JP6331806B2 - 化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧板に関するものである。
ビル、ホテル、マンションのロビーや会議室、オフィスの壁面には、例えば木目調や石目調などの模様を持つ化粧板を複数壁に取り付けることで、見栄えの良い快適な空間が演出されている。また、このような化粧板は不動産だけでなく、電車等の車両用内装材としても使用されている(例えば、特許文献1参照)。
このような化粧板には、梨地や木目等のシボが形成されているものがある。
その一方で、キッチン周りなどには光沢感の高いツヤのある化粧板が高級感・清掃性の良さから使用されている。
しかしながら、従来においては、光沢感の高い化粧板を壁面に使用すると、その見た目から高級感があるとされるが、その一方で、化粧板に映り込みが生じ、観察者に不快感を与えることがあった。
特開2013−202906号公報
本発明の目的は、映り込みを防止しつつ、優れた光沢感を有する化粧板を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) 表面に複数の凸条または複数の溝が設けられた化粧板であって、
前記凸条または前記溝が設けられた面について、JIS Z 8741:1997に準じて測定される60度鏡面光沢度をA[%]、
前記凸条の平均高さまたは前記溝の平均深さをB[μm]、
前記凸条または前記溝の平均幅をC[μm]、
前記凸条または前記溝が設けられた面における、前記凸条または前記溝が占める面積率をD[%]としたとき、
0.05≦(B×C×D)/A≦10.0の関係を満足することを特徴とする化粧板。
(2) 前記Aは、60%以上108%以下である上記(1)に記載の化粧板。
(3) 前記Bは、0.12μm以上1.30μm以下である上記(1)または(2)に記載の化粧板。
(4) 前記Cは、1.0μm以上18.5μm以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の化粧板。
(5) 前記Dは、9.0%以上50.0%以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の化粧板。
(6) 6.0≦C/B≦40.0の関係を満足する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の化粧板。
(7) 化粧板は、前記凸条または前記溝が設けられた部位がメラミン系樹脂を含むものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の化粧板。
(8) 化粧板は、ガラスクロスを含む芯材層を有するものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の化粧板。
本発明によれば、映り込みを防止しつつ、優れた光沢感を有する化粧板を提供することができる。
本発明の化粧板の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の化粧板の好適な実施形態を模式的に示す平面図である。 本発明の化粧板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の化粧板の他の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の化粧板の他の好適な実施形態を示す断面図である。
<<化粧板>>
化粧板は、ビル、ホテル、マンションのロビーや、会議室、オフィス等の壁面に取り付けることで、空間の見栄えや快適性を向上させることができるものである。また、化粧板は、例えば、不動産だけでなく、電車等の車両用内装材として使用されるものであってもよい。
そのような化粧板として、例えば、木目調の模様のもの等があるが、その一方で、キッチン周りなどには光沢感の高いツヤのある化粧板が高級感・清掃性の良さから使用されている。
しかしながら、従来においては、光沢感の高い化粧板を壁面に使用すると、その見た目から高級感があるとされるが、その一方で、化粧板に映り込みが生じ、観察者に不快感を与えることがあった。
そこで、本発明者は、化粧板の意匠面に凸条または溝を設けることにより、上記の問題を解決することを目指して鋭意研究を行った。
その結果、化粧板の化粧面の光沢度と、凸条、溝の条件とが、上記の問題を解決するうえで重要であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、化粧板の凸条または溝が設けられた面について、JIS Z 8741:1997に準じて測定される60度鏡面光沢度をA[%]、前記凸条の平均高さまたは前記溝の平均深さをB[μm]、前記凸条または前記溝の平均幅をC[μm]、前記凸条または前記溝が設けられた面における、前記凸条または前記溝が占める面積率をD[%]としたとき、0.05≦(B×C×D)/A≦10.0の関係を満足する。
特に、(B×C×D)は、光を散乱させ、映り込みを防止する機能(映り込み性)を発揮する上で重要な因子であり、Aは化粧板の鏡面性、光沢感を良好なものとする上で重要な因子である。そして、これらの比率を所定の範囲内の値とすることにより、映り込みを防止しつつ、優れた光沢感を有する化粧板を提供することができる。
これに対し、(B×C×D)/Aの値が前記下限値未満であると、映り込みを十分に防止することができない。
また、(B×C×D)/Aの値が前記上限値を超えると、光沢感が不十分となる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明についてより詳細に説明する。
