂層に、基材層形成材料として厚み0.2mmのガラスクロス(南亜プラスチック社製、商品名「WEA7628」)を重ね合わせた。
次に、SUSで構成された腑型材をメラミン樹脂層側に重ねた後、140℃、2MPaの条件で40分間加熱加圧成形して、厚さ0.3mmのメラミン化粧材を得た。なお、得られたメラミン化粧材の外表面の算術平均粗さRaは8.56μmであった。また、得られたメラミン化粧材の外表面の上記式(1)で表される表面積比(A)は、11.87であった。
(実施例2、比較例1〜9)
メラミン化粧材の外表面のRaおよび表面積比を表1に示す値となるように腑型材の種類を変更した以外は、前記実施例1と同様にして厚さ0.3mmのメラミン化粧材を得た。
各実施例および各比較例で得られたメラミン化粧材の外表面の算術平均粗さRaおよび比表面積(A)を表1に示した。
Figure 2016164242
2.試験方法
(1)耐指紋性
各実施例および各比較例のメラミン化粧材の意匠面に、指紋を付着させ、目視で観察し、以下の基準で評価を実施した。
○: 比較例1よりも、明らかに指紋が目立たない
×: 指紋が目立つ(比較例1と同等以下)
(2)常温曲げ性(内曲げ、外曲げ)
各実施例および各比較例のメラミン化粧材を規定Rの冶具にあてて曲げ、以下の基準で評価を実施した。
内曲げ:
○: 10mmRで曲げて、クラック等の欠点がない
×: 10mmRで曲げて、クラック等の欠点がある
外曲げ
○: 4mmRで曲げて、クラック等の欠点がない
×: 4mmRで曲げて、クラック等の欠点がある
(3)表面硬度(鉛筆硬度)試験
各実施例および各比較例のメラミン化粧材をJIS K 5600に準拠した鉛筆硬度試験により評価を行った。
○: 硬度が5H以上
×: 硬度が4H以下
(4)耐熱性
JIS K 6902の耐熱性試験に準拠した方法で処理を行い、試験後に、膨れ、剥離、クラック等異状の有無を確認した。
○: 無し
×: 有り
(5)耐熱水性
JIS K 6902の耐熱水性試験に準拠した方法で処理を行い、試験後に、膨れ、白化の有無を確認した。
○: 無し
×: 有り
(6)耐汚染性試験
JIS K 6902の耐汚染性試験に準拠した方法で処理を行い、試験後に、表面の汚染材料残りの有無を確認した。
○: 無し
×: 有り
(7)耐光性試験
JIS K 6902の耐光性試験に準拠した方法で測定される色差△Eおよび等級を確認し、以下の基準で評価を実施した。
△E
○: 168時間放置後△Eが3.0以下
×: 168時間放置後△Eが3.0よりも大きい
等級
○: 168時間放置後等級が3以上
×: 168時間放置後等級が2以下
(8)耐摩耗性試験
JIS K 6902の耐摩耗性試験に準拠した方法で測定される摩耗量および摩耗値を確認し、以下の基準で評価を実施した。
摩耗量
○: 0.1g/100以下
×: 0.1g/100よりも大きい
摩耗値
○:垂直面:150以上、水平面:300以上
×:垂直面:150より小さい、水平面:300よりも小さい
(9)耐クラック性試験
JIS K 6902の耐クラック性試験に準拠した方法で処理を行い、試験後に、クラックの有無・程度を確認し、以下の基準で評価を実施した。
○: 等級3以上
×: 等級2以下
(10)耐煮沸性試験
JIS K 6902の耐煮沸性試験に準拠した方法で測定される重量増加率、試験後外観を、以下の基準で評価を実施した。
重量増加率
○: 16%以下
×: 16%よりも大きい
試験後外観
○: 膨れ、剥離のないこと
×: 膨れ、剥離がある
(11)寸法安定性試験(常温)
JIS K 6902の寸法安定性試験に準拠した方法で測定されるタテ総変化率、ヨコ総変化率を、以下の基準で評価を実施した。
タテ総変化率
○: 1.1%以下
×: 1.1%よりも大きい
ヨコ総変化率
○: 1.4%以下
×: 1.4%よりも大きい
(12)発熱性(不燃性)試験
日本建築総合試験場の業務標準「防耐火性能試験・評価業務方法書」4.10不燃性能試験・評価方法における、(2)ii)4.10.2の発熱性試験・評価方法により実施した。
上記業務標準「防耐火性能試験・評価業務方法書」の上記項目には、建築基準法第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく認定に係わる性能評価方法について記載されている。
評価は以下の基準に基づいて行った。
総発熱量
○: 8MJ/m以下
×: 8MJ/mよりも大きい
最高発熱速度
○: 最高発熱速度が10秒以上連続して200KW/mを超えないこと
×: 上記範囲を満たさない
貫通穴・亀裂
○: 貫通穴や裏面に達する亀裂がない
×: 貫通穴や裏面に達する亀裂がある
これらの結果を表2に示した。
Figure 2016164242
表2から解るように、本発明のメラミン化粧材は、指紋等が付きにくいものであった。また、本発明のメラミン化粧材は、指紋等が目立ちにくいとともに、各種耐久性にも優れたものであった。これに対して、比較例のメラミン化粧材は、各種耐久性には優れるものの、指紋等が目立つものであった。
100 メラミン化粧材
11 表面層
11’ メラミン樹脂層
12 基材層
12’ 基材層形成材料

Claims (3)

  1. メラミン樹脂を含む材料で構成された表面層を有し、
    前記表面層の外表面には、JIS B 0601で表わされる算術平均粗さ(Ra)が5μm以上である凹凸が形成されており、
    下記式(1)で表される表面積比(A)が10以上であることを特徴とするメラミン化粧材。
    表面積比(A)=SA/UA … (1)
    (SAは、前記表面層の前記外表面の任意の領域の表面積を示し、UAは、前記表面層の前記外表面の前記任意の領域を平面視した際の面積を示す。)
  2. 平均厚さが、0.4mm以下である請求項1に記載のメラミン化粧材。
  3. 請求項1または2に記載のメラミン化粧材の製造方法であって、
    前記メラミン樹脂を含むメラミン樹脂層を形成する工程と、
    前記メラミン樹脂層を腑型材により加熱しつつ加圧成形することにより、前記外表面にJIS B 0601で表される算術平均粗さ(Ra)が5μm以上である凹凸を有し、かつ、前記式(1)であらわされる表面積比(A)が10以上の関係を満足する前記表面層を形成する工程と、を有することを特徴とするメラミン化粧材の製造方法。
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