図1は、本発明の化粧板の好適な実施形態を模式的に示す断面図、図2は、本発明の化粧板の好適な実施形態を模式的に示す平面図である。
図1に示すように、化粧板100は、表面層11と、芯材層12とを有している。
<表面層>
表面層11は、意匠面となる第1の面111側に、メラミン系樹脂を担持する表面層基材からなる表面層材料で構成されている。
表面層11を構成する表面層基材が、メラミン系樹脂を含むものであることにより、化粧板100は、特に優れた硬度を有し、より傷が付きにくいものとなる。
表面層11は、第1の面111側に複数の凸条1111が設けられている。
そして、凸条1111が前述したような所定の条件を満足するものであることにより、化粧板100は、映り込みを防止しつつ、優れた光沢感を有するものである。
すなわち、化粧板100の凸条1111が設けられた面(第1の面111)について、JIS Z 8741:1997に準じて測定される60度鏡面光沢度をA[%]、凸条1111の平均高さをB[μm]、凸条1111の平均幅をC[μm]、凸条1111が設けられた面(第1の面111)における、凸条1111が占める面積率をD[%]としたとき、0.05≦(B×C×D)/A≦10.0の関係を満足する。
これにより、前述したような優れた効果が得られる。
本発明においては、0.05≦(B×C×D)/A≦10.0の関係を満足すればよいが、0.25≦(B×C×D)/A≦5.5の関係を満足するのが好ましく、0.45≦(B×C×D)/A≦2.6の関係を満足するのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮され、化粧板100の高級感を特に優れたものとすることができる。
60度鏡面光沢度Aの測定は、JIS Z 8741:1997に準じて行うものであればよいが、測定時の光源としては、LED(波長880nm)を用いるのが好ましい。より具体的には、株式会社堀場製作所製 光沢計IG−320を用いるとよい。
前記B、CおよびDは、例えば、顕微鏡を用いた所定範囲の視野内に存在する凸条1111について測定を行うことにより求めることができる。
例えば、前記BおよびCについては、顕微鏡を用いて無作為に抽出した領域に存在する複数個の凸条1111について測定を行い、その測定結果から、平均値としてのBおよびCの値を求めることができる。より具体的には、平均値としてのBおよびCを求める際には、例えば、100個の凸条1111について測定を行い、これらの平均値を採用することができる。
また、顕微鏡を用いて無作為に抽出した領域を単位面積とし、および当該領域において凸条1111が占める面積を求めることにより、前記Dを求めることができる。
前記A(60度鏡面光沢度)は、60%以上108%以下であるのが好ましく、63%以上93%以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の光沢感、高級感を特に優れたものとすることができる。
これに対し、前記A(60度鏡面光沢度)が前記下限値未満であると、化粧板100の光沢感、高級感が低下する場合がある。
また、前記A(60度鏡面光沢度)が前記上限値を超えると、映り込み性が低下し、化粧板100の高級感が低下する可能性がある。
前記B(凸条1111の平均高さ)は、0.12μm以上1.30μm以下であるのが好ましく、0.30μm以上1.15μm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の光沢感に与える影響を抑えつつ、映り込み性を制限することができ、高級感を特に優れたものとすることができる。また、化粧板100の耐久性、汚れにくさ(防汚性)を特に優れたものとすることができる。
これに対し、前記B(凸条1111の平均高さ)が前記下限値未満であると、映り込み性が強くなる場合がある。
また、前記B(凸条1111の平均高さ)が前記上限値を超えると、化粧板100の光沢感が低下する可能性がある。また、化粧板100の凸条1111間に汚れが付着しやすくなったり、化粧板100の触感、機械的強度が低下する等の問題が生じる可能性がある。
前記C(凸条1111の平均幅)は、1.0μm以上18.5μm以下であるのが好ましく、3.0μm以上18.3μm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の光沢感に与える影響を抑えつつ、映り込み性を制限することができ、高級感を特に優れたものとすることができる。また、化粧板100の耐久性、汚れにくさ(防汚性)を特に優れたものとすることができる。
これに対し、前記C(凸条1111の平均幅)が前記下限値未満であると、化粧板100の映り込み性が強くなる場合がある。
また、前記C(凸条1111の平均幅)が前記上限値を超えると、化粧板100の高級感が低下する可能性がある。
前記D(第1の面111における凸条1111が占める面積率)は、9.0%以上50.0%以下であるのが好ましく、15.0%以上46.0%以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の光沢感に与える影響を抑えつつ、映り込み性を制限することができ、高級感を特に優れたものとすることができる。
これに対し、前記D(第1の面111における凸条1111が占める面積率)が前記下限値未満であると、化粧板100の映り込み性が強くなる場合がある。
また、前記D(第1の面111における凸条1111が占める面積率)が前記上限値を超えると、化粧板100の高級感が低下する可能性がある。
また、化粧板100は、前記Cと前記Dとについて、6.0≦C/B≦40.0の関係を満足するのが好ましく、6.5≦C/B≦38.0の関係を満足するのがより好ましい。
これにより、化粧板100の光沢感、映り込み性を特に優れたものとし、高級感を特に優れたものとすることができる。
これに対し、C/Bが前記下限値未満であると、化粧板100の高級感が低下する可能性がある。
また、C/Bが前記上限値を超えると、化粧板100の高級感が低下する可能性がある。
凸条1111の断面形状は、特に限定されず、例えば、矩形状、半円状等、いかなるものであってもよい。
凸条1111の長手方向に垂直な断面において、凸条1111の高さが一定でない場合、当該凸条1111の高さとしては、最大高さを採用することができる。
凸条1111は、直線状をなすものであってもよいし、曲線状をなすものであってもよい。
また、化粧板100を平面視した際、複数の凸条1111は、所定の方向に配列したもの(異方性を有するもの)であってもよいし、複数の方向を向くものであってもよい。
また、複数の凸条1111は、規則的に配置されたものであってもよいし、図2に示すように不規則に配置されたものであってもよい。
本実施形態において、表面層11は、メラミン系樹脂を含む材料で構成されたものである。
これにより、化粧板100は、適度な弾性、剛性を有し、取扱い性(取り扱いのしやすさ)に優れたものとなる。また、メラミン系樹脂は、高い表面硬度を有し、耐傷性、防汚性(汚れの付着のしにくさ)に優れるものであるため、化粧板100の審美性、耐久性の観点からも好ましい。
メラミン系樹脂は、構成成分としてメラミン化合物とアルデヒド化合物とを含む樹脂である。
メラミン化合物は、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物で、トリアジン環に3つのアミノ基が導入された化合物である。
メラミン化合物の好ましい構造としては、例えば、下記式(3)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 0006331806
(式(3)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上4以下の炭化水素基である。)
メラミン化合物としては、特に、式(3)のR、RおよびRがいずれも水素原子である化合物(メラミン)が好ましい。
これにより、化粧板100の硬度をより優れたものとすることができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
アルデヒド化合物は、分子内にアルデヒド基(−CHO)を有するものであればよく、下記式(2)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 0006331806
(式(2)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上10以下の炭化水素基である。)
アルデヒド化合物としては、特に、ホルムアルデヒドが好ましい。
これにより、化粧板100の硬度より優れたものとすることができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
メラミン系樹脂は、構成成分としてメラミン化合物およびアルデヒド化合物を含むものであればよいが、メラミン化合物およびアルデヒド化合物に加え、さらにグアナミン化合物を構成成分として含むものであってもよい。
これにより、化粧板100の硬度を十分に優れたものとしつつ、化粧板100の加工性を特に優れたものとすることができる。
グアナミン化合物は、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物で、トリアジン環に2つのアミノ基が導入された化合物である。
グアナミン化合物の好ましい構造としては、例えば、下記式(1)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 0006331806
(式(1)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上10以下の炭化水素基である。)
グアナミン化合物としては、特に、式(1)のRがメチル基である化合物(アセトグアナミン)が好ましい。
これにより、化粧板100の硬度および加工性をより高いレベルで両立することができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
メラミン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、メラミン系化合物とアルデヒド系化合物を中性または弱アルカリ下において反応させて得られるもの等を用いることができる。
メラミン系化合物に対するアルデヒド系化合物の反応モル比((アルデヒド系化合物のモル量)/(メラミン系化合物のモル量)の値であり、以下、単に「反応モル比」ということがある。)は、特に限定されないが、1.0以上4.0以下であるのが好ましく、1.0以上2.0以下であるのがより好ましく、1.1以上1.8以下であるのがさらに好ましい。
反応モル比が前記下限値未満であると、未反応成分が増加し保存性低下、コスト高となる場合がある。
また、前記上限値を超えると、硬化後の樹脂柔軟性低下が著しくなる場合がある。
なお、メラミン系樹脂としては、1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、反応モル比や重量平均分子量等が異なる2種類以上のメラミン系樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、メラミン系樹脂としては、例えば、住友化学(株)製のメラミン系樹脂等、市販のものを用いることもできる。
表面層11の第1の面111側に担持される樹脂中のメラミン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、80質量%以上100質量%以下であるのが好ましく、95質量%以上100質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
表面層11を構成する表面層基材は、芯材層12に対向する第2の面112側に熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分を担持するものであるのが好ましい。
これにより、表面層11と芯材層12との密着性を特に優れたものとすることができ、化粧板100の耐久性を特に優れたものとすることができるとともに、化粧板100の加工性を特に優れたものとすることができる。
以下の説明では、表面層基材が、第2の面112側に熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分を担持するものである場合について、中心的に説明する。
なお、本明細書中において、表面層基材が樹脂を担持するとは、樹脂が基材(担体)の表面に付着し、または、基材内部の空隙部に含浸され、表面層材料の成形後に担持させた樹脂の性能を発現することを可能にする状態であることを意味する。なお、樹脂は、基材の表面および基材の内部に均一に分布していなくてもよい。
また、本明細書中おいて、熱可塑性樹脂エマルジョンとは、熱可塑性樹脂が溶剤に分散してエマルジョン状態となったものである。
また、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分とは、熱可塑性樹脂エマルジョンから溶剤を除いた成分を意味する。
熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分は、エマルジョン樹脂粒子として存在する成分を含み、金属や各種素材との接着特性を有し、化粧板100に柔軟性を付与する。その結果、表面層11と芯材層12との接着強度を向上させることができるとともに、化粧板100の曲げ加工性を向上させることができる。
熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分には、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ウレタンアクリル複合粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。
本明細書中において、ウレタンアクリル複合粒子とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを意味する。
ウレタン樹脂とアクリル樹脂とは、各々が芯材層12との接着強度が高いため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、芯材層12との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン樹脂は、特に強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、特に透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。
また、本明細書中において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。
また、前記ウレタンアクリル複合粒子が、表面層11の第2の面112側に担持された時の粒子間の配列状態は、特に限定されず、例えば、直鎖構造等が挙げられる。粒子の構造および粒子間の配列状態は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
前述した中でも、前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有する水性クリヤータイプであることが特に好ましい。
ウレタンアクリル複合粒子が上記コアシェル構造であると、表面層11の第2の面112側に担持させたときに、表面外郭がウレタン組成となるので、表面層11の第2の面112側は、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂の両方の特性を有しつつ、外郭にウレタン樹脂の特性が付与される。
なお、本明細書中において「水性クリヤー」とは、樹脂液は水溶性であり水分を除去した後の塗膜は非水性で、かつ下地の色柄が明らかに識別できる程の透明性を持つ樹脂水溶液を意味する。
表面層11の第2の面112側に担持される樹脂が水性クリヤータイプであることにより、表面層が有する意匠面の色調に及ぼす影響を抑制することができる。
なお、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分としては、前述した中の1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分には、上記熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子以外にも、必要に応じて少量の増粘剤、浸透促進剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分は、平均粒径が30nm以上100nm以下のエマルジョン樹脂粒子を含むことが好ましく、前記エマルジョン樹脂粒子の平均粒径は、60nm以上90nm以下であることがより好ましい。
これにより、表面層基材が繊維状物質を含む材料で構成されたものである場合に、エマルジョン樹脂粒子の線維間への含浸性が向上し、表面層基材のより深い部位にまでエマルジョン樹脂粒子を含浸させることができるため、表面層11の柔軟性を特に優れたものとすることができる。
本発明において、平均粒径とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指す。
ここで、粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000(島津製作所社製)を用いて、水中に対象粒子を1分間超音波処理することにより分散させ、測定することができる。
また、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分は、非水溶性であることが好ましい。
これにより、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分が表面層11の第1の面111側へと移行して、第1の面111側に担持されているメラミン系樹脂と混合して、第1の面111側のメラミン系樹脂による表面性能を損なうことをより効果的に防止することができる。
なお、本明細書において、非水溶性とは、25℃における水に対する溶解度が、0.5g/100g水未満のもののことをいい、水溶性とは、25℃における水に対する溶解度が、0.5g/100g水以上のもののことをいう。
表面層基材は、第1の面111側に凸条1111が形成されたシート状の基材である。表面層基材の材質は特に限定されず、例えば、パルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維等を用いることができる。また、必要に応じて、酸化チタン等の顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙等を用いることができる。
表面層基材の坪量は、特に限定されないが、40g/m以上150g/m以下であることが好ましい。
坪量が前記下限値未満であると、表面層基材が樹脂を吸収するものである場合において、表面層基材に樹脂を含浸させる工程での切れ、しわの問題から、塗工処理が困難であり、さらに第1の面と第2の面それぞれに担持させる樹脂含浸量を調整することも困難である。
一方、坪量が前記上限値を超えると、表面層基材が樹脂を吸収するものである場合において、表面層基材が担持する樹脂の含浸量にムラが生じ、化粧板100の柔軟性を低下させるとともに、生産性低下、コスト高の原因となる場合がある。
<芯材層>
本実施形態の化粧板100は、表面層11に加えて、芯材層12をさらに有している。
これにより、化粧板100の形状の安定性、耐久性が特に優れたものとなる。
芯材層12は、表面層11の第2の面112側に接合されている。
芯材層12は、特に限定されないが、ガラスクロスあるいはガラスクロスまたはガラス不織布を基材とするプリプレグ、クラフト紙等の繊維基材にフェノール樹脂を含浸させたプリプレグおよびプリプレグを積層させた積層板、スラリー坦持ガラス不織布からなる芯材層材料で構成されるものが挙げられ、ガラスクロスあるいはガラスクロスまたはガラス不織布を基材とするプリプレグが、表面形状を付与する工程における容易性やプレス成形性、不燃性の観点から特に好ましい。
これにより、化粧板100の耐熱性、剛性等を特に優れたものとすることができる。
ガラスクロスとしては、特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織、斜紋織、二重織等のガラス織布が挙げられ、中でも材料コストと加工性の面から平織のガラス織布が好ましい。
また、ガラスクロスを構成するガラスとしては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。
これらの中でもTガラスが好ましい。
これにより、ガラスクロスの熱膨張係数を小さくすることができる。
ガラスクロスの重量は、特に限定するものではないが、建築基準法第2条第9号の不燃性適合要件である「燃焼後の亀裂・貫通があってはならない」を満たす必要がある場合は、坪量100g/m以上とすることが好ましい。また、重量の上限は特に制約を必要としないが、材料コストと加工性の面から坪量250g/m以下が好ましい。
プリプレグとしては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を含有する樹脂組成物を上述のガラスクロスに含浸してなるものを用いることができる。
プリプレグ中に含まれる樹脂組成物の含有量は、表面層11との層間接着強度が、化粧板100を形成するために十分であれば、特に限定されないが、樹脂組成物として熱可塑性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。また、樹脂組成物として熱硬化性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。これにより、表面層11と芯材層12との層間接着強度を向上させることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。中でも、アクリル樹脂および/またはウレタン樹脂を用いるのが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ユリア樹脂、マレイミド樹脂等が挙げられる。中でも、不燃性、耐熱性、密着性の観点からフェノール樹脂が好ましい。これらの樹脂は、単独または混合して用いることができる。
プリプレグは、従来公知の方法により製造することができ、例えば、上述したガラスクロスと同様のガラスクロスに、樹脂を溶剤に溶解させたワニスを含浸、乾燥させることにより得られる。
また、芯材層材料は、表面層11と接する面側に、さらに熱可塑性樹脂エマルジョンを構成する樹脂(固形分)を担持させることで、さらに接着強度を向上させ、室温(25℃)付近での曲げ加工性を特に優れたものとすることができる。なお、芯材層材料の表面層11と接する面側に担持させる熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分は、柔軟性を付与し、燃焼時の発熱量、ガス有害性に支障なければ特に限定されず、当該熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分が含むエマルジョン樹脂粒子の平均粒径は特に限定されず、水溶性でも非水溶性でもよい。
芯材層12の厚さは、100μm以上であるのが好ましい。
これにより、化粧板100に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。また、厚みの上限については、特に限定されないが、厚みが大きいほど化粧板100の厚みと重量が増大するとともに、コストもかさむため、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、350μm以下にすることがより好ましい。
また、化粧板100は、全体厚さ(平均厚さ)が0.1mm以上2mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上1.2mm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100は、十分な機械的強度等を有しつつ、曲げ加工を容易に行うことができるものとなる。
<<化粧板の製造方法>>
次に、前述した化粧板の製造方法について説明する。
図3は、本発明の化粧板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。
まず、前述した表面層材料で構成された第1の層11’を形成する(図3(1a)参照)。第1の層11’は、前述した表面層11となる層である。
第1の層11’は、表面層基材の一方の面(意匠面となる第1の面111)にメラミン系樹脂を含有する樹脂を担持させ(付与工程)、他方の面に熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分を担持させることにより形成される。
メラミン系樹脂を含有する樹脂を表面層基材に担持させる方法としては、例えば、メラミン系樹脂を含有する樹脂組成物を、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の公知の装置を用いて付与する方法等が挙げられる。
熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分を表面層基材に担持させる方法としては、例えば、熱可塑性樹脂エマルジョンを、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の公知の装置を用いて付与する方法等が挙げられる。
次に、別途用意した芯材層材料で構成された基体12’を、第1の層11’のメラミン系樹脂を含有する樹脂組成物が付与された側の面と対向するように配置する(図3(1b)参照)。基体12’は、前述した芯材層12となる層である。
次に、支持部材20上に基体12’を配置し、第1の層11’と基体12’とを接触させた状態で、第1の層11’を押圧部材30で押圧しつつ、加熱する(図3(1c)参照)。これにより、第1の層11’と基体12’とが熱圧着し、表面層11と芯材層12とを有する化粧板100が得られる(図3(1d)参照)。
この際、押圧部材30としては、その表面(第1の層11’と接触する表面)に形成すべき凸条1111に対応する反転した形状、パターンの溝31が設けられたものを用いる。これにより、押圧部材30が有する溝31が転写され、所望の形状、パターンの凸条1111を容易かつ確実に形成することができる。
押圧部材30(凸条1111に対応する溝31が設けられた部材)は、例えば、表面の平滑性が高い部材(例えば、鏡面仕上げが施された部材)を用意し、その表面で、スチールウール、たわし等の繊維集合体を摺動する処理や、切削等の機械加工を施すこと等により好適に製造することができる。
支持部材20としては、表面が平滑で、形状の安定性に優れた部材、例えば、ステンレス鋼等の各種金属材料で構成された部材を好適に用いることができる。
また、この加熱により、第1の層11’中に含まれるメラミン系樹脂を含有する樹脂組成物が重合・硬化する(硬化工程)。これにより、化粧板100の硬度、耐久性は、特に優れたものとなる。
上記の加熱の条件は、特に限定されないが、加熱温度:130℃以上150℃以下、圧力:2MPa以上8MPa以下で行うのが好ましい。また、加熱時間は、10分間以上60分間以下であるのが好ましい。
上記のような条件を満足することにより、所望の形状、パターンの凸条1111を容易かつ確実に形成することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述したものに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明の化粧板は、図1に示した化粧板100の形態に限定されず、機械的強度等を付与したい場合には、図4に示すように、芯材層の下側にさらに別の芯材層材料を積層して芯材層を2層積層した、表面層11、芯材層12、芯材層14の三層構成としたものであってもよい。また、表面層および芯材層以外の別の層を有していてもよく、例えば、図5に示すように、意匠面側の最外層に保護層15を有していたり、芯材層側の最外層に支持層16を有していたりするものでもよい。
保護層15は、特に限定されず、例えば、坪量10g/m以上50g/m以下の紙基材に、メラミン系樹脂単独、あるいは、メラミン系樹脂に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、あるいはシリカから選ばれる無機充填材を含有させた樹脂組成物を含浸させ、これを乾燥することにより得ることができる。
支持層16は、特に限定されず、例えば、表面層基材に用いられるものと同様の基材に、表面層の第1の面側または第2の面側に用いることができる樹脂を含浸させてなるプリプレグや、金属箔等を用いることができる。
また、本発明において、化粧板は、表面層と芯材層との間に中間層を有するものであってもよい。
本発明の化粧板は、例えば、芯材層を有していないものであってもよい。
また、前述した実施形態では、表面層が、メラミン系樹脂を含む樹脂に加え、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分を担持する表面層基材からなる表面層材料で構成されたものである場合について代表的に説明したが、例えば、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分を含まないもの等であってもよい。
また、前述した実施形態では、化粧板がメラミン系樹脂を含む材料で構成されたものである場合について中心的に説明したが、本発明の化粧板は、前述したような所定の条件を満足する凸条または溝を有し、光沢度について所定の条件を満足するものであればよく、その構成材料は特に限定されない。
また、前述した実施形態では、化粧板が有する凸条を転写法により形成するものとして説明したが、化粧板が有する凸条、溝は、転写法以外の方法で形成してもよい。例えば、化粧板の表面に直接機械加工を施すことにより、凸条、溝を形成してもよい。また、このような場合、例えば、化粧板の表面層となるべき部位を構成する硬化性樹脂を部分的に硬化させた状態で、凸条、溝の形成を行い、その後、前記硬化性樹脂の硬化反応を進行させてもよい。これにより、所望の形状の凸条、溝の形成を容易かつ確実に行うことができるとともに、最終的に得られる化粧板の強度、耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、転写法を採用する場合であっても、マスターとなる成形型を用意し、当該成形型の表面形状を転写して、化粧板製造用の成形型を製造し、当該化粧板製造用の成形型を用いて、化粧板の製造(凸条、溝の形成)を行ってもよい。これにより、成形型の長寿命化を図ることができ、より多くの化粧板について、品質のばらつきを抑制しつつ製造することができる。また、上記のような方法(二段転写法)を採用することにより、製造すべき化粧板が有すべき凸条、溝の形状、パターンが、マスターが有する凸条、溝と同様のものとなり、反転形状にならないため、凸条、溝の形状、パターンの管理が容易となる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
[1]樹脂組成物の製造
メラミン(M)とホルムアルデヒド(F)とを反応モル比(F/M)=1.7として縮合反応させて得られたメラミン系樹脂:100部を含む、樹脂固形分:50質量%のメラミン系樹脂ワニスに、熱潜在性酸触媒(MRCユニテック社製「キャタニット」):0.9質量部、離型剤(中京油脂社製「セパール328」):0.2質量部を添加し、23℃で10分間攪拌して樹脂組成物(ワニス)を得た。
[2]表面層材料の製造
表面層基材として坪量:80g/mの酸化チタン含有化粧紙を用い、[1]で得られた樹脂組成物(ワニス)を、表面層基材の両面側に、ディップコート法で塗工した後乾燥し、表面層材料全体に対するメラミン系樹脂分が50質量%、揮発分が6質量%の表面層材料を得た。
[3]芯材層材料の製造
芯材層基材として、坪量:190g/mの未晒しクラフト紙を用意した。フェノール(P)とホルムアルデヒド(F)とを反応モル比(F/P)=1.3として反応させて得られたレゾール型フェノール樹脂:100質量部を含む、樹脂固形分:50質量%のレゾール型フェノール樹脂ワニスを、芯材層基材に塗工した後乾燥し、芯材層材料全体に対するフェノール樹脂分が35質量%、揮発分が6質量%の芯材層材料を得た。
[4]化粧板の製造
表面が平滑なステンレス鋼製の支持部材上に、[3]で得られた芯材層材料を4枚重ね合わせて載置し、さらにその上に、[2]で得られた表面層材料を重ね合わせた。
その後、表面層材料の外表面を、圧力:8MPa、加熱温度:140℃、加熱時間:60分間という条件で、押圧部材で押圧・加熱して、厚みが1.2mmの化粧板を得た。
押圧部材としては、ステンレス鋼製の板材であり、鏡面仕上げが施された部材に、所定の条件でスチールウールを摺動する処理を施すことにより製造され、所定の条件を満足する溝(形成すべき凸条に対応する溝)が設けられたものを用いた。
(実施例2〜17)
硬化工程で用いる押圧部材が有する溝の条件を変更することにより、化粧板に形成される凸条の条件を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして化粧板を製造した。
(比較例1)
硬化工程で用いる押圧部材として、表面に溝が設けられていないものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして化粧板を製造した。
(比較例2〜10)
硬化工程で用いる押圧部材が有する溝の条件を変更することにより、化粧板に形成される凸条の条件を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして化粧板を製造した。
前記各実施例および比較例の化粧板が有する凸条の条件、凸条が設けられた面について、JIS Z 8741:1997に準じて測定される60度鏡面光沢度Aの値を表1にまとめて示した。なお、60度鏡面光沢度Aの測定においては、株式会社堀場製作所製 光沢計IG−320(光源:LED)を用いた。
また、凸条の平均高さB、凸条の平均幅をC、凸条が設けられた面における凸条が占める面積率Dは、顕微鏡を用いた所定範囲の視野内に存在する凸条について測定を行うことにより求めた。より具体的には、B、CおよびDについては、顕微鏡を用いて無作為に抽出した領域に存在する100個の凸条について測定を行い、その測定結果から、平均値としてのB、CおよびDの値を求めた。また、顕微鏡を用いて無作為に抽出した領域の面積、および当該領域において凸条が占める面積を求めることにより、Dを求めた。
Figure 0006331806
[3]評価
前記のようにして製造された各実施例および比較例の化粧板について、以下の評価を行った。
[3.1]光沢感
表面層が設けられた面について、JIS Z 8741:1997に準じて株式会社堀場製作所製 光沢計IG−320(光源:LED)を用いて、60度鏡面光沢度の測定を行い、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度が80以上。
B:光沢度が50以上80未満。
C:光沢度が50未満。
[3.2]映り込み
表面層が設けられた面側について、鏡面である場合に蛍光灯が写り込み得る角度で、化粧板を目視で観察し、化粧板における蛍光灯の映り込みを以下の基準に従い評価した。
A:化粧板に映る像がぼやけて見え、像の輪郭が全く分からない。
B:化粧板に映る像がぼやけて見え、像の輪郭がやや不明確である。
C:化粧板に映る像の輪郭が明確に見える。
[3.3]総合評価
表面層が設けられた面側について、鏡面である場合に蛍光灯が写り込み得る角度で、化粧板を目視で観察し、化粧板の審美性(美的外観)を以下の基準に従い評価した。
A:高級感に溢れ、非常に優れた審美性を有している。
B:高級感を有し、優れた審美性を有している。
C:やや審美性に劣っている。
D:審美性に劣っている。
E:審美性が非常に劣っている。
これらの結果を表2にまとめて示した。
Figure 0006331806
表2から明らかなように、本発明の化粧板は、映り込みを防止しつつ、優れた光沢感を有するものであり、高級感を有するものであった。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
また、凸条の代わりに溝を形成した以外は前記と同様の条件で化粧板を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
100 :化粧板
11’ :第1の層
11 :表面層
111 :第1の面
1111 :凸条
112 :第2の面
12’ :基体
12 :芯材層
14 :芯材層
15 :保護層
16 :支持層
20 :支持部材
30 :押圧部材
31 :溝

Claims (8)

  1. 表面に複数の凸条または複数の溝が設けられた化粧板であって、
    前記凸条または前記溝が設けられた面について、JIS Z 8741:1997に準じて測定される60度鏡面光沢度をA[%]、
    前記凸条の平均高さまたは前記溝の平均深さをB[μm]、
    前記凸条または前記溝の平均幅をC[μm]、
    前記凸条または前記溝が設けられた面における、前記凸条または前記溝が占める面積率をD[%]としたとき、
    0.05≦(B×C×D)/A≦10.0の関係を満足することを特徴とする化粧板。
  2. 前記Aは、60%以上108%以下である請求項1に記載の化粧板。
  3. 前記Bは、0.12μm以上1.30μm以下である請求項1または2に記載の化粧板。
  4. 前記Cは、1.0μm以上18.5μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化粧板。
  5. 前記Dは、9.0%以上50.0%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化粧板。
  6. 6.0≦C/B≦40.0の関係を満足する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化粧板。
  7. 化粧板は、前記凸条または前記溝が設けられた部位がメラミン系樹脂を含むものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の化粧板。
  8. 化粧板は、ガラスクロスを含む芯材層を有するものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化粧板。
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